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明星大学社会学科創設期における社会学教育

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(1)

《資 料》

明星大学社会学科創設期における社会学教育

高 島 秀 樹

目次 はじめに

1.明星大学、人文学部創設の趣旨 2.社会学科の教育目的

3.社会学科の教育課程  (1)教育課程

 (2)教育内容 おわりに

はじめに

 明星大学は、]964(昭和39)年に設置主体で ある学校法人明星学苑の創立40周年を機として 創設された。創設時は理工学部1学部5学科(物 理学科、化学科、機械工学科、電気工学科、土 本工学科)で出発したが、翌1965(昭和40)年 に人文学部3学科(英語・英文学科、社会学科、

心理・教育学科)が創設され、社会学科(現在 の人間社会学科、本稿では創設期を取り上げる ため当時の学科名で記載する)もここに出発点 を持つ。2015(平成27)年が学科創設50周年に あたり、本紀要が記念号にあたることから、本 稿は創設期の社会学科における社会学教育につ いて、その教育目的・教育課程・教育内容・担 当教員を明らかにし、記録として残すことを目 的とする。

1.明星大学、人文学部創設の趣旨

明星大学人文学部が創設された1965(昭和

40)年度入学生募集のために1964(昭和39)年 度中に作成・配布された大学案内『明星大学=

1965=』においては、初めに「明星学苑の沿革」

として大学創設の経緯、設置の趣旨が次のよう に記されている。

 …(略)…昭和二十六年、私学法の施行に 伴い、学校法人明星学苑と組織を変更し今日 に至つているが、昭和三十八年学苑創立四十 周年の記念の年を迎えるに当り、私学独自の 貫教育の完成をめざし、将来の総合大学の 環として、まず国家的要請にそうべく、大 学創設計画が結実、文部省の認可を経て昭和 三十九年四月明星大学(四年制)理工学部(物 理学・化学・機械工学・電気工学・土木工学 の五学科)が開設された。更に昭和四十年四 月より人文学部(英語英文学・社会学・心理 教育学の三学科)を開設する運びとなつてい

る1)。

(2)

明星大学社会学研究紀要

 次に明星学苑理事長 明星大学学長 児玉九 十が「明星大学 理工学部・人文学部の設立に ついて」を記している。明星大学の創設の趣旨 については、「…(略)…戦後の日本の教育の 根幹は、道徳教育と科学技術教育でなくてはな らぬ…(略)…」という児玉九十が一貫して持 ち続けていた基礎的な考えを示したうえで、当 時の日本の国家的な課題について「…(略)…

高度の科学を中心とした、強い道義心とすぐれ た技術によつて、よりよき品を製造し、これを 安価に売り出す以外に方途はないのでありま す。したがつて、これに適する人材の育成が急 務中の急務となつております。」という認識を 示し、そのために明星大学創設にあたって理工 学部から発足する選択を行ったことを記してい る。次に人文学部を創設した趣旨について、「次 に、日本の今後の発展のためには、人文科学並 びに社会科学系学問の側面よりの融合協力が是 非とも必要であります。また産業や文化、政治 経済を進展させるには、何と言つても『人剛 形成、人間の相互理解の問題が社会進歩の原動 力である事実を無視できません。新たに今度人 文学部の『英語英文学・社会学・心理教育学』

の三学科の開設を目指し、広く世界的視野のも とに人間形成、人間探究、人間相互理解の道を 開拓しようとする努力も、以上のような理由に 基くのであります。」2)と記している。

 このような基本的な考え方は、人文学部創設 後も変更されることなく維持されており、創設 時に第1期生に対して刊行配布された「履修の 手引き 一昭和40年度一 明星大学人文学部』

には次のように記されている。

 人文学部は、日本の今後の発展の為には人 文科学並びに社会科学系学問の側而よりの融 合協力が是非とも必要である、という考え方 に基づいて設置されたものである。産業や文

化、政治・経済を進歩発展させる為には、な んといつても人間形成、人間の相互理解がそ の原動力である事実を無視でき得まい。即ち、

本年度より創設された人文学部は広く世界的 視野のもとに人間形成、人間探究、人間相互 理解の道を開拓せんとする理想を持つた学部 である。このような広汎な理想内容を包含し ている人文学部の各学科は、それぞれ本学独 自の特色ある教育目標を有しているが、人文 学部全体の目的とするところは、広い視野に 基礎を置いた確固たる学問的知見と強い道義 心を持ち、しかも、躍進する実社会の要請に 十分に適応できる技能と資質を備えた人物の 養成にあることを銘記せねばならない3)。

2.社会学科の教育目的

 上記のような明星大学、人文学部の設置の趣 旨を基礎として各学科の設置の趣旨、教育目的 が設定されているが、社会学科については「明 星大学= 1965=』には次のように記されている。

 我国における社会学の研究は新しいもので はないが、然し戦後急速に発展を遂げた学問

  くママエ

の一でる。それは近時における我国の社会情 勢の急速な発展と変化とに即応している。現 代社会はその発展に伴つて、いろいろ重要な 問題を発生した。而して社会学はそれらの諸 問題を一方面からだけでなく、他の諸現象と の係わりにおいて、又歴史的発展の連がりに おいて、適切なる解明をなすことをその任務 とし、今日社会から多大の期待をかけられて

いる。

 抑々社会は人間のあらゆる活動の舞台であ つて、人間は不断にそれからいろいろの影響 や規制をうけている。人間の形成は、実にこ の社会を通ずることによつてのみ達成せられ る。社会学の日的はかくも重大なこの社会と

(3)

いうものを学問的に研究し、その根本的理論 を明かにし、その諸問題を詞 究することを目 的としている。社会学科はかような社会の根 本的研究をなすとともに、更に学生が卒業後、

社会有川の材として社会に迎えられ、応用的 実際的方面にもすぐれた活動をなし得るよ う、特色ある学科課程を編成することに配意 している。

 即ちわれわれの社会学科は、根本的には社 会の基礎理論の研究解明に努力するととも

に、社会調査や社会統計の学習によつて、社 会の実態を実証的に討究する方法を修得し、

更に現代社会の重要問題である都市や産業 や、大衆社会や社会福祉等の現実的諸問題を 研究することに特別に留意している。

 要するに我々の念願するところは、かよう な碓固たる学問的知見を基礎とする、道義心 の強い人間、世界に信頼される日本人という 本学の精神の下に、特色ある社会学科を成就

し、以つて学あり才能あり人格の優れた明星 大学独特の人物を養成して社会に貢献したい

と思つているのである4)。

 このような基本的な考え方は、社会学科創設 後も変更されることなく維持されており、『履 修の手引き 一昭和40年度一 明星大学人文学 部』には同じ趣旨が簡略化されて次のように記

されている。

 社会学科においては、社会の機構・組織、

その機能の基礎的・理論的研究解明を十分に 行なつて学問的知見を養い、これを基礎とし て社会調査・社会統計など社会の実態を実証 的に討究する方法を修得する。さらに、現代 社会の重要問題である都市や産業、大衆社会 や社会福祉等の現実的問題を研究する5)。

3.社会学科の教育課程

(1)教育課程

 上記のような社会学科の設置の趣旨・教育目 的を実現するためにどのような教育課程が設定 表1.学科目及び担当者

社会学概論・社会学史・社会学演習

文学士 ㌶三任銅直勇

社会学特論・道徳社会学・社会史概説・教育社会学

社会学演習 文学博士  教授    桜井庄太郎

社会福祉概説・社会事業・労務管理・職業指導

社会学特論・社会学演習 文学士   教授    三好豊太郎 社会調査法・産業社会学・社会調査演習 経済学士  助教授   福永 安祥 社会哲学概論・同特論・社会哲学演習 文学修士  助教授   山下淳志郎 大衆社会学・社会学演習・社会調査演習 文学修士  専任講師  越井 郁朗

統計学 ph.D   教授    佐藤良一郎

社会統計 文学士   講師    海野  力

都市農村社会学 文学博士  教授    鈴木栄太郎

法思想史 法学士   教授    栗原 一男

西洋思想史 文学士   教授    小島 威彦

国家学 法学博士  講師   斉藤  敏

社会地理学 理学士   講師    松尾 俊郎

川典:「明星大Zl::=1965=]1964(昭和39)年刊、頁表記なし

(4)

6一 明星大学社会学研究紀要

されていたのか、『明星大学=1965=』では表1.

のように示されている。

 これが文部省(当時)の設置認可を受けた教 育課程と担当教員ではないかと推測されるが、

実際には実現されなかった部分もあることが注 意されなければならない。

 創設年度である1965(昭和40)年度の『履修 の手引」には、大学4年間に部門別に取得すべ 単位数が右掲の表2.のように記されている。

 これを受けて年次別授業科目履修基準が表示 され、専門教育科目については「(第四表 参 照)」と記されているが、「第四表 各学科別専 門教育科日(第二年次以降)」には社会学科科 日表として29科目の科日名と単位数が記されて いるのみであり、学年配当や必修・選択の区別

表2.卒業のために各部門別に必要な単位数 部  門 取得すべき単位数 般教育科目 36単位以上

外国語科目 20単位

保健体育科目 6単位

62単位以上

専門教育科目(必修)

  〃   (選択)

}・・単位以上

合計 142単位以上

出典:「履修の手引 一昭和40年度一

  部』3頁

明星大学人文学

が記されておらず、教育課程としては不十分な 記載にとどまっている6}。

表3.専門教育科目

必修科目 単位 選択科日 単位

社会学概論 4 社会思想史 4

社会学特論1 4 社会地理学 4

社会福祉概説 4 数理統計学 4

社会哲学概論 4

社会調査法 4

都市社会学 4

社会学購読 1

25 12

社会学特論H 4 産業社会学 4

社会学史概説 4 大衆社会学 4

社会学演習1(半)

社会学演習H(半)

11 社会哲学特論

職業指導

24

社会史概説 4 教育社会学 4

社会心理学 4 放送文化論 4

社会統計 4

社会調査演習 2

24 22

西洋思想史 4 労務管理 2

道徳社会学 4 社会哲学演習 2

社会学演習皿 1 都市農村社会学 4

社会学演習w 1

卒業研究 8

18 8

合計 67 42

出典:f履修の手引 一昭和43年度一 明星大学人文学部』巻末表、頁表記なし

(5)

 社会学科が完成年度を迎えた1968(昭和43)

年度の『履修の手引 一昭和43年度一 明星大 学人文学部』には教育課程が表3.のように記

されている。

 この教育課程を見ると、①社会学理論・社会 学史など基礎的・理論的な科目と、②社会史や 社会哲学など歴史・思想関係の科目が多く設置 されていること、③多様な領域を扱う特殊社会 学科目が多く設置されていること、④社会調査 や統計など研究方法論に関する科目が設置され ていることがわかる。このような教育課程は先 に記した社会学科の教育目的に沿った教育課程 となっていると考えられるが、同時に社会学理 論・社会哲学・思想を比較的重視している特徴 があると考えることもできる7)。

 また、2年次に「社会学講読」、3年次・4 年次に「社会学演習」(半期科目×4科目、計

4単位)、4年次に「社会哲学演習」(選択)、

が設置されており、さらに3年次に「社会調査 演習」が必修科目として設置されていることか ら、講義形式のみならず演習形式による教育指 導が重視されていたと考えられる。

 なお、専門科目の卒業要件単位数は80単位以 上、社会学科の場合必修67単位・選択13単位以 上となっており、卒業要件単位数は144単位以 上となっている。1965(昭和40)年に示された ものより外国語が20単位から22単位に増加して おり、これにより卒業要件総単位数も2単位増 加している。

(2)教育内容

 明星大学人文学部社会学科が完成年度を迎え た1968(昭和43)年度には計画された科目が全 て開講され、その内容について知ることができ る。『履修の手引 一昭和43年一 明星大学人 文学部』に記された社会学科の専門科目の科目 名・単位数・担当者と教育内容は次のとおりで

ある。

 社会学概論 4単位

      教授  銅直  勇 第1章 社会学の一般的性質

第2章 社会及び社会現象 第3章 社会集団論 第4章 社会構造論 第5章 社会変動論

第6章 近代社会及び現代社会

 テキストとして下記のものを使用し、講 義と共に併用するから、必ず用意されたい。

  社会学(上) 銅直 勇 著 明星大   学発行

社会学特論1 4単位

      教授  三好豊太郎 1 社会変動の社会学的接近

2 イギリスにおける社会変動と社会立法 3 イギリスにおける社会保障制度の成立 4 総括

社会福祉概説 4単位

1.社会福祉の概念 2.社会福祉の目的 3.社会福祉の主体 4.社会福祉の対象

教授  三好豊太郎

 社会哲学概論 4単位

       助教授 山下淳志郎  「社会科学」が対象的にも、方法論的にも 常に歴史的、社会的現実によつて規定されて いる故、この「社会」を「対象」と「する」

学問が真に科学的、実践的でありうる為の根 拠、条件、方法をば、その歴史的、社会的性 格を内容、方法論の二面から吟味、明確化す

(6)

明星大学社会学研究紀要

ることによつて、探求することを目的とする。

 参考書については必要に応じて随時指示す

る。

 社会調査法 4単位

       助教授 福永 安祥  社会調査法は、現地調査によつて、社会事       くマめ実の基礎的資料を収集する枝術体系である が、本講義では、社会調査の歴史、資料収集

      ごマづ

の方法と諸枝術と応用分野について、一般的 な概説を行う。とくに、前期では、理論的側

      くママエ

面、後期は枝術的側面に重点をおく。

 都市社会学 4単位

       講師  海野  力  人口や産業の都市集中による過大都市の出 現、あるいは社会構造の変化等の都市化現象 は工業化と密接な関係を持つている。それば かりではなく、歴史的にも都市は工業の発展 と結びついているし、現在も工業は都市開発 の重要な要素をなしていると共に、都市や地 域社会にさまざまな影響を与えているのでこ の両者の関係を明かにする。

 社会学講読 1単位

       講師  中田 重厚  この講座は専門課程へのアプローチとし て、原書講読を中心とした基礎理論の学習を       くママハめざす。テキストはWilliam F. Ogbeurnの Social Changeを用いる。

 社会思想史 4単位

       教授  猪股 英夫  国内においても、国際間においても、自由 主義思想と共産主義思想とが対立し、激突相 剋をくりかえしている。これらの思想体系の 内容およびその発生した社会的背景を理解し

現存社会秩序を支える思想的支柱が何である かを明らかにするとともに、これらの思想体 系に含まれる各種の主義・見解に対する批判 的検討を通して、「われらは何をなすべきか」

の実践の指標確立に役立つことを意図する。

 社会地理学 4単位

       講師  松尾 俊郎 1.地理学の発達を略説し、その領域及び主   要構成部門を検討する。

2.地理学における社会地理学の地位、その   目標、並びに関係深い諸学問について考   察する。

3.社会地理学の主要問題を取りあげ、それ   らについて、特に地理的環境との関連に  留意して、説述する。

 数理統計学 4単位

       教授  佐藤良一郎 1.統計的記述

 度数分布 平均 分散 標準偏差 相関  相関係数

2.確率

 確率 確率に関する定理 確率変数  期待値 分散 標準偏差

3.主要な確率分布函数

 二項分布 超幾何分布 ぱあそん分布  正規分布

4.統計的推理

 統計的仮説 仮説の検定  統計的定数の推定

5.応用

 標本調査 抜取検査 品質管理 世論調査  以上の諸項目についてその要点を講義す る。高等学校数学数皿までの知識を予定する ので学生は各自にその準備をされるよう希望 する。講義には下記の書を参考書として用い

(7)

る。必ずしも参考書の通りに講義するわけで はないが、常に所持していることが望ましい。

  佐藤良一郎著 数理統計序説 培風館発   行

 社会学特論ll 4単位

       教授  桜井庄太郎  社会意識をテーマとする。はじめに社会意 識の一般理論を説き、つぎに日本人の間にい ちじるしく認められる社会意識をとりあげ て、歴史的・社会的に分析する。

  テキストー桜井著「恩と義理・社会学的   研究」(創研社)

 社会学史概説 4単位

       教授  銅直  勇  本学年度は社会学の成立史を中心として講 述する。凡そ一つの学問の創立については、

その学閥の対象とその研究の方法とが、どう いう流れにそつて発達し、また決定されたか。

更にそれが如何なる学者によつて一つの学問 として体系づけられ、位置づけられたかを明 かにしなければならぬ。即ち多くの諸源流が 如何にして一つの大きな池となり、如何にし てまたそれが多くの流れに分流したか、その 梗概を述べようと思う。

 社会学演習1 1単位

      助教授 福永 安祥  前期あるいは後期のきわめて限られた期間 であるが、現代社会学の基礎理論について、

演習を行なう。テキストとして、現代イギリ スの社会学者WJ.H.Sprotiの「ネ」:会学」(英 文テキスト及び日本訳を併川)を用いる。

社会学演習ll 1単位

教授  三好豊太郎

 昭和41年度厚生白書を中心として、現在の 時点における社会生活の事実に基づき、それ を観察し分析することによつてその間題点を とらえ、それによつて実際問題の解決に適用 できるようにすることを目的とする。

 社会史概説 4単位

       教授  桜井庄太郎  社会史については種々の学説があるが、そ れらは大別すれば二つになる。社会発展の段 階や方向をひろく一般に研究する一般史的社 会史はその一であり、社会の中でおこる諸現 象の一つ(例えば社会問題、階級、家族など)

をとりあげ、部分的に研究する特殊史的社会 史はその二である。この講義では、前者の立 場に立つて、社会の変遷・発展を総合的に明

らかにしたい。

社会心理学

      講師 1.欲求と社会的行動 2.対人関係の心理 3.個人と社会

4.コミユニケーシヨン 5.流言、うわさ、偏見 6.群衆行動

7.グループダイナミツクス

4単位(心理教育学科と共通)

加藤 義明

 社会統計 4単位

       講師  海野  力  統計の利用は学術研究の上においても、実 務においても広範に及んでいる。しかし、本 講座においては、これらの統計学の全般にわ たる問題を扱うのではなく、社会学を学ぶ学        イママラ

生に重点を置き、社会学の研究に心要な統計 上の諸問題を取り扱う、そのために、前期に おいては、統計学の基本概念を、後期におい

(8)

明星大学社会学研究紀要

ては資料の整理や集計上の技術について概要 をのべるものとする。

 社会調査演習 2単位

       助教授 福永 安祥        講師  中田 重厚  第2年次の社会調査の講義を基礎として、

前期は主として社会調査に関連する理論と調

 くマてつ

査枝術の演習、後期には、実地調査(field work)を行なう。実地調査は、本学の所在地 を対象とし、 日野地区の都市化と産業化 主題として行なう。調査の実施に当つては、

関連する諸学科一社会学演習、産業社会学、

大衆社会学、社会福祉概説など一との理論と 調査の統合をめざす。

 産業社会学 4単位

       助教授 福永 安祥  産業社会学は、1945年以降に発展をはじめ た新しい学問であるが、産業における社会関 係を中心的概念として現代産業の当面する諸 問題の社会学的分析を行なう。とくに、前期 は、産業社会学の諸問題、後期は経済社会学 の諸問題について講義を行なう。

 大衆社会学 4単位

       講師  中田 重厚

〔前期〕今日のいわゆる大衆化現象を、わが 国のホワイトカラーの実態調査を中心に考察

する。

(テキスト)

  土屋清監修、林・寿里・鈴木共著「日本  のホワイトカラー」ダイヤモンド社  64刊

〔後期〕大衆社会理論の学説研究(1)

 −V.Pareto G.Mosca, R.Michels一

 社会哲学特論 2単位

       助教授 山下淳志郎  この特論では社会哲学概論で言及された社 会科学の対象概念と方法論及びその両者の関 係を下記のテキストを講読しつつ論究する。

 テキスト G.SimmeL, Sozio.1tes Kapitel       Des Problem der Soziologie−

      Exkurs Uber des Problem:

      もママエ

      wie ist Gesellschaft m6glich?

 職業}旨導  4単イ立

      教授  三好豊太郎 1.職業指導の意義

2.職業社会学の立脚地 3.職業分類及び職業体系

4.職業観測及び職業の需要と供給 5.職業と個性

6.職業指導方法

 教育社会学 4単位(心理教育学科と共通)

       教授  桜井庄太郎  教育社会学は、教育を社会学の立場から研 究する。もともと教育は、社会の中で行われ るきわめて社会的な事実である。教育の内容 にはつねに社会の性格や要求が反映する。そ れゆえ社会が変われば、教育の形態も内容も 変わる。逆に教育は社会に大きな影響を与え る。教育社会学は、社会の発展と教育の類型、

教育活動の社会的形態、学校の集団的構造な ど、すべて教育の社会的側面を研究する。

 放送文化論 4単位

       講師  田中 達雄  放送の機能(電波メディアとして)放送の 制度、機構、放送の目的・内容(教育、教養、

報道、娯楽)放送の影響効果等を歴史的に概 説するとともに、放送の現状と将来を展望し、

(9)

放送文化の向上に果すべき送り手と受け手の 役割について考える。

 西洋思想史 4単位(英語英文学科と共通)

       教授  小島 威彦  ヨーロッパ思想の発展を世界史的に跡づ け、西洋の現実の地理・歴史的な性格を明か にしながら、それが同時に比較文明論として 現代欧米の文化的意味の一側面を解明する。

1.時代区分 2.西洋と東洋 3.ギリシヤ的古典 4.ローマ的古典 5.ヘレニズム 6.クリスト教

7.ヨーロツパの中世的基礎 8.ルネツサンス

9.地中海文明と北海文明

10.近世の世界的意味と現代文明論

 道徳社会学 4単位

       教授  桜井庄太郎  道徳は重要な社会規範の一つである。道徳 社会学は道徳を社会学の立場から研究する。

         くママハ

道徳社会学はEDurkeimその他の学者が研

究しているが、まだ十分に完成されていない。

この講義では、道徳を社会的事実として、そ の成立と変化、社会構造と道徳との関係など を研究し、とくに日本社会における道徳の特 質を明らかにすることに努める。

 社会学演習皿 ]単位

       教授  銅直  勇  社会学科第4年次学生の演習のテキストと して下記の書を使用する。この著書はページ 数99で、形の上では決して大著ではないが、

内容において特にすぐれており、我国の社会

一 11一 学にも少からぬ影響を与えている。

 Ralph Linton:The Cultural Background  of Personality.(Routledge&Kegan Paul)

 受講の仕方は、全学生をA.Bの二班に分ち、

前期又は後期に、AJ3各班交代して受講する。

 社会学演習1U 1単位

       教授  桜井庄太郎  S.NEisenstadt:From Generation to Generation,1956.を教材に用い、年齢集団と

しての青年集団と社会的文化的伝統の問題を 研究する。

労務管理 2単位

1.労務管理の意義 2.労務管理理論の発展 3.雇用管理

4.給与管理 5.労使関係管理 6.労務管理組織

教授  三好豊太郎

 社会哲学演習 2単位

      助教授 山下淳志郎

     くマめ

 学問の官観性に関して対象と方法が決定的 な意味をもつが、この点に関してこの演習で       くママハ は Max Weber., Die Objektivitat ber Sozialwissenschaftをテキストとして互いに 研究討論をする。

 都市農村社会学 4単位

       教授  伊藤

(])都市農村社会学研究の意義

(2)農村社会学の成立と発展

(3)農村社会の特質

(4)農地改革と農村社会

(5)新しいゲマインシヤフト

(10)

一 12一

(6)

(7)

(8)

(9)

(10)

農村社会の展開 アグリビジネス社会学 都市化と地域社会 都市農村二分法

明星大学社会学研究紀要

  都市農村連結体(メガロポリス)

 第2年次に都市社会学の講義があるので、

本講義では農村社会学を中心に、都市農村社 会学に発展させるようにしたい8)。

おわりに

本稿においては、明星大学人文学部社会学科

創設期における社会学教育について、その教育 目的、教育課程、教育内容、担当教員について 明らかにした。50年を経た現時点において筆者 が個人的なコメントを加えるべきではないと考 えるが、時には創設の趣旨、創設期の教育内容 について振り返ることも必要ではないかと考 え、また参照することが必要な機会に利用可能 とすること考え、《記録》として掲載した意図 を理解していただきたいと望んでいる9)。

(2015年8月・稿)

【注】

1)著者名記載なし「明星学苑の沿革」(「明星大  学=1965=』1965(昭和40)年度入学生募集用  大学案内、1964(昭和39)年刊、所収)、頁表  記なし

2)児玉九十「明星大学 理工学部・人文学部の  設立について」(同上所収)、頁表記なし

3)著者名記載なし「L人文学部の教育目的」

 (「履修の手引 一昭和40年度一 明星大学人文  学部』1965(昭和40)年刊、所収)、1頁 4)著者名表記なし「社会学科」(前出、注1)

 と同、所収)、頁表記なし

5)著者名記載なし「ll ,人文学部の組織と性格」

 (前出、注3)と同、所収)、1頁

6)著者名記載なし「第四表 各学科別専門教育  科目(第二年次以降)」(前出、注3)と同、所

収)7頁

7)この教育課程の編成については、社会学科創

 設準備の中心となった銅直勇の考え方が反映さ  れていると推測されるが、この点について実証  することは現時点ではできていない。

8)「昭和43年度授業科目 講義要綱 一〔社会  学科〕一」(『履修の手引 一昭和43年度一 明  星大学人文学部』1968(昭和43)年刊、所収)、

21〜27頁/30頁/17〜18頁

9)なお、この教育課程に従って履修した学生の 学習実態などについても明らかにしたいと考え  たが、紙数の制約からここでは取り上げること

ができなかった。この点については他日を期し

 たい。

【付記】

 本稿は歴史的研究であると考え、全ての敬称を 略させていただいた。ご了解いただきたい。

(たかしま ひでき、本学科教授)

参照

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