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賦活処理した木材炭素化物の電気二重層キャパシター電極特性

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Academic year: 2021

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賦活処理した木材炭素化物の電気二重層キャパシター電極特性 

朝倉良平*1  近藤哲男*2  森田光博*2  羽鳥浩章*3  山田能生*4  

Electric Double-Layer Capacitor Characteristics of Activated Wood Charcoals

Ryohei Asakura, Tetsuo Kondo, Mitsuhiro Morita, Hiroaki Hatori, Yoshio Yamada

 

5種類の木材を炭素化,賦活処理して得られた多孔質炭素から電極を作製して,それらの電気二重層キャパシター (EDLC)電極特性を2種類の繊維状活性炭(ACF)のそれと比較した。木材炭素化物の比表面積はACFより小さいにも関わ らず,電気二重層容量は匹敵する数値を示した。EDLC電極特性と密接に関係している炭素化物の細孔構造は,木材 炭素化物がミクロ孔,メソ孔にかけて幅広く細孔を有するのに対し,ACFはほぼミクロ孔のみであった。両者の細孔 構造の違いが,EDLC電極特性に影響を及ぼしていると考えられる。 

 

1  はじめに 

電気二重層キャパシター(EDLC)は,電極表面と電解 質の間に形成される電気二重層に基づくエネルギー貯 蔵デバイスである。EDLCは一対の多孔質炭素電極と電 解液から構成されており,電気自動車の加速用補助電 源など期待されている。EDLCの電極に多孔質炭素が用 いられる理由は,電解質を吸脱着するための電極の表 面積が大きいからである。 

一方,木材を炭素化物に変換することは,有効な利 用法の一つである。木材炭素化物は燃料,吸着材等に 利用されているが,EDLC電極は高機能用途の一つと考 えられる。 

本研究では,5種類の木材を炭素化,賦活処理して得 られた多孔質炭素から電極を作製して,EDLC電極特性 を2種類の繊維状活性炭(ACF)のそれと比較した。 

 

2  研究内容 

  試料には,針葉樹(アカマツ材,カラマツ材),広葉 樹(ラワン材,アカガシ材,マングローブ材)の5種類を 用いた。これらを,窒素雰囲気下,900°C,1時間炭素 化した後,二酸化炭素雰囲気下,880°C,15分間賦活 処理した。比較試料には,2種類の比表面積の異なる繊 維状活性炭(ACF)を用いた。 

  EDLC電極特性の評価は,自作の三極式測定セルを作 製し,電解液には1M硫酸,走査電位幅を0.9Vとし ,一 定電流下における繰り返し充放電により行った。 

EDLC電極特性と関係する細孔構造の評価は,窒素吸

着等温線から比表面積値,細孔容積などを求めた。 

EDLC電極特性評価の結果,ラワン材,アカガシ材炭 素化物の電気二重層容量184, 159F/gとなり,ACFの153,  178F/gに匹敵する数値を示した。また,ラワン材,ア カガシ材の比表面積は841, 721m2/gとなり,ACFは1123,  1744 m2/gであった。また,細孔構造は,木材炭素化物 がミクロ孔(細孔径2nm以下),メソ孔(2〜50nm)にかけ て広い細孔分布を有するのに対し,ACFはほぼミクロ孔 のみであった。 

木材炭素化物の比表面積は,ACFのそれよりも小さい にも関わらず,電気二重層容量は匹敵する数値を示し た。この要因としては,両者の細孔構造の違いによる と考えられる。 

  3  まとめ 

5種類の木材炭素化物から電極を作製し,EDLC電極特 性をACFのそれと比較した。ラワン材,アカガシ材から 作製した電極は,ACFに比べ比表面積が小さいにも関わ らず電気二重層容量は匹敵する数値を示した。両者の 細孔構造は大きく異なっており,そのことが影響して いると考えられる。 

  4  謝辞 

この研究の一部は,福岡県産業科学・技術振興財団  RSP事業の支援を頂きました。 

 

5  掲載論文 

  炭素(TANSO),NO.215(2004),p.231-235 

*1  インテリア研究所 

*2  九州大学大学院農学研究院 

*3  (独)産業技術総合研究所 

*4  福井大学工学部 

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