• 検索結果がありません。

平成 28 年度  分担研究報告書 

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "平成 28 年度  分担研究報告書 "

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

91   

厚生労働科学研究費補助金  難治性疾患等政策研究事業  IgG4 関連疾患の診断基準並びに治療指針の確立を目指した研究 

平成 28 年度  分担研究報告書 

IgG4 関連眼疾患の重症度分類の確立 

研究分担者  氏名  後藤 浩  所属施設  東京医科大学眼科  役職  主任教授 

 

研究要旨:IgG4 関連眼疾患の重症度分類を確立すべく、生活の質(QOL)ならびに視覚 の質(QOV)に対する影響を考慮した試案を作成した。具体的には、視機能や眼症状と ともに治療の主体となる副腎皮質ステロイド薬に対する反応も考慮した分類を作成 した。今後は、この重症度分類をもとにした治療指針の確立が望まれる。 

 

A.研究目的 

IgG4 関連眼疾患の診断基準は 2015 年に 報告済みであるが、今後、より適切な治療 ならびに公的支援を供給していくために 不可欠な、疾患としての重症度分類を確立 することを目的とした。 

 

B.研究方法 

本研究班の癌か分科会のメンバーを中 心にして重症度分類の素案を作成、その後、

典型例ならびに非典型例と思われる具体 例をメンバー間で提示し、議論を重ねつつ、

より実臨床に即した重症度分類を作成し ていった。とくに視機能への影響と治療の 中心となる副腎皮質ステロイド薬に対す る反応性を重症度に反映させていくこと に留意した。 

(倫理面への配慮) 

特に該当せず   

C.研究結果 

  眼病変の重症度を下記の 3 段階に分け た分類を作成した。 

重症 

(1)眼球突出,眼球偏位,眼瞼腫脹などの眼 症状とともに,重篤な視機能障害、すなわ ち、矯正視力の低下、中心暗点等の視野障 害,高度な眼球運動障害がみられ,画像検 査で説明可能な所見が確認される場合. 

(2)(1)に対して副腎皮質ステロイド(ステ ロイド)の全身投与による標準的な治療に 反応を示すも減量途中あるいは投与中止 後に再発による視機能障害等を繰り返し、

長期にわたるステロイド維持療法,もしく

はステロイド以外の何らかの治療を必要 とする場合. 

  中等症 

(1)重篤な視機能障害をきたすもステロイ ド内服により回復し、中止後も再発がみら れない場合. 

(2)重篤ではないが視機能障害やドライア イ症状がみられる場合. 

  軽症 

(1)特に治療を必要とするほどの自覚的お よび他覚的眼症状がない場合. 

(2)眼瞼腫脹等の軽度の眼症状に対してス テロイド内服による標準的な治療を行っ たところ改善し、中止後も再発がみられな い場合 

 

D.考察 

今回作成した重症度分類は、あくまで眼 科分科会での試案であり、全身疾患である IgG4 関連疾患としての他臓器病変の有無 や多寡、重症度、血清 IgG4 値などを考慮 に入れた分類とはなっていない。 

  IgG4 関連眼疾患にみられる眼病変は涙 腺の腫大がよく知られているが、それ以外 にも眼窩神経(三叉神経)の腫大や外眼筋 の肥厚、さらに眼窩組織内での腫瘤形成も 一定の頻度で存在し、特に眼窩先端部にお ける外眼筋の肥厚や腫瘤の形成は視神経 に対する圧迫による視野の欠損や視力の 低下などの視機能障害を来す可能性があ る。また、外眼筋の著しい肥厚や眼窩の腫 瘤性病変は眼球運動障害を来し、福祉の原 因となることがある。さらに、シェーグレ

(2)

92   

ン症候群ほどではないにしろ、涙液の分泌 障害により、ドライアイ症状を来す可能性 もある。 

以上の眼病変に伴う諸症状を勘案し、治 療の指標とすべく、IgG4 関連眼疾患の重 症度分類について議論を重ね、前述の如く 試案を作成した。今は、後この重症度分類 が適切なものであるのか、バリデーション が必要であり、適宜改定も加えられるべき とは思われるが、IgG4 関連眼疾患の臨床 において現時点における一定の方向性を 示すことができたものと考えられる。 

 

E.結論 

  視機能への影響や副腎皮質ステロイド 薬による治療に対する反応性を考慮した IgG4 関連眼疾患の重症度分類を作成した。 

 

F.研究発表   1.  論文発表 

1) Goto H, Ueda S: Immunoglobulin  G4‑Related ophthalmic disease  involving the sclera misdiagnosed as  intraocular tumor: Report of one  case. Ocul Oncol Pathol 2:285–288,  2016. 

2) Usui Y, Rao NA, Takase H, Tsubota K,  Umazume K, Diaz‑Aguilar D, Kezuka T,  Mochizuki M, Goto H, Sugita S: 

Comprehensive polymerase chain  reaction assay for detection of  pathogenic DNA in 

lymphoproliferative disorders of the  ocular adnexa. Sci Rep. 2016; 6: 

36621. 

3)後藤  浩:IgG4 関連眼疾患の重症度分 類の確立  厚生労働科学研究費補助金  難治性疾患等政策研究事業 IgG4 関連疾 患の診断基準並びに治療指針の確立を 目指した研究  平成 27 年度  総括・分 担研究報告書 119−120, 2016.   

3) 後藤  浩,高比良雅之,安積  淳;日 本 IgG4 関連眼疾患研究グループ:IgG4 関連眼疾患の診断基準. 日眼 120: 365 

‑368, 2016. 

 

2.  学会発表 

1) 臼井嘉彦, 山川直之, 後藤 浩:次世代 シークエンサによる IgG4 関連眼疾患の 遺伝子解析から同定した遺伝子変異,口 頭,日本医療研究開発機構 (AMED )研究 委託費難治性疾患実用化研究事業 

「IgG4 関連疾患の病因病態解明と新規治 療法の確立に関する研究」,平成 28 年度 第 1 回班会議  2017 年 1 月 7 日,京都  2) 後藤  浩:IgG4 関連眼疾患を考える,

口頭,the 9th iseminar x forum,2016 年 8 月 28 日,東京 

3)後藤  浩:知っていて欲しい IgG4 関連 眼疾, 口頭, 第 9 回東京眼科アカデミー , 2016 年 2 月 28 日,東京  

4)後藤  浩:IgG4 関連眼疾患分科会  眼 病変の重症度分類,口頭,厚生労働科学 研究費補助金(難治性疾患政策研究事業

)IgG4 関連疾患の診断基準並びに治療指 針の確立を目指した研究,平成 27 年度班 会議,2016 年 1 月 8 日,京都 

        G.知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む。)   

 1. 特許取得    なし 

 2. 実用新案登録    なし 

 3.その他    特になし 

参照

関連したドキュメント

  本研究の第一の目的は、研究代表者の橋 本隆の総括のもと、10名の研究分担者によ

6 週齢の雄性 F344 ラットに furfuryl acetate を 20、60、180 又は 540 mg/kg の濃度で 28 日間強制経口投与した結果、540 mg/kg 投与群において投与

サブテーマ 2: 合併 C 型慢性肝炎に関する研究.. 多施設共同での血液製剤による

眼症状の初発時期は新生児期が 14 名、乳児期 が 23 名であった。視反応がはっきり確認でき

年間 50 件前後の依頼が来た。研究班で、WB 法判 定保留者に対して、対応に苦慮しているため、多 くの症例の登録があったと考えられる。PCR

がん患者では栄養障害が高率に合 併するが、在宅がん患者の栄養障害に

対象者(74 名:平均年齢 87.0 歳、男性 15 名・女性 59 名)に対し、ロコトレ指導(開 眼片足立ち訓練、スクワットを中心)を継続

2.4 年(2.0~3.2 年)の観察期間において 2,374 例中 122 例に、血栓塞栓症発症が認められた。Cox 比例ハザードモデルに基づく解析の結果、CHADS2