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Common Law : South African Government, Constitution of the Republic of South Africa, 1996, <

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1.1 雇用労働関係法令一覧 南アフリカ共和国は中央政府とこの中央政府を支える形で地方立法機能を有する 9 つの地方政府により構成される立憲民主制国家である。憲法が至上の法令とされ、 その効力はあらゆる政府機関とその各階層を拘束する。労働問題は労働裁判所と労 働提訴裁判所により所轄される。 労働法自体は次の5 つの源から形成されている。 ・ 法令 ・ 判例(仲裁裁定を含む) ・ 集団協約 ・ 慣習法(Common Law) ・ 慣習及び法文書 主要な雇用法規は労働局ウェブサイトhttp://www.labour.gov.za で見る事ができる。 本レポートでは労働法を総括し、労働法を含む憲法の枢要部分、重要な労働関係法 令の概要につき述べる。

(1) 1996 年制定南アフリカ共和国憲法 (Constitution of the Republic of South Africa, 1996) 南アフリカ共和国憲法は他の全ての法規や国の行ためを凌駕する最高位の位 置づけを持ち、共和制憲法としては世界でも最も先進的な内容を持つものとし て、国際的にも注目を浴びているものと想定される。 憲法第2 章に規定される権利章典は、南ア全国民の権利を保証し、中でも 18 節 結社・団結の自由、第 23 節 労働関係では労働関係事項についての次の権 利が謳われている。 ・ 国民に対する公正な労働規範 ・ 労働者による組合結成と参加 ・ 労働者の労働争議 ・ 雇用者による組織結成と参加 ・ 労働組合・被雇用者組織と雇用者の集団協約締結の権利 雇用保護法規は、南アフリカ共和国の国内で日常的に、又は国内外を行き来し 双方で部分的に働く、全ての被雇用者に適用され、また雇用契約を律する法や 民族(雇用者、被用者共に)のいかがを問わず適用される。

*出典: South African Government, “Constitution of the Republic of South Africa, 1996”, <http://www.info.gov.za/documents/constitution/index.htm> acce ssed on 30 August 2008 (2) 法令リスト

主要関係法規;

(a) 労働関係法 1995 年制定法令 66 (The Labour Relations Act 66 of 1995 : LRA) 及 び 労 働 関 係 改 正 法 2002 年 制 定 (The Labour Relations Amendment Act, 2002)

雇用、解雇、教育指導、組合、交渉及び“労使調停委員会(CCCM)” が関与する労働争議事項を取り決めている基本法である。

(2)

*出典: Standard Bank, <http://www.standardbank.co.za/SBIC/Frontdoor_02_0 2/0,2454,7375713_7382876_0,00.htm> accessed on 30 August 2008 (b) 雇 用 基 本 条 件 法 1997 年 制 定 法 令 75 (The Basic Conditions of

Employment Act 75 of 1997 : BCEA)及び雇用基本条件改正法 2002 年 制定 (The Basic Conditions of Employment Amendment Act 2002) 本法は、憲法第23 条の公正なる労働規範及び ILO のメンバーとしての 義務に従い、次の事項を規定している。 (i) 雇用用役条件 (ii) 最長労働時間 (iii) 年次休暇、病欠、産児休暇、雇用終了 (iv) 報酬及び厚生福祉資金の支払、 (v) 法が規定するモニター(状況調査)と法手順

*出典: Standard Bank, <http://www.standardbank.co.za/SBIC/Frontdoor_02_0 2/0,2454,7375713_7382878_0,00.html> accessed on 30 August 2008 (c) 雇用衡平法 1998 年制定法令 55 (The Employment Equity Act 55 of

1998 : EEA) 全ての労働者に対する公平な雇用機会と公正な処遇を保証し、職業や職 場において不利益を被る者が出ないように、その是正措置の施行が本法 の目的とされている。 特に不公正さについては、更に踏み込み、特定の雇用者、中でも特定の 対象者(アフリカ人、インド人、有色人種、障害者)の処遇について義 務事項を課している。

(d) スキル開発法 1998 年制定法令 97 (The Skills Development Act 97 of 1998 : SDA) 及びスキル開発法 2003 年制定法令 31 (The Skills Development Act 31 of 2003) ここでは次の目的や方針が設定されている。 ・ スキル開発制度全体の骨組み(フレームワーク)の策定。これに より、国、セクター、職場の各レベルに於ける南ア労働者のスキ ル改善・開発戦略の計画立案と実施の促進を図る。 ・ 1995 年制定の“南ア共和国資格オーソリテイ法”の中に規定され る“国家資格制度”の枠組に沿って、各職場での戦略が進められ るように、その統一・整合性を図る。 ・ 学習制度の構築と施行により認定職業資格の取得を促進する。 ・ 課金制度や国家スキル資金制度により、スキル開発に要する資金 援助を行う。 ・ 雇用用役関係の規定化を行う。 ・ 上記全体の連帯・統合を図る。

(e) 失業保険法 1996 年制定法令 30 (The Unemployment Insurance Act 30 of 1996 : UIA) (本法はその後、廃止となり 2001 年制定の失業保険法 (The Unemployment Insurance Act, 2001)に置き換えられた)

(3)

失業者への資金援助、特に失業救済資金からの特定の被雇用者への支払 いを規定している。

*出典: South African Department of Labour, <http://www.labour.gov.za/> acce ssed on 30 August 2008 (f) 労働安全衛生法 1993 年制定法令 85 (The Occupational Health and

Safety Act 85 of 1993 : OHSA)

職業健康安全について労使双方の責任を明確にし、特定産業に対しては 多数の基準・規定を設けている。

*出典: Standard bank, <http://www.standardbank.co.za/SBIC/Frontdoor_02_0 2/0,2454,7375713_7382882_0,00.html> and Gauteng Provincial Government Portal, “COMPENSATION FOR OCCUPATIONAL INJURIES AND DISEAS ES” <http://www.gautengonline.gov.za/bin/005.IOD-Broch.pdf> accessed on 30 August 2008 (g) 労働災害補償法 1993 年制定法令 130 (The Compensation for Occupa

tional Injuries and Diseases Act 130 of 1993 : COIDA) 業務上で生じた傷病・障害・死亡の基準を取り決めている。

*出典: South African Department of Labour, <http://www.labour.gov.za/> accessed on 30 August 2008 (h) 移民法 13 2002 年 (Immigration Act No 13 of 2002) 及び同 19 2004 年;

移民規定 2005 年 6 月 27 日 (Act No 19 of 2004; Immigration, Regulations of 27 June 2005)

外国人労働者、技能者に対する法である。

*出典: South African Government, <http://www.gov.za, South African Department of Labour http://www.labour.gov.za>, Constitutional Court of South Africa, <http://www.constitutionalcourt.org.za> accessed on 30 August 2008

1.2 労働基準関係法令

基本法は、BCEA(基本雇用条件法 1997 年制定法令 75)であり、関係する労働基 準法令が本法の中核を成しており、国防軍人、公安、無償慈善ボランテア従事者を 除く全被雇用者、労働者に適用される。但しここに規定される労働時間については 上級管理職、労働時間を自己管理する営業スタッフ、1 カ月 24 時間未満の労働者、 年間 R115,5721以上の所得者には適用されない。同時に社会的に緊急事態に備える 業務従事者にも適用されない。 1.2.1 労働契約 BCEA(基本雇用条件法 1997 年制定法令 75)は、雇用者に対し雇用開始時に被 雇用者との雇用契約の締結を義務づけている。この契約は、労使双方の関係を、 1 1 ランド (R )=11.7 円(2008 年 8 月末現在)

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より確実に安定させるために、また雇用条件等で相違が生じた場合には立場の 弱い被雇用者を守るために不可欠とされ、織り込むべき事項はBCEA 第 29 章に 決められている。両者の署名により締結された契約は法的に両者を拘束する。 (1) 雇用契約 雇用契約には2 つのタイプがある。 (a) 固定期間契約 契約期間が明示され、充分なる理由又は両者の合意がなければ期間 途中での契約解消は出来ない。期間満了時に、更新の意思がないか、 条件で折り合いがつかず契約の更新が出来ない場合は実質的に解雇 と同じとなる。 (b) 無期契約 契約期間は設定されず、契約は予め決められた条件による合意や両 者いずれかからの通告による契約解消、定年退職、死亡、倒産、集 団解雇等がない限り存続する。 (2) 見習期間 雇用においては見習い期間が設けられるのが一般的であり、その期間は協 議により雇用契約の中に規定される。LRA(労働関連法)の“Code of Go od Conduct”に基づく見習い期間の設定の基準は、被雇用者の与えられた 仕事の環境と被雇用者の仕事の適性により決められる妥当な期間とされ、 この期間は状況により延長も可能である。見習い期間満了時に、雇用者は 終身契約による雇用に登用するかどうかを決定できる。

*出典: South African Department of Labour, <http://www.labour.gov.za> acc essed on 30 August 2008 1.2.2 解雇規則 BCEA(基本雇用条件法 1997 年制定法令 75)は解雇を規定しており、そのポイ ントは次の通りである。 (1) 雇用契約を解約できるケース ・ 契約期間満了 ・ 規定業務の終了 ・ いずれの側からの通告 ・ 重要な契約違反を理由とした、いずれの側からの申し出による集団的 解消 ・ 拒絶 ・ 両者の合意 ・ いずれの側の死亡 ・ 雇用者の破産 ・ いずれの側かに生じた契約規定達成能力の永久的な喪失事態 正当な理由がなければ解雇は出来ない。 (2) LRA が認める正当な解雇事由

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・ 被雇用者の不正行ため ・ 被雇用者の能力が低い又は欠如 ・ 雇用者側の操業問題 (3) 不当解雇 「不当解雇とする権利」とはLRA に規定されており、次の分類がある。 ・ 自動的に不当とされる解雇 ・ 正当な理由がなく、被雇用者が受諾出来ない解雇、 ・ 被雇用者行ためを理由とする解雇 ・ 被雇用者の能力理由 ・ 雇用者側の事業上の事情 上記以外でも、正当な手続きによらない解雇は不当解雇とされる。 (4) 「解雇」の意味には法的には下記が含まれる。 ・ 契約更新が可能と判断できるのに、固定期間契約への更新を怠った場 合 ・ 産児休暇の終了後になっても、元の仕事へ復帰を認めない場合 ・ 集団解雇の後になって選別雇用を行った場合 ・ 雇用者が被雇用者にとって堪えがたい条件で雇用継続を図ろうとし た場合 (5) 次の場合を理由とした解雇は自動的に不当とされる。 ・ 被雇用者の団結の自由を損ねた場合 ・ 法的に擁護された争議中作業者の仕事に、被雇用者が従事する事を拒 否した場合 ・ 被雇用者に対し雇用関係の要求の受け入れをあくまで強要した場合 ・ 法的に擁護された権利の実行を妨げた場合 ・ 被雇用者の妊娠 ・ 仲裁事態での差別となる要因 ・ 自動的に不正となる解雇 ・ 不正解雇 ・ 余剰労働力 ・ 事業移転 ・ 差別の申し立てがあった場合 「自動的に不当とされる解雇ではない」場合でも、雇用者が正当な理由に よる解雇(被雇用者理由又は雇用者事業理由を問わず)である旨の証明を しない限り、不当解雇と見なされる。更に雇用者には、解雇は公正な手順 に基づき行われている旨の証明も必要とされる。 (6) 是正措置

不当解雇の申立てがあった場合、CCMA (Commission for Conciliation, Mediation and Arbitration : 労使調停委員会) は雇用者に対し次の是 正措置を命じる事ができる。

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・ (同)元の仕事か他の妥当な仕事への再雇用 ・ (同)弁済の支払

CCMA の是正命令では、元の雇用への復帰か、再雇用が基本であるが、雇 用継続が被雇用者には堪えがたく、また雇用者の公正な手続きが期待出来 ないため、被雇用者がこれを希望しない場合には弁済が選ばれる。

*出典:Code of Good Practice on Dismissal & ss 185-197 of the LRA 1.2.3 賃金、労働時間、休憩、休日、年次有給休暇、時間外及び休日労働、時間外の 割増賃金 (1) 労働時間 BCEA は年収 R89,455,00 以下の被雇用者及び雇用者側が採用・解雇権を有 する被雇用者(この場合は年収規定はない)に対して明確に労働時間制限 を設け、これからの逸脱は認められないが、この規定は、顧客訪問等で労 働時間を自己管理する営業スタッフや、1 カ月の労働時間が 24 時間未満の 被雇用者には適用されない。 上記を除く全被雇用者に対するBCEA による通常の労働時間は、週 45 時 間、即ち1 日 9 時間又は週 6 日労働の場合は 1 日 8 時間である。いずれも 残業時間は除き、これを超える労働は残業とされる。 残業時間は、週 10 時間に、また 1 日では 3 時間以内に制限され、実際の 残業時間は雇用者と被雇用者の合意を必要とする。残業の場合は通常の1. 5 倍の報酬か代替休業時間(賃金に含めるかこの部分の支払又は休業供与 による)としなければならない。 BCEA の規定はシフト制や就業時間についてはかなり弾力的である。 (2) 休憩時間、休日 食事休憩は、5 時間以上継続労働の場合は 1 時間が強制規定であるが、被 雇用者の同意により雇用契約に規定すれば30 分に減少できる。 毎日の休息は、終業から始業の間が少なくとも 12 時間以上で、また週で は最低 36 時間与えられることが義務化されており、特別な合意がなけれ ば日曜は休日に含めなければならない。国民休日法により公休日は最低 1 2 日であり、両者の合意があれば他日への振替や休日出勤も可能であるが、 この場合の報酬率又は代休供与は通常レートの2 倍としなければならない。 (3) 夜間労働 夜間労働とは、夕方6 時から朝 6 時までの労働を言い、雇用契約での合意 を要す。BCEA は夜間労働での夜間手当又は労働時間の短縮や可能な場合、 交通手段の供与等の労働者保護規定を設けている。 (4) 有給休暇 BCEA の有給休暇規定: 雇用関係が1 年あれば連続 21 日(労働日 17 日につき 1 日、労働 17 時間 につき1 時間の割合)であり、公休日は含まず金銭による買取は出来ない。 翌年への繰越は不可であり、年度終了6 カ月以内に有給休暇を取らせる事

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が雇用者の義務とされている。これ以上の追加的休暇も両者の合意があれ ば可能であり、通常は雇用契約にこの合意が織り込まれる。 (5) 病欠 有給の病欠は被雇用者の権利であり、次が認められる。 最初の4 カ月の就業がある場合の有給病欠: 労働日数26 日当たり最低 1 日、その後、労働 36 カ月毎に 30 日。被雇用 者が公式医療機関の診断書を提出し8 週間に 2 度以上の休みを取った場合、 雇用者は1 日又は 2 日以上の有給休暇を認めなければならない。 (6) 産児休暇 出産予定日の4 週間前から出産後 6 週間以上の後までの間で、4 カ月の産 児休暇が認められるが、この場合、特別な合意がなければ無給扱いである。 妊婦又は育児作業者の作業には安全性の面で厳格な規定が設けられている。 (7) 家族の慶弔休暇 4 カ月以上の雇用関係があり、雇用者に対し 4 日以上の労働実績があれば 次のケースで1 年毎に 3 日の有給休暇が認められる。 ・ 子供の誕生又は病気 ・ 配偶者や生涯のパートナー、両親、祖父母、子供、孫、兄弟の死亡 *出典:BCEA “Working time” ss6-18.wages:ss32-35,Leaves:19-25&27 1.2.4 年少者、女性、労働安全衛生、アウトソーシング(委託業務や派遣労働)

BCEA は 15 歳又は最低義務教育終了年齢以下の雇用は犯罪的違反行ためとし、 15 歳以上の少年雇用でも福利、教育、生理的、心理、健康、精神的、倫理及び 社会生活の観点から適切とみなされない仕事や場所での就労は認められない。 憲法では更に子供に対する虐待的労働からの保護を規定している。

*出典:Woman: BCEA, ss 25, 26 & 27, LRA s187 (1)(e)-(f), Constitution, chapter 2 of the Bill of right: ss 12(2), 23 & 27(1) (a), EEA, s 6, Sectoral determination, and UIA 1.2.5 就業規則、労働協約

憲法は、平等の権利と不当な差別からの保護を保証し、更にハンデイを負った 人々への対応策を取り決めている。

1.2.6 その他

スキル開発課金法(1999 年) (Skills Development Levies Act (1999)) スキル開発課金法(1999 年)はスキル開発金徴収を規定しており、賃金年額が R250,000 を超える雇用者は、“国家スキル基金“に毎月スキル開発金(2000 年の本制度導入時は賃金の0.5%であったが、現状では 1%にアップ)を納入し なければならない。この納入は公共サービス機関や宗教、慈善団体等は除外さ れている。納入された資金は国や第3 者の教育・訓練機関の使用に供される。 *出典 : South African Department of Labour, <http://www.labour.gov.za/> a ccessed on 30 August 2008

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1.3 労使関係法令

1.3.1 労働組合 LRA は、組合及び雇用者団体の登記手順と申請を受けた場合の担当官の判断基 準を明確に決めており、労働関係担当官はこれにより登記か拒否の判断を行う。 またLRA は、労働関係担当官のこの決定に対し労働組による労働裁判所への提 訴を認めている。憲法は結社・団結の自由、組合の結成と参加、組合活動参加 の自由の権利を認め、LRA の第 2 章では基本的な労働権利を規定しており、そ の中核事項は被雇用者の組合と雇用者の組織やその合法的な活動への参加の権 利である。 (1) 不当労働行ためとは ・ 仲裁における直接的、間接的不当差別 ・ 被雇用者の昇格、降格、訓練、その他の便益に対する雇用者の不当行 ため ・ 雇用復帰、再雇用の合意があるに拘わらず、雇用者が拒否したり実行 したりする場合 (2) 是正措置とは 上記等を含めた争議事項では仲裁を求めて、まず CCMA に提起される。 これで解決されない場合は両者合意の上で労働裁判所に提訴される。 (3) 集団(団体)交渉と合意 LRA は、労使間の論争解決手段の要の 1 つに、集団交渉を置いており、こ の集団交渉の鍵となる事項には次が含まれる。 ・ 職場において組合を組織化できる権利 ・ 交渉審議会に参加し折衝に関与する事から得られる自治享益。特に現 在では審議会の合意はBCEA が課している制限を凌駕することがで きる。 ・ 雇用者又はその連合会が交渉を拒否した場合は、第64(2)節規定に よりCCMA の介入が求められ、CCMA はその仲裁、調停を通しモラ ル力を発揮する。

・ NEDLAC(National Bargaining Council Government:国家協約統 治機構)の政治社会的レバレージ(てこ)機能:メンバーである雇用 者が妥当な理由を示さずに集団折衝を拒否した場合、又はそれが社会 的に重要な分野である場合、NEDLAC はその当事者を折衝のテーブ ルにつける社会政治的な“てこの力”を行使できる ・ 雇用者が交渉を拒絶した場合には、被雇用者は法的に保護されるスト ライキに参画できる権利を有する。 LRA は組合同士の協調や合体による代表組合制の育成に努め、その結果に 対し報償も与えている。職場の多数を制する組合が代表として組織化の権

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利を持ち、マジョリテイメンバーを有する組合が雇用者から情報の入手と 集団協約締結の権利を持つ。 集団協約は両利害当事者同士の折衝により関連事項を取り決め、法的な施 行力を有する協約であり、その有効期間も両者の協議により決められる期 間協約である。有効期間中であっても正当な理由があれば、希望する側の 通告により解消できる。

*出典 : LRA ss 4-10,ss 11,12,13,14, 15, 16 &18, Constitution, chapter of the Bill of Rights: s 23(2-6) 【ストライキとロックアウト】 ストライキ権は、憲法第23 章で保護されており、同様にロックアウト権も憲法 で守られた雇用者の持つ権利である。LRA でも両権利を規定化し、これを次の ように定義している。 ・ ストライキ 同一雇用者の下で、被雇用者が、両者の利害に関係する事項の苦情や論争 解決の目的で作業の全部又は一部の拒否、遅延、妨害する行ためである。 ・ ロックアウト 上記と同様の事項につき雇用者が、その要求の受け入れを求めて被雇用者 を職場から排除することを言う。 法的なストライキ及びロックアウトの手順は、LRA 第 4 章規定の手順に従わな ければならないが、具体的には、正当な理由を付して協約審議会 (Bargaining Council) 又は、これがない場合は CCMA への届出を行う。解決ができない場合 は、その旨の証明書を取得、又は30 日の経過を待つ。その後、相手側に対しス トライキ又はロックアウトの48 時間前の通告を行なう。 (1) 法的保護を受けて行われるストライキ及びロックアウトの効力 ・ 民法の適用免除の適用(契約違反とはならない) ・ 雇用者のストライキ中の非就業には報酬支払不要 ・ 被雇用者の解雇からの保護 (2) 法的保護がないストライキ及びロックアウトの効力 ・ 影響を蒙る側は労働裁判所にストライキ又はロックアウトの禁止・抑 制の申し入れができる。 ・ 労働裁判所は公正妥当な補償の支払を命令できる。 ・ 保護のないストライキの参加は解雇の正当な理由となる。 1.3.2 労働争議解決システムに関する法令 (1) 社会の中枢を成す事業でのストライキ LRA 第 65 章 (1) (d) 規定による「社会の中枢を成す事業」の定義は、「そ の事業の中断が国家の一部又は全部の生命や個々人の安全と健康、国会や 警察業務に危険を与えるもの」とし、この事業でのストライキを禁止し紛 争解決は仲裁に委ねるとしている。 (2) 個々に起きる労働争議の解決

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南アフリカ共和国は労働専門の裁判所を設置しており、この裁判所は伝統 的な通常の裁判所と軒を並べている。共和国最高裁判所は労働裁判所と並 行して契約違反や憲法事項に関する司法権を有しているが、労働裁判所の 方も労働問題専門に、主として次の事項の裁判を行っている。 ・ 結社・団結の自由(組合と雇用者連盟のメンバーシップ)関連の争議 の裁定 ・ 自動的に不当とされる解雇に対する裁定:不当解雇には雇用者事情 (人員削減)やストライキ事由による解雇も含まれる。 上記の裁定において、労働裁判所は禁止救済(緊急救済含む)を断定的に 発令でき、派生費用と損害賠償についても指示が出せる。 (3) CCMA の役割 (a) CCMA の業務:次の事例のように雇用関係の多種多様な争議の解決 に従事する。 ・ 結社・団結の自由と一般的保護事項 ・ 情報の開示 ・ 組織編成権に係わる集団協約 ・ 組織編成権の行使辞退 ・ 組織編成権の解釈と適用 ・ 集団協約の解釈と適用 ・ エージェンシー、クローズトショップ協約の解釈と適用 ・ 雇 用 者 と 被 雇 用 者 間 が ク ロ ー ズ ド シ ョ ッ プ 契 約 の 場 合 の CCMA 不参画 ・ 行政当局決定の解釈と適用 ・ 時間が経過した集団協約の解釈と適用 ・ 集団協約規定の解釈と適用 ・ 相互利害事項全般 ・ 交渉拒否 ・ 雇用の一方側の変更 ・ ピケット ・ 論争と必要不可欠なサービス ・ 共同意思決定(ワークショップフォーラム) ・ 情報の開示(ワークショップフォーラム) ・ ワークショップフォーラム規定の解釈と適用 ・ 不当解雇/解雇手当 ・ 不当労働行ため (b) CCMA が仲裁に努める争議関係事項 ・ 情報の開示 ・ 組織編成権に係わる集団協約 ・ 組織編成権の辞退 ・ 組織編成権の解釈と適用

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・ 集団協約の解釈と適用 ・ エージエンシー、クローズトショップ協約の解釈と適用 ・ 政府決定の解釈と適用 ・ 時間経過の集団協約の解釈と適用 ・ 集団協約規定の解釈と適用 ・ 相互利害事項全般 ・ 交渉拒否 ・ 雇用の片方側からの変更 ・ ピケット ・ 論争と必要不可欠なサービス ・ 共同意思決定(ワークショップフォーラム) ・ 情報の開示(ワークショップフォーラム) ・ ワークショップフォーラム規定の解釈と適用 ・ 仲裁に対する同意 ・ 同意による労働裁判事項に関する仲裁 ・ 不当解雇 ・ 解雇手当 ・ 不当労働行ため (4) 判事及び理事の選任 (a) 労働裁判所判事の選任 労働法専門弁護士(弁護人、弁護代理人)クラスから、また場合に よっては学術分野の資格専門家から選任される。 (b) 労働訴訟裁判所の判事の選任 最高裁判所判事であることが必要とされる。 (c) CCMA 理事の選任 労働裁判所と違い法資格は不要である。理事の役割は調停又は仲裁 であるが、争議が調停で解決出来ない場合は、通常、別の理事によ る仲裁に提起される。 (5) 費用 労働裁判所は他方の側が不当な裁判手続きをしていない限り費用負担の裁 定はしない。 (6) 所要期間 CCMA(労使調停委員会)には地域によるが現在、最低 1∼3 カ月の案件 の滞留がある (7) 法的代表 労働裁判所、労働訴提訴裁判所共に法的代表者の選任を許容しており、義 務規定ではないが、通常は大半の雇用者や多数の被雇用者がこの代表制を 使用している。 CCMA においても代表制は認められているが、ただ無能力者と不正行ため 者は除かれ、この場合は行政裁定者(コッミッショナー)の判断によりそ

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の片方又は双方の申請が必要とされる。このような場合でも、法的代表選 任は、法と事実関係が複雑に絡み仲裁判定に相違が生じる恐れがある場合 や、代表を選任する事が公的利益に適う場合を除き、通常は認められない。 (8) クラスアクション(Class Actions :多数の組合が共同で解決を求める行 ため) クラスアクションに関する労働裁判所の特別な規定はないが、代表による 行ためが許容されており、多数の組合から解決を求める案件が発生した場 合には、所属するメンバー組合を代表する“代表組合”が当局への提起を 行っている。 (9) 損害と補償 認められる補償限度は(自動的不当解雇の場合)24 カ月、(不当解雇の場 合)12 カ月であり、派生し累積された損失には厳格にリンクしていない。 是正措置は、英国や他国の法と違い原則は元雇用復帰か再雇用である。 (10) 権利意識の社会的な高揚傾向 最近は被雇用者が、雇用上の法的権利を自覚し、その活用をはかろうとす る意識が社会的に強くなっている傾向が見える。

1.4 労働保険関係法令

1.4.1 労働者災害補償保険

基準法は労働災害補償法130 1993 年 (The Compensation for Occupational Injuries and Diseases Act 130 of 1993 : COIDA) であり、労働者全員に適 用される労災保険である。

労働者災害補償保険法 (Workman Compensation Act : WCA) も全被雇用者 に適用されるが、決められた基準に適合しなければならない。 補償は下記に基づき行われ、補償の支払は、災害当時者に対してではなく、サ ービス提供者に直接支払われる。 表 1-1 労働者災害補償保険の分類と補償支払いの実態種類 障害・症状の分類 補償支払の種類 補償支払の事態種類 ・一時的障害 ・パーマネントな障害 ・不治傷害/病気 ・定期的支払 ・一括支払 ・各月支払 ・作業中事故 ・作業従事の影響による ・交通機関中(公務用移動車両中) 【職業病】 職業病とは、雇用契約に基づき就業する事により被った病災であるが、3 日以内 の傷害、家事従事者、軍務、南ア国外に連続12 カ月以上の滞在者等は除外され る。

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1.4.2 雇用保険

基準法は2001 年制定失業保険法 (The Unemployment Insurance Act, 2001) である(1996 年 UIA 法令 30 は廃止され本法に代置)。月 24 時間以下労働の 労働者、教育課程中の者、外国人契約労働者、年金生活者、コミッション収入 労働者を除き、全被雇用者に適用される。 2003 年 4 月 1 日以降は、法令により国内雇用者とその労働者も適用に含まれて いる。 1.4.3 健康保険

基準法は労働安全衛生法1993 年制定法令 85 (The Occupational Health and Safety Act 85 of 1993 : OHSA) である。

通常の対象は業務上傷害(Injury on duty : IOD)であり、補償を請求できる 職業病は WCA(Workman’s Compensation Act)表 1-1 によるが、これにな い場合は行政裁定官に申請しその判定による。いずれのケースもメリット制度 により対処される。

1.4.4 年金

基準法は以下の3 法である。

(1) 年金資金改正法 1997 年制定法令 94 (The Pension Funds Amendment Act No. 94 of 1997 and Regulations)

*参考: (詳細)Liberty Corporate, <http://www.libcorpben.co.za/lega l/briefs/brief033.html> accessed on 30 August 2008

(2) 年金資金法 1956 制定法令 24 (Pension Funds Act, 1956 (Act No. 24 of 1956)

(3) 年金資金改正規定 2006 年 (Pension Funds Amendment Regulations, 2006) 【年金資金改正法1997 年制定法令 94 の雇用者事項】 ・ 雇用者は基金管理担当機関に対し賛助金支払い時に、決められた情報(メ ンバーの個人詳細情報や合計支払額等)を提出しなければならない。 ・ 19 (4) 項規定:年金総投資資金の 5%以内の額は雇用者が決める年金用途 への使用が認められるが、残る95%は年金投資資金にそのまま積み立てを 行う。 ・ 28 章規定:年金投資資金は雇用者の事業解散の危険から法的に保護され、 その企業の年金資金の解散手続きが取られるまで年金投資資金は維持され る。 ・ 新28A 規定:事業解散者の報酬が新たに規程されている。 【雇用者の義務】 ・ 翌月7 日までに基金管理担当機関への賛助資金の支払い

・ 政府文書“An Initial and Subsequent Contribution Statement”に決め られている情報の提出。提出期限は上記支払と同時又は支払から 15 日以

(14)

内。 1.4.5 その他、独自の保険や基金に関する法令 調査中

1.5 職業能力開発法令

1.5.1 職業能力開発制度 基準法は下記の通りである。

(1) スキル開発法 (The Skills Development Act)

(2) スキル開発課金法 (Skills Development Levies Act)

1997 年設定の国家スキル開発戦略 (National Skills Development Strategy : NSDS) の一部をためし、基本的な職業スキル開発を提供するものであるが、2 008 年 8 月末時点では更なる法の実施が検討されている。 関連する基本的な制度は下記の通りである。 表 1-2 スキル開発に関連する主な制度とその内容 No. 制度 内容 1 補助資金課金制度 訓練資金の増加と雇用者の職場での訓練参画を狙った制度 2 新 セ ク タ ー 教 育 及 び 訓練委員会

(New Sector Educ ation and Training Authorities : SETA s) 各経済分野でのスキル開発支援を図るために設立された委員 会である。その役割は職場のスキルプラン(課金払い戻しに 必要)の評価、学習教程の開発と登録、品質保証訓練規定、 訓練課金から得られる助成金の管理である。 3 国家スキル委員会 (National Skills A uthority : NSA) 国家スキル開発戦略(NSDS)について定期的に労働省に対 し助言を行う責任を有する。 4 ス キ ル 開 発 国 家 骨 組 み 労働省が新たに設けた体制で、国家スキル委員会により国家 による高レベルのスキル開発における調整を企図している。 5 国家スキル資金 (National Skills F und :NSF) 労働省が所轄し、課徴金収入の 20%は、零細・中小企業(S MMEs)のスキル開発を含む戦略的・開発型仲裁に割り当て られるが、この資金をNSF が管理・運営する。 6 学習教程 (Learnerships) 徒弟制度を促進させるモデルであり、各職業分野の能力開発 を可能とする重要な手段になっている。スキル開発法の提起 事項の一部をためし、開発技術のコアプログラムを代表する ものである。実施には学習者、プロバイダー、雇用者の3 者 による複雑な固定期間契約が締結される。

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No. 制度 内容 7 スキルプログラム 開発 上記の学習教程骨組み設定に加え、スキル開発法が規定して いるプログラムの開発である。このプログラムは、資格の全 部ではなく単独の資格毎の履修単位取得に結びつくもので、 学習者が単独資格に直結した短いプログラムを学べるように 柔軟性と動員性がある内容とする事を目指している。2001 年 の国家スキル開発戦略(NSDS)では、労働省はスキル開発 システムのための 12 の目標を設定し、内 3 セットは相互に 緊密化した内容とする事を目標としており、その期限は2005 年4 月であった。2005 年設定の第 2 回 NSDS では、第 1 戦 略で見えた弱点について、労働省や他の関連者が想定した改 善を掲げている。 8 人材開発戦略 (Human Resources Development Strat egy : HRDS) 教育省と労働省合同により 2001 年に作成された戦略方針書 であり、上記した職業教育訓練(VET)政策成果の代表例。 人材開発の提供・需要の見通しと2005/6 年までの実現すべき 教育・訓練戦略の基本的な指針を設定し、人材開発国家合同 委員会(HRDCC)の設置により両省が他の政府機構と共に 定期的に会合を持つ事を決めている。

*出典 : SDA Further Education and Training Act (1998), Amended Further Education and Training Act (2006) 1.5.2 職業能力評価制度 (1) 概要 基礎教育を受けられる国民の権利は、憲法の権利章典に明記されており、 この教育には国がレベルの段階に応じて提供する成人基礎教育や能力向上 を図る拡大訓練・教育(以下拡大教育訓練)も含まれる。 憲法は、従って、教育・訓練の国家戦略の枠組みの範囲で地方立法府とそ の政府に教育行政(大学・技術大学は除く)の権限と行使力を与えており、 この中で、教育省 (The National Department of Education : DoE) が 方針と基準の設定、教育の全レベルでのモニターと評価を行う責任を有し ている。これにつき、国家教育方針法(1996 年制定法令 27)は次の通り 規定している。 ・ 教育省の権限と責務は教育計画、規定、ガバナンス、モニター及び教 育の規範・基準の設定である。 ・ 中央政府と地方政府の関係と分担の明示、教育大臣審議会(CEM) 及び教育局委員会幹部責任者(Hedcom)の設置(いずれも教育シス テム開発での政府間協調フオーラム) スキル開発法(1998 年)は上記の教育法令によって具体的な展開が進めら れている。

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【スキル開発法規定の3 レベル】

(a) 一般教育・訓練 (General Education and Training : GET) (b) 拡大教育・訓練 (Further Education and Training : FET) (c) 高等教育 (Higher Education : HE) である。

学習過程は13 年間であり、この内、最後の 3 年は強制ではない。一般教 育は導入教育 (Grade R) と Grade 9 までの学習及びこれと同等の成人基 礎教育・訓練資格 (Abet) から成り、Grade R は大半の Primary school (小学校)やNursery school(保育園)が受け持つ。

拡大教育訓練 (FET) は、学校過程では Grade10 から 12 であり、これは 国家資格骨組み (NQF) のレベル 2 から 4 に相当し、また 2007 年以前で はFET 大学の職業資格 N1−6 に相当していた。

高等教育 (HE) には diplomas(学士)から postdoctoral degrees(博士 課程)までの資格があり、この段階のレベルは南アフリカ資格能力局法 (S outh African Qualifications Authority (SAQA) Act, (1995 年法令 58) により設定された国家資格骨組み(NQF)の中に統合されている。高等教育 (HE)は、社会・文化・経済の発展を進める上での要となっており、こ れに従事する支部機関は、統一された思想に基づき体系化された制度の構 築を意図して戦略の方向づけと制度整備での支援役の役割を果たしている。 (2) 教育方針準拠法 教育戦略は次の法令に依拠される。 表 1-3 教育方針準拠法とその内容 No. 法令名 内容 1 国家教育方針法

(National Education Policy Act, 1996) 教育省の方針、立法、モニターの責任を 明確化し、また国と地方の関係を規定化 し協調によるガバナンス体系の形成を図 っている。 2 南アフリカ学校法

(South African Schools Act, 1996) 7∼15 歳又は Grade9 までの義務教育や 独立学校とパブリック学校の2 つのタイ プの学校制度等を規定。SGB(学校管理 母体機構)により公的学校は民主的な管 理統治が行われている。 3 拡大教育・訓練カレッジ法 (Further Education and Trai

1998 年制定 Further Education and Tr aining (FET)法に置き換わったもの。公 的FET カレッジの設立、統治、資金やス

(17)

ning Colleges Act, 2006 (Act 16 of 2006). タッフの雇用、民間FET カレッジの登録 やこれ等の運営を規定。1998 年の FET 白書に沿った法令である。 4 高等教育法

(Higher Education Act, 199 7) 公的HE 及び民間 HE 制度(各々&合同) について上記同様事項を規定。1997 年教 育白書&HE 国家計画と共に本法は高等 教育の基礎を形成している。 5 教育者雇用法

(The Employment of Educat ors Act (EEA), 1998 (Act 76 of 1998)) 教育者の職業、モラル、倫理責任、能力 や教育者の雇用や雇用条件の決定者や方 法を規定。更に無資格者区分や低能力者 の手順、教育区分や手順を規定している。 6 成人基礎教育訓練

(Abet Act, 2000 (Act 52 of 2000))

公共、民間成人教育センターの設立や資 金供与、統治、(産業セクターに対する) 品質保証のメカニズムを規定している。

*出典 : South African Government Information, <http://www.info.gov.za/> accessed on 30 August 2008 (3) NQF(The National Qualifications Framework:国家資格フレームワーク)

基準法は南アフリカ資格能力局法 (South African Qualifications Autho rity (SAQA) Act,(1995 年制定法令 58)である。

教育と訓練を統合した国家資格フレームワークの開発と樹立を提言してお り、南アフリカの新たな教育制度がこれによりスタートされた。 資格能力局 (SAQA) はこの NQF を次のように定義している。 NQF とは、学習者の習得結果を登録する事により技量・知識程度を国家認 証できるようにするルールとガイドラインであり、これにより統一的に体 系化された生涯教育の確立を図る。 (SAQA 2003) なお NQF は、異質で ある外国と国際教育・訓練双方の面で内容を練り合わせる意図で作られ、 また国内的には 1970 年代から顕著となる非民族職業組合を強く念頭に置 いており、労働者のより高い賃金要求に帰結できる教育・技能開発を進め る戦略の柱ともなっている。 表 1-4 国家資格骨組み(NQF) NQF レベル 学校過程 資格タイプ 8 高等教育・訓練 (HET)

Post-doctoral research degrees 7 Doctorates

(18)

6 Masters degrees

5 Professional Qualifications Honours degrees

National first degrees Higher diplomas National diplomas National certificates 4 拡大教育・訓練 (FET) National certificates 3 (国家資格証明) 2 1 一般教育・訓練 (GET)

Grade 9 | ABET Level 4

(成人基礎教育・訓練国家資格証明)

*出典 : SAQA2003 (4) SAQA(South African Qualification Authority:南アフリカ資格能力局) 教育・労働省が任命する 29 人の委員で構成され、その役割は次の 2 点で ある。 ・ 教育訓練の基準や資格作成機関の登録方針の設定、モニター、監査等 によるNQF 開発の監督。 ・ 同上機関が行う登録、認証、認定の方法やフレームワーク内の基準・ 資格登録手順の徹底によるNQF の実施監督。更に妥当な認証規定の 設定と基準・資格の国際性確立の促進を図る。 【SAQA の活動】

・ 1998 年に国家基準母体 (National Standard Bodies : NSB) 規定を 発行。本母体は資格・基準の作成、推薦、NQF への登録を責務とし ている。

・ 1998 年に教育・訓練品質保証 (The Education and Training Quality Assurance : ETQA) 規定を発行し、この中で品質・訓練保証機関の 認証基準を取り決めている。対象機関は、NQF 登録の教育・訓練基 準や資格の認証に責任を持つ機関や規定のモニター、評価実施、プロ バイダー間の調整、評価者の登録に責任を有する機関である。

*出典 : South African Qualifications Authority, <http://www.saqa.org.za/>, NQF Gateway, <http://www.nqf.org.za/web/guest/home> accessed on 30 August 2008 (5) 品質審議会 (Quality Council)

(a) 一般及び拡大教育訓練品質保証審議会 (UMALUSI, The General and Further Education and Training Quality Assurance Council) UMALUSI は、GET(一般教育訓練)及び FET(拡大教育訓練)の 品質保証機関であり、その機能は以下のとおりである。

・ 学習者の習得結果のモニター、調整。

(19)

練機関の評価 ・ 民間プロバイダーのモニターにより同機関の全体的な評価・ 認証の起案 ・ 地方当局とその管理状態、学習現場の評価と教育大臣への報 告 *参考 : UMALUSI, <http://www.umalusi.org.za/>

(b) 高等教育審議会 (Council for Higher Education : CHE) 及び国家拡 大教育訓練幹部機構 (National Board for Further Education and Training : NBFET)

CHE は大学課目・コース等の高等教育の質と基準の確立をその役割 としている。NBFET は 1996 年制定国家教育方針法 (National Ed ucation Policy Act) により設置され、拡大教育訓練制度の形成につ いて、大臣に対し独立かつ戦略的な提言を行っている。

*出典 : FET College Series, <http://www.fet.co.za/>, South African Government Information, <http://www.info.gov.za/> accessed on 30 August 2008 (6) 労働及び教育

(a) 教育労働関係審議会 (Education Labour Relations Council : EL RC)

教育界での効率的、建設的な労働関係を樹立し、社会のあらゆるレ ベルでの教育の推進と向上を目指した、雇用者側(国や地方の教育 当局)と被雇用者側(教育者や同分野被雇用者)の双方対等な代表 者から成る交渉機関(会合)である。

*出典 : Education Labour Relations Council, <http://www.elrc.co.za/Default. asp?SectID=1> accessed on 30 August 2008 (b) 南アフリカ教育審議 (The South African Council for Educators :

SACE)

SACE 法 2000 年制定法令 31 により設定され、教育者の専門性、能 力、行動の向上を目的とした審議会である。

*出典 : The South African Council for Educators, <http://www.sace.org.za/> accessed on 30 August 2008

1.6 その他の雇用労働関係法令

1.6.1 職業紹介制度

ESDAs(Employment Skills Development Agency:雇用スキル開発局): スキル開発法17(7)項により導入された制度である。この制度の雇用者側の対 象は、主として見習制度に興味を持ちながら、決められた条件を満たす能力の ない小企業の雇用者であり、上記の法は、見習協約、失業中の見習生に関する 雇用者の権利義務、ESDA の役割、雇用者支援の方法、雇用者と ESDA との契

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約等が規定されている(12‐17 章) (1) ESDA の権利と責務 雇用者と契約を締結し、スキル開発法 18 章 (1) 項規定の雇用されている 見習生又は18 章 (2) の失業中の見習生に対する雇用者の持つ責任と権利 を代行する。失業中の見習生に対してはESDA が見習同意書及び雇用契約 を見習生と締結し、雇用者の見習制度における職務を務める。 (2) ESDA と雇用者の合意書 ESDA と雇用者の合意書には、スキル開発法 18 章 (1) 項、18 (2) 項規定 のESDA の権利と責務を明示しなければならない。 (3) “雇用者と ESDA の合意書”には、ESDA のサービスレベルの保証や能力、 機材設備資源等の合意書に折り込むべき項目が規定化されている。更に、 この合意書には、合意や仲裁による合意書の修正・解消条項が設定されて いる。 2004 年 5 月 4 日に、当時の労働大臣(ムドラナ氏)は、若年者と障害者に対す る大胆な職業紹介の推進を掲げ、特に地方の失業者が中小企業で定職につける ように支援の手を差し伸べると宣言し、ESDLEs Agency(Employment and Skills Development Lead Employers : 雇用能力開発局)を設立した。この雇 用計画を産業界に定着化させるためには、先導的な雇用者を増やしその層を拡 大する事が何よりも必要と実感される。

*出典 : South African Department of Labour, <http://www.labour.gov.za/med ia-desk/speeches/2005/minister-addresses-anc-youth-league-1/?searchterm=ESD LE> accessed on 30 August 2008 1.6.2 外国投資法により進出した企業で、海外から招聘され就労する者の労働許可条 件 基準法は以下のとおりである。 ・ 移民法2002 年制定法令 13 ・ 移民法改正法2004 年制定法令 19 ・ 移民規定、2005 年制定法令 27 (1) 外国人就労許可の種類

(21)

(2) 永久居住者 終身雇用の契約がある者や特別スキルのある者に認められる。 1.6.3 海外から招聘され就労する者の加入義務のある制度 (1) 外国人によるビジネス及び起業 2005 年 1 月の法令草案が作られた後は、国内保護を意図した従来の面倒 な条件は緩和されているが、2005 年 7 月 1 日現在、外資・外国人への条 件は次の通りである。 ・ R2.5 百万の現金 ・ R2.5 百万以上の資本投資 ・ 海外からの現金R2.5 百万及び 0.5 百万の資本の簿価挿入 ・ 事業計画の提出 ・ 南アフリカ人の最低5 人の採用 ・ 2 年毎の規則遵守状況報告提出 上記の投資額条件は貿易産業局の要請や推奨産業の場合は減額又は免除さ れる。 (2) 居住許可 (a) 永住権 上記条件による事業に従事し規定要件に合致すれば取得可能。 (b) 一時居住権 企業内移動労働許可及び交換許可以外は一般に延長が可能。 (c) 同道家族 同道される本人が取得した許可次第により、同一許可、ビジター許 可、独立した許可と相違する。就学中の子女は永住権を得られる迄 は別途、学生許可を要する。いずれの場合も、主体居住者と同一許 可及び有効期間が認められる。 No. 就労許可 内容 1 一般就労許可

(General Work Permit)

雇用者は具体的な資格や技術、経験等により外国人の雇 用が必要であるということを立証する書類が必要であ り、国内で募集を行ったが見つからなかったという事を 証明しなければならない。2005 年 7 月からは海外応募 者の持つ資格に関しては関係当局の評価が必要となっ ている。 2 割り当て就労許可 (Quota Work Permit)

学術的、専門的な人材の外国人採用に適用される。 3 特別スキル (Exceptional Skills) 専門的の定義はないが、外務、学術、文化等の当局が確 認する専門的なスキルや資格者に認められるもの。 ビザ有効機関は3 年であるが延長も認められる。

(22)

1.6.4 その他雇用労働に関する法令 [就学許可] 南アフリカでの就学を希望する場合は、受け入れ教育機関からの受け入れのレ ターを提出し就学許可を取得する。高等教育就学許可取得の場合には週20 時間 までのパートタイムの労働は認められる。南アフリカ又は国外での訓練の一部 としての活動は就学許可を、またこの訓練外の場合は就業許可が必要とされる。 【参考文献】

1. BCEA "Working time" ss6-18.wages:ss32-35,Leaves:19-25&27 2. Code of Good Practice on Dismissal & ss 185-197 of the LRA

3. Constitution, chapter of the Bill of Rights: s 23(2-6), chapter 2 of the Bill of right: ss 12(2), 23 & 27(1) (a)

4. EEA, s 6, Sectoral determination, and UIA

5. LRA s187 (1)(e)-(f), ss 4-10,ss 11,12,13,14, 15, 16 &18

6. SDA Further Education and Training Act (1998), Amended Further Educati on and Training Act (2006)

7. Constitutional Court of South Africa, <http://www.constitutionalcourt.org.za> a ccessed on 30 August 2008

8. Education Labour Relations Council, <http://www.elrc.co.za/Default.asp?SectID =1> accessed on 30 August 2008

9. FET College Series, <http://www.fet.co.za/> accessed on 30 August 2008, 10. Gauteng Provincial Government Portal, "COMPENSATION FOR OCCUPATIO

NAL INJURIES AND DISEASES" <http://www.gautengonline.gov.za/bin/005.IO D-Broch.pdf> accessed on 30 August 2008

11. NQF Gateway, <http://www.nqf.org.za/web/guest/home> accessed on 30 August 2008

12. South African Department of Labour, <http://www.labour.gov.za/> accessed on 30 August 2008

13. South African Department of Labour, <http://www.labour.gov.za/media-desk/spe eches/2005/minister-addresses-anc-youth-league-1/?searchterm=ESDLE> accesse d on 30 August 2008

14. South African Government, <http://www.gov.za>, accessed on 30 August 2008 15. South African Government Information <http://www.info.gov.za/> accessed on

30 August 2008

16. South African Government Information, “Constitution of the Republic of Sout h Africa, 1996”, <http://www.info.gov.za/documents/constitution/index.htm> acce ssed on 30 August 2008

17. South African Qualifications Authority, <http://www.saqa.org.za/> accessed on 30 August 2008

(23)

18. Standard Bank, <http://www.standardbank.co.za/SBIC/Frontdoor_02_02/0,2454, 7375713_7382878_0,00.html> accessed on 30 August 2008

19. The South African Council for Educators, <http://www.sace.org.za/> accessed o n 30 August 2008

参照

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