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文部省通達「高等学校社会科世界史の学習について」

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(1)

『歴史教育史研究』第

2

号(2004 年度) 、歴史教育史研究会、19~28 頁

19

《史料研究》

文部省通達「高等学校社会科世界史の学習について」

(1950 年

9

月)の世界史教育史上の位置づけ

茨 木 智 志

1.新制高等学校の発足と新科目・世界史の設置

本稿は、文部省通達「高等学校社会科世界史の学習について」 (文初中第

495

号、

1950

9

22

日)を取り上げ、その世界史教育史上の位置づけを考察したものである。

1947

4

月に発表された新制高等学校の社会科の選択科目は、東洋史・西洋史・人 文地理・時事問題の

4

科目であった

1

。新制高等学校の発足は翌年度からであったが、新 制高等学校への移行を予定している中等学校(旧制)での授業のためにも、これらの選 択科目の教科書や学習指導要領を含めた新しい教育の具体的な提示が急がれた。社会科 の選択科目の学習については、中学・高校の一般社会科の学習指導要領(同年

6

月)

2

の 最後に付けられた「 (附)高等学校における社会科の選択科目について」で簡単な解説が なされ、東洋史・西洋史・人文地理の

3

科目は同年

7

月にそれぞれの学習指導要領が発 行された。また、時事問題を除いた

3

科目については

2

冊ずつの教科書が作成され、歴 史では『西洋の歴史(1)』 (中等学校教科書株式会社)が同年

8

月に発行された

3

このような状況の中で新制高等学校は

1948

4

月に発足し、東洋史・西洋史の授業が 前年度に続いて行なわれていたが、同年

10

月の通達「新制高等学校教科課程の改正に ついて

4

」により

1949

年度から社会科の選択科目は国史(まもなく日本史と改称) ・世 界史・人文地理・時事問題に改められることが通知された。これが現在行われている世界 史の始まりである。世界史は全く新しい科目であった。

世界史の授業が始まる

1949

4

月に文部省は教科書局長名で「高等学校社会科日本 史、世界史の学習指導について

5

」の通達を出した。この中で、指導に関して留意すべき

9

項目の「社会科歴史学習の目標」を列挙し、一般社会科に準拠して「生徒の自主的学

1

「新制高等学校の教科課程に関する件」発学第156 号、1947 年4 月7 日。

2

『学習指導要領社会科編(Ⅱ)

(第七学年-第十学年)

(試案)昭和二十二年度』文部省、

1947

年6 月。

3

しかし聖書記述をめぐる批判を受けた占領軍により、残りの『西洋の歴史(2)』 『東洋の歴史(1)』 『東洋 の歴史(2)』の発行は停止されて未刊に終わることになる。

4

「新制高等学校教科課程の改正について」発学第448 号、1948 年

10

月11 日。

5

「高等学校社会科日本史、世界史の学習指導について」発教第

247

号、

1949

4

月13 日。この通達

は、上田薫他編『社会科教育史資料1』 (東京法令出版、1974 年、

493

頁)をはじめ、各種の資料集に

掲載されている。

(2)

習を刺激するように単元学習」の学習形態を取るのが望ましいと記されている。この部 分は戦後の社会科における歴史学習の方向を明記した象徴的な文書である

6

。ただし非常 に簡潔で抽象的な記述にとどまっていた。また同通達では、学習指導要領については「目 下作成中」であり、完成までは東洋史・西洋史の学習指導要領を「一応参考として使用 してさしつかえない」こと、また、 『西洋の歴史(

1)

』のみであった教科書については、

教師により「適当に考慮」すべきことが指示されていた。このように科目設置が先行し た世界史は、世界史教育の理念、内容、方法など、すべてにおいて、実施とともに検討 が始められた

7

当時は世界史の文部省著作教科書も検定教科書も存在しなかったが、授業で使用する ための世界史「教科書」が数多く発行された

8

。また、世界史と銘打った書籍が大量に出 版され、歴史学者も世界史をめぐり議論を繰り広げた。このような状況は当時、 「世界史 の氾濫

9

」と形容されている。

2.世界史学習指導要領の作成と本通達の位置

前述の

1949

4

月の通達で、学習指導要領は「昭和

24

年度末」 (

1949

年度末)完成 予定であると記していたが、実際の発行は

1952

3

月となった

10

1949

4

月の通達 と

1952

3

月の世界史学習指導要領の間に位置して、中間発表として公表されたのが 本稿で取り上げた通達「高等学校社会科世界史の学習について」である。

歴史の学習指導要領作成に関わっていた渡部是は、 中間発表までの経緯について1951 年の時点で次のように説明している。

終戦直後ごろに社会科ができましたときに、歴史の方も指導要領をつくらなければ いけないと思いましたのですが、そのときはつくる必要がないというような指示があ りまして中止になっておりました。その後さらに一年くらい経ちましてから、歴史の 方でも指導要領をつくってよろしいという指示がまた出ましたので、指導要領の編纂 委員会を組織しまして、その委員会で案を検討して来ておりました。一昨年〔1949 年-茨木〕の暮あたりに大体の案ができましたので、これでよろしいかどうかと、意 見を徴しに参りましたが、暫くの間、何らの指示がありませんでしたので、とうとう

6

この文書の執筆は、文部省教科書局にいた渡部是が、文部省で日本史教科書の編集委員になっていた 高橋磌一と相談してなされたものであると、佐藤伸雄氏は推測している。この点については「歴史教育 体験を聞く 佐藤伸雄先生」 (本誌本号、44 頁)参照。

7

ただし世界史教科書については1949 年

3月22

日に「教科用図書検定基準の一部改正」 (文部省告示 第

20

号)の中の「別表第二 補遺」において、調査対象としての世界史の指導目標と教材内容が示され ていた。世界史教科書の検定基準については、稿を改めて論じたい。

8

吉田寅「 「世界史」成立前後の教科書・準教科書について」 ( 『立正大学人文科学研究所年報』第28 号、

1991

年3 月)に当時における世界史の「教科書・準教科書」の状況が詳細に解説されている。

9

例えば井上清「 「世界史」の氾濫」 ( 『歴史学研究』第

144

号、1950 年3 月)や有賀貞也「-時事と時 評―世界史の氾濫」 ( 『日本歴史』第

27

号、1950 年8 月)など。

10

『中学校・高等学校学習指導要領社会科編Ⅲ(a)日本史(b)世界史(試案)昭和

26

年(1951) 改訂版』 (文

部省、1952 年3 月) 。

(3)

遅れまして世界史の中間発表が昨年〔

1950

年-茨木〕の九月の中ごろ、日本史の方は さらに遅れてついこの間の〔

1951

年-茨木〕三月末に中間発表として出されたわけで す

11

1949

4

月の通達において「目下作成中」で同年度末に完成の予定であると通知さ れていたとおり、作業は順調に進んでいたことを述べている。なお発表が遅れた背景に は、学習指導要領作成、教科書編纂、教科書検定などの主体が、中央(文部省)にある のか、地方にあるのかという教育の地方分権の問題が絡んでいたものと思われる。

中間発表で示された内容は次のような構成になっている。

表1: 「高等学校社会科世界史の学習について」 (1950 年

9

月)の内容

12

〔前書き〕

学習単元(試案)

第一単元 目標 内容 第二単元 目標 内容 第三単元 目標 内容

〔参考学習単元例〕

A

案 〔

6

単元〕

B

案 〔

4

単元〕

参考 世界史学習上における重要事項 〔37 事項〕

ここでは前書きの部分において、問題解決学習そして生徒の自主的活動を刺激する単 元学習であるべきことを述べ、具体的には「近代以前の社会」 「近代社会」 「現代社会」

3

つの時代を現代的な観点から対比して人間の社会生活の総合的な発展を理解させる 世界史の学習を強調している。そして例として「アジアの社会とヨーロッパの社会の発 展にはどのような相違があるか」 、 「世界はどのようにして一体化したか」 、 「現代の世界 にはどのような問題があるか。又それはどのようにして起つたか。 」の3つの学習単元に ついて、その目標と内容を列挙している。さらに参考として

10

の単元名を記載し、37 の「世界史学習上の重要事項」を提示した。これは、新科目世界史が従来の歴史学習と は異なる社会科歴史であるべきことを、1949 年

4

月の通達で理念的に示していたもの を発展させて、さらに具体的に社会科世界史の内容の一例を示したものであると位置づ けられる。ただし、問題解決学習を主張しながら、系統学習を念頭に置いたような形で 通史的な重要事項の列挙がなされている点は注目される。

11

「座談会 コース・オヴ・スタディの中間発表について(1) 」 『社会科歴史』第

1

巻第3 号、実業之 日本社、

1951

年、

11

頁。なお引用に当たって一部の表記を改めた。引用文中の日本史の中間発表は「中 学校および高等学校、社会科日本史の指導計画について」 (文初中第

321

号、1951 年3 月27 日)であ り、これは『文部時報』第

885

号(

1951

5月、78~89

頁)に掲載されている。

12

本稿末に掲載した通達の本文参照。なお表中の〔 〕は茨木による。

(4)

渡部はこの中間発表について、前述した座談会で、 「実際の学習指導要領の初めの方三 分の一くらいのもので、一応社会科歴史の目標というようなもの、一般学習目標、それ から各時代における目標、内容的なものを一通り掲げましたものです

13

」と説明してい る。1952 年

3

月の世界史学習指導要領と比べると渡部の説明どおり「初めの方三分の 一くらい」を学習単元の一例として示す形になっている(表

2

参照) 。具体的には表

1

の「学習単元(試案) 」の3つの単元が表

2

の「 (

A

案) 」に、表

1

の「

A

案」と「

B

案」

が表

2

の「 (

B

案) 」と「 (

C

案) 」に該当している。ただし中間発表と学習指導要領とで は、表記・表現を改めた箇所が散見されるとともに、いくつかの項目の追加・変更が存 在する

14

。この項目の追加・変更には、いくぶん政治的な配慮が感じられる部分がある が、その詳しい経緯は不明である。

2:1952

3

月の世界史学習指導要領の内容と中間発表の該当箇所

15

まえがき(高等学校社会科における歴史教育)

b)高等学校 世界史

Ⅰ.世界史の特殊目標

Ⅱ.世界史各時代指導上の参考目標および参考内容

A.参考目標

B.参考内容

Ⅲ.世界史の参考単元例 1.参考単元題目例

(A案) 【中間発表の「学習単元(試案) 」 】 (B案) 【中間発表の「A 案」 】

(C案) 【中間発表の「B 案」 】 (D案)

2.世界史への導入

D)案の展開例

1単元

要旨 目標 内容 学習活動の例 評価の例 参考資料 第

2単元

要旨 目標 内容 学習活動の例 評価の例 参考資料 第

3単元

要旨 目標 内容 学習活動の例 評価の例 参考資料

13

10

に同じ。

14

第一単元の内容の二の部分に(三)として「原始人の社会生活とわれわれの生活とではどのような違 いがあるか」が追加され、第三単元の内容の四の(一)が「食糧および人口問題」に、 (二)が「産業生 産の配分」に変更され、同じく第三単元の内容の四に(五)として「該問題解決の合衆国の努力」が追 加されている。

15

『中学校・高等学校学習指導要領社会科編Ⅲ(a)日本史(b)世界史(試案)昭和

26

年(1951) 改訂版』 (文

部省、1952 年3 月)より作成。なお「まえがき」に続く「 (

a)高等学校 日本史」の部分は省略した。

(5)

以上のように、この通達は

1950

6

月の時点において、学習指導要領の中間発表の 形で、文部省が想定した「社会科世界史」の学習とはいかなるものかを具体的に初めて 示したものであった。 その後に発行される1952 年3 月の世界史学習指導要領を含めて、

この通達には“法的拘束力”で教育内容を規定する性格も意図もなく、ここで示された 世界史は「試案」であり「参考」であった。それだけに当時の世界史の教科書や授業に 対して、どのような影響を直接的または間接的に及ぼしたのかが、世界史教育史の観点 からは気になるところである。この通達に準拠した旨を記載した書籍

16

が存在すること は、影響の一端として指摘できるが、各都道府県教育委員会や各教育団体による世界史 教育に対する検討も含めた、この点に関する詳しい考察は今後の課題としたい。

なお、これまでに世界史教育史の中でこの通達に言及したものは、管見の限りでは、

鈴木亮氏が生前に作成したホームページがあるのみである

17

3.おわりに

最後に、本稿で利用した通達文の出典について附言しておきたい。異例なことではあ るが、本稿では当時の雑誌に紹介された通達文を利用した。世界史のこの通達は他の科 目の中間発表と異なり、 『文部時報』においても本文が掲載されておらず

18

、また、その 後に発行された種々の資料集においても取り上げられていない。文部科学省を含めた、

いくつかの公共機関に照会や調査を行なったが、この通達を見出すには至らなかった

19

。 そして、ようやく確認できたのが、雑誌『社会科教育』 (社会科教育研究社)に紹介され たものであった。その後も通達の原文を確認することができていないため、雑誌に紹介 されたものをもとにして考察をせざるを得なかった。このような状況を考慮して、あえ て通達の全文を稿末に掲載したしだいである。一方で、高等学校等に所蔵されている文 書中に、この通達が存在する可能性もあると思われる。原文の確認のために情報を頂け れば幸いである。

16

石田幹之助・山中謙二監修『世界史事典』 (河出書房、1951 年6 月)では、この通達にある「世界史 学習上における重要事項」に記載された項目に従い、さらに補足した旨を「凡例」で述べている。

17

鈴木亮「世界史教育のあゆみと課題・ノート」の「世界史教育のあゆみ」中の「

5.最初の世界史学

習指導要領(99/02/23) 」 (

http://home.att.ne.jp/wave/natsu/ryo/sekaisimokuji.htm)

2004

年9 月11 日検索。

18

『文部時報』第

881

号(1951 年1月、

94

頁)には通達の番号と名称等が紹介されているのみである。

19

例えば、 国立教育政策研究所所蔵のマイクロフィルム『通知文書綴』の「昭和25 年9 月文書回報9

文部省総務課記録班」にも収められていない。

(6)

凡例

・ 『文部時報』第881 号(

1951

年1 月、

94

頁)によれば、正式な通達名は「高等学校社会科世界史の学 習について」 (文初中第

495

号、1950 年

9

22

日)であり、初等中等教育局長から都道府県

5

大市 教育委員会・知事・国立高校長・教員養成学部を有する国立大学長・国立大学附属高校主事あてに通 知されている。

・出典は「文部省公報 高等学校「社会科」単元の要綱について(続) 」 ( 『社会科教育』第

35

号、社会 科教育研究社、1950 年11・12 月号、1950 年12 月発行、

27~30

頁)である。

・縦書きを横書きにし、漢字は新字体に改めた。

・明確な誤植は訂正した。

・太字にした箇所は雑誌掲載のままである。

「 社会科世界史の学習について 文初中第四九五号 昭和二五年九月二二日

高等学校の社会の選択科目である世界史の学習については昨年四月十三日付発教二四七号を以てその 目標ならびに取り扱い方を通達した。

学習指導要 項

(ママ)

は目下編集中であるが右通達にもある通り、その一部として次の如き学習単元の一つの 例を試案として示すこととした。依て各学校においてはさきの目標および次の試案を参考にして具体的 にそれぞれの学習単元をつくり学習計画を立てられるようせられたい。なお同じく選択科目である日本 史についても続いてこれを例示する予定である。

社会科世界史の意義およびその学習計画については後日ふれる筈であるが、要するに現実の問題解決 のための学習でありその解決の手がかりを世界史上の史実よりとりあげつつその過程において人類発展 のあとを理解するものである。したがつてその学習形態は一般社会科と同様生徒の自主的活動を刺げき する単元学習であることが望ましく、その単元内容はあくまで生徒の経験に即し現代的関心から出発し た問題解決の学習でなければならない。したがつて単元の構成は単にいわゆる概説の記述の順にしたが つてこれを時代的に数個に別けるというものではないことは勿論である。さきの目標にてらし世界史は 人間の社会生活の綜合的発展を理解することを重点としている。したがつて個々の歴史事実をその時代 の社会を背景として考察することである。加えて近代的社会の理解が重んぜられることは、社会の目標 より当然である。近代以前の社会は近代社会成立の歴史的背景として理解すべきであろう。したがつて 世界史学習における時代概念として「近代以前の社会」 「近代社会」 「現代社会」の三類に分けて理解す るのが便利であろう。これらを現代的観点において対比することにより人類社会の発展を把握すること ができよう。

次にあげる試案は元より一例である。実際の学習にあたつては夫々の地域に応じ適宜作成されるであ ろうが何れの場合においても右の三類型が含まれることが必要である。

学習単元(試案)

第一単元 「アジアの社会とヨーロッパの社会の発展にはどのような相違があるか」

目標

(7)

一、アジアの社会とヨーロッパの社会の発展の類似点と相違点を理解することにより歴史発展における 普遍性と特殊性を理解すること。

二、近代以前の社会においては自然環境がいかに制約を与えているかを正しく理解すること。

三、文明の交流による社会発展の意義を正しく理解すること。

四、現代社会における近代以前の社会の遺制を理解し批判することにより社会生活を向上させる能力を 育てること。

五、近代以前の社会と近代社会の相違を認識することにより民主主義の価値を理解し、これを育てるこ と。

六、世界的宗教の歴史的意義を理解することにより現代生活における宗教の役割を理解すること。

七、近代以前の社会の文化遺産を評価する能力を育てること。

八、史実批判および理解の能力を養うことにより事物を合理的科学的に処理する態度を養うこと。

内容

一、われわれの生活には外国文化がどのようにとり入れられているか。

(一) 西洋人とわれわれの生活とにはどのようなちがいがみられるか。

(二) 中国人、朝鮮人などの東洋人とわれわれの生活とにはどのようなちがいがみられるか。

二、人類はどのようにして発生し、社会生活を営むようになつたか。

(一) 人類はどのようにして文化的にその地位をたかめたか。

(二) 今日の未開民族の生活と原始人の生活との間にはどのような似た点があるか。

三、人類はどのようにして国家を形成するようになつたか、それは地域によつてどのようにちがうか。

(一) 文明はどのような地域に発生したか、それはそれぞれどのような特色をもつているか。

(二) ピラミツトや万里長城のような大工事はなぜいとなまれたか。

四、世界の主な古典文明にはどのようなものがあるか、それはどのような社会的地盤の上に発生し、ど のように今日の生活に影響を与えているか。

(一) ギリシア、ローマの文化はどのような社会的地盤の上に発生したかそして今日の社会にどのよう

な影響を与えているか。

(二) 中国、インド、日本などの古代文化はどのような社会的地盤の上に発生したか、そして今日の社

会にどのような影響を与えているか。

(三) わが国でローマ字が普及し、漢字制限がさけばれているのはなぜか

五、仏教、キリスト教、イスラム教はどのようにして発展し、今日の生活に影響を与えているか。

(一) これはどのようにして各地に弘まつたか。

(二) 現代生活の中でこれらはどのような影響を及ぼしているか。

六、西洋の民主主義の発達とくらべ、東洋ではどのようであつたか。

(一) 東洋と西洋とでは「家」についての考え方にどのようなちがいがあるか。

(二) なぜ日本や中国では「家伝」とか「秘伝」の形で伝統がうけつがれているか。

七、文化の伝播は社会の発達にどのような意義をもつているのか。

(一) アレクサンダー大王の遠征や十字軍などによる文化の交流は歴史の発展にどのような影響を与

えたか。

(二) 遊牧民族は文化の発展にどんな役割をはたしたか。

八、われわれの社会生活をたかめるにはどのような努力が必要か。

(8)

(一) 日常生活の中で改善を要するものがあるか。

(二) 日本の民主化の途上において古来のアジア文化はどのように評価されているか。

第二単元 「世界はどのようにして一体化したか」

目標

一、現代の社会生活のあらゆる分野に亘つて世界的連関性のある事を理解することにより現代社会の諸 問題を世界的視野において処理する態度と能力を養うこと。

二、一体化する以前の社会が封鎖的であつたことを理解することにより民主主義的寛容の精神を養うこ と。

三、世界の一体化をもたらした原因が何であるかを理解することにより近代社会の本質を認識すること。

四、ヨーロツパ社会の世界的発展を理解すること。

五、世界の一体化の過程により生じた諸問題の理解を通し、その民主的解決への能力を育てること。

六、国民的偏見を排除し、近隣諸国民に対し友好的態度を養うこと。

内容

一、世界の一体化とは何をさすのか。

(一) われわれの政治はどのように世界的連関をもつているか。

(二) われわれの経済生活はどのように世界経済とむすびついているか。

(三) われわれの文化はどのように世界の文化と密接な交渉をもつているか。

二、一体化する以前の世界はどのようであつたか。

(一) どのような事情が世界の一体化を妨げているか。

三、何が世界を一体化させるようになつたか。

(一) コロンブスやマジエランはなぜあのような大航海をしたのだろうか

(二) ザビエルが日本に来たのはどのような事情によるものか。

(三) 汽車汽船などはなぜ発明されたか。

四、一体化によつて世界はどのように変わつたか。

(一) ヨーロツパ諸国はどのようにしてヨーロッパ以外の地に発展したか

(二) 第一次世界大戦はなぜおこつたか。

五、世界の一体化をよりよくするためにわれわれはどのようにしたらよいのか

(一) 言語、人種の別をこえて世界の人々を結びつけているものにどのようなものがあるか。

(二) 人類の幸福のためにどのような国際協力が必要か。

第三単元 「現代の世界にはどのような問題があるか。又それはどのようにして起つたか。 」 目標

一、現代世界の諸問題を綜合的発展的に理解すること。

二、第二次世界大戦における世界の新情勢を理解することにより、正しい国際秩序のあり方を考えるこ と。

三、民主主義について正しく理解し、これを実行する信念を育てること。

四、現代日本の世界史的地位を理解すること。

五、戦争が世界の人々に及ぼした影響とその意義を理解することにより世界平和と国際協力への理想と 情熱を養うこと。

六、大戦後のアジアの形勢の変化を世界史的に把握する能力を育てること。

(9)

内容

一、第二次大戦を境としてわれわれの社会生活はどのように変わつたか。

(一) 制度上の改革 (二) 生活上の変革

二、第二次世界大戦はどのような意味をもつているか。

(一) 大戦の原因――民主主義と全体主義。

(二) 民主主義の勝利。

三、世界の政治はどのように動いているか。

(一) 民主主義の発展。

(二) 国際関係の緊張―コミンフオルム、北大西洋条約等。

(三) 敗戦の動向。

四、世界経済はどのような問題をもつているか。

(一) アメリカ勢力のヨーロツパ及びアジアへの伸展。

(二) ソヴイエツトロシアの工業化。

(三) 平価切下、インフレーシヨン。

(四) 労働組合運動。

五、世界平和についてどのような努力がなされているか。

(一) 国際連合、ユネスコ、世界連邦設立運動。

(二) 平和擁護運動、世界人権宣言。

六、現代世界にはどのような思想問題があるか。

(一) 民主主義と全体主義。

(二) 宗教問題。

七、科学文化はどのようにすすみつつあるか。

(一) 科学の生活化。

(二) 原子力問題。

八、後進国の近代化はどのように行われているか。

(一) アジアの民族独立運動。

(二) 西欧諸国の政策。

九、世界史上における日本の位置。

(一) 日本の近代化の特色。

(二) 今後に残された問題。

なお、学習単元として次の如きものがあげられよう。

A

単元一、どのようにして近代以前の社会は発展し、今日のわれわれの社会に影響を与えているか。

単元二、世界における主な文化はどのようにして生れ、今日のような文化遺産をのこしているか。

単元三、近代社会はどのようにして発展したか。

単元四、近代文化はどのように発達し現代社会にどのような役割をもつているか。

単元五、世界各国相互の密接な交渉によりどのような問題が生じたか。

(10)

単元六、世界平和の維持と民主化のためにどのような努力がなされているか。

B

単元一、大昔の人々はどのようにして生活を切り開いていつたか。

単元二、生活にほとんど自由のなかつた社会で人々はどのようなくらしをしたか。

単元三、人々はどのようにして生活の自由を得ようと努力したか。

単元四、人々の自由はどのようにして確立されようとしているか。

参考 世界史学習上における重要事項

(一) 原始人類 (二) 原始社会の特質 (三) 文明の発達 (四) 国家の成立 (五) 商業と文明の交

(六) 古代ギリシアの民主政治 (七) ローマ帝国の歴史的意義 (八) 古代文明の特質 (九)

世界宗教の歴史的役割

(十) ヨーロツパの封建社会の特質 (十一) 市民階級の興隆と国民国家の成

(十二) ルネサンス (十三) 宗教改革 (十四) 地理上の発見 (十五) 絶対主義 (十六) 産業

革命と資本主義

(十七) 近代科学の発展 (十八) 英国革命 (十九) アメリカの独立 (二十) フ

ランス革命

(二一) 民主主義 (二二) ヨーロツパ産業主義のアジア進出 (二三) 明治維新 (二

) ナシヨナリズム (二五) アジアの社会発展の特殊性 (二六) アジアの専制国家と文化の特色

(二七) 社会主義 (二八) 帝国主義 (二九) 日本の大陸政策 (三十) ロシア革命 (三一) 辛亥革

(三二) 第一次世界大戦と国際協力 (三三) 全体主義と世界恐慌 (三四) 第二次世界大戦 (三

五) 世界平和維持運動

(三六) アジア民族の独立運動 (三七) 日本と外国との歴史的関

係 」

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