• 検索結果がありません。

r 田瀬成和

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "r 田瀬成和"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

授業における児童の社会的相互作用と思考の深まり 一対話を生かした討論型学習の追求一

学校教育専攻 授業開発コース 田 瀬 成 和

問題の所在

討論型学習には,学習内容の深い理解や個性 の伸長,学級集団における人間関係の深まりと いう価値があり,コミュニケーションによる人 間形成に寄与するという観点からも重要であ る。しかし,多くの教師からはその利便性や効 率性の悪さからあまり受け入れられていない。

またB 討論型学習を実践してきた筆者自身も,

考えを主張できない最近の子どもの実態から討 論型学習の成立に難しさを感じているO

そこで,本研究では,社会的構成主義の学習 論における社会的相互作用という概念を導入す るO 社会的構成主義では,社会的相互作用によ って知識は「共同構築」されると考えられてお り,その具体的な姿を明らかにすることで討論 型学習の見直しが可能であると考えた。

社会的相互作用を促す授業

社会的相互作用がどのような授業において促 進されるものかを,多くの授業の参与観察を行 うことによって検討した。その結果,問題解決 的学習において,①課題(問題)意識,②自由 な課題追求,③安心感をもって発言できる教師 の姿勢などの重要性が分かつた。

これらの知見をもとに,筆者自身が社会的相 互作用を促すと考える授業を,小学校

4

年生・

5

年生の算数において l単元ずつ実施した。

授業は録音・録画媒体によって記録し,そこ から抽出した児童

8

人ずつの発話・行動トラン

指 導 教 員 川 上 綾 子

スクリプトを作成した。

社会的相互作用の展開

社会的相互作用の特性を知るために,まず,

収集したデータに基づいて3 社会的相互作用の カテゴリーを生成したO

カテゴリ一生成には,修正版グラウンデッド

・セオリー・アプローチを援用したO この手法 は,データに密着した帰納的な理論生成を特徴 とするもので,社会的相互作用の本質を失わな いカテゴリ一生成が可能だと考えたO

その結果, 10のカテゴリーが生成され,各 カテゴリーをその関係性によって図

1

のように 整理したO つまり,

r

他律的一自律的」を表す 縦軸と

r 1

次的

‑2

次的」を表す横軸とのマト

リックスへの位置づけであるO

1次鈴

ita毛章約

1 社会的相互作用のカテゴリー構造図

次に,このカテゴリーに基づいて,

8

人の抽 出児の

2

時間日と

5

時間目の社会的相互作用を カテゴリーの連鎖として表したO それは,例え ば表

1

のようになったO

Fh u 

(2)

1 K. Yの社会的相互作用のカテゴリー連鎖 H HHFEHHHHH 

5時間目BBBBDHDBHHAHHHEEDDBDB このようなカテゴリ一連鎖,のべ 32人分を 基にして様々な方向から,社会的相互作用の特

I性を明らかにしていったO

その

1

つは,先行・後続する連鎖の仕方に基 づく各カテゴリー閣の親和性であるO その結果 をまとめたのが3

2

であるO これによって明 らかになったのは,討論型学習に最も近い「形 式的話し合い」への展開の難しさである。他の ほとんどのカテゴリーからの連闘が薄かったO また,その難しさの背景には学習や発言に対す る児童の不安があることも浮き彫りになったO ただ

r

対話的話し合い」→「立場表明」→「形 式的話し合しリという討論型学習への展開の可 能性も見出された。

2社会的相互作用カテゴリ一間の連関図

また,社会的相互作用が個人の特性を反映す るという判断から,抽出児の

2

時間日と

5

時間 目の社会的相互作用のカテゴリーを比較したO

社会的相互作用の発現には個人差があると言 う予想された結果と共にそこから明らかになっ たのは, 2時間自から 5時間自にかけての社会 的相互作用のカテゴリーの占める比重の変化に 一般性があると言うことであるO

3

は,表

1

に示した児童の社会的相互作用をカテゴリーご

‑ 55‑

とにその量に応じて表したものであるO

2時間目 5時間自

③ 

同川

1

3K.Yの社会的相互作用の変佑

変化の一般性とは,図で言うと下から上,左 から右への比重の移動である。児童の社会的相 互作用のカテゴリーはそれを促進する授業の元 で「他律的」から「自律的J,

r  1

次的」から

r2

次的」なものへと変化するのである。

研究のまとめ

最後に,個の事例を追うことにより,社会的 相互作用の変化と学習の深化との強い関連と,

討論型学習への可能性を見出すことができた。

研究の成果を集約して構想したのがE

4

2

つのモデルに代表される新しい討論型学習で ある。これらは構想する討論型学習の典型であ り,子どもの社会的相互作用の発展や成熟に合 わせて様々にバリエーションが考えられるo こ こにおける教師の役割は,社会的相互作用のコ ーディネーターであるO

4 新 し い 討 論 型 学 習 に お け る 討 論 の 位 置 づ け

参照

関連したドキュメント

Here, instead of considering an instance I and trying to directly develop a feasible solution for the P, G ∗ |prec; c ij dπ k , π l 1; p i 1|C max problem, we consider a

There is a bijection between left cosets of S n in the affine group and certain types of partitions (see Bjorner and Brenti (1996) and Eriksson and Eriksson (1998)).. In B-B,

(The Elliott-Halberstam conjecture does allow one to take B = 2 in (1.39), and therefore leads to small improve- ments in Huxley’s results, which for r ≥ 2 are weaker than the result

“Breuil-M´ezard conjecture and modularity lifting for potentially semistable deformations after

lines. Notice that Theorem 4 can be reformulated so as to give the mean harmonic stability of the configuration rather than that of the separate foliations. To this end it is

S., Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English, Oxford University Press, Oxford

At the end of the section, we will be in the position to present the main result of this work: a representation of the inverse of T under certain conditions on the H¨older

支払方法 支払日 ※② 緊急時連絡先等 ※③.