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算数科教科書の教材の改良に関する研究
教科@領域教育専攻 自然系コース(数学) 瀬 尾 雅 之
1 . 事院の目的
現行の小学校学習指導要領が告示され教師 は,学習権基要領が示す劇民基準により,授業 も基礎・基本をしっかり定着させることを重視 するようになった。その後,学習指導要領の一 部改正がなされ基礎@基本を身に付けている 子どもに対し,発展的な学習ができるような指 導の工夫を求められるようになった。
しかし,筆者は,新濯に沿って丁寧に授業 を進め,学習指導要領の最低基準を子どもたち 全員をクリアさせることに力がスり,発展的な 学習を多くの子どもに取り組ませる指導がなか なかできなかった。学習の溜1がちな子どもは 基礎@基本が身に付くまで補充的な問題で繰り 返し練習し,教科書の発展的な問題に取り組む 機会が少なかった。
全日本教職員連盟がホームページで公開して いる,平成
18
年に行われた発展的な学習の実 施についての全国の教職員モニター調査の結果 と考察から,発展的な学習の実施には困難な面 があり,一斉授業で発展的な学習をするための 必要条件か整っておらず実施されても理解の 早い,基礎@基本を身に付けた子どもだけが取り組めるものであるということが分かったD
普段の授業において,意欲と理解の面で4つ の 問 患 献tある。耕ヰ書に沿ってゆっくり丁寧 に授業をすると,
Q
漣塀の早い子ども尚昆屈に 感じる。②漣解の遅い子どもは,内容を瑚卒す指導教員 松 岡 隆
ることで精一杯であるため,算数の面白さなど を感じる余裕は
j >
ない。そして,授業の最後に行う練習問題に取り組 む時間では,@漣解の早い子どもは新しい問題 や発展的な問題に取り組む於自学自習になっ ていることが多く,問題について話し合うなど ができないため,効果的に理解を深めることが できない。@理解の遅い子どもは繰り返し基本 的な問題に取り組み,学習内容の習熟に努める だけで,発展的な問題に取り組む機会が無い。
よって,学習内容についての理解を深めること は非常に難しい。
すべての子どもに一斉授業の形で発展的な学 習に取り組ませたいと思うが とても困難であ る。現実的な対応の方法としては,基礎・基本 の授業内容を工夫して問題点の迂沼@を改善す ることが考えられる。しかし,新しく耕オを開 発して授業をすることは難しい。そこで,基礎・
基本の学習において教科書の耕オを子どもがや や困難さを感じる程度に改良して授業を行うこ とで,瑚卒の早い遅いに関係無く子どもが意欲 的に取り組み,また,教科書の学習内容の理解 がより深まるような授業カ?できないかと考え,
本語汗究の目的に設定した。
2 .
数学的な考え方の分類児童が,数・量・図形に対して働きかける 際に,適切な支援を受けながら,自ら発揮し,
身につけていく思考活動を「数学的な考え方
J
4 r o
q δ
という。
①問題を解決するための数勃ぬ考え方 容易化の考え方@既知の事柄に戻る考え 方・象徴化の考え方a単位の考え方@概括的 托握の考え方・式についての考え方@構成要 素に着目する考え方@関知句な考え方
②角献した後の解を確かめたり,解を検討し たりするための数勃句な考え方
求めるものから考える考え方 e条件から考 える考え方@洗練化の考え方
③解法と解を発表するための数学的な考え方 簡潔明確化の考え方
④練り上げのための数学的な考え方
収束的な考え方@ー殻化の考え方@発展的 な考え方
3 .
教材改良の目的@方針@方法 (目的)O
改良することで,すべての子どもが意欲 をもって取り組める。O
学習内容の基礎@基本の理解を深める。C 方針)
配分された単元の授業時数内で行える。
防法)
く
1>
概念を明確化する。以下のように実臆することになった。
単 元 第4学年
「三角形
J (全7時間)5 .
実践授業の成果各授業後に子どもに書かせた感想、にはよく 分かった,またやってみたい,楽しかったなど,
肯定的な意見が多くみられた。子どもはどの時 間も意欲的に活動し 自由な発言も多くみられ た。三角形についての学習内容の理解はもとよ り,図形の楽しさ,面白さ,不思議さなども多 く感じてくれたものだろうと思われる。
6 . W院の成果
( 1 )
教科書の耕才の改良をすることで,理解の 早い遅いに関係無く,子どもは基礎e基本の学 習内容を学ぶ授業の中で,楽しさや面白さを感 じることができ,問題部J),②は改善できた。また,理解の遅い子どもも基礎@基本の学習内 容を学ぶ中で,学習の深まりを感じられ問題 点④も改善できた。来年度より新学習指導要領 の移行期間に入る。小学校教師の算数の教材の 開発にかける時間はますます少なくなっていく だろう。そんなとき,教科書の耕オの改良なら ば教師が授業網庸に時間や手間をあまりかけ ること無く,授業を受けるすべての子どもカで意 欲的に授業に取り組みそして,基礎的@基本
く2> 問題の条件を弱めたり,強めたりする。 的な内容の理解を深めることができるロ特に,
く3> 数値を口のように未知数にして扱う。
く
4>
答えをオーフンエンドにする。く
5>
逆の構成を考える。く6> 問題の場面を工夫する。
4 .
実践授業f
恵島県内の公立小学校で実施した。ヌ橡学年 第
4
学年1 7
人 実施時期 平成20
年10
月 実践授業を行う際に,特定の学年・領域を限 る必要は無いが,実施時期と小学校の都合で,算数だけに特別な時聞を充てることができない 小学校教師にとっては,価値のあるものであろ
うと思われる。
(2)子と、もの学習の流れに沿った数学的な考え 方の分類を示すことカ?できた。耕才を改良して 行った授業が,子どものどんな数判
9
な考え方 を伸ばしたかの効果について検証することや新 たな改良の方向を見つけることに役立つと考え られる。統~な数学的な考え方の分類が提案 できたことは.価値があると考えられる。‑355‑