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トラフ内砂埋布設ケーブルの曲線部における挙動

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U.D.C.d21.315.211.3-747=

トラフ内砂埋布設ケーブルの曲線部における挙動

Behavior

of Power

Cables

Buried

with

Sandinto

Troughs

at

Curved

Route

治*

Yoshiharu Watanabe

通**

HirolnicbiYosbida

三*

弥久暗**

Takaz(〉Yamasbita Yakubaru Nakamura

弘***

資***

HiroshiAmino HirosbiSaitel

東京電力株式会社では,OFケーブルを洞(どう)道内に布設する場合,主要送電幹線については,防災の見 地から,ケーブルをトラフ内に砂埋布設する方式を採用している。その際のトラフ曲線部におけるアルミ被ケ ーブルの熱伸縮に伴う挙動特性について実験を行なった。その結果,ケーブルが熱伸縮の繰返しとともに,砂 上へせり上がる現象を確認し,防災上問題となることがわかった。さらに,この防止策としては,ケーブルを ビニルシートなどでおおったのち,砂埋する方式が非常に有効であること,およびその際のケーブルのシース ひずみも許容ひずみ値より小さく,実用上問題ないことが明らかになった。

1.緒

R OFケーブルを洞道内に布設する場合,主要幹線に ついてほ,事故時における他回線への事故波及ならび に他事故からの波及防止を考慮して,防災対策が重視 される。このため,洞道内においては,ケーブルをト ラフ内に砂埋布設する方式が採用されている。この砂 埋布設ケーブルの熱伸縮に対する基礎検討は,すでに 154kV鉛被および275kVアルミ被OFケーブルを用 いた実規模の実験で検討され,L字形の布設ルートの 場合には,両側の直線部からのケーブルの伸びが曲 線部分に集中することが報告されている(1)。しかし, その際の曲線部におけるケーブルの挙動およぴシース ひずみに関しては報告されていないため,この点を解 明しておくことが必要となり,今回275kVアルミ被 OFケーブルをトラフ曲線部に砂埋布設し,伸縮を与 えた際のケーブルの挙動およびひずみについて実験検

討を行なった。その結果,ケーブルの砂上へのせり上

がり現象が起こって,防災上問題となることがわかり, さらにその防災策として有効な方法を得ることができ た。ここでほこれらの結果について報告する。 減速機 伸宙岩方向 ギヤモータ 3,000 ケーブル伸縮装置 x印:ひずふゲージ取付位置 数字はケージ位置番号 川砂 \

/

【 450 ⑳ ⑳ ⑳ トラフ断面図 ケーブル トラフ く:) 200 1 図1トラフ,ケーブルの実験配置 および測定点配置

2.実験の概要

2.】実 験 方 法 今回行なった実験のトラフおよびケーブル配置は図lに示すとお りである。トラフを半径2.7mの90度の曲がり状に配列し,両端部

に直線区間3mを設けた。使用したケーブルは,275kVlxl,200

mm2ビニル防食アルミ被OFケーブルで,川砂を50mm厚さで敷

きつめたトラフ内に3条俵積み布設し,その上に川砂を250mm満 たした。 ケーブルの伸縮は直線部末端にて楔械的に行なった。すなわち, ケーブルの両端末で一体としたアルミシースと導体を3条一括し て,ケーブル伸縮装置に連結させた。 * 東京電力株式会社 ** 日立電線株式会社研究所 *** 日立電線株式会社日高工場

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尊仇 ギヤモ∽タ ケーブル移動量測定点⑥ アルミテープ トラフ 000J・

冨○■Ml

ケーブル移動量測最長⑧ ケーブル(3粂俵碩み) ケ【プル移動量 測定点④ パイント個所 (計7個所) 2.2 実験の種類 2.2.1実 験 条 件 実験の種頬と実験条件は表lに示すとおりである。実験No.1 ほ,図2(a)に示すように,従来の砂埋の状態であり,これによ って曲線部におけるケーブルの挙動を観察し,ケーブルのせり上 がり現象を解明した。実験No.2∼No.5ほせり上がり防止方法に ついて検討したものである。実験No.2でほ,図lに示す7個所 をステンレステープ(0.15×25mm)で3条一括パインドした。実 験No.3は,3条一括パインドした状態で,実験No.4およびNo. 5はパイントしない状態で,ケーブルを厚さ0.2mmのビニルシ ートでおおったのち砂埋したものである。実験No.1∼No.4の実 験では,通電負荷サイクル後,ケーブル導体温度が定常状態にな ったときの導体温度変化範囲(20℃)に相当する熱伸縮量だけを与 えて行なった。 しかし,実際には,ケーブルにサイクル負荷が投入された際の 熱伸縮量は無負荷時からの導体温度変化に対応して生ずるため,

定常状態に達するまでにはある程度伸び出した状態になる。した

がって,実験No.5でほこの状態に対するせり上がり防止方法が

(2)

蓑1 実 験 条 件 実 験 No. 曲線部角度 r度1 曲率半径 さmJ 伸縮速度 (rnm/b) 伸締塁l ケ ー ブ ル の (mm) 砂 埋 状 一皆 回2!二a)/こインドなし

トラフ内砂埋布設ケーブルの曲線部における挙動

375 ステンレステー7】 丁--/′■ン\ rほ√ん トラフ 90 90 2.7 【/ ワ山 山馴 2 八東 【司2l_b-1/てインド 因2:二c:)/てインド 囲2(c二)パインドなL 衷3参照l回2(■c二)パインドなL 提 条 件 項 目 l ケ ー ・ン 275kVlxl,200m皿2 ァ′ンミ被OFケーブル 布 設 条 件: 洞道内ト ラ フ 砂煙布設 基 底 温 度1 20℃ 導 体 到 達 最 高 温 度! 80℃ サイクル負荷による温度変化・ 20℃(定常状膿において60℃ご80℃) 負 荷 十 12b/12b 蓑3 伸 縮 量 伸縮サイクル 導 体温 度 し℃・

温雫㌔化i仲(盈、壷

1=浣l

雪2

2=窪

3=浣

-ゝ伸 4 一宿 一伸 一縮 70 54 76 58 79 60 80 60 40 -15 25 -16 22 -18 21 -19 20 -20 18.0 -5.5 10.0 -6.0 9.0 -7.0 8.5 -7.5 8.0 -8.0 茹 弼仙 積

18・。12・5一別

55 5只u 21 〇.5 79 〈リムl 5.5 79 21 江:一一一一伸はケーブル端末での軸方向の圧縮を表わL, -縮はケーブル端末での軸方向の引張を表わす。 5サイクル目以後は +8mm,-8mmの伸絡をくり返す。 実用上問題がないことを確認する実験を行なった。. 2.2.2 実負荷サイクル時の伸縮量の決定 無負荷状態のケーブ′レに,サイクル負荷を投入L-た際のケーブ ルの温度変化特性を求めるにあたり,前提条件を表2のようにと った。 12時間の負荷サイクルでは,ケーブル本体の温度変化ほ飽和し てしまうため,負荷サイクルによるケーブル導体温度の変動ほ, 定常状態では次式により求められる。

β1=れ+耶札+i

β2二了1+lれ凡。+ 軌範れ鮎 月 u α1 lれ(1一β ̄吋1)β ̄α2′2+Ⅵち(1-e ̄α2r2) 1-β ̄α2(`1+∼2J

型二担ごぞ三1±野上!二里二竺リ

1-β ̄α2(′1+/2ノ

‖(1) 導体到達下限温度 導体到達上限温度 基 底 温 度 ケーブル部熱抵抗で,ここでほ109.5℃/W/cm を用いて。 洞道部熱抵抗で,ここでほ228℃/W/cmを用 いる。 ケーブルの温度変化時定数 V 「 ̄ r7て ∴/ 揃 いr rcl (b) a)従来からの方法(実験No.1) b)3粂一捕パインド法(実験No.2) c)砂Lや断法 (1)3条一括パイ (2)パイントなし 図2 ケーブルの砂埋状差巨 ド(実験No.3) (実験No.4.5) 凸・三:洞道内気温の温度変化時定数 Iyl:β1-→β2の温度変化をもたらす発生損失 lヰ′2:β2-→β1の温度変化をもたらす発生損失 Jl:lγ1が発生する時間=12時間 才2:Iγ2が発生する時間=12時間 温度変化定数をα1=0.558(1/h),α2=0.03(1/h)とす ると,♂1=60(℃),♂2=80(℃)および(1)式より, lγ1=0.21 (W/cm) lγ2=0.0815(W/cm) ‖(2) となる。 無負荷状態(導体温度:20℃)から上記サイクル負荷(l吼,耶) が継続的に加えられたとして導体温度を求めると,負荷を投入し てg′時間後の導体温度Tは T(′′)=rl(才′)-71(′′-12)+71(よ′-24) 一712(f′-36)+・…‥+T2(g′一12タヱ)… ..(3) ここに,J′-12〝>O rl(′)=Iれ‡凡。(1一β▲叫)+β。ut(1-β ̄吋)) r2(り=′(l呪一l弔)†凡。(1-β▲吋)+凡ut(1-β】α2りI で表わされる。.これより,導体温度の変化を求め,これに相当す るケーブルの伸縮量(1)を求めると,表3のようになるく)なお,5 サイクル目以後は+8mm,-8mmの伸縮を繰返す。 2.3 2.3.1ケーブル移動量 移動量は,図1に示すように,測定点④,⑧,◎の3個所にお ける上相ケーブルおよび下相ケーブル(曲線部外側のケーブル)の 鉛直方向と横方向(曲率半径方向)の移動量をスケールで測定し た。ただし,実験No.3∼No.5の場合,ケーブルがシートでおお われているため,上相ケーブルの移動量のみを測定した。 2.3.2 ケーブルシースひずみ シースひずみi・ま,図1に示すように,3粂俵積みの上相ケーブ ルの曲線部外側に約200皿m間隔で25個所および曲線部外側の

下相ケーブルに約410mm間隔で13個所にひずみゲージを波付

きアルミシースの谷部中央軸方向にはり,多点静的ひずみ測定器 で測定した。 2.3.3 ケーブル囁荷重および伸縮量 ケーブル端荷重ほ,ケーブル端末と伸縮装置の間にロードセル を入れ,自動記録計で測定し,ケーブル端末の伸縮量はダイヤル ケージで測定した。

(3)

上U .4-(∈ヱ相音波置中世砦 日 立 評

80 70 60 0 2 10 (∈E)瑚裔蜜正中耀諾 30サイク/しFl 20サイクル目 15サイクル目 10サイクルH 5サイクルR 1サイクルR 10 20 樺方向移動量(mm) (a)⊥柑ケーブル 30 30サイ ル目 :0サイクルR イ日 サル 25ク U 2 4 6 8 10 12 14 16 横方向移動品(mm) (b)下和ケーブル 図3 ケーブルの挙動(実験No.1,測定点⑳)

3.実験結果ならびに検討

3.1ケーブルのせり上がり現象 従来の方式で砂埋したケーブルを伸縮させた場合の曲線部中央の ケーブル挙動は図3に示すとおりである。図中の鉛直および横方向 移動量ほ上方および円弧外側方向への移動量を正とした。上相ケー ブルの挙動は,図3(a)に示すように,ケーブルが伸び出してくる と横方向に移動するとともに鉛直方向にも移動している。ケーブル が元の位置まで収縮すると,横方向の移動量は引き戻されて小さく なるが,鉛直方向の移動量は道に再び増加している。したがって, ケーブルは,伸縮サイクルが増すにしたがって図3(a)のような動 きをしながら,トラフ上面方向にせり上がる。 この曲線部におけるケーブルのせり上がり現象は,ケーブルの横 方向への移動によるケーブル下への砂の流入およびケーブル形状が 砂を押しのけて移動する際に受ける抵抗力によって,浮き上がりや すい円形になっているためであると推察される。 一方,下相ケーブルは,図3(b)に示すようiこ,上相ケーブルの ようなせり上がりは起こらず,不規則な挙動を示した。この原因と してほ,ケーブルに作用する砂の重量とケーブル重量の和がケーブ ルを押し上げようとする砂の抵抗力より大きいためであると考えら れる。 図4にケーブル移動量と伸縮サイクルの関係を示す。上相ケーブ 80 0 7 餌 50 40 30 (E∈) 瑠蚕浩圧拝趨恕 20 10 ■レ .レ 刀力 ④⑧⑥トケ 一 点点斤叫 相相 定完-延 上下 -視-州び 相川 ; ; 0 ● × 線線 実破 ⅤOL.53 N0.4 1971 30 (Eヱ嘲宥恕在中紫 ゝJ む′ 10 15 伸縮サイクル (a)鉛直方向移動量 ○測定点④ ・測定点⑧ x測定点◎ しJ 20 25 30 実線;8皿m庄結した場合 破線;元の位置に8山Ⅲ引き戻した場合 5 10 15 20 25 30 伸縮サイクル (b)横方向移動量(上相ケーブル) l_実14 ケーブルの移動量(実験No.1) ルの鉛直方向移動量は,図4(a)に示すように,伸縮サイクルが増 すにしたがってはぼ直線的に増加し,曲線部中央での移動が最も大 きく,30サイクル日で76mmもせり上がっているが,下相ケーブ ルの鉛直方向移動量は,伸縮サイクルに関係なく一定値を示し,約 6mmの動きをするだけである。一方,ケーブルの横方向移動量は, 図4(b)に示すように,上相および下相ケーブルとも各伸縮サイク ルに対して,ある変動幅で大きく変動しているが,伸縮サイクルに よる移動量の増加ほ認められない。 3.2 せり上がり防止法の効果 ケーブルのせり上がり現象は,上記のように,砂のケーブル下へ の流入およぴケーブル形状に起内すると考えられるので,せり上が り防止法として,次の2方法について検討を行なった。その一つは, 図2(b)に示すように,ケーブルを3条一括パインドして,その形 状を正三角形とし,横方向の移動によって受ける砂の抵抗力が下方 に向くようにするとともに,せりとがりが生じない下相ケーブルを 上相ケープ/レと一体にすることにより,上相ケーブルのせり上がり を防止しようとする方法である。ほかの一つは,図2(c)に示すよ うに,ケーブルをどニルシートなどでおおってケーブル下への砂の 流入を防ぐことにより,せり上がりを防止しようとする方法である。 以下,これらの結果について述べる。

(4)

トラフ内砂塩布設ケーブルの曲線部における挙動

377 25 20 5 ∧U 5 1 (8日)州奄治世中軸雷

八ド′

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一>・・・・・・- --一心・・・・・・-㌦ 一上下上上上 ケ 0 脚22315 小犬 、x-X、 .7 相相柑相和 突放No2 :3条一括パインド法 実験No.3∼No.5:砂しゃ断法 10 15 20 25 30 伸縮サイクル 図5 ケーブルの鉛直方向移動量(測定点⑧) 爪V 4 0 3 ▲‖U ∧V 2 (E∈)咄届漁ぜ中斐

′ガ=

-5 -10 (芭 碕牡〇ぺ1ふ 亡U 4 2 ハU O O ハU ハV O N 験112345 患

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.レ ー7 M ケ 村村相相相相 上下上上上上 10 28サイクル日 30サイクルH lOサイクル目 5 ゲージNo./ り人-4 爪U O O <U 一 一 -0.06 がJ叫-×-メ、-×一X-×-/×、汁淋X一札礼灯灯k桝/X ̄\/× ̄× ̄× _ぷ一ぷ一≠す・へy--ズ′メ ̄ ̄ズー¶--×一 笑験No. ▲ 4 x 5 実線;ケーブルを軸方向に圧縮した場合 破線;ケーブルを軸方向に引き戻した場合 A A、血心一ゝム.心止′、 5 10 15 20 25 30 伸縮サイクル 図6 上相ケーブルの横方向移動量(測定点⑧) 図5ほケーブルの鉛直方向移動量と伸縮サイクルの関係を示した ものである。なお,図には,移動量が最大となる曲線部中央での移 動量のみを示した。 実験No.2のケーブルを3条一括パインドする方法では,ケーブル の鉛直方向移動量ほ上相および下相ケーブルとも,伸縮サイクルが 増すにLたがって直線的に増加している。したがって,この方法で は,せり上がりを防止することほできなかったが,その移動量ほ, 図4(a)に示す実験No.1の場合に比べて,約1/3以1■に減少して いることから,この方法でも若干の効果が認められたわけである。 一方,実験No.3およびNo.4のようにケーブルをビニルシートでお おったのち砂埋する方法でほ,ケーブルの鉛直方向移動量は負の値 となり,ある伸縮サイクル以後で一定移動量を示し,せり上がりは 起こらなかった。特に,実験No.3の場合,実験No.4に比べて,ケ ーブルが砂の中に沈む傾向にあるが,これはケーブルを3条一括パ インドしたためと考えられる。したがって,せり上がり防止法とし ては,ケーブルをシートなどでおおってケーブル下への砂の流入を 防ぐ砂しゃ断法がきわめて有効であることが明らかになった。 以上の結果より,この方法は,導体温度変化が定常状態になった のちのケーブル熱伸縮量に対しては効果的であることが明らかにな ったが,この方法がケーブルに無負荷状態からサイクル負荷が投入 された場合の熱伸縮量に対しても問題がないことを,実験No.5で 、廿一一′ 28サイクル目 イクル目 15

3。㌫ィク㌶\\\、∀

曲線部 20

/

25 図7 曲線部におけるケーブルのシースひずみ分布 確認した。その結果,ケーブルの鉛直方向移動量ほ,図5に示すよ うに,5サイクル目までは伸縮サイクルが増すにしたがって増加し, 最大19mmまでせり上がったが,6サイクル目以後,しだいに減少 し,15サイクル目から一定値となり,その値は10mmである。こ れは,ケーブルに与えられた仲締量が,表3に示すように,5サイ クル目までしだいに増加するためである。このように,導体温度上 昇による積算伸縮量が27.5mmと非常に大きい値であっても,砂し ゃ断法を‡宋用すれば,せり上がりが起こらないことがわかった。 図るほケーブルの辟方向移動量と伸縮サイクルの関係を示したも のである。実験No.2のケーブル横方向移動量は,国4に示す実験 No.1の場合と同様に各サイクルに対して大きく変動するが,実験 No.3∼No.5の場合,図dに示すように,その移動量は変動幅も小

さく,かつケーブルを元の位置に引き戻した場合の移動量の変動幅

も前者に比べて小さい。これほ,シートでケーブル下への砂の流入 を防いであるため,砂の抵抗力が各サイクルごとにあまり変化しな いものと考えられる。 3.3 ケーブルシースひずみ 曲線部に布設されたケーブルが伸縮を受けたときに生ずるケーブ ルシースひずみの分布を調べた結果は図7に示すとおりである。こ のシースひずみの値はケーブルを伸縮させたときのひずみの変動量 で表わされている。なお,実験No.2∼No.5の下相ケーブルのひず み分布は,実験No.1のものと顆似しているため割愛した。 実験No.1,No.3およびNo.4の場合,上相ケーブルのひずみ分 布は曲線部中央付近で正ひずみ,ほかの部分で負ひずみとなってい るが,実験No.1の下相ケーブルのシースひずみは全区間で負ひず みで不規則な分布を示している。実験No.2の場合,上相ケーブル と下相ケーブルを一体としたため,その上相ケーブルのシースひず み分布ほ,実験No.1の下相ケーブルのひずみ分布と棋似している。 実験No.5のひずみ分布は,1サイクル目では突験No.1のような分 布になるが,2サイクル日から曲線部中央付近がへこんだような分 布になる。 次に,曲線部におけるケーブルの各伸縮サイクルに対する最大シ ースひずみを示すと図8になる。このひずみ値は実験開始時をゼロ とLたひずみの絶対値で表わさかている。実験No.1∼No.4の最大 シースひずみほ,伸縮サイク′L・に関係なく,ほぼ一定値を示し,+二 相ケーブルのひずみは最大約0.04%に,また,下相ケーブルでは最 大約0.06%に落ちついている。実験No.5の場合,伸縮量が5サイ クル目までしだいに大きくなるため,下相ケーブルのひずみほ3サ イクル日で0.08%を示しているが,それ以後は減少し,はかの場合 と同じ値となる。 以上の結果,各実験での最大シースひずみはアルミシースの許容 ひずみ値札25%)よりずいぶん小さく,せり上がり防+l二策として,

(5)

0.10 08 鵬 朋 .〇2 ∧UO 爪UO (里穂鞍ノJぺ1ふ水車 (空こ噸軽薄ミト一心 日 立

㌣J一ぷ、、ぺ 札甥ヽ ヽx ♪、 ∧ NO12345

紬。・‥×

実線;上州ケー7ル 破線;下村ケーブル

這妄変更野、首二占

〉 5 10 15 20 伸縮ネイクル 図8 曲線部における最大シースひず入 25 30 吾) 暗転琴】「ノトー⊥、リ「桜

6,000「

5,000 4,000 諒 幸吉 ま巨 3,000 望 2,000 0 0 nU (U O O

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ⅤOL.53 N0.4 1971

ゝ一大-×-メノメ ̄×\へ〆Y、一′-′へ一く†へ一㌔

実験No. 0 1 ● 2 △ 3 ▲ 4 × 5 X¶-べ、く_ヲ 10 15 20 25 30 \ 伸錨サイクル イ叫→札-㌦〟-ズ∼一×-×一Yr、x一丁叫一1、く叫一,l-1-ズノ\メ 仰 .〇〇〇 エリ 5 00 00 00 4 3 2 (輔鞋喋出) 0 0 0 0 仰 卿 仰 1 2 3 (喘荘川竺巴 l rJ O O N N 験験 実美 緑線 突破 イイイイイイ ササササササ 1 2 3.一寸 5 ∩スリ O ● △ ▲ × □ β 〆 ′ グ ロ日日目日日 〆 .レ ▼レ.レ .レ ■レ .レ クククククク 〆 ′0′ //ノ 々′リノ. ■よー∼り / ′ハ‥㌧叫川

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′▲′′ ′′/ ノ▲丁′ ノ【}′ り∵/ 8 12J⊃ 伸縮読(mm) ▲‖0 2 AT 2 図9 ケーブル端荷重の履歴曲線 砂しゃ断法を採用しても,シースひずみi・こ関してほ問題がないとい える。 3.4 ケーブル喘荷重 ケーブル端荷重と伸縮量の関係を示したのが図9である。国中の 圧縮荷重はケーブル両端を伸び出させるに要する荷重であり,引張 荷重はケーブルを引き戻すに要する荷重である。実験No,1のケー ブル端荷重は図のような履歴曲線を措き,実験No.2∼No,4の場合 の履歴曲線も実験No.1と同様となるが,実験No.5の場合,伸縮量 が5サイクル目まで徐々に増加するため,はかの場合と異なった履 歴を示している。図10は各伸縮サイクルに対する最大ケーブル端 荷重を示したものであるが,ケーブル端荷重ほある伸縮サイクル以 上で一定となる。実験No.1∼No.4の場合,ケーブルを伸び出させ る際には2,500・∼3,00Okgとなり,引き戻す際にほ,実験No.2で ほ約4,00Okgと大きいが,実験No.1,No.3およぴNo.4では2,500 ∼3,000kgとなる。実験No.5の場合,圧縮荷重は4サイクル目で 5,400kgと大きくなるが,7サイクル目以後ははぼ一定となり,約 4,000kgである。しかし,引き戻す際の荷重ほ小さく約800kgで ある。このように,従来の砂埋方法あるいは新しい砂しゃ断法によ 図10 最大ケーブル端荷重(ケープ′レ3粂にかかる荷重) る砂埋方法を行なっても,ケーブル端荷重ほ同じであり,ケーブル をシートでおおうことによる弊害は認められなかった。

4.韓

日 以上,トラフ砂埋布設された曲線部iこにおけるアルミ被ケーブル の挙動およぴせり上がり防止策の実験結果について説明したが,そ の結論をまとめると次のとおりである。 (1)トラフ曲線部に砂埋布設されたケーブルは,その導体温度 変化による熱伸縮により砂上にせり上がる現象がある。 (2)ケーブルのせり上がり現象は,主としてケーブルの熱伸縮 によって起こるケーブル下への砂の流入に起因するものと 推定される。 (3)ケーブルのせり上がり防止法としてほ,ケーブルをシート などでおおったのち砂埋する方法が効果的である。 (4)新しい砂しゃ断法による砂埋方式を採用しても,ケーブル のシースひずみほアルミシースの許容ひずみ値(0.25%)内 にじゅうぶんはいっている。 なお,ここでほ述べなかったが,1粂布設の場合についても154 kV鉛被およぴ275kVアルミ被OFケーブルについて実験を行な い,同様のせり上がり現象を確認しており,3条布設に限ったもの でないことを付言しておく。 終わりに,本研究に対して種々ご指導いただいた東京電力株式会 社南東京電力所地中線課渡辺毅副長ならびに日立電線株式会社研究 所福田部長,沼尻主任研究員に厚くお礼申しあげるとともに,実験 を遂行するにあたって協力くださった研究所関係者のかたがたに深 く感謝の意を表する。 参 莞 文 献 (1)飯塚,沼尻,吉田:日立評論48,1321(昭41-11)

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