• 検索結果がありません。

不登校者のきょうだいの心理一きょうだいの家族イメージに着目して

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "不登校者のきょうだいの心理一きょうだいの家族イメージに着目して"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

不登校者のきょうだいの心理一きょうだいの家族イメージに着目して

人間教育専攻

臨床心理士養成コース 稲 庭 美 佑

1.問題と目的

我が国において、全校児童生徒数に対する不 登校児童生徒数の割合は年々増加傾向にある。

若木ら

(2009)

は、子どもが不登校の状態になる と家庭の状況は一変し、家族も少なからず影響 を受けると指摘しており、不登校者の増加は影 響を受ける家族の増加をも示していることにな る。そのため、不登校者のきょうだし¥(以下、キ ョウダイ)を対象とした研究も進められてきて おり、キョウタ γ は不登校からさまざまな思い を抱え、時にキョウタ γ 自身も不登校を呈する が、支えとなるものによって自身の抱える思い を整理することが明らかにされている(前川、

2000 

;竹内ら、

1991

:安田ら、

2016)

。しかし キョウダイに対する具体的な支援例は少ない (若本ら、前回。そこで本研究では、不登校初期、

不登校ピーク期、不登校高付吉期、現在において、

キョウタ γ が家族をどのようにみているかを調 査することによって、キョウダイが不登校をど のように体験しているのか、どのような影響が キョウダイに生じるのかを明らかにし、キョウ 夕、イ支援につなげることを目的とする。なお、キ ョウダイが家族をどのようにみているかを調査す る方法として、本研究ではインタビューに加え、

中地

(2011)

を参考に家族イメージ法

(FIT)

を活用 することとする。また、キョウタ γ の体験は人生 を通して意味づけを変化させながらキョウダイ の中にあり続け、影響を与え続ける(下舞、 201ω

指導教員 久 米 禎 子

ことから、キョウダイが不登校から何らかの影 響を受けるのは不登校時のみではなく、不登校 が終結したあともであると考えられる。そのた め、本研究では、不登校状態が解消した後も視 野に入れて研究を進めることとする。

2.

方法

(l)対象者不登枕怪験者のきょうだし、

3

名。表

I

3

名の基本データについて記した。

表 1 協力者の基本データ

八氏 [l f¥;  C L(;  :);Ij i'l

十 リ , ( ‑ /

円性 年 齢 I(}{¥臼 ()に1{

下 、 向

20IJIJ

職業 I白;f~!1 A:''!:'1  k:"Ii.Jel

u

不控校折の続抽f

( 1 ) 小 !

':{'I! d および qJ 1.i JJ  .......  l

u

0)1[11ntl1:i  Jj 

(2)

小九秋

不張校j目ItlJ 1':¥ln ql :).;~ )̲)  ① r~li t.!) ).)  ‑りj 司':":lll

(i)i,~ì

当時の協1J舟の

同 日 ① 小

2

t占師(1"I':K

利齢 i1 ι

、 日 ; 点

(?)!

イ 、 ,

1

不張技終結WJ JWiIIi J'10~nlíi

ω 手続き 半構造化面接及び家族イメージ法

(FIT)

、実施時間:

1

名につき

90

分間、調査 期間:2018年 7月" " ' 8 月

( 3 )質問内容各時期における協力者からみた 不登校経験者の様子、協力者からみたその他の 家族の様子、協力者の思い、経験の捉え方

3.

結果と考察

キョウ夕、、イが家族をどのようにみているかを 調査することによって、以下のキョウダイの心 理に影響を与える家族の要因が示唆された。

q d 

o o 

(2)

(I)不登校から生じる問題の親の抱え込み方 不登校に対して両親が一緒に取り組んでし、る 家庭では、不登校から生じる問題を両親問で抱 えることができ、問題がキョウダイにまで及ぶ ことはないが、片方の親が

1

人で、不登校に対し て取り組んでいる家庭では、不登校から生じる 問題を親が抱えきれず、キョウダイにまで影響 が及ぶことが示唆された。

(2)キョウダイに対する親の支え

不登校から生じる問題に影響を受けたキョウ ダイは、不登校に対してさまざまな思いを抱え る。しかし、親は不登校者への対応に追われて おり、キョウダイの精神的な支えになれる余裕 がなく、キョウダイは自身の抱えた思いを自分 の力で処理していくことが示唆された。しかし、

その患いは根本的には解決できておらず、後に なって再び表出することが示唆された。

(説子どもの不登校を体験することによって生 じた親の変化

キョウダイが自身のきょうだいの不登校を体 験するのと同じように、不登校者の親も自身の 子どもの不登校を体験している。その体験を通 して、親は不登校者やキョウダイへの対応を変 化させていき、その変化によってキョウダイが 自身の抱える思いを親に聞いてもらえるなど、

キョウダイにも良い影響を及ぼすことが示唆さ れた。

(必不登校終結以降の親からキョウダイへの不 登校に関する説明

キョウダイは不登校終結以降に親から不登校 に関する話を聞くことで、不登校時は知らなか った不登校者の様一子や、親が感じていた思いを 知り、不登校者や不登校そのものに文すする見方 を変化させていることが示唆された。また、こ の見方の変化は、 不登校はどういう体験だ、った

か"というキョウダイの不登校に対する意味づ けにも影響を与えており、不登校側吉以降に親 からキョウダイへの不登校に関する説明が行わ れることは、キョウ夕、、イが自身の体験に意味を 捉えなおすきっかけにもなると考えられる。

(5)時間の経過に伴う家族に対する印象の変化 不登校終結から時間が経つことにより、キョ ウダイは新たな体験を積み重ねている。キョウ ダイは不登校終結以降の体験によって不登校者 に対する印象を変化させたり、不登校に対して 新たな思いを抱えることが示唆された。不登校 が終結しでもなお、キョウダイは不登校を体験

し続けると考えられる。

40本研究の成果と課題

本研究では、家族の中でも、特に親のあり方 がキョウダイの心理に影響を及ぼすことが示唆 された。母親が1入で不登校から生じる問題を 抱えている場合、キョウダイはそのような母親 をみて自身がf諒見の支えに回ったり、キョウダ イ自身の抱える思いを出せずにいる。そのため、

外的機関による親支援などを通して母親の負担 を和らげることも、キョウダイの適切な支えに もつながると考えられる。

本研究に協力していただいたのは、 3名の 方々である。不登校の実態は多様であることか ら、今後はさらに女橡者を増やしていく必要が ある。また、本研究では協力者確保の困難さか ら、協力者の「生53IJや不登校を低験した年齢、不 登校者との続柄や年齢差、家樹:蕎成、不登校期 間などがさまざまで、あったO キョウダイの条件 によって家族からの影響の受け方が変わるのカミ

どうかをさらに検討していく必要がある。

n u  Q υ  

参照

関連したドキュメント

それでは資料 2 ご覧いただきまして、1 の要旨でございます。前回皆様にお集まりいただ きました、昨年 11

ニホンジカはいつ活動しているのでしょう? 2014 〜 2015

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

いてもらう権利﹂に関するものである︒また︑多数意見は本件の争点を歪曲した︒というのは︑第一に︑多数意見は

〇齋藤会長代理 ありがとうございました。.

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

したがいまして、私の主たる仕事させていただいているときのお客様というのは、ここの足