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1.2 連立方程式と行列

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Academic year: 2021

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(1)

代数学2 No.2 2006. 9.28(2)

1.2 連立方程式と行列

担当:市原

連立方程式の行列表示

! "

連立方程式







a11x1+a12x2+· · ·+a1mxm=b1

...

an1x1+an2x2+· · ·+anmxm=bn

に対し,

A=





a11 a12 · · · a1m

a21 a22 · · · a2m

... ... ... ...

an1 an2 · · · anm





, B=





a11 a12 · · · a1m b1

a21 a22 · · · a2m b2

... ... ... ... ...

an1 an2 · · · anm bn





 をそれぞれ係数行列,拡大係数行列と呼ぶ.

ここで,X=





 x1

x2

...

xm





とおけば,連立方程式はAX=Bと行列の積で表される.

これを連立方程式の行列表示という.

# $

例題3 連立方程式

+x−y+ 7z= 5

−4x+y−4z=−1 の係数行列,拡大係数行列をかきなさい.

行列の基本変形

! "

与えられた行列に対し,次の三種類の操作を行基本変形という.

(1) ある行に0でない定数を掛ける (2) ある行に他の行の定数倍を加える (3) 二つの行を入れ替える

# $

定理2 (連立方程式と行基本変形) 連立方程式の拡大係数行列Bに,行基本変形を繰り返して得

られた行列をB!とする.このとき,B!に対応する連立方程式の解ともとの連立方程式の解は一致 する.

2

! 掃出法 "

与えられたn行m列の行列Bに対し,次に述べるような,行基本変形を繰り返し行う手続き(アル ゴリズム)を掃出法という.

! "

Step 1.Bの第1列をみる. (1,1)成分から(n,1)成分が全て0ならば,そのまま次のステッ プへ進む.そうでない場合, (1,1)成分から(n,1)成分のうち,絶対値の最大のものが第1行に くるように行の入れ替えを行う.次に,第1行に(1,1)成分の逆数を掛けて(1,1)成分を1に する.こうして得られた第1行に適当な数を掛けて第2行に加え, (n,1)成分を0にする.同 様に第(n−1)行から第2行にも,第1行に適当な数を掛けて加え, (n−1,1)成分,. . ., (2,1) 成分を0にする.

...

Stepk.Bの第k列をみる. (k, k)成分から(n, k)成分が全て0ならば,そのまま次のステッ プへ進む.そうでない場合, (k, k)成分から(n, k)成分のうち,絶対値の最大のものが第k行 にくるように行の入れ替えを行う.次に,第k行に(k, k)成分の逆数を掛けて(k, k)成分を1 にする.こうして得られた第k行に適当な数を掛けて第n行に加え, (k+ 1, k)成分を0にす る.同様に第k行以外の行に第k行に適当な数を掛けて加え, (j, k)成分(ただしj"=k)を0

#にする. $

拡大係数行列を掃出法により変形する事によって,決められた手続き(アルゴリズム)で連立一次 方程式を解くことができる.

# $

連立一次方程式



 x−y= 3 y−z=−1 z+x= 2

拡大係数行列は



1 −1 0 3

0 1 −1 −1

1 0 1 2



基本変形で変形する.



1 −1 0 3

0 1 −1 −1

1 0 1 2

−−−−−→#3#1



1 −1 0 3

0 1 −1 −1

0 1 1 −1

#3#2

−−−−−→



1 −1 0 3

0 1 −1 −1

0 0 2 0



#1+#2

−−−−−→



1 0 −1 2 0 1 −1 −1

0 0 2 0

#3×12

−−−−→



1 0 −1 2 0 1 −1 −1

0 0 1 0

#2+#3

−−−−−→



1 0 −1 2 0 1 0 −1

0 0 1 0



#1+#3

−−−−−→



1 0 0 2

0 1 0 −1

0 0 1 0



対応する連立方程式を考えて,よって解は,



 x= 2 y=−1 z= 0

注意 掃出法は,コンピュータでの数値計算と理解しやすさのことを考え,なるべく機械的に計 算できるようにしている.そのために, 必ずしも効率的な手続きにはなっていない.実際に問題 を解く場合は,基本変形を行う順序など,やりやすいように工夫した方が良い.

3

(2)

代数学2 No.2 2006. 9.28

1.2 連立方程式と行列

担当:市原

問題3 次の連立方程式の拡大係数行列をかき,行基本変形(掃出法)で解を求めなさい.

(1)

+x−2y= 9

−3x+ 8y=−1

(2)





x−y+z= 5 3y+ 2z= 7

−z+ 4x=−9

(3)





x−2y−3z=−6 2x−y+ 3z= 3

−3x+ 2y−3z=−2

学籍番号 氏名

参照

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