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富山県氷見市島尾海岸におけるハナバチ相の生態的 調査

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(1)

富山県氷見市島尾海岸におけるハナバチ相の生態的 調査

著者 根来 尚

雑誌名 富山市科学文化センター研究報告

24

ページ 43‑51

発行年 2001‑03‑25

URL http://repo.tsm.toyama.toyama.jp/?action=repos itory̲uri&item̲id=759

(2)

富山県氷見市島尾海岸におけるハナバチ相の生態的調査*

根 来 尚 富山市科学文化センター

〒939‑8084富山市西中野町1‑8‑31

AWildBeeSurveyintheCoastalZoneofShimao,Himi‑Shi,

ToyamaPrefecture,Hokuriku,Japan

HisashiNegoro

ToyamaScienceMuseum

l‑8‑31Nishmakano‑machi,Toyama‑shi,939‑8084JAPAN

Thepresentpaperdealswiththeresultofawildbeesurveymadeinthecoastal zoneofShimaoHimishiToyamaPrefbctureHokurikuJapanduringthebeeseasonm l996andl997・Fortysevenspecies(ll77individuals)ofbeeswerecollectedintotaL whichrepresentedl9generaofsevefamiliesHalictidaewaspredominantinthenum berofspeclesandofindividuals.Ljog/OSS"jgj脚waspredominantspeciesAbout 20%oftotalindividualswerecollectedonRosaceaeandabout15%onComposltae・

KeywordS:wildbees,nowervisiting,ToyamaPrefecture,Himi‑shi,coastalzone.

1996年と1997年,富山県西部の氷見市島尾海岸において,ハナバチ類の生態的調査を行なっ た。同地において,7科19属47種(1177個体)のハナバチ(ニホンミツバチ,セイヨウミツバ チは除く)が得られた。種数.個体数ともにコハナバチ科がもっとも優勢な科であり,15種 498個体であった。次いでコシブトハナバチ科が9種379個体であった。L jog/OSS"碗介噌/ 脚 がもつとも個体数が多く281個体であり,次いでCera""αβα"esが117個体であった。採集個 体数の約20%がバラ科植物花上で得られ,そのほとんどがハマナス花上で得られた。次いで約

15%がキク科植物花上で得られた。

キーワード:ハナバチ相,訪花性,富山県,氷見市,海岸

は じ め に

近年筆者により,富山県各地からハナバチ相やそれ らの生態的調査に関する報告がなされてきた(根来:

1993,1995,1997,1999,2000)。それらは,県中央 部の丘陵地,立山の高山・亜高山域,県西部の河川敷 で行なわたものである。今回は,富山県西部の砂浜海 岸において1996年と1997年の2カ年に行なわれた調査 結果である。

本文に入るにさきだち,開花植物の同定をいただい た富山市科学文化センターの太田道人氏に,ムカシノミ ナバチ科の同定をいただいた鹿児島女子短期大学の幾 留秀一博士,ヒメハナバチ属,ヤドリコハナバチ属,

*富山市科学文化センター研究業績第252号

4:

キマダラハナバチ属の同定をいただいた大野市の羽田 義任氏に感謝申し上げる。また,日頃よりご指導いた だくとともに,コハナバチ属の同定をいただいた故坂 上昭一博士に厚く感謝申し上げる。

調 査 地 お よ び 調 査 方 法 調 査 地

調査地である氷見市島尾から高岡市松太枝浜に至る 海岸は,図lのように,富山県西部にある砂浜海岸で あり,夏は海水浴場として利用されておりキャンプ場 が整備され,また海岸侵食防止のため護岸工事がなさ れている。砂浜はさほど広く無く海浜植物も見られる

(3)

根 来 尚

0 2 k m

図1.調査地

表1.高岡伏木(標高12m)に置ける平均気温と降水量(平年催 (富山県気象年報(1997)による!

折返地点(図1,B地点)とし,同一ルートを戻り起 点を終点とした。起点を9:00に出発し終点に13:30到 着,間に30分の休憩を入れ,調査時間は計4時間であ

る。

調査日は以下に示す14日で,4月から10月にかけ,

月2回の調査がなされるようにした。調査日は,なる べく天候の良い日を選ぶようにしたが,都合であまり 良くない日に行なったときもある。

6月下旬〜7月上旬,松林においてマツノマダラカ ミキリ防除を目的とした薬剤の空中散布が行われた。

また,当調査地にはニホンミツバチ,セイヨウミツバ チの2種のミツバチがみられ個体数も多かったが,こ れらは採集しなかった。

以下に,採集日と採集時間中の天候および最低・最 高気温を示し,開花植物を例示する。

がさほど多くない。車の乗り入れなども見られる。背 後は主に防風防砂用黒松林であるが,公園や人家も一 部に存在する。また,近年海浜植物保護のための施設 も設置された。本調査地は上述のように氷見・高岡両 市にまたがる地区であるが,ここでは氷見市島尾で代 表させることにする。

主な開花植物は,春から秋にかけて,オオイヌノフ グリ,オランダミミナグサ,ハルジョオン,セイヨウ タンポポ,ハマダイコン,ハマエンドウ,ハマナス,

カタバミ,コメツブウマゴヤシ,ハマニガナ,シロツ メクサ,ハマボウフウ,ハマヒルガオ,トベラ,ヒメ ジョオン,ウンラン,ノブドウ,ハマゴウ,アキノノ ゲシ,ママコノシリヌグイ,アメリカセンダングサ,

セイタカアワダチソウなどがあげられる。

表1に,約6km離れた高岡市伏木(標高12m)の 平均気温と降水量の年変化を示しておく。

1996年

6月13日曇り時々晴れ19〜22℃ヒメジョオン,

ハマナス,ハマヒルガオ,ハマエンドウ,スイカズラ

等開花。

7月3日晴れ時々曇り265〜30℃ヒメジヨオン,

ウンラン,ハマボウフウ,メノマンネングサ,サンゴ

ジュ等開花。

8月3日晴れ28.5〜31℃ハマゴウ,ガクアジサ イ,コマツナギ等開花。

8月29日曇り25.5〜27℃ハマゴウ,ウンラン,

調査方法

調査方法は,Sakagami,LarocaandMoure(1967)

および坂上,福田,川野(1974)等によって用いられ た方法を用いた。詳しくは上記論文にゆずるが,簡単 にいえば「開花季節を通じ,定期的に開花植物から一 定時間,すべてのハナバチを採集する。」ことである。

調査場所は,黒松林の前面からキャンプ場,砂浜の 間であり,氷見市島尾キャンプ場(図1,A地点)を 起点に,約2km東方高岡市太田の雨晴キャンプ場を

平均気温(て 降水量(HlI

2.2 267.4

乙.

178

5

132.]

11 119.2

16. 117

20.2 187.1

24.(

229.急

26.I 168

22.0 230.

竜ⅡⅡユ

16.0 167.層

10.E 218.( 266

(4)

ノブドウ,アキノノゲシ等開花。

10月1日曇り時々晴れ17.5〜215℃アキノノゲ シ,オニノゲシ,ツユクサ,イヌタデ等開花。

1997年

4月10日晴れ時々曇り15〜175°Cオオイヌノフ グリ,ハマダイコン,ソメイヨシノ,ヒメオドリコソ ウ,ハルジョオン等開花。

4月26日晴れ16〜20.5℃ハマエンドウ,カラス ノエンドウ,ハルジョオン,ハマダイコン等開花。

5月6日晴れのち薄雲26〜285℃ハマナス,コ メツブウマゴヤシ,カタバミ,ハマニガナ等開花。

5月12日晴れのち薄雲16.5〜17℃シロツメクサ≦

オニタビラコ,ハハコグサ,ハマボウフウ等開花 6月3日曇り時々晴れ21.5〜225℃マンテマ,

ノイバラ,ハマヒルガオ,トベラ等開花。

7月15日曇り時々晴れ285〜30.5℃ヘクソカズ ラ,ガクアジサイ,ノブドウ,ネジバナ等開花。

9月1日曇りのち晴れ28〜32.5℃ハマゼリ,ツ ルマメ,センニンソウ,ママコノシリヌグイ等開花。

9月20日晴れ20〜24°Cハマゼリ,ウンラン,ツ ユ ク サ 等 開 花

10月10日晴れ19.5〜24.5℃アメリカセンダング サ , セ イ タ カ ア ワ ダ チ ソ ウ 等 開 花

結果および考察 ハ ナ バ チ 相 の 組 成

今回の調査で得られた全てのハナバチの種類名とそ れらの個体数を以下に示す。

表2.ハナバチ相組成

COLLETlDAE

1.CO"eres(CO"αes)pare"α〃sPerez l4:'96X1,133'9720,1 2.砂/αe財s(BoreOp )脚αc"e"s Ikudome

4:96V11129,4

3/αe"sVesQprosOpjs'α"sSmith

152c:1963,l;'9629,4;1973,1'971,52J;9720,l;197X10,3

4.的/αe"s(ノVesQp7 s)g/o"/a(Vachal)

3:'9613,3

5.砂/αe (ⅣesQp' Qpjs)脚αな"碗"rajBridwell

96J:'9613,32'963,l;19629,2;196X1,2;1973,31J;971,1

6.砂/α s(NesQp『 Opjs)〃 o〃Hirashima 4:'9613,2'96X1,1;'973,1

HALICTlDAE

7.HZJ"c ("α"c"s)応加g/o"e" Strand l早:'97‑Ⅶ‑15,1早.

8.HZJ"C (Se/α "jα)αe'α""sSmith

63123:'9613,1'963,2;'963,6;'9629,3'9726,1;'97V6,10;'97V12,21973 4;'9715,1813;1971,5'9720,9llc7;'97X10,2

9.Lasjog/o "碗(E /αe"s)か堰/ mSakagamietEbmer

26615:'9613,211963,61'963,52J'9629,81J;'971V10,6;'9726,21;197V6 48;'97V12,66;'973,49;19715,151;1971,22'9720,196197X10,123.

10Lasjog/o"Eyy/αe"sapo"IC"DallaTorre

53c7:9613,2;'9629,13;'97V6,2;'9720,12 11Z,jogo"Ey)αe"sohejHirashimaetSakagaml

3:'9613,1;'97X10,2

12.Z,jog/o"腕(EW/αe)pα""O脚"碗(Strand)

201J:'9613,1'9629,2;9726,3197V6,2;'97V12,4;'97V13,719720,11

13.Z,jog/o"碗(EW/αe"s)p"脚""耐SakagamietTadauchi 5:'9613,l;'97V6,l'9715,1;'971,2

45

(5)

根 来 尚

14Lasjog/s""(Eノαe"srae"jo/e"""(Vachal

33:19613,3;i963,1'9629,13;'9710,1;19726,1'97V6,797V12,13973,6

971,1J;i9720,11 15.Liogノs"碗(E叩ノαe"s)sp・10

1lc3:'9629,13;197V6,1

16Lasjog/OSS"Ljog/s""""Vachal 2早3ケ:196‑Ⅵ‑13,2早;'96‑Ⅷ‑29,23;197‑Ⅸ‑1,1ca l7Lasjog/OSS"Ljog/OSS"occj"sSmith

92J:'9613,3'9629,l;'96X1,13;i973,2j19715,213;971,1 18.LasjogjS"碗(LjOg/s"脚)〆oxz加鉱"脚(Smith)

23:'9710,2;i97V6,7'97V12,12;1973,l;9715,1 19.LjOgん冴加(Lasjog/s"")""ノ"碗(Smith)

1823:19613,4;'97V6,2'97V12,1;i973,5;'9715,1lc7;9720,213;197X10,3 20.助heco北samak"se"sjsYasumatsuetHirashima

423:963,1c?'9629,13'97V6,1;9715,1竿i971,2 21.助ルeco北sノ叩o"IC"sCockerell

lJ:196‑Ⅷ‑29,13.

ANDRENlDAE

22.』" e"a(C〃/orα"〃e"α)た" 〃Alfken

25早83:'96‑Ⅵ‑13,13早;'97‑V‑6,1早2ケ;'97‑V‑12,11早6&

23.A" e"a(E"α"〃e"α)ルe6esPerez l:'97V6,1

24A" e"a(E"α" e"α)/"" O脚αStrand l:197V6,1

25.A" e"a(M7応" γ js)ノゆo"jcaCockerell

4753:'9710,55i9726,3;97V6,3'97V12,35'973,1

MELlTTlDAE

26.D )lpo ノ叩o"jcaCockerell 5早1J:196‑X‑1,3早1J;'97‑X‑10,2早.

MEGACHlLlDAE

27.Cルα"CO mα "〃〃'α"s(Smith)

13:'9720,1

28.CWα"CO"fα "/a(Cookerell)

4早13:!96‑Ⅵ‑13,1早ラ196‑Ⅷ‑3,3早13.

29.Coe/joXys〃eWsEversmann

l早3ケ:i96‑Ⅷ‑3,23;'97‑Ⅶ‑15,13;97‑Ⅸ‑1,1早 30.E"αs"sα"s(Ritsema)

43:'96‑Ⅷ‑3,43.

31.ハ化gac方"eノ o"jcaAlfken 2:97V12,2

32.Mセgac力"e幼be"sjsCockerell

20573:'963,8173;'9629,16J;9715,27c7;1971,8233;9720,14c7 33.Mセgac方"e〃 o"jca〃¥]pol"caCockerell

4113:'9613,113'963,1'9629,2196X1,13;'97V12,1c7;19715,1;'971,3;197211 13;i97‑X‑lO,3早

34.Mセgacル"esz"mzo脚eHirashimaetMaeta

(6)

2:'9613,2

35.Mとgacル"eな"r"ge"sjsCockerell

2早2J: 96‑Ⅵ‑13,1早13;196‑X‑1,1早1&

ANTHOPHORlDAE

36.Ⅳひ〃α g加γα〃Tsuneki

2早13:'97‑Ⅳ‑26,1ケラ'97‑V‑6,1早;'97‑V‑12,1早.

37.伽rhOpルorα 加叩es(Pallas)

27早24ケ:'97‑Ⅳ‑10,1&'97‑Ⅳ‑26,7早12J;197‑V‑6,7早113;'97‑V‑12,13早.

38.球フeo/"sノ o"jc"sBischoff l3:'96‑X‑1,1J.

39.E" 'α叩"γCa Perez

32早653:196‑Ⅵ‑13,23;197‑Ⅳ‑26,15ケ;97‑V‑6,8早10J;'97‑V‑12,14早283;197‑Ⅵ‑3,10早103.

40.庇"αノo"/α〃 o"e" Perez

l3早29c?:'96‑Ⅵ‑13,7早;197‑Ⅳ‑26,3早l7研;197‑V‑6,1早;'97‑V‑12,l2c7;i97‑Ⅵ‑3,2早 4LCerα""a(Cera""α)/w αjYasumatsu

l317':'963,296X1,2;'97V6,3c?;'97V12,13'9715,463;1971,6J;19720,21;i97X 103

42.Cerα""a(Cera""城α)βα吻esSmith

52早65ざ':'96‑Ⅵ‑13,7早う'96‑Ⅶ‑3,2早;196‑Ⅷ‑3,4早1J;'96‑X‑1,6早13;197‑Ⅳ‑26,6早193;'97‑V‑6,7早35ダラ197‑V‑12 1早う'97‑Ⅵ‑3,10早4c?;197‑Ⅶ‑15,3早;'97‑Ⅸ‑1,lc7う97‑Ⅸ‑20,1早2ケ;197‑X‑10,3早23.

43°C〃α""a(Ce'α""〃jα)ノ o"jcaCockerell

6早9ケ:'97‑Ⅳ‑10,4ケ;197‑Ⅳ‑26,1早1J;'97‑V‑6,1早4ケ;'97‑V‑12,2早;197‑Ⅵ‑3,l早;'97‑Ⅸ‑20,1早.

44.幻ノノocQpa叩pe"dIc"/ αc"℃"腕vo/α"sSmith

20早3ざ':'96‑Ⅵ‑13,6早;196‑Ⅶ‑3,4早;196‑Ⅷ‑3,l早;i96‑X‑1,2早;'97‑V‑6,1早2J;'97‑V‑12,1早13;197‑Ⅵ‑3,2早;i97‑Ⅶ‐

15,3

APlDAE

45・Bo碗6"s(6o加加s)ノリf7ocγ"α oc'"αPerez l早29:'96‑Ⅵ‑13,1早19;'96‑Ⅷ‑3,1?.

46.8o碗6"s(加加加s)jg"""sSmith

5309:i9613,6'963,491963,4'9629,2;'9710l'9726,1;'973,3;'9715 119;'9720,l;'97X10,2

47.BO脚"S(砂γo加加加S)αr火"Sαγ火"sSmith 2早3?23:i96‑Ⅵ‑13,2?;'96‑Ⅶ‑3,2早1?23.

以上のように7科19属47種1177個体のハナバチが得ら れた。

採集結果を各属ごとにまとめて表3に示す。

今回の調査結果の特徴は次のとおりである。

1.科のレベルでは,種数ではHalictidaeが15種で最 も多く,続いてAnthophoridaeとMegachilidaeが9種 で続く。個体数でもHalictidaeが498個体で最も多く,

Anthophoridaeが379個体,Megachilidaell4個体と続く。

その他の科は,Andrenidae4種87個体,COⅡetidae6種 48個体,Apidae3種45個体,Melittidael種6個体であ

る。

47

2.属のレベルでは,種数では11種のLasjog/o "加属 が最も多く,M電αcル"e属とめ/αe"s属が5種で2位,

次いで』" e"α属が4種,以上4属で約55%の種が含 まれる。個体数ではL jog/ s"加属が415個体で最も 多く,3種のCe『α""α属が162個体,Mセgacル"e属か 100個体,E"Ce'α属が97個体で以上の4属で66%の個 体が含まれる。砂/αe"s属は種数は多い方であったが

個体数は43個体と少なかった。

3.各種の個体数では,L jog/o 剛加か壇i伽加が最も 多く281個体であり,次いでCe'α""α"vやesが117個 体,E卿cerα "rcα esが97個体,この3種で42%を占 める。次いでMセgach"eハo6e"sjs77個体,〃α"c〃sae'‐

(7)

根 来 尚

α""s75個体,以上の5種で55%を占める. Anthophoridaeは春から初夏に多く,夏期秋季と減 少している。Megachilidaeは初夏にあらわれ夏秋とコ ンスタントに出現する。Andrenidaeは春早くから初夏 に出現し,夏以降にはあらわれない。Apidaeでは働 きバチの現れる夏季に多くなり,Colletidaeでは初夏 と秋季にみられる。個体数は全体として春から初夏に かけて多く,夏以降には少なくなる。

種数では,Halictidaeは夏に多少変動が大きいが,

春から秋まで8種前後の種が出現する。Anthophoridae は個体数の変動と同様,春から初夏に多く,夏期秋 季と減少している。他の科においても,種数の変化は 個 体 数 の 変 化 と 変 わ る と こ ろ は な い 。 6 月 中 旬 に 種 数 が多くなるのは,HalictidaeとMegachilidaeの寄与が 大きい。種数の変化は全体として,初夏に多く夏季秋 季と変動は見られない。

優勢な上位5種の季節消長もあわせて示したが,こ れ ら の 種 の 消 長 が 各 科 の 消 長 を 左 右 し て い る こ と が 見 て取れる。

季 節 的 消 長

図2にハナバチの季節消長を示す。個体数のピーク が5月中旬に,種数のピークが5月上旬と6月中旬に みられた。夏季〜秋季には個体数・種数とも明瞭なピー クは見られないが,7月初旬に個体数・種数とも大き な落ち込みがみられる。これは,6月下旬〜7月上旬 松林において行われたマツノマダラカミキリ防除を目 的と した 薬 剤の空 中 散布に よ る もの で はな い かと考え

られる。

個体数でみると,Halictidaeは春から初夏に多く,

夏期・秋季と春に比べ少ないながら個体数のピークが 現れる。

表 3 . 氷 見 市 島 尾 海 岸 で の 調 査 結 果

訪 花 性

訪 花 植 物 を 各 科 に ま と め た も の を 表 4 に 示 す 。 調 査 期間中ハナバチの訪花をうけた植物は,調査地で確認 された23科51種の開花植物のうち20科37種である。そ のうちハナバチの訪花が最も多い科は,バラ科植物 (3種)で全採集ハナバチ個体数の21%が得られてい る。中でもハマナスが最も多く採集ハナバチ個体数の 19%が得られている。ついでキク科(7種)が多く14

% ( キ ク 科 中 で は ハ ル ジ ョ オ ン が 最 も 多 く 6 % ) で こ の2科で35%になる。つい10%のアブラナ科(ハマダ イコンが7%),5%前後のマメ科(ハマエンドウが 3%),ヒルガオ科(ハマヒルガオ),クマツヅラ科 (ハマゴウ)と続く。

ハナバチの訪花種数では,キク科・バラ科が共に多 く次いで,ヒルガオ科,アブラナ科の順となる。バラ 科への訪花個体数種数が多いのは,ハマナスの開花量 が多く開花期間も長かったこと,また大形種から小形 種 ま で 多 様 な 種 の 採 餌 が 可 能 な た め と 思 わ れ る 。 キ ク 科では開花種数が多く開花期間が長く,かつ開花量が 多 い こ と が 訪 花 ハ ナ バ チ 個 体 数 ・ 種 数 の 多 い 要 因 と 思 われる。ヒルガオ科,クマツヅラ科への訪花が多かっ たのは,各々ハマヒルガオ,ハマゴウの開花量が多かっ たためであり,アブラナ科,マメ科への訪花が多いの もハマダイコン,ハマエンドウの開花量が多かったた め と 思 わ れ る 。

ハナバチ各科ごとにみると,Halictidaeでは個体数 でバラ科,キク科,アブラナ科へ,種数でバラ科,ブ 科 ・ 属

Colletidae CO"er HWae Halictidae HZJ"α"s Ljog/s""?

助heco昨s Andemidae 4"的。e"a Melittidae

DaS〕やo Megachilidae C乃α"COCん腕a

Coe"oX)S E"αSpjs Mbgac〃"e Anthophoridae

Ⅳり腕αfわ

即eo/"s

』"/ルQp〃o〃

E"Ceグ

亜〃αノo"ja C α""(

鞠ノノocop Apidae Bo碗6"s

一三に

種 類 数 ( % ) 個 体 数 ( % : 6(128)48(4.1)

1 ( 2 1 ) 5 ( 0 . 4 ) 5(10.6)43(37)

15(3L9)498(423)

2(4.3)76(6.扉 11(234)415(35.藤 2 ( 4 3 ) 7 ( 0 . 嘩 4(85)87(7.4)

4(8.5)87(7.4)

l ( 2 1 ) 6 ( 0 . 5 l ( 2 1 ) 6 ( 0 . 5 9(19.1)114(9.7 2(4.3)6(0.5 1 ( 2 1 ) 4 ( 0 . 3 1 ( 2 1 ) 4 ( 0 . 3 5(10.6)100(8.6 9(19.1)379(322 l(2.1)3(0.3 1 ( 2 1 ) 1 ( 0 エ 1(21)51(43)

1(2.1)97(8.2 1(21)42(3.6)

3(64)162(13.8)

1(2.1)23(20)

3 ( 6 4 ) 4 5 ( 3 . 8 3(6.4)45(3.8

4 7 1 1 7

(8)

種 数 25‐

20−

151

個 体 数 250

0505﹄:﹄︾

一︲︲lⅡ111卜﹂11︲︲l050

4 4 5 5 〔 6 7 7 8 8 9 9 1 1

////////////11

2 0 1 0 1 リ 0 2 0 2 0 1 9 6 6 f 3 j 3 5 3 9 i O 0

調 査 日 4 4 5 調 査 日

ノ / /

『 ノ ド

1 2 0 0 5 6

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図 2 − 2 . 個 体 数 種 数

図 2 − Z

個体数 80戸

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個 体 数 40

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図2−3.Lαか堰j 脚

調 査 日 4 4 5 5 6 6 1 7 8 1 Q 9 1 1

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O 6 6 2 3 3 3 5 3 9 1 0 1 0 調 査 日

図 2 − 4 αβαvやes

個 体 数 30

個 体 数 25

20

15

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調査日 4 4 5 5 6 6 1 1 1 8 9 9 1 1

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図2−5.E".Sp cα es

調 査 日

図 2 − 6 A煙.kobe"恥

個 体 数 20

16

12

8

4

I

I

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図 2 . 氷 見 市 島 尾 海 岸 に お け る ハ ナ バ チ の 季 節 消 長 CO:Colletidae,HAL:Halictidae,AND:Andrenidae,

ME:Melittidae,MEG:Megachilidae,ANT:Anthophoridae AP:Apidae.

4 4 5 5 6 6 7 7 8 1 9 9 1 1

{ 1{IllIIIII

0 6 6 t 3 3 3 5 3 9 1 0 1 0

図2−7.Ha.α α""s

調 査 日

(9)

根 来 尚

表 4 . 氷 見 市 島 尾 海 岸 に お け る 訪 花 植 物

ス花上で得られた。次いで約15%がキク科,約10%が アブラナ科花上で得られ,その他マメ科,ヒルガオ科,

クマツヅラ科が数%であった。

ド ウ 科 , キ ク 科 , ヒ ル ガ オ 科 へ の 訪 花 が 多 く , Anthophoridaeでは個体数種数ともキク科,マメ科,

バラ科,アブラナ科が多い。Andrenidaeはバラ科,

Megachilidaeではクマツヅラ科が多い。

HalictidaeとAnthophoridaeでは特に多くの科に対し て訪花が認められるが,これはAndrenidaeや Megachilidaeより活動期間に偏りがなく長いことによ

るものと思われる。

文 献

根来尚,1993.呉羽丘陵におけるハナバチ相の生態 的 調 査 . 富 山 市 科 学 文 化 セ ン タ ー 研 究 報 告 ,

(16):31‑4L

,1995.呉羽丘陵におけるハナバチ相の生態 的調査(Ⅱ).富山市科学文化センター研究報告,

18):517.

,1997.庄川町庄川河川敷におけるハナバチ 相の生態的調査.富山市科学文化センター研究報告,

20):1927

,l999立山高山域におけるハナバチ相の生 態 的 調 査 . 富 山 市 科 学 文 化 セ ン タ ー 研 究 報 告 ,

22):8196.

,2000.立山亜高山域弥陀ヶ原におけるハナ バ チ 相 の 生 態 的 調 査 . 富 山 市 科 学 文 化 セ ン タ ー 研 究 報告,(23):127‑139.

坂上昭一,福田弘巳,川野博,1974野↓性ハナバチ 相 調 査 の 問 題 点 と 方 法 附 . 札 幌 市 藻 岩 山 に お け る 調査結果.生物教材,9:1‑60.

ま と め

1.1996年と1997年,富山県西部の氷見市島尾海岸に おいて,ハナバチ類の生態的調査を行なった。同地に おいて,7科19属47種(1177個体)のハナバチ(ニホ ンミツバチ,セイヨウミツバチは除く)が得られた。

種 数 . 個 体 数 と も に コ ハ ナ バ チ 科 が も っ と も 優 勢 な 科 であり,15種498個体であった。次いでコシブトハナ バチ科が9種379個体であった。Lasjog/OSS"加介jg城"

が も っ と も 個 体 数 が 多 く 2 8 1 個 体 で あ り , 次 い で Cera""αβαyjpesが117個体であった。

2 . 個 体 数 の ピ ー ク は 5 月 中 旬 , 種 数 の ピ ー ク は 5 月 上旬と6月中旬にあり,夏季秋季と減少した。

3.20科37種の植物が訪花を受け,採集個体数の約20

%がバラ科植物花上で得られ,そのほとんどがハマナ

植 物 科 希

バ ラ 科 キ ク 科 アブラナ系 マ メ 科 ヒルガオボ クマツヅラボ ブドウ承 セ リ 科

ゴマノハグサ乗 タデ科

カタバミ系 ユキノシタボ スイカズラ矛 ア カ ネ 科 ナデシコポ

トベラ科 ベンケイソウ龍 ラ ン 科

アヤメ科 ヒ ユ 科

種類姿 ノサバチ個体数 種類淵 個体数合計(%)種類数合計(;

250(212)25(53.2 169(144)26(55.3 115(9.8)13(27.7 69(59)10(213 63(5.4)18(38.3 58(4.9)10(21.3 42(3.6)17(36.2 36(3.1)5(10.6 33(2.8)9(19.1 22(1.9)8(17.0 19(1.6)4(8.5 19(1.6)4(85 15(1.3)6(128 14(1.2)5(10.6 4(0.3)3(6.4 3(2.5)3(6.4 3(2.5)2(43 2(1.7)2(4.3 2(17)1(2.1 2(1.7)1(2.1

Col

個体数荊

1

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戸︑nU︲1再I戸0nひ︲1Q﹀介乙戸り4蛍︲1n乙Q︾q︺句乙11n乙9白44句I戸0nJ11ワ﹈○4句乙︲1︲1

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個体数種

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46451

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(10)

Sakagami,Sh.F,,Laroca,S,&J・S・MCure,l967Wik豊 beebiocoenoticsinSaoJosedosPinhais(PR),South Brazil・Preliminaryreport.』・Fac、Sci・HokkaidoUniv:

Ser.V1.Zoo1.,16:253−291.

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参照

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