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平成15年土地基本調査・第二次速報集計結果について

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【 研 究 ノ ー ト 】

平成15年土地基本調査・第二次速報集計結果について

村上 威夫

1.はじめに

さる3月15日に、平成15年土地基本調査の第二次速報 集計結果が国土交通省から公表された。土地総合研究所は、

国土交通省の委託により、同調査のうち法人調査に係る実 査・集計及び全調査結果の分析を行った。

本稿では、今回の公表内容のうち、今回新たに集計・公 表された世帯に係る土地基本統計を取り上げ、特徴的な動 向を紹介する。なお、法人に関しては、本誌の2004年秋 号にて第一次速報集計結果の概要を紹介しているので、あ わせてご覧いただきたい。

土地基本調査は、我が国の土地の所有・利用状況等に関 する実態を明らかにするための調査で、5年に一度の周期 調査として平成5年から実施している。今回公表する調査 は、その3回目に当たる。

今回新たに集計された世帯に係る土地基本統計は、法人 土地基本調査とともに、統計法に基づく指定統計に指定さ れている。同統計は、実査を行わず、総務省の実施する住 宅・土地統計調査の結果を国土交通省が再集計して作成す る。なお、住宅・土地統計調査は、平成12年国勢調査調査 区の中から全国平均約4分の1の調査区を抽出し、これら の調査区おいて設定した単位区のうち、約21万単位区につ

いて調査を行っている。調査の対象に含まれる世帯数は約

400万世帯である。

2.世帯の土地所有の概況

調査時点である平成15年10月1日現在において、土地 を所有する世帯は約2,516万世帯であった。このうち、現 住居の敷地を所有する世帯は約2,402万世帯、それ以外の 土地を所有する世帯は約866万世帯となっている。同時点 での世帯総数は約4,695万世帯であるので、現住居の敷地 の所有率は51.2%、それ以外の土地の所有率は18.4%と なる。(図1)。

過去の調査結果と比べると、現住居の敷地の所有世帯数 は平成5年から連続して増加しているが、土地所有率は連 続して減少している。ただし、調査を重ねるにつれて現住 居の敷地の所有の有無を「不詳」とする回答が増えており、

平成15年は6.6%にも上っている。現住居の敷地の所有率 が低下している理由として、この「不詳」回答の増加の影 響が大きいと思われる。なお、現住居の敷地以外の土地に ついては、調査設計上不詳が発生しないが、こちらの所有 率は平成10年からほぼ横ばいである。

(現住居の敷地)

53.8

52.1

51.2

46.2

44.8

42.2 6.6 3.1

0 20 40 60 80 100

平成5年

平成10年

平成15年

(%)

所有している 所有していない 不詳

(現住居の敷地以外の土地)

23.4

18.5

18.4

76.6

81.5

81.6

0 20 40 60 80 100 (%) 40,530千世帯

43,928千世帯

46,951千世帯 所有している 所有していない

図1 土地の種類別所有世帯数割合

(2)

3.世帯属性別にみた土地所有状況

世帯の土地所有率を、家計を主に支える者の従業上の地 位別にみると、「農林・漁業業主」が、いずれの種類の土地 についても最も所有率が高い。また、「無職(その他)」の 所有率も全世帯の平均を上回っている(図2)。

また、家計を主に支える者の年齢別にみると、いずれの 種類の土地についても、おおむね年齢階級が上がるにつれ て所有率が上昇している。現住居の敷地についてみると、

「40~44歳」の階級で所有率が49.7%と、ほぼ5割に達 しており、それよりも高い年齢階級ではいずれも過半数の 世帯が現住居の敷地を所有している(図3)。

4.宅地などの所有規模

次に、世帯の所有する「宅地など」(現住居の敷地及び現 住居の敷地以外の土地のうち農地及び山林以外の土地)に ついて、その所有・利用状況の特徴をみる。

まず、現住居の敷地の所有規模をみると、1世帯当たり の平均所有面積は約283㎡となっている。このうち、共同 住宅や長屋建住宅の敷地として利用されている土地を除き、

一戸建住宅の敷地に限ると、平均面積は約319㎡となる。

所有面積階級別の割合を、家計を主に支える者の従業上 の地位別にみると、全世帯では「100~200㎡」の敷地を 所有している世帯が約3割と最も多いが、「農林・漁業業主」

の世帯では、「500㎡以上」の現住居の敷地を所有する世帯 図2 家計を主に支える者の従業上の地位別の土地の種類別所有率

(平成15年)

51.2

94.7

70.0

52.2

59.0

0.5

67.4 46.9

14.4 13.3 8.7

23.9 10.9

0.4 8.1

25.2

11.0 12.6 11.1

83.7

0.1 8.7 14.3

13.3 0

20 40 60 80 100

全世帯 農林・

漁業業主

商工・その他 の業主

会社・団体・

公社又は 個人の 常用雇用者

官公庁の 常用雇用者

臨時雇 学生 その他

現住居の敷地

現住居の敷地以外の宅地など 農地・山林

(%)

無職 雇用者

自営業主

図4 家計を主に支える者の従業上の地位別 の所有面積階級別現住居の敷地の所有世帯数

割合(平成15年)

21.6 25.7 22.8 3.1

23.1

31.3 31.5 27.9 12.5

29.9

21.4 19.1 18.0 12.6

19.2

16.2 13.8 17.0 24.5

15.5

9.5 9.9 14.2 47.3

12.3

0 20 40 60 80 100

無職 雇用者 商工・その 他の業主

農林・漁 業業主

全世帯

(%) 100㎡

未満

100~

200㎡

200~

300㎡

300~

500㎡

500㎡

以上

1世帯当 たり平均 所有面積 283㎡

666㎡

311㎡

250㎡

262㎡

図3 土地の種類別の家計を主に支える者 の年齢別所有率(平成15年)

0 10 20 30 40 50 60 70 80

25歳未 満 25~

29歳 30~34歳

35~39歳 40~44歳

45~49歳 50~

54歳 55~59歳

60~64歳 65~74歳

75歳以上 現住居の敷地

現住居の敷地以外の宅地など 農地・山林

(%)

(3)

が半数近くを占めている。また、「雇用者」の世帯では、共 同住宅の割合が比較的高いこともあり、「

100㎡未満」の割

合が25.7%と高くなっているが、200㎡以上の敷地を持 つ世帯も4割を超えている(図4)。

5.宅地などの取得時期

現住居の敷地について、取得時期別の世帯数を1年当た りでみると、平成12年に取得した世帯が約73万2千世帯 と最も多く、それ以降の各年に取得した世帯数を上回って いる。

また、いわゆるバブル期にあたる「昭和61~平成2年」

と、それに続く「平成3~7年」では、現住居の敷地を取得 した世帯数がそれ以降の時期と比べて大幅に少なくなって いる(図5)1。バブル期の地価高騰が世帯の土地取得動向 に影響したことが伺える。

図5 取得時期別現住居の敷地の所有 世帯数(1年当たり換算値、平成15年)

121 271

458506 483 506

706 727 732 671 625

533

100 200 300 400 500 600 700 800

昭和26~35 年

昭和 36~45年

昭和46~55 年

昭和 56~60年

昭和61~平 成2

平成3~

7年

平成8~10年 平成11年

平成 12年

平成13年 平成

14年 平成15年 (千世帯)

注)「平成15年」の値は、平成15年1月~9月の値を もとに計算している。

6.宅地などの取得方法

宅地などの取得方法をみると、現住居の敷地については、

「会社などの法人から購入」「個人から購入」「相続・贈与 で取得」の3つの方法で取得した世帯が、それぞれ約3割 を占めている。また、取得時期別にみると、取得時期が新 しくなるにつれて「会社などの法人から購入」の割合が増 えており、平成13年以降では45.6%と、現住居の敷地を 取得した世帯の約半数を占めている。

一方、現住居の敷地以外の宅地などについては、「相続・

贈与で取得」の件数割合が41.2%を占め、最も多い。取 得時期別にみると、「昭和36~55年」の階級以降、取得時

1 ここでは、調査時点で現住居の敷地を所有している世帯について、

その敷地の取得時期を集計しており、その年に現住居の敷地を取得 した世帯数とは異なることに注意が必要である。

期が新しくなるにつれて、ほぼ一貫して「相続・贈与で取 得」の占める割合が高まっており、最近では46.2%と、

件数の約半数を占めている(図6)。

7.都道府県別にみた世帯の土地所有状況

世帯の所在地別に現住居の敷地の所有率をみると、所有 率が高い都道府県は、上位から順に、山形県(73.6%)、 秋田県(70.8%)、富山県(

68.7%)

、三重県(

67.5%)

及び新潟県(65.9%)となっており、総じて日本海側の 県に所在する世帯の所有率が高い。一方、所有率が低い 都道府県は、下位から順に、東京都(30.3%)、沖縄 県(39.5%)、大阪府(40.7%)、神奈川県(45.0%)

及び福岡県(45.2%)となっており、総じて大都市圏に 所在する都府県で低い(図7)。

また、一戸建住宅の敷地を所有する世帯について、世帯 の所在地別に1世帯当たりの平均所有面積をみると、平均 面積が大きい都道府県は、上位から順に、茨城県(約

512㎡)

、 栃木県(約499㎡)、岩手県(約466㎡)、福島県(約443

㎡)及び山形県(同)となっており、東北及び北関東の各

(現住居の敷地)

3.2 4.5 5.6 6.7 8.1 5.8

45.6 44.6 37.8 31.6 23.3 27.9

29.0 28.6 30.2 31.8 38.5 25.2

31.8

18.9 18.9 22.9 25.9 25.8 63.4

30.2

3.0 2.6

5.8 4.3

4.2 3.9 3.5 3.4 3.4

0 20 40 60 80 100

平成13年~

15年9月 平成8

~12年 平成3

~7年 昭和56~

平成2年 昭和36

~55年 昭和35年 以前 全世帯

(%) 国・公団など

から購入 会社などの 法人から購入

個人から 購入

相続・贈与 で取得

その他

・不詳

(現住居の敷地以外の宅地など)

3.3 3.2 3.1 3.9 4.8

16.0 14.9 17.3

17.3 15.9 12.1

26.6 27.6 29.3

31.9 37.1 18.5

26.1

46.2 49.6

46.5 42.1

36.4 64.8

41.2

7.8 12.3 17.2 3.4

2.6 1.8

5.8 4.8

4.5 3.9

0 20 40 60 80 100

平成13年~

15年9月 平成8

~12年 平成3

~7年 昭和56~

平成2年 昭和36

~55年 昭和35年 以前 全土地

(%) 国・公団など

から購入 会社などの

法人から購入

個人から

購入 相続・贈与

で取得

その他

・不詳

図6 取得時期別の取得方法別宅地など 所有世帯数(平成15年)

(4)

県で大きい。一方、平均面積が小さい都道府県は、下位か ら順に、東京都(約166㎡)、大阪府(約175㎡)、京都府

(約202㎡)、神奈川県(約219㎡)及び兵庫県(約234㎡)

となっており、大都市圏に所在する都府県で小さい。(図8)

図7 世帯所在地別現住居の敷地所有率(平成 15 年)

図8 世帯所在地別現住居の敷地の1世帯当たり平均所有面積

(一戸建住宅敷地、平成 15 年)

8.おわりに

以上、今回公表された二次速報の集計結果のうち、世帯 に係る土地基本統計についての特徴的な事項を紹介した。

土地基本調査については、昨年10月の一次速報集計と今 回の二次速報集計をもって、基本的な集計がほぼ完了した が、今後7月に予定されている確報集計公表では、法人及 び世帯の所有する土地・建物に係る資産額の集計が予定さ れている。特に、法人の所有する土地資産額については、

今回が平成10年調査時の公表に次いで第2回目の集計と なる。過去5年間の法人の土地所有動向を資産額ベースで 把握できる貴重な資料であり、今後の公表が待たれる。

〔参考〕

第二次速報集計の結果概要は、国土交通省のサイト「土 地総合情報ライブラリー」

(

http://tochi.mlit.go.jp/) から参照可能です。

[むらかみ たけお]

[土地総合研究所 主任研究員]

単位:%,()は分布数 65.0 ~ ( 8)

60.0 ~ 64.9(14)

55.0 ~ 59.9(11)

50.0 ~ 54.9( 7)

~ 49.9( 7)

単位:㎡,()は分布数 400 ~ (10)

350 ~ 399 (12)

300 ~ 349 (13)

250 ~ 299 ( 5)

~ 249 ( 7)

参照

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