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博 士 ( 環 境 科 学 ) 江 口研 太 郎

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Academic year: 2021

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博 士 ( 環 境 科 学 ) 江 口研 太 郎

学 位 論 文 題 名

     機 能 性 飼 料 開 発 に 向 け た ト ウ モ ロ コ シ お よ び ソバにおけるポリフェノールに関する分析手法の確立と      植物生理学的研究

学位論文内容の要旨

  楢 物に含 まれる 二次代 謝産粥 ずであるポリフウノー)IAま植物の生育に不面坎な物質ではないも の の,紫 外線な どの環境 ストレ スから 植物組 織を保 護するために蓄瞶されると考えられている.

ま た , ポリ フ ェ ー ノー ル は 動 物に 摂取さ れるこ とによ り体内 で淵断 鯛など の髑i旨 幽乍潤 を示 す こ と が知 ら れ て いる . そ こ で本 研究で は機能 陸鯡I開 発に向 けて, トウモ 口コシ および ソバ におけるポリフェノールの分析手法の確立を中心として穆院を行った.

  ま ず ベルー,中国:韓国および日本の紫トウモロコシ在う陶聾のアントシアニン含量;ポリフ ェ ノ ー ル含量 並びにDPPHラジカ ル消去 活性の 変異を 調査し ,ペル ー産の紫 トウモ ロコシ 在来腫 が 機お旨 幽襴に 優れるこ とを明 らかに したそ こで ベル一由来の遺伝資源をもとに機お旨陸に優 れ る紫ト ウモ口 コシ品種 の迅速 的な育 成を目 的とし て,紫トウモロコシに含まれるフラポノイド 系 ポリフ ェノー ル,アン トシア ニンに ついて ,近赤 外分光分析を用いた迅速定量法を開発した・

こ の手法により従来の有機撒菓を用いた機a眺ヒ成分の抽出定量を行う必要lめ淞くなり,低コスト で 身 体 にも安 全な方 法で定 量値を 推定する ことが 出来る ように なった 測定対 象物は 赤色色 素で あるため,可視光のみで推定精度Iあも分に高かった.しかし,近赤外光のみでも推定精度は高く,

また,司視I近蔚汐け琶の全波長域を使うことにより,推定精度はさらに高まることカミ明らかになっ た .DPPHラジカル 消去浩 陸にっ いても 近赤外 分光分 析法に よる推 定式を作 成した .紫ト ウモロ コ シは晦蘇と茎葉にアントシアニンを多く含.み,子実にはあまルアントシアニンを蓄積しない.

紫 トウモ 口コシ のDPPHラジ カル消 去濳出 ヨ;主 にアントシアニンを起因とするため,子実では精 度の高Iゝ推定式は作成できなかった.すなわち,近赤タ衫け髟淋斤法を紫トウモロコシの育種現場 ヘ 導入す る場合 は穂芯と 茎葉で は,ア ントシ アニン 含量とDPPHラジカ ´1琲匏 封旨陸については 精 度 良 く推定 できる が;子 実のア ントシア ニン含 量とDPPHラジカ ル消封旨 陸に関 しては 近赤外 分 光 分 析 法 で 推 定 で き な い た め , 紫 色 の 濃 淡 は 目 視 に よ る 判 別 が 適 す る と 考え ら れ た .   ア ントシ アニン を多く 含有す る紫トウ モロコ シとア ントシアこンを含まない通常のトウモロコ     ―123

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シを材料とし て,サイレージ誘製を行った .その結果;サイレージ発 辞してもアントシアニンが 発酵品質を左 右することはないことが明ら かとなった.植物に含まれ る機能陸成分は人間だけで な く家 畜に も有 効 陛カ 沫さ れて おり , 今後 紫ト ウモ ロコ シ は農 作吻 として だけでなく飼料作 物としても役割滴まると期待される,

  ソバ を材 料と し て, 紫外線照射を環鍛因とし たアントシアニン含量の変動 解析を行った.そ の 結果 紫外 線照 射 の厳 しい頂部では,全アント シアニン含量(シアニジン3‑グルコシドとシア ニジン‑3‑)レ チノシド)に対して,結合糖が1つのアントシアニン(シアニジン‑3‑グルコシド)よ りも結合糖カセっのアントシアニン(シアニジンー3‑)レチノシド)の害帷n嫡くなった.すァよわち,

ア ント シア ニン は 茎葉 部位ごとおよび生育ステ ージごとに,外的環境に応じ た特異的な糖§黼 成 を有 し, 植物 嚮 哉の 保護に対応していると考 えられたこのことから,ソバ 植吻体の上部は二 糖の結合糖か らなるアントシアニンが多いため,機お眺瞳ヰ料としてソバ茎葉を利用するに借地際 ではなく生育の盛んなヒ部の茎葉カ¥‑すると考えられた.

  また,ソバ に含まれるキノン系ポリフウ ノーリレであるファゴピリ ンに着目し,高速黼クロマ トグラフイー を使った正確な定量法を開発した.ダッタンソパよりも普通ソバのカカミファゴピリ ン含量は少な いことが明らかになった.ま た,ソパの穀実には光線過 駒蓋を誘発するフんゴピリ ンはほとんど 含まれてないことが明らかと なった.すなわち,ソバの 穀実はルチンなどの機能陸 作用物質カ渉 く含まれなお且Iつ,ファゴ ピリンをほとんど含まないこ とから機能性作用の高い 濃厚飼料とし ての利用が想定された.本研 舞に得られたファゴピリン の正確な定量分析法を用い て,フんゴピリンを欠失したソバを拐覊J‑ることカゞ出来捫lf弌穀実だけ・でなく茎葉も含めたホー ルクロップとして飼料ソパカ轍される・可能性もある.

  以L本研究か ら、,飼料添孵吻に依存し ない健全な飼料生産技術体系 を確立するためのーつの 方法として、 トウモロコシやソバから機能1陸飼料を生産する技を開発 するのに必要な基礎的な 研究知見カ潟られたI

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学位論文審査の要旨 主査    教授

副査    教授 副査    教授 副査    助教 副査    助教

山田 敏 彦 上田  宏 荒木  肇 星野 洋 一 郎

高橋 公 咲 (大 学 院農 学研究 院)

学 位 論 文 題 名

     機 能 性 飼 料 開 発 に 向 け た ト ウ モ ロ コ シ お よ び ソバにおけるポリフェノールに関する分析手法の確立と      植物生理学的研究

植物に含まれる二次代謝産物であるポリフェノールは,植物の生育に不可欠な物質ではな いものの,紫外線などの環境ストレスから植物組織を保護するために蓄積されると考えられ ている.また,ポリフウノールは,動物に摂取されることにより体内で抗酸化作用などの機 能性作用を示すことが知られている.そこで本研究では,機能性飼料開発に向けて,トウモ 口コシおよびソバにおけるポリフェノールの分析手法の確立を中心として研究を行った・

  まず,ペルー,中国,韓国および日本の紫トウモロコシ在来種のアントシアニン含量,ポ リフェノール含量並びにDPPHラジカル消去活J陸の変異を調査し,ペルー産の紫トウモ口コ シ在来種が機能性作用に優れることを明らかにした.そこで,ベル←―由来の遺伝資源をもと に機能陸に優れる紫トウモ口コシ品種の迅速的な育成を目的として,紫トウモロコシに含ま れるフラポノイド系ポリフェノール,アントシアニンについて,近赤外分光分析を用いた迅 速定量法を開発した.この手法により従来の有機溶媒を用いた機能性成分の抽出定量を行う 必要がなくなり,低コストで身体にも安全な方法で定量値を推定することが出来るようにな った.測定対象物は赤色色素であるため,可視光のみで推定精度Iま充分に高かった.しかし,

近赤外光のみでも推定精度は高く,また,可視・近赤外光の全波長曦を使うことにより,推定 精度はさらに高まることが明らかになった.DPPHラジカル消去漕陸についても近赤外分光 分析法による推定式を作成した.紫トウモ口コシは穂芯と茎葉にアントシアニンを多く含み,

子実にはあまルアントシアニンを蓄積しない.紫トウモ口コシのDPPHラジカル消去潛陸は

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主にアントシアニンを起因とするため,子実では精度の高い推定式は作成できなかった.す なわち,近赤外分光分析法を紫トウモ口コシの育種現場へ導入する場合は,穂芯と茎葉では,

アントシアニン含量とDPPHラジカル 消去濳I生については精度良く推定できるが,子実のア ントシアニン含量とDPPHラジカル消去活陸に関しては近赤外分光分析法で推定できないた め,紫包の濃淡は目視による判別が適すると考えられた.

  アントシアニンを多く含有する紫トウモロコシとアントシアニンを含まない通常のトウモ 口コシを材料として,サイレージ調製を行った.その結果,サイレージ発酵してもアントシ アニンカ鏐齬季品質を左右することはないことが明らかとなった.植物に含まれる機能性成分 は人間だけでなく家畜にも有効性が示されており,今後,紫トウモ口コシは,農作物として だけでなく飼料作物としても役割が高まると期待される.

  ソバを材料として,紫外線照射を環境要因としたアントシアニン含量の変動解析を行った.

その結果,紫外線照射の厳しい頂部では,全アントシアニン含量(シアニジン‑3‑グルコシド とシアニジン‑3‑ルチノシド)に対して,結合糖が1つのアントシアニン(シアニジン‑3‑グル コシド)よりも結合糖カセっのアントシアニン(シアニジン‑3‑ルチノシド)の割合は高くな った.すなわち,アントシアこンは,茎葉部位ごとおよび生育ステージごとに,外的環境に 応じた特異的な糖鎖構成を有し,植物組織の保護に対応していると考えられた.このことか ら,ソバ植物体の上部は二糖の結合糖からなるアントシアニンカミ多いため,機能性飼料とし てソバ茎葉を利用するには地際ではなく生育の盛んな上部の茎葉が適すると考えられた.

  また,ソパに含まれるキノン系ポリフェノーノレであるフんゴピリンに着目し,高速液体ク 口マトグラフイーを使った正確な定量法を開発した.ダッタンソバよりも普通ソパの方がフ ァゴピリン含量は少ないことが明らかになった.また,ソバの穀実には光線過敏症を誘発す るファゴピリンはほとんど含まれてないことが明らかとなった.すなわち,ソバの穀実はル チンなどの機能l生作用物質が多く含まれ,なお且つ,ファゴピリンをほとんど含まないこと から機能性作用の高い濃厚飼料としての利用が想定された.本研究で得られたファゴピリン の正確な定量分析法を用いて,ファゴピリンを欠失したソバを探索することが出来れ噛穀 実だ けでなく茎 葉も含め たホールクロップとして飼料ソパが認知される可能性もある.

  以上,本研究では、飼料添加物にf存しない健全な飼料生産技術体系を確立するためのー つの方法として、トウモ口コシやソバから機能陸飼料を生産する技術を開発するのに必要な 基礎的な研究知見が得られた,これらの知見は、今後、機能性飼料の開発に貢献することが 期待される。

  よって,申請者は博士(環境科学)の学位を受けるのに充分な資格を有するものと判定し た。

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