Title
慢性肝疾患の重症化に関する臨床病理学的検討( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
河瀬, 晴彦
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1090号
Issue Date
1996-12-18
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15178
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 蕃 査 委 員 河 瀬 晴 彦(岐阜県) 博 士(医学) 乙第1090 号 平成 8 年12 月18 日 学位規則第4条第2項該当 慢性肝疾患の重症化に関する臨床病理学的検討 (主査)教授 武 藤 泰 敏 (副査)教授 高 見 剛 教授 安 田 圭 吾 論 文 内 容 の 要 旨 これまで劇症肝炎を含む重症肝炎については,その臨床病理学的な特徴について詳細な報告がなされているが, 先行する肝疾患がないことが前提となっている。したがって明らかな慢性肝疾患があり,その経過中に急激に肝 不全に陥り肝性脳症の出現を伴う症例は,最近"acuteonchronic"として把握されているものの,いまだ統一 した見解は得られていない。また先行する基礎肝疾患のない重症肝炎においては,肝性脳症の有無によりその予 後が大きく異なることは以前より指摘されているが,代償された慢性肝疾患の経過中に特に誘因なく,高度な黄 垣あるいは腹水などの肝不全症状を示すものの,肝性脳症の出現が認められない症例も臨床上は少なからず存在 する。これらの症例は一般には,``acuteonchronic,,とは診断できず.適切な診断名がないのが現状であり, またその臨床像について詳細に検討した報告はほとんど見られていない。 そこで申請者は,慢性肝疾患の経過中に重症化(肝不全)をきたした症例を対象にし,肝性脳症の有軌基礎 肝疾患誘因ならびに成因などにより細分類し,それらの臨床病理学的特徴を検討した。 対象および方法 1979年より1995年までの問に岐阜大学第一内科に入院した慢性肝疾患患者で,その経過中に急激に黄垣が進行 し・同時に肝性脳症や腹水などの肝不全症状が出現した重症化例49例を対象とした。臨床病型の分類としてこれ ら49例を,Ⅰ群一慢性肝疾患の経過中に新たな誘因(大量の消化管出血重篤な感染症など)を契機として急激 に肝機能が増悪し,昏睡Ⅱ度以上の肝性脳症を伴った症例,Ⅱ群一慢性肝疾患の経過中に特に明らかな誘因なく 急性肝不全症状が出現した症例に大別した。さらにⅡ群については肝性脳症出現の有無による観点から,昏睡Ⅱ 度以上の肝性脳症を伴った症例(Ⅱe(十)群),高度の黄垣や腹水などの肝不全症状を呈するも昏睡Ⅰ度以内で あった症例(Ⅱe(-)群)の2群に,基礎にある慢性肝疾患の観点から,慢性肝炎であった症例(Ⅱ-CH群) と,肝硬変であった症例(Ⅲ-LC群)の2群に,さらに重症化の成因による観点から,新たな肝炎ウイルスの重 感染による症例(Ⅱ-D群)と,既感劉干炎ウイルスの急性増悪(Schub)症例(Il-S群)の2群に分けて,それ ぞれ臨床病理学的に比較検討した0またB型慢性肝疾患の重症化例については,肝性脳症出現の有無による観点 から臨床的に検討し,さらにB型肝炎ウイルスのpre-COre領域の変異についても検討を加えた。 結果と考察 大量の消化管出血などの明らかな誘因があって,昏睡Ⅱ度以上の肝性脳症が出現したⅠ群は,全例基礎肝疾患 がかなり進行して,肝予備能が低下した肝硬変であり,誘因より脳症発現までの期間は短く,いわゆる末期肝硬 変と考えられた。病理組織学的には,循環障害に基づくと思われる中心静脈周辺の肝細胞の凝固壊死と非常に乏 しい肝再生が特徴であった0一方Ⅱ群ではt新たな肝炎ウイルスの重感染,既感染ウイルスの急性増悪,自己免 疫性肝炎の急性増悪などが成因として考えられた0これらの症例はⅠ群と異なり,初発症状から肝性脳症発現ま での期間が長く,すなわち比較的緩徐に進行し,亜急性の経過をたどり,劇症肝炎亜急性型や遅発性肝不全(L OHF)の臨床経過と極めて近似していた0病理組織学的にも,劇症肝炎やLOHFに類似して肝細胞の融解壊死.
出血,炎症性細胞浸潤が主体であり,Ⅰ群とは明らかに異なっていた。 Ⅱe(+)群とⅡe(-)群を比較すると.Ⅱe(+)群で高齢め傾向であちたが,基礎肝疾患ほ両群とYも肝硬 変,慢性肝炎がはぼ同じ頻度であった。しかし.重症化をきたす前の検査成績で軋 ■ne(+')群において,肝