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雑誌名 宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀

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宮城教育大学機関リポジトリ

東日本大震災で被災した聴覚障害者における問題状 況―情報アクセスの視点から―

著者 松崎 丈

雑誌名 宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀

号 8

ページ 15‑32

発行年 2013‑06

URL http://id.nii.ac.jp/1138/00000706/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止

http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

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< 研 究 報 告 >

東 日 本 大 震 災 で 被 災 し た 聴 覚 障 害 者 に お け る 問 題 状 況

‑ 情 報 ア ク セ ス の 視 点 か ら 一

松 崎 丈 ( 宮 城 教 育 大 学 特 別 支 援 教 育 講 座 )

要 約

本 稿 は 、 平 時 に お け る 聴 覚 障 害 者 の 情 報 ア ク セ ス の 実 状 を 概 観 し 、 東 日 本 大 震 災 で 被 災 し た 聴 覚 障 害 者 が 発 災 直 後 か ら 復 旧 期 ま で の 時 期 に 直 面 し た 問 題 状 況 を 情 報 ア ク セ ス の 観 点 か ら 検 討 す る と と も に 、 今 後 、 災 害 時 に お け る 聴 覚 障 害 者 の 情 報 ア ク セ ス で 求 め ら れ る 方 策 と 課 題 を 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 東 日 本 大 震 災 で 直 面 し た 問 題 状 況 は 、 自 然 災 害 に よ る 直 接 的 な 被 害 だ け で な く 、 平 時 の 情 報 ア ク セ ス に 関 す る 制 度 と 体 制 の 不 備 に も 起 因 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。 今 後 の 防 災 ・ 減 災 対 策 と し て 、 聴 覚 障 害 者 自 身 が 災 害 時 の 情 報 ア ク セ ス へ の 行 動 や 手 段 を 拡 げ る こ と 、 情 報 提 供 者 と な る 家 族 や 地 域 の 人 々 と の つ な が り を 作 ること、通信インフラの耐災害性の強化と ICT アクセシビリティの向上・改良などが挙げられ た 。

1  .はじめに

2011年 3 月 11 日 に 発 生 し た 東 日 本 大 震 災 は 、 2013年 3 月 11 日 現 在 で 約 15 , 000名 近 い 死 者 、 約 2.600名 近 い 行 方 不 明 者 を 数 え る 戦 後 未 曾 有 の 自 然 災 害 と な っ た 。 ラ イ フ ラ イ ン ( 情 報 通 信 、 電 気 、 水 道 、 ガ ス 、 交 通 等 ) の 大 規 模 か っ 中 ・ 長 期 に わ た る 被 害 は 、 住 民の健康や生活を大きく脅かした。

特 に 筆 者 を 含 む 聴 覚 障 害 者 に お い て は 、 聴 覚 障 害 に よ り 音 声 情 報 を 自 力 で ア ク セ ス す る こ と が 困 難 で あ り 、 平 時 に 聴 覚 障 害 者 が 情 報 に ア ク セ ス で き る よ う に 様 々 な 制 度 や 体 制 が あ る 。 一 方 で 、 今 回 の 大 震 災 で 被 災 し た 聴 覚 障 害 者 ( 以 下 「 被 災 聴 覚 障 害 者 J ) は情報アク セ ス の 面 で 幾 多 の 障 壁 に 直 面 し 、 発 災 直 後 の 避 難 か ら 復 旧 期 に 至 る ま で 対 人 関 係 、 健 康 や 生 活 等 の 面 で 二 次 的 障 害 が 多 く 発 生 し た 。 こ の 背 景 に は 、 お そ ら く 災 害 発 生 時 に 必 要 と される情報の交信は総じて音声でなされる傾向にあることと、平時における情報アクセスに関 す る 制 度 や 体 制 が 充 分 で は な か っ た こ と が 推 測 さ れ る 。 前 者 の 災 害 時 の 情 報 は 、 例 え ば 、

「避難指示及び根拠となる情報・避難勧告等の発令情報、ライアラインの被災・復旧情報、

生 活 物 資 情 報 等 の 生 活 関 連 情 報 、 住 民 の 安 否 確 認 に 必 要 と な る 情 報 な ど ( I T 防災ライフ ライン推進協議会, 2012)J と多岐にわたる。

そ こ で 、 平 時 に お け る 聴 覚 障 害 者 の 情 報 ア ク セ ス に 関 す る 制 度 や 体 制 は 、 東 日 本 大 震

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災においてどのように有効であり、どのような問題状況が生じたのかが問題となろう。東日本 大 震 災 で 被 災 聴 覚 障 害 者 が 直 面 し た 問 題 や 救 援 活 動 の 実 践 を 報 告 し た 論 文 を 概 観 す る と、過去 2 年 間 で 3 件のみで、あった(磯田・白津・三好・蓮池・河野・中島・石野・萩原・大 橋・関口, 2011; 川内, 2011; 森本, 2011) 。磯田ら (2011) は 、 復 旧 期 に 、 宮 城 県 内 の 被 災 大 学 に お け る 授 業 の 情 報 保 障 が 東 日 本 大 震 災 で 実 施 困 難 と な る こ と を 踏 ま え て 遠 隔 情 報 保 障 支 援 を 実 践 報 告 し て い る 。 川 内 (2011) は 、 青 森 県 を 中 心 に 震 災 直 後 に お け る 被 災 聴 覚 障 害 者 の 情 報 授 受 の 問 題 に つ い て 調 査 し 、 ラ ジ オ の 活 用 や 「 や さ し い 日 本 語 」 の 導入を提案している。森本 (2011) は 、 復 旧 期 に お け る 福 島 県 内 の 避 難 所 で の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 活 動 、 被 災 聴 覚 障 害 者 の 声 を 聴 く 活 動 及 び 聴 覚 特 別 支 援 学 校 に お け る 防 災 教 育 の 調 査 を 報 告 し て い る

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し か し な が ら 発 災 直 後 、 救 急 救 命 期 、 復 旧 期 の 3 つ の 時 期 に わたって、個々の聴覚障害者が情報アクセスの面でどのような問題に直面し、どのような救 援活動がなされたのかについては詳しく把握されていない。また、今後、首都直下地震や南 海 ト ラ フ 巨 大 地 震 が 発 生 す る 可 能 性 が 予 測 さ れ る た め 、 聴 覚 障 害 者 が 防 災 ・ 減 災 対 策 の た めにどのような方策をとるのかを早急に検討していく必要もある。

そ こ で 本 稿 で は 、 平 時 に お け る 聴 覚 障 害 者 の 情 報 ア ク セ ス の 実 状 を 概 観 し た 上 で 、 東 日 本 大 震 災 に お け る 筆 者 の 被 災 経 験 や 救 援 活 動 及 び 聴 覚 障 害 者 支 援 に 関 す る 文 献 資 料 を も と に 、 情 報 ア ク セ ス の 視 点 か ら 被 災 聴 覚 障 害 者 が 直 面 し た 問 題 状 況 を 検 討 し 、 今 後 の 防 災・減災対策で求められる方策や課題を考察する。

E  平 時 に お け る 聴 覚 障 害 者 の 情 報 ア ク セ ス の ニ ー ズ と 支 援

ま ず 聴 覚 障 害 者 の 状 態 像 及 び 平 時 に お け る 情 報 ア ク セ ス の ニ ー ズ 、 公 的 な 福 祉 サ ー ビ ス の現状について概観しておく。

先 天 性 の 聴 覚 障 害 者 に 加 え 、 高 齢 で 聴 力 が 低 下 し た 者 や 音 声 で 話 す の に や や 不 便 を 感じる者も含めると、聴覚障害者は約 600 万 人 に 及 ぶ ( 伊 藤 ・ 中 川 2005) 。 障 害 発 見 後 の 生 育 及 び 教 育 の 環 境 に よ っ て 、 日 本 手 話 を 第 一 言 語 と し て 獲 得 し て か ら 日 本 語 を 学 習 する場合と、残った聴力を活用して日本語を獲得する場合とに大きく分けられる。一般に前 者を「ろう者」、後者を「難聴者」と言われている。

聴覚障害者が用いるコミュニケーション手段には多様性がある。例えば、ろう者が用いる 手 話 と 難 聴 者 が 用 い る 手 話 は 異 な る

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ろ う 者 が 用 い る 日 本 手 話 は 、 手 指 動 作 だ け で な く 非 手 指 動 作 も 重 要 な 文 法 要 素 と し て 用 い る 言 語 で あ り 、 日 本 語 と は 異 な る 言 語 体 系 で あ る (赤堀・岡, 2011; 木村, 2011) 。 日 本 語 で 会 話 す る 場 合 は 主 に 筆 談 を 用 い る 。 一 方 、 難 聴 者 は 、 音 声 日 本 語 で 会 話 し 、 筆 談 ・ 読 話 も 補 助 的 に 用 い る た め 、 日 本 語 の 文 法 や 語

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震に 対応して手指動作を並べて表す方法として手指日本語(日本語対応手話)を用いる。このこ とから、情報アクセスにおけるニーズも多岐にわたる。情報アクセスの方法には、日本手話ま たは手指日本語による手話通訳、手書き・パソコン・音声認識による文字通訳、 F M 補 聴 シ

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ステムを活用した聴覚補償などがある。他にテレビ放送で手話や字幕をつける、公共機関な どでは電光板で文字を表示するとしづ方法がある。電話回線を介したコミュニケーションでは、

FAX 、携帯や PC のメール、チャット、テレビ電話、電話音量増幅器などがある。

一方、情報アクセスに関わる公的な福祉サービスの制度や体制は、そうしたニーズの多様 性に常時対応で、きる水準にまで至っていない。

例 え ば 、 身 体 障 害 者 福 祉 法 で は 、 両 側 の 難 聴 が 70dB 以 上 で あ れ ば 障 害 者 と し て 認 定 される。現在、認定されている聴覚障害者は約 36 万人であり、 10"‑'40 万 円 と 高 価 な 補 聴 器の交付を受けられる。一方、両側の難聴が 70dB 未 満 で 福 祉 法 の 認 定 対 象 外 と な る 約 560 万 人 の 聴 覚 障 害 者 は 、 補 聴 器 を 全 額 自 己 負 担 で 購 入 せ ざ る を え な い 。 欧 米 を は じ め とする先進国の中では最も厳しい基準である。

また、世界各国に、手話を使用する人の権利を法的に保障する動きが広まりつつある。

近年の例で、 2009 年にいわゆる「手話言語法 J を制定したハンガリーは、「ハンガリ一手話 J を「独自の体系を持った自然言語」とし、「手指ハンガリ一手話 J、「触手話 J、「掌指文字(盲 ろう者のために手のひらに文字を書く ) J などの 11 項目を「特別なコミュニケーションシステム J と定義し、手話による情報アクセス等の権利を保障している(財団法人全日本ろうあ連盟,

2012a) 。 国 内 で は 、 最 近 、 聴 覚 障 害 当 事 者 組 織 が 「 手 話 言 語 法 J の 制 定 を 求 め る 活 動 を 始めたが、現時点で国内法整備の動きは見られない。

さ ら に 、 手 話 通 訳 や 要 約 筆 記 を 派 遣 す る 福 祉 制 度 は あ る が 、 手 話 通 訳 等 は 、 音 声 言 語 通訳のような専門職ではなく、福祉従事者として位置付けられている。通訳業務だけで経済 的 に 自 立 す る こ と は 不 可 能 で あ り 、 身 分 保 障 が 長 年 の 課 題 と な っ て い る

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他 に 、 手 話 通 訳 者 や 要 約 筆 記 者 の 人 数 の 不 足 、 利 用 者 一 人 あ た り の 派 遣 件 数 の 制 限 、 個 人 が 受 講 す る 各 種 市 民 講 座 や 会 社 内 の 研 修 ・ 会 議 な ど は 派 遣 適 用 外 と な る こ と 、 居 住 地 以 外 の 地 域 へ の 広 域 派 遣 が 認 め ら れ な い 地 域 が あ る こ と 、 司 法 ・ 医 療 ・ 高 等 教 育 な ど 専 門 的 な 通 訳 や 夜 間 の 通 訳 に 対 応 可 能 な 体 制 が 皆 無 な ど の 問 題 が あ る

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また、音声電話のネットワークを聴 覚 障 害 者 が 利 用 す る た め に ICT を活用して通訳する電話リレーサービスがある。米国・カナ ダ ・ E U 諸国等では普及しており、日本でも 1990 年代から実施されているが、行政からの財 政 的 支 援 の 不 足 で 数 年 で サ ー ビ ス 停 止 に 追 い こ ま れ る こ と が 多 く 普 及 し て い な い ( 財 団 法 人全日本ろうあ連盟, 2011b) 。

放 送 関 係 で は 、 総 務 省 (2012b) によれば、テレビ放送における字幕付与について総放 送 時 間 に 占 め る 字 幕 放 送 時 間 の 割 合 は 、 2011 年 度 で は 、 デ ジ タ ル 放 送 で NHK 総 合 6 1 . 0%  ( 前 年 度 比 + 4.8%) 、 NHK 教 育 45.56% ( 前 年 度 比 十 2.9%) 、 在 京 キ ー 5 局 46.1 % ( 前 年 度 比 + 2.2%) 、他の各キー局や各ローカル局では平均 30"‑'40% 台であるとの ことである。特に、地方のローカル局の番組の字幕付与率が向上されにくい背景には、字幕 放 送 設 備 の 整 備 、 字 幕 番 組 に 関 わ る 制 作 費 用 の 負 担 の 大 き さ 、 字 幕 制 作 要 員 の 確 保 、 字 幕 製 作 の 外 注 先 と な る 製 作 会 社 が 少 な い な ど に 起 因 し て い る ( 総 務 省 , 2012a) 。また、手

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話 通 訳 の 付 与 は 全 国 的 に 皆 無 に 近 い 傾 向 に あ る ( 総 務 省 , 2012a) 。

以 上 か ら 、 平 時 に お け る 情 報 ア ク セ ス に 関 す る 制 度 や 体 制 の 整 備 が 充 分 で は な い と い え る 。 災 害 時 で は 、 自 然 災 害 の 直 接 的 な 被 害 だ け で な く 、 公 的 な 福 祉 サ ー ビ ス 等 の 整 備 不 足 か ら く る 二 次 的 障 害 と し て の 人 的 被 害 も 重 な っ て 、 聴 覚 障 害 者 に 甚 大 な 被 害 が 降 り か か る こ とは容易に想定できる

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そ れ で は 東 日 本 大 震 災 で 、 被 災 聴 覚 障 害 者 に は 情 報 ア ク セ ス の 面 でどのような被害が降りかかったのだろうか。以下、 ( 1 )発災直後、 ( 2 )救 急 救 命 期 、 ( 3 )復 旧 期 の 3つ に 分 け て 宮 城 県 を 中 心 に 問 題 状 況 を 整 理 す る 。

I I I .東 日 本 大 震 災 で 被 災 聴 覚 障 害 者 が 直 面 し た 情 報 ア ク セ ス の 問 題 状 況 1  . 発 災 直 後

東 日 本 大 震 災 で は 、 発 災 直 後 、 大 規 模 な 停 電 で テ レ ビ 、 FAX や 携 帯 端 末 な ど の 通 信 イ ン フ ラ が 遮 断 さ れ た 。 ま た 、 平 時 は 聴 覚 障 害 者 用 に c s 障 害 者 放 送 デ ジ タ ル 受 信 機 & 文 字 放 送 デ コ ー ダ ー で 手 話 や 文 字 に よ る 放 送 が 行 わ れ て い た が 、 前 述 の 通 信 イ ン フ ラ の 遮 断 に 加 え て 地 震 や 津 波 に よ る 機 器 の 損 傷 ・ 流 失 で 利 用 で き な か っ た 。 そ の た め 、 聴 覚 障 害 者 の 中 に は 、 以 下 の 事 例 に 示 さ れ る よ う に 、 家 族 や 地 域 の 人 々 か ら 避 難 情 報 を 提 供 さ れ て 救 わ れ る 者 、 情 報 が 知 ら さ れ な い ま ま 後 に な っ て 津 波 の 発 生 や 自 分 の 置 か れ て い る 事 態 を 初 め て 知 る 者 、 大 津 波 警 報 や 避 難 情 報 を 把 握 で き ず 命 を 失 う 者 が い た 。

事 例 1 家 族 や 地 域 の 人 々 か ら 避 難 情 報 を 提 供 さ れ て 救 わ れ る

①「住民の死亡・行方不明が 700人 以 上 に 及 ん だ 宮 城 県 名 取 市 関 上 ( ゅ り あ げ ) 地 区 。 聴 覚 障 害 者 の 渡 辺 征 二 さ ん ( 7 0 ) は地震発生時、やはり耳の聞こえない妻勝子さん ( 6 6 ) と自宅 にいた。征二さんの兄敏正さん (74) が血相を変えて車で駆けつけてきたのは 50 分 後

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~早く

乗 れ ! j 。敏正さんは津波が来ると手ぶりで伝え、夫婦を車に押し込んだ。川沿いの土手を飛ば

す車の数メートル後ろに黒い波が迫り、土手下の車と人をのみ込んだ。 ~30 秒遅ければ、私たち

も命がなかった』と敏正さんは振り返る。征二さん夫婦は普段テレビもあまり見なかった。消防団 や地区の役員らが避難を呼びかけたようだが、聞こえない 2 人には伝わらず、『津波は全くわから なかった j (征二さん)という(毎日新聞, 201 1 )

② 筆 者 は 、 宮 城 教 育 大 学 3 号 館 3 階の会議室でろう者と打ち合わせをしており、地震発生時は 3 階廊下で学生等と一箇所に集まって固まり、揺れがおさまるのを待った。廊下が斜めに傾くほ ど激しい揺れで建物が崩壊するかもしれないと経験したことのない恐怖に襲われ、死を覚悟し た 。 3 号館の玄関前に避難すると、同大学しょうがし

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学 生 支 援 室 の 職 員 が い た 。 職 員 が 筆 者 に 同 伴 し て 周 囲 の 会 話 状 況 や ラ ジ オ の 音 声 情 報 を 手 話 通 訳 し た た め 、 筆 者 は 安 心 し て 避 難 す る など行動の見通しを持つことができた口

事 例 2 情 報 が 知 ら さ れ な い ま ま 後 に な っ て 津 波 の 発 生 を 初 め て 知 る

「聴覚障害を持つ大内正和さんは 8)= 日立市折笠町=は、 3月 11 日 の 震 災 当 時 、 同 市 日 高

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町の会社で勤務中だった。津波の発生を受け、市内に 92 基ある防災行政無線から高台への 避難を呼び掛ける放送が流れたが、大内さんの耳には全く届かなかった。津波があったことを知 らない大内さんは、午後 5時ごろ、海岸から約 500メートル離れた自宅へ戻ろうと、会社から車 で出た。自宅に着いて驚いた。 4 軒 先 の 海 に 一 番 近 い 住 宅 が 津 波 で つ ぶ れ て い た 。 自 宅 は 床 上浸水で済んだが、周りのブロック塀は、高さ 5メートルの辺りまで水をかぶった跡があった。『そ の時初めて、怖いと思った』。大内さんは振り返る(毎日新聞, 201 1 ) 0  J 

事 例 3 情 報 が 知 ら さ れ な い ま ま 後 に な っ て 自 分 の 置 か れ て い る 事 態 を 初 め て 知 る [

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  JDF みやぎ支援センターからの報告で、「震災から 10 日後に町役場の福祉課を訪れ『何があ ったのですか?Jlと尋ねた聴覚障害者がいた(季刊みみ編集部, 2012)0J 

N H K の 調 査 (NHK 福祉ネットワーク, 2011) で は 、 沿 岸 部 に お け る 聴 覚 障 害 者 の 死 亡 率 が 住 民 全 体 の 死 亡 率 の 2 倍以上としづ結果であることを報告している。宮城県では、平 成 23年 度 身 体 障 害 者 手 帳 所 持 者 数 ( 平 成 24年 3 月 31 日 現 在 ) の う ち 聴 覚 障 害 者 は 6 , 086 名 で あ る 。 そ の う ち 聴 覚 障 害 者 の 死 亡 率 が 高 か っ た 沿 岸 部 の 市 町 村 は 、 女 川 町 で 住 民 全 体 の 死 亡 率 7.01%(705 名 /11 , 051 名 ) に 対 し て 聴 覚 障 害 者 の 死 亡 率 は 22.50% ( 死 者 9 名/人口 40 名 ) 、 南 三 陸 町 で 住 民 全 体 の 死 亡 率 3.82% (665 名 /17 , 431 名 ) に 対 し て 聴 覚 障 害 者 の 死 亡 率 は 9.46% ( 7 名 /74 名 ) 、 石 巻 市 で 住 民 全 体 の 死 亡 率 7.01%(3 , 151名 /160 , 704名 ) に 対 し て 聴 覚 障 害 者 の 死 亡 率 は 6.93% (32名 /462名) であった (NHK 福祉ネットワーク, 2011) 。 住 民 全 体 を 上 回 る 死 亡 率 の 高 さ は 、 津 波 情 報 や 避 難 指 示 等 の 音 声 情 報 が 本 人 に 届 い て い な か っ た こ と に 起 因 す る 可 能 性 が 高 い 。

以 上 か ら 、 発 災 直 後 の 時 期 に お け る 課 題 は 、 地 震 に よ り 大 規 模 な 通 信 イ ン フ ラ の 遮 断 や 通信機器の損傷がなされても、情報にアクセスできる経路を複数確保しておくことになる。

第 一 に 、 情 報 提 供 者 の 確 保 で あ る 。 家 族 だ け で な く 、 近 所 、 職 場 や 地 域 の 人 々 と の つ な がりを作り、緊急時の対応を検討しておくことである。発災直後の直接的コミュニケーション・

ツールとして、コミュニケーションボード、筆記ボード、携帯端末はもちろん、暗闇でのコミュニ ケーションや避難行動を保障するためにソーラーランタンや携帯端末の充電も可能なクラン クチャージ懐中電灯の確保も必要である。

第 二 に 、 緊 急 伝 達 シ ス テ ム や ツ ー ル の 普 及 ・ 開 発 で あ る 。 防 災 無 線 「 文 字 付 戸 別 受 信 機 J の設置や防災情報エリアメーノレ制度のように行政緊急通知システムの利用を推進する。ま た、発災直後であっても確実にアクセスできる通信インフラの整備や、防水や代替電力によ る 充 電 等 の 機 能 を 装 備 し 、 か つ 誰 で も 利 用 可 能 な ICT ツールの開発も求められる。

第 三 に 、 伝 達 さ れ る 情 報 の 形 態 に つ い て も 、 聴 覚 障 害 児 や 未 就 学 の 聴 覚 障 害 高 齢 者 の ニーズを考慮して、「わかりやすい日本語」の導入(川内, 2011; 高嶋・松崎・岡, 2012) 、 シ ン ボ 、 ル ・ 絵 の 導 入 や 地 域 及 び 世 代 別 の 手 話 の 使 用 ( 全 国 手 話 通 訳 問 題 研 究 会 研 究 誌 部 , 2011; 高嶋・松崎・岡, 2012) などを考える必要がある。

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2.救 急 救 命 期

救 急 救 命 期 で は 、 聴 覚 障 害 者 の 被 災 状 況 や 情 報 ア ク セ ス を 含 め た 支 援 ニ ー ズ を 把 握 す るために、安否確認と救急救命活動の実施が重要となる。

聴 覚 障 害 者 及 び 手 話 通 訳 等 の 関 係 者 の 安 否 確 認 は 、 当 事 者 団 体 が 中 心 と な っ て 行 っ た 。 宮 城 県 の 当 事 者 団 体 は 、 社 団 法 人 宮 城 県 ろ う あ 協 会 と 特 定 非 営 利 活 動 法 人 み や ぎ ・ せ ん だ い 中 途 失 聴 難 聴 者 協 会 の 2 つ で あ る 。 社 団 法 人 宮 城 県 ろ う あ 協 会 の 会 員 人 数 は 、 約 270名 ( 平 成 24 年 度 現 在 ) 、 特 定 非 営 利 活 動 法 人 み や ぎ ・ せ ん だ い 中 途 失 聴 難 聴 者 協 会 は 約 80名 ( 平 成 24年度現在)である。この両団体の会員総数は、県内で障害者手 帳を所持する 6 , 086 名 の 聴 覚 障 害 者 の 20 分 の 1 を 占 め る 。 両 団 体 は 、 県 内 の 聴 覚 障 害 者 の 安 否 確 認 及 び 救 援 活 動 を 行 う た め 、 宮 城 県 に 身 体 障 害 者 手 帳 所 持 者 リ ス ト の 開 示 を 求 め た が 、 個 人 情 報 保 護 法 を 理 由 に 拒 否 さ れ た 。 読 売 新 聞 (2011) に よ れ ば 、 災 害 時 要 援 護 者 の 情 報 提 供 で も 障 害 者 団 体 か ら 開 示 要 請 を 受 け た 3 県と 8 市町村のうち、岩手県と南 相馬市以外はこれに応じなかったとのことである。

そ の た め 当 事 者 団 体 は 、 聴 覚 障 害 関 係 団 体 の 会 員 名 簿 を 頼 り に 、 安 否 や 避 難 状 況 の 確認を行わざるをえなかった。そこで、 2011 年 3月 12 日 に 前 述 の 宮 城 県 ろ う あ 協 会 内 に

「 東 日 本 大 震 災 聴 覚 障 害 者 救 援 宮 城 本 部 」 が 設 置 さ れ 、 以 下 の よ う な 方 法 が と ら れ た 。 第 一 に 、 通 信 イ ン フ ラ の 復 旧 状 況 に あ わ せ て 、 聴 覚 障 害 団 体 の 名 簿 を 共 有 し 、 携 帯 電 話 メ ー ル 、 FAX に よ る 安 否 確 認 を 行 っ た 。 第 二 に 、 聴 覚 障 害 者 の 所 在 や 避 難 状 況 を 確 認 す る た め 避 難 所 を 巡 回 し た 。 避 難 所 は 最 多 時 で 県 内 に 1 , 000か 所 以 上 あ っ た 。 避 難 所 内 に 連 絡 事 項 を 記 入 し た 用 紙 を 掲 示 す る と と も に 、 ラ ジ オ 放 送 に よ る 聴 覚 障 害 者 の 所 在 確 認 や 情 報・コミュニケーション支援のお願いを呼びかけた。また、避難所内を巡回する際に、聴覚障 害関係者であることがわかるように腕章、ゼ、ッケン等を使用した。しかし一方で様々な障壁が

生じた。第一に、被災地では停電が 2~3 日、地域によっては 1 カ月以上続いたため、携帯

電話メーノレを活用して安否確認を行ったものの、固定電話や携帯電話などの通信インフラ はほとんど活用できなかった。このように電話回線のネットワークを活用した安否情報の把握 が 制 限 さ れ た た め 、 現 地 に 行 っ て 直 接 情 報 収 集 や 情 報 伝 達 を 行 っ た 。 第 二 に 、 上 記 の 宮 城 本 部 が 宮 城 県 仙 台 市 宮 城 野 区 幸 町 に 設 置 さ れ て い る た め に 、 車 両 や ガ ソ リ ン 等 の 緊 急 確 保 、 手 話 等 で 会 話 で き る 本 部 員 や 通 訳 者 の 安 定 的 確 保 、 沿 岸 部 ま で 往 復 6 時 間 以 上 を 要 す る な ど 安 否 確 認 作 業 に 幾 多 の 負 担 が 伴 っ た 。 そ の よ う な 作 業 を 経 て 、 最 終 的 に 聴 覚 障 害 団 体 名 簿 の 範 囲 内 で 979名の安否が確認され、 14名が死亡していることが明らかに なった(宮津, 2011; 財団法人全日本ろうあ連盟, 2011a) 。

筆 者 は 、 東 北 地 方 の 聴 覚 障 害 学 生 の 安 否 確 認 と 支 援 ニ ー ズ の 調 査 を 行 っ た ( 松 崎 , 2012b) 。 東 北 地 方 の 高 等 教 育 機 関 の 聴 覚 障 害 学 生 支 援 体 制 構 築 を 支 援 す る 組 織 「 み や ぎ D8CJ の 代 表 、 聴 覚 障 害 学 生 団 体 「 宮 城 県 聴 覚 障 害 学 生 の 会 」 の 顧 問 を 務 め て お り 、 東 北 地 方 の 聴 覚 障 害 学 生 の 連 絡 先 を 把 握 し て い た 。 3 月 11日当日、 iPhone の 8M8 やメー

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ルで、東北地方の聴覚障害学生の安否確認を試みたが、電話回線のパンクで、アクセスで、きな かった。しかしパケット通信が有効に機能し、 Twitter などの ICT ツールが利用可能で、あっ た た め 、 メ ッ セ ー ジ 機 能 と タ イ ム ラ イ ン 機 能 の 両 方 を 用 い て 本 人 や 知 人 に 安 否 確 認 や 情 報 提供の協力を依頼した。また、 PEPNet‑Japan ( 日 本 聴 覚 障 害 学 生 高 等 教 育 支 援 ネ ッ ト ワ ーク)、全日本ろう学生懇談会との連携で安否情報の収集・共有化を進めた。その結果、 3 月 15 日 に 、 東 北 地 方 の 聴 覚 障 害 学 生 全 員 17 名が無事であることが確認された。聴覚障 害 学 生 の 安 否 が 確 認 さ れ た 大 学 は 、 東 北 学 院 大 学 、 仙 台 大 学 、 宮 城 教 育 大 学 、 東 北 工 業 大 学 、 東 北 福 祉 大 学 、 東 北 生 活 文 化 大 学 、 秋 田 県 立 大 学 、 岩 手 県 立 大 学 の 8 校 で あ る 。 全 員 の 大 部 分 は 、 春 期 休 暇 で 沿 岸 部 地 域 以 外 に あ る 実 家 に 帰 省 し て お り 、 家 屋 の 被 害 も 皆 無 で 、 あ っ た 。 各 大 学 で 聴 覚 障 害 学 生 を 支 援 し て い る 学 生 ( 以 下 「 支 援 学 生 J ) やコ ーディネーターの安否については、コーデ、イネーターは 10 名全員無事で、あったが、支援学 生 は 1 名が津波で死亡し、家族を亡くした支援学生も数名いた。家屋については、全壊して 仮 設 住 宅 か ら 通 学 し て い る 支 援 学 生 が 数 名 、 半 壊 の 被 害 を 受 け た 支 援 学 生 が 約 10 名 い ることがわかった。また、支援学生の実家が全壊・半壊という事例も多数あった。

以上から、安否確認及び救急救命活動における課題として、次のことが挙げられる。

第 一 に 、 発 災 直 後 か ら 情 報 ア ク セ ス を 早 期 に 保 障 す る た め に 、 役 所 や 関 係 機 関 と の 連 携 を 強 化 し 、 災 害 時 要 援 護 者 名 簿 及 び 障 害 者 手 帳 所 持 者 名 簿 の 情 報 共 有 や 相 互 利 用 を 図 る 必 要 が あ る 。 た だ し 、 日 本 弁 護 士 連 合 会 (2012) が 作 成 し た 「 災 害 時 に お け る 要 援 護 者の個人情報提供・共有に関するガイドライン」では、「障がい者については、障害者基本 法 2 条 1 項 の 「 障 害 者 」 の う ち 、 各 種 障 害 者 手 帳 を 所 持 す る 者 、 自 立 支 援 サ ー ビ ス を 利 用 し て い る 者 、 自 立 支 援 医 療 を 利 用 し て い る 者 、 難 病 指 定 を 受 け て い る 者 及 び 特 別 支 援 学 級 に 在 籍 し て い る 者 等 、 行 政 に お い て 要 援 護 者 と し て 把 握 す る 者 を 『 災 害 時 要 援 護 者 』 と す べきである。」とされており、障害者手帳所持対象外である軽度・中等度難聴者は含まれな い 。 東 日 本 大 震 災 で は 、 軽 度 ・ 中 等 度 難 聴 者 か ら も 補 聴 器 の 使 用 希 望 が あ り 、 情 報 ア ク セ ス の 困 難 に 直 面 し て い た ( 一 般 社 団 法 人 日 本 補 聴 器 販 売 店 協 会 ・ NPO 法 人 日 本 補 聴 器 技能者協会, 2012) 。 軽 度 ・ 中 等 度 難 聴 者 の 人 口 が 約 560 万 人 と 高 度 ・ 重 度 難 聴 者 の 人 口 を 大 き く 上 回 る こ と を 鑑 み れ ば 、 障 害 者 及 び 災 害 時 要 援 護 者 の 基 準 を 早 急 に 見 直 す 必 要があるといえる。

第 二 に 、 通 信 イ ン フ ラ が 復 旧 す る ま で の 聞 に 、 聴 覚 障 害 者 の 安 否 情 報 や 避 難 状 況 を 迅 速かつ確実に把握する方策をどうするかということである。東日本大震災の教訓をもとに、全 日本ろうあ連盟 (2012b) が作成した「聴覚障害者災害時初動・安否確認マニュアノレ

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で は 、 災 害 対 策 本 部 が 被 災 者 の 安 否 を 確 認 す る 手 段 と し て 「 ① 方 法 口 メ ー リ ン グ リ ス ト 口 戸 別 の FAX 口パソコンメール・携帯メール口電話」が記載されている。しかしこれらの手段は、

今回の大規模災害で沿岸部地域では通信インフラが復旧するまでは全く活用で、きなかった。

聴 覚 障 害 団 体 等 を 中 心 と し た 災 害 対 策 本 部 に よ る 戸 別 訪 問 や 避 難 所 巡 回 等 で の 安 否 確

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認 体 制 を 拡 充 さ せ る と と も に 、 前 述 し た よ う に 災 害 時 に お け る 通 信 イ ン フ ラ の 耐 災 害 性 の 強 化が求められる。

第 三 に 、 被 災 聴 覚 障 害 者 の 視 点 か ら 、 災 害 時 に お け る 自 身 の 安 否 や 所 在 を 発 信 す る 複 数 の 発 信 手 段 を 身 に つ け て お く こ と の 必 要 性 や 具 体 的 方 策 に つ い て 早 急 に 検 討 を 要 す る 。 平 時 に お い て も 聴 覚 障 害 者 が 自 ら の 障 害 、 問 題 状 況 や 支 援 ニ ー ズ を 発 信 す る こ と を

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障るこ と が 少 な く な い 。 災 害 時 に お い て は 発 信 し な け れ ば 自 身 の 生 命 、 健 康 や 生 活 に 悪 影 響 を 及 ぼすことは必至である。「支援される立場」だけでなく「支援を求める立場」として能動的に発 信 す る 姿 勢 と 行 動 を 平 時 か ら い か に 身 に つ け る か に つ い て 、 個 々 の 聴 、 覚 障 害 者 や 家 族 が 主 体的に検討することを促す必要があろう。

3 復 旧 期

復 旧 期 は 、 通 信 イ ン フ ラ が 一 部 復 旧 し 、 避 難 所 あ る い は 損 傷 が 小 さ か っ た 家 屋 で の 生 活 が始まる。

( 1   ) 避 難 所 等 に お け る 情 報 ア ク セ ス の 問 題

避 難 所 等 で の 生 活 情 報 及 び 支 援 情 報 に ア ク セ ス す る こ と が 困 難 で あ っ た 。 以 下 に 示 す 事 例 の よ う に 、 食 糧 、 灯 油 や 生 活 用 品 等 の 支 援 物 資 の 提 供 が 音 声 ア ナ ウ ン ス で 行 わ れ た た め に確保できなかったことや、情報提供者となる家族や地域の人々との関係をうまく築けず情 報アクセスに難航した。

事 例 3 食 糧 、 灯 油 や 生 活 用 品 等 の 支 援 物 資 の 提 供 が 確 保 で き な い

i W 代わりに電話をかけてくれませんか』。石巻市の避難所に入った障害者 2 級 の 末 永 一 男 さ ん ( 7 1 ) は補聴器を津波で流されていたため、遠方の息子に居場所を伝えることができないでい た。同じ避難所の人に頼むにも、発話は普通にできるため、障害があるとなかなか理解されなか った。避難所での情報は口頭や放送で伝えられることが多く、聴覚障害者は周囲を見ながら行 動するため出遅れてしまう。別の避難所にいた女性は衣服の配給の列に並ぶのが遅れ、手に 入らなかったこともあった。厚生労働省は大震災の当日、阪神大震災の経験も踏まえ、避難所 などでの視聴覚障害者に対する情報支援に配慮するよう都道府県に通知した。しかし、岩沼市 社会福祉課の男性職員は「余裕がなし'1 J と打ち明ける。自治体が震災対応に忙殺される中、障 害者への目配りが不十分となっているケースは多いとみられる(共同通信社, 2011)0 J  事 例 4 生 活 情 報 や 支 援 情 報 を 獲 得 す る 手 段 が 非 常 に 限 ら れ て い る

①「携帯メーノレやファクスも不通となり、安否情報や水の入手方法すら把握できない日々が 4 日 ほど続いた。ほかの避難者らに筆談で思いを伝えるにも限界があり、手話通訳が派遣されるまで の 3 週間は途方に暮れ、孤立感にも襲われた(カナロコ, 2011)0  J 

②「今回の大震災では、情報の足りなさを実感しました。消防車が来ても何がなんだか分からな いままでした。避難所では、市からの説明は音声で、私達は耳が聞こえないので分かりません。

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地域の方に簡単なメモ程度の筆談で教えてもらい、だいたいわかる程度です。また手話通訳は 時々会えますが、常駐ではありませんでした(社団法人宮城県ろうあ協会, 201 1 ) 0  J 

事 例 5 避難所や仮設住宅で家族との意思疎通が難しく、ストレスが蓄積する

118 日から仙台市内の息子の嫁の実家で暮らしたが、ここでも食糧が不足している上に、コミュ ニケーションがスムーズに取れなかったため、双方の間でストレスがたまっていた。 4 月 上 旬 に 臨 時の場所に身を置き、 5 月 26 日に仮設住宅に移った(季刊みみ編集部, 2012)0  J 

以上の事例のように、いつ食事の提供や避難の指示・連絡が出てくるかわからないため、

常に周囲の動きに注意していなければならなかった。停電した避難所では何が起きているの か視認できず極度の不安や緊張に襲われていたという事例もあった。

また、情報を獲得する ICT ツ ー ル や 通 訳 者 を 利 用 で き な い 状 況 に お い て 、 聴 覚 障 害 者 に とっての情報提供者は家族、親戚や知人と一点集中にならざるをえなくなる。しかしながら家 族、親戚や知人も疲弊していたため、聴覚障害者は彼らに情報を求めることをためらい、情 報 や 指 示 が 与 え ら れ る ま で 待 つ し か な か っ た 。 筆 者 が 支 援 し た 事 例 で 、 避 難 所 で 聴 児 が 聴 覚 障 害 の あ る 両 親 に 周 囲 の 状 況 を 通 訳 し な い と い け な い と い う 責 任 か ら 睡 眠 を と れ ず に 情

緒不安定になることがあった。 I~ 聞こえる家族等がいることで、行政を含めて周囲には“因っ ていない"と思われていた.]~日頃、必要に応じた“付き合い"はあってそれなりにうまくいって

いたが、震災を機に同居することになり、日常的なコミュニケーションが要請されるようになっ て、一日中一緒にいることでのストレスを訴える家族があった』との J 報告もあり、聴覚障害者 と周囲との人との関係が悪化する事態が生じた(近藤, 2011) 。

こ う し て 聴 覚 障 害 者 は 、 家 族 や 周 囲 に 頼 り 、 迷 惑 を か け て い る と 感 じ て 無 力 感 や 孤 独 感 に 襲 わ れ 、 ス ト レ ス が 蓄 積 し た 。 被 災 者 の た め に 生 活 や 心 の ケ ア 等 に 関 す る 相 談 窓 口 が 設 置 さ れ た が 、 こ の 連 絡 手 段 は 全 て 電 話 の み に 一 本 化 さ れ て お り 、 後 述 す る よ う に 手 話 通 訳 者・要約筆記者も被災して活動できない状態であったため、ストレスを解消する手段も非常 に限られていた。

そこで、宮津 (2011) は、「ろう者にとって手話は心の支えである。避難所生活で手話で 話せない状況が続くことにより健常者以上のストレスを感じている。しかし、手話通訳者がつ きっきりで相手をするわけにもし、かない。そこで、被災家屋の片付けや救援物資の配達など は、ろう者や手話のできるボランティアに活躍してもらった。」と報告している。以上から、災害 時においては情報にアクセスするだけでなく、人とつながることで心身の回復や安定につな がるように、聴覚障害者と家族、地域コミュニティやろう・難聴のコミュニティとの関係を維持・

促進する取り組みが平時から求められる。

ま た 、 筆 者 は 、 聴 覚 障 害 者 救 援 活 動 を 通 し て 、 被 災 者 同 士 が 離 れ 離 れ に な っ て も 手 話 等を使って話すコミュニケーションや自分で支援情報や生活情報にアクセスすることができる 方法が必要であると考えた。そこで、 Twitter で 特 定 非 営 利 活 動 法 人 み や ぎ ・ せ ん だ い 中 途 失 聴 難 聴 者 協 会 副 理 事 長 の 立 場 で 、 ソ フ ト パ ン ク 株 式 会 社 社 長 の 孫 正 義 氏 に iPhone

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や iPadの 無 償 貸 出 を 直 接 要 請 し た (Softbank ,2011)0 iPhone50台と iPad10 台 の 無 償貸出が認められ、株式会社プラスヴォイスからの申し出で協力体制を組み、 SNS (ソーシ ヤルネットワークサービス)アプリやテレビ電話アプリを活用して遠隔通訳・コミュニケーション や 救 援 活 動 を 実 施 し た 。 聴 覚 障 害 者 が 利 用 し や す い よ う に 利 用 マ ニ ュ ア ル 作 成 と 導 入 支 援 窓 口 の 設 置 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 被 災 聴 覚 障 害 者 が 情 報 を 獲 得 す る 行 動 が 拡 が っ た り 、 救 援活動でも上記のアプリに加えて地図アプリに被災者宅を登録して情報を共有したりテレビ 電話アプリで 3 人 以 上 が 会 議 を 実 施 し た り し 、 災 害 時 に お け る 多 機 能 携 帯 端 末 の 有 効 性 が 確 認 さ れ た 。 一 方 で 、 多 機 能 携 帯 端 末 に 慣 れ て い な い 一 部 の 聴 覚 障 害 者 か ら 敬 遠 さ れ 、 か っ 震 災 で 緊 迫 し た 状 況 で 初 め て 見 る 多 機 能 携 帯 端 末 を 受 け 入 れ 、 利 用 方 法 を 習 得 し て も らうことは容易ではなかった。また、 SNS は 文 字 を 使 用 し て 交 友 関 係 を 中 心 に 構 築 さ れ る た め 、 書 記 日 本 語 が 苦 手 な 聴 覚 障 害 者 は 活 用 し に く か っ た 。 し た が っ て 、 今 後 は 、 多 機 能 携 帯 端 末 を 一 方 的 に 提 供 す る の で は な く 、 利 用 者 の 視 点 に 立 っ て 、 平 時 か ら の 多 機 能 携 帯 端 末 の 導 入 支 援 や 、 SNS で 文 字 以 外 に 画 像 ・ 動 画 等 で 安 否 や 被 災 状 況 を 伝 達 し 合 う よ う な活用事例の提供等を行う取り組みが重要になる。

( 2 ) 被 災 地 に お け る 情 報 保 障 者 の 確 保 に 関 す る 問 題

現 地 で は 、 以 下 の 事 例 の よ う に 、 手 話 通 訳 者 や 要 約 筆 記 者 も 被 災 し て 通 訳 活 動 に 回 れ ず、聴覚障害者が情報保障者を確保することが極めて困難となった。

事 例 7 聴 覚 障 害 者 を 支 援 す る 通 訳 者 も 被 災 し て 通 訳 活 動 が 困 難 と な る

「岩手、宮城、福島県によると、身体障害者手帳を持つ聴覚障害者は 3県で計約 1 万 9000 人。全日本ろうあ連盟などによると、宮城県内には 3 日現在少なくとも 19 避 難 所 に 31 人 の 聴 覚 障害者が避難生活を送っているが、同県内の約 60 人の手話通訳士も被災した人が多く、活 動できるのはわずか 5 人ほどという(読売新聞, 201 1 ) 0 J 

地 震 発 生 後 約 20 日経った 2011年 3 月 30 日 付 で 、 厚 生 労 働 省 が 災 害 救 助 法 に 基 づ き 、 被 災 地 を 除 く 各 都 道 府 県 お よ び 指 定 都 市 、 中 核 市 に 対 し 「 視 聴 覚 障 害 者 等 へ の 避 難 所における情報・コミュニケーション支援に関する手話通訳者等の派遣について」の通達文 書 を 出 し 、 宮 城 県 に は 延 べ 82 名 の 手 話 通 訳 者 が 派 遣 さ れ た ( 季 刊 み み 編 集 部 , 2011a) 。

宮 津 (2011) は 、 「 津 波 被 害 の 大 き か っ た 沿 岸 部 で は 、 被 災 の 諸 手 続 き や 連 絡 、 家 屋 修理や受診等における手話通訳ニーズが増えることが予想された。しかし、沿岸部 13市 町 の う ち 手 話 通 訳 者 が 常 駐 し て い る の は 5 か所だけだ、った。また、公共交通機関が機能を停 止し、ガソリンの供給もままならず、従来利用されていた手話通訳派遣事業でまかなえる状 況ではなかった。そこで、ろう者の数が多い沿岸の 5 市 町 に 県 外 か ら 手 話 通 訳 の 派 遣 を 要 請 し た 。 派 遣 さ れ た 手 話 通 訳 者 に は 積 極 的 に ろ う 者 宅 を 訪 問 し 、 状 況 確 認 と 被 災 後 の 手 続 きの説明など情報提供をしてもらった。それにより、浸水したアパートに残っていた 80 代 の 独 居老人を発見することもできたし、役所の窓口への来庁者も増加した。庁舎内外あわせて、

わ ず か 1 か 月 の 聞 に 昨 年 度 一 年 間 の 通 訳 派 遣 事 業 利 用 件 数 を 大 幅 に 上 回 る 利 用 と な っ

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た 。 J と報告している

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上 記 5 市町における昨年度派遣件数(コミュニケーション支援事業・

手 話 通 訳 派 遣 事 業 に よ る 利 用 件 数 、 平 成 22 年 3 月 平 成 23 年 2 月 の 1 年 間 ) が 192 件 で、あったのに対し、震災直後約 1 か 月 間 だ け で 706 件もあった(宮津 2011) 。 手 話 通 訳 の 内容は、「仮設住宅へのパトライトや FAXの設置についての交渉、廃車手続き、職業探し・

相 談 、 葬 儀 、 銀 行 手 続 き 、 病 院 や 事 故 の 対 応 等 々 J と多岐にわたったが、一方で派遣され た 通 訳 者 の 人 数 不 足 で 対 応 で き な か っ た り 手 話 通 訳 者 の 身 分 が 非 正 規 職 員 で あ る 場 合 は 災害時の保障がなかったり派遣が認められなかった(季刊みみ編集部, 2011a) 

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このよう に 手 話 通 訳 者 等 の 派 遣 体 制 を 強 化 さ せ る た め に 手 話 通 訳 者 等 の 身 分 保 障 や 自 治 体 の 対 応 等 を 含 め て 根 本 的 な 改 善 が 求 め ら れ る 。 ま た 、 被 災 地 外 か ら 派 遣 さ れ た 手 話 通 訳 者 か ら

「標準的な手話というより亘理町の方々の持っている手話を学習する」必要性も指摘されて お り ( 全 国 手 話 通 訳 問 題 研 究 会 研 究 誌 部 , 2011) 、 地 域 及 び 世 代 別 の 手 話 表 現 に 関 す る 資料の蓄積・活用も課題である。

要 約 筆 記 に 関 し て は 、 難 聴 当 事 者 団 体 の 実 態 調 査 で 「 要 約 筆 記 の 利 用 経 験 が な い こ と や 制 度 の 周 知 不 足 等 J ( 特 定 非 営 利 活 動 法 人 み や ぎ ・ せ ん だ い 中 途 失 聴 難 聴 者 協 会 ・ 特 定 非 営 利 活 動 法 人 全 国 要 約 筆 記 問 題 研 究 会 宮 城 県 支 部 , 2011) の問題が明らかになっ た 。 そ こ で 難 聴 者 団 体 の 災 害 対 策 宮 城 本 部 ス タ ッ フ が 要 約 筆 記 者 と 共 に 被 災 者 宅 を 巡 回 訪 問 し た り 役 場 に 同 行 し て 窓 口 担 当 と の 顔 合 わ せ を 行 う こ と で 、 要 約 筆 記 者 派 遣 事 業 の 利 用推進と地域資源とのネットワーク形成を促した。

さ ら に 、 日 本 財 団 が 、 聴 覚 障 害 被 災 者 支 援 に お け る 多 機 能 携 帯 端 末 の 有 効 性 に 着 目 し 、 3 月 11日から 6 か月後、遠隔情報・コミュニケーション支援事業を開始した。具体的には、東

日 本 大 震 災 に お い て 津 波 な ど の 被 害 が 大 き か っ た 県 ( 宮 城 、 岩 手 、 福 島 ) の 聴 覚 障 害 者 を対象に、カメラを搭載した iPhone や iPad の 多 機 能 携 帯 端 末 を 活 用 し て 、 以 下 の 遠 隔 情 報 ・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 事 業 を 実 施 し た 。 被 災 地 の 公 共 施 設 で の 聴 覚 障 害 者 の 遠 隔 手 話 ・ 文 字 通 訳 支 援 、 聴 覚 障 害 者 の た め の 代 理 電 話 支 援 、 臨 時 災 害 F M放 送 の 文 字 通 訳 支 援 で あ る ( 日 本 財 団 2011) 。同事業を開始した 2011年 9 月 11 日から 1 年 後 の 2012 年 9 月 10 日までの遠隔情報・コミュニケーション支援センターの利用実績を見ると、代理電 話 支 援 は 1 年間のトータルで1. 972 件の利用があり、その利用種別(依頼方法種別)の内 訳は、 FAX:571 件、メール :352 件、文字チャット :23 件、ビデオチャット/テレビ電話:

1 , 013件、対面 :13 件で、あった。代理電話のかけ先としては、多い順に、庖舗・商業施設へ の架電、メーカーのコーノレセンターなどへの機器類の取り扱い問合せ、ホテルへの予約・観 光 協 会 へ の 問 合 せ 、 医 療 機 関 へ の 予 約 や 問 合 せ で 、 あ っ た 。 ま た 、 窓 口 / 遠 隔 ( 文 字 ・ 手 話 ) 通 訳 支 援 は 岩 手 、 宮 城 、 福 島 の 各 県 の 市 役 所 、 市 町 村 の 役 場 の 支 援 端 末 の 利 用 と 当 事 者 が 所 有 す る 携 帯 端 末 か ら の 遠 隔 通 訳 の 利 用 に よ る 実 施 で 、 1 年 間 の 利 用 実 績 は 169 件で大部分が手話通訳での対応となっている。

この遠隔情報・コミュニケーション事業は、災害時における手話通訳の確保困難、公的派

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遣 対 象 外 に よ る 手 話 通 訳 の 利 用 制 限 及 び 公 共 機 関 窓 口 に 手 話 通 訳 者 が 設 置 さ れ て い な い問題を解消するために有効である。また、発災直後からそうした取組が実施可能であるこ とも重要である。こうした取組によって、情報アクセスの必要性が地域に広く認知されるととも に、防災・復興の過程で聴覚障害者と地域とのつながりを形成できることが期待される。今 後 は 、 災 害 時 だ け で な く 平 時 で も 遠 隔 通 訳 サ ー ビ ス が 聴 覚 障 害 者 一 人 ひ と り の 生 活 に 浸 透 するよう利用を促進させていくことが課題であろう。

( 3 ) テ レ ビ の 情 報 ア ク セ ス に 関 す る 問 題

避 難 所 に テ レ ビ や ラ ジ オ が 設 置 さ れ 、 住 民 は 行 政 や 地 域 に よ る 被 災 状 況 や 救 援 活 動 等 に関する情報を得るようになった。しかし、避難所にテレビが 1 台 の み 設 置 さ れ た た め に 聴 覚 障害者が周囲を気遣って字幕を表示してほしいと依頼しにくし¥ことや、手話や字幕が付与さ れていない番組が多いために聴覚障害者だけが把握できないことが多く生じていた。

総 務 省 (2012a) に よ れ ば 、 東 日 本 大 震 災 に お け る 字 幕 の 付 与 は 、 発 災 日 か ら 3 月 18  日までの 1 週間で、 NHK は 56 時 間 1 分 ( 1日 平 均 7 時 間 ) 、 民 放 各 社 ( 在 京 キ ー 5 局) は 最 大 54 時 間 1 分 ( 1 日 平 均 6 時 間 46 分 ) と 前 例 の な い 規 模 ・ 時 間 で の 字 幕 放 送 を 行った。また、手話の付与は、 NHK においては、平日 1 日2 回の手話ニュースを 3 月 18 日 までの 1 週 間 は 1日4 回に増やして放送を行う等の手話放送を行ったとのことである。

また、地震発生 2日後の 13日 15時 30 分 に 首 相 官 邸 で 行 わ れ た 枝 野 幸 男 内 閣 官 房 長 官 の 記 者 会 見 全 て に 手 話 通 訳 が つ い た こ と を 契 機 に 首 相 官 邸 か ら の 記 者 会 見 全 て に 手 話 通訳がつくようになった。特定非営利活動法人 c s 障 害 者 放 送 統 一 機 構 が 1995年 の 阪 神 大 震 災 の 教 訓 を ふ ま え て 開 始 し た c s 放送番組「目で聴くテレビ

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で 地 震 発 生 後 30 分 以 内 に 緊 急 災 害 放 送 を 配 信 し 、 以 後 3 月 19 日まで NHKにリアルタイムの手話と字幕をつけ て災害放送を継続し、同時にインターネットによる配信も始めた(季刊みみ編集部, 2011b) 。 た だ し 、 首 相 官 邸 の 緊 急 記 者 会 見 に 配 置 さ れ た 手 話 通 訳 は 手 指 日 本 語 で 通 訳 さ れ て い た た め 、 日 本 語 に 熟 達 し て い な い 日 本 手 話 話 者 は ア ク セ ス で き な か っ た 。 そ こ で 個 人 や 民 間 団 体 な ど が 連 携 し て 、 緊 急 記 者 会 見 や ニ ュ ー ス の 音 声 を 日 本 手 話 に 同 時 通 訳 し た 放 送 を Web 配信した(毎日新聞, 2012) 。しかしながら以上の全国放送とは異なり、地域の支援情 報 や 生 活 情 報 が 多 く 発 信 さ れ る ロ ー カ ル 番 組 で は 字 幕 ・ 手 話 の 付 与 率 が 低 か っ た 。 被 災 聴 覚障害者がローカル番組の情報にアクセスするためには、ローカル局における字幕製作イン フラの推進だけでなく、個人や民間団体等による手話通訳・文字通訳を Web 配 信 す る 体 制で補うような方策も必要であると考えられる。

( 4 ) 補 聴 器 や 電 池 の 紛 失 に よ る 情 報 ア ク セ ス の 問 題

震 災 で 補 聴 器 や 電 池 を 紛 失 し て 聴 覚 活 用 で 情 報 に ア ク セ ス で き な く な っ た 難 聴 者 の た め に 、 一 般 社 団 法 人 日 本 補 聴 器 工 業 会 、 一 般 社 団 法 人 日 本 補 聴 器 販 売 庖 協 会 及 び NPO 法 人 日 本 補 聴 器 技 能 者 協 会 が 連 携 し て 代 替 え 補 聴 器 の 手 配 ・ 修 理 ・ 電 池 の 提 供 等 の 支 援 を 行 っ た ( 一 般 社 団 法 人 日 本 補 聴 器 販 売 店 協 会 ・ NPO 法 人 日 本 補 聴 器 技 能 者 協 会 ,

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2012) 。阪神大震災でも同様の取り組みがなされている。また、同報告書では、「今まで補聴 器 の 必 要 性 を 感 じ て い な か っ た 軽 度 難 聴 者 の 方 も 避 難 所 生 活 で 難 聴 を 意 識 し 補 聴 器 の 必 要性を強く感じていた様子 J と指摘された。 1 2 .救 急 救 命 期 に お け る 問 題 状 況 」 で 前 述 し た よ う に 軽 度 ・ 中 等 度 難 聴 者 も 災 害 時 要 援 護 者 の 対 象 に 含 め る と と も に 、 身 体 障 害 者 福 祉 法 の適用外でもあっても補聴器の購入を補助する事業の実現が求められる。

( 5 ) その他

教 育 機 関 に お け る 情 報 保 障 で は 、 通 訳 者 の 安 定 的 確 保 と 継 続 派 遣 が 常 に 求 め ら れ る 。 東日本大震災では、筆者は、前述したように聴覚障害学生全員無事で、あったものの、支援 学 生 の 被 災 状 況 か ら 情 報 保 障 者 の 量 的 確 保 が 平 時 よ り も 困 難 に な る こ と を 懸 念 し 、 PEPN  e t ‑ J  apan に支援を要請した。 PEPNe t ‑ J  apan 事 務 局 は 、 全 国 各 地 の 連 携 大 学 ・ 機関とメーリングリストで検討し、筑波技術大学が開発したモバイル型遠隔情報保障支援シ ステムを導入し、被災大学 4 校 に 対 し て 被 災 地 以 外 の 大 学 11 校 が 通 訳 支 援 、 2 校 が 技 術 的サポートを行うことになった。これは、聴覚障害学生支援では初めてとなる大学関連携の 事業である。支援は、平成 23 年 度 前 期 ・ 後 期 に 実 施 し た 。 ま た 、 支 援 開 始 の 当 初 は ICT ツ ールを扱えるかどうか不安の声が被災大学から出されたが、 PEPNe t ‑ J  apan が 被 災 大 学 や 支 援 大 学 を 対 象 に 説 明 会 や 技 術 研 修 会 を 行 う こ と で 解 消 さ れ た 。 こ の 事 業 の 概 要 と 成 果 は 、 東 北 地 区 大 学 支 援 プ ロ ジ ェ ク ト 報 告 書 ( 日 本 聴 覚 障 害 学 生 高 等 教 育 支 援 ネ ッ ト ワ ー ク , 2012) で詳しく報告されている。

I V . 今 後 の 課 題

以 上 の よ う に 、 東 日 本 大 震 災 で 直 面 し た 聴 覚 障 害 者 の 問 題 状 況 に つ い て 、 情 報 ア ク セ ス の 視 点 か ら 各 時 期 別 に 整 理 し た 。 そ の 結 果 、 自 然 災 害 に よ る 直 接 的 被 害 に 加 え て 、 平 時 に お け る 聴 覚 障 害 者 の 情 報 ア ク セ ス に 関 す る 制 度 や 体 制 が 充 分 で な い こ と や 、 聴 覚 障 害 者 が 情報にアクセスするために既存の資源やサービスを平時から有効活用できていなかったこと も起因して様々な二次的障害が生じていることが示唆された。

各時期で生じた情報アクセスに関わる課題をまとめると、次の 3 点に集約されよう。第一に、

聴 覚 障 害 者 が 自 身 の 所 在 や 支 援 ニ ー ズ を 発 信 す る 主 体 的 な 姿 勢 と 複 数 の 手 段 を 身 に つ けるとともに、情報提供者となる家族、近隣や地域の人々とのつながりを作る必要がある。第 二 に 、 聴 覚 障 害 者 個 人 や 団 体 が 手 話 通 訳 等 の 人 的 資 源 や 補 聴 器 ・ 人 工 内 耳 等 の 物 的 資源といった情報アクセスに関わる従来の資源やサービスを災害時に集約・活用できるシス テムを強化する。第三に、以上の 2 点を補充する通信インフラや ICT アクセシビリティの整備 で あ る 。 災 害 時 及 び 緊 急 時 の 避 難 情 報 ・ 安 否 確 認 ・ 地 域 の 生 活 支 援 情 報 等 に ア ク セ ス し た り遠隔情報・コミュニケーション支援を利用するために、通信インフラの耐災害性を強化する とともに、 ICT アクセシビリティを向上・改良する(松崎, 2012a) 。こうした課題を解決するため には、平時から周囲の人々とともに聴覚障害者も参加できる地域コミュニティを作ることを促

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進する方策と計画が求められる。また、平時から聴覚障害関係、の各種情報を集約・提供し、

聴 覚 障 害 者 と 地 域 と を つ な ぐ 拠 点 と し て 、 身 体 障 害 者 福 祉 法 第 34 条 に 基 づ く 聴 覚 障 害 者 情報提供施設の設置と緊急時の体制のありかたを検討する必要もあろう。

筆者は、以上の課題をもとに、小さな取組ではあるが、聴覚障害者の防災・減災に関する 活 動 を 試 み た 。 以 下 、 主 な 活 動 を 二 点 報 告 し 、 今 後 の 解 決 策 の 1 っとして提案したい。

第 一 及 び 第 二 の 課 題 を 解 決 す る 取 組 と し て 、 聴 覚 障 害 者 を 対 象 に し た 防 災 教 育 の 実 践 と 教 材 開 発 を 行 っ た 。 災 害 で は 聴 覚 障 害 者 が 情 報 に ア ク セ ス す る 際 に 想 定 外 の 多 く の 障 壁 が立ちはだかるため、自分の生命、生活や健康を守るために自らどのように判断・行動する 必 要 が あ る か を 学 ぶ 防 災 教 育 が 必 要 と な る 。 既 存 の 災 害 時 に お け る 聴 覚 障 害 者 支 援 マ ニ ュアルで、も、災害時における当事者の基本的対処を指示した内容はあるものの、想定外の 事態に対してどのように対処していくかに関しては触れられていない

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森 本 (2011) は、全 国 の 聴 覚 特 別 支 援 学 校 ( 回 収 数 :72 校, 7 1 . 3%) を 対 象 に し た 防 災 教 育 に 関 す る 実 態 調 査 を 行 っ た 。 防 災 教 育 の 内 容 と 方 法 に つ い て は 、 多 く 行 わ れ て い る 順 に 「 地 域 の 自 然 環 境 や 災 害 の 学 習 J1 地 震 体 験 車 体 験 J1 まち歩き J1 スモークハウス体験」などといった知識獲 得 ・ 体 験 学 習 を 重 視 す る 傾 向 が あ り 、 今 後 の 課 題 と し て 多 い 順 に 「 防 災 教 育 の 時 聞 が 充 分 に取れない J 1 適 切 な 教 材 が な い J 1 指導方法がよくわからなしリなどが挙げられた。災害は、

想定外の事態が起きる局面であり、「変化 J は必須である。我々は、防災訓練等によってい わゆる「正解」を身につけるだけでなく、特定の現場(ローカリティ)において、「当面、成立 可 能 で 受 容 可 能 な 解 ‑1 成解」一(矢守・渥美・近藤・宮本, 2011)J を探っていくことも求め ら れ る 。 そ こ で 筆 者 は 、 筆 者 も 含 む 聴 覚 障 害 者 の 被 災 体 験 や 救 援 活 動 の 経 験 を も と に 、 宮 城教育大学しょうがい学生支援室で聴覚障害学生を対象にしたクロスロードを開発した。ク ロスロードとは、「ゲーミングの手法を用いた防災・減災教育のツーノレの一種」である。ゲーム 参 加 者 が 、 二 者 択 ー の 設 問 に YES または NO の判断を下すことを通して、防災を「他人事」

ではなく「我が事」として考え、同時に相互に意見を交わすことをねらいとしている(吉川・矢 守・杉浦, 2009) 。災害編と日常生活編に分け、聴覚障害学生、支援学生、コーディネータ ー と 対 象 別 に 設 問 を 作 成 し て い る 。 設 問 内 容 は 平 時 の 情 報 保 障 、 災 害 時 に お け る 情 報 ア ク セ ス と そ の 支 援 等 で あ る 。 聴 覚 障 害 児 や 成 人 を 対 象 に 聴 覚 障 害 学 生 対 象 の 設 問 内 容 を 変 更 し た も の も 作 成 し 、 東 京 都 立 中 央 聾 学 校 中 学 部 ・ 高 等 部 (2011 年 9 月 2日)、青森県立 八 戸 聾 学 校 小 学 部 ・ 中 学 部 (2012年 3 月 6日)、第 17 回 全 困 難 聴 者 ・ 中 途 失 聴 者 福 祉 大 会 ln あおもり (2011 年 12 月 10 日 ) 、 モ バ イ ル 型 遠 隔 情 報 保 障 シ ス テ ム 報 告 会 (2012 年 2 月 24日)、平成 24 年 度 全 難 聴 ・ 全 要 研 東 北 ブ ロ ッ ク 大 会 (2012 年 9 月 23日) 等 で 実 施 し た 。 参 加 者 か ら は 、 「 意 見 を 交 わ せ ば 交 わ す ほ ど 想 定 し な い 事 態 が 出 て き て 視 野が広がった J 1 何が起きて何をするかを具体的にイメージしながら判断の適否を検討できる」

といった肯定的な評価が出されている。

第 三 の 課 題 を 解 決 す る 取 組 の 1 っとして、筆者が、国際連合専門家会議に参加し、聴覚

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障害者の立場から情報アクセスに関わる課題と ICT アクセシビリティで求められる方策を提 案したことである。聴覚障害者が情報にアクセスする手段は、 1995 年 の 阪 神 ・ 淡 路 大 震 災 では FAX 、 2004 年の新潟県中越大震災では携帯メールを活用したメーリングリスト、 2011 年 の 東 日 本 大 震 災 で は SNS といったように拡大している。聴覚障害者災害時初動・安否 確認マニュアル(全日本ろうあ連盟, 2012b) でも、携帯電話メール、スマートフォンでの緊 急情報活用の準備・訓練をしておく必要性が指摘されている。そのためには、本稿で繰り返 し指摘したように、災害時における通信インフラの耐災害性の強化が急務の課題であり、か っ障害のある当事者も ICT アクセシビリティの向上・改良を目指して関与することが求められ る 。 2006 年 12 月 に 採 択 さ れ た 国 際 連 合 の 障 害 者 の 権 利 に 関 す る 条 約 で は 、 第 9 条「アク セシピリティ」に「締約国は、全ての当事者にインターネットも含めたアクセシビリティの提供を 行う為のあらゆる適切な措置を講じ、それを妨げる問題を撤廃する。 J とある。 2008 年 の 国 連 総 会 で 採 択 さ れ た 決 議 63/150 及 び 65/186 で「政府が、障害者が生活のあらゆる面に 完全参加しながら自立して生きる権利、開発の担い手となり、その恩恵、を受ける者となる権 利を実現するためのアクセシピリティと合理的配慮を保障すること J とされている。災害時にお いてもインクルーシブな社会の維持や早期回復が可能となるようなアクセシビリティの実現が 重要であり、そのために障害のある当事者もキー・パーソンとして参画することに意義がある (松崎, 2012a) 。

筆者は、 2012 年 4 月 に 東 京 で 行 わ れ た 国 連 本 部 経 済 社 会 局 (DESA) と 国 連 広 報 セ ンタ一、日本財団の共催の「情報通信技術のアクセシビリティの促進によるインクルーシブな 社 会 の 構 築 と 開 発 に 関 す る 専 門 家 会 議 」 で の 発 表 依 頼 を 受 け た 。 専 門 家 会 議 の 目 的 は 、 ICT アクセシビリティを通して、緊急時や自然災害時を含む、障害者の社会へのインクルー ジョン、社会参加を容易にするための政策や実践を促進することである。この会議を通して、

2013 年 の 国 連 の 障 害 と 開 発 に 関 す る ハ イ レ ベ ル 会 議 に 提 出 す る 提 言 を 作 成 す る こ と を 目 指した。筆者は、同会議の特別セッションで聴覚障害者と東日本大震災について ICT アク セシビリティの視点から発表するとともに、災害時における情報アクセスをテーマにした分科 会 で も 当 事 者 の 立 場 か ら 発 言 し た 。 そ の 結 果 、 筆 者 が 提 案 し た 方 策 の 大 部 分 が 提 言 に 含 め ら れ た 。 例 え ば 、 危 機 回 避 と 災 害 回 避 の 計 画 に は 障 害 者 団 体 の 技 術 、 知 識 や 経 験 を 取 り込むこと、災害時のあらゆる過程で情報コミュニケーション技術にアクセシブルな基準を定 義すること、悪天候でも使用可能なモバイル機器など低電力や代替電力を使った ICT を定 義し獲得すること、 ICT のアウトリーチ活動やトレーニングの開発と提供を約束すること等で ある(公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会情報センター, 2013) 。今後も ICT アクセシピリティの重要性を発信するために、 2013 年 5 月にジュネーブで行われる国際連合 国 際 防 災 戦 略 (UNISDR) の防災グローバル・フ。ラットフォームでも発表する予定である。

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V  おわりに

本 稿 で は 、 東 日 本 大 震 災 の 各 時 期 に お け る 被 災 聴 覚 障 害 者 の 情 報 ア ク セ ス の 実 態 と 課 題 に つ い て 、 宮 城 県 を 中 心 に 筆 者 の 被 災 体 験 や 聴 覚 障 害 者 支 援 に 関 す る 文 献 資 料 を も と に 検 討 し た 。 前 述 の 専 門 家 会 議 に 出 席 し た 米 連 邦 緊 急 事 態 管 理 庁 (FEMA) の マ ル シ ー・ロス氏は、「多層な層の多様な人々のニーズについて、それぞれ把握しておく必要がある。

我々は、障がい者向けの対策に関して 特別なニーズ"と呼ぶこともない。(障がい者を特別 扱いすると)二次的なニーズとして対処することになってしまうためだ J と 主 張 し て い る ( 国 際 開発ジャーナノレ編集部, 2012) 。 平 時 に 機 能 し て い た 通 信 イ ン フ ラ や 行 政 サ ー ビ ス な ど が 大 規模災害で不全化したとしても誰もが情報にアクセスできるような社会を目指すには、そのよ うな社会の「担い手 Jでもある障害者の体験から積極的に学ぶことが重要であるといえる。

し た が っ て 今 後 と も 、 被 災 地 に お け る 聴 覚 障 害 者 、 支 援 者 及 び 行 政 関 係 者 に 面 接 調 査 を 実 施 し て 情 報 ア ク セ ス に 関 す る 事 例 収 集 と 検 証 作 業 を 進 め る と と も に 、 実 際 の 事 例 に 基 づ い た 防 災 教 育 や 災 害 時 の 各 時 期 に お け る 支 援 体 制 の 充 実 を 図 る 必 要 が あ ろ う 。

文 献

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季 刊 み み 編 集 部 (2011b) 首 相 会 見 へ の 手 話 は 画 期 的 ! そ れ で も 足 り な い 手 話 ・ 字 幕 ( 特 集

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3

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命を救う情報と赤字), MIMI , 132 ,  44

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参照

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