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JAIST Repository: ハイパワーCO_2レーザ開発におけるリーダーシップ

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

ハイパワーCO_2レーザ開発におけるリーダーシップ

Author(s)

伊藤, 利朗; 永井, 昭夫

Citation

年次学術大会講演要旨集, 2: 74-77

Issue Date

1987-10-16

Type

Presentation

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/5189

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

2 A4 ハイパワー C 0 2

レーザ開発におけるリーダーシップ

伊 藤 村 朗 0 永 井 昭 夫 ( 三菱電機 中央研究所 ) 企業の研究所における 開発の事例から 研究開発におけるリーダーシップのあ り 方を事例研究的に 探ってみる。 1 .

開発事例の背景説明

Ⅲ製品の紹介 ここでは事例として、 昭和 5 0 年頃 から三菱電 俺 研究所で開発に 取り組んだ 大出力 C 0 2 レーザを取り 上げる。

現在この製品は

出力 0 . 5 kW から 2 0 kw の ものまで、 また方式でも、 直流 ( D C ) 放電励起 形 、

高周波無声放電

( S D ) 励起 形 、 D C 一 S D

併用形など多くの 機種のシリーズ

化が進み、 工場における 事業も軌道に 乗り、 企業にいささかの 貢献をし始めた 製品であ る。 (2) 開発着手時の 状況

開発に着手し

始めた 4 0

年代後半にはパワーレーザの 技術はまだまだ

弱体で

当社でもガラス

タイプのレーザで

2 0 0 W の出力を目指したが、 思 う よ う に 出力が出ず、 またビームのフォーカスも 不安定に変動したため、 切断機として

実用にするにはあ まりにも手のかかりすぎる

器械であ った。

このような状況で

はこのレーザは 理科学器械ではあ っても、 産業の道具として 使いこなすには、 ほど違いとれなされても 止むを得なかったが、 この時点で、 当社は産業機械 と して使えるコンパクトで 堅牢なパワーし 一ザの 開発を決断したのであ った。 (3) 開発着手に対する 批判 上に述べた状況下では 組織の周囲から 冷静な批判が 出てくるのも 当然であ っ た 。

レーザ加工なら 利用の分野も

汎用 佳 があ り面白そうだが、

レーザ発振器の

開発は、 これまでの実績も 不足だしリスクが 大きいとの慎重論が 多くあ った。 また、 レーザ発振器の 製作を担当してくれる 工場もこの時点ではまだ 定まらな い ままであ った。 もし開発で挫折でもすれば、 つぶれてしまう 危険性がこの 時 点では多かったといえる。 2 .

開発を成功に 導いた要因

厳しい環境の 中でスタートした 開発ではあ ったが、 リーダーと担当者の 熱意に 支えられて、 やがて開発も 軌道にのり、 次々と壁を突破しながら、 まがりなりに も 開発を成功 裡に 完了することができた。 今の時点で反省を 含めてその要因を 分 析 してみると次のように 要約される。

(3)

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・ り Ⅲ クチ 6% 取 (2) 国家プロジェクト ( 工業技術院大型プロジェクト ) への参画

工業技術院でも 生産高度化とからめて

大出力の加工用レーザの・ 開発を大型 フ ロジヱクト として取り上げることになり、 5 2 年度から 7

年間「超高性能

レ一 ザ 応用校合生産システムの 研究開発」が 発足した。 幸い き ・社もこの プ ロジェク トに 参画でき、 大出力 C 0 2

レーザの開発を 担当すると同時にレーザ

開発のと

りまとめ幹事会社を

引き受けることとなった。 この プ ロ ジ エクトでは、 要素技 術開発、 中間目標 機 開発、 最終目標 機 開発、 実験プラントでの 検証と目標設定 が 明確で、 一歩一歩確実に 成果を積み上げてかくのに 格好の枠組みを 与えてく れた。 また、 ,威信をかけて 他社との競争においてリードすべしとする 緊迫した 状況は、 社内における 批判を押える 上でも大いに 効果があ った。 (3) 技術の壁の突破

開発の過程で 技術の壁に突き 当たることはしばしばであ

る この壁をつき 破

ってどう前進するかによって 開発の成否が 決まるといっても

過言ではない。 こ

こではその代表例として 放電励起の問題を

取り上げ、

事例研究に供する

①直流 ( D C )

グロー放電励起での

放電密度化の

限界 産業応用を目指すコンパクトで 堅牢な装置の 開発を目標にスタートしたこの プロジェクトでは、 レーザガスを 高圧力にし、 かつ封じ切りで 動作させること に 最初の開発のターゲ。 y ト をおいた。 この狙いはあ

るレベルの製品までは

順調 に 開発が進んでいったが、 さらに大出力を 目指して励起放電密度を 上げようと すると放電が 不安定になり、 技術の壁が見え 出してきた。 また、 放電電極の消 耗も顕著となり、 そのメインテナンスにも 手がかかることがわかってきた。 で な う

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(4)

ることができた。 この S D 方式と D C グロ一法との 併用で高放電密度化の 壁を一気に 2 倍程度 まで引き上げることができ、 大型プロジェクトの 最終目標性能を 十分にクリア する装置が開発され、 プロジェクトに 有終の美を飾ることができた。 また、 S D 放電式は単独でもユニーク ケ レーザ発振器として 製品化が進み、 特に出力の パルス制御 桂に伎 れた 装 直として豊富なシリーズ 化が行なわれた。 ㈹工場への技術移転 製作担当工場の 引き受け体制が 未整備のままスタートした 開発も、 大型 プ ロ ジェク ト への参入が決まり、 開発が軌道に 乗るに つ れて、 担当工場が明確にな り 、 体制も整備されていった。

とりわけ強力な

推進力となったのは、 筆者の 一 人 がその工場の 開発責任者として 転勤し、 今度は立場を 代えて工場の 側から 研 空所の力を吸い 上げ、 技術を取り込むという 形で技術移転を 加速していった 点 であ る。 3 ,

事例に見る研究開発リーダーシップ

上に述べた開発を 成功に導いていく 過程での具体的イベントを 管理者のリーダ ーシップという 視点でとらえてみる。 Ⅲ未経験の壁を 破るのはリーダー 課題解決で壁に 突き当たった 場合、 担当者は必ずといっていいほどこれまで のやり方、 部分的な工夫でこれを 越えようとする。 壁が低いとこれでも 多くは 解決するが、 創造 佳 の高 い 朱楼験の壁の 場合にはそ う 甘くはない。 担当者は悪 戦 苦闘すればするほど 泥沼にはまり、 プロジェクト 全体が動揺し

崩壊寸前とな

る 。 これを 運 けるためには、 リーダーは事態を 早くから予測し、

適切な手を事

前に打っておく 必要があ る。 公式、 非公式を向わず、 あ りとあ らゆる人脈をた どって、 知識を収集し、 これを土台に 壁を破る代替 案 をいくつか用意する。 こ の 備えがあ れば壁に迫通しても、

プロジェクトは 新しい方法で 壁を破る努力を

堆 続 できる。 先の例でいえば、 D C

グロー放電の 高電力密度化の

壁に対し、 S D 放電方式を準備したのは、 その好例と い える。 (2] 基礎研究への 深い理解 基礎研究は開発に 先行して行な う 先物研究だけではない。

開発の途上での

壁 の突破にも基本に 立ち返った基礎研究の 重要佳は言をまたない。 常識にとられ れることなく 主体的に考え 抜いて基礎研究に 踏み込んでこそ、 その常識を乗り 越えた果敢な 挑戦ができることを 実例は雄弁に 示してくれた。 (3) ゆるがぬ信念の 持続 特にプロジェクト 立上げの時期、

周辺からの批判その

他に対し、 ゆるがぬ 信 余 でこれを乗り 越えたのは、

リーダーシップの

大きな 発打 であ る。 他からの 意

(5)

見は謙虚に聞くが、 主体的に考え 決断した信俳は 貫き通すというのはリーダ 一 にとって基本要件であ ろう。 産業応用を目指した 高気圧・封じ 切り C 0 2 レ一

ザを 開発するという 一貫した開発目標の 設定もこれと 同類のリーダーシップの

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開か [ 参考文献 ] 伊 藤 : 日本機械学会誌 第 85 巻 第 7 59 号 P . 127 ∼ P , 13 1 ( 昭和 57 )

参照

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