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1995年兵庫県南部地震の神戸PIで得られた鉛直アレー観測記録に基づく動的地盤定数の逆解析結果に関する考察

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Academic year: 2021

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全文

(1)

Title

1995年兵庫県南部地震の神戸PIで得られた鉛直アレー観測

記録に基づく動的地盤定数の逆解析結果に関する考察( 本文

(Fulltext) )

Author(s)

本城, 勇介; 鈴井, 良典; 吉澤, 睦博; 鬼丸, 貞友

Citation

[応用力学論文集] vol.[2] p.[55]-[63]

Issue Date

1999-08

Rights

Japan Society of Civil Engineers (公益社団法人土木学会)

Version

出版社版 (publisher version) postprint

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/24354

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応 用 力 学 論 文 集Vol.2,PP.55-63  (1999年8月) 土木学会

1995年

兵庫 県南 部 地 震 の神 戸PIで

得 られ た 鉛 直 ア レー観 測記 録 に

基 づ く動 的地 盤 定 数 の逆解 析 結 果 に 関す る考 察

Reflections on inverse analysis results of dynamic soil parameters on the seismometer array record obtained at Kobe Port Island during the Hogoken Nambu Earthquake of 1995

本 城 勇 介*・ 鈴 井 良 典**・ 吉 澤 睦 博 ・***鬼 丸 貞 友****

Yusuke HONJO, Yoshinori SUZUI, Mutsuhiro YOSHIZAWA, and Sadatomo ONIMARU

*正 会 員Ph .D.岐 阜 大 学 教 授 工 学 部 土 木 工 学 科(〒501-1193岐 阜 市 柳 戸1-1) **正 会 員 大 豊 建 設(株)東 京 支 店 土 木 工 事 部(〒104 -8289東 京 都 中 央 区新 川1-24-4) ***正 会 員(株)竹 中 工 務 店 原 子 力 ・火 力 本 部(〒104 -8182東 京 都 中 央 区 銀 座8-21-1)

**** (株)竹 中 工 務 店 技 術 研 究 所(〒270-1352千 葉 県 印 西 市 大 塚1-5-1)

Strong earthquake motion record obtained from a seismometer array record at Kobe Port Island

during the Hogoken Nambu earthquake of January 1995 is employed to inversely analyze the

dynamic soil parameters, i. e. dynamic shear modulus and damping ratio of each layer. The

extended Baysian method (EBM) is employed to overcome the problem of illposedness. Some

trade off between the shear modulus and the damping ratio is observed. Also the solution is

not unique. Such kind of trade off have been successfuly solved by EBM for relatively smaller

earthquake motion records in the previous studies (Honjo et. al, 1997, 1998). It is speculated

that this problem arose because of the extraordinarily strong earthquake motion record obtained,

and approximating this phenomena by the equivalent linear model. Discussion is made both

from statistical and soil dynamic view points on the problem.

Key Words:

inverse analysis, extended Bayesian Method, illposedness, SHAKE,

dy-namic soil parameters, equivalent linear analysis

1.  研 究 目 的 構 造物 の 地震 時 の安 全性 や 地盤 の液状 化予 測 の た め に は,深 い 基盤 か ら入力 す る地震 波 が,そ れぞれ の サイ トで どの よ うに増 幅 され 伝播 す るか を知 る こ とが極 め て重要 で あ る.こ の た め,深 度 方 向に幾 つ もの地震 計 を 設 置 し,地震 波 の伝 播特 性 を捉 える,ア レー観測 が各地 で行 われ てい る.本 研 究で は,兵 庫 県南 部地震 で の神戸 市 ポー トア イ ラ ン ド(以下,神 戸PI)に お ける観 測 結果 の逆 解析 を行 うこ とに よ り,各土層 の土 の定数(せ ん断 剛性,減 衰比)を 推 定 し,そ のひず み 依存 性 を求 め る. このア レー 記録 は,め ったに得 る こ とので きない強震 時 の もので,地 盤 の応 答解 析 で特 に問題 とな る,せ ん断 剛性 や 減 衰比 な どの地盤 定数 の原 地盤 にお け るひ ず み 依 存性 を解析 す る上 で 貴重 な記 録 で あ る.し か しなが ら,この記 録 は一 つ の地震 につい て の もので あ り,一般 に等 価線形 解 析で は,地 震記録 全 体 を対 象 として行 な う のが一般 的 なので,い ろい ろな異 な るひずみ に対応 した 地盤 定数 の値 を解 析 す るこ とがで きない.そ こで本研 究で は,神 戸PIの 記 録 を,5秒 づ つず ら して15秒 間隔 に 区切 り,それ ぞれ の時 間間隔 を定 常波 と考 えて等価 線 形解 析 を行 ない,地 震 動 の レベル に応 じた地盤 定数値 の 推 定 を試 み,そ の結 果 よ り,これ らの定数 の値 のひず み 依 存 性 を検討 した. 以 上の よ うに,一 つ の地震 の比較 的短 い時間間 隔部分 の 記 録 だ け を 取 り出 して,重 複 反 射 理 論 に 基 づ い た 応 答 解 析 を行 な う こ と に は,種 々 の 無 理 が あ る.つ ま り, 本 来 非 定 常 な応 答 を して い る地 盤 を,時 間 間 隔 を 区切 っ て 定 常 応 答 と仮 定 して い る こ と,本 来 ひ ず み レベ ル が そ れ ほ ど大 き く な く,弾 性 応 答 に 近 い 状 態 の 近 似 を 考 慮 し て 開 発 され た と考 え られ る重 複 反 射 理 論 に よ る等 価 線 形 法 を,か な り大 き な ひ ず み が 発 生 した と 思 わ れ る 地 盤 応 答 に適 用 して い る こ と な ど で あ る.こ れ らの 点 は, 逆 解 析 結 果 の 解 釈 に 当 た り,注 意 を 払 っ た. 一 方 ,手 法 と して の 逆 解 析 の研 究 は 地 盤 工 学 の 分 野 に お い て も,大 き な進 歩 を示 して い る.特 に1994年 度 か ら1996年 度 に 活 動 を行 な っ た 地 盤 工 学 会 の 「逆 解 析 の 地 盤 工 学 へ の 適 用 に 関す る研 究 委 員 会(委 員 長 太 田 秀 樹 東 京 工 業 大 学 教 授)」 の 活 動 で は,逆 解 析 の 限 界 と 可 能 性 が,メ ン バ ー の 活 発 な研 究 活 動 を通 じて か な り明 ら か に な っ た.(大 谷 他11名1)参 照) そ の 結 果 を簡 単 に 要 約 す る と,そ れ は 逆 問題 が 不 適 切 (illposed)で あ る と言 う認 識 の 深 化 と,そ れ を 克 服 す る た め の 適 切 化 手 法(regularization procedures)の 整 理 で あ る.古 典 的 境 界 値 問題 な ど と全 く異 な り,逆 問 題 は 一 般 に解 の 存 在 ,唯 一 性,安 定 性 の 保 証 さ れ な い 問題 で あ る.こ れ が,近 年 に 至 る ま で 逆 問 題 が 研 究 の メ イ ン ス トリー ム か ら,阻 害 され て い た 最 大 の原 因 で あ る と思 わ れ る.

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限 られ た デ ー タ か ら多 く の モ デ ル パ ラ メ ー タ を 同 定 し よ う と して も,多 く の 場 合 共 線 性(multicolinearity) と 呼 ば れ る 現 象 が 発 生 し,パ ラ メ ー タ 同 定 が 著 し く困難 に な る こ と は,統 計 学 で も よ く知 られ て い た が,こ れ は 不 適 切 性 と全 く 同 じ現 象 の 別 名 で あ る.す な わ ち,こ の よ う な場 合 多 く の パ ラ メ ー タ値 の 間 で トレー ドオ フ の 関 係 が 起 こ り,こ の た め 推 定 値 は,少 数 の デ ー タ の 追 加 や 削 減 で 著 しい 変 化 を 生 じ る 結 果 と な る. こ の よ う な 不 適 切 性 を 克 服 す る た め に,い く つ も の 方 法 が提 案 され て い る.そ の 幾 つ か は,本 論 文 集 の 本 城 2)お よ び そ の 参 考 文 献 に 紹 介 され て い るの で ,参 照 され た い. 本 論 文 で 取 り扱 っ た 地 震 波 伝 播 の 問題 で も,推 定 しな けれ ば な ら な い パ ラ メ ー タ は 各 土 層 の せ ん 断 剛 性 と減 衰 比 合 計18個 で あ り,逆 解 析 結 果 は 不 安 定 で あ り,典 型 的 な不 適 切 性 挙 動 を 示 した.従 っ て パ ラ メ ー タ の 値 の 間 に は,ト レ ー ドオ フ 関 係 が 存 在 す る.本 研 究 で は, こ の よ うな 不 適 切 な 問 題 に 対 す る適 切 化 手 法 の 適 用 に 興 味 が あ り,こ の 点 に つ い て も,逆 解 析 結 果 を も と に, 詳 し く議 論 した. 本 論 文 の 構 成 は,次 の 通 り で あ る.第2章 で は,地 盤 の 重 複 反 射 理 論 に よ る 等 価 線 形 応 答 解 析 と,本 研 究 で 採 用 した 逆 解 析 手 法 に つ い て 述 べ る.第3章 は,神 戸 PIデ ー タ の 解 析 に つ い て 述 べ た.す な わ ち,デ ー タ の 概 要,観 測 記 録 の 主 方 向 へ の変 換,逆 解 析 結 果 の 考 察 に つ い て記 した.第4章 は結 論 で あ る . 2.  逆 解 析 2.1  地 盤 の 動 的 特 性 と 応 答 解 析 地 盤 は も と も と非 線 形 材 料 で あ っ て,せ ん 断 剛 性 も減 衰 比 も,ひ ず み 依 存 性 が 顕 著 で あ る.し か し実 務 で は, これ を弾 性 モ デ ル で 表 現 し,重 複 反 射 理 論 に よ る等 価 線 形 解 析 法 を 用 い る こ とが 多 い3).こ の と き,地 震 動 解 析 に 必 要 な 地 盤 の 主 な 特 性 は,密 度 ρ(t/m3),せ ん 断 剛 性G (kN/m2),減 衰 比hの3つ が あ げ られ る.等 価 線 形 解 析 法 の 電 算 プ ロ グ ラ ム"SHAKE"は,実 務 で 広 く用 い られ て い る.本 研 究 も,こ の 解 析 法 で設 定 す べ き 動 的 地 盤 定 数 の 推 定 を,研 究 の 目 的 と して い る. 重 複 反 射 理 論 に よ る 等 価 線 形 解 析 法 に つ い て は,既 に 広 く知 られ て い る の で,こ こ で は 述 べ な い3). 2.2  拡 張 ベ イ ズ 法 任 意 の 地 盤 内 の2点AとBで,地 震 動 観 測 記 録 が 得 られ て い る と き,こ れ に フ ー リ エ 変 換 を施 す こ と に よ り,そ れ ぞ れ の フ ー リエ ・ス ペ ク トル を 求 め る こ とが で き る:

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これ よ り,そ れ ぞ れ の 振 幅 ス ペ ク トル は次 の よ うに な る:

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振 幅 ス ペ ク トル に 含 ま れ る ノ イ ズ を取 り除 くた め に, TA(ω),TB(ω)を,バ ン ド幅 β(Hz)のParzen Windowで 平 滑 化 した もの を,そ れ ぞ れTA(ω│β),TB(ω│β)と 表 わ す.本 論 文 で は 、0.2Hzの ウイ ン ドー 幅 を採 用 した 。2 点 間 の伝 達 関 数 の 振 幅 比 部 分(TAB(ω│β))は,こ れ らの 比 で あ る か ら,次 式 に よ り与 え られ る.

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一 方 ,伝 達 関 数 の 位 相 部 分 は,次 の よ うに な る.

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本 城 ら4),5)は,こ の よ うな 多 層 系 地盤 の 応 答 解 析 の 逆 解 析 は,不 適 切 性(共 線 性)が 強 い と して,こ れ を 適 切 化 す る た め 事 前 情 報 を 考 慮 して,拡 張 ベ ー ズ 法 に よ り定 式化 す る こ と を提 案 した.さ らに,通 常 こ の 種 の 問題 で 考 慮 され る振 幅 に 関す る情 報 だ け で な く,位 相 も評 価 関 数 に 取 り入 れ る こ とを 提 案 した4).こ の 研 究 で も こ の 考 え 方 を踏 襲 し,次 の2つ の 評 価 関 数J1,J3を,逆 解 析 を 行 な う と き 採 用 し,そ の 結 果 を 比 較 した.な お,類 似 の 定 式 化 は 辻 原 ら6)に よ っ て も採 用 され て い る.

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一 方 ,こ れ に 伝 達 関 数 の 位 相 を加 え た 評 価 関 数 は,

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こ こに, 2観 測 点 間の解 析 伝 達 関数 の振 幅 比, 2観 測 点 間の観 測 伝 達 関数 の振 幅 比, 2観 測 点 間の解 析 伝 達 関数 の位 相, 2観 測 点 間の観 測 伝 達 関数 の位 相, せ ん 断剛 性 と減 衰 比ベ ク トル, 推 定 地盤 定 数 の事前 平 均 ベ ク トル, 観 測値 の分 散(一 定値 を仮 定), 事 前情 報 の 分散 ・共 分 散行 列, 観 測 点 の個数, 周 波数 の分割 個 数 を表 し, せ ん 断剛性 にお け る事 前情 報 の項 の 重み, 減 衰比 にお け る事 前 情 報 の項 の重 み.

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表-1 解析用地盤モデル 表2 d21,d22の 重 み 付 け とABIC(0∼60(sec)、J3) 図-2  表-2に お け るABICの コ ン タ ー 図 図-1 主軸 方向へ変換 後の加速 度波 形 図-3  全 時 間(0∼60(sec))に お け るGに 対す る重 み の大 小 に よる推 定 地盤 定数の比 較 図

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評 価 関 数 に つ い て 詳 し く述 べ る と,J1(式(7))は,観 測 情 報 に つ い て は 伝 達 関 数 の 振 幅 比(Tij)の み,J3(式 (8))は,伝 達 関 数 の 振 幅 比 と位 相(φij),そ れ ぞ れ の 残 差2乗 和 の 最 小 化 を は か る.な お,評 価 関数 をJ1とJ3 と した の は,既 発 表 の 論 文 との 記 号 の 整 合 性 を計 るた め で あ る. な お,拡 張 ベ イ ズ 法 を 用 い る の は,こ の 逆 問 題 が 不 適 切 で あ る た め,こ れ を適 切 化 す るた め 事 前 情 報 を 加 え る が,そ の 重 み を ス カ ラー 量d21,d22を用 い 調 整 す るた め で あ る.こ の 最 適 化 に はABIC(赤 池 ベ イ ズ 情 報 量 規 準)を 用 い て い る7).他 の 適 切 化 手 法 に つ い て は 本 城 ら (1999)2)を 参 照 され た い.ま た,逆 解 析 の 不 適 切 性 の 度 合 い を み る た め,条 件 数 を 用 い る.条 件 数 が 小 さい ほ ど 問 題 は適 切 化 さ れ て お り,推 定 値 の 信 頼 性 は 高 い と い え る. 3.  ケ ー ス ・ス タ デ ィ ー 3.1  観 測 デ ー タの 概 要 と 前 処 理 (1)  実 観 測 地 震 概 要 及 び 解 析 地 盤 モ デ ル 本 研 究 で は,地 震 動 が 非 常 に 大 きい 神 戸PIの 地 震 観 測 デ ー タ を 用 い る.地 震 計 は,G1(GL-0.0m),G2(GL-16.4m),G3(GL-32.4m),G4(GL-83.4m)の4箇 所 に 設 置 さ れ て い る.神 戸PIの 表 層 地盤 は,埋 め 立 て 地 盤 で あ り,液 状 化 しに くい 土 と され て い た が,周 知 の よ うに PI全 域 で 液 状 化 が 起 こ っ た.ま た,解 析 地 盤 モ デ ル は 表1に 示 す よ うな 地 盤 定 数 を 設 定 した.こ れ は,PS険 層 結 果 か ら与 え た もの で あ る. (2)  観 測 加 速 度 の 方 位 補 正 及 び 主 軸 へ の 方 向 転 換 鉛 直 ア レ ー で 観 測 さ れ た 記 録 に は,特 に ボ ア ホ ー ル の 深 い 場 所 に位 置 す る 地 震 計 は,設 置 誤 差 が あ る場 合 が 多 い と言 わ れ て い る8).そ こで,神 戸PIを 対 象 地 盤 と して い る 吉 田 と 栗 田9),杉 戸 ら10),岡 ら11)を 参 考 に G4(GL-83.4m)の 地震 計 の 観測 方位 が,水 平 面 で 時 計 回 りに200ず れ て い る も の と考 え た. さ らに,本 研 究 で は 地 震 動 が 強 く現 れ る 主 軸 へ の座 標 変 換 を行 っ た.こ れ は,地 震 動 の 大 き か っ た 方 向 に つ い て 解 析 を 行 な う こ とに よ り,実 際 に発 生 した 大 き な 地盤 内 ひ ず み を捕 らえ られ る よ うに,逆 解 析 を行 な うた め で あ る.主 軸 の 方 向 に つ い て は,福 武12),山 下 ら13)を参 考 に して,主 軸 方 向 を真 北 か ら反 時 計 回 りに20° 回 転 し た 方 向 と した.従 っ て 方 位 補 正 も合 わ せ て 考 慮 す る と, 変 換 す る 角 度 は,G1,G2,G3で そ れ ぞ れ 反 時 計 回 りで 20°,G4は40° と な り,こ の よ うに 変 換 され た 主 軸 方 向 の加 速 度 記 録 を 用 い て 解 析 を行 う.こ の 主 軸 方 向 へ 座 標 変 換 され た 加 速 度 波 形 を 図-1に 示 す. (3)  加 速 度 記 録 の 時 間 区 間 分 割 本 研 究 で は,先 に説 明 した よ うに 地 盤 定 数 の ひ ず み 依 存 性 を 明 確 に す る た め,加 速 度 記 録 全 体(0∼60(sec)) の 解 析 と 共 に,加 速 度 記 録 全 体 を ス テ ップ 幅5(sec) ご とに15(sec)づ つ の 区 間,す な わ ち5∼20(sec) ,10∼ 25(sec),…,35∼50(sec)と 言 う様 に 区切 り,そ れ ぞ れ の 時 間 区 間 に 対 して フ ー リエ 変 換 を 行 い,伝 達 関 数 を 求 め 逆 解 析 を行 っ た.ま た,15(sec)ご と に 区切 る 際 に,前 後1秒 間 の 記 録 に 正 弦 波 の4分 の1波 長 を 用 い て,滑 らか に フ ェー ドイ ン,フ ェー ドア ウ トす る よ うに 操 作 を 施 し,地 震 波 が 大 き い 値 か ら 急 に0を と る こ と の な い よ う配 慮 して い る. 15(sec)を 選 択 した 理 由 は,こ れ よ り短 い 区 間 を 用 い た と き,逆 解 析 の推 定 結 果 が,安 定 しな か っ た た め で あ る.す な わ ち,15(sec)よ り小 さい5,10(sec)で も 同様 の解 析 を行 な っ た が,そ れ らの 推 定 値 は 時 系 列 的 に 考 え て も,解 釈 を す る こ とが 困 難 な 結 果 を 与 え た.15(sec) の 場 合 は,そ の 結 果 は 後 に 示 す よ うに ,あ る程 度 時系列 的 な 解 釈 が 可 能 で あ っ た.も ち ろ ん 区 間 を 長 く取 れ ば, 解 は よ り安 定 す る と予 想 され た が,経 時 的 な ひ ず み の 増 大 に 伴 う地 盤 定 数 の 変 化 を 観 察 す る こ とが 目 的 で あ る 当解 析 で は,15(sec)が 適 当 な 時 間 間 隔 で あ る と判 断 し た.重 複 反 射 理 論 は,本 来 定 常 状 態 の 地 盤 の 応 答 解 析 に 用 い る 方 法 で あ るか ら,極 端 に 短い 時 間 区 間 を と る こ と に 無 理 が あ る こ とは 当 然 と考 え られ る. 3.2  逆 解 析 結 果 の 考 察 (1)  逆 解 析 に よ る 地 盤 定 数 の 推 定 全 記 録 に基 づ く逆 解 析 結 果:本 解 析 で 扱 って い る よ う な,18個 も の パ ラ メ ー タ の値 を 同 時 に 推 定 し よ う とす る 逆 解 析 で は,不 適 切 性 が 生 じる こ と は 避 け られ な い. 本 解 析 で も不 適 切 性 が 生 じて い る こ と は,条 件 数 が,事 前情 報 の 重 み(d12,d22)が 小 さ い とき,数 万 か そ れ 以 上 の 値 に 達 し て い る こ と か ら も明 らか で あ る.こ の よ う な 場 合,推 定 値 が 極 め て 不 安 定 な挙 動 をす る. 逆 解 析 を行 な う際,今 ま で はABIC最 小 値 を 最 適 な 値 と し,そ の と き の 事 前 情 報 の 重 み(d12,d22)を と る地 盤 定 数 を推 定 値 と して い た4),5).し か し,神 戸PIで の 地 震 動 が 大 き い た め か,こ の デ ー タ の 逆 解 析 は,d12-d22 平 面 上 で,ABICの 唯 一 の 極 小 値 を 与 え ず,あ ま りよ い 結 果 が選 られ な か った.結 果 を詳 細 に検 討 し た 結 果,こ れ は,推 定 され る せ ん 断 剛 性Gと 減 衰 比hの 間 に あ る ト レー ドオ フ の た め で あ る こ と が わ か っ た.著 者 らの 逆 解 析 の モ デ ル 化 で は,評 価 関数 で せ ん 断 剛 性 と減 衰 比 の事 前 情 報 に,を そ れ ぞ れ 一 括 して,重 み を つ け て い る こ と も,こ の よ うの ト レー ドオ フ 関係 を 誘 発 して い る . 一 般 に ,数 層 か ら構 成 さ れ る よ うな 比 較 的 単 純 な 一 次 元 波 動 伝 播 で は,せ ん 断 剛 性 は 伝 達 関 数 の 周 期 特 性 を支 配 し,減 衰 比 は そ の 振 幅 比 の ピ ー ク値 に 影 響 を与 え る こ と が 知 られ て い る.し か し本 解 析 が 対 象 して い る様 な10層 もの 土 層 よ り な る複 雑 な 振 動 系 の 逆 解 析 で は,せ ん 断 剛 性 と減 衰 比 と言 う要 因 の他 に も,浅 部 と深 部,隣 り合 う土 層 間,土 層 の グル ー プ 化 の 方 法 等 で推 定 され る 各 パ ラ メ ー タ 値 の 間 で 複 雑 な ト レー ドオ フ が 発

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生 して い る と考 え られ,実 際 解 析 の 結 果 を詳 細 に 観 察 し て い る とそ の よ うな 例 に 出 会 うこ と も 多 い. こ の よ う な トレ ー ドオ フ 関 係 は,一 般 的 な 地 震 動 の 観 測 結 果 の 逆 解 析 で も見 られ た が,神 戸PIデ ー タ で は, そ の 地 震 動 が 大 き い た め か,そ の 現 わ れ 方 が 特 に 顕 著 で あ る と思 わ れ る. 従 っ て,Gに 対 す る 重 み(d12)が 大 き い 場 合 (d12=10,100,1000,10000)と 小 さ い 場 合(d12= 0.001,0.01,0.1,1)の 結 果 に そ れ ぞ れ でABICは 極 小 値 を とっ て い た.こ れ は,全 時 間(0∼60(sec))で 逆 解 析 を 行 な っ た 際 も 生 じ,Gの 重 み が 大 き い 場 合 は,せ ん 断 剛 性 の 事 前 平 均 値G0に,Gの 重 み が 小 さい 場 合 は,減 衰 比 の 事 前 平 均 値h0に 引 っ 張 られ る推 定 値 と な っ た.こ の 解 析 結 果 を表-2及 び 図-2と 図-3に 示 した.特 に 表-2 及 び 図-2よ り分 か る よ うに,ABICに は2つ の 極 小 値 が あ る. 最 終 的 に,著 者 ら はせ ん 断 剛 性 に 対 す る 重 みd12が 大 き い 場 合 の 推 定 が,良 い 推 定 結 果 を 与 え て い る と考 え た.そ れ は,表-4に 示 した 条 件 数 が,こ の 場 合 は200程 度 で あ り適 切 化 が 十 分 に 行 わ れ て い る と判 断 され る の に 対 して,d12が 小 さ い 場 合 の 条 件 数 は,1か ら10万 の オ ー ダ ー で,依 然 と して 推 定 値 の 不 安 定 が 解 消 され て い な い と判 断 す る か らで あ る.具 体 的 な 推 定 結 果 で は,前 者 はGが 相 対 的 に 固 定 され,hが 変 化 して い る(図-3). 15secご と の 記 録 に 基 づ く 逆 解 析 結 果:時 間 間 隔 15(sec)ご と の 逆 解 析 結 果 で も,ABICは せ ん 断 剛 性 に 対 す る重 みd12が 大 き い 場 合 と小 さ い 場 合 で それ ぞ れ 極 値 を と っ た.そ れ ぞ れ の 場 合 の評 価 関数J1,J3の 値,そ れ ぞ れ のABICの 値 を 表-3に,条 件 数 を表-4に 示 した. 全 記 録 の 解 析 の 場 合 と同 じ理 由,す な わ ち条 件 数 の 大 き さ か らd12が 大 き い 場 合 の 方 が,安 定 した 結 果 を与 え て い る と判 断 した.こ れ ら推 定 され たGとhの 結 果 を, 図-4(a),(b)と 図-5(a),(b)に 示 した.前 者 は 評 価 関数J1 に よ る結 果,後 者 はJ3に 関 す る結 果 で あ る. 図-4(a)の 評 価 関数J1に よ るGの 推 定 結 果 で,Gは1 ∼16(sec) ,5∼20(sec)で は,事 前 平 均 値 に 対 して そ れ ほ ど変 化 は な い が,10∼25(sec)以 降 地 震 動 の 主 要 部 で は, 3,5,9層 でGが 初 期 値 よ り10∼20(%)小 さな 値 を と っ て い る.第3層 は 地 下 水 位 直 下 の 地 盤,5,9層 は 粘 土 層 で あ る た めGが 低 く,そ の 結 果 大 き な ひ ず み が 発 生 し, 初 期 せ ん 断 剛 性 か らの 低 下が 大 き く な っ た と 考 え られ る.. 一 方 ,図-5(a)のJ3に よ るGの 推 定 結 果 で は,1∼ 16(sec),5∼20(sec)で は3,5,9層 で せ ん 断 剛 性 比 は 小 さ く な っ て い る.10∼25(sec)以 降 の 地 震 動 の 主 要 部 で は,事 前 平 均 値 とあ ま り変 わ ら な い 値 を と っ て い る. h は,図-4(b)と 図-5(b)に 示 され る よ う に,Gに 大 き な 重 み を 与 え た 分,h/h0の 変 化 は 相 対 的 にG/G0の 変 化 よ り大 き い.G同 様3,5,9層 に 特 徴 が あ り,他 の 層 に 比 べ て も大 き な 値 を とっ て い る.し か し,J3に 比 べ てJ1 の 場 合,す な わ ち 図-4(b)の 方 が 図-5(b)の 場 合 よ り,地 震 動 の 大 き い10∼25(sec),15∼30(sec)で 大 き な値 を 与 え て お り,よ り適 切 な推 定 結 果 を示 して い る と考 え ら れ る. さ ら に 各 時 間 帯 に お け るGに 対 す る 重 み(d12)の 大 小,各 評 価 関 数 ご とのABIC最 適 値 を と る と き の 事 前 情 報 の 重 み(d12)の 値,ABICの 値 を表-3に 示 す.J1で は,全 体 的 に,ま た 特 に 地 震 動 の 主 要 部 で,Gに 重 み が 大 きい 場 合 にABIC最 小 値 を と る.J3で は,1∼16(sec), 5∼20(sec)でGに 重 み が 小 さ い 場 合 にABIC最 小 値 を と る が,10∼25(sec),15∼30(sec),20∼35(sec)の と き はGに 重 み が 大 き い と きABIC最 小 値 を と る な ど,統 一 され た 傾 向 が み られ な い.こ の こ とか ら もJ1に よ る Gやhの 推 定 値 が,安 定 して い る とい え る. 逆 解 析 に 伝 達 関 数 の位 相 を用 い て も,ノ イ ズ が 大 き く 結 果 的 に推 定 に あ ま り役 に 立 た な い こ と は,沢 田 ら14), 飛 田15)も 指 摘 して お り,上 記 の 結 果 は,こ れ らの 結 論 と 一 致 して い る . 表-4に は,各 ケ ー ス の 最 小ABICに お け る 条 件 数 を 示 した.せ ん 断 剛 性Gの 重 み が 小 さい 場 合 は,条 件 数 は か な り大 き く,推 定 結 果 が不 安 定 で あ る こ と を明 確 に 示 して い る.一 方Gの 重 み が 大 きい 場 合 は,条 件 数 は 数 百程 度 で,前 者 よ りか な り小 さ く,安 定 した 推 定 結 果 を与 え て い る こ とが 分 か る.こ の 結 果 よ り も,Gの 重 み が 大 き い 場 合 は の 方 が,妥 当 な 推 定 結 果 で あ る と考 え ら れ る. (2)  推定 地盤 定 数の ひず み依 存 性の 推 定 次 に,推 定 した 地 盤 定 数 を 用 い て 砂 質 土(第1∼4,6∼ 8層),粘 性 土(第5,9層)で,各 層 ご と の 地 盤 定 数 の ひ ず み 依 存 性 を 検 討 す る.な お,こ こ で 言 う有 効 せ ん 断 ひ ず みG-γeffと は 応 答 を 時 間 領 域 で 見 た と き の 土 層 に 発 生 して い る最 大 せ ん 断 ひ ず み の65%の 値 で あ る.図-6 に,特 に 砂 質 土 で ひ ず み が 大 き か っ た 第3層 に お け る, G-γeffとh-γeffの 経 時 的 な 変 化 を 表 し た. こ の 図 で1∼16(sec)の 解 析 結 果 を 除 い て 考 え る と,G とhは 時 間 と共 に ひ ず み が 増 大 し,そ れ ぞ れ 減 少 と増 加 を した 後 に,初 期 状 態 に 戻 っ て い る の 様 子 が 明 確 で あ る.た だ し,hの 増 加 に 比 べGの 減 少 は 少 な い.ま た, 図-7は 第9層 に お け るG-γeffとh-γeff経 時 的 な 変 化 を 表 した.こ の 層 で はGの 低 減 は,余 り見 られ な い が,減 衰 比 は,ひ ず み が 大 き く な る と増 加 して い る. 図-8に す べ て の 層 のG/G0とh/h0をγeffに 対 して プ ロ ッ トした.特 に 変 化 が 大 き い 推 定 地 盤 定 数 を と っ た 第3,5,9層 は,ひ ず み は 大 き く,従 っ て ひ ず み 依 存 性 も 明 確 に確 認 され た.第1,2層(特 に 第1層)の ひ ず み の 値 が 小 さい の は,液 状 化 の 影 響 に で あ る と も 思 わ れ る

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表3 各 時刻歴 間 にお け るd12,d22の 重 み付 け とABIC せ ん断 剛 性 に 重 み が 大 きい 場 合  せ ん 断 剛 性 に 重み が 小 さい 場 合 記 録全 体 ラ ン ニ ン グ ス ペ ク ト ル(Time Step=15.0(sec)) 表4  各時刻歴間における条件数 せ ん断 剛 性 に重 み が大 きい 場 合  せ ん断 剛 性 に重 みが 小さい 場 合 紀緑 全 体 ラン ニ ン グ ス ペ ク ト ル(Time Step=15.0(sec)) 図-4(a)  各 時刻 、各層 にお け る正規 化 され たせ ん断剛性(せ ん断剛 性に重 み が多い 場 合、J1) 図-4(b)  各 時刻 、各 層 にお け る正 規 化 され た減 衰比(せ ん 断剛性 に重 み が多 い場 合 、J1) 図-5(a)  各時 刻 、各 層 にお け る正規 化 され たせ ん 断剛 性(せ ん 断剛 性に重 みが 大 きい場 合 、J3) 図-5(b)  各 時 刻 、各 層 に お け る正 規 化 され た 減 衰比(せ ん 断 剛 性に重 み が大 きい 場 合、J3)

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1.

と こ ろ でKokusho and Matsumoto (1998)16)は,こ の 研 究 で 扱 っ た 神 戸PIの 地 震 を 含 む 幾 つ か の 地 震 動 に つ い て 逆 解 析 を 行 な い,得 られ たG/G0とh/h0を ,有 効 ひ ず みγeff対 して プ ロ ッ ト した.こ の 結 果 を,図-9 に 示 す. こ れ ら を比 較 す る こ と に よ り,次 の こ とが 言 え る: 1.ひ ず み の 大 き さ に 関 して は,本 研 究 とKokushoら 16)の 結 果 は ほ ぼ 同 じス ケ ー ル で あ る.特 に粘 性 土 が 他 の 土 質 よ りひ ず み が 大 き く,最 大0.01付 近 の 値 を と っ た. 2.本 研 究 で推 定 され たせ ん 断 剛 性 比G/G0の,ひ ず み に 関 す る依 存 性 は,一 般 に 室 内 実 験 な ど で 求 め ら れ た 挙 動 に 比 較 す る と,そ の 減 少 の 割 合 は,大 き く は な い. 3.一 方h/h0は,本 解 析 の 結 果 の 方 が,Kokushoら の 結 果 よ り も大 き な 増 加 を 示 して い る土 層 も あ る. 4.い ず れ の 解 析 で も,一 部 の 土 層 の せ ん 断 剛 性 比 (G/G0)が ひ ず み10-3∼-4で,1よ り大 き か っ た. こ の 原 因 は 明 確 で は な い. 4.  結 論 本 研 究 に よ り得 られ た,主 な 結 論 は 次 の 通 りで あ る. 1.鉛 直 観 測 ア レ ー に 基 づ い て,重 複 反 射 理 論 に 基 づ い た 等 価 線 形 解 析 に よ る 逆 解 析 に よ り動 的 地 盤 定 数 を 求 め る と き,問 題 の 不 適 切 性 の た め 推 定 値 が き わ め て 不 安 定 に な る.こ の 研 究 で は,問 題 の 適 切 化 を 図 る た め,拡 張 ベ イ ズ 法 とい う定 式 化 を と り,せ ん 断 剛 性Gと 減 衰 比hの 事 前 情 報 に そ れ ぞ れ 重 み 付 け を した 上 で,解 析 に導 入 して い る.こ の 結 果 不 適 切 性 は,こ の2種 類 の パ ラ メ ー タ 間 の ト レー ドオ フ 関係 に 集 約 され た.先 の 研 究4),5)で は, ABICに よ り こ の2つ の 定 数 群 の ト レー ド ・オ フ 関 係 を 比 較 的 うま く調 整 で き た.し か し,今 回 の 地 震 動 は 大 き い た め か,調 整 が 必 ず し も 自動 的 に う ま くは い か な か っ た.す な わ ち,Gに 対 す る事 前情 報 の 重 み(d12)が 大 き い 場 合 と小 さい 場 合 の,2つ の 部 分 で,そ れ ぞ れABICが 極 値 を と る よ うな 結 果 に な っ た.と は 言 え,Gに 対 す る重 み が 小 さい 場 合 は,逆 問 題 の 適 切 性 と言 う観 点 か ら は 条 件 数 が 大 き く,問 題 は 適 切 化 され た と は 判 断 で き な い の で,す べ て の 解 析 結 果 を,,Gに 対 す る重 み が 大 き い 場 合 で 整 理 し た. 2.推 定 地 盤 定 数 と して は,Gに 対 す る 事 前 情 報 の 重 み(d12)が 大 き い 場 合 で,か つ 評 価 関数J1を 用 い て 推 定 した 場 合 の 結 果 が よ か っ た.一 方,評 価 関数 J3で は,地 震 動 の 主 要 部 でABIC最 小 値 が,Gに 重 み が 大 き い 場 合 と小 さ い 場 合 に 分 か れ,推 定 の 結 果 も 不 安 定 で あ っ た.伝 達 関 数 の位 相 は,ノ イ ズ が 大 き く,逆 解 析 の 改 良 に 役 立 た な い と言 う従 来 か らの 知 見 を 裏 付 け る結 果 と な っ た. 3.推 定 結 果 は,有 効 ひ ず み の 増 加 に 対 す る,せ ん 断 剛 性 の 低 下 と,減 衰 比 の 増 加 を一 般 的 に は 示 した.し か し,せ ん 断 剛 性 の 低 下 は,一 般 に 考 え られ て い る ほ ど大 き くは な か っ た.こ れ に 対 して,減 衰 比 の 増 加 は,一 般 に 室 内 試 験 で 求 め られ て い る も の とだ い た い 同 程 度 で あ っ た.今 回 の 解 析 結 果 は,Gとh の 間 の トレー ド ・オ フ 関係 をGを 減 少 させ ず ,む し ろ ん を 大 き くす る こ とで 満 足 し よ う とす る傾 向 に あ っ た.こ の よ うな トレ ー ドオ フ 関 係 が 生 じた の は,本 研 究 で 事 前 情 報 に 重 み 付 け を 行 な う過 程 で,Gとhに 分 け て2種 類 の 重 み を導 入 して い る こ とに も原 因 が あ る と考 え られ る. 4.本 研 究 の 第 一 の 目的 は,著 しい 不 適 切 性 を有 す る 多 層 系 地 盤 の 波 動 伝 播 理 論 に 基 づ く等 価 線 形 化 法 に よ る,ア レー 記 録 逆 解 析 問 題 で,不 適 切 性 を如 何 に 克 服 し,問 題 を適 切 化 し,合 理 的 な 解 を得 る か と 言 う点 に あ っ た.同 時 に,得 られ た 解 析 結 果 か ら, 動 的 地 盤 定 数 に つ い て 議 論 す る こ とを 第 二 の 目的 と した.事 前 情 報 へ の 重 み の 導 入 の 方 法 等 に,改 良 の 余 地 は 残 して い る よ う に も 思 わ れ る が,一 応 の 目的 は 達 した と考 え る. 謝 辞:な お 本 解 析 で 使 用 した デ ー タ は,神 戸 市 開 発 局 が 公 開 して い る観 測 デ ー タ で あ る.こ の よ うの 有 意 義 な デ ー タ を 公 開 され て い る こ と に 対 し,深 謝 の 意 を 表 わ す. ま た,本 論 文 の 査 読 者 の 内2名 の 方 か らは,大 変 丁 寧 で 有 益 な 査 読 意 見 を頂 い た.こ れ ら意 見 は,こ の 論 文 の 改 良 に 大 変 貢 献 した の で,こ こ に 深 謝 の 意 を表 わ す. 参 考 文 献 1) 大 谷 順 他11名:基 礎 理 論 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ 報 告 (WG1),地 盤 工 学 に お け る 逆 解 析 の 適 用 と施 工 管 理 に 関 す る シ ン ポ ジ ウ ム 発 表 論 文 集,pp.1∼52,1997. 2) 本 城 勇 介,酒 向 一 也,菊 池 喜 昭:杭 の 水 平 地 盤 反 力 係 数 逆 解 析 に お け る 各 適 切 化 手 法 の 比 較,応 用 力 学 論 文 集, Vol.2(印 刷 中),1999. 3) 大 崎 順 彦:新 ・地 震 動 の ス ペ ク トル 解 析 入 門,鹿 島 出 版 会,1994. 4) 本 城 勇 介,西 川 原 和 幸,鬼 丸 貞 友,吉 澤 睦 博,杉 本 三 千 雄: 実 地 震 ア レー 観 測 に 基 づ い た 動 的 地 盤 定 数 の位 相 を 考 慮 した 逆 解 析,地 盤 工 学 に お け る逆 解 析 の 適 用 と施 工 管 理 に 関 す る シ ン ポ ジ ウ ム 発 表 論 文 集,pp.79∼86, 1997.

5) Honjo Y., Iwamoto, S., Sugimoto, M., Onimaru, S.

and Yoshizawa, M.: Inverse analysis of dyanmic soil

properties based on seismometer array records using

the extended Bayesian method, Soils and

Founda-tions ,Vol.38, No.1, pp.131-143, 1998.

6. 辻 原,沢 田,谷:鉛 直 ア レ ー 観 測 記 録 に よ る 地 盤 振 動 特 性 の 同 定,構 造 工 学 論 文 集,36A, pp.747-756, 1990. 1地 表 付 近 でせ ん断 ひ ず み が小 さい の は ,地 表 面が応 力 解法 面 で, せ ん断 が ゼ ロに な るた め と言 う意 見 もあ る.本 論 文 は,ど ち ら の説 明 が真 の現 象 を捕 らえて い るの か を議 論 す る こ とを 目的 と してい な い.

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図-6 第3層 の各 時間帯 にお け る推 定地盤定数 に対す る ひずみ依存 性(せん 断剛 性に重み が大 きい場 合) 図-7 第9層 の各 時間帯 にお ける推 定地盤 定数 に対す る ひず み依存 性(せん断剛性 に重みが大 きい場 合) 図-8 本研究 にお ける推 定地盤 定数 に対す るひずみ依 存 性(せ ん断剛 性に重みが大 きい場 合) 図-9  Kokusho12)に お け る推 定地盤定数 の ひ ず み 依 存 性

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7) 本 城 勇 介:逆 解 析 に お け る事 前 情 報 とモ デ ル の 選 択(そ の1)及 び(そ の2),土 と基 礎,Vol.43, No.7, pp.63-68, 及 びNo.8, pp.51-51, 1995. 8) 山崎 文 雄,鹿 林,片 山 恒 雄;ア レー 観 測 に お け る地 震 計 設 置 誤 差 の評 価;土 木 学 会 論 文 集No.432/I-16, pp.231-240, 1991. 9) 吉 田郁 政 ・栗 田 哲 史;兵 庫 県 南 部 地 震 の 観 測 記 録 を 用 い た ポ ー トア イ ラ ン ド表 層 地 盤 の 動 特 性 の 逆 解 析,土 と基 礎,43-9(452) pp.44-48, 1995.

10) Sugito, M., Sekiguchi, K., Yashima, A., Oka, F.,

Taguchi, Y. and Kato, Y.: Correction of

orienta-tion error of borehole strong moorienta-tion array records

obtained during south Hyogo earthquake of Jan. 17,

1995,土 木 学 会 論 文 集,No.531/I-34, pp.51-63, 1996. 11) 岡 二 三 生 ・杉 戸 真 太 ・八 嶋 厚 ・山 田 耕 一 郎 ・天 野 洋 和;埋 立 地 盤 で の 鉛 直 ア レー 観 測 記 録 に 基 づ く 地 震 動 非 線 形 増 幅 特 性 の 検 討,地 震 工 学 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集,pp.49-52, 1997. 12) 福 武毅 芳;ポ ー トアイ ラ ン ドにお け る地 盤 の液 状化 と基 礎 の挙動解 析,日 本 建築 学会 関 東 支部構 造 部 会 シ ンポ ジ ウム 「兵庫 県南 部地震 にお け る地震 動 と建 築物 の応 答 」, 1995. 13) 山 下 清,平 井 芳 雄;神 戸 ポ ー トア イ ラ ン ドに お け る 埋 立 マ サ 土 の 液 状 化 解 析(そ の1)解 析 モ デ ル と地 盤 定 数,地 盤 工 学 研 究 発 表 会 講 演 論 文 集,pp.899-900, 1997. 14) 沢 田,岡 本,平 尾,辻 原:地 盤 のS波 速 度 とQ値 の 部 分 同 定 法 の 開 発,土 木 学 会 論 文 集,No.495/I-28, pp.111-119, 1994. 15) 飛 田潤:統 計 的 手 法 に よ る地 震 波 形 記 録 の 解 析,理 論 地 震 動 研 究 会 編 著,「 地 震 動 」,pp.199-231,鹿 島 出版 会,1994

16) Kokusho, T. and Matsumoto, M.: Nonlinearity in

situ amplification and soil properties during the 1995

Hyogoken Nambu earthquake, Spacial Issue of Soils

And Foundations, pp.1-9, 1998.

参照

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