平成 26年度 2 月入試
実技試験 5 時間 石膏デッサン
石膏像 <大洞の仏頭>
問題 有形文化財を保存し修復する意義について1200字以内で論述しなさい。
平成26年度 入試 文化財保存学専攻
筆答試験(1) 小論文
受験 番号 氏 名
志望専攻
平成26年度 文化財保存学専攻 保存修復(日本画) 修士課程入学試験 筆答試験2 解答用紙
1.次の語群の中から3つを選び、それぞれ200字以内で説明しなさい。
〔 鉛白、 没骨、 金箔、 補彩、 洛中洛外図 〕
2.別紙の図版A~Hから、年代順に記号と作品名を記入しなさい。
(1)
(2)
(3)
志望専攻 受験番号 氏 名
奈良 平安 鎌倉 安土桃山 江戸 明治以降
記号作品名
室町
平成26年度 文化財保存学専攻 保存修復(日本画) 修士課程入学試験
筆答試験2 問題用紙<別紙> 志望専攻 受験番号 氏 名
D A B
C
F G H
D E A B
C
F G H
E
松林図屏風 四季花鳥図屏風
落葉 キトラ古墳壁画 紅白梅図屏風
金棺出現図 北野天神縁起絵巻 源氏物語絵巻
平成 26 年度 文化財保存学専攻 修士課程 入学試験問題
(筆答試験 2) 専門 保存修復油画
志望専攻 受験番号 氏 名
問題 1. 文化財は時間の経過の中で、さまざまな劣化や損傷を受ける。その中でも『油彩画』はどのような
劣化や損傷があるのか、その劣化や損傷を三つ示し、それぞれの発生原因を簡潔に 600 字以内で述べ
よ。
問題 2. 下に示した写真①は、写真②のX線写真である。このX線写真から、どのような内容が読み取れ
るか、X線撮影の原理とともに 600 字以内で述べよ。
問 題 用 紙
A
正常校
① ②
東京藝術大学大学美術館所蔵 五姓田義松「伊太利亜人半身像」
X線写真
東京藝術大学大学美術館所蔵 五姓田義松「伊太利亜人半身像」
正常光写真
解答用紙
A
(筆頭試験2) 平成26年度 文化財保存学専攻 修士課程 入学試験問題 専門:保存修復油画
志望専攻 受験番号 氏名
問題 1.
問題 2.
平成二六年度 文化財保存学専攻 修士課程 入学試験問題(筆答試験2)専門 保存修復油画 問題用紙 B 志望専攻 受験番号 氏名
───
「臨画」という訓練 明治期において、西洋画を学ぶということは、眼で見えるという網膜に映る世界をそのまま画面に置き換えるという
修練を積むということでした。それまでの日本の絵画においては、眼で見た現実世界を頭の中で咀嚼し、イメージを明
確にしてから描き、写生であっても、物自体を輪郭線で囲むといった、近視眼的精緻さでありました。そこには、明暗
法、遠近法もなければ、立体感、量感もなく、さらには対象物を取り囲む空間を余白として残すだけでありました。で
すから、「見える物を、そしてその物を取り囲む空間をも含めたすべてを均等に描く」ということを、一から学ばなけ
ればならなかったわけです。
現実の世界は三次元ですし、時間が加われば、四次元の世界にもなります。その世界を、二次元の画面に定着しなけ ればなりません。このことを、Representation( リプレゼンテーション
) といいます。それには、遠近法、明暗法に準
拠した制作の方法を実行しなければなりません。ところが、最初からできるわけがありません。すでに制作方法に熟知
している画家の描いたお手本を模写するのです。これを「臨画」といいます。お雇い外国人教師であったフォンタネー
ジが持ち込んだそのようなお手本があり、それらを模写した工部美術学校生徒の素描作品が多数東京藝術大学美術館に
所蔵されています。十代のピカソなどには、このような臨画による素描作品があります。
明治初期の西洋画を眺めますと、日本画の素養があって西洋画を描こうとするので、両方が奇妙に混じってしまうこ
ともあります。それも、今から見るとそれなりに面白いのです。例えば、五姓田芳柳がそうです。しかし、息子の五姓
田義松は十代の頃から、日本画のものの見方がない、西洋画としかいいようのない作品を生み出しています。文明開化
のうねりがあった時期、若い人たちは本能的に新しい物の見方に共感を示し、一直線に進んでいけたのでしょう。
─── 黒田清輝の教育法:見るということ
一八九六年(明治二九)、黒田清輝が明治美術会を退会し、東京美術学校西洋画科に招かれたとき、「臨画」を否定し
ました。これは脂派である旧派と紫派である新派の対立のひとつでもありました。黒田は十年ほどのフランス滞在の体
験から、臨画では眼が鍛えられないと感じていたようです。石膏や人物のように三次元の対象物を写生しながら描かな
いと勉強にならないと考えていました。黒田清輝は「物を見る眼の寸法を拵 こしらえる」という言葉を残しています。現実の
風景やモデルと直接格闘して自分なりの物の見方をしっかり鍛えること、自分が物を見る行為を学ぶことで、絵描きと
しての絵が描けると説いていました。臨画ではたしかにすぐに一見うまそうな画面ができあがるけれども、新派では実
際の人物を前にするとなかなか最初のうちは描けない。その「描けない」というのが特徴であり、繰り返し何年か描き
続けることによって、描けるようになると、考えていたわけです。
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美術の窓 2013.3 月号 p46-47
─── 自己の内面を表現する。
黒田清輝や、その弟子たちの世代になると「自分たちは日本人であって、日本の風土がある。日本人としてこの日本
の風景にいかに感情を移入できるのか。それができれば日本人の絵となるのではないか」と考え始めて、その結果、白
馬会展に多数の風景画が出品されています。
明治末期になると、さらに一歩進んで、自分の心が揺さぶられ、自分の内なる気持ちの動きそのものを、直接的に表
現しようとなります。対象物に近づく表現をするのではなく、自分みずからを表現することに目覚めるのです。この場
合の表現は、Representation( リプレゼンテーション) ではなく、Expression( エックスプレション) になります。この
ように、自分自身の内面を絞り出して外へ表現するようになった代表的な画家に、青木繁や萬鉄五郎が挙げられます。
その当時の、高村光太郎や北原白秋などのデスペレートな詩や文章に支えられていたのでしょう。そこから、フォービ
スムと呼ばれる日本的な油絵が進展したり、戦後、現代へと一つの系譜がつながっています。
─── 絵画技法史研究という分野
われわれがここ三〇年にわたって明治期絵画作品の調査研究では、物質としての絵画の側面からアプローチしていま
す。例えば、絵画の断面を観察して、絵画の重層構造を観察します。それには、絵画の微小部分を採取し、このクロス
セクションを電子顕微鏡で、絵具層に含まれる鉛、水銀、銅、カドミウム、クロム、カルシウムなどの元素を分析しま
す。分布する元素によって、顔料を同定したり、どのような絵具をどのように重ねているのかを推定します。最近では、
媒剤の分析もできるようになり、乾性油なのか、アラビアゴムなどの水溶性樹脂なのかまでも分析できるようになって
います。
それから、側光線(横から光を当て画面表面の凹凸を観察する)、X線(支持体、地塗り層、絵具層などすべての部
分の情報がえられる。)、赤外線(下素描の墨線が観察できる)、紫外線蛍光(補彩の有無など画面表面の情報がえられる)
などの撮影を行ない、絵画材料、絵画技術の調査研究に役立てている。
最近、われわれ研究グループはアフガニスタンのバーミヤーン石窟壁画やシルクロードのキジル石窟壁画の調査研究 をしていますが、ヨーロッパの油絵よりもはるかに古い、油絵具を使用した壁画も発見しています。日本にも、蒔 まきえ絵な どの技法の一つに油絵具を使用するものがあり、そして密 みつだえ陀絵とよばれるものが白鳳、天平時代からあるわけです。昔
日の絵画をどこまで分析できるのか、限界はありますが、機器分析が進化し、非破壊分析でもかなりのところまででき
ます。その結果、これまでの美術史がかわってしまうことがあるかもしれません。
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美術の窓 2013.3 月号 p46-47
別紙の文章を参考にして、次の7問から5問を選択し答えなさい。
問1 明治時代の油画の媒剤には、どのような絵画材料が使用されましたか。例を二つ挙げてくだ さい。
問2 ある透明な絵具層を塗り重ねる場合、そのために使用される顔料と媒剤を例に挙げて、
その絵画技術について説明しなさい。
問3 水性地塗りに使用される顔料と媒剤を挙げて、その地塗りの特性を説明しなさい。
問4 黒田清輝は、どのような絵画を描いた画家ですか。
問5 旧派(脂派)と新派(紫派)の代表的な画家を、それぞれ3名づつ挙げなさい。
問6 X線写真から、具体的にどのような情報が得られますか。
問7 絵具層に鉛が検出された場合、どのような名称の絵具が使用されていたと判断できますか。
平成二六年度 文化財保存学専攻 修士課程 入学試験問題(筆答試験2)専門 保存修復油画 解答用紙 B 志望専攻 受験番号 氏名
問1
問2
問3
問4
問5
問6
問7 旧派新派 顔料媒剤絵画技術
顔料媒剤地塗りの特性
平成26年度 文化財保存学専攻 修士課程入学試験問題
(筆答試験2) 専門 保存修復彫刻 問題用紙
問1)
現在、国指定重要文化財である仏像の年表を、下記の語句欄Ⅰから最も適切な語句を 選んで完成させて下さい。なお選択した語句は、何度使ってもかまいません。
時代 所蔵先・名称 技法
飛鳥時代 奈良時代 平安時代前期 平安時代後期 鎌倉時代
問2)
以下の①~⑩の用語に読み仮名を記し、意味を簡単に説明して下さい。
問3)
写真①~⑥の彫刻文化財から任意に3軀選び、さらに語句欄Ⅱの語句から最も適切な 語句を選んで、所蔵先・名称、作者、制作された時代、材料、構造・技法を説明してく ださい。またそれぞれの像について思うところを述べてください。なお選択した語句は 何度使ってもかまいません。
語句欄Ⅰ
即成院観音菩薩跪坐像 法隆寺金堂釈迦三尊像 東大寺法華堂執金剛神立像 東大寺南大門金剛力士立像 神護寺薬師如来立像
一木造 塑造 鍍金金銅造 寄木造
語句欄Ⅱ 所蔵先・名称)
平等院鳳凰堂阿弥陀如来坐像 願成就院毘沙門天立像 興福寺八部衆乾闥婆立像 元興寺薬師如来立像 聖林寺十一面観音菩薩立像 東大寺法華堂伝月光菩薩立像
作者)
運慶 定朝 将軍万福 作者不詳 制作された時代)
奈良時代 平安時代前期 平安時代後期 鎌倉時代 材料)
檜 榧 塑土 木屎漆 構造・技法)
玉眼 心木 一木造 脱活乾漆造 塑造 寄木造 木心乾漆造
①矧目 ②玉眼 ③漆箔 ④斧 ⑤砥石
⑥白毫 ⑦鑿 ⑧洲浜座 ⑨木屎漆 ⑩釘
写真①
平等院鳳凰堂阿弥陀如来坐像
写真③
元興寺薬師如来立像 写真②
東 大 寺 法 華 堂 伝 月 光菩薩立像
写真④
願成就院毘沙門天立像 写真⑤
聖林寺十一面観音菩薩立 像
写真⑥
興福寺八部衆乾闥婆立像