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虐待の把握と発見(医療機関) 1

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Academic year: 2021

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 平成26年度、我が国全体の児童虐待通告件数は176,625件にのぼった。このうち医療機関からの通 告が4,915件2.8%と他機関と比べてもかなり少なかった。何故、医療機関は通告件数が少ないのだろ うか?その理由として、 (1)児童虐待対応のシステムが確立されてない事、 (2)児童虐待を知識として 知らない事、が考えられる。

(1)児童虐待対応システムが確立されていない事、についてであるが、平成22年7月に改正臓器移 植法が施行され、被虐待児がドナーになる事を除外するために、各病院で虐待防止委員会等必要な整 備が求められた。これに伴い、院内虐待対策チーム(Child Protection Team:以下CPT)が多くの医 療機関で設立された。しかし、実際には機能していないCPTもあり、医療機関での虐待対応が十分 であるとは言えない状況にある。

次に、 (2)児童虐待を知識として知らない事、であるが、全国の医学部の半分程度の大学が児童虐待 の講義を行っていると推測されるが、すべての医学部の学生が「児童虐待」の知識を備えて医師になる わけではない。また、コメディカルにも同様のことが言えるわけであり、医療機関の中のすべての職 員が「児童虐待」に関して共通の認識を得てはいない。

これらの問題を解決するために、現在取り組まれている事を紹介したい。まず(1)児童虐待対応シス テムの確立を担う方法の一つに、CPTがある医療機関同士の交流があげられる。千葉県では「千葉県 児童虐待対策研究会」というCPTがある医療機関同士と県内児童相談所との連携の会議がある。この 会議では症例検討などを通しながら各医療機関での対応についてアドバイスを行ったり、児童相談所 とどのように連携を行うべきか模索を行っている。このような連携が全国に広がって行けば多くの医 療機関での児童虐待対応の底上げになるのではないかと思う。

次に(2)児童虐待を知識として得る場であるが、日本子ども虐待医学会が医療機関向け虐待研修プロ グラム(BEAMS)を立ち上げ、全国に展開している。これは児童虐待ケースに対する初心者的対応か ら、専門医レベルの対応まで網羅しているプログラムである。そして児童虐待の医学的知識を得るだ けでなく、ロールプレイやディスカッションも取り入れ、明日からの診療に役立てるように考えられ ている。

今回のシンポジウムでは、この点を論じながら、医療機関でのよりよき虐待対応を検討していきたい。

シンポジウム

1 座長:秋山千枝子 医療法人社団千実会 あきやま子どもクリニック

佐藤 拓代 大阪府立母子保健総合医療センター 母子保健情報センター

虐待の把握と発見(医療機関)

仙田 昌義

総合病院国保旭中央病院 小児科

SY1-5

80 The 64th Annual Meeting of the Japanese Society of Child Health

シンポジウム

Presented by Medical*Online

参照

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