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金属のような性質をもつ 有機分子材料に関する研究

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(1)

金属のような性質をもつ  

有機分子材料に関する研究

愛媛大学工学部応用化学科 構造有機化学研究室

        御 崎 洋 二

現代の化学 2016.6.21

資料

(

電子データ

)

を欲しい人は下記へ来室または連絡してください    1号館5F

507

号室

   

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(2)

金属の特性

Ø 

光沢を示す

  Ø 

高い導電性

  Ø 

高い熱伝導性

 

Ø 

延性・展性に富む

 

Ø 

陽イオンになりやすい

 

Ø 

高い酸化状態

(+2

以上)をとることができる

(アルカリ金属を除く)

有機物質で金属のような性質を出せないか?

 

基礎・応用の両方で興味深い

(3)

本講義内容

Ø 

金属的な導電性を示す有機物質

Ø 

金属の電気特性の本質

Ø 

有機分子において如何にして金属的伝導性・超伝導を実 現するか?

Ø 

代表的な研究例

Ø 

有機物質を用いた蓄電池

Ø 

研究背景

Ø 

リチウムイオン電池の問題点

Ø 

有機物質を用いた蓄電池の設計と課題

Ø TTP, TTPY

電池

Ø 

融合型

TTF

五量体〜十電子充放電系〜

(4)

本講義内容

Ø 

金属的な導電性を示す有機物質

Ø 

金属の電気特性の本質

Ø 

有機分子において如何にして金属的伝導性・超伝導を実 現するか?

Ø 

代表的な研究例

Ø 

有機物質を用いた蓄電池

Ø 

研究背景

Ø 

リチウムイオン電池の問題点

Ø 

有機物質を用いた蓄電池の設計と課題

Ø TTP, TTPY

電池

Ø 

融合型

TTF

五量体〜十電子充放電系〜

(5)

様々な物質の伝導性

伝導度の単位:

S cm

-1

= Ω

-1

cm

-1

(6)

電気を流す物質に関する常識

Ø 

電気を良く流す物質(導電体)

Ø 

鉄、銅などの金属

Ø 

電気を流さないもの(絶縁体)

Ø 

ゴムやプラスチックなどの有機化合物

多くの化学者がこの常識に対して果敢に挑戦!

(科学者は非常識が大好き!??)

(7)

電気を流すプラスチック

もっとも有名な人

 

 白川英樹博士

 

 (筑波大学名誉教授)

 

Ø 

2000年度

 

  ノーベル化学賞受賞

ポリアセチレンフィルムにドーピングを行うこと により,電気を通す能力(電気伝導度)が最大で

100,000,000,000(1000

)

倍になることを発見

(8)

ポリアセチレンの構造

Ø 

アセチレンの重合により合成

  Ø 

見た目は金属光沢

 

Ø 

そのままでは電気を通さない

  Ø 

ドーピングにより酸化または還

元されて導電性を示す

H H H H

H H H

n

トランス型ポリアセチレン

ポリアセチレンフィルム

(9)

有機導電体の応用

Ø 

リチウム電池の陰極

 

  (携帯電話に使用)

 

Ø 

ダイオード・トランジスター

  Ø 

電界発光素子

 

Ø 

電磁シールド

 

Ø 

コンデンサー     

etc  

(10)

有機分子性導体の興味点

Ø  

非常識への挑戦

 

Ø 

高分子と異なり明確な分子構造・結晶構造を 有するため,構造・物性解析が容易

 

Ø 

平面分子に特有な電子構造(低次元性)や柔 らかさ

新しい物性物理の展開

 

Ø 

新しいメカニズムでの超伝導の可能性(高温 超伝導体の可能性?)

(11)

1)

電気抵抗ゼロ        

2)

完全反磁性(マイスナー効果)

超伝導に変化する

(

転移する

)

温度

(T

c

)

が高いと様々な応用が可能

磁石の上に超伝導物質を置くと・・・宙に浮く!

超伝導

(12)

超伝導を示す元素

(13)

Ø 

超伝導コイルで高磁場発生

超伝導磁石

 

Ø 

電磁石よりも軽い

 

Ø 

リニアモーターカー,

MRI

等に利用

Ø 

電線に用いると送電効率

100%(

今は

90%

程度

) Ø 

通電に伴う発熱なし→超小型コンピュータ

Ø 

他にも様々な電子・磁気材料に用いることが可能

もし室温超伝導体が出来れば・・

超伝導材料の応用

(14)

Ø  

単体元素

(

最高

T c  

 9  K)   Ø  

合金

(T c  

 23  K)  

Ø  

酸化物

(T c  

 135  K)  

Ø 

ホウ素化合物

(T c  

 40  K)  

Ø 

無機分子

(T c  

 33  K)  

Ø 

有機分子

(T c  

 14  K)  

様々な超伝導体

(15)

金属と自由電子

共有結合      イオン結合     金属結合

金属原子:原子が価電子を放出して陽イオンとなり,価電 子は自由電子となって各原子の最外殻軒道内に分布

電子は両原子の 中間にある。

電子は陰イオンの 中に入っている。

電子は各陽イオンの間 に均一に分布している。

イメージ的には自由電子が入った箱の中を電子が 動き回っている感じ

(16)

H C H

C H H

エテンの構造�

π

結合

 

 弱い

エネルギー的に不安定

切れやすい

 

    

いろんな面白い反応性・機能性を示す

(17)

有機物質で金属的な伝導性を実現するには?

) (

π

電子をたくさん持っている平面分子が良く用いられる

 

      

→   π

軌道が導電経路

(18)

金属・半導体・絶縁体のバンド構造

絶対零度におけるバンド構造

絶対零度で電場をかけると,

 

Ø 

絶縁体・半導体共に電子は動けない

導電性なし

 

Ø 

金属では電子は動ける

導電性あり

(19)

満席!上の部屋に移るのは手間 がかかる!

空席あり!部屋の中なら移 動しやすい!

1F  

2F  

(20)

Ø 

一つの環に6個のπ電子

 

  

芳香族性(ベンゼンが安定なのはこのおかげ)

 

Ø  TTF:  

有機分子でありながら金属のように2価陽イオンになるこ

とができる

• + -e

+e +e

-e

-

• -e

+e

-e +e

TCNQ TCNQ

-•

TCNQ

2-

+ +

NC CN

NC CN S S S

S

NC CN

NC CN S S S

S S

S S

S

TTF TTF

+•

TTF

2+

H

H H

H

H H H

H

H

H H

H

H

H H

H H

H H

H

-

- NC CN

NC CN H H H

H

多段階酸化還元を示す分子群

(21)

TTF•TCNQ

S S S

S

TTF

TCNQ NC CN

NC CN

TTF•TCNQ

の結晶構造

Ø 

分離積層型構造(ドナー同士,アクセプター同士が重なる)

Ø 

積層方向には強い分子間相互作用,積層間の相互作用は 非常に小さい

一次元導体

(22)

TTF•TCNQ の導電性

有機物質における初の 金属的導電性

低温部において一次元金属 に特有な金属

-

絶縁体転移

(パイエルス転移)

超伝導になりかけているという報告あり

実は間違い

(23)

表面を流れる電流密度が温度依存性を示していた 誤った報告とはいえ学会が活性化!

     

有機伝導体の分野が発展!

(24)

間違った報告をした Heeger 教授のその後

Alan J. Heeger Alan G. MacDiarmid Hideki Shirakawa

The Nobel Prize in Chemistry 2000

何と!ノーベル賞を受賞していた!

(25)

金属状態を低温まで保つには?

Ø  

一次元金属:必ず低温で絶縁化

 

Ø 

伝導度の次元性を向上

 

      

二次元伝導性の実現

   

Ø  

金属-絶縁体転移の抑制

 

Ø 

極低温(<1 K)まで金属のまま

Ø 

超伝導転移

Ø 

他の金属-絶縁体転移

(26)

伝導度の次元性を上げるには?

Ø  TTF

の硫黄原子をセレン原子に置き換える

  Ø 

置換基に硫黄原子を導入する

Se Se

Se Se Se Se

Se Se TSF

S S

S S

S S S

S S S

S

S S

S S S

BEDT-TTF

(27)

初の有機超伝導体: (TMTSF) 2 + X -

Se Se

Se Se

CH3 CH3 H3C

H3C

TMTSF

X = ClO

4

T

c

= 1.4 K

TMTSF 塩�

�Se

•••Se 接触を介したカラム間

�相互作用により二次元性向上

�パイエルス転移の抑制

�初の有機超伝導体

(1980)

By K. Bechgaard

(28)

二次元性を確保するための問題点

BEDT-TTF S

S

S S

S S S

S S S

S

S S

S S S

S-S

接触により横方向に 伝導性発現

perylene

H

H H H

H

H H

H

H

H H

H

H H H

H

H H

H

H H

H H

水素原子同士の立体反発のため π軌道同士の重なりが小さい

二次元的な分子配列でも 電子構造的には一次元 積層方向と併せ二次元

伝導性発現

(29)

二次元金属を与えるπ電子骨格

S S

S S

S S S

S S S

S

S S

S S S

骨格中の硫黄原子を介した二次元伝導性の発現? カルコゲン原子による置換不要 S

S S

S S

S S S

二次元性発現  最も多くの有機超伝導体を与える

BEDT-TTF

分子設計・開発上大きな制約 カルコゲン原子置換による二次元伝導性の実現

二次元金属を与えるπ電子骨格

硫黄原子を介した横方向の伝導性

(金属状態の安定化)

二次元金属の有望な分子設計指針

S S S

S S S

S S

TTF

S S

S S

2,5-bis(1,3-dithiol-2-ylidene)- 1,3,4,6-tetrathiapentalene

(BDT-TTP or simply TTP)

π電子系を 一次元的に拡張

TTP

どんなに新しいπ電子系を構築してもエチレンジチオ基の導入必要!

S S S

S S S

S S

S S S

S S S

S S

(30)

TTP 導電体の結晶構造

(BDT-TTP)2SbF6

Ø  BEDT-TTF

導電体の

70%

以上は半導体・絶縁体

Ø  BDT-TTP

導電体の

90%

以上は金属

    

金属を与える有機分子としては世界一!

(31)

S S

S S

S S S

S

BDT-TTPよりも立体的,電子構造的に 二次元構造を取りにくい?

HOMO

・対イオンの形状,大きさに関係なく低温まで金属的

・(DTEDT)3Au(CN)2:常圧超伝導体 (Tc = 4 K) DTEDT 塩

DTEDT

BDT-TTP

300 200

100 0.000

0.02 0.04 0.06 0.08

10 8 6 4 2 0.000 0.01 0.02 0.03 0.04

300 200

100 0.00

0.5 1.0

Normalized Resistivity

T / K

σrt = 50 - 900 S cm-1

T / K Resistivity /Ω

cm

DTEDT

DTEDT

I3

AsF6 GaCl4 SbF6

ReO4

TTP 型新規超伝導体の発見

(32)

・二次元分子配列

・電子的・立体的に最も安定な分子配列

・β型分子配列をとる自己凝集能

S S

S S

S S S

S

DTEDT系超伝導体発見の意義

・新π電子系

・非対称なπ電子骨格

・均一な積層構造

有機化学的手法による初めての成功例 新しい超伝導機構の可能性

Au(CN)2

DTEDT 3

DTEDT

超伝導体の結晶構造

(33)

(EtDTET)(TCNQ)

超伝導体

33

電気抵抗 磁化率

EtDTET S

S S

S S

S S

S C2H5

C2H5 NC

NC CN

CN TCNQ

6.5

K

6.5

K

電気抵抗ゼロ→超伝導 大きな負の磁化率→マイスナー効果         ⇒超伝導

(34)

S S

S S S

S S

S

SF5CH2CF2SO3 2

これまでに知られている純有機超伝導体

Se Se

Se S Se

S S

S 2

CN CN NC

NC Cl

Cl

T

c

= 5.2 K

T

c

= 1.3 K P

c

= 3.5 kbar

有機の閉殻陰イオンを利用

加圧下で超伝導発現

CN CN NC

S NC S

S S

S S

CH2CH3 CH2CH3 S

S

EtDTET

CT

錯体型で初めての常圧超伝導体

U. Geiser et al., J. Am. Chem. Soc. 118, 9996 (1996)

R. Kondo et al., Chem. Lett. 28, 333 (1999).

34

(35)

本講義内容

Ø 

金属的な導電性を示す有機物質

Ø 

金属の電気特性の本質

Ø 

有機分子において如何にして金属的伝導性・超伝導を実 現するか?

Ø 

代表的な研究例

Ø 

有機物質を用いた蓄電池

Ø 

研究背景

Ø 

リチウムイオン電池の問題点

Ø 

有機物質を用いた蓄電池の設計と課題

Ø TTP, TTPY

電池

Ø 

融合型

TTF

五量体〜十電子充放電系〜

(36)

研究の背景  

ーエネルギー問題と二次電池ー

エネルギー問題

 

Ø 

エネルギー資源の枯渇と偏在

  Ø 

温室効果ガスによる地球温暖化

 

 

電気エネルギーの高効率利用が不可欠

 

リチウムイオン二次電池

 

1990

年頃より実用化

二次電池として幅広く普及 蓄電デバイス(二次電池,キャパシタ)に対する注目

(37)

二次電池の基本構成

LiMO

2

Li

1-x

MO

2

+ xLi + e

(M = Co, Ni, Mn)

Li

x

C

6

xLi

+

+ x e

+ 6C

電解液

(

電解質+有機溶媒

)

セパレータ

電位が低い

電子の授受が可能

(Li,

炭素材料など

)

正極活物質

• 

電位が高い

• 

電子の授受が可能   

( LiCoO

2

, LiNiO

2など

)

導電助剤 結着剤

e

-

<

充電過程

>

(38)

リチウムイオン二次電池の問題点

Ø 

重金属、希少金属を含有

   

(LiMn 2 O 4

LiCoO 2 LiNiO 2 )

   

環境への負荷,価格の高騰化

Ø 

高いエネルギー密度を持つ材料開発の限界

新しいタイプの材料開発の必要性

(39)

有機材料

本研究

 リチウム遷移金属酸化物等に代わる正極活物質として適度  な電位で可逆な酸化還元特性を示す有機π電子物質に着目

Ø 

高い設計自由度

   分子設計が自在      

  ☆無限の分子構造      

  ☆狙いの特性を分子設計から実現

Ø 

環境負荷軽減

Ø 

豊富な資源

(40)

有機正極材料の酸化還元反応

負極の電位が低いので

電子を受け取るアクセプターも正極として働く!

Li

+

Li

LiC

6

Li

+

+ 6C

Li (

) (

e

+

e

+

D D + e

A A

+

e

+

(41)

有機二次電池の設計指針

Ø 

重量

(

あるいは容量

)

あたりに蓄積される電気量を増やすために,で きるだけ分子量の小さな分子に多くの電子が関与する酸化還元反応 を実現する。

Ø 

二次電池中の電解質溶液が分解しない範囲内で酸化還元電位を 高電位化させる

(=

エネルギー密度の向上

)

        エネルギー密度

=

容量

×

電圧

Ø 

長期的な使用に耐えるために,酸化・還元状態両方において十分 な安定性を確保する。

Ø 

電解質溶液に用いられている有機溶媒に対し,電極活物質分子 が溶解しないよう,酸化・還元状態両方における難溶解性を実現す る。

capacity [mAh/g] = n × 96500 Mw

#

$ % &

' ( × 1000

[ 3600 ]

(42)

正極活物質として用いられている有機分子

中性分子を基準とした場合の酸化還元反応 酸化反応を利用

還元反応を利用

N R

O N N

R

O + O S

S

S S

R R R

R R2NNHCNHNR2

X

先に述べた設計指針を全て満たすの は結構難しい!

N N

S S-

-S

Li+ Li+

O O

O R

R R

N N

N N N N

X X

X

N H

H N O

O R R

N-CN NC-N

X X

O

OLi LiO

O

O O

O O

O

O

CN NC

NC CN

O O O

O

(43)

Ø 

二段階の酸化還元

 

è

 高エネルギー密度の実現

(

2電子利用で

262 mAh/g) Ø 

酸化還元電位が

3.0~4.0V vs. Li/Li

+

è

 正極として有望

Ø 

中性・酸化状態共に高い安定性

Ø 

高い分子設計自由度(置換基の導入やπ電子骨格変換が 容易)

テトラチアフルバレン (TTF) 系材料

• + -e

+e +e

+ -e +

S S S

S S

S S

S S

S S

S

TTF TTF+• TTF2+

N O• TEMPO

TEMPO

Ø 

1電子利用:

172 mAh/g

Ø 

ラジカル部位を安定化するために

NO

部位両端に嵩高い  置換基を導入する必要あり

Ø 

限られた化学修飾(例えば分子内に2個の

NO

部位を導入  するのは合成上非常に困難)

(44)

TTF 系材料の課題

有機電解液に対する高い溶解性

耐溶解性の改善ー剛直な拡張共役系の利用ー

(45)

S S

S S

S S

S S

S S

S S S

S

S S

S S

S S

テトラチアペンタレン (TTP) 分子系

Ø 

剛直で大きなπ共役系に基づく強い分子間相互作用

  →数多くのラジカルカチオン塩が低温まで金属的導電性を示す

2,5-bis(1’,3’-dithiol-2’-

ylidene)-1,3,4,6-tetrathiapentalene

(TTP)

2,2’-bi[5-(1,3-dithiol-2-ylidene)- 1,3,4,6-tetrathiapentalenylidene

(TTPY)

(46)

有機導体開拓における

TTP, TTPY

の欠点

有機溶媒に対する分子の溶解性が悪く,導電性単結晶試料の 育成が困難!

 

TTP

:カラムクロマトグラフィーの展開溶媒として二硫化炭素が      必要

 

TTPY

:二硫化炭素にすらほとんど溶けない

蓄電デバイスの活物質としてはむしろ有望!

S S

S S

S S

S S

S S

S S S

S S

S

S S

S S

TTP TTPY

(47)

充放電容量の比較  

N O O

H2 C

O O

O

S S

S S

S S

S S

S S

S S S

S S

S

S S

S S

TTP TTPY

TOT

S

S S

S TTF

164 mAh/g 105 mAh/g

262 mAh/g 282 mAh/g 289 mAh/g

O

capacity[ mAh / g] = n × 96500

( Mw ) × ( 1000 3600 )

(48)

TTP, TTPY

電極の酸化還元挙動

S S

S S

S S

S S

TTP

S S

S S

S S

S S

S S

S S

TTPY

0.5e

1.5e 2e

2e

2e 2e

Ø 

移動電子数は電気量および充電

(=

酸化

)

状態の元素分析により決定

Ø 

溶液中の

CV:

Ø  TTP:

4対の1電子酸化還元波

Ø 

テトラキス

(

ヘキシルチオ

)-TTPY:

3対の2電子酸化還元波

Ø  TTP

における

+0.5

価の観測

   

固体効果: 

(TTP)

2+が観測されている?

Ø 

最高酸化状態

(TTP)

4+

, (TTPY)

6+において活物質分子が電解液に溶出

(49)

TTPY の酸化還元過程

4+

4+

4+

4+

6+

2+

6+

2+

4+

etc

S

S

S

S

S

S

S

S

S

S

S

S

0 0

0

-2e +2e

6+

2+

2+

2+

4+

4+

4+

-2e +2e

-2e +2e

solvent

(TTPY)

4+固体中における電荷移動相互作用の模式図

固体中における

TTPY

の酸化還元過程の模式図。

対アニオンの位置は省略している。

TTP

の場合も同様

(50)

TTPY

電池の充放電特性

Ø 

可逆性の良い充放電特性

Ø 

初回放電容量:

164 mAh/g

4

電子利用時の理論容量

198mAh/g

71%) Ø  100

回充放電を繰り返した後の放電容量:

138 mAh/g

,初回放電時の

84%

Ø 

充電容量に対する放電容量:

2C

1/10C

80%

S S

S S

S S

S S

S S

S S

TTPY

C

レート

: (=

電流値

(mA)/

容量

 

(mAh))

で表される。

  

 

1C

レート

:

電池の全容量を

1h

放電させる電流量

(51)

興味点

Ø 

多電子関与(四量体で最大8,五量体で最大10)

Ø 

最大電子数を利用できなくても

TTPY

よりも多数の電子の利用可能 問題点

Ø 

前駆体の溶解度低下により合成が困難

Ø 

酸化電位上昇

高い酸化状態では電解液分解の恐れ 対策

Ø 

前駆体の溶解度向上を可能とする化学修飾

Ø 

共役系の挿入による酸化電位低下

四分子以上の

TTF

を有する

 

高次融合型

TTF

分子系

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S S

S S

S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

(52)

シクロヘキセンを挿入した

TTF

誘導体

 

本研究

 

S

S S

S S

S S

R S

R R

R R

R R

Δ R

Ø 

溶解性の高い前駆体を用いた逆

Diels-Alder

反応により合成    

融合型

TTF

前駆体の低溶解性を克服可能

Ø  TTF

よりも強いドナー性,一段階二電子移動

Ø 

新しい融合型

TTF

五量体

1a, b

および三量体

2a-c

の合成,理論計算

Ø  1b

の酸化還元挙動

Ø  1a, 2a

を正極活物質として用いた二次電池の充放電特性

S S S

S S

S

S S

S S S

S

1

S S S

S S

S S

S R

R R

R

a, R = SMe

b, R = SCH2CH(CH2CH3)CH2CH2CH2CH3 c, R = H

S S S

S S

S

S S

S S S

S

2 R

R R R

(53)

1

の合成

S

S S

S S

S S S

P(OEt)2 (EtO)2P

O O

S S S

S S

S S S

S S S

S

7a, 43%

7b, 57%

S S S

S S

S S S

R R R

R

150 °C Δ

S

S S

S S

S

P(OEt)2 R O

R

O

+ O

S S S

S S

S S S

S S S

S S

S S

S S

S S

S R

R R R

O S

S S S S

S R R

LDA THF

78 °C

, LDA THF

−78 °C

a, R = SMe

b, R = SCH2CH(CH2CH3)CH2CH2CH2CH3

3a, b 4 5a, 76%

5b, 46%

6

1a, 77%

1b, 47%

(54)

溶液中における

1b

の酸化還元挙動

S S S

S S

S S S

S S S

S

1b

S S S

S S

S S

S R

R R

R

R = SCH2CH(CH2CH3)CH2CH2CH2CH3

五対の酸化還元波

Ø  10

個の

1,3-

ジチオール環   

(=10

電子酸化可能

)

 

Ø 

ピーク電流値の比較より低電位側  から

4, 2, 2, 1, 1

電子移動

Potential (V vs. Fc/Fc+)

I

/

µ

A s-1/2

4e

2e 2e 1e 1e S

S S

S S S

S S

S S

S S

S S S

S S

S S

S

R

R R

R

R

R R

R S

S S

S S

S S

S S

S S

S

R

R R

R S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S

R

R R

R S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S

R

R R

R S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S

S

S S

S

+4e

+2e

R

R R

R S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S S

S

-4e

-2e

+2e -2e

+e -e

+e -e

+0.05 V +0.15 V

+0.36 V +0.58 V

+0.72 V

一つの分子から

+10

価の陽イオンが生成!

(55)

1a/Li電池の充放電特性:4.3  〜~  2.85  V

活物質配合率:10%

充放電電圧:4.32.85 V 充電:0.2 C 放電:0.5 C

 →5時間充電、2時間放電に対応

! Charge process

! Discharge process

V ol ta ge (V vs. L i/L i

+

)

Capacity (mAh/g)

0 0 100 150 250

0 200

5th 1st (酸化過程)

(還元過程)

Ø 

初回放電容量:

196 mAh/g

10

電子利用時の理論容量の

92%) 10

電子利用できている

Ø 

初回放電時における平均電圧:

3.56 V

Ø 

初回放電時におけるエネルギー密度:

700 mWh/g

S S S

S S

S S S

S S S

S S

S S

S S

S S

S SMe

SMe MeS

MeS

(56)

1a/Li

セルのサイクル特性

30

回目の放電容量

:

初回放電容量の

72%

活物質配合率:

20%

充放電電圧:

4.3

2.85 V

充電:

CC, 0.2C

放電:

CC, 0.5C

Cycle number !

Capacity/ Initial Capacity(%) !

0! 5 ! 10 ! 15 ! 20 ! 25 ! 30 ! 25 !

50!

75!

100 !

120!

(57)

有機電池の充放電特性の比較

(サイクル特性の良いもの)

O O O

O

N H

O OMe O

n

PPVT N

N

N N N N

Br Br

Br

O O

O Br

Br Br

225 (192) mAh/g 2.6 (2.17) V 585 (416) mW/g

252 mAh/g 2.34 V 590 mW/g

224 mAh/g 2.54 V 570 mW/g

S S

S S

TTPY S S

S S

S S

S S

164 mAh/g 3.29 V 540 mW/g

S S S

S S

S S S S S S S MeS

MeS SMe

SMe Br3TOT

174 mAh/g 3.47 V 605 mW/g

S S S

S S

S S S

S S S

S S

S S

S S

S S

S SCH3

SCH3 CH3S

CH3S

cis/trans

198 mAh/g 3.56 V 700 mW/g

OMe MeO

O

O

312 mAh/g 2.6 V 810 mW/g

(58)

融合型

TTF

系材料の特長

Ø 

分子の大型化

Ø 

分子間に働く

van der Waals

力増大   

中性状態における耐溶解性向上

Ø 

酸化状態

(

最高酸化状態を除く)における強い分子間電荷移動相互作用   

酸化

(=

充電

)

状態における耐溶解性向上

Ø 

多電子酸化還元反応を示す共役電子系

Ø 

高酸化状態で分子内における正電荷同士のクーロン反発増大  

酸化還元電位が正側へシフト

 

エネルギー密度増大

  

cf)

多電子酸化還元を示すアクセプター系材料

Ø 

高還元状態で分子内における負電荷同士のクーロン反発増大  

酸化還元電位が負側へシフト

 

エネルギー密度低下

Ø 

容易な化学修飾

Ø 

置換基の導入や

π

電子系の挿入による酸化還元電位をコントロール可能

(59)

最近の展開

59

ナトリウム電池 グラファイト負極を用いたフルセル

S S S

S S

S S S

S S S

S S

S S

S S

S S

S SMe

SMe MeS

MeS

0 1 2 3 4 5

0 100 200

Capacity / mAh g-1

Voltage / V

LEDの点灯 プロペラの回転

Voltage / V vs. Na/Na+

Capacity / mAh g-1

(60)

拡張型 TTPY 電池の充放電試験

1

st~

10

th

1

st~

10

th

S S

S S

S S

S S

S S

S S S

S S

S

3.8V(100mAh/g

3e

反応?

)

で、可逆充放電を確認

(極めて可逆性良好。繰り返し特性については、精査が必要)

(61)

充放電の繰り返し試験

S S

S S

S S

S S

S S

S S S

S S

S

S

S S

S

S S S S S S S S

TTPY正極 活性炭対極

セパレータが着色

[

電池分解写真

]

活性炭対極 TTP拡張型(ET)

溶出量の定量、

TTPY

との比較を継続検討中

参照

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