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留学生の日本語能力向上のための 効果的な教育実践法の研究(その8)

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Academic year: 2021

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小嶋 栄子・冨場 康・陳 健

留学生の日本語能力向上のための 効果的な教育実践法の研究(その8)

~日本語表現実践諸活動を通じて~

Effective Teaching Practice for Improving International Students' Japanese. (No.8)

要旨

 本研究は、留学生の日本語能力をより効果的に高めるために、日本語を使いこなすことを目的と した行事を通じて、そのモチベーションを高める方法を探ることを目的とした。年間を通じての教 育実践と活動なので、研究の具体的なスケジュールは年間行事計画に沿っており、その実践の中か ら随時問題点を探っていった。

キーワード

留学生  日本語能力  モチベーション  授業外活動

実績報告

 われわれ日本語教育研究班は、留学生の日本語能力を効率よく向上させるためのカリキュラム改 訂を 16・17 年度に行い、18 年度からそのカリキュラムを土台とした教育実践の研究に取りかかって いる。そして現在は、日本語能力の異なる個々の留学生に対しては、よりきめの細かいレベル別の 授業が適しているという知見から、三段階の能力別クラスを編成しその実践を進めている。また一 昨年度からは、授業以外の活動(スピーチコンテスト、買い物実習など)によって日本語能力向上 のモチベーションをあげる方法の研究にも着手し始め、昨年度は、これまでの研究の一つの区切り として、日本語関連科目を担当してきた非常勤講師の先生方に質的調査としてのインタビューを行 い、過去6年間の本研究の成果を振り返り、これまでのカリキュラムの改善点及び能力別クラス編 成の今後のあり方の方向性を探った。それによれば、3クラス編成の授業は概ねうまく機能してき たが、それでもまだ能力差のある学生への対応(特に下位の学生の能力引き上げと上位の学生の満 足度の引き上げ)には、大きな問題が残っていることが指摘された。

 そこで今年度は、昨年度行った日本語を使いこなすことを目的とした行事(買い物実習・大学訪 問などの課外活動、日本語スピーチコンテストなど)の範囲をさらに広げ、HTB 寮でのお楽しみ会 やスポーツ小会、学内の異文化交流パーティー・学園祭・茶道大会へのより積極的な参加の機会を 増やし、それに向けての準備も含めて、授業外活動による留学生の日本語能力向上のモチベーショ ンを高める方法を探ってみた。

さまざまな行事の中で、留学生たちが日本語能力の向上そのものに関して最も力を入れたのはス

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長崎短期大学研究紀要 第 25 号

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ピーチコンテストの原稿書きである。「日本事情」「日本文化論」などの授業を通じて、自国と日本 の事情や文化との違いに気づかせ、そこから自分の意見を組み立てていくという方法を取っている のだが、その内容にはわれわれが見落としているさまざまな日本事情・文化の長所や短所が表れて いて興味深い。この原稿の内容に関しては、別の機会に発表したいと考えている。

 異文化交流パーティーや学園祭では、自国の歌とダンスや日本とは違うお茶の入れ方などを披露 したが、それらすべてを通じて言えることは、「彼らのコミュニケーション能力は日本人学生と比較 して非常に高い」ということである。日本語能力の不足を身振り手振りを交えて補い、さらに相手 をいかに楽しませ、もてなすかということを常に考えている態度がみられた、たとえば、自国の簡 単な言葉を教えるというテーマにおいても、相手が高校生であっても学長のようにふだん接しない ような人物であっても決して手を抜くことはなく、一生懸命にそのミッションを果たそうとしたの である。

 以上のようなことから、留学生の日本語能力を伸ばすために実践されたさまざまな活動は、その モチベーションを高めるために機能したと考えることができ、来年度以降。さらにこの方法を改善・

発展させていく重要性を感じた。

 付記)本報告の内容は、平成 24 年度傾斜配分研究費の助成を受けて行われたものである。

【5月のパールシー研修で】

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