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学生と図書館●
案内絵ハガキから見た貴重書展示会のイメージ( 16 )
「知られざる世界への挑戦―
航海、探検、漂流を記した書物百選」
池井 みらい
新入生の皆さん、御入学おめでとうございま す。京都外国語大学の図書館では毎年、外大ら しいユニークな展示会が開かれています。普 段は図書館の奥で静かに眠っている珍しい書物 が、この時一挙公開されるのです。今回は昨年 の夏に行われた展示会、「知られざる世界への 挑戦―航海、探検、漂流を記した書物百選」に ついてご紹介します。
展示は「航海・探検・漂流」の三部構成になっ ており、会場は2フロアにわたって総計百点、
16世紀以降に作成された古地図や天球儀、地球 儀も特別公開されました。全ての解説を見なが ら回ると一時間強は要する展示内容でしたが、
多くの来場者がひとつひとつに足を止め、興味 深そうに鑑賞されていた姿が印象的でした。私 がこの展示会の中でも特に好きだったのが「探 検の部」で、極東を見たマルコ・ポーロの『東 方見聞録』、教科書の挿絵でも知られるシーボ ルトの『日本』から、南極点を目指したアムン ゼンとスコット、古代アレクサンドロス大王の 壮大な遠征に倣ったナポレオンの『エジプト 誌』、シベリア紀行にアンデス登攀、大河の調 査から砂漠地の謎まで、全42点の書物が語りか ける驚くべき冒険の数々を目にしました。
ところで、展示会を楽しむコツのひとつとし て、本についてちょっと知ってみるということ があります。ことさら制作に手間がかけられた 初版本の数々は美しいものですし、偉大な探検
家の冒険記はその頁を眺めているだけでもわく わくします。それに加え、本の背景、たとえば、
読み手に同じ道を歩かせない工夫、写真を滅多 に載せない考古学者の肖像写真付本、60通近い 旅先からの手紙で構成された本、アフリカで劇 的な会見を遂げた宣教師と記者、宝石商が旅行 先から持ち帰った宝石の行く末……
過去の探検家たちが少しずつ広げていった
「世界地図」は、現代の私たちへ書物を通し、
その飽くなき探求心を伝えています。大陸発見 は難しくても、身近な事から視野を広げて私た ちも自分の世界を開いていきたいですね。
いけい みらい(2012年度英米語学科卒業生)
『知られざる世界への挑戦−航海、探検、漂流を記した書物百選』は、私立大学図書館協会の協会賞
(2012年度)受賞が決定しました。