〔注意事項〕 .監督者の指示があるまで,この冊子と解答用紙を開いてはいけません。 .この冊子の問題は ページからなっています。また,解答用紙は 枚,下書用紙は 枚あります。監督者から解答開始の合図があったら,この冊子,解答用紙,下書用紙 を確認し,落丁・乱丁および印刷の不鮮明な箇所などがあれば,手をあげて監督者に 知らせなさい。 .解答用紙には,受験番号を記入する欄がそれぞれ 箇所ずつあります。監督者の指示 に従って,すべての解答用紙(合計 枚)の受験番号欄(合計 箇所)に受験番号を必ず 記入しなさい。 .この冊子の白紙と余白は,適宜下書きや計算などに使用してかまいません。 .解答は,必ず別紙「解答用紙」の指定された場所(問題番号や設問の番号・記号などに 対応する解答欄の中)に記入しなさい。なお,指定された場所以外や,裏面への解答 は採点対象外です。 .解答用紙は,持ち帰ってはいけません。 .この冊子と下書用紙は,持ち帰りなさい。
生
令 和 年 度(後期日程) 入学者選抜学力検査問題総 合 問 題
( 分)Ⅰ
次の文章を読んで,以下の問いに答えなさい。 (配点率 %) タンパク質はそれぞれに固有のはたらきをもつ。例えば,酵素は生体内の化学反応を触媒し, 代謝にかかわっている。また,チャネルやポンプなどは細胞膜を介した物質の輸送に,アクチン フィラメントや微小管などは細胞内の物質の輸送にかかわっている。タンパク質はリボソームに より,アミノ酸がペプチド結合したポリペプチドとして合成される。ポリペプチドは単独で,あ るいは複数の集合体としてはたらく。例えば,ミオグロビンは 本のポリペプチドから,ヘモグ ロビンは 本のポリペプチドからなる。 ヘモグロビンは脊椎動物の赤血球に存在し,酸素と結合して,肺から全身の細胞へと酸素を運 ぶ。ヘモグロビン分子は 種類のポリペプチド(α 鎖と β 鎖)が 本ずつ集合した合計 本のポリ ペプチドで構成されており,各ポリペプチドにヘム分子を 個ずつ含む。ヒトのかま状赤血球貧 血症はヘモグロビンの遺伝子の変異によって引き起こされることが知られている。この遺伝子の 変異はヒトの生存に不利に作用すると思われるが,アフリカ西部などでは淘汰されずに維持され ている。 問 .酵素は触媒の一種である。無機物からなる無機触媒と酵素の共通点を つ答えなさい。 問 .タンパク質を構成するアミノ酸は 種類存在するが,そのうち硫黄原子を含むアミノ酸 の名称を つ答えなさい。 問 .ヘモグロビンの %が酸素分子と結合しているとき,血液 . L 中のヘモグロビンに結 合している酸素分子の物質量(モル)を計算の過程を含めて答えなさい。なお,ヘモグロビン (四量体)の分子量を , ,血液 . L 中のヘモグロビン含有量を gとする。 問 .ヒトのヘモグロビンのα 鎖とヘム分子の結合には, 番目と 番目の つのヒスチジン が関与している。アミノ酸配列上離れた位置にある つのアミノ酸残基がなぜ同じヘム分子 と結合できるのかを 字以内で答えなさい。 問 .遺伝子の塩基の つに置換が起きても,翻訳されるタンパク質のアミノ酸配列に変化がな い場合がある。それは,どのような塩基置換が起きた場合か,考えられる例を つ答えなさ い。 問 .下線部の理由を 字以内で答えなさい。Ⅱ
次の文章を読み,以下の問いに答えなさい。 (配点率 %) 細胞には文字通り「細胞骨格」という正式名称のついたタンパク質性の繊維があって,外骨格た る細胞壁に対して,あたかも内骨格のようである。そのハタラキは主に二つ, ⑴ 形態と運動に関わ る役割を果たしている。たとえば,細胞のカタチに関する役割として,細胞膜の内側に見られる 裏打ち構造,これは細胞骨格の繊維が担っている。たとえれば,東京ドームの屋根膜を支える二 十八本のケーブルのようなものと言えようか。ちなみに,東京ドームの屋根膜は細胞膜と同じく 二重構造だが,細胞膜は脂質二重層であるのに対し,東京ドームはフッ素樹脂加工したガラス繊 維膜である。 (中略) さて,細胞骨格はそのフィラメント(繊維)の太さで三種類に分けられている。細いフィラメン トと太いフィラメント,そして,中間径フィラメントである。これらの細胞骨格のタンパク質 は,動物細胞では総タンパク質の十∼三十%も占めるが,植物細胞ではせいぜい数%程度であ る。動物細胞は外骨格たる細胞壁を持たないので,「内骨格」がカタチをつくる,そして,後述す るようにウゴキを生みだす。 細いフィラメント(ミクロフィラメント)は直径約七ナノメートル(nm,百万分の一ミリ)で, アクチンというタンパク質の重合体である。この重合体というのは,アクチンの単体は球状なの だが,それが数珠のようにつながったものを指す。この数珠が二本,まるで DNA の二重らせん 構造のように絡み合ったものがミクロフィラメントである。これは,細胞のカタチをつくるだけ でなく,アメーバのような細胞のもぞもぞした動きや ⑵筋収縮という速い動きを生み出すもとであ る。ここにカタチとウゴキは表裏一体であることが見て取れる。なお,ミクロフィラメントは毒 キノコ(タマゴテングタケ)の毒成分であるファロイジンで蛍光染色すると顕微鏡できれいに 細胞内に宇宙があるように 見える。 中間径フィラメント(直径十 nm 前後)を構成するタンパク質は複数あり,これまでに約七十の 遺伝子が知られている。と言うことは,ハタラキもそれなりに多彩であって簡単にまとめること はできない。その中でも,動物の体表面にある ⑶上皮細胞ではケラチン(サイトケラチン)というも のが細胞核から細胞膜にむかって放射状に延び,細胞のカタチの形成と維持に関わっている。ケ ラチンは他にも髪や羊毛,爪,角,鱗,亀の甲羅の角質板などの素材として,外骨格的にも用い られているほど硬い素材である。生物素材でこれほど硬いものは他にキチンしかない。 中間径フィラメントのもう一例を。ビメンチンというものは,核やミトコンドリアなどの細胞 内小器官が細胞内でふらふら動き回らないよう,ある程度固定しておくハタラキがある。ビメン かくらんネズミ(マウス)は攪乱どころか,見た目は正常のように振る舞った。これは,次に述べる「太い フィラメント」がビメンチンの代わりにその役割を果たしているためであり,逆にビメンチンが 「太いフィラメント」の役割を果たすこともあったそうだ。 太いフィラメント(直径二十五 nm)は微小管と呼ばれる繊維で,チューブリンというタンパク 質でできている。細胞分裂のとき,それまでバラバラだった染色体が中央面に並び,両側にす うっと動き分かれていく様子を早送りで御覧になった方も多いだろう。その染色体のウゴキは微 小管が担っている。もちろん,これ以外にも細胞内で様々なハタラキをしているが,それとは別 の観点で興味深いのは,そのカタチとウゴキである。 「太いフィラメント」をなすチューブリンというタンパク質はまず二つの単体がくっついて二量 体になり,それが整然と積み上がって管状構造をとる。「細いフィラメント」がアクチンの数珠で あるのと似ている。このアクチンとチューブリンからなる数珠は生物界で最もダイナミックな分 子である。一方の端で新たな珠が加わりつつ,他方の端では珠が外れていって,両端での収支が 釣り合っているため,一見すると長さは変わらないように見えるのだ。あたかも,室内でマラソ ンの練習をする器具「ルームランナー」(トレッドミル)で走っても走っても前に進まないのと似て いるので,これらの数珠に見られるダイナミックな珠の離合を「 ⑷トレッドミリング」と呼ぶことが ある。特に,細いフィラメントのアクチン繊維は DNA と同じ二重らせん構造なのに,DNA は きわめて安定しているのに対し(遺伝情報の媒体なのだから不安定=動的では困る),アクチン繊 維は生物界で一,二を争うほど動的である。カタチ=安定性,ウゴキ=不安定性という表面的な 仕分けが通じないのが,細胞骨格なのだ。 (「形態の生命誌−なぜ生物にカタチがあるのか」 長沼毅 著,新潮社, 年,一部改変) 問 .下線部⑴の関係性を筆者がどのように考えているか,文章中の言葉を使って述べなさい。 問 .下線部⑵に関係する以下の文章中の( ア )∼( キ )に,適切な語句を記入しなさい。 筋収縮は,骨格筋の収縮により生じる。骨格筋は,( ア )と呼ばれる細長い細胞が束状 に集まったもので,腱によって骨とつながっている。( ア )の細胞質には,多数の細長い ( イ )が存在し,それぞれの( イ )は,Ca+を貯蔵する( ウ )で包まれている。骨 格筋や心筋の( イ )は,顕微鏡で観察すると,明るく見える明帯と暗く見える暗帯とが交 互に配列しており,明暗の規則的な縞模様がみられることから( エ )とも呼ばれる。明帯 の中央には( オ )と呼ばれる仕切りがあり,( オ )で仕切られた間を( カ )という。 ( イ )は,細いアクチンフィラメントと太い( キ )フィラメントから構成されている。 (新潮選書)
問 .下線部⑶に関係する以下の文章中の( ア )∼( ウ )に,適切な語句を記入しなさい。 上皮組織に見られる細胞接着は,その機能や関係する膜タンパク質の種類などから,以下 の つの結合に分けられる。小さな分子も通れないほど,細胞同士が隙間なく結合する接着 を( ア )結合,管状の膜タンパク質が つの細胞をつなぐことでイオンやアミノ酸などの 小さな分子が移動できる接着を( イ )結合,細胞骨格につながったカドヘリンやインテグ リンなどの膜タンパク質により結合する接着を( ウ )結合と呼ぶ。 問 .下線部⑷に関して,様々な方向を向いたフィラメントでトレッドミリングだけが継続的に 起こると細胞形態に問題が生じる。どのような問題が生じるか,また,どのような機構があ ればこの問題を解決できるか述べなさい。 問 .以下の細胞骨格に関する説明文⒜∼⒠の中から正しいものをすべて選び,アルファベット で答えなさい。 ⒜ 神経細胞では,細胞小器官はダイニンにより微小管上を軸索末端側へ輸送される。 ⒝ デスモソームを構成するタンパク質には,中間径フィラメントが結合している。 ⒞ 中心粒は,チューブリンからなる三連微小管が 組環状に並んだ構造をしている。 ⒟ 原形質流動は,アクチンフィラメント上をキネシンが移動することにより起こる。 ⒠ アクチンフィラメントは,細胞分裂時に紡錘糸として働く。
Ⅲ
次の文章を読み,以下の問いに答えなさい。 (配点率 %) 生物は様々な体外環境の変化や病原体であるウイルス,細菌,菌類,寄生虫などから体を守る しくみとして生体防御機構をもっている。この機構には,生まれながらにして病原体などを排除 する自然免疫と脊椎動物などで特殊化し発達した( ア )免疫が存在する。免疫では白血球が重 要なはたらきをする。白血球は骨髄にある( イ )からつくられ,血管やリンパ管を通じて全身 を移動する。白血球には,( ウ ),( エ ),樹状細胞,リンパ球などの種類がある。その一 部は,胸腺,リンパ節,ひ臓などで成熟し,様々なはたらきをもつようになる。リンパ球には, 胸腺で成熟する( オ )と( カ ),ひ臓で成熟する( キ ),体内をめぐってウイルスなどに 感染した細胞を直接攻撃して破壊する( ク )がある。 ( ア )免疫は,異物に対して特異的にはたらき,同じ異物が繰り返し侵入すると強化される という特徴をもつ。この異物は抗原と呼ばれ,樹状細胞によって消化・分解される。樹状細胞で 抗原情報が細胞表面に示される抗原提示がおこると,( オ )や( カ )がこれを認識し,それ ぞれ活性化して増殖する。( オ )は全身をめぐり,抗原に感染した細胞を破壊する。一方, ( カ )は( エ )と( キ )を活性化する。活性化した( キ )は増殖して抗体産生細胞にな る。抗体産生細胞によってつくられた抗体は抗原と特異的に結合して抗原を不活化する。これに より,ウイルスや細菌などの抗原が排除される。感染症にかからないようにする方法の一つとし て予防接種がある。これは病原体の抗原情報を保ったまま病原性をなくしたものを接種するもの で,この時用いられる抗原をワクチンという。インフルエンザは,ワクチンの接種がなされてい ても大流行することがある。 問 .文章中の( ア )∼( ク )に入る適切な語句を答えなさい。 問 .無脊椎動物の昆虫を材料に,以下の①∼③の手順で血球のはたらきを調べる実験を行っ た。予想される観察結果について 字以内で説明しなさい。 ① フタホシコオロギの腹部に注射器で墨汁を . mL 注入した。 ② 日後に後肢の基部をカミソリの刃で切開して,出てきた体液を注射器で採取した。 ③ 採取した体液をスライドガラス上に 滴落として,カバーガラスをかけて顕微鏡で観察 した。 問 .⒜抗体の物質名を答え,⒝その構造を図示しなさい。図には H 鎖,L 鎖,定常部,可変 部を指示しなさい。⒞多様な抗体を産生するために可変部領域で起こる変化について説明し なさい。 問 .下線部の理由を 字以内で説明しなさい。問 .マウスを用いて血液中に産生される抗原 A に対する抗体の量を調べる実験を行った。実 験開始時( 日目)と 日目に抗原 A の注射を行ったところ,図に示したような抗体量の変 化がみられた。⒜ 度目の抗原注射に対する免疫反応を何というか。また,⒝その反応につ いて 字以内で説明しなさい。 血液中の抗体量(相対値) 100 10 1 0 抗原注射 1 度目 抗原注射 2 度目 0 10 20 30 40 日数 50 60 70 80
Ⅳ
次の文章を読み,以下の問いに答えなさい。 (配点率 %)問 .文章中の ∼ に適切な人名を入れなさい。 問 .文章中の ∼ に適切な人名を入れなさい。 問 .文章中の下線部について,ここでは簡単に,同時にストップを叫んだのが Tom と Dick であり,二人はともに,L がちょうど / に等しく,L を取り去った残り(R とする)が / に等しいと考えているとしよう。この後は分配をどのように行うのがよいか,あなたの考え る解決手順を理由とともに示しなさい。 (以 上)