Technical Sheet
No.15008
「デジタルものづくり」におけるプラスチック 粉末 RP 装置の活用に向けて
キーワード：プラスチック、RP、粉末、積層造形、PA12、3Dプリンタ、寸法精度、表面粗度
はじめに
RP（ラピッドプロトタイピング）は、3D プリンタとして認知度が高まっていますが、
実際のものづくりに適用するためには、その 長所と短所を十分把握しておくことが必要で す。当所では「デジタルものづくり」への取 り 組 み と し て 、 粉 末 積 層 造 形 法 （SLS： Selective Laser Sintering）に基づくプラス チック粉末 RP 装置を 2013 年に導入しまし た。ここでは、本装置の仕様や造形手順、造 形物の評価結果について紹介します。
プラスチック粉末 RP 装置
プラスチック粉末 RP 装置（表 1）は、熱 可塑性プラスチックであるPA12（ポリアミ
ド12）製モデルを次の作業手順で造形します。
①3次元形状データ（stl）を読み込む。
②読み込みデータに対し３次元形状として成 立するための適正化（面の表裏、隙間、重複 などの改善）を行った後、造形方向を決める。
③造形エリア内にモデルを配置する（図1）。
④配置したモデルを積層厚さにスライスする。
⑤造形条件を加えた造形ジョブ（レーザ照射 パス）をRP装置に送る。
⑥RP装置で造形ジョブにもとづき造形する。
⑦造形完了後、造形物を含む材料粉末から造 形物を掘り出す（図2：アンパッキング）。
⑧ブラスト装置内での、エアブローおよびガ ラスビーズブラストにより表面を仕上げる。
図1に示すモデル配置例は、モデル部分を 支えるサポートが不要な立体配置、そして、
最上部に寸法補正用サンプルを表しています。
図3に、造形例としてチェスの駒と、クワ ガタムシの拡大モデルを示します。
型式 （独）イオス社製 FORMIGA P110 造形方式 粉末積層造形法（SLS）
造形領域 W200mm×D250mm×H330mm 積層厚さ 0.12mm or 0.1mm or 0.06mm 造形材料 PA12，PS（鋳造マスターモデル）
材料形態 粉体（60μm）
サポート 不要
装置外観
図 2 SLS 造形における造形物掘り出し（ア ンパッキング）作業
表 1 プラスチック粉末 RP 装置の仕様
図 1 モデル配置の例
寸法補正用サンプル
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Phone：0725-51-2525
プラスチ 造 形 材 0.1mmの
（1）造形 に示すよ 収縮パラ 寸法精度 しかし、
化するた は、造形 し、再造
（2）造形 0.1mm 刻み するサン 測しまし 値の関係 は実測値 しかし、
測値は、約 造形用レ が反映さ
（3）表面 ンプルの 点顕微鏡 測定しま 10μm、側 上面が6 は、上面 面には積 ます。
おわりに プラス は、射出 図 3 チ にもとづ
チック粉末 R 材 料 PA12
の標準条件で 形品の寸法
うな寸法補 メータにフ 度を±0.05m
造形物の厚 ため、高い寸 形品の測定結 造形する必要 形可能な厚さ
み、幅 20mm ンプル（図 4 した。図5は 係で、壁厚さ 値と設計値は
設計値が 0 約0.5mmと レーザーの集
れた結果で 面粗さ：図 の上面ならび 鏡［レーザー した。算術 側面が15μ 0μm、側面 には造形材 積層ピッチ 0
に
チック粉末 出成形品とは チェスの駒カ づくクワガタ
作成 発行
P 装置の性能 を 使 用 し 、 で造形試験を 精度：本装 補正用サンプ フィードバッ
m 程度に維
厚さに依存し 寸法精度を必 結果から形状 要があります さ：厚さ 0.
、高さ 12mm 4）を造形し は、壁厚さの は、0.5mm は、ほぼ一致
0.4mm 以下 となっていま 集束ビーム径 であると考え
6 に示すブ
びに側面の表 ーテック社製 術平均粗さ R m、最大高さ 面が 120μm 材料の平均粒
0.1mm の影
末 RPによる は異なる品質 カットモデル タムシの拡大
成者 加工成 行日 2016
能評価
、 積 層 ピ ッ を行いました 装置では、図
プルの測定値 ックすること 維持していま して収縮率が 必要とする場 状データを修 す。
1～1.2mm 間 m の立ち壁を し、壁厚さを の実測値と設 m以上におい 致しています 下では壁厚さ ます。これは 径（約 0.5m えます。
ブロック状の 表面粗さを共 製 HD-100］
Ra は、上面
さ粗さRzは m です。Rz
粒径55μm、
影響が表れて
るPA12 試作 質や特性を有 ルと X 線 CT
大モデル
成形科 吉川 年1月18
ッ チ た。
図 1 値を とで ます。
が変 場合 修正
間隔 を有 を計 設計 いて す。
さ実 は、
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のサ 共焦 で 面が は、
z に 側 てい
作物 有し
て に ト積 の試 証
末 し で す
参考 1) データ
川 忠作 P 日
います。プ
、光造形法 積層法など 試作物につ の必要性を 当所では、
RP のほか た造形装置
、装置の実 るためにも
考文献 吉川忠作 報告，No
図 図 4
図 5
Measured Thickness (mm)
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ラスチック
、熱溶融積 の工法があ いても同様 認識くださ 本稿で紹介 に、デジタ や加工装置 力と試作物
、ご利用く
：大阪府立産 .28 (2014) 3 図 6 表面粗 立ち壁サン
壁厚さの実
0 0
0 0.4 0.8 1.2
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RPには、
積層法、イン ありますので 様に、品質や
い。
介したプラス ルものづく 置を保有して 物の品質や特 ださい。
産業技術総 39.
粗さ計測サン ンプル（70×
実測値と設計 .4 0.8 get Thicknes
SLS以外 ンクジェッ で、各工法 や特性の検
スチック粉 りに対応 ていますの 特性を理解
総合研究所 ンプル
×30×10mm）
計値の関係 1.2 ss (mm)
