Title
Association between serum leptin concentrations and bone
mineral density, and biochemical markers of bone turnover in
adult men( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
佐藤, まゆみ
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1299号
Issue Date
2002-03-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14974
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員
佐
藤 まゆみ(愛知県) 博 士(医学) 乙第1299 号 平成14 年 3 月13 日 学位規則第4条第2項該当Associatjon between serumJeptin concentratjon$and bone mineraJ density.and biochemicalmarkers of bone turnoverin aduJt men
(主査)教授 安 田 重
吉
(副査)教授 正 村静
子
教授清
水 克時
論文内容の要旨 レプチンは,1994年遺伝性肥満マウスであるob/obマウスの病的遺伝子の研究より同定されたホルモンで, 脂肪細胞から分泌され,主に視床下部で作用し,強力な摂食抑制やエネルギー消費元進をもたらす。近年,胎盤 機能や,造血などにも影響を与える事が報告されている○レプチンの骨代謝に対する影響については,肥満者は 血中レプチンは高値であるが・骨粗馨症になりにくいことが報告されており,レプチンは骨量を増加する方向に 作用すると予想されてきた。しかしながら2000年Dncyらはマウスにおいて,レプチンが視床下部を介して骨形 成を抑制する事を報告した0本研究はヒトでのレプチンの骨代謝における役割を明らかにするため,成人男性に おいて血中レプチンと骨密度及び骨代謝マーカーの関係を解析した。 対象および方法 対象は人間ドック精密検査を受診した男性221人である。年齢52.1±8.7歳,身長167.5±5.8。m,体重66.4±9.2 kg・Body massindex(以下BMI)23・6±2・8kg/m2である。骨密度(以下BMI)はsingle photon absorptiometry法によりOsteoanalyzerSXA2000を用いて,右踵骨を測定した。総脂肪量はインピーダンス法によりTBF-102BIAsystemを用いて測定した0血中レプチン・骨形成マーカーであるCarboxyterminalpro-PePtide of typelprocollagen(以下PICP)・骨吸収マーカーであるCross-1inked carboxy-terminal teleopeptideoftypelcollagen(以下ICTP)は-20℃に保存した血清を用い,ラジオイムノアッセイ法(レプ チン:LincoReserch,Inc,St・Charles,MO,PICP及びICTP:OrionDiagnostica,Espoo,Finland)を用い て測定した0 骨密度・年齢・脂肪量,血中レプチン,骨代謝マーカーとの相関関係をStatiscalAnalysis Systemを用いて解析を行った。 結 果 測定結果は血中レプチン4・6±2・6ng/ml,総脂肪量15・0±5・5kg,骨密度452・0±75.2mg/cm2,PICPl19.5 ±35.4ng/ml,ICTP2.9±0.7ng/mlであった。 StatiscalAnalysisSystemを用いた解析では,骨密度は総脂肪量や体重と正相関したが,血中レプチンや PICP,ICTPと相関しなかった0しかし,体重補正を行うと骨密度は脂肪量および血中レプチンと負に相関した (r=-0・2455p=0・0002・r=-0・2100p=0・0017)0次に,骨代謝マーカーと,年齢,体重,総脂肪量,レプチンと の相関関係を検討した0 骨形成マーカーPICPは年齢・レプチンと負の相関関係を認め(r=-0.1682p=0.0123, r=-0・1541p=0・0214),体重や脂肪量とは相関せず,年齢補正による影響はなかった。骨吸収マーカーfCTPは, 体重,レプチンと正の相関関係を認め(r=0・1432p=0・0334,r=0.1429p=0.0338)たが,体重補正により有意 な相関関係が消失した。
-131-考 察
血中レプチンや体脂肪は,成人男性において体重補正を行うと,骨密度と負に相関した。それに加え,骨形成
マーカーであるPICPは,血中レプチンと負に相関した。これらの結果より,レプチンは骨形成を減少し,骨密 度を減少させることが示唆された。これらの結果は,DⅦCyらのマウスにおける成績に合致するものであった。 しかしながら.これまでヒトにおけるレプチンと骨代謝に関する研究は多数なされているが,レプチンの骨代謝 に対する役割は,われわれの研究結果とは反対の報告や,影響がないとする報告が殆どであった。この理由は不明であるが,対象者め性差が結果に重要な影響をおよぼしている可能性がある。すなわち閉経による急激な骨量
の減少が,レプチンの骨密度への影響を不明にしている可能性が考えられる。このため,我々は検討対象から女 性を除外し,上述の結果を得た。我々の研究は,成人男性において血中レプチンと骨密度を検討した最初のもの である。肥満状態では,骨密度に対する体重増加を介するポジティプな効果と,レプチンを介するネガティプな 効果のホメオスクーシスにより,骨密度が正常に維持されているものと思われる。 結 語 本研究では,血中レプチンは,成人男性において体重補正を行うと,骨密度と負に相関する事を示した。レプ チンは人において骨密度の負の調節因子である可能性が示唆された。論文_審査の結果の要旨
申請者 佐藤まゆみは,ヒトにおいてレプチンの骨形成抑制作用の存在を,男性のみを対象とし,体重で補正することによってはじめて明らかにした。本研究は∴レプチンの骨代謝における重要な機能を示すと共に.肥満
を伴う疾患におけるレプチンの病態的意義の重要性を示したものであり,肥満,骨粗餐症の病態の理解及び実地 臨床笹_資するものと認められる。 [主論文公表誌]、Association between serumleptin concentrations and bone mineraldensity,and biochemicalmarkers of bone turnoverin adult men.
Journalof ClinicalEndocrinology&Metabolism2001;86:5273-5276