ハロー・キティ事件

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後で,EU 議会と評議会における知的財産権侵害に対する履行確保のための具体的 な対応の例を紹介する。 [ ]は,紹介者の追加的説明である。また,【 】の前の番号は,訳者が便宜 的に附したものである。

事案の概要

パリ大審裁判所第3部第3係(2002年3月5日判決) R. G.:00/15866,正本番号:3 当事者 原 告 サンリオ株式会社(以下,「SANRIO」という) 〒141―8603 日本国東京都品川区大崎1丁目6番1号 原告訴訟代理人

Michele LESAGE CATEL LEGRAND パリ弁護士会所属,代訴人弁護士,A516 任意参加人

サンリオ有限責任会社(以下,「SANRIO GmbH」という)

CODE-CEDEX 22525 ドイツ国ハンブルグ市クローンザールスウェーグ,25 任意参加人訴訟代理人

Michele LESAGE CATEL LEGRAND パリ弁護士会所属,代訴人弁護士,A516 被 告

S. A. R. L. (Société à Responsabilité limitée) TAI YOU VIDEO LASER 有限責任会社(以下,「TAI 社」という) CODE- CEDEX 75013 フランス国パリ市イヴリー通,44 被告訴訟代理人 Jean-Alain MICHEL パリ弁護士会所属,代訴人弁護士,D371 被 告

SILLY GIFTS BV 会社(以下,「SILLY 社」という)

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欠席 被 告

TREASURE MARK TRADING 会社(以下,「MARK 社」という) 中国,香港,Sheung Tseun Kori Sheung 通 Yeuen Long G/7 509 欠席 被 告 S. A. R. L. PIU(以下,「PIU 社という」 CODE-CEDEX 75004 フランス国パリ市ラ・ヴェルリ通,77 被告訴訟代理人 Jacqueline NEGRO パリ弁護士会所属,代訴人弁護士,C0540 被 告

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事実と申立て SANRIO は,幾つかの商標権の所有権者である。特に, 第16類[紙,紙製品及び事務用品]商品を指定するために,1984年9月19日, №1284309で登録され,1994年7月28日に更新された半図形の HELLO KITTY の フランス法上の商標権,特に,第16類と18類の商品を指定するために,1996年4月 1日に寄託され,EM[ヨーロッパ商標権]№103721の下で登録された半図形の HELLO KITTY の共同体法上の商標権。 これらの商標権は,HELLO KITTY の名称と1匹の小さな猫の図形により特徴 づけられる。

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同社は,繊維とアイディア商品の小売営業を行っている。また,同社は,2000年 4月3日まで SANRIO により製造されていた商品を TAI 社から特に提供されてい たこと。同社は,かようにして,2000年4月と6月に供給品を1,444フランで入手 した。

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字;写真のネガ, 国際分類第3,5,8,9,11,14,15,16,18,20,21,24,26,27,28なら びに30類の様々な商品を指定するために,1996年4月1日に出願し,EM№103721 で登録された半図形の HELLO KITTY の共同体商標権: の権利保有者であることを正当化する。 これら2つの商標権は,「HELLO KITTY」の呼称と図案化された猫の図形によ り構成されている。

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これらの条件の下で,侵害商品を販売に供しまた販売した JULIEN 社に,また, それらを輸入した SILLY 社に侵害行為が構成される。 14 不正競争について 不正競争に基づく請求の基礎をなす事実は,侵害行為であると主張された事実と 別異ではないので,SANRIO GmbH について侵害行為が生ずる損害が民法第1382 条に基づいて賠償されることが明確にされたので,不正競争に基づく請求は,却下 される。 15 回復の方法について 提出された要素および弁論に鑑み,また,鑑定措置を求めるまでもなく,立証さ れた事実に対する送り状が報告されているので,裁判所は,このように構成された 2つの商標権への侵害が SANRIO への支払によりまさしく賠償されるであろうと 思料する。

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おらず,この訴訟は受理されえない。 JULIEN 社のその供給者に対する保証のための呼出は,共同行為者間の求償訴訟 として理解されなければならないので,責任の分担は,以下のように設定される。 SILLY 社は50%,そして,SILLY 社が入手した携帯電話のケースは侵害商品であっ たことを SANRIO の商品の職業上また古い顧客として無視できなかった BRUNOIS 社に50%。 被告ら会社は,敗訴したので,新民事訴訟法典第700条に規定された利益を受け ることには理由がない。 これらの理由により,公開で,第1審として,対審とみなされる判決により,裁 判所は,以下のように判決する。 2000年7月4日と2000年9月6日の調書によれば,TREASURE 社は輸入するこ とにより,PIU 社と TAI 社は SANRIO の許可を得ることなく,前述の商標を模倣 することにより様々な商品を販売に供し,また,販売することにより SANRIO を 害して商標権の侵害行為をなし,また,SANRIO GmbH を害して不正競争行為を なした。 SILLY 社は,SANRIO の許可をうることなく前述の商標を模倣して2,000個の携 帯電話のケースを販売に供し,また,販売したので,SANRIO を害して商標権の 侵害行為をなし,また,SANRIO GmbH を害して不正競争行為をなした。 本判決の送達後に輸入され,販売に供され,また,販売された商品によって150 ユーロの罰金強制の下で,これらの不法行為の続行を禁止する。 原告ら会社により予め選任された執行吏の掌中に,被告ら会社の下に依然として 存在する侵害商品の,被告らが連帯して負担すべき費用で,廃棄のための没収と引 渡を命ずる。また,本判決の送達後,1ヶ月の期間の徒過後1日の遅延につき,各 自150ユーロの罰金強制の下で,TAI 社,TREASURE 社ならびに PIU 社に連帯し て命ずる。

PIU 社に対しては,SANRIO に,その商標権侵害として,22,000ユーロの損害 賠償の内,1,500ユーロを上限として支払うこと。

PIU 社に対しては,SANRIO GmbH に対して,その取引上の侵害として,22,000 ユーロの損害賠償の内,1,500ユーロを上限として支払うこと。

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おける取引活動や競争を歪曲し,多大な損失をもたらすのみならず,知的財産権に 実効的な保護を提供することの公的な機関の能力への不信を招き,投資の減少をも たらすので,単一市場の適切な機能への有害性が指摘されてきた。そこで,関係す る投資家,生産業者また消費者の全てが,それらの者の活動とその購入物の品質に つき単一市場が完全な環境であることの保証が求められてきたのである。 このグリーンペーパーは,2つのことを目的としている。第1に,単一市場にお ける侵害行為と海賊の規模と経済的な影響を正確に評価することであり,第2に, 知的財産権に関する立法の実効性を評価することであった。そして,その具体的な 内容としては,①私的団体による監視を補助すること,②安全性の法的保護と真正 性を確保するための手段,③知的財産権を執行する手段の評価,④関連する国内諸 機関の間の適切な行政的な協同を確立すること,⑤関係当事者への諮問,である。 その後,1999年3月3日に,ミュンヘンで侵害行為と海賊行為に対するヒヤリン グが行われ,1999年6月21日には理事会のグリーンペーパーに対する回答への報告 書が作成される。そして,2003年1月30日付けで,理事会は,侵害行為と海賊行為 に対する戦いを強化するための指令を提案するに至るのである。 このペーパーに盛り込まれた,単一市場の成功を収めるための必須の要素が知的 財産権の保護であるとの認識から採択されたのが,2004年4月29日付の『知的財産 権の履行に関する欧州議会と EU 理事会の2004/48/EC 指令』(Directive 2004/48 /EC of the European Parliament and of the Council on the enforcement of intellec-tual property right)である。

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交換と通信),第5章(最終規定),第20条(経過規定),第21条(施行日),第22条 (名宛人)の構成から成っている。 しかるに,EU における知的財産権保護の履行確保のための歩みは,さらに進捗 している。すなわち,まず,2005年2月24日 EU 理事会は,「知的財産権犯罪と戦 うための刑事法の骨組みを強化するための理事会骨組み決定」を求める提案(SEC (2005)848),そして,「知的財産権の履行を確保することを目的とする刑事上の 措置に関する欧州議会と EU 理事会の指令」を求める提案が2005年7月12日の EU 評議会になされた(COM(2005)276 Final ; Brussel,12,7,2005)。

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