特集・上下水道システム
上水道総合管理システム
TotalSYStem
for
Water
SuppIY
Control
水需要の増大に対処するために,ダム建設や水道施設の増設・拡充が計画・実施 されているが,長期的には需要の伸びに供給が追い付かないのが実情であり,現在, 将来とも施設の全能力を有効に発揮させ水を最汚引立に利用しようとする気道が高ま っている。 それには,浄水場やポンプ場などの単独施設の監視制御だけでなく,水の需要量 予測をも考慮した広域水道管理,いわゆる上水道総合管理システムが必要である。 本論文では始めに,上水道総合管理システムに要求される一般的機能とソフトウ ェアについて概略を述べた後,具体例として世界的にも技術レベルのうえで最高の 横浜市水道局の総合管理システムの一端を紹介する。 ll
緒
言 経済規模の拡大,都市への人口集中,生活水準の向上など のために水需要呈の増大が続き,長期的には水の絶対量不足 という問題が顕在化した。また水質面においても原水の汚濁 が進行している。このような状況下で「良質な水を,適正な 圧力で,必要とする量をタイムリーに供給する+という水道 事業の使命を達成するためには,上水道の需要供給特件をダ イナミックにとらえ,需要のコントロールをも志向した総合 的な管理制御を行なうことが必要である。 この総合管理システムについては,既に横浜巾水道局で一 部稼動中であり,他の自治体などでもこのようなシステムを 計画中である。更に国外では,フィラデルフィア,デンバー ホノルル(アメリカ),ウスター(イギリス),チューリッヒ(スイス)などで実施又は計画中であり,今後この種の総合管理
システムはますます増えていくものと思われる。 臣l上水道総合管王里システムの概要
上水道の特徴を監視制御という点から見れば, (1)原水量,需要水量の不安定性(季節,気象条件,天候, 使用目的などが原因)(2)供給系統(特に配管網)の複雑性
(3)供給系統の特性(時間遅れ,他の輸送系に比較して多量
な漏水量の発生) などである。この特徴を踏まえて,既存の施設・設備を--・部 改造して,効率の良い水道用の実施により水の安定供給を図 ろう とする考えが普及しつつある。 この効率的運用を達成するためには,水道用実施のための アプリケーション・ソフト及び監視制御のためのコンピュー タが一体となって初めて最も効果が発揮でき,これらを含め た施設の総合管理が志向されねばならない。 コンピュータは,従来から浄水場やポンプ場などに椎々の 形で導入されているが,コンピュータ万能という錯覚のもと で,コンピュータに必要以上の機能を持たせたり,あるいは 水運周のためのアプリケーション・ソフトが不備であるため に,所定の目的を十分達成していない事例が多い1〉・2)と言われ ている。これらについては,コンピュータで実施すべき業務∪.D.C.る28.1:〔る81.5::る81.32〕
神林智博*
長谷川清**
原田毒明***
山中邦男****宮岡伸一郎*****
方α托ムαyαぷんi7もmoんiγ0 肋ざegαぴα方∫yoβんよ 〃αγαdα T()5んiαん言 i七仇α氾α鬼α 方〟れfo 〃ノyα0Åα 5んg乃'よcん古γ0 を十分検討し,水道局のニーズに適切にマッチした内容のソ フトウェアを選定することにより避けられる問題である。 日立製作所は,水道用に関するソフトウェアについては, 図lに示すように,擬水の流入量予測より需要家の配管網内 の圧力監視制御に至るまでの広範囲なソフトウェアを持って いるが,これらのソフトウェアがそろって初めて,アプリケ Mション・ソフトが完備したということができよう。 2.1上水道総合管理システムの1幾能 水の効率的連用の実施に当たっては,各施設よr)入手した データ及びシミュレーション結果,更に従来の経験を加味し て運用計画を立て,その計画値を基礎に制御を行なうように するのがよい。このためには,図2に示すような機能が必要 となるが,これらの機能は従来の計装設備では対処できなく なl■),コンピュータの導入は必須である。例えば,このシス テムは経営管理システム,運用管理システム,監視制御シス テムに大別されるが,これらのシステムの有機的媒体として のデータベースや,水運用者のための問合せ・応答のシステ ムとしての情報サービス機能は,コンピュータの最も得意と する情報処理機能である。 2.2 運用管理システム 上水道は取水口から需要端までの複雑に連結した大規模ネ ットワークであるが,このネットワークを上手に運用して, 需要家の要求する水(量・庄・質)を低コストで供給する必要 がある。 運用管理システムは,総合管理システムの中枢であり,浄 水場やポンプ場などの個々の施設の運用だけでなく,原水及 び浄水の配分計画も立てるシステムである。このために,ラ充 入基や需要量の予測を,アプリケーション・ソフトを使って 立案することが必要である。 2.3 監視制御システム 運用管理システムの下で,水道システムが適切に運転され るためには,仝システムの情報を中央で監視し必要に応じ迅 速に制御しなければならない。 このため,監視制御システムでは(1)Security
Control:水質,水量,水圧及び施設・機器の *横浜市水道局工事部部長 ** 日立・製作所システム技術本部 *** 口立製作所計算制御技術本部 **** 日立製作所大みか工場 ***** 日_在製作所システム開発研究所626 日立評論 VO+.59 No.8(1977-8) ダム流入量予測 ダム運用計画 モデル ダム運用制御 モデル 需 要 予 測 河逼迫跡モデル 原水配分計画 モデル 取水場運用制御 モデル 浄水配分計画 モデル 浄水場内運用制御モデル 薬品注入管理モデル 沈殿池運用モデル 着水井運用モテル 済過池運用モデル 配水池運用制御 モテル ポンプ最適運 用計画モデル ポンプb場運用 制御モデル 配水コントロール 運用計画モデル 配水管網運用 制御モデル 図l上水道総合管理システムに要求される水運用アプリケーション・ソフトの全体図 原 水の流入量予測より・需要家の配管網内の圧力監視制御に至るまでの広範囲なソフトウェアが完備されている。 (事務情報管理システム) 人事管理 原価管理 長期需要予測 資材管理 財務管理 予実算管理 施設管理 積算業務 料金徴収業務 資金調達返済 工事管理 技術文献管王里 図 面 管 王里 保 全 管 理 (施設・資材管理) 給水計画 設備計画 人事計画 財務計画 水量予測 需要予測 水 の 配 分 計 画 原水配分計画 浄水配分計画
.+.
一 一 一 -一 一 一 一 一 一 オンライン制御用計算 オンライン修正 表 示 監 視 計 測 異常対策指示 取水場 浄 水場 配水池 ポンプ場 データ収集 制御指令L
デー タ 解析 モデル設計 シミュレーション 評 価 情報検索 技術計算 統計処理 報告書作成 C R T 専用電話 情 報 伝 送 ダ ム 取水場 浄水場 配 水池 配管網=二+
図2 上水道総合管理システムの機能系統図 管王里システム及び監視制御システムから成り立つ。 上水道総合管王里システムは,経営管理システム, L-修 正_+
保全,運用 設備,予測 事故,技術 財務,一億 問い合わせ儲芸孟ぞ■蒜)
図面伝送 報告書作成 事故速報●+
安全性の確保
(2)Optimum Control:段通な取水・流量配分及び最小グ)コ ストで傾絹 ̄叶能な水質の確イ米
(3)MMC(Man
Machine Communication):逆転北況,異常二状況を迅速確実に把手程し,的確な処置,械作を行なうため の八と計算機との意志1味適(協調性)の確保 の∴つを監視制御システムの基本思想とLている。 Security Controlは,異常発生の前・後に応じ,子Iリ川刈御, 緊急制御及び復旧制御に,またOptimum Controlは長軸期, 習Hスケジュrルに分筆貞できる。またMMCについては,デ ィスプレイ機能が十分発揮できるカラーーディスプレイ(7色) を利用し,需要予測,実績値などをグラフィック表示し,ま た施設の故障に対Lては発生筒所,種類,及び対策か、イデン スを出力するなどしている。 一 ̄方,マクロな監視用とLてグ ラフイリクパネルを使うなどして,監視利子卸の個々の臼的に 見でトった機器を使い分けている。 田
横浜市水道局における総合管理システム
梯浜市′水道は,我が国敏和の近代的水道とLて明ifi20年 (1887年)に創設され,現在の給水量は135 ̄ガm3/日の規模に 達したが,横浜1†Jが州横川で保有している約130 ̄ガm3/‖の 既得水源では,急増する水需要はまかなえない状態に ̄う三っ た。このため,新たに遠隔の酒匂川から神奈川県内広域水道 企業団(以下,企業団と略す)を通じて既得水源保有昌のほほ、 50%にも柑当する605,2001n3ハJの配▲分水品を一之水し,けH勺 に給水することを目的とLた第8Lq‖ガニリ1主事業(昭和46∼54年 度)と,浄水場などグ)計装設備の近代化を図ることを臼的と Lた浄水施設整備車業いl獅H5ト∼56年度)を実施中である。 このIlhi事業において,施設の適切な道営,水の有効利用な ど全水道施設の水道用を総合的に調整管理するシステムを計 画し施工1--である()このシステムは,西行丁争水場内に設置さ れる総fナ的水連用センターである調塑たセンタ】-を頂点とL, 第8回拡張事業終了時点の規模 相模湖 道志//・′叫.
〆
′-・1・し〓〃
‥ ン ロ 量池ボブ 水水氷水 給配配配 系 原水 企業団系 1.780,000m3/日 21池 プ場 ク 9 34箇所 21ブロック .■訂 (Uりノ 40m O 川井 浄水場 106,400m3′/日 鶴ヶ峰 浄水場 馬入川系 原水 相模川- ̄-一二 相 模 湾た′・
ロ
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\009.200 m3/日 し \. 小雀 浄水場 西脊 浄水場 上水道総合管王里システム 627 4浄水場をサブセンタ【としたハイアラーキ構成となってい る。)このシステムは,水道局の水道用システムとLては他に 例を見ないユニークなシステムであり,以下に調整センター「 を1 ̄一心に総合管理システムについて紹介する。 3.1 横浜市水道の特徴 横浜市水道の水系は,図3に示すように,相模川水系の 道ぷ川,相性湖,馬入川の3系統から取水し,西谷浄水場 (356,000m3/「1),川井浄水場(106,400m3/臼),鶴ヶ峰浄水 場(106,400m3/日),小雀浄水場(1,009,200m3/日)で浄水する 系統と,酒匂川水系から収水し,企業団を通じて浄水を′受水 する系統から成I) ̄在っている。 このうち道ニーよ川系,相模湖系は自然流 ̄ ̄Fで導水し,J】け仁, 鶴ヶ峰,西谷の3浄水場で浄水され,馬入川系は,取水ポン プ,拐水ポンプと2f立加仔でヰ水レJ、雀浄水場で浄水したの ちその 一二部は横≠白日心にも分水Lている。一一方,企業間系 は,企業1寸げR模瞭,西長〃くの向浄水場で浄水し,横浜巾水道 は,西谷浄水場配水池,港北配水池はか2筒所で受水するこ とになっている。 市内には,L記4浄水場のほか,17配水池,34ポンプ場が 約5,000kmに及び送配水管綱によって連絡され点在してい る。この給水系統は,100mに近い高低差を持つほど起伏にム_寸 んでいるため,給水区域の約70%以卜がポンプ加圧給水区士或 である。このような地形_Lに90年の歴史的所産として建設さ れた各椎の施設が綬雑に式洛み合っており,これらの施設ク)管 王埋運営を,水道施設全体との有機的なつながりのなかで適切 に行なうことは極めて難Lく,従米の経験による水道用が凶 賛任になりつつある。 そこで多様化した流水の体系と複雑な諸施設を安全,かつ 1【Jテ骨に管理道営する方法を杜々検討した結果,全 ̄心を21のブ ロックに区分L,全水道施設を論理的に体系づけ取水場∼浄 水場∼配水f也∼配水ブロックという流れを基本としたネット ワークとLてとらえることによって解決を図ることにL7∴〕 N十
多摩川 ○ 356,000m3/日 デ横浜市 東 京 湾 注 匡】=取水場 -ニ浄水場 ○ =配水池 -=導・送水路 (横浜施設) 一一…=導・送水路 (企業乳 他) 図3 横浜市水道の全体水 系図 道志川,相模湖,及び 馬入川より導入する。628 日立評論 VO+.59 No.8(197了-8) 3.2 総合管理システムのハード構成 横浜市水道の総合管理システムの設立目的は,「施設の適切 な運営による安定給水+ 的な機能・ニーズは,
(1)効率的水使用
(2)水圧の均等化
(3)水質管理
であり,これを実現するための基本(4)経済的取水
(5)水道用上のフエール・セーフ
であり,これらの機能・ニ【ズを満足させるためには,次 に示すような業務を行なうことが必要である。 (a)監視盤,操作卓,カラーディスプレイ装置,タイプラ イタ及びラインプリンタによる迅速,かつ確実な総合的監 視機能 (b)安定した水の供給を図るための総合的な水道用計画の 決定及び情報送出 (c)運転実績の収集とファイリング機能 (d)情報交換設備による情報サービス機能 (e)バッチオフラインによる各種技術計算機能 これら業務を遂行するために,この総合管理システムでは システム構成を図4に示すように3階層化して構築している。すなわち,(1)水そのものを浄化,輸送するための取水場,浄
水場,配水池,ポンプ場及びこれらを結ぶ導送配水管路などから成る施設システム,(2)施設からのデータを収集し,
遠隔制御するためのテレコン(遠隔制御装置),テレメータ
系統と計算機システムを中心とする各種の計装及び自動化装置などのハードウェアシステム,最後に(3)各種の情報を収
集,解析し,総合的運用監視をベースとした水道用システム である。 また,総合管理システムのセンターである調整センターの 計算機は,上記の業務処理を高信頼,高能率に実行するため に,従来より各種産業分野で実績のある大規模制御用計算 機HIDIC700を2台使用し,ロードシェアデュプレックス構 運用管理システム (ソフトウェア) 調整セ ンター 佃集・監視・ファイル) サ ブ セ ン タ ー (浄水場) 4 取 水 場 3 沈 殿 池 1 浄 水 場 4 送水一小ンプ 5 配 水 池 21 配水ポンプ場 4 (配水池内) 1 情報交換設備 (サブセンター内) (取水・沈殿場内) (配水管理所・本庁内) 12 配水ポンプ場 10 配水ブロック ー (路上施設) 2 システム システム シ ス テ ム 水 運 用 情報設備 上水道施設 図4 上水道総合管理システム構成図 横浜市水道では,水運用シス テム,情報設備システムの一部が運用管理システムに,他の残りの部分が監視 制御システムに相当する。 10 3,20 カラ HSM32k語 HSM32k語 HSM32k語 HSM32k語 l l 1 1 肘、 端末 タ。㍍妄芸。±_要
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C/R 二重系切替∵約川
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…て CRT o晰CLC-S-M l PTP し/戸 即P cLC-P 小雀サブ T畑≠ 西谷サブ 帥 、DX】/0 テレメー 監視盤・-Pl/0 気象機器 注:HSM=コア・メモリ H-700=HIDIC 700 STR=ステータス・レジスタ CPU=中央処理装置 10P=入出力制御装置 L/P=ライン・プリンタ CRT=グラフィック・ディスプレイ C/′R=カード・リーダ T/W=タイプライタ PTP=紙テープせん孔機 (全古内) M/D=磁気ディスク OPC=オペレーターズ・コンソール Pし竹=プロセス入出力装置 M′/T=磁気テープ CLC-M=多重通信制御装置 M=モデム CJC-P=通信制御装置 D札付=データ交換入出力装置 CLC/S=通信制御装置 図5 調整センター計算機システム構成図 大規模制御用計算機に よるデュプレックス構成 成としている。図5に調整センターの計算機システム構成を 示す。 調整センターが,確実迅速な総合的監視と総合的水道用機 能を果たし,施設の適切な運営を行なうためには,広域から の正確なデータ収集を行なうネットワークシステムの確立が 重要である。このネットワークシステムは,テレメータ及び 通信回線によるテレコミュニケーションから成り,ネットワ ークの二重化,テレメータ系統のブロック化により,データ 欠損が最小限となるよう考慮している。例えば,浄水場単位 のサブセンターシステムからの浄水場運用データには,通信 回線の二重化,又はテレメータ十通信回線の冗長系を採用し ている。こうして調要さセンターに集められた施設状態,運用 データは,必要に応じ通信回線を介して取水事務所,沈殿事 務所,配水管理所,本庁など12箇所に設置されたグラフィッ クディスプレイに表示される。また,このテレメータ・ネッ トワークは取水・導水系統,配水ポンプ系だけでなく,一般 需要家に直接給水する配水管網の適切な場所にも合計105箇 所設置され,サービス庄,サービス水量の確保を図ってし、る。 5分単位で収集されたデータは,加工された後,時間単位, 日単位及び月単位の運用実績ファイルとして永久保存し,運 用計画,設備計画,保全計画,原単位計算,予算編成などに 利用する。なお,これらの運用データは,テレメータによりサブセンタ∬及び盲詞整センタm両方に人力し,重要情報は二 重監視するなどしてデⅥタの信相性・安全性の確保には十分 考慮している。更に,テレメータ系統そのものの異常につい ても,各回線ごとに監視し,適切な運用に支障なきよう考え ている。 3.3i総合管理システムの主要ソフトウェア 横浜市の上水道を対象として,各種モデル3)・4)を開発した が,ここでは,翌日運用計画モデルと配水コントロールにつ いて紹介する。
(1)翌日運用計画モデル
翌日運用計画モデルは,翌日の需要予測に基づき,取水口 から配水池までの水系における原水及び浄水の配分計画を立 てることを目的としておr),実際の運用は,計画値が当日の 実績送水量,給水量と異なった場合は,オンラインで修止し, これに基づき取水,導水及び送水を実施するものである。 なお,翌日運用計画モデルは,予測モデルと配分計画モデ ルにより構成されるが,予測モデルについては,本誌13ペー ジで紹介の「上水道システム運用技法+で述べた手法と同様 であるので,以下では配分モデルについてだけにとどめ述 /ヾる。 横浜全1打の浄水場及び配水池を五つに分割し(分割単位を ゾーンと呼ぶ),モデルを空間的,時間的スケ∬ルの差異によ り⊥つのサブモデルに分け,その階層的結合により構成した。 それらは,(a)取水計画,相模原沈殿池運用計画モデル,(b)ゾ ーン間配分モデル,(C)ゾーン内配分モデルである。各サブモ デルと予測モデル及び英系統との関連を図6に示す。 (a)取水計画,相模原沈殿地道用計画モデル 全市の日単位需要量に基づき,相模原沈殿他の週単位の運用(ウイークデーにその貯水を利用し,土曜,日曜に回
復)を図り,企業団との月間契約′受水量を満足するように, 実 系 統 横 浜 市 全 取水量 取水量 ヽ、ヽ ゾーン流入量 -■-d 上水道総合管理システム 629 翌日の取水計画を立てるモデルである。 (b)ゾーン間配分-モデル 取水及び浄水場の運転変更回数の減少という観止から, 1日を需要の多い昼間と需要の少ない夜間とに分け,昼間 及び夜間の取水量,ゾーン間配分量(原水配分量と異なる浄水場からの送水系統間での融通量)を決定するモデルである。
ゾ【ンにより構成されるネットワークを図7に示す。各 輸送路には流量の上下限値があり,ゾーンには,貯水能力 と需要点がある。したがって,これは取水口をソース(流入′た),需要点をシンク(流出点)とするネットワークの殻小
コストフロー問題となる。この最適配分問題では,各輸送路 における流量制限の+Fで,薬品注入費,輸送費の和が ̄最小 となるような流量解を求めるため,グラフ理論によるネット ワーク流の解析手法を抹用した。この方法は,ネットワーク の最小費用径路問題と最大フロ”問題を交互に繰り返し解 くことによr),最小費用フローを求める手法5)・6)である。 (C)ゾⅦン内配分モデル このモデルは,配水池ごとの需要予測に基づき,浄水場 から配水池までの浄水配分計画を立てるモデルである。モ デルの目的あるいは制約を次のように設定した。 (i)配水池の水位,送水管路からの需要分岐点の圧力は許 答範囲内に収める。 (ii)流量制御機器の切換操作回数を減少させる。 仁iD 配水池は,基準の水位(通常満水)でスタートし,需要 量の変化に応じてその貯水を有効に活用し,基準水位に復 帰させること。 このモデルでは,ゾーン内の送水系統が主としてツリ ̄ 状である点に着目し,水系の持つ流量と圧力の非線形関係 を, ̄卜流側からの水量の積み上げ計算によりL白二接地える方 式とした。 翌日配分計画モデル 需要量 ゾ ー ン 需要量 / 、 / / 、、 浄 水 場 需要量 上位モデル 取 水計画 相模原 沈 殿 池 運 用 計 画◆取水量
中位モデル ゾー ン 間 配分計 画◆
●
●
取水量の浄水場 への配分量 浄水場問の融通量 下位モデル ゾー ン 内 配分計 画◆
配水池への配分量●
11 図6 横浜市水道の実系統とそのモテリレ 翌日配分計画モデル自身,ハイアラーキ構成となってい る。630 日立評論 VOL.59 No.8=977-8) Pl 相模原沈殿池 川井ゾーン D】 P2 鶴ヶ峰ゾーン D2 西谷ゾーン P:与
注二■=取水貞
一-ゆ・P=原水需要 一-D=浄水需要 ○ =ポンプ 図7 ゾーンネットワーク図 める。 D3 屯 出 港北ゾーン D \、 小雀ゾーン Pl D5●昼間・夜間切換時
l ゾーン ′一′流入量 ′■ ノ■ 考量 算 需措い \ ヽ 需要量 各ゾーンの中で,薬品注入費及び輸送費が最小となるように流量解を束(2)配水コントロ【ル
配水管路綱をサービス圧近傍で運転するためのサブシステ ムで,次のモデルから成る。 (a)管綱計算モデル 管路網内の圧力と流量の関係式としてへ一ゼン・ウィリ アムズの式を用い,この式に管路のアドミッタンスyゴJを用 いてQォJ=yォJ(仇一札)と変形すると,管綱方程式は,舶=q十βU‥…‥………‥……‥…‥……‥巾)
ご=Allq十月 ̄1βU=月 ̄1q+GU……‥・…・…・・…(2)となる。ここで,月,βは係数マトリックス,ごは各ノー
ドの圧力を示す制御ベクト′レ,qは各ノードの需要量を示 す入力ベクトル,Uは配水池の水位とポンプの吐出し圧を 示す弓菜作ベクトルである。 (b)最適管綱計算モデル 制御ベクトルごの目標ベクトルをご。とすると,エ。は各需 要ノードで保障すべき目標庄である。各ノⅥドをこの目標 庄に近づけて運転するために,線形計画法にミニマ、ソクス 法を組み込み,下限庄と_ヒ限圧の中にすべての圧力が入る ように操作ベクトルの最適値を決定し,ポンプやバルブの 吐出し庄とする。 (c)オンライン修正モデル(2)式において,qに需要予測値を用いると,オンライン
時の実需要はq′となってくるため,その偏差』q=q-q′ が誤差となり,制御ベクトルが』ズ変化する。その修正損 作は次式の感度係数マトリックスDを用いて行なう。 』U=一(G≠G) ̄1Gと』ズ=「β』ズ‥‥…‥‥…・….‥(3)
【】結
言 上水道総合管理システムは,従来からの監視制御システム, 経営管理システムに加えて,今後は運用管理システムがます ます必要となってくる。このシステムは,上水系全体の監視 12●
時間‡蒜表巨岩
時 間 時 間 制御を行なう計算機と,上手に水道用を行なうための水道用 アプリケーション・ソフトがあって初めて効果が発揮できる ものであるので、これらにつし-て概要を述べた。 なお,二の総介管理システムは,上水系の運用及び監視制 御の融合された大規模システムであるので,その実現には高 度のシステム技術と関連機関の緊密な協力が必要であり,今 後は順次普及Lていくものと思われる。このため,上水道捻 子ナ名僧システムの実例とLて,横浜市水道局の総合管理シス テムの・端を紆;介した。 上水道システムの計軌二参考となれば幸し、である。 参考文献 1)村尾,亀井,神林ほか:浄水場の計装と自動化設備のありか た,水道協会雉誌 =昭52-1) 安全件の追求と生産性・信頼件の】 ̄rりとに重力、を置くこと,ま た従来の計装托術では対処しきれないことなどが述べられて いる。 2)船井,ul小,関根:水道におけるポンプ系技術論,日本水道 新聞(昭52.1,1) コンピュータ利周上の留意′丸 計算機構成,モデルの使い方 などについて述べてし、る。3)T・Kanbayashi,et al∴Col叩uter Controland Operation Information Systems forthe Large Water Supply
IAWPR Conference(May,1977)
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横浜市水道の上水道総合遠田システムの概要が述べられてし、る。
5)Robert G・Busacker,Thomas L・Saaty‥Finite Graph
and Networks,McGraw-Hill(1965)
6)Iri:Network Flow,Transportation
and Scheduling: Theory and Algoritもms(1969)
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