平 成 23 年 度 博 士 論 文
成 長 期 に お け る 運 動 経 験 が 若 年 女 性 の 超 音 波 骨 量 指 標 に 及 ぼ す 影 響
指 導 教 員 中 原 凱 文
和 洋 女 子 大 学 大 学 院
総 合 生 活 研 究 科 総 合 生 活 専 攻
0942201 小 池 亜 紀 子
目 次
第 Ⅰ 章 序 論 1
1 . 1 本 研 究 の 背 景 1
1 . 2 骨 粗 鬆 症 予 防 1
1 . 3 若 年 女 性 特 有 の や せ 志 向 傾 向 2
1 . 4 若 年 女 性 の 運 動 習 慣 と 骨 量 変 化 3
1 . 5 本 研 究 の 目 的 4
1 . 6 本 論 文 の 構 成 5
第 Ⅱ 章 骨 粗 鬆 症 に 関 す る 専 門 用 語 解 説 お よ び 研 究 方 法 7 2 . 1 は じ め に 7
2 . 2 骨 量 測 定 法 8
2 . 3 超 音 波 骨 量 指 標 と 年 齢 お よ び 体 格 の 関 係 11
2 . 4 最 大 骨 量 (Peak bone mass: PBM) 11
2 . 5 骨 粗 鬆 症 影 響 因 子 12
2 . 6 骨 量 と 運 動 の 関 連 13
2 . 7 骨 代 謝 14
2 . 8 本 研 究 の 測 定 ・ 調 査 項 目 17
第 Ⅲ 章 若 年 女 性 の 超 音 波 骨 量 指 標 に 及 ぼ す 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 の 影 響 (横 断 的 研 究 ) 19
3 . 1 は じ め に 19
3 . 2 研 究 方 法 20
3 . 3 結 果 22
3 . 4 考 察 30
3 . 5 ま と め 33
第 Ⅳ 章 若 年 女 性 の 超 音 波 骨 量 変 化 に 及 ぼ す 成 長 期 に お け る 運 動 習 慣
の 影 響 (縦 断 的 研 究 ) 34
4 . 1 は じ め に 34
4 . 2 研 究 方 法 35
4 . 3 結 果 37
4 . 4 考 察 51
4 . 5 ま と め 56
第 Ⅴ 章 若 年 女 性 に お け る 自 重 負 荷 ト レ ー ニ ン グ が 超 音 波 骨 量 指 標 変 化 に 及 ぼ す 影 響 57
5 . 1 は じ め に 57
5 . 2 研 究 方 法 57
5 . 3 結 果 60
5 . 4 考 察 65
5 . 5 ま と め 68
第 Ⅵ 章 総 括 69
6 . 1 本 研 究 の 総 括 69
6 . 2 今 後 の 課 題 70
謝 辞 71
参 考 文 献 72
業 績 一 覧 84 参 考 資 料
第 Ⅰ 章 序 論
1 . 1 本 研 究 の 背 景
日 本 で は 65 歳 以 上 人 口 は 総 人 口 の 23.0% に 達 し 1 )、 高 齢 化 が 進 行 し て い る 。平 成 22 年 度 国 民 生 活 基 礎 調 査 2 )に よ る と 高 齢 化 に 伴 い 老 老 介 護 世 帯 の 存 在 が 多 く な り 、 社 会 問 題 に も な っ て い る ほ ど 介 護 を 要 す る 高 齢 者 が 増 加 し て き て い る 。 要 介 護 と 認 定 さ れ た 者 の う ち 、10.2%が 骨 折 ・ 転 倒 が 原 因 で あ っ た と 報 告 さ れ て い る 2 )。
骨 粗 鬆 症 は 「 低 骨 量 と 骨 組 織 の 微 細 構 造 の 異 常 を 特 徴 と し 、 骨 の 脆 弱 性 が 増 大 し 、 骨 折 の 危 険 性 が 増 大 す る 疾 患 」 と 定 義 さ れ て い る 3 )。 今 日 の 日 本 に お け る 骨 粗 鬆 症 人 口 は 、40 歳 以 上 で は 男 女 あ わ せ て 約 1000 万 人 以 上 と 推 計 さ れ て お り 4 )、 国 民 の 約 1 割 に 相 当 す る 膨 大 な 数 字 と な っ て い る 。 こ の 骨 粗 鬆 症 を 予 防 す る こ と が 、 高 齢 化 社 会 に お い て 健 康 寿 命 の 延 伸 に つ な が る 時 期 が 到 来 し て い る と 考 え ら れ る 。
1 . 2 骨 粗 鬆 症 予 防
骨 粗 鬆 症 は 無 症 状 で 骨 量 が 減 少 し は じ め 、 症 状 が 出 現 し て か ら で は 治 療 が 困 難 な 病 気 で あ る 5 )。 骨 粗 鬆 症 は 遺 伝 的 要 因 が 大 き く 影 響 す る 6 ) , 7 ) 反 面 、 栄 養 ・ 運 動(身 体 活 動 を 含 む)な ど 、 生 活 習 慣 の 改 善 で 骨 粗 鬆 症 を 予 防 出 来 る こ と も 多 く の 報 告 で 明 ら か に さ れ て き た 8 ) , 9 ) , 1 0 ) , 11 )。骨 粗 鬆 症 予 防 の 目 的 は 成 長 期 に 高 い 最 大 骨 量(Peak Bone Mass : PBM)を 獲 得 す る こ と で 、 高 齢 期 に 起 こ る 骨 粗 鬆 症 領 域 へ の 骨 量 減 少 を 少 し で も 遅 ら せ る こ と に あ る 1 2 )。そ の た め 、今 日 で は 骨 粗 鬆 症 予 防 は 、高 齢 期 に お け る 二 次 予 防 か ら 成 長 期 に お け る 高 い PBM 獲 得 と そ の 維 持 へ と 、 積 極 的 予 防 に 目 が 向 け ら れ る よ う に な っ た 1 3 )。
近 年 、生 活 習 慣 の 中 で も 運 動 と 骨 量 の 関 係 が 注 目 さ れ て お り 1 4 )、成 長 期 に お い て 身 体 活 動 量 の 多 い 者 は 高 い 骨 量 を 獲 得 し て い る こ と 、 高 齢 期 に お い て も 日 常 生 活 活 動 量(歩 行 数 な ど も 含 む)が 多 い 者 ほ ど 骨 量 が 高 値 を 示 す と 報 告 さ れ て い る 1 5 ) , 1 6 ) , 1 7 ) , 1 8 )。 つ ま り 、 高 い 骨 量 の 獲 得 お よ び 維 持 に は 生 涯 を 通 じ て 、 運 動 が 重 要 で あ る こ と を 示 し て い る 。
し か し 、 成 長 期 に 骨 量 を 高 め た こ と に よ っ て 、 高 齢 期 に 起 こ る 骨 粗 鬆 症 の リ ス ク 低 下 を 示 し た 報 告 は な く 、 骨 粗 鬆 症 予 防 に お い て 成 長 期 以 降 の 骨 量 変 化 に 着 目 し た 検 討 が 必 要 で あ る 。
成 長 期 以 降 に あ た る 女 子 大 学 生 を 対 象 に し た 研 究 で は 、 若 年 女 性 の 骨 量 は 成 長 期 の 運 動 習 慣 が 強 く 影 響 す る と い う 報 告 1 9 )と 、現 在 の 運 動 習 慣 の 方 が 影 響 す る と の 報 告 2 0 )が あ り 、報 告 者 に よ っ て 見 解 が 一 致 し て い な い 状 況 が あ る 。 こ れ ら の 見 解 の 相 違 は 、 大 学 生 の 場 合 年 齢 構 成 に 幅 が あ る(18~22 歳 前 後)こ と 、 並 び に 成 長 期 に お け る 生 活 環 境(地 域 、 身 体 活 動 な ど の 経 験 の 有 無 、生 活 習 慣 の 差 異 な ど)に お い て 様 々 な 要 素 が 含 ま れ て い る こ と な ど に よ る 相 違 が 推 測 さ れ る 。
1 . 3 若 年 女 性 特 有 の や せ 志 向 傾 向
今 日 で は 、 日 本 ば か り で な く 世 界 共 通 的 に 若 年 女 性 に お け る 「 や せ 志 向 」傾 向 が 深 刻 な 問 題 と な っ て い る 。「 や せ 」(低 体 重 )と は 、体 格 指 標 の 一 つ で あ る Body Mass Index(BMI)が 18.5kg/㎡ 未 満 と 定 義 2 1 )さ れ る が 、 日 本 に お い て も 例 外 で は な い 。 20 歳 代 女 性 の 「 や せ 」 の 割 合 は 、 1987 年 に 18.6%で あ っ た が 、 こ こ 10 年 ほ ど は 22-25% と 約 4 人 に 1 人 が 「 や せ 」で あ る 2 2 )。ま た 、20 歳 代 女 性 が 理 想 と す る BMI は 19.0kg/㎡ で あ っ た こ と か ら 、標 準 体 重 と さ れ る BMI22kg/㎡ の 体 重 と 比 較 し て も 明 ら か に 低 値 で あ る 2 2 )。 こ の 様 な 「 や せ 」 志 向 は 低 栄 養 状 態 を 引 き 起 こ し 、 さ ら
に 月 経 異 常 を も た ら し 、 そ の 結 果 骨 量 低 下 を 招 く こ と が 危 惧 さ れ て い る
2 3 )。
骨 量 と 体 重 や BMI は 正 の 相 関 を 示 す こ と が 報 告 さ れ て お り 2 4 ) , 2 5 ) , 2 6 ) , 2 7 )、 体 重 は 骨 量 の 大 き な 要 因 で あ る 。 ま た 、 体 重 よ り 除 脂 肪 体 重 (lean body mass : LBM)と の 相 関 の 方 が 高 い こ と も 報 告 さ れ て い る 2 8 ) , 2 9 )。 こ れ ら の こ と を 考 え る な ら ば 、 適 正 体 重 を 維 持 す る こ と が 骨 粗 鬆 症 予 防 に と っ て 重 要 で あ る 3 0 )。
1 . 4 若 年 女 性 の 運 動 習 慣 と 骨 量 変 化
成 長 期 以 降 の 若 年 女 性 に お い て 、 骨 量 が 増 加 す る 者 と 、 減 少 す る 者 が お り 、 そ の 変 化 は 成 長 期 以 降 の 運 動 習 慣 と 関 連 す る と 報 告 さ れ て い る
2 4 ) , 3 1 ) , 3 2 ) , 3 3 ) , 3 4 )。 し か し な が ら 、 近 年 、 若 年 女 性 の 身 体 活 動 量 の 低 下 が 問
題 と な っ て い る 。 文 部 科 学 省 の 調 査(2007 年)に よ る と 、「 学 校 の 体 育 の 授 業 を 除 き 、 運 動 や ス ポ ー ツ 活 動 を 週 3 日 以 上 行 っ て い る 者 」 を 毎 日 運 動 し て い る 者 と 定 義 し 、毎 日 運 動 し て い る 女 生 徒 の 割 合 は 中 学 生 68.1% 、 高 校 生 42.4% で あ っ た が 、19 歳 で は 15.0% に 低 下 し て い た 3 5 )。つ ま り 、 高 校 卒 業 後 に 運 動 習 慣 が 失 わ れ て い る こ と に な る 。
成 長 期 以 前 の 幼 児 期 や 学 童 期 で は 、 日 常 生 活 に お い て 身 体 活 動 量 の 低 下 が 多 く の 研 究 者 か ら 指 摘 さ れ 3 6 )、よ り 高 い 骨 量 を 獲 得 出 来 な い 状 況 が 懸 念 さ れ て い る 。 ま た 、 近 い 将 来 大 き な 社 会 問 題 と な る こ と も 推 測 さ れ て い る 3 7 )。
骨 折 の 家 族 歴 が あ る な ど の 遺 伝 的 要 因 や 低 体 重 な ど 低 骨 量 の 危 険 因 子 が あ っ て も 、 身 体 活 動 量 を 高 く 保 つ こ と で 骨 粗 鬆 症 や そ れ に 伴 う 骨 折 か ら 免 れ る 可 能 性 も 報 告 さ れ て い る 2 5 ) , 2 6 )こ と か ら 、骨 粗 鬆 症 予 防 に は 運 動 習 慣 の 維 持 が 重 要 で あ る 。
1 . 5 本 研 究 の 目 的
成 長 期 に お け る 運 動 習 慣 が 骨 量 を 高 め る こ と は 事 実 で あ る 。 し か し な が ら 、 成 長 期 に お い て 骨 量 が 高 か っ た 者 が そ の ま ま 高 齢 期 ま で 高 い 骨 量 を 維 持 す る の か は 明 ら か で は な い 。 事 実 、 成 長 期 以 降 の 若 年 期 に お い て は 運 動 習 慣 と 骨 量 変 化 の 関 連 性 は 一 致 し た 報 告 ば か り と は い い 難 い 状 況 で あ る 。 そ の 理 由 と し て 、 成 長 期 以 降 の 若 年 者 を 対 象 と し た 研 究 で は 横 断 的 な 研 究 が 多 く を 占 め て い る こ と や 閉 経 期 を 対 象 と し た 研 究 が 主 で あ っ た こ と が 挙 げ ら れ る 。 特 に 大 学 生 は 成 長 期 か ら 成 人 期 へ の 移 行 期 で あ る と 共 に 、 生 活 習 慣 が 変 化 す る 時 期 で も あ る 。 そ の 時 期 に 骨 量 変 化 に 及 ぼ す 要 因 を 検 討 す る こ と は 将 来 の 骨 粗 鬆 症 予 防 に と っ て 、 重 要 な 課 題 で あ る と 考 え ら れ る 。
そ こ で 、本 論 文 で は 女 子 大 学 生 を 対 象 に 超 音 波 法 を 用 い 踵 骨 の 超 音 波 骨 量 指 標 変 化 に 及 ぼ す 影 響 を 縦 断 的 に 検 討 す る こ と を 目 的 と し た 。縦 断 的 な 検 討 を 行 う に あ た り 、第 一 に 女 子 大 学 生 の 超 音 波 骨 量 指 標 の 現 状 を 確 認 す る た め に 横 断 的 検 討 を 行 っ た 。そ し て 、縦 断 的 な 検 討 で は 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 お よ び 大 学 入 学 後 の 運 動 習 慣 継 続 に よ る 超 音 波 骨 量 指 標 変 化 へ の 影 響 を 検 討 す る こ と を 目 的 と し た 。さ ら に 、縦 断 的 検 討 か ら 得 ら れ た 結 果 を 基 に 、自 重 負 荷 ト レ ー ニ ン グ に よ る 超 音 波 骨 量 指 標 変 化 を 検 討 す る こ と を 目 的 と し た 。
1 . 6 本 論 文 の 構 成
第 Ⅰ 章 で は 研 究 の 背 景 と 目 的 を 述 べ た 。
第 Ⅱ 章 で は 専 門 用 語 の 解 説 と 研 究 方 法 に つ い て 述 べ た 。
第 Ⅲ 章 で は 、 第 Ⅳ 章 に お い て 、 若 年 女 性 の 過 去 の 運 動 経 験 と 超 音 波 骨 量 指 標 変 化 の 関 連 を 縦 断 的 に 検 討 す る が 、 こ れ に 先 立 ち 、 若 年 女 性 の 超 音 波 骨 量 指 標 特 性 を 捉 え る た め 、 横 断 的 研 究 を 行 っ た 。 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 が 骨 量 指 標 へ 及 ぼ す 影 響 や 骨 代 謝 マ ー カ ー の 特 性 に つ い て 検 討 し た 。
第 Ⅳ 章 で は 若 年 女 性 の 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 と 超 音 波 骨 量 指 標 変 化 の 関 連 を 検 討 す る た め 、女 子 大 学 生 を 1 年 生 か ら 3 年 生 ま で 骨 量 指 標 お よ び 骨 代 謝 マ ー カ ー を 測 定 し 、 縦 断 的 に 検 討 し た 。
第 Ⅴ 章 で は 、 第 Ⅳ 章 の 被 験 者 の う ち 、 自 重 負 荷 ト レ ー ニ ン グ に 参 加 同 意 し た 26 名 に 対 し 6 か 月 間 運 動 を 負 荷 し 、 超 音 波 骨 量 指 標 変 化 へ の 影 響 を 検 討 し た 。
第 Ⅵ 章 で は 本 論 文 の ま と め と 今 後 の 研 究 課 題 を 述 べ た 。 本 論 文 の 構 成 図 を 図 1-1 に 示 し た 。
第 Ⅰ 章 背 景 ・ 目 的
・「 女 子 大 学 生 に お け る 初 経 発 来 時 期 お よ び 成 長 期 の 運 動 経 験 と 骨 量 の 関 係 」
医 学 と 生 物 学,156 巻 2号, 35-40,2012
第 Ⅱ 章 研 究 方 法
第 Ⅲ 章 若 年 女 性 の 骨 量 に 及 ぼ す 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 の 影 響 (横 断 研 究 )
第 Ⅳ 章 若 年 女 性 の 骨 量 変 化 に 及 ぼ す 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 の 影 響 (縦 断 研 究 )
第 Ⅴ 章 若 年 女 性 に お け る 自 重 負 荷 ト レ ー ニ ン グ が 骨 量 変 化 へ 及 ぼ す 影 響
・「I n f l u e n c e s o f e x e r c i s e h a b i t s d u r i n g g r o w t h p e r i o d a n d i n c o l l e g e o n c h a n g e s
i n b o n e m a s s o f f e m a l e c o l l e g e s t u d e n t s - A l o n g i t u d i n a l s t u d y -」 医 学 と 生 物 学, 1 5 5巻4号, 2 2 2 - 2 2 9 , 2 0 11
・「 低 強 度 の 筋 力 ト レ ー ニ ン グ が 若 年 女 性 の 骨 量 変 化 に 及 ぼ す 影 響 」 体 力 科
学,6 1巻 2号, 20 12 (印 刷 中)
第 Ⅵ 章 総 括
図 1-1 本 論 文 の 構 成 図
第 Ⅱ 章 骨 粗 鬆 症 に 関 す る 専 門 用 語 解 説 お よ び 研 究 方 法
2 . 1 は じ め に
骨 組 織 で は 、 骨 芽 細 胞 に よ る 骨 形 成 と 破 骨 細 胞 に よ る 骨 吸 収 が 常 に 行 わ れ 、骨 量 が あ る 一 定 の 状 態 に 調 節 さ れ て お り 、こ れ を「 骨 代 謝 」(Bone metabolism)と 呼 ぶ 。 成 長 期 に お い て は 骨 形 成 が 骨 吸 収 を 上 回 り 、 骨 の 形 状 や 大 き さ を 変 化 さ せ な が ら 骨 量 が 増 加 す る 。 成 人 期 で は 骨 形 成 と 骨 吸 収 が 平 衡 状 態 を 保 っ て お り 、 骨 量 は 一 定 に 維 持 さ れ る か 、 ま た は 増 加 す る 。 高 齢 期 で は 骨 吸 収 が 骨 形 成 を 上 回 る こ と で 、 骨 量 が 減 少 す る 。 特 に 女 性 で は 、閉 経 に よ り 骨 量 は 急 激 な 低 下 を 示 す(図 2-1)。骨 量 が 一 定 以 下 に な り 、 骨 の 脆 弱 性 が 増 し た 状 態 が 骨 粗 鬆 症 と 称 さ れ て い る 3 )。
そ こ で 本 章 で は 、 骨 粗 鬆 症 を 理 解 す る 上 で 重 要 な 「 骨 量 測 定 法 」、「 最 大 骨 量(Peak Bone Mass)」、「 骨 粗 鬆 症 影 響 因 子 」、「 骨 代 謝 」「 骨 代 謝 マ ー カ ー 」 に つ い て 記 述 を 行 い 、 最 後 に 本 研 究 で 用 い た 形 態 計 測 お よ び 調 査 項 目 を 記 述 し た 。
閉 経 に 伴 う 低 下
図 2-1 骨 量 の 経 年 変 化
骨量
2 . 2 骨 量 測 定 法
主 な 骨 量 測 定 法 に つ い て 解 説 す る 。
2 . 2 . 1 二 重 エ ネ ル ギ ー X 線 吸 収 法
(Dual energy X-ray absorptiometry: DXA 法 )
DXA 法 は 2 つ の 異 な る 波 長 の X 線 を 用 い る こ と で 、 体 の 軟 部 組 織 と 骨 組 織 で 異 な っ た 吸 収 率 か ら 、骨 塩 量(g/cm2)を 求 め る 。測 定 部 位 は 全 身 骨 、 橈 骨 、 腰 椎 、 大 腿 骨 な ど 各 部 位 を 測 定 す る こ と が で き 、 骨 折 リ ス ク 評 価 に 優 れ て い る こ と か ら ゴ ー ル デ ン ス タ ン ダ ー ド と さ れ 、 骨 粗 鬆 症 の 診 断 基 準 と な っ て い る 1 2 )。し か し 、得 ら れ た 測 定 値 は 測 定 領 域 の 面 積 あ た り の 面 密 度 で あ る た め 、 骨 の 大 き さ 、 形 の 影 響 を 受 け る こ と か ら 、 小 児 の よ う な 発 育 期 3 8 )や 腰 椎 の 変 形 を 有 す る 高 齢 者 3 9 )で は 、 結 果 に 誤 差 が 生 じ る こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 ま た 、 被 曝 の 問 題 が あ る こ と か ら 成 長 期 の 子 ど も や 妊 婦 を 対 象 と し た 測 定 に は 不 向 き で あ る 。
2 . 2 . 2 超 音 波 法 (quantitative ultrasound: QUS 法 )
超 音 波 測 定 装 置 は DXA 法 の 装 置 に 次 い で 普 及 し て お り 、X 線 を 用 い な い た め 被 曝 が な く 、 子 ど も や 妊 婦 を 対 象 と し た 繰 り 返 し 測 定 が 可 能 で あ る た め 、 ス ク リ ー ニ ン グ の 用 途 で 普 及 し て い る 。 測 定 方 法 が 簡 便 で あ る こ と 、 場 所 を 選 ば な い な ど の 利 点 を 持 ち 、 骨 粗 鬆 症 検 診 と し て 多 く 用 い ら れ て き た 。2000 年 に は 健 康 保 険 の 適 用 を 受 け 、病 院 で の 利 用 も 進 ん で い る 4 0 )。QUS 測 定 値 と DXA 法 に よ る 骨 密 度 の 相 関 は 0.32~0.72 で あ る が 1 2 )、DXA 法 で 得 ら れ た 骨 密 度 と は 独 立 し て 、 大 腿 骨 骨 折 リ ス ク を 予 測 す る 指 標 と し て 有 用 で あ る こ と が 報 告 さ れ た 4 1 ) , 4 2 ) , 4 3 )。 骨 粗 鬆 症 を 診 断 す る こ と は で き な い が 、 骨 折 の 危 険 性 の 高 い 人 の ス ク リ ー ニ ン グ
と し て 活 用 さ れ て い る 4 4 )。
測 定 装 置 は 透 過 型 と 反 射 型 に 大 別 さ れ る が 、 普 及 し て い る 装 置 の 多 く は 透 過 型 で 、 踵 骨 を 測 定 部 位 と し て い る 機 器 が 多 い 。 透 過 型 の 装 置 の 中 で も 、 測 定 部 位 を 水 槽 に 浸 し た 状 態 で 測 定 す る ウ ェ ッ ト タ イ プ と 振 動 子 を ジ ェ ル な ど で 密 着 さ せ て 測 定 す る ド ラ イ タ イ プ が あ る 4 5 )。
透 過 型 測 定 装 置 の 測 定 原 理 を 以 下 に 示 す 。 踵 骨 を 測 定 部 位 と し た 超 音 波 骨 量 測 定 装 置 で は 、0.1~2.0MHz 程 度 の 超 音 波 信 号 を 発 信 機 よ り 発 し 、 踵 骨 の 関 心 領 域(Region of interest : ROI)を 通 過 後 、 受 信 機 で 受 信 さ れ る(図 2-2、2-3)。 受 信 さ れ た 信 号 は コ ン ピ ュ ー タ ー に 転 送 さ れ 、 解 析 さ
れ る 4 5 )。
図 2-2 QUS 装 置 の 測 定 原 理
ROI
図 2-3 踵 骨 の 測 定 部 位
超 音 波 は 物 質 を 透 過 す る 際 に 、 そ の 構 造 上 の 差 異 に よ り 、 吸 収 さ れ 方 が 異 な る 。 こ の 減 衰 の 程 度 は 透 過 す る 音 波 の 周 波 数 に よ っ て 、 構 造 の 違 い に よ り 、異 な る 減 衰 率 を 示 す 。超 音 波 骨 量 測 定 装 置 で は 0.1~2.0MHz の 広 帯 域 の 周 波 数 を 持 っ て い る 超 音 波 を 透 過 さ せ る こ と に よ り 、 そ れ ぞ れ の 周 波 数 に お け る 透 過 後 の 振 幅 を 算 出 す る 。 あ ら か じ め 測 定 さ れ た 水 単 独 の 場 合 の 減 衰 率 と の 差 を プ ロ ッ ト し て 回 帰 直 線 を 求 め 、 そ の 傾 き が 超 音 波 減 衰 係 数(broadband ultrasound attenuation: BUA)と し て 算 出 さ れ る 。 傾 き は 踵 骨 の 骨 硬 度 を 反 映 し 、 密 度 の 高 い 踵 骨 で は 値 は 大 き く
な る 4 6 )。BUA は 骨 梁 数 や 骨 梁 幅 な ど と 関 係 し て い る こ と が 報 告 さ れ 、
こ れ に 伴 っ て 海 綿 骨 の 骨 梁 構 造 を 表 す 4 7 )。
ま た 、 超 音 波 は 弾 性 が 低 く 、 密 度 が 高 い 物 質 で は 透 過 速 度 が 上 が る 特 徴 を 有 し て い る こ と か ら 、 そ れ を 利 用 し て 超 音 波 伝 播 速 度(speed of sound: SOS)を 算 出 す る 。 こ の こ と か ら 、 よ り 骨 量 の 多 い 骨 で は 高 い 超 音 波 伝 播 速 度 を 得 る こ と に な る 4 6 )。SOS は Young 率 と 物 質 の 密 度 に よ っ て 規 定 さ れ 、骨 密 度 と 関 係 し 4 8 )、骨 の 外 廓 で あ る 皮 質 骨 の 状 態 を 反 映 し て い る と さ れ る 。従 っ て 、QUS 法 に よ る 測 定 値 は 骨 構 造 を 示 す と 考 え ら れ て い る 4 9 )。
こ の 両 者 の 値 が 高 値 を 示 す ほ ど 強 度 、 密 度 と も 高 い 骨 で あ る こ と を 示 す こ と か ら 、 2 つ の 値 を 組 み 合 わ せ た 骨 量 指 標 で あ る Stiffness を 算 出 す る 。
Stiffness = 0.67×BUA + 0.28×SOS – 420 5 0 )
Stiffness は 骨 本 来 の 組 織 学 的 強 度 を 示 す 値 で は な く 、物 理 的 な 計 算 上 の 強 度 を 表 す 指 標 で あ る 4 5 )。
2 . 3 超 音 波 骨 量 指 標 と 年 齢 お よ び 体 格 の 関 係
超 音 波 骨 量 指 標 で あ る BUA は 体 格 に 影 響 を 受 け 、 体 重 と 正 の 相 関 を
示 す 5 1 )。7 歳 か ら 19 歳 を 対 象 と し た 報 告 で は 、SOS は 身 長 の 年 間 成 長
率 が 最 大 と な る 時 期 か ら 1 年 遅 れ て 急 激 に 増 加 す る こ と が 報 告 さ れ て い
る 5 2 )。20 歳 代 以 降 は 年 齢 と 負 の 相 関 を 示 す こ と が 報 告 さ れ て い る 5 3 )こ
と か ら 、SOS は 体 格 と は 関 連 せ ず 年 齢 の 影 響 を 受 け る 。
2 . 4 最 大 骨 量 (Peak bone mass: PBM)
骨 量 は 10 歳 代 後 半 か ら 20 歳 代 後 半 に か け て 最 大 骨 量(Peak bone mass: PBM)に 到 達 す る と さ れ て き た 。 先 行 研 究 に よ り 、PBM は 測 定 部 位 や 方 法 に よ っ て 異 な る こ と も 報 告 さ れ て い る 。DXA 法 に よ る 大 腿 骨 近 位 部(従 来 の 大 腿 骨 頭 頸 部)の 骨 量 は 中 学 3 年 で 成 人 と 変 わ ら な い と 報 告 さ れ て お り 5 4 )、腰 椎 で は 18歳 前 後 に 到 達 す る と い う 報 告 5 5 )や 女 性 で は 14~15 歳 で 閉 経 前 成 人 女 性 の 平 均 値 と 同 程 度 で あ っ た と す る 報 告 5 6 )も あ る 。 前 腕 骨 で は 小 学 校 6 年 生 か ら 6 年 間 縦 断 的 研 究 を 行 っ た 結 果 5 7 )、 骨 量 は 高 校 3 年 ま で 上 昇 し て お り 、PBM は そ の 後 20 歳 代 と 推 定 さ れ て い る 。
QUS 法 に よ る 踵 骨 で は 、 男 性 で は 18 歳 、 女 性 で は 15 歳 で 成 人 と 同 レ ベ ル に 達 す る と の 報 告 が さ れ て い る 2 7 )。15 歳 か ら 18歳 の 高 校 生 お よ び 18 歳 か ら 20 歳 の 女 性 の 骨 量 は 20 歳 以 降 の ど の 各 年 代 の 値 よ り も 高 い と の 報 告 も あ る 5 8 )。
こ の よ う に 対 象 と な る 被 験 者 や 測 定 方 法 、 さ ら に 測 定 部 位 に よ っ て も 異 な っ た 結 果 が 報 告 さ れ て い る が 、QUS 法 に よ る 踵 骨 で は 20 歳 以 前 に PBM が あ る と す る 報 告 が 多 い 。
2 . 5 骨 粗 鬆 症 影 響 因 子
骨 粗 鬆 症 に 影 響 を 及 ぼ す 因 子 と し て 、 遺 伝 、 加 齢 、 ホ ル モ ン な ど の 内 的 因 子 と 、栄 養 や 運 動 、生 活 な ど の 外 的 因 子 が あ る 5 9 )( 図 2-4)。コ ン ト ロ ー ル で き な い 内 的 因 子 と コ ン ト ロ ー ル で き る 外 的 因 子 に 分 け て 考 え る こ と は 骨 粗 鬆 症 に と っ て 重 要 で あ り 、 コ ン ト ロ ー ル で き な い 因 子 を も っ て い て も 、 他 の 因 子 を 減 ら す こ と で 、 骨 折 リ ス ク を 低 下 す る こ と が 可 能 と さ れ て い る 8 ) , 9 ) , 1 0 ) , 11 ) , 6 0 )。
運動因子
生活因子
力学的ストレス
日照、嗜好品、居住環境
ホルモン因子
加齢因子
遺伝因子
閉経(エストロゲン)
生理的骨減少
家系、民族、人種
内的因子
骨 粗 鬆 症
(日常生活で不変)
栄養因子
カルシウム摂取
外的因子
(日常生活で調整可能)
運動因子
生活因子
力学的ストレス
日照、嗜好品、居住環境
ホルモン因子
加齢因子
遺伝因子
閉経(エストロゲン)
生理的骨減少
家系、民族、人種
内的因子
骨 粗 鬆 症
栄養因子
カルシウム摂取
外的因子
(日常生活で調整可能)
骨 粗 鬆 症
内的因子 外的因子
( 森 論 史 . 骨 の 代 謝 メ カ ニ ズ ム - 運 動 が 骨 動 態 に 与 え る 影 響 に つ い て - . 臨 床 ス ポ ー ツ 医 学 1 9 9 4 よ り )
図 2-4 骨 粗 鬆 症 に 関 与 す る 因 子
2 . 5 . 1 内 的 因 子
内 的 因 子 に は 加 齢 や 遺 伝 、 ホ ル モ ン な ど が あ り 、 骨 粗 鬆 症 に は 内 的 因 子 が 大 き く 影 響 を 受 け る 6 )。 骨 粗 鬆 症 の 家 族 歴 を 持 つ 人 は 持 た な い 人 に 比 べ 、 骨 折 リ ス ク が 高 い こ と が 報 告 さ れ て い る 7 )。 女 性 ホ ル モ ン で あ る エ ス ト ロ ゲ ン は 骨 吸 収 を 抑 制 す る 作 用 を 持 っ て お り 、 特 に 女 性 で は 閉 経 に よ り 、 エ ス ト ロ ゲ ン が 欠 乏 す る こ と で 骨 吸 収 が 亢 進 し 骨 形 成 を 上 回 る た め 、 骨 量 が 急 激 に 減 少 す る 5 )。
2 . 5 . 2 外 的 因 子
外 的 因 子 と し て は 栄 養 や 運 動 、 生 活 習 慣 な ど が あ げ ら れ る 。 内 的 因 子 に よ り 、 骨 折 リ ス ク が あ っ て も 外 的 因 子 に よ っ て こ れ を 補 う こ と が 可 能 と 考 え ら れ て い る 6 0 )。特 に 運 動 と 骨 は 密 接 に 関 係 し て お り 、骨 粗 鬆 症 の 予 防 と し て 日 常 生 活 の 中 で の 運 動 の 効 果 が 注 目 さ れ て い る 。 運 動 は 力 学 的 負 荷(メ カ ニ カ ル ス ト レ ス)に よ る も の で 、 骨 に 負 荷 が 加 わ る こ と に よ り 、 骨 は そ の 時 の 負 荷 に 応 じ て 外 形 お よ び 内 部 構 造 を 変 化 さ せ て 、 負 荷 に 対 応 し よ う と す る(Wolff の 法 則)6 1 )。 骨 に は 負 荷 が 加 わ る と 歪 み (strain)が 生 じ る 。 歪 み が 一 定 以 上 加 わ る と 骨 量 が 増 加 し 、 歪 み が 少 な い と 骨 量 が 減 少 す る 6 2 )。
2 . 6 骨 量 と 運 動 の 関 連
成 長 期 に 運 動 す る こ と で 高 い 骨 量 が 獲 得 で き 5 8 ) , 6 3 ) , 6 4 )、 中 高 年 者 は 運 動 す る こ と で 骨 折 予 防 に 有 効 と さ れ て い る 6 5 ) , 6 6 )。成 長 期 に 運 動 す る こ と に よ り メ カ ニ カ ル ス ト レ ス が 加 わ る こ と で 、 骨 の 大 き さ や 強 さ が 増 す 。 運 動 な ど で 骨 に 対 し て メ カ ニ カ ル ス ト レ ス が 多 い 運 動 を High impact種 目 と い い 、バ ス ケ ッ ト ボ ー ル や 陸 上 競 技 、サ ッ カ ー 、テ ニ ス な ど が あ る 。 メ カ ニ カ ル ス ト レ ス が 少 な い 運 動 は Low impact 種 目 と い い 、 水 泳 や 自 転 車 競 技 な ど が あ り 、High impact 種 目 経 験 者 は 骨 量 が 高 い こ と が 示 さ れ て い る 6 3 ) , 6 7 )。
2 . 7 骨 代 謝
骨 で は 骨 芽 細 胞 に よ る 骨 形 成 と 破 骨 細 胞 に よ る 骨 吸 収 が 常 に 行 わ れ て お り 、 絶 え ず 新 し い 骨 に 作 り 変 え ら れ て い る 。 健 康 な 状 態 で は 両 者 が 均 衡 を 保 ち 、骨 量 が 維 持 さ れ て い る 。こ れ を「 骨 リ モ デ リ ン グ 」と 呼 ぶ(図
2-5)6 8 )。
骨 リ モ デ リ ン グ は 、 破 骨 細 胞 に 吸 収 さ れ た 部 分 を 骨 芽 細 胞 が 新 生 骨 と し て 充 填 す る 。 正 常 な 骨 で は 骨 吸 収 は 3 週 間 前 後 で 行 わ れ 、 骨 形 成 作 用 に は 3~4 か 月 ほ ど を 要 す る 5 )。
静 止 相
形 成 相 活 性 化 相
逆 転 相 吸 収 相
図 2-5 骨 リ モ デ リ ン グ( 松 本 俊 夫 . 骨 シ グ ナ ル と 骨 粗 鬆 症 よ り )
2 . 7 . 1 骨 代 謝 マ ー カ ー
骨 代 謝 状 態 を 評 価 す る 方 法 に 骨 代 謝 マ ー カ ー が あ る 。 骨 代 謝 マ ー カ ー は 、 骨 形 成 や 骨 吸 収 過 程 で 特 異 的 に 生 成 ・ 分 泌 さ れ る 蛋 白 質 や 代 謝 産 物 の こ と を い う 。 骨 吸 収 の 程 度 は 骨 吸 収 マ ー カ ー に よ り 、 骨 形 成 の 程 度 は 骨 形 成 マ ー カ ー に よ り 評 価 で き る 。 こ れ ら の 代 謝 マ ー カ ー の 中 で 、 本 研 究 に 用 い た デ オ キ シ ピ リ ジ ノ リ ン(Deoxypyridinoline: DPD)に つ い て 記 述 す る 。
DPD は ラ ー ゲ ン 分 子 間 に お い て 架 橋 を 形 成 し 、コ ラ ー ゲ ン 線 維 の 安 定 性 に 寄 与 し て い る コ ラ ー ゲ ン 架 橋 物 質 で あ る(図 2-6)6 9 )。こ の 架 橋 は 骨 形 成 時 に は 存 在 せ ず 、 骨 吸 収 時 の 骨 破 壊 に よ り 放 出 さ れ る た め 、 骨 吸 収 マ ー カ ー と し て 特 異 性 が 高 い 。 ま た 、 デ オ キ シ ピ リ ジ ノ リ ン は 生 体 内 で 代 謝 さ れ ず に 尿 中 に 排 泄 さ れ る こ と 、食 物 中 に 含 ま れ る コ ラ ー ゲ ン 架 橋 は 、 消 化 管 か ら の 吸 収 が な く 食 事 の 影 響 を 受 け な い こ と か ら 生 化 学 マ ー カ ー と し て 利 点 を 持 つ 7 0 )と さ れ て い る 。
女 性 に お け る DPD の 基 準 値 は 2.8~7.6nmol/mmol・Cr で あ る 1 2 )。し か し 、こ れ は 閉 経 前 の 30~44 歳 の 基 準 値 で あ り 、そ れ 以 前 の 20 歳 代 や 閉 経 後 の 基 準 値 は 定 ま っ て い な い 。
女 性 に お い て DPD は 幼 児 期 か ら 成 長 期 に か け て 骨 の モ デ リ ン グ に 伴 い 骨 代 謝 が 亢 進 す る こ と で 高 値 を 示 す 7 1 ) , 7 2 )。成 長 期 以 降 は 20 歳 代 後 半 か ら 40 歳 代 前 半 で は 一 定 を 保 ち 、40 歳 代 後 半 よ り 増 加 す る 。 閉 経 に 伴 う エ ス ト ロ ゲ ン 分 泌 減 少 に よ っ て 再 び DPD は 上 昇 す る 。 閉 経 期 に 起 こ る DPD 上 昇 は 骨 吸 収 作 用 亢 進 を 反 映 す る 。
運 動 に よ る 骨 代 謝 マ ー カ ー へ の 影 響 は 高 い 筋 力 発 揮 を 伴 う 重 量 挙 げ や 柔 道 な ど の ス ポ ー ツ 選 手 で は 骨 形 成 も 骨 吸 収 も 高 い こ と が 報 告 さ れ て い
る 7 3 ) , 7 4 )。一 方 、マ ラ ソ ン な ど 持 久 的 な ス ポ ー ツ 選 手 で は 骨 代 謝 が 抑 制 さ
れ る と 報 告 が あ る 7 5 )。
骨 量 は 過 去 に お け る 骨 の 蓄 積 状 態 を 表 し て い る の に 対 し 、 骨 代 謝 マ ー カ ー は 現 在 の 代 謝 状 態 を 表 し て い る 指 標 で あ る 。
図 2-6 骨 の コ ラ ー ゲ ン の ピ リ ミ ジ ウ ム 架 橋( 西 沢 良 記 . 骨 代 謝 マ ー カ ー よ り )
2 . 8 本 研 究 の 測 定 ・ 調 査 項 目 2 . 8 . 1 形 態 お よ び 身 体 組 成 測 定
身 長 お よ び 体 重 の 計 測 か ら Body Mass Index: BMI(kg/㎡)を 算 出 し た 。 体 脂 肪 率 は イ ン ピ ー ダ ン ス 法(タ ニ タ 社 、TBF102)を 用 い て 測 定 し た 。体 重 お よ び 体 脂 肪 率 か ら 体 脂 肪 量(kg)、 除 脂 肪 体 重(Lean Body Mass:
LBM(㎏))を 算 出 し た 。
2 . 8 . 2 骨 量 測 定
本 研 究 で は 超 音 波 法 に て 右 踵 骨 を 測 定 し た 。 本 研 究 で 用 い た 超 音 波 骨 量 測 定 装 置(Lunar 社, A-1000 EXPRESS)は ド ラ イ タ イ プ の 測 定 装 置 で あ る(図 2-7)。
被 験 者 測 定 の 前 に は 、 必 ず 同 一 人 物 が 5 回 連 続 測 定 を 行 い 、 変 動 誤 差 (coefficient of variation: CV)が 2% 以 内 で あ る こ と を 確 認 し た 上 で 測 定 を 行 っ た 。 超 音 波 骨 量 測 定 装 置 に よ り 超 音 波 減 衰 係 数(BUA)と 超 音 波 伝 播 速 度(SOS)が 測 定 さ れ 、骨 量 指 標 Stiffness が 算 出 さ れ る 。本 研 究 で は 、 Stiffness、BUA、SOS の 3 指 標 を 超 音 波 骨 量 指 標 と し て 用 い た 。
図 2-7 本 研 究 で 用 い た QUS 装 置 (Lunar 社 , A-1000EXPRESS)
2 . 8 . 3 骨 代 謝 マ ー カ ー
骨 代 謝 マ ー カ ー と し て 尿 中 DPD を 測 定 し た 。DPD の 尿 中 排 泄 に は 日 内 変 動 が あ る こ と か ら 6 8 )、 採 尿 は 朝 2 番 尿 と し た 。DPD の 分 析 は 三 菱 化 学 メ デ ィ エ ン ス 株 式 会 社 に 委 託 し た 。
2 . 8 . 4 属 性 調 査
自 記 式 に よ り 過 去 お よ び 現 在 の 運 動 習 慣 を 調 査 し た 。 運 動 習 慣 は 小 学 校 、 中 学 校 、 高 校 、 大 学 に お け る 運 動 種 目 と 1 日 の 運 動 時 間 お よ び 1 週 間 の 運 動 回 数 を 調 査 し た 。 月 経 に つ い て は 初 経 発 来 年 齢 、 過 去 お よ び 現 在 の 月 経 状 況 を 調 査 し た 。
2 . 8 . 7 歩 行 数 調 査
歩 数 計(オ ム ロ ン 社 、HJ107)と 記 録 用 紙 を 配 布 し 、7 日 間 連 続 し て 歩 行 数 と そ の 日 の 主 な 行 動 を 記 録 さ せ た 。7 日 間 の 歩 行 数 か ら 1 日 あ た り の 平 均 歩 行 数 を 算 出 し た 。
2 . 8 . 8 倫 理 委 員 会 の 承 認
本 研 究 は 和 洋 女 子 大 学 ヒ ト を 対 象 と す る 生 物 学 的 研 究 ・ 疫 学 的 研 究 に 関 す る 倫 理 委 員 会 の 承 認 を 得 て 行 っ た 。(平 成 18 年 5 月 19 日 付 、第 602 号)
2 . 8 . 9 用 語 の 定 義
本 研 究 に お け る 若 年 女 性 は 女 子 大 学 生 と し た 。 ま た 、 運 動 経 験 有 と は 中 学 ま た は 高 校 に お い て 体 育 の 授 業 以 外 で ス ポ ー ツ 活 動 を 週 に 3 日 以 上 、 2 年 以 上 継 続 し て 行 っ て い る 者 と し た 。
第 Ⅲ 章 若 年 女 性 の 超 音 波 骨 量 指 標 に 及 ぼ す 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 の 影 響 (横 断 的 研 究 )
3 . 1 は じ め に
体 格 指 標 や 運 動 能 力 な ど に 関 す る 文 部 科 学 省 の 報 告 3 5 )並 び に 厚 生 労 働 省 に よ る 栄 養 摂 取 基 準 等 に 関 す る 資 料 等 2 2 )に お い て 、若 年 女 性 と い う カ テ ゴ リ ー に 含 ま れ る 女 子 大 学 生 に 関 す る デ ー タ に 関 し て は 、 年 齢 表 示 で な く 、「 大 学 生 」 ま た は 「 20‐ 24 歳 」 相 当 の 年 齢 区 分 で 表 示 さ れ る こ と が 多 々 あ る 。し か し 、骨 代 謝 で み る と 、大 学 1 年 生 (18- 19 歳 )で は 骨 代 謝 マ ー カ ー は 成 人 基 準 値 を 上 回 っ て お り 7 6 )、 大 学 3 年 生 (20- 21 歳 ) で は 成 人 基 準 値 内 を 示 し た こ と か ら 7 7 )、 1 年 で 大 き な 変 化 を 呈 す る 可 能 性 が あ る 。 こ の よ う な 状 況 で あ る た め 、 大 学 4 年 間 の 超 音 波 骨 量 指 標 お よ び 骨 代 謝 状 況 を 横 断 的 に 把 握 す る こ と は 重 要 と 考 え る 。
第 Ⅰ 章 で 述 べ た よ う に 、 若 年 女 性 が 骨 量 を 高 め る た め に は 、 日 常 生 活 に お け る 身 体 活 動 量 並 び に 定 期 的 な 運 動 習 慣 が 重 要 で あ る 1 2 )。成 長 期 に お け る 運 動 経 験 が 若 年 女 性 の 超 音 波 骨 量 指 標 レ ベ ル と そ の 変 化 に 及 ぼ す 影 響 に 関 し て は 第 Ⅳ 章 に お い て 検 討 す る が 、 こ れ に 先 立 ち 、 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 が 女 子 大 学 生 の 超 音 波 骨 量 指 標 へ 及 ぼ す 影 響 を 、 横 断 的 に 変 化 特 性 を 確 認 し て お く こ と が 先 決 事 項 と 考 え た 。
女 性 に お け る 骨 量 は 成 長 期 に 急 増 し 、最 大 骨 量 (PBM)を 獲 得 し て か ら 閉 経 を 向 か え る ま で 、 成 人 期 に お い て は 一 定 量 を 維 持 す る と さ れ て い る 。 若 年 女 性 に お け る 骨 粗 鬆 症 予 防 は 、 高 い PBM を 獲 得 後 、 維 持 す る こ と に よ り 、将 来 骨 量 が 減 少 し て も 、「 骨 粗 鬆 症 領 域 へ の 低 下 」を 遅 ら せ る こ と に あ る 1 2 ) , 7 8 )。若 年 女 性 の 骨 量 に 影 響 す る 因 子 と し て 、出 生 時 の 体 重 7 9 )、 初 経 年 齢 8 0 )並 び に 現 在 の 体 格 2 8 ) , 5 8 )と の 関 連 が 報 告 さ れ て お り 、 特 に 体
格 と の 相 関 が 高 い と 報 告 さ れ て い る 。 骨 粗 鬆 症 の 外 的 因 子 の 中 で 運 動 と 骨 量 に 関 す る 研 究 で は 、 成 長 期 に お け る 運 動 習 慣 と 骨 量 が 関 連 す る こ と が 報 告 さ れ て お り 1 9 )、骨 量 が 急 激 に 増 加 す る 成 長 期 に お い て 運 動 な ど に よ り メ カ ニ カ ル ス ト レ ス が 加 わ る こ と で 、 よ り 高 い 骨 量 を 獲 得 す る こ と が 出 来 る 。 し か し 、 高 め た 骨 量 が そ の ま ま 維 持 さ れ 、 骨 粗 鬆 症 の リ ス ク を 低 下 さ せ る エ ビ デ ン ス は 見 当 た ら な い 。 一 方 、 成 長 期 の 運 動 経 験 よ り も 現 在 の 運 動 習 慣 の 方 が 骨 量 に 影 響 す る と の 報 告 も あ り 2 0 )、若 年 女 性 を 対 象 と し た 研 究 で は 運 動 習 慣 と 骨 量 の 関 連 に つ い て は 見 解 が 一 致 し て い な い 。
そ こ で 本 章 で は 、 成 長 期 か ら 成 人 期 へ の 移 行 期 に あ た る 女 子 大 学 生 の 体 格 や 過 去 の 運 動 経 験 お よ び 現 在 の 運 動 習 慣 が 超 音 波 骨 量 指 標 に 及 ぼ す 影 響 を 横 断 的 に 検 討 す る こ と を 目 的 と し た 。
3 . 2 研 究 方 法 3 . 2 . 1 被 験 者
被 験 者 は 、和 洋 女 子 大 学 家 政 学 群 健 康 栄 養 学 類 所 属 の 1- 4 年 生 (18 歳
~ 22 歳 )の 女 子 大 学 生 308 名 で あ る 。測 定 期 間 は 2008 年 5 月 (4 年 生 の み ) と 11 月 と し た 。全 被 験 者 は 研 究 の 趣 旨 説 明 後 に 、研 究 に 参 加 同 意 し た 者 で あ る 。
3 . 2 . 2 測 定 項 目
体 格 指 標 は 身 長 、 体 重 を 測 定 し 、 BMI を 算 出 し た 。 体 組 成 は 体 内 脂 肪 計 (タ ニ タ 社 、 TBF102)に て 体 脂 肪 率 を 測 定 し 、 体 脂 肪 量 お よ び 除 脂 肪 体 重 (LBM)を 算 出 し た 。 骨 量 指 標 と し て 、 超 音 波 骨 量 測 定 装 置 (Lunar 社 、 A-1000 EXPRESS)を 用 い て 右 踵 骨 の 超 音 波 骨 量 指 標 (Stiffness、BUA、SOS)、
骨 代 謝 マ ー カ ー と し て 尿 中 デ オ キ シ ピ リ ジ ノ リ ン (DPD)を 測 定 し た 。身 体 活 動 量 と し て 7 日 間 の 歩 行 数 を 調 査 し た 。 自 記 式 質 問 紙 に よ り 過 去 お よ び 現 在 の 運 動 習 慣 、 初 経 発 来 時 期 を 調 査 し た 。 被 験 者 の 身 体 的 特 徴 を 表 3-1 に 示 す 。
表 3-1 被 験 者 の 身 体 的 特 徴
項目 単位
年齢 歳 20.28 ± 1.02 初経年齢 歳 12.45 ± 1.34 身長 cm 158.58 ± 5.83 体重 kg 52.09 ± 6.62 BMI kg/㎡ 20.73 ± 2.41 体脂肪率 % 25.14 ± 4.74 体脂肪量 kg 13.33 ± 4.08 LBM kg 38.76 ± 3.47
平均値 ± SD
被験者(n=308)
3 . 2 . 3 統 計 処 理
結 果 は 全 て 、 平 均 値 ±標 準 偏 差 で 表 し た 。 測 定 項 目 間 の 関 連 性 の 検 定 に は 、Pearson の 単 相 関 係 数 を 用 い た 。2 群 間 に お け る 平 均 値 の 差 の 検 定 に は Student’ s unpaired t-test、 多 群 間 の 平 均 値 の 検 定 に は 1 要 因 分 散 分 析 と 多 重 比 較 (Tukey 法 )を 用 い た 。い ず れ の 場 合 も 、有 意 水 準 は 5%
未 満 と し た 。 統 計 処 理 は SPSS for Windows ver.19.0 を 用 い た 。
3 . 3 結 果
3 . 3 . 1 体 格 指 標 お よ び 超 音 波 骨 量 指 標 の 測 定 結 果
被 験 者 の 各 体 格 指 標 、 超 音 波 骨 量 指 標 、 骨 代 謝 マ ー カ ー お よ び 歩 行 数 の 測 定 結 果 を 、表 3‐ 2 に 示 し た 。体 格 指 標 、骨 量 指 標 、骨 代 謝 マ ー カ ー お よ び 歩 行 数 を 日 本 人 の 標 準 値 と 比 較 し た 。 身 長 、 体 重 お よ び BMI は 平 成 20 年 国 民 健 康 ・ 栄 養 調 査 結 果 2 2 )と 比 較 し 、 有 意 差 は 認 め ら れ ず 、 同 程 度 の 体 格 で あ っ た 。 超 音 波 骨 量 指 標 の Stiffness お よ び SOS は 、 日 本 人 女 性 の 標 準 値 8 1 )と 比 べ 高 値 で あ っ た (p<0.001)。 骨 代 謝 マ ー カ ー で あ る DPD は 基 準 値 内 を 示 し た 。歩 行 数 は 、20 歳 代 女 性 の 平 均 歩 行 数 2 2 )と 比 べ 多 い 値 で あ っ た 。
表 3-2 被 験 者 の 各 体 格 指 標 、 超 音 波 骨 量 指 標 、 骨 代 謝 マ ー カ ー お よ び 歩 行 数 の 標 準 値 と の 比 較
項目 単位
〈 体格指標 〉
身長 cm 158.50 ± 5.32 157.40 ± 6.6a
体重 kg 52.09 ± 6.62 51.50 ± 14.4a
BMI kg/㎡ 20.73 ± 2.41 20.71 ± 3.61a
体脂肪率 % 25.14 ± 4.74 -
体脂肪量 kg 13.33 ± 4.08 -
LBM kg 38.76 ± 3.47 -
〈 骨量指標 〉
Stiffness 100.96 ± 13.52*** 93.1 ± 13.2b
BUA dB/MHz 113.91 ± 12.42 113.1 ± 10.1b
SOS m/sec 1589.82 ± 31.17*** 1563.8 ± 29.3b
〈 骨代謝マーカー 〉
DPD nmol/mmol・Cr 7.07 ± 2.30
〈 身体活動量 〉
歩行数 steps/day 9139.48 ± 3254.71*** 6720 ± 3500a
平均値±標準偏差
: 厚生労働省国民健康・栄養調査結果報告 文献22)より b: QUS基準値 文献81)より
c: DPD基準値(成人女性30~44歳) 文献12)より
** p<0.001 vs 日本人女性の標準値
被験者(n=308)
2.8~7.6c 日本人女性の標準値
a
*
3 . 3 . 2 年 齢 と 体 格 お よ び 超 音 波 骨 量 指 標 の 関 係
体 格 指 標 と 超 音 波 骨 量 指 標 を 年 齢 別 に 検 討 し た 。 表 3-3 に 年 齢 別 の 体 格 指 標 、 超 音 波 骨 量 指 標 、 歩 行 数 お よ び 骨 代 謝 マ ー カ ー を 示 し た 。 初 経 年 齢 、 体 格 指 標 は 年 齢 間 に 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 骨 量 指 標 は 年 齢 が 上 が る に し た が っ て 低 下 す る 傾 向 が 認 め ら れ 、Stiffness は 19 歳 に 比 べ 20 歳 で 低 値 (p<0.05)を 示 し た 。 BUA は 年 齢 に よ る 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 SOS は 18 歳 お よ び 19 歳 に 比 べ 20 歳 、21 歳 お よ び 22 歳 は 低 値 を 示 し た 。 骨 代 謝 マ ー カ ー は 18 歳 、 19 歳 で は 高 値 を 示 し 、 女 性 の 成 人 基 準 値 を 上 回 っ て い た 。 20 歳 、 21 歳 お よ び 22 歳 で は 18 歳 、 19 歳 に 比 べ 低 値 を 示 し 、 女 性 の 成 人 基 準 値 内 を 示 し た こ と か ら 、 年 齢 が 高 い 者 ほ ど DPD は 低 値 (基 準 値 内 )で あ っ た 。
超 音 波 骨 量 指 標 を Trend 検 定 し た 結 果 を 表 3-4 に 示 す 。 Stiffness お よ び SOS は 有 意 な 傾 向 が 認 め ら れ た こ と か ら 、 Stiffness と SOS は 経 年 的 低 下 が 示 さ れ た 。
表 3-3 年 齢 別 体 格 お よ び 超 音 波 骨 量 指 標 、 骨 代 謝 マ ー カ ー お よ び 身 体 活 動 量 の 比 較
項目 単位
人数 人
初経年齢 歳 12.82 ± 1.38 12.30 ± 1.26 12.40 ± 1.34 12.50 ± 1.35 12.73 ± 1.62
〈 体格指標 〉
身長 cm 159.40 ± 5.06 158.27 ± 5.94 158.03 ± 4.88 158.20 ± 5.06 159.82 ± 5.03 体重 kg 50.99 ± 7.08 52.49 ± 6.77 51.54 ± 5.89 52.13 ± 6.86 52.88 ± 6.83 BMI kg/㎡ 20.03 ± 2.44 20.94 ± 2.37 20.65 ± 2.39 20.81 ± 2.48 20.69 ± 2.42 体脂肪率 % 23.44 ± 4.82 25.57 ± 4.54 25.20 ± 4.76 25.27 ± 4.63 25.02 ± 5.30 体脂肪量 kg 12.18 ± 4.05 13.63 ± 3.85 13.19 ± 4.01 13.42 ± 4.11 13.52 ± 4.77 LBM kg 38.81 ± 3.92 38.85 ± 3.70 38.35 ± 3.12 38.71 ± 3.43 39.36 ± 3.19
〈 骨量指標 〉
Stiffness 103.47 ± 15.91 103.79 ± 13.92 100.35 ± 13.47♯ 98.11 ± 12.64 98.19 ± 10.68
BUA dB/MHz 112.63 ± 13.16 112.48 ± 12.78 117.01 ± 13.37 112.53 ± 11.63 115.84 ± 9.63
SOS m/sec 1601.93 ± 37.75 1603.39 ± 32.33 1579.88 ± 26.89**,♯♯♯ 1583.11 ± 26.99*,♯♯♯ 1575.41 ± 29.77**,♯♯♯
〈 骨代謝マーカー 〉
DPD nmol/mmol・Cr 8.07 ± 2.70 8.04 ± 2.67 6.71 ± 1.94*,♯♯ 6.25 ± 1.57**,♯♯♯ 5.94 ± 1.16**,♯♯♯
〈 身体活動量 〉
歩行数 steps/day 9044.40 ± 3722.54 9250.07 ± 3901.58 8869.14 ± 2370.04 9334.59 ± 2807.11 8987.80 ± 3045.87 平均値±標準偏差
* p<0.05, ** p<0.01, *** p<0.001 vs 18歳
22歳
30 99 68 74 37
18歳 19歳 20歳 21歳
♯ p<0.05, ♯♯ p<0.01, ♯♯♯ p<0.001 vs 19歳
表 3-4 年 齢 別 超 音 波 骨 量 指 標 の 比 較
項目 単位 p for Trend
骨量指標 〉
Stiffness 103.47 ± 15.91 103.79 ± 13.92 100.35 ± 13.47♯ 98.11 ± 12.64 98.19 ± 10.68 0.019 BUA dB/MHz 112.63 ± 13.16 112.48 ± 12.78 117.01 ± 13.37 112.53 ± 11.63 115.84 ± 9.63 0.311 SOS m/sec 1601.93 ± 37.75 1603.39 ± 32.33 1579.88 ± 26.89**,♯♯♯ 1583.11 ± 26.99*,♯♯♯ 1575.41 ± 29.77**,♯♯♯ p<0.001 均値±標準偏差
* p<0.05, ** p<0.01, *** p<0.001 vs 18歳
♯ p<0.05, ♯♯ p<0.01, ♯♯♯ p<0.001 vs 19歳
18歳 19歳 20歳 21歳 22歳
〈
平
3 . 3 . 3 体 格 指 標 等 と 超 音 波 骨 量 指 標 の 関 係
年 齢 、 各 体 格 指 標 、 歩 行 数 お よ び 骨 代 謝 マ ー カ ー と 超 音 波 骨 量 指 標 と の 関 連 性 を 検 討 す る た め に 、 単 相 関 分 析 を 行 っ た 。 表 3-5 に 年 齢 、 体 格 指 標 、DPD お よ び 歩 行 数 と 骨 量 指 標 の 関 係 を 示 し た 。Stiffness は 年 齢 と は 負 の 相 関 関 係 が 、 身 長 以 外 の 体 格 指 標 と は 正 の 相 関 関 係 が 得 ら れ た 。 BUA は 各 体 格 指 標 と 正 の 相 関 関 係 が 得 ら れ 、 特 に LBM と の 相 関 が 最 も 高 値 を 示 し た 。 SOS は 年 齢 と は 負 の 相 関 関 係 が 、 体 格 指 標 で は 身 長 と の 間 に 負 の 相 関 関 係 が 得 ら れ 、 BMI お よ び 体 脂 肪 率 と は 正 の 相 関 関 係 が 得 ら れ た 。 DPD と 身 体 活 動 量 の 指 標 で あ る 歩 行 数 と 骨 量 指 標 と の 間 に 相 関 は 得 ら れ な か っ た 。
表 3-5 体 格 指 標 と 超 音 波 骨 量 指 標 の 相 関 係 数 (n=308)
Stiffness BUA SOS
年齢 -0.163 ** 0.057 -0.294 ***
初経年齢 -0.062 -0.045 -0.049 身長 0.068 0.246 *** -0.115 * 体重 0.300 *** 0.407 *** 0.086
BMI 0.292 *** 0.308 *** 0.162 **
体脂肪率 0.218 *** 0.228 *** 0.120 * 体脂肪量 0.257 *** 0.306 *** 0.111
LBM 0.271 *** 0.418 *** 0.034
DPD 0.056 -0.022 0.102
歩行数 0.060 0.090 0.006
* p<0.05 , ** p<0.01 , *** p<0.001
3 . 3 . 4 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 と 超 音 波 骨 量 指 標 の 関 連
成 長 期 に お け る 運 動 経 験 が 骨 量 に 影 響 す る こ と か ら 1 9 )、中 学 、高 校 で 運 動 部 な ど に て 週 3 日 以 上 の 定 期 的 な 運 動 を 、 2 年 以 上 継 続 し て 行 っ て い た 者 を 運 動 経 験 有 群 (n=231)、運 動 習 慣 を 有 し て い な い 者 を 運 動 経 験 無 群 (n=77)と し て 、 年 齢 別 に 骨 量 指 標 を 検 討 し た 。 表 3-6 に 各 年 齢 に お け る 群 別 の 体 格 指 標 な ど を 示 し た 。 全 被 験 者 で 、 運 動 経 験 無 群 は 25%と 経 験 有 群 75% に 比 べ 少 な か っ た 。
運 動 経 験 群 別 に 初 経 年 齢 を 比 較 し た 結 果 、有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 体 格 指 標 と の 関 係 で は 、身 長 は 20 歳 の 運 動 経 験 無 群 に 比 べ 経 験 有 群 で 高 く (p<0.05)、 21 歳 で は 経 験 無 群 は 経 験 有 群 に 比 べ 低 か っ た (p<0.05)が 、 特 に 運 動 経 験 の 有 無 に よ る 関 連 性 は 認 め ら れ な か っ た 。 他 の 体 格 指 標 に 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。
表 3-6 各 年 齢 に お け る 体 格 指 標 の 運 動 経 験 群 別 比 較
項目 単位
〈 18歳 〉
人数 人
初経年齢 歳 13.11 ± 1.50 12.74 ± 1.37 身長 cm 160.65 ± 1.92 159.09 ± 5.56 体重 kg 52.05 ± 8.32 50.72 ± 6.91 BMI kg/㎡ 20.13 ± 2.90 20.01 ± 2.38 体脂肪率 % 23.07 ± 3.95 23.53 ± 5.09 体脂肪量 kg 12.24 ± 4.09 12.17 ± 4.13 LBM kg 3.91 ± 4.41 38.56 ± 3.85
〈 19歳 〉
人数 人
初経年齢 歳 12.08 ± 1.18 12.36 ± 1.28 身長 cm 158.40 ± 5.39 158.24 ± 6.09 体重 kg 53.17 ± 8.33 52.33 ± 6.39 BMI kg/㎡ 21.21 ± 3.31 20.87 ± 2.11 体脂肪率 % 26.33 ± 5.76 25.39 ± 4.22 体脂肪量 kg 14.38 ± 5.58 13.46 ± 3.34 LBM kg 38.79 ± 3.52 38.86 ± 3.76
〈 20 歳 〉
人数 人
初経年齢 歳 12.20 ± 1.43 12.48 ± 1.31 身長 cm 155.98 ± 3.88 158.88 ± 5.03 * 体重 kg 50.84 ± 7.49 51.84 ± 5.14
BMI kg/㎡ 20.94 ± 3.40 20.53 ± 1.85 体脂肪率 % 25.52 ± 6.19 25.07 ± 4.10 体脂肪量 kg 13.33 ± 5.61 13.13 ± 3.18 LBM kg 37.51 ± 3.29 38.71 ± 3.01
〈 21 歳 〉
人数 人
初経年齢 歳 12.68 ± 1.59 12.45 ± 1.30 身長 cm 159.03 ± 5.36 157.99 ± 5.00 体重 kg 53.29 ± 7.18 51.84 ± 6.80 BMI kg/㎡ 21.03 ± 2.35 20.76 ± 2.53 体脂肪率 % 25.58 ± 4.47 25.19 ± 4.70 体脂肪量 kg 13.88 ± 4.06 13.31 ± 4.15 LBM kg 39.40 ± 3.53 38.53 ± 3.42
〈 22 歳 〉
人数 人
初経年齢 歳 12.04 ± 1.07 13.18 ± 1.81 身長 cm 161.77 ± 4.39 158.17 ± 5.04 * 体重 kg 53.69 ± 7.68 52.18 ± 6.13
BMI kg/㎡ 20.50 ± 2.65 20.85 ± 2.25 体脂肪率 % 24.94 ± 5.68 25.09 ± 5.10 体脂肪量 kg 13.75 ± 5.45 13.32 ± 4.25 LBM kg 39.95 ± 3.29 38.86 ± 3.10 平均値±標準偏差
17 20
19 80
20 48
経験無群(n=77) 経験有群(n=231)
6 24
15 59
成 長 期 に お け る 運 動 経 験 群 別 の 超 音 波 骨 量 指 標 の 比 較 を 、 図 3-1 に 示 し た 。 Stiffness は 経 験 無 群 で は 変 化 な く 、 経 験 有 群 で は 年 齢 が 上 が る に つ れ 低 下 す る 傾 向 で あ っ た 。 19 歳 に 比 べ 21 歳 の Stiffness は 低 値 を 示 し た (p<0.05) 。 19 歳 で は 経 験 無 群 に 比 べ 、 経 験 有 群 が 高 値 を 示 し た (p<0.01)。20 歳 ま で は 運 動 経 験 有 群 が 高 い 傾 向 を 示 し た が 、そ れ 以 降 は ほ ぼ 同 レ ベ ル の 値 を 示 し た 。
BUA は 20 歳 に お い て 、 経 験 無 群 に 比 べ 経 験 有 群 が 高 値 を 示 し た (p<0.05)。 経 験 有 群 で は 、 20 歳 に 比 べ 21 歳 の BUA が 有 意 に 低 値 を 示 し た (p<0.05)。 経 験 無 群 で は 、 年 齢 間 に 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。
SOS に 関 し て は 、 経 験 無 群 で は 差 は 認 め ら れ な か っ た が 、 経 験 有 群 18 歳 の SOS は 20 歳 (p<0.01)、 21 歳 (p<0.01)、 22 歳 (p<0.05)に 比 べ 有 意 な 高 値 を 示 し た 。経 験 有 群 19 歳 の SOS は 20 歳 (p<0.001)、21 歳 (p<0.001)、
22 歳 (p<0.01)に 比 べ 、 同 様 に 有 意 な 高 値 で あ っ た 。 運 動 経 験 別 変 化 は 、 Stiffness と 同 様 の 変 化 を 示 し た 。
70 80 90 100 110 120 130
Stiffness
未経験群 経験群
80 90 100 110 120 130 140
BUA (dB/MHz)
1500 1520 1540 1560 1580 1600 1620 1640 1660 1680
18 19 20 21 22
SOS (m/sec)
*
b
c
* * *
a
b b b
n = 6 n = 2 4 n = 1 9 n = 8 0 n = 2 0 n = 4 8 n = 1 5 n = 5 9 n = 1 7 n = 2 0
* *
a a a a
b b b b b
経 験 無 群 経 験 有 群
( 歳 )
図 3- 1 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 群 別 超 音 波 骨 量 指 標 の 比 較
* p < 0 . 0 5 , * * p < 0 . 0 1 , * * * p < 0 . 0 0 1 v s 経 験 無 群 a p < 0 . 0 5 , a a p < 0 . 0 1 , a a a p < 0 . 0 0 1 v s 1 8 歳 経 験 有 群 b p < 0 . 0 5 , b b p < 0 . 0 1 , b b b p < 0 . 0 0 1 v s 1 9 歳 経 験 有 群 c p < 0 . 0 5 v s 2 0 歳 経 験 有 群
3 . 3 . 5 骨 代 謝 マ ー カ ー と 年 齢 の 関 係
骨 代 謝 マ ー カ ー を 運 動 経 験 に よ り 2 群 に 分 け 、 年 齢 と の 関 連 性 を 検 討 し た ( 図 3-2) 。 図 中 の 点 線 で 囲 っ た 部 分 は 女 性 の 成 人 基 準 値 2.8-7.6nmol/ mmol・ Cr を 示 す 1 2 )。 DPD は 年 齢 が 低 い 者 ほ ど 、 成 人 基 準 値 を 上 回 る 者 が 多 く 、年 齢 が 上 が る に つ れ て 低 下 を 示 し た 。22 歳 で は 成 人 基 準 値 内 の 者 が 多 く 存 在 し 、 年 齢 と DPD は 両 群 に お い て 負 の 相 関 を 示 し た (p<0.001)。特 に 、19 歳 前 後 の 数 名 で は 、12nmol/mmol・Cr 以 上 を 示 し た 。
運 動 経 験 群 別 の 年 齢 と DPD の 相 関 の 傾 き の 差 を 検 討 し た 結 果 、 2 群 間 の 相 関 に 差 は 認 め ら れ な か っ た (p=0.465) た め 、 運 動 経 験 の 有 無 に よ る DPD の 差 は な か っ た 。 即 ち 、 年 齢 の 影 響 が 大 き い こ と を 示 唆 し て い た 。
経験無群 経験有群 経験無群 経験有群
( 2 . 8 - 7 . 6 n m o l / m m o l・C r ) 経験無群(n=77)
y = ‐0.83x + 24.00 r = ‐0.38, p< 0.001
経験有群(n=231) y = ‐0.79x + 23.11 r= ‐0.37, p< 0.001
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20
18.5 19.0 19.5 20.0 20.5 21.0 21.5 22.0 22.5
Cr)DPD / ol・mm(nmo
女 性 成 人 基 準 値
(歳)
図 3-2 年 齢 と DPD の 関 係
3 . 4 考 察
3 . 4 . 1 体 格 指 標 等 と 超 音 波 骨 量 指 標 の 関 係
本 研 究 の 被 験 者 の 体 格 は 同 年 代 の 平 均 値 2 2 )と 比 べ て 変 わ り な く 、標 準 的 な 体 格 で あ っ た も の の 、 BMI が 20.73±2.41 ㎏ /㎡ で あ り 、 標 準 BMI1 9 ) と さ れ る 22 ㎏ /㎡ と 比 べ 低 い こ と か ら 若 年 女 性 の や せ 志 向 が 伺 え た 。 超 音 波 骨 量 指 標 は Stiffness、 SOS が 日 本 人 女 性 の 平 均 値 8 1 )と 比 べ て 高 値 を 示 し た こ と に よ り 、 骨 量 指 標 が 高 い 集 団 で あ っ た 。
先 行 研 究 に よ り 超 音 波 骨 量 指 標 は 身 長 や 体 重 、BMI が 影 響 因 子 2 8 ) , 5 8 ) , 8 0 )
と 報 告 さ れ て い る 。 本 研 究 に お い て も 、 各 体 格 指 標 と 超 音 波 骨 量 指 標 は 強 い 関 連 性 が 認 め ら れ た こ と か ら 、 体 格 は 重 要 な 骨 量 指 標 因 子 で あ り 、 や せ 志 向 に よ る 必 要 の な い 減 量 は 骨 量 指 標 低 下 の 危 険 性 が 危 惧 さ れ る 。
超 音 波 骨 量 指 標 の BUA は 体 重 と 有 意 な 相 関 を 示 し 、 SOS は 体 格 指 標 と は 関 係 し な い こ と が 報 告 さ れ て い る 5 1 ) , 5 3 )。 ま た 、 BUA は Stiffness や SOS よ り も 多 く の 体 格 指 標 と 相 関 を 示 し た 。 さ ら に BUA は 体 重 や BMI よ り も LBM と の 関 連 が 最 も 強 い 相 関 を 示 し 、 先 行 研 究 2 8 ) , 2 9 )と 同 様 の 結 果 を 示 し た 。BUA は 骨 量 の み で な く 骨 梁 構 造 を 表 し て い る 4 7 )と さ れ て い る 。 歩 く な ど の 移 動 に よ り 体 重 が 負 荷 と な っ て 踵 骨 に 直 接 的 に メ カ ニ カ ル ス ト レ ス が 加 わ る こ と 、 お よ び 筋 肉 の 収 縮 に よ り 骨 に 歪 み が 加 わ る こ と に よ り 、 骨 梁 構 造 を 強 く す る 結 果 、 体 格 指 標 と BUA が 高 い 相 関 が 得 ら れ た と 推 察 さ れ た 。
SOS は 年 齢 の 影 響 が 大 き い こ と が 報 告 さ れ て い る 5 1 ) , 8 2 )。 SOS は 先 行 研 究 と 同 様 に 年 齢 の 影 響 を 受 け て 、 年 齢 が 高 い 者 ほ ど 低 値 で あ っ た こ と か ら 、 超 音 波 骨 量 指 標 は 20 歳 代 で あ っ て も 低 下 す る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 こ の こ と よ り 踵 骨 の PBM は 18 歳 前 と 推 察 さ れ た 。こ れ は 、超 音 波 法 に よ る 踵 骨 骨 量 が PBM に 達 す る の は 10 歳 代 後 半 と す る 報 告 2 7 ) , 5 8 )と 一 致 し た 。
3 . 4 . 2 成 長 期 に お け る 運 動 経 験 に よ る 超 音 波 骨 量 指 標 の 比 較 骨 量 指 標 は 成 長 期 に お け る 運 動 習 慣 に 影 響 を 受 け る こ と が 多 数 報 告 さ れ て い る 1 9 ) , 2 0 ) , 6 3 ) , 6 4 )。運 動 に よ り メ カ ニ カ ル ス ト レ ス が 骨 に 加 わ る と 歪 み が 生 じ 、歪 み が 一 定 以 上 加 わ る と 、骨 量 が 増 加 す る 6 2 )。成 長 期 は 骨 量 が 急 激 に 増 加 す る 時 期 で あ り 5 1 ) , 8 3 )、 そ の 時 期 に 運 動 に よ る メ カ ニ カ ル ス ト レ ス を 加 え る こ と で 、 骨 量 が よ り 高 値 を 示 し や す い 5 8 ) , 6 3 ) , 6 4 )と さ れ て い る 。 本 研 究 に お け る 被 験 者 は 2/3 が 成 長 期 に 運 動 習 慣 (6 年 間 )を 有 し て い た た め 、 骨 量 が 日 本 人 女 性 の 基 準 値 よ り 高 値 を 示 し た と 推 察 さ れ た 。 そ の た め 、 成 長 期 に お け る 影 響 を 検 討 す る た め に 、 運 動 経 験 に よ り 運 動 経 験 無 群 と 経 験 有 群 の 2 群 に 分 け 、 超 音 波 骨 量 指 標 を 検 討 す る こ と と し た 。
運 動 経 験 無 群 で は Stiffness、BUA お よ び SOS は 年 齢 に よ る 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 運 動 経 験 有 群 で は 18 歳 、 19 歳 の Stiffness が 高 く 、 年 齢 が 上 が る に つ れ 低 下 す る 傾 向 が 認 め ら れ た 。 運 動 経 験 の 有 無 に よ る BUA の 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 SOS は 18 お よ び 19 歳 で は 運 動 経 験 無 群 に 比 べ 、 有 群 で 高 値 を 示 し た 。 20 歳 以 降 は 有 意 差 が 認 め ら れ な か っ た 。 SOS は 成 長 期 に 急 激 に 増 加 す る こ と が 報 告 さ れ て い る 7 7 )。本 研 究 に お い て 運 動 経 験 有 群 が 高 い 骨 量 を 示 し た こ と か ら 、 成 長 期 の 運 動 習 慣 に よ り 骨 の 外 廓 で あ る SOS の 形 成 が 促 進 さ れ た 結 果 と 推 察 さ れ た 。 し か し 、 運 動 経 験 有 群 と 無 群 の 差 は 21、22 歳 で は 認 め ら な か っ た こ と か ら 、成 長 期 に お け る 運 動 の 影 響 は 20 歳 ま で と 推 察 さ れ た 。
ま た 、 運 動 経 験 有 群 に お い て 骨 量 指 標 は 年 齢 が 上 が る に つ れ 低 下 し た こ と か ら 、 全 被 験 者 の 骨 量 が 低 下 し た の は 、 運 動 経 験 有 群 の 影 響 と 推 察 さ れ た 。