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享保版假名神代紀について(二) : 下巻翻字

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(1)

享保版假名神代紀について(二) : 下巻翻字

著者

杉浦 克己

雑誌名

放送大学研究年報

12

ページ

176(23)-151(48)

発行年

1995-03-30

URL

http://id.nii.ac.jp/1146/00007350/

(2)

享保版假名神代紀について︵二︶

下巻翻字

*1)

杉浦克己

176 (23) 下巻︵第二冊︶ 〈一

¥V

①やまとぶみまきのついでふたつ ②  かみよのしも ③あまてらすおほんがみのみこ、まさやあかっくのはや ④ひあまのおしほみ﹀のみこと、たかみむすびのみこと ⑤のみむすめ、たくはたちゴひめをとりて、あまつひごほ ⑥のに﹀ぎのみことをあれます。かれみおや。たかみむす ⑦びのみこと。ことにめぐしとおぼすみご﹀ろをおきて。 ⑧もてかたてひたし玉ふ。つひにすめみま。あまつひごほの △裏﹀ ①に﹀ぎのみことをたて﹀。もてあしはらのなかつくにの ②きみとせんとおぼす。しかれども、そのくに、さはにほ ③たるびのか︾やくかみ、をよびさはへなすあしきかみ ④あり.また.くさ.き.ことぐく、よくものいふことあり. かれ 放送大学研究年報 第十二号︵一九九四︶︵二十三−四十八︶頁 旨。煽讐巴○暁誓①d巳く興玖什︽○略窪Φ︾FZρ霜︵一8藤︶℃P︵器ム。。︶ ⑤たかみむすびのみこと。やそもろかんたちをめしつどへて、 ⑥とはしての玉はく。あれあしはらのなかつくにの、あしき ⑦ものをはらひむけしめんとおもふ。まさにたれをつかは ⑧さばよけん。ねがはくは、いましもろかんたち、しらんところ ︿二表﹀ ①をなかくしましそ。みなまうさく。あまのほひのみこと ②これかみのすぐれたるなり。こ﹀うみ玉はざるぺけんや。こ︾に ③ふしてもろくのことにしたがひ。すなはちあまのほひの ④みことをもて、ゆいてむけしむ。しかれどもこのかみ、おほ ⑤あなむちのかみにおもねりこびて、みとせになるまで、 ⑥なほかへりことまうさず。かれしきりに、そのこおほせいひ       たいじんこれを いふ うしと ⑦のみくまのうしをつかはす。天人此/二二干志しまたのなはたけみ ⑧くまのうし。これまたかへりて。そのかぞにおもねりて、つひ く二裏﹀ ①にかへりことまうさず。かれたかみむすひのみこと、さら 油放送大学助教授天間の探究︶

(3)

②にもろかむたちをつとへて。まさにつかはすべきものを ③とひ玉ふ。みなまうさく。あまのくにだまのこ、あめわかひ ④こ。これたけきひとなり。こ﹀うみ玉へ。こ﹀にたかみむす ⑤びのみこと。あめわかひごに、あまのかごゆみ、をよぴあま ⑥のはゴやをたまはりて。もてつかはす。このかみまたまめ ⑦ならず、いたりてすなはち。うつしくにだまのむすめ、した ⑧てるひめをとって、[まなのなはたかひめまた/のなはわかくにたま]  よてとゴまりていはく。 ︿三表﹀ ①あれまた、あしはらのなかつくにをおさめんとおもふと。 ②つひにかへりことまうさず。このときに。たかみむすびの ③みこと。そのひさしくかへりことまうしに、まうござる ④ことをあやしみ玉ひ。すなはちな﹀しきじをまたし ⑤てみせ玉ふ。そのきじとびくだりて。あめわかひごが、かどの         しよくこれをいふ  たてると       と ⑥まへにたてる、[植此云二/多底婁乙ゆっかつらのすゑにをれり、[杜  ぼく  これをいふ  木/此云二]   か つ   ら  と      てんたんちよこれをいふ あ   ま の さぐめと ⑦冒・豆/濯︸也]ときにあまのさぐめ御大探女此云二阿/麻能左愚謎﹄  みて、あめわか ⑧ひごにまうしていはく。めづらしきとりきたりて。かつらの く三裏﹀ ①すゑにおりぬ。あめわかひこ、すなはちたかみむすびのみ ②ことの玉ひし。あまのかごゆみあまのはゴやをとりて、きじ ③をいてころしつ。そのや。きじのむねをとほりて、たかみむ ④すびのみことのましますまへにいたる。ときにたかみ ⑤むすびのみこと、そのやをみそなはしての玉はく。このや ⑥はすなはちいんさき、わが。あめわかひごに玉ひしゃなり。 ⑦ち。ちそのやにぬれり。けだしくにつかみと。あひた﹀かひて ⑧しかるや。こ﹀にやをとりて、かへしてなげおろし又ふ。その ︿四表V ①やおちくだり、すなはちあめわかひごがたかむなさきに ②たちぬ。ときにあめわかひご。にはなひして。ねふせるとき ③なり。やにあたりて、たちどころにかくれぬ。これひとのいは ④ゆる。かへしやいむべしといふことのもとなり。あめわかひご ⑤がつましたてるびめ、なきかなしふごゑ、あめにきこゆ、この ⑥ときにあまのくにだま、そのおらぶをき﹀て、すなはち ⑦かのあめわかひこ、すでにかくれたることをしりて。すな ⑧はちはやちをやりて、かばねをあげあめにいたさしむ。 ︿四裏﹀ ①すなはちもやをつくりてもかりす、すなはちかはがりを ②もてきさりもち。をよびは﹀きもちとし。[あるにいはく。には/とり  をもてきさ] ③[りもちとし。かはがりを/もては﹀きもちとす、]またすゴめをもて  つきめとす。ロめるに/いはく。] ④[すなはちかはがりをもてきさりもちとし。または﹀きもちとし。そび  を/もてものまさとし。すゴめをもてつきめとし。さ﹀きをもてなきめ  とし。] ⑤[とびをもてわたつくりとし。からすをもてし﹀びと/とす。すべても  ろくのとりをもてことよざす]しかうしてやうかやよ、 ⑥なきかなしひしたふ。これよりさき、あめわかひご。あしはら ⑦のなかつくに﹀ありしとき。あぢすきたかひこねのかみと        びしこれをいふ  あぢすきと ⑧うるはし。[味紹此云二/姻風脚岐しかれあぢすきたかひこねのかみ。  あめ

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享保版假名神代紀について(二 174 (25) ︿五表﹀ ①にのぼりてもをとふらふ。ときにこのかみのかたち。まさに ②あめわかひこの、いけりしときのよそほひににたり。かれ ③あめわかひこのち﹀は﹀。うからやから、めこ、みなおもはく、 ④あがしなぎはなほましくけりといひて。ころもひもに ⑤よちか﹀り。かつよろこび、かつまどふ。ときにあぢすき ⑥たかひこねのかみ、いかりおもほでりしていはく。ともが ⑦きのみちことわり。むべあひとふらふ。かれけがらはしき ⑧をはゴからずして。とほうよりきかなしふ。なんすれぞ、 ︿五裏﹀ ①われをむなしきひとにあやまつといひて、そのはかせる        げいこれをいふ かりと ②おほはがりをぬきて、[刈偉功二言里一またの/なはかんとのつるぎ]も  てもやをきり ③ふせつ。これすなはちおちてやまとなる、いまみの﹀くに、 ④あゆみのかはかみにある。もやまこれなり。ひと、いけるひと ⑤をもて、まかれるひとにあやまつことをいむ。これそのこと ⑥のもとなり。この﹀ちに、たかみむすびのみこと。さらに ⑦もろかむたちをつどへて。まさにあしはらのなかつくに ⑧に。つかはすべきものをえらひ玉ふ。みなまうさく、いはさく <六表﹀   ばんれつこれをいふ  いはきくと ①[磐裂此云二/以簸婆箋るねさくのかみのこ、いはつ﹀を、いはつ﹀  めのあれま         けいしんこれを  いふ ふっと ②せるこ、ふつ 纒津此/云二国都しぬしのかみ。これよけん。ときに  あまの ③いはやにすむかみ、いつのをばしりのかみのこ。みかのはや ④ひのかみ、みかのはやひのかみのこ、ひのはやひのかみ、 ⑤ひのはやひのかみのこ、たけみかつちのかみます。このかみ、 ⑥す﹀みてまうさく、あにたゴ。ふつぬしのかみのみ、ひとり ⑦ますらをにして、やつかれはますらをにあらずや。その ⑧ことばいきざしはげし。かれもてすなはち、ふつぬしの く六裏﹀ ①かみにそへて、あしはらのなかつくにをむけしむ。ふたはしら ②のかみ。こ﹀にいつものくにのいださのをばまにあま ③くだりまして、とっかのつるぎをぬきて、さかしまにつちに ④つきたて﹀。そのさきにうちあぐみにるて、おほあなむち ⑤のかみにとひての玉はく。たかみむすびのみことすへみま ⑥ごをくだしまつりて、このくに﹀きみとし玉はんとおぼす。 ⑦かれまつわれふたはしらのかみをつかはして、はらひしづめ ⑧しむ。いましのこ﹀ろいかん。さりまつらんや。いなや。ときにお ︿七表﹀ ①ほあなむちのかみ、こたへてまうさく。まさにわがこにとふ ②て、しかうしてのちに、かへりことまうさん。このときに、その        さんすい  これをいふ ③こことしろぬしのかみ。あるきて、いつものくにみほ[三穂/此云L  み   ほと ④美/保しのさきにあり。つりするをもてわざとす。あるにいはく ⑤とりのあそびするをわざとす。かれくまののもろたぶね ⑥をもて[またのなはあ/まのはとふね]つかひいなせはぎをのせて。や  りて ⑦たかみむすびのみことのりを。ことしろぬしのかみに ⑧いたし。かつはかへりことまうさんことばをとふ。ときに 毛裏﹀ ①ことしろぬしのかみ、つかひにかたりていはく。いまあめ ②のかみ、このとひ玉ふみことのりあり、わがかそよろし

(5)

③くさりまつり玉ふべし。あれまたたがひまつらじ。よて        さいこれをいふ   ふしと ④うみのなかに、やへあをふしがきをつくりて[柴此云一/府逐一]       せんせゑこれをいふ  ふなのへと ⑤ふなのへをふんで[七言此書目/浮那能倍しさんぬ。つかひすでにか  へりて、 ⑥かへりことまうす。かれおほあなむちのかみ、すなはちそ ⑦のこのまうすことをもて、ふたはしらのかみにまうして ⑧の玉はく。あがたのめしこだにも、すでにさりまつりぬ。 ︿八表﹀ ①かれあれまたさりまつるべし。もしあれほせがましかば、 ②くにのうちのもろかんたち、かならずまさにおなじく ③ほせぎてん、いまあれさりまつる。たれかまた、あへてま ④つろはぬものあらんといひて。すなはちくにむけしとき ⑤につけりし、ひろほこをもて、ふたはしらのかみにさづ ⑥けたてまつりての玉はく。あれこのほこをもて、つひにご ⑦となせることあり。あめみま。もしこのほこをもちひて。 ⑧くにをおさめ玉はゴ、かならずさきくましまさん、いまあれ ︿八裏﹀        くわいこれをいふ   くまちと ①まさにも﹀たらぬやそくまちにかくれなん。[隈此云二/矩磨塑しいひ ②をはりてつひにかくれましぬ。こ﹀にふたはしらのかみ、もろ ③くのまつろはぬかむたちをつみなふて、[あるにいはく。ふたは/し  らのかみ、つひに] ④mあしきかみ。をよびくさきいはのたぐひをつみなふて。みなすでにむ  けを/はんぬ。そのうへなはぬもの。たゴほしのかみかゴせをのみ。か  れまたしつり] ⑤[がみたけはっちのみことをつかはせは、すなはちうへなひぬ。かれふ        わぶんしんこれをいふ  し つ り がみと  たはしらの/かみ。あめにのぼる。倭文神此面二身国営俄号し ⑥つひに。もてかへりことまうす。ときに、たかみむすびのみ ⑦こと。まどこおふふすまをもて、すへみま、あまつひこほの ⑧に︾ぎのみことにおほひて、あまくだりまさしむ。すへみま、 ︿九表﹀        てんはんざこれをいふあ まのいは ①すなはち、あまのいはくらをおしはなち、実磐座証果二阿/麻能以簸  くらと

矩羅L

②またあめのやへぐもをおしわけ、いつのちわけにちわ ③きて、ひふがの。そのたかちほのだけに、あまくだります。 ④すでにして。すへみまいでますかたちは.すなはちくしひ ⑤のふたがむの。あまのうきはしょり。うきにまりたひら        りうお ふしよざいへいしょこれをいふ う き   に ま り た ひ ら に た たしと ⑥にた﹀して。笠於浮寒期平庭此云二羽企/爾磨豪雨蹴遷而陀陀志しそ  じ﹀のむなく        とんきうこれをいふ ひたをと  べき  こくこれをいふ く ⑦にを、ひたをからくにまぎとほり、[頓丘此云二毘陀鳥︸寛/國此云一矩  に ま ぎとかう  武磨儀一行]   きよこれをいふ  とほると ⑧雲此云二/身褒屡こあだのながや、かさ﹀のみさきにいたります、  そのくに く九裏﹀ ①にひとあり。みつからことかつくにかつながさとなのる。 ②すへみまとひての玉はく、くにありゃ、いなや、こたへてまう ③さく、こ﹀にくにあり。こふみご﹀ろのま︾にみたせ。かれ ④すへみまついてとゴまります。ときにそのくに﹀。をとめ ⑤あり。なをば、かあしつひめといふ。[またのなは、かみあだつひめ。  また/のなは。このはなさくやひめ。] ⑥すへみま、このをとめにとふての玉はく。いましはたがむす ⑦めそや。こたへてまうさく。やつこはこれ、あめのかみ、おほ ⑧やまつみのかみをめとりて。うめるところのこなり。すへ

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享保版假名神代紀について(二) 172 (27) ︿十表V ①みまよてめす。すなはちひとよにしてはらみぬ。すへみま、 ②いつはりならんとおぼしての玉はく。またあめのかみと ③いふとも。なんぞよくひとよのからに、ひとをしてはらま ④せんや。いましがはらめる、かならずあがこにあらじ。かれ ⑤かあしつひめ、いかりうらみまつり。すなはちうつむろを ⑥くつり。そのなかに、こもりて、うけひていはく。やつこはら ⑦める。もしあめみまのみこにあらずは。かならずまさに ⑧やけほろびん。もしまことにあめみまのみこならば、ひも △十裏﹀ ①そこなふことあたはじ、すなはちひをつけてむろをやく。 ②はじめておこる、けふりのすゑより。なりいつるみこを。ほの        くは  らんがう ③すそりのみこと﹀なつく、[これはいとらがとほつおやなり。火/閲降  これをいふ ほ の す そりと  此云二褒皇女素里しつぎ ④にほとほりをさけてみたるときに。なりいつるみこを、 ⑤ひごほ﹀でみのみこと﹀まうす。つぎになりいつるみこ ⑥を、ほのあかりのみこと﹀なつく[これ。をはりのむらじ/らがとほつ  おやなり。]すべて ⑦みはしらのみこます。ひさしくましくて。あまつひごほの ⑧に﹀ぎのみこと。かみあがりましぬ。よてつくしのひふが 全⊥表V      かあいこれを  いふ えと ①のえの冒愛此/云レ埃]みさゴきにをさめまつる。 ②あるふみにいはく。あまてらすおほんがみ。あめわか ③ひごにみことのりしての玉はく。とよあしはらのなかつ ④くには。これあがこのきみたるべきくになり。しかるを ⑤おもんみるに。ちはやふるあしきかみどもあり。かれい ⑥まし。まづゆきてむけよとの玉ひて。すなはちあまの ⑦かごゆみをよぴあまのまかごやをたまひてつかはす。 ⑧あめわかひご。みことのりをうけてくだりて。さはに く十一裏﹀

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くにつがみのむすめをとりて、やとせになるまで。かへり ことまうさず。かれあまてらすおほんがみ。すなはちおもひ がねのかみをめして。そのまうこざるかたちをとひ玉ふ。 ときにおもひがねのかみ、おもふてまうしてまうさく。 よろしくまた。きじをつかはしてとひ玉ふべし。こ﹀に かのかみのはかりごとにしたがひ。すなはちきじをつ かはして、ゆきてみせしむ。そのきじとびくだりて。あめ わかひごがかどのまへの。ゆっかつらのきのすゑに △十二表﹀

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みて。なきていはく。あめわかひこ、なんのゆゑそやとせ のころ。いまだかへりことまうさぬ。ときにくにつがみあり。 あまのさぐめとなつく。そのきじをみていはく。ねなき あしきとり。このきのうへにをりぬ。いころしつべし。あめ わかひご。すなはちあめのかみの玉ひし。あまのかごゆみ。 あまのまかごやをとりて。すなはちいころしつ。すなはち やきじのむねをとほりて。つひにあめのかみのみもとに いたる。ときにあめのかみ。そのやをみそなはしての玉はく。 全i二裏﹀ ①これいんさき。あがあめわかひこにたまひしやなり。 ②いまなにのゆゑに。きたらんとの玉ひて。すなはちや ③をとりてほぎての玉はく。もしきたなきこ﹀ろをもて ④いば。すなはちあめわかひご、かならずまじこれなん。 もし

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⑤きよきこ﹀ろをもていば。すなはちさきくあらん。よて ⑥かへしすて玉ふ。すなはちそのやおちくだりて。あめわ ⑦かひごが。たかむなさかにたちぬ。よてもてたちどこ ⑧うにかくれぬ。これひとのいはゆる。かへしやいむべしと く十三表﹀

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いふことのもとなり。ときにあめわかひこがめこども。 あめよりくだりきたりて、かばねをもてのぼりゆきて。 あめにもやをつくりて。もかりしなく。これよりさき あめわかひこ、あぢすきたかひこねのかみとうる はし。かれあぢすきたかひこねのかみ。あめにのぼり てもをとふらひみなきす。ときにこのかみ。かたちおの つから。あめわかひこと、ひとしくあひにたり。かれあめ わかひごがめこたち。みてよろこびていはく。あがし 全⊥二裏﹀

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なぎは、なほましくけりと。ころもひもによちか﹀り。 おしはなつべからず。ときにあぢすきたかひこねの かみ。いかりていはく。ともがきうせたり。かれわれすなはち、 きとふらふ。いかんぞ。まかるひとをあれにあやまつやと いひて。すなはちとっかのつるぎをぬいて。もやをきり たふす。そのやおちてやまとなる。これすなはちみの のくにの。もやまこれなり。ひとまかれるひとをもて。 おのれにあやまつことをいむ。これそのことのもとなり。 ︿十四表﹀ ①ときにあぢすきたかひこねのかみ。てりうるはしく ②して。ふたをふたたにのあひだに、てりか﹀やく。かれもに ③つどへるひと。うたよみしていはく。あるにいはくあぢ

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すきたかひこねのかみのいうと。したてるひめつどへる ひとをして。をたに﹀。てりか﹀やくは、これあぢすきたか ひこねのかみとしらしめんとおもふ。かれうたよみし ていはく。あもなるや。をとたなぼたの。うながせる。 たまのみすまるの。あなたまはやみ。たにふたわた 全一四裏﹀

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らす。あぢすきたかひこね。またうたよみしてい はく。あまさかる。ひなつめの。いわたらすせど。いし かはかたふち。かたふちに。あみはりわたし。めよろし に。よしょりこね。いしかはかたふち。このふたうたは。 いまひなぶりとなつく。すでにして。あまてらすお ほんがみ。おもひがねのかみのいうと。ようつはた とよあきつひめのみことをもて。まさやあかっく のはやひあまのおしほみ﹀のみことにあはせて。 ︿十五表﹀

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みめとして。あしはらのなかつくに﹀。あまくだりまさ しむ。このときに。かつのはやひあまのおしほみ﹀の みこと。あまのうきはしにた﹀して。ほぜりての玉 はく。そのくにはさやげり。いなかぶし。しこめきくに かとの玉ひて。すなはちさらにかへりのぼりて。つぶ さにあまくだりまさゴるかたちを。まうし玉ふ。かれ あまてらすおほんがみ。またたけみかつちのかみ。 をよびふつぬしのかみをまたして。まづゆいて 全−五裏﹀ ①はらはしむ。 ②あまくだり。 ときにふたはしらのかみ。いつものくに﹀ すなはちおほあなむちのかみにとひて

(8)

享保版假名神代紀について(二) 170 (29)

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の玉はく。いましこのくにをもて。あめのかみにたて まつらんやいなや。こたへてまうさく。あがこ。ことしろ ぬしとりのあそびして。みつのさきにあり。いまま さにとひてもてかへりことまうさん。すなはちつかひ をまたしてとふ。こたへてまうさく。あめのかみのこひ玉ふ ところ。なんぞたてまつらざらんや。かれおほあなむち ︿十六表﹀

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のかみ。そのこのことばをもて。ふたはしらのかみに かへりことまうす。ふたはしらのかみ。すなはちあめに のぼり。かへりことまうして。まうさく。あしはら のなかつくには。みなすでにむけをはんぬと。ときに あまてらすおほんがみ。みことのりしての玉はく。もし しからば。まさにあがこをあまくだしまつるべし。また くだしまさんとすまるに。すへみま。すでにうまれ 玉ふ。みなを。あまつひごほのに﹀ぎのみこと︾まうす。 ︿十六裏﹀

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ときにまうすことありての玉はく。このすへみまを もて。かへてくだしまさんとおもふと。かれあまてらす おほんがみ。すなはちあまつひこほのに﹀ぎのみこ とに。やさかにのまがたま。をよびやたのかゴみ。くさ なぎのつるぎ。みくさのたからものをたまふ。また なかとみのとほつおや。あまのこやねのみこと。いむ へのとほつおや。ふとだまのみこと。さるめのとほっおや。 あまのうすめのみこと。かゴみつくりのとほつおや。 ︿十七表﹀ ①いしこりどめのみこと。 たますりのとほつおや。たま

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やのみこと。すべていっともなふのかみたちをもて。 そへはんべらしむ。よてすへみまにみことのりして の玉はく。あし億らのちいほあきのみつほのくには。 これあがうみのこのきみたるべきくになり。よろし くいましすへみままいでましてしろしめすべし。さき く。あまつひつぎのさかへまさんこと。まさにあめつち と。きはまりなかるべし。すでにしてあまくだりま △十七裏﹀

@@@@@@@o

さんとするところに。みさきぼらいのかみ。かへりてま うさく。ひとりのかみあり。あめのやちまたにをれり。 そのはなのながさな﹀あた。そびらのながさな﹀ひろ あまり。まさにな﹀ひろといふべし。また。くち、かくれ。 かりてれり。まなこは、やたのかゴみのごとくにして。 てりか﹀やけること。あかかゴちににたり。すなはち みもとのかみをまたして。ゆいてとはしむ。ときに やそようつのかみたちあり。みなまがちてあひとふ △十八表﹀

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ことをえず。かれことに。あまのうすめにみことのり しての玉はく。いましはこれ、ひとにまがてるかみ なり。よろしくゆいてとふべし。あまのうすめ。すなは ちそのむなぢをあらはにして。もひもを。ほその したにおしたれ。あざわらひてむかひたつ。このとき。 ちまたのかみとふての玉はく。あまのうすめ。いまし かくすることは、なんのゆゑそや。こたへてまうさく。 あまてらすおほんがみのみこ。いでまするみちに。 ︿十八裏﹀ あ

(9)

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かくをることあるはたそや。あへてとふ。ちまたのかみ こたへての玉はく。あまてらすおほんがみのみこ。いまいで ますべしとき﹀たてまつる。かれむかへたてまつりて あひまつ。あがなはこれさるたひこのおほんがみ。ときに あまのうすめ。またとひてまうさく。いましまさにあれに さきだちてゆかんや。はたわれ、いましにさきだちてゆ かんや。こたへての玉はく。あれさきだちてみちひらき ゆかん。あまのうすめ、またとふてまうさく。いましは 全−九表﹀

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いっこにいたりまさんそや。すへみまいつこにいたりま さんそや。こたへての玉はく。あめのかみのみこは。まさに。 つくしのひふがの。たかちほのくしふるのだけにいたり ますべし。あれはいせのさながたのいすゴのかはかみにい たるべし。よての玉はく。あれをあらはしつるものはいま しなり。かれいまし。もてあれをおくりていたすべし。あ まのうすめ。かへりまうでかへりことまうす。すへみま こ﹀にあまのいはくらををしはなち。あめのやへぐもを 全−九裏﹀

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おしわけ。いつのちわけにちわけて。あまくだります。つ ひにさきにちぎりしごとく。すへみますなはちつくしの ひふがの。たかちほのくしふるのだけにいたります。その さるたひごのかみは。いせのさながたのいすゴのかはかみに いたります。すなはちあまのうすめのみこと。さるたひご のかみの。こはしのまにく。つひのもてあひおくる。ときに すへみま。あまのうすめのみことにみことのりすらく。いまし ょろしく。あらはしつるかみのなをもて、かばねとすべし。 ︿二十表﹀

@@@@@@@o

よてさるめのきみのなをたまふ。かれさるめのきみら のをとこをんな。みなよんできみとす。これそのことの      かうけうこれをいふ た か む なさ  かと  はけいやこれをいふ かぶしと もとなり。議員胸此云二輪歌武郷婆/歌⋮頗傾也此云二歌集志し あるふみにいはく。あめのかみ、ふつぬしのかみ。たけみ かつちのかみをまたして。あしはらのなかつくにをしづ めしむ。ときにふたはしらのかみまうさく。あめにあし きかみあり。なをあまつみかぼしといふ。またのなは あまのかゴせを。こふまつ。このかみをつみなふて。しかう く二十裏﹀

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してのちにくだりて。あしはらのなかつくにをはらはん。 このときに。いはひのかみを。いはひのうしとまうす。 このかみ。いまあづまのかんとりのくに﹀ます。すでに して。ふたはしらのかみ。いつものいださのをばまに あまくだりて。おほあなむちのかみにとふていはく。い まし。まさにこのくにをもて。あめのかみにたてまつ らんや。いなや。こたへてまうさく。うたがはし。いまし ふたはしらのかみ。これあがもとにきませるにあらじ。 ︿二十︸表﹀

@@@@@@o

かれゆるすべからすと。こ﹀にふつぬしのかみ。かへりの ぼりて。かへりことまうす。ときにたかみむすびのみ こと。すなはちふたはしらのかみをかへしつかはし。お ほあなむちのかみに。みことのりしての玉はく。いま。 いましがまうすことをきくに。ふかくそのことわりあり。 かれさらにをちくにしてみことのりし玉ふ。それい ましがしれるあらはにのことは。よろしくこれ。すへみま

(10)

享保版假名神代紀について(二) 168 (31) ⑧しらすべし。 ︿二十工畏﹀

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いましは。もてかみのことをしるべし。また いましは。あまのひずみのみやにすむべし。いまつくり まつらんこと。すなはちちひろのたくなはをもて。ゆひても﹀ むすびあまり。やそむすびにせん。そのみやをつくる のりは。はしらはたかくふとく。いたはひろくあつく せん。またみたつくらん。またいましが。かよひてうみに あそばんそなへのために。たかはしうきはし。をよぴ あまのとりぶねまたっくらん。またあまのやそがはに。 またうちはしつくらん。またも﹀ぬひあまり。やそぬ く二十二表﹀

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ひのしらたてつくらん。またいましがまつりをつかさ どらんものは。あまのほひのみことこれなり。こ︾に おほあなむちのかみ。こたへてまうさく。あめのかみ。 の玉ふことかくねんごろなり。あへておほせごとにした がはざらんや。あがしれる。あらはにのことは。すへみま。 さにしろしめすべし。あれはまさに。しりぞいてかくれ たることをしらん。すなはちふなどのかみを。ふたはし らのかみにす﹀めてまうさく。これまさにあれにかはり ︿二十二裏﹀

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てっかふまつるべし。あれまさにこれよりさりなんと いひて。すなはちみにみつのやさかにをおひて。ながく かくれましき。かれふつぬしのかみ。ふなどのかみを もて。くにのみちびきとしめぐりつ﹀たひらぐ。した がはぬものあるをば、すなはちまたころし。まつろふ ひとをば。しきりにまたほむ。このときに。まつろふひ ま ⑦とこのかみ。 ⑧ ぬしのかみ。 ︿二十三表﹀

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おほものぬしのかみ。をよびことしろ すなはちやそようつのかみを。あまの たけちにあつめ。ひきみてもてあめにのぼりて。 そのまことのいたりをまうす。ときにたかみむすび のみこと。おほものぬしのかみに、みことのりすらく。 いまし。もしくにつがみをもてつまとせば。あれ。なほ いましを。うときこ﹀ろありとおもはん。かれいま。あが むすめ。みほつひめをもて。いましにあはせてつまと せん。よろしくやそようつのかみたちをひきみて。 ひたふるに。すへみまのためにまもりまつるべしと く二十三裏﹀

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の玉ひて。すなはちかへりくだらしむ。すなはちきの くにの。いむべのとほつおや。たおきほおひのかみを もて。さだめてかさぬひとし。ひごさちのかみを。たて ぬひとし。あまのめひとつのかみを。かなだくみとし。 あまのひわしのかみを。ゆふっくりとし。くしあかる だまのかみを。たますりとす。すなはちふとだまの みことをして。もてよはがひなに。ふとだすきをとり かけ。みてしろにして。もてこのかみをまつらしむるは。 ︿二十四表﹀

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めてこれよりおこれり。またあまのこやねのみことは。 かみのことのみもとをつかさどるかみなり。かれふ とまにのうらをもて。つかへまつらしむ。たかみむすび のみこと。よてみことのりしての玉はく。あれは。あまつ ひもろぎ。をよぴあまついはさかをおこしたてて。ま はじ

(11)

⑥さにすへみまのためにいはひまつらん。いましあま ⑦のこやねのみこと。ふとだまのみこと。むべあまつひ ⑧もろぎをたもちて。あしはらのなかつくに﹀くだりて。 ︿二十四裏﹀

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またすめみまのためにいはひまつれ。すなはちふた はしらのかみをして、あまのおしほみ﹀のみことに そへて。もてくだしまさしむ。このときに。あまてらす おほんがみ。みてにたからのかゴみをもち玉ひ。あま のおしほみトのみことにさづけまつりて。ほぎての 玉はく。あがこ。このたからのかゾみをみまさんこと。ま さにあれをみるがごとくすべし。ともにみゆかをおな じくし。みあらかをひとつにして。もていはひのかゴみ ︿二十五表﹀

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とすべし。またあまのこやねのみこと。ふとだまのみ ことにみことのりすらく。ねがはくは。いましふたはしら のかみ。またおなじく。みあらかのうちにさふらひて。 よくほせぎまもることをなせ。またみことのりして の玉はく。あがたかまのはらにきこしめすゆにはのい なぼをもて。またあがこのまかせまつる。すなはち。 たかみむすびのみことのみむすめ。みなは。ようつはた ひめをもて。あまのおしほみ﹀のみことにあはせて。 ︿二十五裏﹀ ①みめとして。あまくだしまつらしむ。かれときに。おほぞ ②らにる玉ひてみこをうみ玉ふ。あまつひごほのに﹀ ③ぎのみこと︾まうす。よてこのすへみまをもてかその ④みことにかへて。あまくだしまつらんとおぼす。かれあま ⑤のこやねのみこと。ふとだまのみこと。をよびもろとも ⑥なふのかみたちをもて。こと酒\くみなあひさつく。また ⑦みぞつものひとへにさきのま﹀にさづけ玉ふ。しかう ⑧してのち。あまのおしほみ﹀のみこと。あめにかへり云ふ。 ︿二十六表﹀

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かれ。あまつひこほのに﹀ぎのみこと。ひふがの。くしひの たかちほのだけにあまくだりまして。そじ﹀のむなぞふ くにを。ひたをからくにまぎとほり。うきにまりたひ らにた︾して。すなはちくにのあるじ。ことかっくに かつながさをめしてとひ玉ふ。こたへてまうさく。こ︾に くにあり。ともかくもおほんことのまにく。ときにすへ みま。よてみやをたてこ﹀にやすみます。のちにうみ べたにいでまして。ひとりのをとめをみそなはす。すへ ︿二十六富畏﹀

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みまとふての玉はく。いましはこれたがむすめそや。 こたへてまうさく。やつこはこれおほやまつみのかみ のむすめ。なはかみあだかあしつひめ。またのなはこの はなさくやひめ。よてまうさく。またやつこがいうね いはながひめはんべり。すへみまの玉はく。あれいまし をもてつまとせんとおもふいかん。こたへてまうさく。 やつこがかぞおほやまつみのかみはんべり。こふもて とひ玉へ。すへみまもておほやまつみのかみにかた く二十七表﹀ ①りての玉はく。あれ。いましがむすめをみそなはす。 ②もてつまとせんとおもふ。こ︾におほやまつみの ③かみ。すなはちふたりのむすめをして。も﹀どりのつ

(12)

享保版假名神代紀について(二) 166 (33)

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くゑものをもたしてたてまつらしむ。ときにすへ みま。いうねはみにくしとおほして。めさずしてまげ 玉ふ。いうとはかほよしとおぼして。めしてみとあたへ ます。すなはちひとよにしてはらみぬ。かれいはながひめ。 おほきにはちて。とこひていはく。たとひあめみま。 ︿二十七裏﹀

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やつこをしりぞけ玉はずしてめさましかば。うめらん みこ。みいのちながふして。ときはかきはのごとくに。とき はにまったからまし。いますでにしからず。たゴいうと ひとりめせり。かれそのうめらんみこ。かならずこのはな のあまひにちりおちなん。あるにいはくいはながひ めはちうらみて。つばきいざちていはく。うつしきあを ひとくさ。このはなのあまひにしばらくうつろひて おとろへなん。これ。ひといのちみちかきことのもと ︿二十八表﹀

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ぞひとよにひとをしてはらませんや。はたあがこ の﹀玉はく。またあめのかみのみこといふとも。いかん はらめり。わたくしにもてうみまつるべからず。すへみま たてまつりてまうさく。やつこ。あめみまのみこを なり。この﹀ち。かみあだかあしつひめ。すへみまをみ にあらざるか。このはなさくやひめ。はなはだもてはち うらみて。すなはちうつむろをつくりて。うけひて いはく。やつこはらめる。これもしあだしかみのこならば。 ︿二十八裏﹀ ①かならずさひはひなけん。これまことにあめみまの ②みこならば。かならずまさにまたくいき玉へといひて。 ③そのむろのうちにいりて。ひをつけてむろをやく。 ④ときに。ほのほはじめておこるときにともにみこを ⑤ うむ。ほのすそりのみこと﹀なつく。つぎにひのさ ⑥かんなるときに。みこをうむ。ほのあかりのみこと﹀ ⑦なつく。つぎにみこをうむ。ひごほ﹀でみのみこと﹀        さいしゅこれをいふ い はひと   けんろ ⑧まうす。またのみなはほのさきのみこと。[齋主此云二伊幡毘︸/顕露  これをいふあらは  此云二阿羅幡] ︿二十九表﹀

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 にと さいていこれを いふ  ゆ にはと 試 仁心此/云二蹄戴波乙 あるふみにいはく。はじめはじめほのあかるときに。うめるみこ。 ほのあかりのみこと。つぎにほむらさかんなるときに。 うめるみこ。ほのす︾みのみこと。またほのすそり のみこと﹀いふ。つぎに。ほむらさるときに。うめる みこ。ほのさきひごほ﹀でみのみこと。すべてこのみ はしらのみこ。ひもそこなふことあたはず。をよび いろは。またすこしもそこなふところなし。ときに。 ︿二十九裏﹀

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あおびえをもて。そのみこの。ほそのを︾きる。その すてしあをびえ。つひにたかはらとなる。かれその ところをなづけて。たかやといふ。ときにかみあだか あしつひめ。うらへだをもて。なづけてさなだといふ。 そのたのいねをもて。あまのたんざけをかみてには なひす。またぬなだのいねをもて。いひにしてには なひす。 あるふみにいはく。たかみむすびのみこと。まどこお く三十表﹀

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ほふふすまをもてあまつひこくにてるひごほのに にぎのみことにきせまつり。あまのいはとをひきあけ。 あめのやへぐもをおしわけて。もてあまくだります。 ときにとものむらじのとほつおや。あまのおしひの みこと。くめべのとほつおや。あまのくしづおほくめ をひきみて。そびらに。あまのいはゆきをおひ。たゴ むきに。いつのたかがらをはき。てに。あまのはじゆみ。 あまのはゴやをとり。をよびやつめのかぶらをとりそへ ︿三十裏﹀

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またかふつちのつるぎをはきて。あめみまのみさ きにたち。ゆきくだりて。ひふがの。そのたかちほの くしひのふたがんのだけあまのうきはしにいたりて。 うきにまりたひらにた﹀して。そし﹀のむなくにを。 ひたをからくにまぎとほり。あだのながやかさ﹀の みさきにいたります。ときに。そこにひとりのかみ あり。なを。ことかっくにかつながさといふ。かれあめ みまそのかみにとひての玉はく。くにありゃ。こたへて ︿三十一表﹀

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まうさく。あり。よてまうさく。おほんことのまにくたて まつらん。かれあめみまそこにとゴまり玉ふ。そのこと かっくにかつのかみは。これいざなぎのみことのみこ なり。またのなはしほっ﹀のをぢ。 あるふみにいはく。あめみま。おほやまつみのかみのむす め。あだかあしつひめをめす。すなはちひとよにはらみぬ。 つひによはしらのみこをうむ。かれあだかあしつひめ。 みこをいだいてす﹀んでまうさく。あめのかみのみこを。 ︿三十一裏V

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むしろ。もてわたくしにひたしまつるぺけんや。かれあり さまをまうしてきこゑしむ。このときに。あめみまそ のみこたちをみそなはして。あざわらひての玉はく。あ なにゑやあがみこたち。き﹀よくもあれませるかな。 かれあだかあしつひめ。すなはちいかりての玉はく。なん それぞ。やつこをあざけり玉ふや。あめみまの﹀玉はく。 こ﹀うにうたがはし。かれあざける。いかんとなれば。また あめのかみのみこといふとも。あによくひとよのからに。 ︿三十二表﹀

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ひとをしてはらませんや。まことにあがこにあらじ。こ﹀を もてあだかあしつひめ。ますくうらみて。うつむろを つくりて。そのなかにこもりて。うけひての玉はく。やつこ はらめる。もしあめのかみのみこにあらずは。かならずや けうせん。これもしあめのかみのみこならば。そこなはる ることなからん。すなはちひをつけてむろをやく。その ほのはじめあかるときに。ふみたけびいつるみこ。みつ からなのる。あれはこれあめのかみのみこ。なは。ほの く三十一=畏﹀

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あかりのみこと。あがかぞいっこにましますそや。つぎに ほのさかんなるときに。ふみたけびいつるみこ。また なのる。あれはこれあめのかみのみこ。なは。ほのす﹀み のみこと。あがかぞ。をよびいうね。いっこにましますや。 つぎに。ほのほしめるときに。ふみたけびいつるみこ。 またなのり玉はく。あれはこれあめのかみのみこ。なは ほのさきのみこと。あかかぞ。をよびいうねたち。いつ

(14)

享保版假名神代紀について(二) 164 (35) ⑧こにましますや。 ︿三十三表﹀

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つぎに。ほとほりをさるときに。ふみ たけびいつるみこ。またなのり玉はく。あれはこれあめ のかみのみこ。なはひごほ︾でみのみこと。あがかぞ。を よびいうねたち。いっこにましますや。しかうしてのち。 いろはあだかあしつひめ。もえくひのなかよりいで﹀。 ゆいてことあげしての玉はく。やっこうめるみこ。を よびやつこがみ。おのつからひのわざはひにあへども。 すこしもそこなふところなし。あめみま。あにみそ なはしつや。こたへての玉はく。あれはじめより。これ ︿三十三裏﹀

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あがこなりとしりぬ。たゴひとよにしてはらめり。う たがふものあらんとおもひて。ひとをして。みなこれあが みこ。ならびにまた。あめのかみ。よくひとよにして。は らましめしことを。しらしめんとおもひ。またいまし。 くしひにあやしきかしこさあり。みこたちまた。ひと にすぐれたるいきあることをあかさんとおもふ。この        しこれをいふ  は  じと こゑはしいの ゆゑに。さきのひのあざけることばありき。n施急心二等/茸一音之移] かへしとうついこれをいふ か ふ つ  ちとらうをうこれをいふ をちと [反頭槌此面二箇歩豆/智 老翁此分二鳥臓る ︿三十四表﹀

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あるふみにいはく。あまのおしほねのみこと。たかみ むすびのみことのみむすめたくはたちゾひめようつはた ひめのみことをとり玉ふ。またいはく。たかみむす びのみことのみむすめ。ほのとはたひめのこ。 ちゴひめのみこと。しかうして。みこあまのほの あかりのみことをうむ。つぎに。あまつひこねほ ⑦のに﹀ぎねのみことをうみまつる。そのあまの ⑧ほのあかりのみことのみこ。あまのかこやまは。 ︿三十四裏﹀

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これをはりのむらじらがとほつおやなり。すへみ まほのに﹀ぎのみことを。あしはらのなかつくにに。 あまくだしたてまつるにいたるにおよんで。たか みむすびのみこと。やそもろかみたちに。みことの りしての玉はく。あしはらのなかつくには。いはねこ のもと。かやのかきぼもなほよくものいふ。よるは。 ほべのもころにおとなひ。ひるは。さはへなすわき あがる。しかく。ときにたかみむすびのみこと。み ︿三十五表﹀

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ことのりしての玉はく。いんさき。あめわかひごを。あし はらのなかつくに︾やりき。いまにひさしくまうご ざるゆゑは。けだしこれ。くにつがみいむかふものあり てか。すなはちな﹀しをきじをまたして。ゆいてみせ 玉ふ。このきじとびくだり。よてあはふまめふをみ て。とゴまってかへらず。これよのいはゆるきじの ひたつかひのことのもとなり。かれまた。な﹀しめ きじをまたす。このきじとびくだりあめわか く三十五裏﹀

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ひごがためにいられ。そのやにあたりて。のぼりて かへりことまうす。しかく。このときにたかみむす びのみこと。すなはちまどこおほふふすまをもて。 すへみまあまつひこねほのに﹀ぎねのみことに きせまつりて。あめのやへぐもをおしわけて。もて

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⑥あまくだりまつらしむ。かれこのかみをなづけて。 ⑦あめくに﹀ぎしひごほのに﹀ぎのみこと﹀まう ⑧す。ときにあまくだりまし﹀ところをば。ひふがの。 ︿三十六表﹀

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そのたかちほのぞほりのやまのだけといふ。その いでますときにおよんで。しかく。あだのかさ﹀の みさきにいたり。つひにながやのたかしまにの ぼります。すなはちそのところをめぐりみませば。 そこにひとあり。なを。ことかっくにかつながさと いふ。あめみまよてとひての玉はく。これたがくに ぞ。こたへてまうさく。これながさがすむくになり。 しかれども。いますなはち。あめみまにたてまつる。 ︿三十六ぬ畏﹀

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なみほのほとりに。やひろのとのたて﹀ただまも あめみま。またとひての玉はく。そのさきだつる ゆらに。はたおるをとめは。これたれがむすめそや。 こたへてまうさく。おほやまつみのかみのむすめた ち。あねを。いはながひめとまうし。おとを。このはな さくやひめとまうす。またのなはとよあだつひめ。 しかく。すへみまよてとよあだつひめをめす。す なはちひとよにしてはらめり。すへみま。うたがひ玉ふ く三十七表V ①しかく。つひに。ほのすそりのみことをうむ。つぎに ②ほのさきのみことをうみまつります。またのみな ③は。ひごほ﹀でみのみこと。いろはのうけひ。すでに ④いちじるし。まさにしんぬ。まことにこれすへみま ⑤のみこなり。しかるにとよあたつひめ。すへみまを ⑥うらみて。あひまつらず。すへみま。うれひ玉ひて。 ⑦すなはちうたよみしての玉はく。おきつもは。へには ⑧よれども。さねどこも。あたはぬかもよ。はまつちど く三十七裏﹀      へうくわこれをいふほへと けんきやうこれをいふおとなひと こげつ しょうこれをいふさはへと ①りよ。︹標火此身二心倍一喧響此云二標等梛比一五月/蝿此等二左魔陪一  てんさんこれをいふ そ ほ り の やまと  添由此云二曾褒里能耶麻し    しうきこれをいふ  き   き だっると

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[秀起此云二審/岐陀豆屡L あるふみにいはく。たかみむすびのみことのみむす め。あまようったくはたちはたひめ。あるにいはく。 たかみむすびのみことのみむすめ。ようつはた ひめのこ。たまよりひめのみこと。このかみ。あまの おしほねのみことのみめとなりて。みこ。あまの きほ﹀おきせのみことをうみまつる。あるにいはく。 ︿三十八表V

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このかみ。にぐつひめをとりて。みこほのに﹀ぎのみ かつのはやひのみこと。みこあまのおほみ﹀のみこと。 ことをあれます。あるにいはく。かむたかみむすび のみことのみむすめ。たくはたちはたひめ。みこ ほのに﹀ぎのみことをうみまつる。あるにいはく。 あまのきせのみこと。あだつひめをとりて。みこほ のあかりのみことをあれます。つぎに。ほのよおりの みこと。つぎに。ひごほ﹀でみのみこと。 ︿三十八裏﹀ ①あるふみにいはく。まさやあかつかつのはやひあま ②のおしほみ︾のみこと。たかみむすびのみことの

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享:保版假名神代紀について(二) 162 (37)

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みむすめ。あまようったくはたちはたひめをと りて。みめとして。みこをうむ。あまてるくにてる ひごほのあかりのみこと﹀なつく。これをはりのむらじら がとほつおやなり。つぎに。あめのにぎしくにのにぎしあ まつひこほのに﹀ぎのみこと。このかみ。おほやまつみのかみ のむすめ。このはなさくやひめのみことをとりて。みめとし玉ひ く三十九表﹀ ①てみこをうむ。ほのすそりのみこと﹀なつく。つぎに ②ひごほ﹀でみのみこと。 ③このかみほのすそりのみこと。おのつからうみのさち       かうこれをいふ   さちと ④まします。[幸云云二/左知しおとのひごほ﹀でみのみこと。 ⑤からやまのさちまします。はじめあに。おと。ふたはし ⑥ら。あひかたりての玉はく。こ︾うみにさちがへせんとお ⑦もふと。つひにあひかふ。おのくそのさちをえず。この ⑧かみくみて。すなはちおとのみことのゆみやをかへして。 ︿三十九裏V ①おのがちをこふ。おとのみこと。ときにすでにこのかみ ②のちをうしなふ。とふらひまくによしなし。かれことに ③にるしきちをつくりて。このかみにあたふ。このかみう ④けえずして。そのもとのちをはたる。おとのみこと。うれ ⑤へて。すなはちそのたちをもて。にるしきちをかたし ⑥て。ひとみにもりてあたへ玉ふ。このかみいかりての玉はく。 ⑦あがもとのちにあらずは。さはといふともとらじといひ ⑧て。ますくまたせめはたる。かれひごほ﹀でみのみ ︿四十表﹀ ①こと。うれへますことふかし。ゆきつ﹀うみべたにさまよひ おのづ ②玉ふ。ときに。しほつ﹀のをちにあひ玉ふをちとふてまうさく。なん ③のゆゑぞ。こ︾にましくてうれへ玉へるや。こたへ玉ふに。 ④ことのあるかたちをもてし玉ふ。をちのまうさく。またな ⑤うれへましそ。あれまさに。いましみことのためにたぼ ⑥からんといひて。すなはちまなしかたまをつくりて。 ⑦ひごほ﹀でみのみことを。かたまのなかにいれて。うみ ⑧にしつむ。すなはちおのつからうましをばまあり。 ︿四十裏﹀   かれいこれをいふ う ま  しと ていこれをいふ はまと ①冒・怜此云二干麻/師一汀此云篇波麻しこ﹀にかたまをすて﹀いでま  す。たちま ②ちに。わたつみのかみのみやにいたり玉ふそのみや。たか ③がきひめがきと﹀のほり。たかどのやてりか︾やけり。か ④どのまへに。ひとつのみあり。みのほとりに。ひとつのゆ ⑤つかつらのきあり。えだはしきもし。ときにひこほ﹀で ⑥みのみこと。そのこのもとについて。ようぼひた﹀ずみ ⑦玉ふ。や﹀ひさしくして。ひとりのをとめあり。とびらを ⑧おしひらいていで。つひにたままりをもてきたり。ま く四十一表﹀ ①さにみつをくむ。よてあふぎてみたてまつる。すなはち ②おどろいてかへりいり。そのかぞいろはにまうしてまう ③さく。ひとりのめづらしきひとまします。かどのまへの ④このもとにます。わたつみのかみ。こ﹀にやへだ﹀みをし ⑤き。もてひいている。みしづまり玉ひぬるとき。よてそ ⑥のいでませるみご﹀ろをとふ。ときにひこほ﹀でみのみ ⑦こと。あるかたちをこたへ玉ふ。わだっみのかみ。すなはち ⑧とほひろくひきいをどもをつどへて。・せめとふ。みなまう

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︿四十一裏﹀       あかめはた  ひのな ぞ ①さく。しらず。たゴしあかめ層亦女鯛/魚名也]このごろくちのやま ②ひありてまうこず。しひてめし。そのくちをさぐれば。は ③たしてうせたるちをう。すでにしてひごほ﹀でみのみ ④こと。よてわたつみのかみのみむすめ。とよはたひめを ⑤めす。よてわたつみのみやにとゴまり玉へること。すでに ⑥みとせになんぬ。そこに。またやすらかにたのしといへ ⑦ども。なほくにをおもふみごゾうます。かれときに。また ⑧はなはだなげきます。とよたまひめきいて。そのか く四十二表﹀ ①ぞにかたりてまうさく。あめみまいたんで。しばくなげ ②き玉ふ。けだしくにをおもひ玉ふうれへありてか。わた ③づみのかみ。すなはちひごほ﹀でみのみことをひいて。 ④おもふるにまうしてまうさく。あめみま。もしくに︾かへ ⑤らんとおぼさば。あれまさにおくりまつるべし。すな ⑥はちうるところのちをたてまつる。よておしへまつり ⑦てまうさく。このちをもて。いましみことの。このかみに ⑧あたへ玉はんときに。ひそかにこのちをいひて。まちゴ  ︿四十二裏﹀ ①との玉ひて。しかうしてのちにあたへ玉へ。また。しほみ ②つに。をよびしほひるにをたてまつりて。をしへまつ ③りてまうさく。しほみつにをつけば。すなはちしほ ④たちまちにみたん。これをもて。いましみことのこの ⑤かみをおぼ︾せ。もしこのかみくいてのまばかへりて。し ⑥ほひるにをつけば。すなはちしほおのつからひん。これを ⑦もてすくひ玉へ。かくなやまし玉はゴ。いましみことの ⑧このかみしたがひなん。まさにかへりまさんとするに く四十三表﹀ ①をよんで。とよたまひめ。あめみまにかたりてまうさく。 ②やつこすでにはらめり。こうまんときひさしからじ。 ③やつこかならずかぜなみ。はやからんひをもて、うみべ ④たにいでいたらん。こふ。やつこがために。うぶやをつくりて ⑤あひまち玉へ。ひこほゴでみのみこと。すでにもとつみや ⑥にかへりまして。ひとへに。わたつみのかみのをしへにした ⑦がふ。ときにこのかみほのすそりのみこと。すでになや ⑧まされて。すなはちしたがひてまうさく。いまよりゆく <四十三裏﹀ ①さき。われまさに。いましみことのわざをきのたみた ②らん。こふ。いけ玉へ。こ﹀にねがひのま﹀に。つひにゆるす。 ③そのほのすそりのみことは。すなはちあたのきみ。を ④ばしらがとほつおやなり。のちにとよたまひめ。はた ⑤してさきのちぎりのごとく。そのいうと。たまよりひめ ⑥をひきみて。たゴに。かぜ。なみををかして。うみべたに ⑦いたるこうむときにをよびて。こふてまうさく。やつこ。 ⑧こうむときに。ねがはくは。なみましそ。あめみま。なほ ︿四十四表﹀ ①しのび玉ふことあたはずして。ひそかにゆいてうかゴひ ②玉ふ。とよたまひめ。みさかりにこうむとき。たつになり ③ぬ。はなはだはちてまうさく。もしわれをはっかしめ ④玉はざることありせば。うみくがあひかよはしめて。なが ⑤くへだてたつことなからまし。いますでにはちみす。 ⑥まさになにをもてか。むつましきこ﹀ろをむすぼんや。

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享保版假名神代紀について(二) 160 (39) ⑦すなはち。かやをもてみこをつ﹀んで。うみべたにすて ⑧て。うみのみちをとちて、たゴにさりぬ。かれよてもて。 ︿四十四裏﹀ ①みこをなづけまつりて。ひこなぎさたけうかやふき ②あはせずのみこと﹀まうす。のちにひさしくましく ③て。ひごほ﹀でみのみことかみあかりましぬ。ひふがの。 ④たかやのやまのうへのみさゴきにをさめまつる。 ⑤あるふみにいはく。あにほのすそりのみこと。よくう ⑥みのさちをう。おとのみことひこほ﹀でみのみこと。 ⑦よくやまのさちをえ玉ふ。ときに。あに。おと。たが ⑧ひに。そのさちをかへんとおぼす。かれこのかみ。お く四十五表﹀

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とのみことのさち@みをもちてやまにいりし﹀ まく。つひに。し﹀のからとだもみず。おとのみこと。 このかみのさちぢをもち玉ひて。うみにいりいを つる。ことにうるところなし。つひに。そのちをう しなふ。このときにこのかみ。おとのみことのゆみ やをかへして。おのがちをはたる。おとのみこと。うれ へて。すなはちはかせるたちをもて。ちをつくり。 ひとみにもりて。このかみにあたへ玉ふ。このかみう く四十五裏﹀

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けずしていはく。なほあがさちぢをほし﹀。こ﹀に ひこほ︾でみのみこと。もとめんところをしらず。 たゾうれへさまよひ玉ふことます。すなはちゆき つ﹀。うみべたにいたりて。た﹀ずみなげきます。と きにひとりのおきなあり。たちまちにいたる。み ⑥つから。しほつ﹀のをちとなのる。すなはちとふて ⑦まうさく。きみはこれたそ。なんのゆゑに。こ﹀に ⑧うれへますや。ひごほ﹀でみのみこと。つぶさにその く四十六表V

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らになりぬ。よてそのたけをとりて。おほまあら くろぐしをとりて。つちになげしかば。いほったかは あるかたちをの玉ふ。をちすなはちふくろのなかの こをつくりて。ほ﹀でみのみことをこのなかにいれ まつり。うみにつれまつる。、あるにいはく。まなしかた まをもて。うけきにつくりて。ほそなはをもて。 ほ﹀でみのみことをゆひつけまつりてしつむ。い はゆるかたまは。これいまのたけのこなり。ときに く四十六︷襲﹀

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わたのそこに。おのつからうましをばまあり。すな はちはまのまにくいでます。たちまちに。わた つみのかみとよたまひこのみやにいたります。そ のみや。かきやたかくかざり。たかどのうてなさかり うるはし。かどのほかにゐありみのかたはらにかつら のきあり。すなはちこのもとについてたち玉ふ。 や﹀ひさしうして。ひとりのをとめあり。かほよに すぐれたり。まかだちむれしたがひうちよりいつ。 ︿四十七表﹀ ①まさにたまつぼをもてみつをくまんとす。あふひ ②でほ﹀でみのみことをみつ。すなはちかへりて。そ ③のかそのかみにまうしていはく。かどのまへの。みの ④かたはらのこのもとに。ひとりのよきまうとあり。

(19)

⑤かたちたゴびとならず。もしあめよりくだれらば。 ⑥まさにあめのかほあるべし。つちよりのぼれらば。 ⑦まさにつちのかほあるべし。まことにこれまぐは ⑧し。そらつひこといふものか。あるにいはく。とよた く四十七裏﹀

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まひめのまかだち。たまつるべをもて。みつをくむ。 つひにみつることあたはず。ふしてみのなかをみれ ば。さかしまにひとのゑめるかほてれり。よてもて あふぎみれば。ひとりのかほよきかみまして。かつら のきによりたてり。かれかへりいりて。そのきみ にまうす。こ﹀にとよたまひご。ひとをまたして とふてまうさく。まうとはこれたれぞ。なにのゆ ゑにかこ﹀にいでます。ほ﹀でみのみことこたへて ︿四十八表﹀

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の玉はく。あれはこれあめのかみのみまこなり。 すなはちつひに。いでませるみご﹀ろをの玉ふ。とき にわたつみのかみ。むかへをがみひいていれまつり。 ねんごろにつかふまつる。よてむすめとよたまひ めをもて。あはせまつる。かれわたつみのみやに とゴまり玉へること。すでにみとせになんぬ。この﹀ ちに。ほ︾でみのみこと。しばくなげきますこと あり。とよたまひめとふてまうさく。あめみまもし ︿四十八裏﹀ ①もとっくに﹀かへらんとおぼすか。こたへての玉はく。 ②しかり。とよたまひめ。すなはちかそのかみにまう ③していはく。こ︾にましますたふときまうと。うはつ

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くに﹀かへらんとおぼせり。わたつみのかみ。こ﹀に うみのうをどもをすべつどへて。そのちをもとめ とふ。ひとつのいをあり。こたへてまうさく。あかめひ さしくくちのうれへあり。あるひはいふ。あかだひ うたがはし。これをのめるか。かれすなはちあかめ ︿四十九表V

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をめして。そのくちをみれば。ちなほくちにあり すなはちこれをえて。すなはちもてひごほ﹀でみ のみことにたてまつる。よてをしへまつりてまうさ く。ちをもて。いましみことのこのかみにあたへ玉 はんときに。すなはちとこひいはまく。まちのもと。 うゑのはじめ。くるしびのもと﹀の玉ひて。しかう してのちにあたへ玉へ。またいましみことのこの かみ。うみをわたらんときに。あれかならずはやち く四十九裏﹀

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なみをたて﹀。それをしておぼ﹀したしなめん。 こ﹀にほ﹀でみのみことを。.わににのせまつりて。 もてもとっくに﹀おくりまつる。これよりさき。 わかれ玉はんとするときに。とよたまひめ。おもふ るにまうしてまうさく。やつこすでにはらめり。 まさにかぜなみはやからんひをもて。うみべたに いでいたらん。こふ。あがためにうぶやをつくりまち 玉へ。この﹀ちに。とよたまひめ。たはしてそのこ 盆十表﹀ ①とのごとくきたる。 ②まうさく。やつこ。 ほ﹀でみのみことにまうして こよひこうまんとす。こふ。なみ

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享保版假名神代紀について(二) 158 (4!)

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ましそ。ほ﹀でみのみこと。き﹀たまはずして。なほ。 くしをもてひをともしみそなはす。ときにとよ たまひめ。やひろのわに﹀なりて。はひもこよふ。 つひにはっかしめられたるをもて。うらめしとし て。たゴに。わたつみのくに﹀かへる。そのいうと。たま よりひめをとゴめて。みこをひたさしむ。みこの く五十裏﹀

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みなを。ひこなぎさたけうかやふきあはせず のみこと︾まうすゆゑは。かのうみべたのうぶやま たくうのはをもてかやとしてふけり。しかうして いらかいまだふきあはせぬときに。みこすなは ちあれませるをもて。かれよてもてなづけたて     じゃうらくこれをいふう   は つ く と まつる。[上雄心云二羽/播豆矩備乙 あるふみにいはく。かどのまへに。ひとつのしみつあり。 みのほとりに。も﹀えのかつらのきあり。かれひご ︿五十︸表﹀

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ほ﹀でみのみこと。をどつてそのきにのぼりてた ち玉ふ。ときにわたつみかみのむすめとよたま ひめ。てにたま﹀りをもてきたり。みつをくまん とす。まさにひとかけのみのなかにあるをみて。 すなはちあふひでみる。おどろいてつるべをおとし。 つるべすでにわれくだけぬれども。かへりみず してかへりいりて。かぞいろはにかたりていはく。やつ こ。ひとりのひと。みのかたはらの。きのうへにますを ︿五十一裏﹀ ①みつ。かほはなはだよく。 かたちみやびたり。ほとんど

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たゴびとならず。ときにかそのかみきいてあやし みて。すなはちやへだ﹀みをしきて。むかへいる。み しづまり玉ひぬるとき。よていでませるみご﹀ろ をとふ。あるかたちをこたへ玉ふ。ときにわたつみの かみ。すなはちめぐしとおもふご﹀ろをおこして。こと酒\く はたのひろもの。はたのさものをめしてとふ。みな まうさく。しらず。たゴしあかめくちのやまひあり ︿五十二表﹀

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てまうこず。またいはく。くちめ。くちのうれへあり すなはちすみやかにめしいたして、そのくちをさぐ れば。うしなへるち。たちどころにえつ。こ﹀にわた つみのかみ。せめていはく。おれくちめ。いまより ゆくさき。つりくふことえじ。またあめみまのた てまつりものにあづけじ。すなはちくちめをもて。 おほんものにたてまつらざるゆゑは、これそのこ とのもとなり。ひごほ﹀でみのみこと。かへりま く五十一一裏﹀

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さんとするときにいたりて。わたつみのかみまうし てまうさく。いまあめのかみのみまご。かたじけなく あがもとにいでます。こ﹀ろのよろこび。いつれの ひかわすれん。すなはちおもへばしほみつに。おもへば しほひるにをもて。そのちにそへてたてまつりて まうさく。すへみま。やへのくまちをへだっといふとも。 ねがはくはよりくまたあひおもほし。なすてたま ひそ。よてをしへまつりてまうさく。このちをもて。 ︿五十三表﹀

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いましの。このかみにあたへ玉はんときに。まちゴ。ほろ びち。おとろへぢとの玉へ。の玉ひをはりて。しりへでに なげすてあたへ玉へ。むかひて。なさづけ玉ひそ。も しこのかみ。いかりをおこして。そこなふご﹀ろあら ば。すなはちしほみつにをいだして。もておぼ﹀せ。 もしすでになやまんにいたて。めぐみ玉へとこはゴ。 すなはちしほひるにをいだして。もてすくひ玉へ。 かくせめなやまさば。おのつからしたがひなん。ときに 会践十三裏﹀

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ひごほ﹀でみのみこと。かのにと。ちをうけて。もとつ みやにかへりいでまし。ひとへに。わたつみのかみのを しへのまにくまつそのちをもて。このかみに あたへ玉ふ。このかみ。いかりてうけず。かれおとのみこ と。しほみつにをいだし玉へば。しほおほきにみちて。 このかみみつからおぼる。よてこふてまうさく。あれ。 まさにいましみことにつかへまつりて。やつこたらん。 ねがはくはいけ玉へ。おとのみこと。しほひるにをいだ く五十四表﹀

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し玉へば。しほおのつからひて。このかみかへてた ひらぎぬすでにしてこのかみ。さきのことをあら ためていはく。あれはこれ。いましみことのあにな り。いかんぞ。ひとのあにとして。おと﹀にっかへんや。 おとのみこと。ときにしほみつにをいだし玉ふ。 このかみみて。たかやまに︾げのぼる。しほまた やまをいる。このかみたかぎにのぼる。しほまた きをいる。このかみすでにせまりて。にげさる ︿五十四裏﹀

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ところなし。すなはちしたがひてまうさく。やつ かれすでにあやまてり。いまよりゆくさき。やつかれ がうみのこ。やそつゴき。つねにまさにいましみこ とのわざびとたらん。あるにいはく。いぬびと。こふ かなしひ玉へ。おとのみこと。かへてしほひるにを いだし玉へば。しほおのつからひぬ。こ﹀にこのかみ。 おとのみことの。あやしきいきほひますことをしり て。つひにもて。そのおとのみことにしたがふ。こ、を ︿五十五表﹀

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もて。ほのすそりのみことののち。もろくのはい とら。いまにいたまるで。すへらみことの。みかきの もとをはなれず。ほゆるいぬしろとして。つかふま つるものなり。ひと。うせたるはりをはたらざる は。これそのことのもとなり。 あるふみにいはく。このかみほのすそりのみこと。 よくうみのさちをう。かれうみのさちひことな つく。おとひごほ﹀でみのみこと。よくやまのさち ︿五十五裏﹀

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なふ。おとのみこと。かぜふきあめふるといへども。そ ぜふきあめふるごとに。すなはちそのさちをうし をう。かれやまのさちひことまうす。このかみ。か のさちたがはず。ときにこのかみ。おとのみことに かたりていはく。あれこ、うみに。いましとさちがへ せんとおもふ。おとのみこと。ゆるしてよてかふ。とき にこのかみ。おとのみことのゆみやをとりて。やま

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