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世 界 の 大 学 を 丸 ご と 学 ぶ

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大学ジャーナル 1 vol.115

2015年(平成27年)7月10日

発行所 :くらむぽん出版 〒531-0071 大阪市北区中津1-14-2

115

TEL06(6372)5372 FAX06(6372)5374 

E-mail [email protected]

http://www.djweb.jp/

大学ジャーナル

7 月号

(第20巻2号・通巻115号)

Daigaku Journal

vol.

C o n t e n t s

F R E E

お か げ さまで20年

読者アンケートを募集しています。

左のバーコードを読み取り、アン ケートにお答えください。

受けるため、学生がパートナー大学に赴いたり、パー

トナー大学へ留学した大学院生が、そこで教員と

して雇われたりするケースも出てくるでしょう。本学

の職員は、すでに

オフィスに出向しています 13の海外

が、このような動きが加速すれば先方からの出向要

請も増え、その流動性もお

のずと高まると思います。もちろん、このようなト

ランスボーダー化のためには、国際的に通用性のあ

る教育システムの構築も急がれます。すでに本学で

は、学群、学類、学位別にその質を保証する「筑波ス

タンダード」を確立していますが、これを来年度には

グローバルスタンダード版へと改訂したり、再来年に

はグローバルスタンダードに対応した科目ナンバリン

グ制、および日本版チューニングシステムの確立を目指しています。

最初のパートナー大学はボルドー大学(University of Bordeaux:

UB)で、 9月からの全面的なス

タートに向けて準備中ですが、カリフォルニア大学

アーバイン校(University of California, Irvine:

UC I)や国立台湾大学

NT 携を進めています。分野は U)とも同様の提

限定していませんが、UBとは、植物工学やメディカ

ルサイエンス、ニューロサイエンスの研究室が関係し

てくるでしょう。

UC I

とはスポーツ科学、情報

工学を中心とした展開が期待されます。また、す

でに

UC I

システムバイオロジー学位プログ

ラムと本学のヒューマンバイオロジー学位プログラム

HB 学生の行き来が始まってい P)の間では、

ます。また

NT U

は、医学、農学分野を中心に

修士課程デュアルディグリープログラムの開設

を協議しています。いずれも数年で軌道に乗せ、

10

年後にはパートナー大学も

13校に増やし、トランス

ボーダー化の日常化を実現したいと考えています。

 、「し分する、学、教」()。 HBP

大 学トップ から 高 校 生 へ の メッセ ー ジ

10

1953年10月14日生まれ。専門は分子生物学。研究テーマはウイルス 14

と真核細胞のゲノム、クロマチンの複製と転写の分子機構、ウイル スの増殖と病原性発現の分子機構,細胞周期制御と細胞がん化 の分子機構。1976年3月 東京大学薬学部薬学科卒業 、1981 年3月 東京大学薬学研究科博士課程修了、1981年3月 薬学 博士(東京大学)。1985年 国立遺伝学研究所分子遺伝研究系・

助手、1991年 東京工業大学生命理工学部・助教授、1999年  同大学院生命理工学研究科・助教授、2001年 筑波大学基 礎医学系・教授、2004年 筑波大学大学院人間総合科学研究 科・教授、2011年 筑波大学医学医療系教授、2013年から現職。

埼玉県立浦和高等学校出身。

読者アンケート募集中

打ち出したのが、大学間の壁を超え、海外協定校など

と仮想的にお互いのキャンパスを丸ごと共有しようとい

うCampus‐in‐Campus構想です。本学のキャンパスの

中にパートナー大学のキャンパスが入り、パートナー

大学のキャンパスに本学のキャンパスが入るというイ

メージです。教育・研究環境をシームレスにつなげ、

それを学生、教職員が共有し、協働のためのプラット

フォームとするものです。

学生、教職員のIDカードはパートナー大学に行っ

ても有効になるようなことも考えています。科目登 録のための科目便覧の中

にはパートナー大学の科目名から科目番号、担当教

員、概要、開講場所、シラバスも入れます。ジューク

ボックスを彷彿とさせることから、これを「科目ジュー

クボックス」システムと呼んでいます。学生はいつで

も留学できますが、しない場合でも、本学のいずれか

の教室でパートナー大学のeラーニングを受講できま

す。教員も、パートナー大

学の研究施設やその他のリソースが使え、そこにオ

フィスやラボを作ることもできます。パートナー大

学に出張している卒業研究の指導教員から指導を

日本最大級のキャンパスに、前身校を含めれば、日本の高等教育機関としては

最も古い歴史を持つと言われる筑波大学。1973年、新構想大学としての設立時から、

今や日本の多くの大学がキーワードとして掲げる「学際性」と「国際性」とを謳ってきました。

昨年度はスーパーグローバル大学創成支援事業(以下SGU)においてそのトップ型にも採択され、

未来構想大学として一層のグローバル化とさらなる大学改革を加速させています。

永田恭介学長に、筑波大学の近未来構想、高校生へのメッセージをお聞きしました。

02

12

13

 筑波大学長

永田 恭介 先生

S G U

《国際的にも開かれた大

学であること》と建学の理念にも盛り込まれている

ように、本学は1973年という早い時期から、

「国際性」を大学理念の一の柱としてきました【コラ

ム1】。近年はまた、「地球規模課題の解決に向けた

知の創造とこれを牽引するグローバル人材の育成」

という新たなミッションの

下、グローバル化への歩み

06

15

16 09

トピックス

 

9大学が連携して地域課題 を解決、学生も育てる —

京都発の職能資格

「地域公共政策士」の新資格制度がスタート シリーズ 大学が地域の核になる

京都文教大学の挑戦(ニュース編)

進路のヒント 目指せ!グローバル人材

グローバル社会で共感を得るために

法政大学 人間環境学部 教授 石神隆先生

日・中・韓をキャンパスに

グローバル人材を育成する

立命館大学キャンパスアジア・プログラムの これまでとこれから 参加学生座談会  司会・解説 文学部東洋研究学域 教授 庵逧由香先生 創刊20周年特別企画

 進路のヒント・アンケートから MELAB、 metが近々日本でも受験可能に

大学入試改革が求める英語の

外部資格・検定試験に、新たな選択肢が

動く!大学 変わる学部、デキル!学科

東京理科大学

“世界の理科大”への挑戦がここに始まる

デキル!学科

京都産業大学理学部 宇宙物理・気象学科 地球大気からはるか彼方の宇宙まで 観測と理論を積み上げて解き明かす

シリーズ  佛教大学歴史学部からのメッセージ

京都で学ぶ、祇園祭で学ぶ

15年続く人気授業「祇園祭研修」について聞く 佛教大学 歴史学部 歴史文化学科 教授 八木透先生

連載

 

武川アイちゃんの東京・ジャパン、

グローバル/哲子の相談室/書評 大学再生への道

《新入試》へ向けて-1

高等学校から見た大学入試改革

灘中学校・灘高等学校 学校長 和田孫博先生

大学再生への道

②-2

いまなぜATLASなのか

ICU国際基督教大学 教養学部長 伊東辰彦先生 03

04

 もう一方の柱は学際性。20世紀、学問は著しい 進歩を遂げた半面、あまりにも細分化されたことで、

現実の様々な課題に対応できなくなってきたとの反 省から、近年は分野横断型研究、異分野融合の必 要性が説かれている。筑波大学は、国立の総合大 学の中にあって、体育や芸術の専門まである幅の広 さが強みで異分野融合に力を入れてきた。新構想 大学ならではの《柔軟な教育、研究組織》である系

(教員組織)も学群制もこれに対応している。ほとん どの日本の大学では、学生、教員は学部や大学院に 所属するが、筑波大学では教員はすべて系と呼ばれ る教員組織に所属するため、教員は学群、研究科を 自由に移動して教育できる。また、学群制では学生も 学群又は研究科を超えて、自らの専門とは異なる分 野の講義やゼミを履修しやすい。よく取り上げられる 例としては、山海嘉之教授のロボットスーツ「HAL」で 有名なサイバニクス研究。ロボット工学を、介護、福 祉分野に応用しようという取組に加え、実用化に際 しては、法学や倫理学、さらには心理学などの人文・

社会科学系の学問の知識を総動員することが求め られる。この事例は「地球規模課題の解決に向けた 知の創造とこれを牽引するグローバル人材を育成す る」という新しいミッションの前半部にも対応する。

コラム1

を一層明確に打ち出しています。昨年には「トランス

ボーダー大学がひらく高等教育と世界の未来」への

跳躍を謳った、グローバルイノベーション人材育成の

構想が、SGU事業のトップ型に採択されました。

この中で特に焦点を当てたのが、「海外武者修

行」による学生、教職員す

べての国際的なモビリティを上げること、および世界

中の教育研究資源をすべて使って一つの大学ではで

きないことをするという二点です。

これを具体化するために

(2)

T O P I C S

9大学の学長と門川大作京都市長、京都経済同友会・豊田 理事事務局長など

初級地域公共政策士は、プログラム実施機関の在学生の 約1割、約1000名が取得することが予想されている。毎年、

1000名規模の学生が地域社会や企業と連携した課題解決 型授業に参加する取り組みには、地域と大学が大きく変わる 可能性が秘められている

GPM(グローカル・プロジェクト・マネジャー)との関連は?

前号で紹介したGPM(vol.114の2頁参照)はこの初級地 域公共政策士プログラムをベースに、PBL型(課題解決 型学習)の企業連携プロジェクトをプラスしてビジネス色を 濃くしたもので、就職・採用活動での活用を目指している。

その際には、以下の二点も

考慮します。一つは、

20年後には一学

年の生徒数が今の118万人から

90万人になると

も予想され、入学定員をそのままにして質を維

持するには、社会人と外国人の受け入れを増やす

必要があるということ。もう一つは、

20年前には

スマホがなかったことに象徴されるように、現在

の高校生が社会の中軸になる

20年後には、オート

メーション化やロボット化で職業の半分はなくなる

との予想があることです。社会構造の変化によって

職業構造や職種が変動し業態も変わってきますか

ら、大学教育の中身や方法も変わらざるを得ませ

んし、さらには学問領域の変容にも気を配る必要が

ある、当然、求める学生像も変わってくるはずです。

入試を変えるための具体的な処方箋として、ま

ず語学、特に英語では、4技能を問う外部の検定

試験などの導入を視野に入れています。来年度、遅

くとも再来年には、まず、 じてしてがで の大と提るよにし

SGUには、大学のグ

ローバル化に加えて、入試改革や教育改革をはじ

め、大学全体の改革を促す目的もあります。

本学が、上記のようなシステムの中で力を発揮でき

る学生を選ぶのに適した入学者選抜方法として、

2年前から構想していたのが国際バカロレア(IB)

特別入試【コラム

す。昨秋初めて実施しま 2】

したが、予想通り、志願者の学力や基礎的な能力

は高く、しかも中には、これまで本学には入学して

こなかったようなタイプの生徒も見受けられます。

もちろん入学者のすべてをIB校から受け入

れることは不可能ですから、従来型入試の抜本的

な改革にも着手します。

9大学が連携して地域課題を解決、学生も育てる。

京都発の職能資格「地域公共政策士」の新資格制度がスタート

京都で学んで、京都や自分の地元を元気に!

毎年1000名の

「初級地域公共政策士」が誕生予定

 京都府内の9大学(龍谷大学、同志社大学、京都府立 大学、京都産業大学、京都橘大学、京都文教大学、成美 大学、京都大学、佛教大学)・大学院と自治体、NPO、経 済団体などが連携して2011年に創設された「地域公共政 策士」。地域活動や政策形成の場で産官学民の壁を越え て協働し、地域課題の解決能力を可視化した、日本初、京 都発の地域資格だ。EUの欧州資格枠組み(EQF)とも連 動させることでプログラムの質保証を行うとともに、職能資格 として履歴書にも記入できるようになっている。

 去る6月30日には、この「地域公共政策士」の新資格制 度について、キャンパスプラザ京都で9大学の学長及び京 都市長門川大作氏らによる共同記者会見が開かれた。

 新資格制度の最大のポイントは、学部レベルでは「初級 地域公共政策士」、修士レベルでは「地域公共政策士」と、

それぞれのレベルに応じて2段階での資格が取得できるよ うになったこと。資格教育プログラムは現在、上記8大学 1で15プログラムが提供されていて、プログラム修了後に所 定の手続きを行うと一般財団法人地域公共人材開発機 構より資格が発行される。プログラム内容は実施大学により 異なるが、学部や全学で展開する5つ以上の基本科目に、

学部では「アクティブ・ラーニング」(能動的学習)を、修士では

「キャップストーン・プログラム」(政策提言学習)を加えて構 成される。いずれも学生はチーム単位で地域課題の解決に

学進学を考える生徒にとって、高校時代は、大学 入学までに身につけておくべき一般的な教養と、入 学後の伸びしろを作る時期だと思いますが、勉強では、ま ず本質的な理解が最も大切だと私は考えています。私の 専門は分子生物学で、主な研究対象は生き物のように振 る舞う非生命体のウイルスですが、この分野で言えば、ウ イルスと生命体との違いを理解するということです。これは 生命とは何なのかという未だに全人類にとっての謎、生物 学の基本中の基本を考えることから始まるのです。

 生命の定義、生命であるための条件とは何か。著名な 理論物理学者(エルヴィーン・ルードルフ・ヨーゼフ・アレ クサンダー・)シュレーディンガー(Erwin Rudolf Josef Alexander Schrödinger)によれば、それは、①外の世 界とは仕切られていて、エントロピーの法則によって拡散し ないこと。②自らエネルギー源を取り入れ活動できること。

③自己複製できること。④進化する、DNAレベルでいえ ば変異すること、内容を少し換え環境に適応した個体を 作ること、の4つだとされます。

 この話を初めて聞いた人もいるかもしれませんが、実は この4つは、まとめて書かれてはいないものの、どの高校 の教科書にも必ず載っています。

 みなさんには、受験のために覚えなければならないこと がたくさんあると思いますが、この例のように教科書をしっ かり読むことが、本質の理解につながることは少なくありま せん。それだけではなく、このことは難関大学の入試攻略 の近道なのかもしれないのです。ちなみにウイルスは、殻 を持ち、自己複製し進化もしますが、自分でエネルギーを 取り込めないため生命ではありません。

 もう一点は、本質の理解とは一見矛盾するようですが、

意味のないような繰り返しや丸暗記もないがしろにすべき ではないということです。私の高校時代の国語の先生は、

古文の時間に古語辞典などあらためて買う必要はないと 言われるような変わった方でした。たとえ1000年前のも のでも、日本語に変わりはないのだから、同じ文章を100 回も声に出して読めば必ずわかるようになるはずだと。確 かに10回ぐらいでは文章の区切りさえわかりませんでした が、それを重ねていくうちに不思議と意味も解ってくる。漢 文も同様で、最後は意味がわかるようになるだけでなく、

本文をみな暗記してしまうようになる。一見、意味のなさそ うな丸暗記が、今では基礎教養として活きていると実感し ています。

 英語に関しては少し違っていて、象形文字が主体の日 本語に慣れた私たちにとっては、表音文字による言語の 読解や文法理解にはそれなりの訓練が必要です。もちろ ん聞いたり話したりする力を高めるための音読も大事で す。その際、材料としては中学時代の教科書など、やさし い内容のものがいいかもしれません。私の留学時代の経 験ですが、聞く力、話す力が身についてくると、目立って書 く力もついてくるものです。

高校生へのメッセージ

推薦入試でTOEIC、

TOEFLなどのスコアが一定以上の者について、

総合評価に反映させる仕組みを考えており、平成

31年度入試(平成

実施)では一般入試でも活 30年度

用したいと考えています。一般入試では、まず

学群、学類単位の入試から《大括り入試》

に変更します。具体的にはこれから詰めますが、

括り方としては「文系、理系、総合系」というわ

かりやすいものから、

後を考えた「基礎、応用、 20

社会実装」というようなものまで考えられます。文

系、理系を問わずに括ったかつての《ナンバー学群》

の考え方に近いもので

 国際バカロレア資格(DP)を取得した者を対象と して、主体的に学ぶための知識や思考力、明確な 目標を持って学ぶ意欲、また、語学力を含めたコミュ ニケーション能力などを重視して選抜する入試。

筑波大学では、IBによる入学者選抜を日本に普 及、定着させるべく、以下の3つを計画している。

①世界的には増えているIBの高校を日本で増や すために、総合学科高校だった附属坂戸高校にIB

(日本版DP)コースを設置する。

②日本版DPを200校に増やすといった政府の施 策を支えるために、再来年を目標に教育研究科に IBの先生になるための学位プログラムを作る。

③地域貢献として、大学が立地する筑波研究学 園都市に多く居住する外国人研究者の子弟の教 育のために、つくば市内の私立校(茗渓学園)がIB コースを作るのに協力する。

コラム2

 現状、推薦入学者は全体の25%。他にIB特別 入試、帰国生徒特別入試などがあり、一般入試の 入学定員は約70%。推薦入学者を50%にするとこ れを25%減らせ、残りは45%となり、面接対象者も 現状の半分以下になる。

コラム3

す。もちろん他にもいろ

んなアイデアが出ていますが、いずれも、入学直後か

ら一つの専門分野に絞り込むのではなく、学群では人

文科学も自然科学もできるだけ幅広く学んでもら

おうという考え方が背景にあります。

この他、スーパーグローバルハイスクール(以下

SGH)生を対象とした、SGH指定校入試など、

新たな形態にもチャレンジしていく予定です。すでに

本学には、国立大学には珍しく

13種類もの入試形

態があり、一般入試の定員も約

70%ですから、現在

検討が進められている新入試制度の下での一般入試

における面接の実施などへ の対応も、それほど困難で

はないと考えています

ラム3】

 

19 、シ、国 れた学三学 など の基第二 、第)。 3使用さ

少子化や職業構造の変

化を考えると、グローバル化や入試改革以上に、その

間に狭まれた大学教育そのものの改革が急がれま

す。実は本学のすべての改革論議はここから逆算し

たものといっても過言では ありません。中でもいちばん時間を

かけて検討を重ねたのが教養教育改革です。もち

ろん従来のようなものではなく、学群から大学院を

通じて、年次に合わせて求められる教養教育、あるい

は学群を超えた教養教育についてのもので、最近で

はこうした《教養》を総合知とも呼んでいます。

入学直後の学生と高学年の学生とでは必要な教

養は明らかに違います。後者には、卒業研究に必

要な研究倫理に関するものや、社会へ出る前に学ん

でおくべきものが当てはまるでしょう。修士課程に

進んでベンチャーを立ち上げようという学生にはそ

のための法律を学んでもらう。博士課程に進んで、

例えばレアメタルについて研究するなら、その確保を

巡って国家間で軋轢が生じることも知っておいてほ

しいのです。ここからどのような学

生が求められているかも逆算できます。大学である

以上、専門教育が重要ですから、学生は総合知と 専門力を双つながら身に付ける必要があります。

そのためには、高校時代に入試に備えて狭い範囲の

勉強しかしないのでは心許ない。大学側も高校との

接続を深めることで、幅広い学びを促し、またそれを 評価するような入試に変えていく必要もあるでしょ

う。グローバル社会への対応では、学生、教職員がグ

ローバルマインドを持ち、グローバルモビリティーを

上げる必要があります。研 究と専門教育を海外の大

学とともに行おうという構想は、そのための有力な方

法です。これにより、これまでにないほど多種多様な

授業が受けられる教育環境が実現されるはずです。ま

ずはそれを活かし、グロー バルな視点から物事を分析

する能力を身につけ、自らの意志で積極的に異文化と

触れあう体験を重ねることで、世界のどこへ行っても

活躍できる人になってほしいと思います。

あたる。

※1 成美大学経営情報学部では現在、プログラム運用に向けて試行中

京都文教大学でとれる

「地域マネージャー養成プログラム」

「文化コーディネーター養成プログラム」

「グローカル人材プログラム」

将来的には、高校生対象のプログラムも  長年、地域連携活動に積極的な大学として注目され、文 部科学省「地(知)の拠点整備事業」(大学COC事業)で も京都府内私立大学で唯一採択された京都文教大学。

同大学の初級地域公共政策士プログラムは「地域マネー ジャー養成」「文化コーディネーター養成」「グローカル人材」

の3種類で、公共政策系の学部・学科を持つ参加大学の 中ではユニークな内容になっている。例えば、文化人類学の フィールドワーク、統計データや行政文書の読解・解析、現 場でのヒアリング調査等を通して地域がかかえる課題を発見 し、課題に対する解決策を考えるという学習を行う。

 同大学で地域、行政、企業、NPO団体との窓口を担う フィールドリサーチオフィスの押領司さん、矢島さんは次のよう に語る。「地域公共政策士の発想は、過疎が進み若者が流 出する京都府北部の地域課題を大学の知で解決しようとい うところから生まれています。“大学の街”である京都でも、市 内を除くと北部、南部ともに18歳から人口は流出していて、

大学卒業後は京都市内ですら若者の人口流出が目立ち、

京都全体の地域課題になっています。そうした中で、オール

京都で生まれてきたのが地域公共政策士やGPM(グロー カル・プロジェクト・マネジャー)※2 といった地域資格です。地 域をよくする方法の一つとして“人材育成”がありますが、地 域公共政策士は、行政や企業、NPO団体等、さまざまな人 や団体と協力して地域おこしができる人を育てようという取り 組みなのです。京都で学んで京都を元気にしてくれる人はも ちろん、地元に帰って地元を元気にしたいという思いを持っ た人にもぜひ挑戦してほしい」。

 また「現在、地域公共政策士のプログラムは、大学(学部)

と大学院で展開されていますが、将来的には、高校生向け のプログラムも必要になるかもしれません。そうなれば地域公 共政策士のすそ野も広がり、地域を支える人材の層もより厚 くなるでしょう」と今後の期待も寄せた。

※2 京都産業大学(代表校)、龍谷大学、京都府立大学、佛教大学、

京都文教大学の5大学と産官が連携して開発した地域資格。産官学で 開設したNPO法人グローカル人材開発センターが認定する。

シリーズ 大学が地域の核になる—京都文教大学の挑戦

(3)

大学ジャーナル 3 3 vol.115

2015年(平成27年)7月10日

P r o f i l e

1947年静岡県生まれ。東京工業大学および 同大学院理工学研究科修士課程(経営工 学)修了。1973年日本開発銀行(現日本政 策投資銀行)入行。同行調査部、設備投資研 究所、地方支店等で主に地域開発業務に従 事。同行在籍中、国際開発センター、日本経 済研究所、米国ブルッキングス研究所などに 派遣出向。1997年に同行を退職し法政大 学教授就任。1999年人間環境学部創設 に伴い同学部教授、今日に至る。主な著作に

『水都ブリストル:輝き続けるイギリス栄光の港 町』(法政大学出版局)、『フィールドから考える 地域環境』(部分執筆、ミネルヴァ書房)、『地 球環境対策』(同、有斐閣)などがある。浜松 北高等学校出身。

す。例えば、沙棘の成分を活

かす化粧品や薬の開発、製品

のデザインやパッケージ、販

売ルート開発など、結局は現

地での緑化促進と関係する

わけです。

このようなことは広く環

境問題や環境ビジネスにつ

いて考える際にもそのまま

当てはまります。大事なの

は、俯瞰的な視野を持ち、

トータルな視点からアプ

ローチするということです。

この総合的な見方は、学問

で言えば、学際性ということ

になります。個々の学問分野

の専門性はもちろん大事で

すが、例えば砂漠緑化とい

うような一つの目的のため

に、様々な専門分野をつなぐ

コーディネート役も重要な

のです。全体を理解しなが

ら、個々の専門にも関心を

持っていくという方法論で

す。それにより、いわゆる蛸

壺型の学問に陥ることを免

れるわけです。このような学

びができることが《目的学

部》としての本学部の強みで

あり、全体を俯瞰し、個々の

要素を組み立て、問題に対処

していくという構想力や構

築力が、本学部での専門性と

言ってもいいでしょう。

全体観を持つということ

は、いろいろな場面で必要に

なります。例えば、社会へ出

て仕事に就けば、好きなこと

だけをして通すことはなか

なかできず、場合によって は、狭い範囲の内容に黙々と

汗を流さなければならない

こともあるでしょう。しかし

常に全体を俯瞰することが

できれば、その狭い範囲の仕

事の位置づけや意義を理解

し、部分であっても全体の向

上のために工夫し積極的に

対応していくことができる

ような姿勢になるのではな

いでしょうか。

原点は人間、 総合的な環境教育  

フィールドスタディで、現

地の人たちと顔の見える関

係を築くということは、例え

ば、相手を抽象的な中国人と

して認識するのではなく、一

人ひとり名前と顔を持った

Aさん、Bさんとして人間的

に認識できるようになると

いうことです。

私は日頃、グローバルな活

動の成否は、まず相手のこと

を理解し、その上で、共感を

得られる人をどれだけ作る

ことができるかにかかって

いると考えていますが、この

ような具体的な経験はその

ための第一歩としてとても

重要です。

また、とりわけ環境を考え

る場合、人間そのものを知る

ということが大事です。この

点、本学部には、哲学や倫理

学から美術、歴史、人類学な どまで、人間理解や人間を取

り巻く世界を認識するのに

欠かせない人文科学系の学

問が多数揃っています。理系

分野からのアプローチも大

事ですが、それだけですとど

うしても、人間社会を対象と

した場合、問題の全体像を見

失う恐れがあります。また、

経済や経営の視点も大事で

すが、その分野に限ったアプ

ローチでは、真の共感が得ら

れないこともあるでしょう。

環境問題に典型的なグ

ローバルな問題は、いうま

でもなくローカルな問題の

掛算的な集合であり、一方、

ローカルな問題は、その中に

グローバルな問題を内含し

ている等、つまり深く両者は

関係しています。また、グ

ローバルやローカルといっ

た問題は、空間概念だけでは

なく、時間概念でも同じよう

なことがいえると考えます。

現在の環境は、将来世代のた

めのものであり、同時に過去

の先達から引き継いだもの

でもあるからです。悠久な時

間と広大な空間との、「今・

ここ」という交点にいること

を認識すること、つまり、時

間と空間に渡るグローバル

とローカルを意識し、未来や

世界を切り開いていくこと

を考えるのが、私たち人間環

境学部だと思っています。 砂漠化問題を実感するため

です。また、砂漠化防止プロ

ジェクトの多面性を理解す

るためでもあります。例え

ば、フィールドスタディで

は、ある特殊な緑化植物に着

目したりしています。私自

身、

20年来係わっているもの

でもありますが、砂漠地帯に

自生する沙 棘と呼ばれるグ

ミ科の潅木果樹の栽培です。

この植物は、果実はジュース

やジャム、種や果皮は薬品原

料、葉は飲料原料として使わ

れる有価植物です。根は土壌

流出防止になり、根瘤には肥

料を作る空中窒素固定のバ

クテリアを持っているとい

う特徴もあります。

砂漠緑化のためには、成長

の早いポプラを植えるのが

これまでよく行われてきま

したが、必ずしも万能ではあ 村生活環境などを現地で身

をもって体験し考えるのが、

このプログラムの目的です。

大学に入学するまである程

度一定のレールの上を走っ

てきた多くの学生にとって

は、短い時間とはいえ環境の

激変と異文化と出会いは、学

部教育の目的でもある俯瞰

的な視野の獲得と、自立への

きっかけとなります。また、

現地の人たちとの交流を通

じて顔の見える関係を築く

ことも、将来の大きな財産に

なります。国内外でのフィー

ルドスタディは、1年生に

とっては講義科目をはじめ、

学問することへの動機付け

や適確なコース選択につ

ながりますし、2年生以上に

は研究会(ゼミナール)に向

けての意欲を高めます。

学部ではこの他、学生の

視野の拡大や学問への動機

付けなどをはかるものとし

て、学外のさまざまな現場

フィールドから多くの講師

を招いて行う「人間環境セミ

ナー」を行っています。 コーいてコー

俯瞰的な視野を 持って考えよう    

中国フィールドスタディ

の対象地の一つに黄土高原

を選んでいるのは、日本では

経験できない地球規模での りません。例えば、夏季には、

葉からの水分蒸発すなわち

土中水分の減少を防ぐため

に、枝打ちをしなければなり

ません。このような作業を担

うのは現地農民で、その負担

が大きい一方、木材等からの

経済的恩恵はさほど大きく

ありません。その点、例えば

沙棘のような植物は、砂漠緑

化自体が、農民の経済収入に

つながります。

つまり、緑化といっても、

それを担う人たちに何らか

の経済性がなければ長続き

しない可能性があります。沙

棘の場合、環境、経済、健康

といった各側面のメリット

がある故に、緑化の継続する

可能性があるわけです。緑化

を、このようなトータルな構

造で考えると、日本にいても

砂漠緑化への参加ができま

法政大学人間環境学部 人間環境学科 教授

石神 隆

先生

グローバル社会で 共感を得るために

「持続可能な地球社会の構築」への貢献をミッションの一つ に掲げる法政大学。1999年に開設された人間環境学部は、

日本初の文系主体の環境関連学部。環境問題を本質的にと らえるため、あえて冠した《人間》は、グローバル社会の進展 に伴い、より大きな意味を持つようになってきたと考えられ ます。 「“環境”について考えることは、グローバルに考えるこ と、グローバルについて考えることは“環境”について考え ること」と話される石神隆先生に、中国内蒙古自治区の黄土 高原での海外フィールドスタディなど、学部教育の特徴やグ ローバル社会で求められる力などについてお聞きしました。

に今年は、 創刊 5年 集。 が、 20周年にちなんだアンケートから、

たくさんの大学の取組等をご紹介します。

学部教育の要、

『フィールドスタディ』

早朝に羽田を経つと、北京

から内蒙古自治区の都市包

頭(パオトウ)を経由しても、

深夜には黄土高原にあるク

ブチ(庫布其)砂漠に到着し

ます。いきなり、冷暖房どこ

ろか、満足な水道やトイレも

ない砂漠のただ中へ放り出

された学生は、その環境変化

にしばし言葉を失います。

「黄土高原の砂漠化防止

と、歴史都市の文化、都市環

境を学ぶ」このプログラム

は、2004年から続く人間

環境学部の海外フィールド

スタディ授業の一つで、これ

まで延べ200人以上の学

生が参加しています。近年の

行程は、8月末から9月にか

けての

10日間。参加人数は

20

名前後で、クブチ砂漠で砂漠

化緑化プロジェクト基地な

どを視察する他、歴史都市西

安の見学、協定校となった西

安外国語大学との交流など

も組み込まれています。1年

から4年までを対象とした

2単位の選択必修の授業で、

現地フィールドスタディの

ほか、6月から出発までの間

には数回に亘る事前学習、帰

国後は、リポート作成と発表

などの事後学習を行います。

地球環境問題のショー

ルームともいわれる中国黄

河流域黄土高原の砂漠化、水

資源問題、人口食糧問題、農

進路

ヒント

(4)

●司会・解説

日中韓の トリリンガルになる

庵逧先生(以下、先生):

本学のプログラムの特徴の一つは、日中韓のトリ

リンガルになれることです。外国語の習得に関心

の高い中国、韓国と異なり、日本の場合、英語以

外の外国語は大学で初めて学ぶことがほとんどな

ので、2

国語の習得は大きな課題とならざるを

えません。2ヶ国語同時学習が大きな負担になる

のではないかと最初は心配しましたが、国籍の異

なる学生同士が予想以上に支えあい頑張ってくれ

たことが成功の要因でした。最終的に、参加学生

全員が

自由にコミュニケーショ 3ヶ国語を使って

ンできるまでに成長しています。

  実際に参加されたみなさんは、2ヶ国語を習得

するためにどのような工夫をしてきたのでしょう

か。

吉積:私は器用な方では

ないので、中国へ行って中国語を覚えると、それ

まで覚えた朝鮮語を忘れてしまうといったように、

倍苦労しました。そこで 2ヶ国語の両立には人一

まず、中国学期(中国の大学で学ぶ期間をこう呼

ぶ。同様に日本学期、韓国学期などと呼ぶ)には

中国語を聞くことと話すことに集中し、読むもの :私は日本語学科だか

ら、日本語の授業を中心に、その間に朝鮮語の授

業も受けていました。

:韓国学期ではやはり

専門科目の授業を最優先にしたけれど、日本語と

中国語の授業もちゃんと受けていました。

先生:両大学とも外国語教育が充実しているから、

レベルの高い外国語の授業があって、それもプラ

スで受けていたのですね。

ア・ プログラムの常設化 へ向けて   

先生:本学のプログラムは、文学部が中心になっ

て運営しています。他国の文化を知るには、やは

りその国の言葉でそこに住む人たちとコミュニ

ケーションをはかるということが本学の人文学の

考え方で、本プログラムの特徴でもあります。一

方で、文学部では人文学の専門教育も重視してい

て、4回生で必ず全員が卒業論文を書かないとい

けません。卒業論文の準備のために1回生から小

集団授業を段階的に受け、3回生からはゼミも始ま

ります。移動キャンパスに参加すると、ゼミには

ど、専門性を学ぶのに多 10週しか参加できないな

少なりとも支障をきたす部分がありました。

  それらの改善もふまえ

日・中・韓 をキャンパスに グローバル人材を育成する

グローバル人材育成を目指し、2011年度から始まった国家 事業である『大学の世界展開力強化事業

※1

』。初年度にタイプ A(キャンパス・アジア中核拠点形成支援)の『日中韓のトラ イアングル交流事業(キャンパスアジア)』に採択された10 のパイロットプログラムの中で、唯一、学部生を対象に日中韓 3 ヶ国を移動しながら学ぶ取り組みをしているのが立命館大 学の「東アジア次世代人文学リーダー養成のための、日中韓 共同運営トライアングルキャンパス」。中国広州の広東外語外 貿大学と韓国の東西大学校と連携し、各大学から10名ずつ選 抜された学生が、母国語以外の2言語およびその文化・歴史、

社会について学び、相互理解を深めるとともに、日中韓のそ れぞれについて客観的な視点を養う。2、3年次の2年間に3 キャンパスを2度ずつ回って学ぶ「移動キャンパス」をはじめ

としたユニークな取組が、 《語学、専門知識、コミュニケーショ ン能力の3つの能力をバランスよく修得するプログラム》と 学外からも高く評価される中、 立命館大学文学部では、昨年 度に採択されたSGUの具体化第一弾として、2016年度から パイロット期間に続ける形で新たな展開を始める。

「キャンパスアジア」のこれまでの成果と今後の展開につい て、プログラムの立ち上げから関わってこられた文学部の庵 逧由香教授に解説していただくとともに、日中韓3名のプロ グラム参加学生に実体験を語ってもらった。

※1 大学の世界展開力強化事業は、国際的に活躍できるグローバル人材の育成と大学教育のグ ローバル展開力の強化を目指し、高等教育の質の保証を図りながら、日本人学生の海外留学と外国 人学生の戦略的受入を行うアジア・米国・欧州等の大学との国際教育連携の取組を支援することを 目的として、文部科学省において平成23年度から開始された事業。

  立命館大学キ

グラ れまでと れから

いているそれぞれの国の

学期と少しずつずれてしまいます。そのため、日

本なら

15週分の授業を

10

回で、中国は

18週分を

10

回でこなすなど、専用のカリキュラムが必要でし

た。その結果、

ログラム生はほとんど一 30人のプ

緒に行動しなければならないという物理的制約条

件ができてしまい、プログラム生以外の学生と交

流する機会が少なく、交換留学のように自分の好

きな授業を受講できないなど授業選択の自由度が

低いという問題がありました。

  そこで来年度からは、半年は韓国、半年は中国

というように、通常の学期に合わせて年2ヶ国を

回る形にしました。こうすることで現地の他の授

業も受けられ、現地のさまざまな学生とも学び合

えるようになります。またプログラムに所属して

いない学生もこのプログラムの一部の授業を受け

られるようになるなど、より多くの学生にこのプ

ログラムのメリットが広がります。日本人学生の

場合2年間は海外へ出たままになるので、学期の

ずれる約

して、専門に関する短期 1ヶ月間は帰国

集中講義などを受けられるように計画しています。

2回目の移動までに違う国を経験することで、異

なった視点や考え方を 持って、しかも計画的に

臨むことができるというメリットもあります。

  また今は、卒業証書はそれぞれの大学で発行し、

3大学共同のプログラム修了証がもらえるだけで

すが、将来的には、3大学のジョイントディグ

リー(複数大学が連携で学位記を授与)の実現も

目指しています。そうなればおそらく日本初とな

るでしょう。

プログラムの 経験から学んだこと

先生:日中韓の仲間と共

に生活し学んだことで、お互いの国やそれぞれの

国民に対しての認識の変化がありましたか。

吉積:テレビの報道などから中国や中国人には、

正直、あまりいい印象を持っていませんでしたが、

実際、中国へ行き、大学生が早朝から語学の本を

音読して勉強している様子を見て、日本人より勤

勉だと驚きました。韓国では、韓流ドラマなどか

ら抱いていたイメージと違い、厳しい競争社会の

中でみんな追われながらも一生懸命生活をしてい

るのを見て、日本よりも忙しい国民だと認識を新

たにしました。

:私は日本人に対して、

何事につけても曖昧な態度しか示さないというイ

メージを持っていました を朝鮮語にするなどの工

夫をしました。

先生:中国、韓国のお二

人は。

:私も片方を勉強して

いるとやはりもう片方の言語を忘れてしまいます。

:私にとっては、どちらの言語も、漢字の修得

がたいへんでした。

先生:そうですね、同じ

漢字圏でも、韓国は一番漢字を使っていないです

ね。

:そもそも日本と中国

では漢字自体も異なります。

:中国人の私としては、日本語も朝鮮語も文法や

語感が中国語と全く違うことに戸惑いました。日

韓は似ていて、お互いに上達も早く、時々、うら

やましかったです(笑)。

先生:みなさんは留学中

に特別な訓練などはしたのですか?

:ルームメイトが日本人と中国人だったから、

特別なことはなく日々の生活の中での会話が訓練

でした。

先生:日本では一軒家を

2棟、シェアハウスとし

て借り上げ、

に暮らしていました。ルー 30人が一緒

ムメイトもできる限り

3ヶ国別になるようにす

るなど、日常生活で

国語が使えるような環境 3

整備に努めました。

:みな

3ヶ国語は話せ

るが、どこに行っても、できるだけ日本人とは日

立命館大学 文学部

東洋研究学域 教授

あんざこ

逧 由

ゆ か

先生

て、来年度の常設化へ向

けては、入試から中身まで新しい試みを取り入れ

ています。

  まず、2016年度入

試から中国語、朝鮮語いずれかを学んでいる高校

生を対象にしたプログラム連動型のAO入試、「国

際方式(中国語・朝鮮語/キャンパスアジア)」を

始めます。中国語、朝鮮語のどちらかについて、

検定試験で一定以上の級を持っていることや、ス

ピーチコンテストでの本選出場経験などの語学運

用能力の基準が出願資格となります。目安となる

級は、高校生が1、2年頑張れば取得できるもの

に設定しています。現在、日本国内の中国語や朝鮮

語を学べる高校は数百を超えていると聞きますし、

この入試を活用して入学してくれる学生には大変

期待をしています。興味のある高校生には積極的

に受けてほしいですね。

  プログラム全体で言え

ば、各国とも定員を

へと倍増します。4年後 20

には3ヶ国で計240名が学ぶことになり、一段

とスケールも大きくなります。これに伴い移動キャ

ンパスを中心にプログラム内容についても改善を

図っていく予定です。

  パイロットプログラム

では、

1年を3期に分け 10週ずつ滞在することと

したため、2学期制をし 本語で、韓国人とは朝鮮

語で話すように心がけました。

先生:どれくらいまで上達しましたか?

吉積:初修状態から、移動キャンパスの1年目は日常

会話ができるところまで、2年目には討論し、専門の

授業が受けられるようにもなりました。またそれぞれ

の国を

2周するから、

目より 1

2年目の方が理解の 範囲が広がってくるのが嬉

しかったです。それもこのプログラムの魅力的なとこ

ろだと思います。また、寮生活の賜物か、現地の人に

良い印象を与える言葉など、資格試験には出なくて

も咄嗟のコミュニケーションに役立つような言葉も覚

えられました。時にはあえて

3ヶ国語を混ぜて話した

りもしていました。

先生:《キャンパスアジア

語》ですね。

:食事についてのもの

が多かったですね。たとえば主語を日本語、動詞

を韓国語にして、「から揚げモッツア(食べる)」と

か。

吉積:そこに中国語の「一

起(いーち)」(一緒)などを加える。

  この仲間にしか通じないですね(笑)。

先生:自国での学期で気をつけたことは。

吉積:私の場合は、卒業に必要な専門科目の授業

を受けなければならないから、日本では日本語中

心の勉強になります。だから、シェアハウスでは、

中国、韓国の仲間と積極的に会話するように心が

けていました。また、あえて外国語でメモを取る

などの工夫もしていました。それだけでも語彙が

少し増えたんですよ。

先生:プログラム専用の

外国語の授業もありますが、中国、韓国の場合は

どうでしたか?

進路 ヒント

参照

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