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Clinicopathological Study of Peritumoral Brain Edema in Meningioma
Mitsunobu IDE
i
Department of Neurology (Head: Prof. Shoichi MARUYAMA)
Tokyo Women's Medical College
Department of Neurosurgery (Director: Prof. Minoru JIIY[BO) Tokyo Women's Medical College Daini Hospital
The meningioma is a benign intracranial tumor and considered to be less associated with peritumoral edema in its growth. However it is not infrequently observed in CT scan that the
meningioma is surrounded by prominent brain edema. Many factors have been discussed to participate in producing peritumoral edema of meningioma, but its exact mechanism still remains unclarified. In this study attempts were made to clarify the edema producing mechanism of meningioma from
radiological and pathologica; viewpoints. Thirty nine meningiomas which have been surgically removed for the past eight years were submitted to this study. Histology was based on the conventional hematoxylin-eosin preparations, immunoperoxidase stain for GFAP (glial fibriliary acidic protein) and LCA (leukocyte common antigen). The size and location of tumors and their
peritumoral edemas were evaluated on CT findings. The results were as follows.
1) The most significant factor correlated with the edema formation was the size of the tumor. As the tumor grew larger, the edema was more prominent. There was no statistical correlation between the development of edema and other factors, such as age of the cases, location of the tumors and the histological features including vascularity, lymphocytic infiltration in the tumor and presence of GFAP in the tumor tissue.
2) Among the subtypes of meningioma, the meningotheliomatous type tended to have the more
peritumoral edema, particularily as the dural invasion of the tumor was more conspicuous.
3) Microscopic observation focussed to the boundary areas between the tumor and the adjacent brain tissue revealed that in these area tumor tissue invaded to the brain tissue and normal cortical
architectures such as the pia mater and the arachnoid membrane were destroyed. The tumor and
brain tissues were intermingled each other, thus making a cerebro-tumoral complex. The destruction of the leptomeninges and cortex statistically correlated with the production of edema.
4) These results suggest that mechanical factors are predominant in producing edema occurring with meningiomas. The arachnoid membrane is impervious to fluid, and the pia is less permeable to
macromolecular substances such as the protein of edema fluid, probably originated from the
meningioma itself. The cerebral cortex, with its architecture of tightly interwoven cellular processes has also proved to be quite resistant to the spread of edema fluid. However, when the biomechanical
properties of these structures become destroyed as the tumor grows, hydraulic continuity is established between the tumor and the white matter, transmission of edema fluid into the white
matter will be facilitated. ' ' '' '
-38-39 緒 言 髄膜腫は良性腫瘍であるにも関わらず,神経膠 腫や転移性脳腫瘍と同じように腫瘍周囲に広範な
脳浮腫を伴うことがあり,その発現頻度は
40∼50%といわれている1)2).しかし,その発生機 序や発生に関わる因子については十分に解明され ているとは言えない.神経膠腫の場合は,血液脳 関門の障害によってvasogenic edemaが発生し, 脳浮腫の広さは腫瘍の悪性度に比例する.しかし, 髄膜腫周囲の脳浮腫の発生には多くの要素が関与 しており,神経膠腫の場合ほど簡単に説明がつか ない.これまでにも,髄膜腫の大きさ,部位,組 織型3)∼7),髄膜腫細胞の分泌能8)∼10)などと脳浮腫 との関連が研究されているが,一定の見解はいま だ得られていない.本研究では,髄膜腫の組織学 的所見と脳浮腫との関連を検討するとともに,こ れまで,ほとんど検討が加えられていない髄膜腫 と脳との接触面を組織学的に検索し,脳浮腫発生 のmechanismを考察した. 対象および方法 過去8年間に著者の経験した頭蓋内髄膜腫のうち適切なCT像の得られている39例を対象とし
た.多発性および再発髄膜腫は対象から除外した. CT scanについてはpermanent filmを用い て,(1)腫瘍の部位,(2)腫瘍の大きさ(3次元 的計測における最大径),(3)腫瘍周囲の脳浮腫の 有無,(4)脳浮腫の領域と脳室系の関係等を検討 した.さらに39例中10例においてMRI(magnetic
resonance imaging)が行われている。日立G− 10(0.15T)より得られたT1強調画像(SE 500/ 30),プロトン密度強調画像(SE 2,000/30), T2 強調画像(SE 2,000/100)を用いて腫瘍と腫瘍周 囲の脳浮腫の関連を検討した. 病理組織学的には摘出腫瘍を可能な限り全体に わたり検索し,光学顕微鏡で観察した.通常の Hematoxylin−Eosin染色,銀染色などを行った. また,免疫組織化学的検索としてはLCA(leuko−cyte common antigen)とGFAP(glial fibrillary
acidic protein)に対する抗体を用いてPAP法に
て検討した.ζれにより髄膜腫のsubtypeを
WHO分類に従い決定し,さらに腫瘍辺縁部の
vascularity,硬膜浸潤,リンパ球浸潤の程度,腫 瘍内のGFAPの存在の有無について調べた. さらに腫瘍辺縁部を光顕的に観察し,脳組織が 腫瘍に付着しているかどうかを調べた.付着部位 を組織学的に検討し,腫瘍と脳組織の接触面にお ける腫瘍の脳への癒着あるいは浸潤の程度と脳浮 腫の発生との関連について検討した. 結 果 1.年齢,性 平均年齢52.3±13.2歳(16∼77歳).男:女= 6:33であった.39例中,CT scan上脳浮腫を 伴ったものは22例(56.4%),伴わなかったものは 17例(43.6%)であった.脳浮腫を伴った群の平 均年齢は52.7±13.2歳,脳浮腫を伴わなかった群 の平均年齢は51.7±14.0歳であり,年齢と脳浮腫 の発生の間に関連はなかった.全症例のまとめを 表1に示した. 2.髄膜腫の大きさと脳浮腫 表2に示したように,径3.Ocm以下の腫瘍は7 例あったが,脳浮腫を伴ったものはなかった.径 が3.Ocmより大きく,5.Ocm以下の腫瘍は22例 あったが,このうち14例(63.6%)が脳浮腫を伴っ ていた.径が5.Ocmよりも大きい腫瘍は10例あっ たが,こg)うち8例(80.0%)に脳浮腫がみられ た.それぞれの径の代表的症例のCT像を写真1 ∼3に呈示した.Kruskal and Wallis検定でも腫 瘍の大きさと脳浮腫の有無との間には相関がみら れた(p<0.01).しかし,径が5.Ocmを越える大 きな腫瘍でありながら例外的に脳浮腫を認めない 症例14(写真4)および24(写真5)が存在した. 3.髄膜腫の部位と脳浮腫 髄膜腫の部位と例数は以下のとおりで,傍矢状 部一大脳鎌i:8例(20.5%),大脳弓隆部:8例 (20.5%),蝶形骨縁:6例(15.4%),中頭蓋窩: 4例(10.2%),鞍結節:3例(7.7%),嗅窩:3 例(7.7%),小脳先回部:3例(7.7%),脳室内: 3例(7.7%),小脳国学部:1例(2.6%)であっ た.統計的に腫瘍の部位と脳浮腫の発生の間には 明らかな関連はみられなかった(表3).しかし, 鞍結節および脳室内の髄膜腫で脳浮腫を伴いにく表1 39例のまとめ
Case
mo. Age Sex Tu斑or location
Tumor ■ Slze icm) Histological @subtype ?р?高Brain Tumor 高≠窒№奄獅≠撃 ypervas−c 浮撃≠窒奄狽 ymphocytici 視u1tratiOn FAP, 奄獅狽 mor A hered b 窒≠奄?■ tlssue Type ofin 狽?窒?≠be between ■ ■ m ?高獅№撃盾高? ≠獅?brain 3 F P rasagittal 4 .5F B 十 } 十 一 一 5 F 〃 2 5 F B 一 一 / 一 . 一 5 F 〃 6 8 F B 十 十 十 .「 1 7 M 〃 5 0. M N 十 一 / 一 一 十 I 6 F 〃 4 5 M N 十 十 / 一 十 十 I 5 . 〃 4 3 T A 十 一 / 十 十 十 1 5 F 〃 2 0 F B 一 一 / 一 一 一 2 F F lx 4 5 M N 十 一 十 . 一 十 1 5 F C nvexity 4 0 M N 十 十 一 一 5 F 〃 1 5 F B 一 一 一 一 一 一 4 F 〃 6 3 M N 十 一 .十 十 一 十 王 4 F 〃 4 3 M N 十 十 十 一 十 十 1 4 F 〃 7 3 M N . 一 十 一 十 十 I . 6 F 〃 6 6 M N 一 一 一 ㎝ 一 7 F 〃 5 0 M N 十 一 十 十 十 十 H 3 M 〃 2 0 A G 一 十 一 十 } 7 F S henoid ridge 6 1 F B 十 一 / 十 一 / 6 . F 〃 5 0 M N 十 十 / 一 . 一 6 F 〃 5 0 M N 十 十 十 一 一 5 F 〃 5 3 M N 十 一 / 一 一 / 7 .F 〃 4 0 F B 一 一 / 一 一 十 1 4 M 〃 4 4 M N 一 十 / 一 十 十 1 4 F M ddle fossa 5 0 M N 一 一 / 一 一 / 1 F 〃 5 5 H P 十 / 一 一 一 3 F 〃 5 2 H P 十 . / 一 一 十 工 6 F 〃 1 5 F B 一 一 / 一 一 一 4 F O factory groove 3 5 M N 十 / 十 一 一 . 5 . 〃 4 0 M N 十 一 / 一 十 十 I 5 M 〃 5 5 M N 十 一 / 一 十 十 1 5 .F T berculum sellae 3 5 M N 十 / 一 一 一 3 F 〃 2 5 T A 一 一 / 一 . 一 6 F 〃 5 0 M N 一 一 / 一 一 一 5 F C rebellar convexity 4 3 F B 皿 一 一 一 一 一 、 5 F 〃 3 3 F B 十 一 十 十 一 一 6 F 〃 4 0 F B 一 一 一 } 一 5 .F L teral ventricle 2 5 T A 一 一 / 十 一 一 5 F 〃 7 5 T A 十 十 / 一 十 一 3 M
4
h ventricle 5 0 T A 一 一 / 一 一 一 4 F C rebello−pontinean №撃 3 9 T A 十 十 / 一 一 一N=Meningotheliomatous, FIB:Fibrous, TRA:Transitional, ANG;Angiomat6us,. HA戸:Hemangiopericytic.
表2 腫瘍の大きさと脳浮.腫の有無 Maximal tumor @ di.ameter(cm)Ed ?高 ≦ .0 ≦ .0 ≦ .0 ≦ .0 ≦ ,0 ≦ .0 7 0〈 0 0 5 9 4 3 1 0.01
41 写真1 症例2.造影CT 腫瘍径2.5cmの小腫瘍であり,脳浮腫を認めない. 写真2 症例12.造影CT 腫瘍径4.3cmの中等大の腫瘍で,白質に広範な脳浮腫 を認める. い傾向がみられた(写真6).また,脳室内髄膜腫 でなくとも,症例24(写真5)のように腫蕩の増 大過程の早期に脳室と交通をもった例では脳浮腫 を認めなかった.蝶形骨縁および中頭蓋窩より発 生した髄膜腫では,en plaque型のものは脳浮腫 を伴わず(写真7a), globoid型で脳浮腫を伴いや 写真3 症例3.造影CT 腫瘍径6.8cmの大きな腫瘍であり,白質に広範な脳浮 腫を認める. すい傾向がみられた(写真7b).従来,脳浮腫を伴 いにくいといわれる小脳三眠部の髄膜腫において 脳浮腫を認めた例(症例34)があった. 4.脳浮腫の領域と脳室系の関係 テント上の髄膜腫では,脳浮腫は腫瘍周囲の白 質に始まり,求心性に深部へ進展し,広範なもの ではcentr㎜semiovale全体に広がっていた.こ の場合,脳浮腫の領域は側脳室と接触しているの が大部分であった.Centrum semiovaleの浮腫が 側脳室のレベルを越えて内包へ進展したり,脳梁 を経て対側大脳白質に進展する例はなかった.ま た,腫瘍周囲の脳浮腫はかならずしも腫瘍の全周 を覆っているわけではなく,写真8のように外側 部にまったく脳浮腫を認めないものもあった. 5.髄膜腫の組織学的所見と脳浮腫 髄膜腫のsubtypeで分類するとmeningothe・ 1iomatous 19例(48.7%),飾rous 11例(28.2%), transitiona16例(15.4%), angiomatous 1例 (2.6%),hemangiopericytic 2例(5.1%)であっ た.Subtypeと脳浮腫の有無との間に統計学的に 明らかな相関はみられなかったが,meningothe− 1iomatous typeで脳浮腫を伴いやすい傾向がみ られた(表4).
a b C 写真4 症例14.大脳弓隆部髄膜腫 a:造影CT.径6.6cmの大きな腫瘍であるが,脳浮腫を認めない. b:MRI. T2強調 画嫁,SE(2,000/100)周囲脳浮腫を認めない. c:腫瘍摘出後の脳表面.脳表はくも 膜で覆われており,脳への腫瘍の浸潤の形跡はない. 組織学的に腫瘍辺縁部のvascularityの高い腫 瘍(写真9)は11例あったが,このうち脳浮腫を 伴ったのは7例(63.6%)であった(表5). 腫瘍付着部の硬膜を組織学的に検索しえたのは 15例であった.このうち,写真10のように硬膜浸 潤のみられたのは10例あり,その全例で脳浮腫を 認めた(表6). 腫瘍へのリンパ球浸潤の強いものは8例あった が,このうち7例(87.5%)に脳浮腫がみられた (表7).リンパ球浸潤のタイプには,腫瘍被膜下 に強いもの,腫瘍実質内にcell clusterとして存 在するもの(写真11a, b),腫瘍と脳の境界部に強 いもの等があった. 腫瘍内のGFAPは写真12のようにみられたが, これは腫瘍の増大過程で腫瘍内に取り込まれた astrocyteであると考えられた.腫瘍内GFAP陽 性例は10例あったが,このうち8例(80.0%)で 脳浮腫を伴っていた(表8). 統計的には,硬膜浸潤を認めるもので脳浮腫を 伴いやすいという結果が得られた(pく0.001).し
43 a b 写真5 症例24.中頭蓋窩後部より発生した髄膜腫の造影CT a:水平断.b:前額断.径5.5cmの大きな腫瘍であるが,脳浮腫を認めない.手術時, 腫瘍は側脳室三角部に突出しているのが確認された. 表3 腫瘍の部位と脳浮腫の有無 ocation
ddema Parasagitta1@ ∼Falx
Cerebral モ盾獅魔??奄狽 Sphenoid @ridge Middle?盾唐唐 Olfactory X「oove Tuberculum @ sellae Cerebellar モ盾獅魔??奄狽 Ventricle Cerebello・ 垂盾獅狽奄獅?angle 十 62 53 42 13 30 03 12 12 10 nO SignifiCanCe 写真6 症例32.鞍結節髄膜腫の造影CT 腫瘍径5.Ocmの腫瘍であるが,脳浮腫を認めない. かし,腫瘍辺縁部のvascularity,リンパ球浸潤, 腫瘍内GFAPの有無と脳浮腫の発生との間には 明らかな関連はみられなかった. 6.髄膜腫と周囲脳組織の接触面の形態と脳浮 腫との関連 摘出された髄膜腫の辺縁部を光顕的に観察し た.腫瘍の被膜内摘出などにとどまった3例(症 例17,20,23)を除いて,36例で腫瘍の辺縁部が 確認可能であった.この36例中腫瘍辺縁部に脳組 織の付着が確認できたのは14例(38.9%)であっ た(表1).脳組織の付着のみられた14例中CT scan上脳浮腫を伴っていたのは12例(85.7%)で あった.一方,脳組織の付着の確認できなかった 22例のうち脳浮腫を伴っていたのは8例(36.4%) のみであった(表9).髄膜腫辺縁への脳組織の付 着のあるもので脳浮腫を伴いやすいという結果が
a b 写真7
a:症例22.造影CT,蝶形骨縁髄膜腫のen plaque typeであるが,脳浮腫を認めない. b:症例18.造影CT,蝶形骨縁髄膜腫のgloboid typeであるが,脳浮腫を認める. a b 写真8 症例6.傍矢状髄膜腫のMRI a:T1強調画像. b:プロトン密度強調画像.腫蕩周囲の脳浮腫が極めて明瞭に描出さ れている.脳浮腫は腫瘍の全周にみられるわけではなく,外側部では脳浮腫を認めて いない.また,脳浮腫は側脳室のレベルでとどまっており,内包への進展,脳梁を介 しての対側大脳白質への進展はみられない.
45
表4 髄膜腫のhistological subtypeと脳浮腫の有無
Subtype
ddema Meningotheliomatous Fibrous Transitiona1 Angiomatous Hemangiopericytic
十一 14 @5 47 33 01 11 no SignifiCanCe 写真9 症例22.腫瘍辺縁部の血管増生像 血管壁には一部に硝子化がみられる(HE×40). 富 表6 髄膜腫の硬膜浸潤と脳浮腫の有無 Dural invasion ddema 十 十一 10 @0 05 10 T 10 5 15 pく0.001 表7 髄膜腫内のりンパ球浸潤と脳浮腫の有無 Edema Lymphocytic @ infiltratiOn 十 一 十 71 15 P6 22 P7 8 31 39 nO SignifiCanCe 表8 髄膜腫内のGFAPの存在と脳浮腫の有無 Edema
GFAP
十 一 十一 82 14 P5 22 P7 10 29 39 nO signi丘CanCe 写真10 症例19.髄膜腫の硬膜浸潤 硬膜内層を越えて腫蕩が浸潤している(HE×100). 表5 髄膜腫辺縁部のhypervascularityと脳浮腫の有無 HypervascularityEdema 十 一 十一 74 15 P3 22 P7 11 28 39 nO Signi丘CanCe 得られた(p<0.05,Fisher検定). 腫瘍と脳との接触面を光顕的に観察すると,2 種類のtypeに大別できた.境界が比較的平滑な9 例(Type I)と,腫瘍が丘nger・likeに脳組織の中 へ浸潤している5例(Type II)である. Type I, Type IIとも接触面に明らかなくも膜, arachnoidtrabeculaeの構造はなく,したがって,くも膜下 編も存在しなかった. Type Iでは接触面に,いわゆる腫瘍被膜といえ るような結合織構造がみられるものがあったが (写真13a),同一腫瘍においても部位により被膜 の存在しないところもあった.このような接触面 の結合織は腫瘍固有の被膜というよりも,くも膜, arachnoid trabeculae,軟膜および腫瘍のseptae
} 邑 ぐ・ 、 a 禽 」 “ .歪 撮、
魂
鯉1嚢
轟1
轟爺齢
b 写真11症例11.腫瘍実質内へのリンパ球浸潤C赴11clusterを形成している. a:HE×200. b:知は1eukocyte co㎜on antigen (LCA)陽性細胞(lmmunoperoxidase stain for LCA,×400).
灘3
「魂
呼醜メ
写真12 症例5,腫瘍内にとり込まれたGFAP陽性細 胞(astrocyte)
Immunoperoxidase stain for glial fibrillary acidic
protein(GFAP)×400 表9 髄膜腫辺縁部への脳組織の癒着と脳浮腫の有無 ; Adhered brain ddema 十 } 十 12 Q 814 20 P6 14 22 36 p<0.05 などの集合体と考えられた.また,接触面の結合 織が非常に少なく,被膜といえるほどの構造がな く,腫瘍実質と脳組織が接している場合も多かっ た.このような場合には,GFAP染色で腫瘍一脳 接触面の脳側にGFAPが密に存在する層があっ
た.これは組織学的にmembrana 1㎞itans gliae
super丘cialisに相当するものであり, glia細胞の
突起が直に腫瘍実質に接触している像であった
(写真13b).
Type IIでは, Type Iと異なり腫瘍と脳組織の
間に結合織はまったくみられず,腫瘍実質と脳組 織は直に接していた.腫瘍はType Iの場合より も浸潤性であり,丘nger−1ikeに脳内に浸潤してい る像がみられた(写真13c, d).腫瘍細胞塊が Virchow・Robin腔あるいは脳組織中に悔状に散 在している像(写真14),あるいは逆に,腫瘍表面 から数mm深部にまで脳組織が取り込まれてい る像(写真15)もみられた.Type IIの像を呈した 5例は全例meningotheliomatous meningioma であった. 腫瘍に接している脳自体の変化としては,神経 細胞の変性,脱落(写真13),gliosis,浮腫, cystic changeを認めたが,これらはType I, Type IIに 共通であった. 画像診断上,脳皮質の破壊の有無やType Iか Type IIかを判断するのは一般に困難であった. しかし,皮質への浸潤の強かった症例13ではGd−
DTPA造影MRIで腫瘍辺縁の不整像がみられた
(写真16). 考 察 従来,髄膜腫では40∼50%に脳浮腫を伴うとい われている1)2).また比較的小さな腫瘍でも広範な47 写真13 a 症例8.腫瘍と脳組織の境界部(Type I).境界部には被膜様の構造が認められる が,くも膜,軟膜などの構造ははっきりしない.脳組織ては神経細胞の変性,脱落や 浮腫が認められる(HE×200). b 症例8.腫瘍と脳組織の境界部(Type I),腫瘍被膜は認めない,境界部の脳側に はGFAPが密に存在する. Glia細胞の突起は翻頬1こ接している(1㎜moperox−
1dase staln for GFAP×200).
c症例13.腫瘍と脳組織の境界部(Type II)(HE×100).
d 症例5.腫瘍と脳組織の境界部(Type II)(HE×40).腫瘍は伽ger likeに脳組 織内に浸潤している.被膜様構造は認められない.
写真14 症例5,脳組織内の腫瘍細胞塊(HE×200) 写真15症例13,脳組織が腫蕩深部に取り込まれてい る像(HE×40)
、,
Q
写真16症例13.Gd・DTPAによる造影MRI, SE (500/30) 腫瘍辺縁部の不整像を認める, 脳浮腫を伴うことがあり,逆に,大きな腫瘍でも 脳浮腫のみられないことがある.もともと脳の外 から発生する髄膜腫がいかなる過程で白質の浮腫 を惹起するようになるのか.これまでにも,腫瘍 の大きさ,部位3)樹,腫瘍による脳静脈系の閉 塞3)11)あるいは髄膜腫の組織所見3)∼η,髄膜腫細胞 の分泌能8)∼10),性ホルモンリセプター12)などの髄 膜腫の生物学的特徴と脳浮腫の発生の関連を扱っ た多くの研究があるが,統一的な見解はいまだ得 られていない.今回の検索結果より以下の点につ いて考察した. 1.浮腫液の産生源について これまで,髄膜腫においては白質の浮腫の原因 となる浮腫液がどこで産生されるのか明かではな かった.髄膜腫により圧迫された脳が虚血に陥る ことにより,あるいはserotonine, biogenic amines, prostaglandinなどのchemical factorの作用により,血液脳関門(blood brain barrier,
BBB)が破壊され,この部分より血漿成分が漏出 し脳浮腫が生ずるとする報告がある13,14).本研究 でも,浮腫液の産生源に関してはなお結論は出な いが,最近,髄膜腫周囲の浮腫脳自体にはBBBの 障害はないか,あっても軽度であるとする報告が 出てきている4)15),神経膠腫においてみられる脳浮 腫はBBBの障害されている腫瘍血管からの血漿 成分の漏出により生ずるとされており16),BBBの 障害があることは造影CTで異常造影がみられる ことにより端的に示される.一方,髄膜腫に伴う 脳浮腫の領域にCT上異常造影がみられることは 極めて稀であり4),この領域にBBBの障害のない ことの証左となっている. また,髄膜腫症例の浮腫脳の電顕的観察では, 皮質の血管構築に大きな変化はなく,内皮細胞の
tight junctionもはっきりみられ, fenestrationは なく,内皮細胞内のpinocytotic vesicleのわずか な増加と,astrocytic footの膨化, protein richな
細胞外液の増加がみられる程度である.さらに実 際に浮腫のある白質自体には血管構築上の異常や astrocytic footの膨化はなく,細胞外液の増加が みられるのみであり,BBBの破壊を思わせる所見 はほとんどない16).一方,髄膜腫の血管の超壁構造 は,fenestrated endotheli㎜,多くのpinocytotic vesicle, punctate type junctionなどがみられ,
浮腫脳の血管よりもはるかに透過性が剃刀してい
る所見である(leaky vesse1)17)18). Gd・DTPAを
用いた増強MRIの研究で,髄膜腫の血管自体が 浮腫液のsourceである可能性を指摘する研究も あるゆ.また,髄膜腫細胞自体の分泌能を強調する 報告8)陶10》もあるが,いずれにしろ,最近では,髄膜 腫組織自体が浮腫液の主たる産生源であると考え られるようになってきている3)4)19).cystic menin− giomaの中には腫瘍血管の異常な透過性充進に より血漿成分が漏出し形成されたと考えられるも のがあり20},考え合わせると興味深い. 2.腫瘍による圧迫 腫瘍が大きいほど脳への圧迫が強いことは容易 に理解されるが,本研究では腫瘍の大きさと脳浮 腫の発生との間には相関が有ることが明らかと なった.径3.Ocm以下の腫瘍で脳浮腫を伴ったも のはなかった.腫瘍が大きくなるほど脳浮腫を伴 う率は高くなり,5.Ocmを越える腫瘍で脳浮腫を 伴わないのは10例中2例のみであった.ある程度 以上の大きさの腫瘍で浮腫を伴わないのはむしろ 例外的と考えてよいように思われる.
49 従来,髄膜腫による脳の圧迫が脳浮腫発生の重
要な原因のひとつであると考えられてい
る3)∼5)21).さらに腫瘍の増大速度を重視する考え 方5)吻もある.しかし,単なる圧迫のみによってた だちに脳浮腫が発生するのかどうかには疑問があ る.確かに,動物実験では,脳の硬膜外からの圧 迫によりvasogenic edemaが発生することが有 り22)23),この場合の脳浮腫はステロイドに反応す る24).しかし,臨床的に髄膜腫に伴う脳浮腫がステ ロイドに反応することは少ない21).また,硬膜外血 腫,慢性硬膜下血腫では著しい脳の圧迫があるに もかかわらず,CT上髄膜腫のときのような脳浮 腫がみられることはない.以上の点を考えると, はたして髄膜腫による圧迫だけで脳浮腫が発生す るのかどうか疑問が残る.実際に,本研究におい て径5.Ocmを越える大きな腫瘍で脳の圧迫が強 い例でも脳浮腫のみられなかったものが2例あり (写真4,5),脳浮腫の発生には圧迫以外の要因 も関与していることが考えられる. 3.髄膜腫の部位と浮腫液のドレナージ これまでにも,脳浮腫の発生しやすい髄膜腫の 部位としてanterior parasagitta1, frontalconvexity3), frontobasal16)などが挙げられている が定説はない. 本研究では,脳浮腫を伴いやすい髄膜腫の部位 というのは統計的に明らかとはならなかった.し かし,鞍結節および脳室内髄膜腫で脳浮腫を伴い にくい傾向がみられた.これら2者に共通する点 として,腫瘍が広い髄液腔に接していることが挙 げられる.腫瘍内で産生された浮腫液4)18>25)26)が髄 液腔へ容易にドレナージされるため脳実質内の浮 腫を惹起しにくいものと考えられる.また,浮腫 がある場合でも写真8のように脳浮腫は脳室に接 触したところで留まる傾向があり,脳室を越えて 反対側へ浮腫が進展することはなかった.動物実 験でも白質の浮腫液はbulk且owにより脳室内へ 移動することが確かめられており27)∼29),脳室系が 浮腫液のドレナージに果たす役割は大きいと考え られる.また脳室内髄膜腫でなくとも,症例24(写 真5)のように腫瘍の増大過程で脳室系と交通を もったものでは脳浮腫は発生しにくいものと考え られた. 4.髄膜腫の組織学的所見と脳浮腫 本研究において,髄膜腫のsubtypeではmenin− gotheliomatous typeで脳浮腫を伴いやすい傾向 がみられたが,統計的には有意でなかった.これ までの報告で脳浮腫を伴いやすいとされているの
は,いわゆるangioblastic type5》6), malignant meningioma7), transitionalおよびmeningothe−
liomatous type4)であり,必ずしも一定していな い.Angioblastic meningiomaでは腫瘍内での浮 腫液の産生の多いことが浮腫を伴いやすいことの
理由として挙げられている5)6).Malignant menin−
giomaではなんらかのedema promoting factor
の存在が想定されている7)1 本研究には,高率に脳浮腫を伴うといわれる hemangiopericytic meningiomaが2例(症例24, 25)含まれているが,1例(症例24)では脳浮腫 を伴っておらず,やはり浮腫液のドレナージなど の他の要因が脳浮腫の発生により深い関係がある ように考えられた.またmalignant meningioma は本研究の中には含まれていないが,著者が過去 に経験した頭頂葉のgliosarcomaでは大脳半球 の白質全体に亘る広範な脳浮腫を認めた30).生物 学的に悪性度の高い腫瘍は,強い脳浮腫を伴いや すいものと考えられた. これまで,腫瘍辺縁部のvascularity,腫瘍の硬 膜浸潤および腫瘍内のリンパ球浸潤の程度と脳浮 腫発生との関連を検討した報告は少ない3).この ため,本研究でこれら3者と脳浮腫の関連を検討 したわけであるが,硬膜浸潤の強い例で脳浮腫を 伴いやすいという結果が得られたものの,他には 統計的に明らかな相関はみられなかった. 硬膜浸潤は腫瘍の浸潤性を表わしているが,本 研究では硬膜浸潤のあった症例が必ずしも脳への 浸潤を伴っていたわけではなく,脳浮腫発生との 関連についてはさらに今後の検討を要するものと 考えた.
腫瘍内のGFAPは腫瘍の増大過程で腫瘍内に
取り込まれたastrocyteの存在を示すものであ る.腫瘍内のGFAPの存在は腫瘍の脳側への浸潤 性を反映するものと考え,脳浮腫の発生との関連において検討を加えたが,GFAPの有無と脳浮腫 の発生との間には明らかな関連はみられなかっ た. 本研究では検討の対象とはしなかったが,髄膜 腫組織のmitosisやcellularityの程度と浮腫と の関連についても,これまでの報告5>16)17>では明ら かな:相関を見出していない. 5.髄膜腫による脳皮質の破壊と脳浮腫 髄膜腫は脳の外から発生するものであり,腫瘍 が小さいうちは腫瘍はくも膜,軟膜で脳皮質とは 隔絶されている.この段階では腫瘍の摘出は容易 であり,脳表面をまったく損傷せずに腫瘍を剥離 除去することができる.Water jetにより腫瘍を くも膜から剥離できるほどである31).この段階の 腫瘍で脳浮腫がみられることは極めて少ない.し かし,腫瘍の増大とともにくも膜,軟膜は破壊さ れ,腫瘍は脳皮質と接触するに至り,ついには脳 皮質を圧迫,癒着し,これの変性を来すようにな る. これまで,腫瘍被膜を含めた髄膜腫の辺縁や腫 瘍一脳接触面の形態についての系統だった報告は あまり多くない.32)僧38).その中にあって,中洲 ら37)38)は,非手術例髄膜腫の剖検例で,腫瘍と大脳 の接触面を組織学的に詳細に検討している,この なかで,良性腫瘍である髄膜腫であっても脳側へ 浸潤性に発育し,くも膜,軟膜さらには大脳皮質 までも破壊し,腫瘍と大脳白質が直に接すること が稀でないことが示されている. 本研究の対象は手術例であり,摘出腫瘍辺縁へ の脳組織の付着には技術的な要素が加わってくる 懸念がある.しかし,実際に腫瘍一撃接触面を組 織学的に検討してみると,くも膜や脳軟膜の構造 は消失しており,腫瘍と脳組織は接し,脳皮質へ の浸潤や脳組織の変性等がみられたことから,手 術時の技術的要因から偶然に付着したものとは考 えにくい.また,このような腫瘍一脳接触面が形 成されている場合,手術的にわずかなくるいもな く腫瘍と脳の間を剥離することは不可能であると 考える. 本研究では髄膜腫によるくも膜,軟膜,脳皮質 の破壊が有り,腫瘍と脳との癒着の強いものが脳
「仔
勾 Meningioma Edema fluid Absence ofIeptomenl〔ges and cortex
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Dura/
駆認鰭
Spread of edema 図 髄膜腫に伴う脳浮腫の発生機序(模式図) 髄膜腫の増大に伴い,leptomeningesおよび脳皮質の 破壊が起きると腫瘍組織と脳の白質は水力学的に連続 性を持つようになり,腫蕩内で産生された浮腫液は容 易にcomplianceの高い白質内に移動する. 浮腫を伴いやすいという結果が得られたが,この ことは以下のように説明できると考える. 本来,くも膜は1血液髄液関門の一部として水を 通過させない作用をもっている.また,軟膜は脳 実質と髄液の接触面にあたり,水および電解質は 通過させるが,分子量の大きいタンパク質などは 通過させない4).さらに,脳皮質は神経細胞や神経 膠細胞の突起が密な:networkを形成しており,白 質とは異なり浮腫液の貯留および移動の起こりにくい,いわゆるcomplianceの低い組織であ
る4)19)25)39).腫瘍が小さく,くも膜,軟膜,脳皮質 のこうした特性が障害されていない時点では,髄 膜腫組織のなかで産生された浮腫液は容易には白 質内へ移動しない.しかし,腫瘍が増大し,くも 膜,軟膜,脳皮質の破壊が起き,、腫瘍と脳の自質 が水力学的に連続性をもつと腫瘍内で産生された 浮腫液は容易にcomplianceの高い白質内に広が るであろうことは想像に難くない(図).大きな腫 瘍でも症例14(写真4)のように,腫瘍と大脳皮 質の間にくも膜が残存し,大脳皮質の連続性が保 たれているものでは脳浮腫の発生はみられなかっ た. Leptomeningesの残存およびcomplianceの低 い脳皮質が保たれている場合には脳浮腫は発生し にくく,逆に,これらが破壊されている場合に脳 浮腫が発生するものと考える.結 論 (1)腫瘍の大ぎさと脳浮腫の発生の間には相関 がみられた.すなわち,腫瘍が小さいほど脳浮腫 は発生しにくく,逆に腫瘍が大きいほど脳浮腫は 発生しやすい. (2)腫瘍の部位と脳浮腫の発生との間に統計的 に明らかな関連はみられなかった.しかし鞍結節 髄膜腫,脳室内髄膜腫で脳浮腫が発生しにくい傾 向がみられた.腫瘍内で産生された浮腫液が広い 髄液腔へ容易にドレナージされるためと考えられ た. (3)髄膜腫の組織学的subtypeではmenin− gotheliomatous meningiomaケこおいて脳浮腫が 発生しやすい傾向がみられた. (4)組織学的には,腫瘍の硬膜浸潤の強いもの で脳浮腫を伴いやすかった. (5)しかし,腫瘍辺縁部のvascularity,リンパ 球浸潤の有無,腫瘍内GFAPの存在の有無と脳浮 腫の発生とのあいだには統計的に明らかな相関は みられなかった. (6)腫瘍辺縁に脳組織の癒着がみられ,iep− tomeninges,脳皮質の破壊を伴うものでは有意に 脳浮腫を伴うものが多かった. (7)髄膜腫に伴う脳浮腫は主としてmechani・ cal factorにより説明しうる.すなわち,本来,く も膜および脳皮質は腫瘍内で産生される浮腫液を 通過させないが,髄膜腫の増大に伴いくも膜およ び脳皮質が破壊され,この特性が障害されると腫 瘍組織と脳の白質は水力学的に連続性を持つよう になり,白質への浮腫液の移動が促進され脳浮腫 が発.生すると考えられた. 稿を終えるにあたり,御校閲を賜った:丸山勝一主任 教授に謝意を表します.本研究の機会を与えて頂き, 直接御指導を賜った神保 実教授に深謝いたします. また,終始御協力,御教示頂いた脳神経センター脳神 経外科久保長生助教授に感謝するとともに,御協 力頂いた第二病院脳神経外科医局諸兄に御礼申し上 げます. 文 献
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