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回図図呈な大産

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(1)

単品種製品の大量生産企業と変動原価計算の適用による価格下限 101

研究 ノ ート

単品種製品の大量生産企業と

変動原価計算の適用による価格下限

山下正喜

は じ め に

(1)

本稿は「変動原価計算に関する新しい観点」の続稿である。

変動原価計算は,第二次大戦後,意思決定問題などへの通用をめざして急 速に発展したのであるが,なお十分に展開されていない。このような事情の もとに変動原価計算を新しい観点から検討したのがモエーヴズであり,前稿(2)

においてモエーヴズの基本的な考え方と単品種製品の大量生産の場合の新し い原価計算法の表現の二・三のものについて紹介,検討した。

(3)

すなわちその目次を示せば次の通りである。

1.序

2.補償貢献額計算の4つの基本型

3.原価計算の目的と原価計算形成の影響要因

(1)原価計算の目的

(2)影響要因としての企業タイプ

(3)操業状態

(4)企業の個別の価格・売上曲線

4.単品種製品の大量生産の場合の新しい原価計算法の表現についての二

・三の考察

(1)企業経営の経済性の統制

(2)長期の価格下限

本稿では,単品種製品の大量生産の場合の新しい原価計算法の表現の残り のものについてモエーヴズの見解を紹介し,若干の検討を加えたい。

(2)

1 0 2  

経 常 と

: i

j 目 次

1 .   } 子

2 .  

利益最適の価格下限

3 .  

原価志向の中・短期の価格下限

4 .  

製品在庫が原価志向の中・短期の価格下限に及ぼす影響

5 .  

財務志向の中・短期の価格下限

J'

p 

d

1 tE ‑

( 4 )  

モエーヴズの見解の骨子は図・表

l

に示されるD

回 図 図

A

14

L

n d

↓  

1 ‑

門 ︐A 格価価価価価 格格格格格

下下下下下

限限限限限

目 制 適 向 向 向 向 向

・ 計

2

:

ω ω ω

ω ω

qL

ι a t

¥¥  

4 .

固定貨の段階的な

4 .

技術的に結合しな 補償による純粋のー→ い製品のロット生

個別賀計算 産,個別生産

(図・表 1) 

すなわち, (1)変動原価計算にも様々の種類があるが,これまではその中の

l

つしか取扱われていない(図・表

l

の囚,以下同じ) , 

( 2 )

これまでの変動 原価計算は価格政策問題を十分に取扱っていない(図,

1

, (3)) , (3)変動原 価計算が妥当するところの条件が示されていない(図,図) ,とくに変動原 価計算の形成と企業形態との関係(図)が無視され,変動原価計算を形成す る要素の

l

つである価格・売上関数(回,

3)

が一面的にのみしか考えられ

(5)  ていないのであるD

そこでモエーヴズは,まず変動原価計算の程類(囚) ,企業形態(図) ,  原価計算形式への要求(図)の各々についての基本的な考え方を展開し, し

(3)

単品種製品の大量生産企業と変動原価計算の適用による価格下限

1 0 3  

かるのちに各企業形態の場合に原価計算形成への要求がどのようになされる かについて考察している。この中には従来から主張されてきたものもあるが,

モヱーヴズが指摘するように全く新しい観点が含まれているのである。先に ふれたように,前稿ではモエーヴズの基本的な考え方について述べ,そして 単品種製品の大量生産の企業において,原価計算形成への要求の各々がどの ように展開されるかについて考察したので,本稿では単品種製品の大量生産

(6) 

の企業における原価計算形成への要求の残りのもの(価格下限)について考 察したいO

2 .   利主主最適の供給価格

一定利益を最適にする供給価格の決定は単品程製品の生産の場合は困難で はない。このために原価計算に対してなされる要求は,操業度依存にもとづ

く原価の微分だけである。

Po  P e  

PV 

Xo  Xe 

(図・表 2) 

図・表

2

において p……製品の供給(売却)価格

x

……製品の売却数量

P V

・・・・・・製品の比例賀 とするo

(4)

1 0 4  

経 常 と 経 済

また

率げ額

償 伯

i3 T

・ 車

a

d D  

とすると,

需要の弾力性

(E)

の場合,つぎの式が得られるO

‑Pv 

(P ‑Pv) 

需要が補償貢献率に関して蝉力性

1

を示すような価格をあるいは補償貢献 額を最大にするような価格を利益最適の供給価格

(Po)

と呼んでいる。

利益最適の供給価格の決定には,供給価格に関する需要の弾力性ではな く,補償貢献率に関する需要の郎力性が決定的となるo というのは前者の坊 合,総売上は高いが,高い比例賀を引去った後にはわずかの補償貢献額しか 残らないから一一売上の最大と利益の最大は同じ販売量には存在しないとい

う認識があるから一ーであるD

完全な自由市場‑における競争者

( e i na t o m i s t i s c h e r  A n b i e t e r   a u f  einem  vollkommenen Markt)

は,最適の供給価格を求める必要はない。彼等にと

っては市価は与件である。この場合補償貢献率に関する需要の時力性は無限 に大きいから,販売価格が比例賀のみによる製品単位原価を越える場合に は,販売量を増せば企業の期間利益は改良されるD 利益最適の販売量は,こ の場合には無限に大きいから,専ら自己の生産能力によって限定される。

3 .  

原 価 志 向 の 中 ・ 短 期 の 価 格 下 限

原価志向の短期の価格下限は,生産の維持の場合と固定資が取りのぞかれ ないような短期の生産の中止の場合とが同じ損失になるところの価格であ D しかしながら,売上の下落の予想期間が生産の中止の問に二・三の国定 資しか取りのぞかれない程長いと生産維持のために最低得られねばならない 価格は短期的な価格下限の上にあるG 我々はそれを中期的な価格下限と呼ん でいるD 生産中止の期間が長ければ長いほど,撤去される国定資は増える。

期間売上の減少は,価格引下げか数量下落にもとずくD 価格引下げの場合 は,貝手は同一数量をより低い価格で購入し,数量下落の場合は,買手は同

(5)

単品種製品の大呈生産企業と変動原価計算の適用による価格下限

1 0 5  

一価格でより少ない数量を購入するであろう。

販売数量に依存する長期の最低の補償貢献率を示す価格・売上関数が図・表

3

における曲線以下に沈み,この売上の減少が一時的であることが予想され ると,企業は,その場合に生ずる損失が生産の続行により生ずる損失よりも 小さい時にのみ生産を中止するO

一時的な中止による期間損失額 は,実際の中止期聞には依存せ ず,その中止が計画される期間の 状態に依存するD 一方,この期間 が長ければ長いほどそれだけ多く 回定費は取りのぞかれ,供給価格 に対する下限は高くなるo生産の 中止と再開に対する実際に帰属す る特別の費用は,取りのぞかれる 固定資から引去られる。

F

X P   X 

したがっていろいろの長さの期 聞に対して固定資をその時間的な

P X  

弘 一 一

E も

Xo=Xm 

(図・表 3) 

除去性にもとづいて適宜に分割す

(8) 

ると,期間あたりの程々の中期的な補償貢献額が決定されるD この場合,最 低の補償貢献額曲線と(同一期間に)期待される価格・売上曲線とを対比 し,企業は将来の生産中止期聞に対して補償貢献額が最大になるかどうかを 調べねばならない。ここでは自己の生産能力の限界が考慮されことはいうま

(9) 

でもないO

( 1

長期の最低の補償貢献額曲線は,すべての固定資が取りのぞかれる期間の 限界を示す(図・表

3

)。これに対し他の限界は,生産中止の期間が非常に短 い場合で,この場合は固定資は取りのぞかれないから,価格下限は比例賀のみ による単位原価によって決まるD したがって比例貨のみによる単位原価は,

短期の価格下限を形成する。この見解は販売数量が

O

点(図・表

3

)に近づ くと,:Q適の供給価格はますます比例的な製品単位原価に近づくということ

(6)

1 0 6  

経 営 ' と 経 済

によって強調されるG

これまでの原価志向的な中・短期の価格下限の考察は,完全な自由競争の 市場の供給者にも妥当するD 図・表

4

において,

F

2

. ‑ . . . . . F

5の曲線が直線

P C

切る点が,生産を維持するために達成されねばならない中期の販売数量下限 を示す。そこで算定された期間あたりの最低の販売数量が最大の操業度の上 にあると(たとえば

X

m 5

>Xk)

,それ以降の生産の一時的な中止がなされ

P c   PV 

Xm2  Xm3  Xm4 XK  Xm5  X 

(図・表

4) 

完全な自由競争の中期的な価格下限は最低の補償貢献額曲線が最大の産出 量を切る点によって生ずる(図・表

5

X  =Xk)

乙の切点は生産が続行される場合,生産の中止が計画される期聞に最低,

市場で獲得されねばならない価格を示しているo この期間に期待される市価 が価格下限を下まわると,生産は一時的に中止されるo

短期的な価格下限は,比例賀のみによる製品単位原価によって形成され oすなわち乙の場合,一定の最低の補償貢献額が短期的に得られる必要も

(7)

単品種製品の大量生産企業と変動原価計算の適用による価格下限

1 0 7  

XK  X 

(図・表!))

なく,したがって収益が比例賀のみによる製品単位原価をこえる場合,その 収益は固定的な期間費用の補償に貢献するからであるo

4 .   製品在Jl i { が原価志向の中・短期の価格下限に及ぼす 影 響

さきに考察した原価志向の中・短期の価格下限に関する考え方は,生産量 と販売呈が一致する時にのみ限定をつけないで妥当するo

この場合,在庫が期首・期末にあると,それは価格に関連する怠思決定に 影響を及ぼす。この影慢がどのようなものか,計画期間の初めに在庫がある 場合と,計画期聞において新しい在庫の投資を明確に予見できる場合に分け て考察してみようD

まず計四期間の初めに在庫がある場合について考察しようD 短期の原価志 向的な価格下限は,製品が生産されない場合,製品の単位比例貨によって形 成されるD 製品が生産されないと比例貨は節約されるが,すでに生産された 製品が売れないと,その問,その製品についての利子費用が生ずるo したが

(8)

1 0 8  

' E ? と 続 出

って生産された製品の在庫がある場合の価格下限は,比例賀に製品の売却を 止めた日から市場の相場が落着いて売却するに到るまでの予恕期間の利子引 用を加えたものであるD

原価志向の中期の価格下限は在障を考鼠しない価格下限である口したがっ て補償貢献額の生産中止の期間に取りのぞかれる固定資をこえる部分が,在

!草の売却により得られる収益の比例買を乙える部分より小さい場合には,生 産の一時的な中止が有利であるO

図・表

6

において

t

期聞に生産が中止された時に取りのぞかれねばな らない国定資を曲線

F

tt この期聞に期待される市場状況を関数

P (x)

すると,生産が維持される場合,最大の貢献補償額は X

o

(Po‑Pv)

であ

り,これは取りのぞかれるべき同定貨を補償するのに十分であり,またこの ほかに取りのぞかれない固定賀

l

Xo

(P

.̲Pc)の補償にも寄与するD

P o   P f  

P(x) 

Xo  X 

(図・表 6)

しかしながら Xbだ け 在 庫 が あ る と , 在 庫 の 売 却 に よ っ て 得 ら れ る 補償貢献額 X

b ・ (Pb‑Pv)

が生産の維持の場合に得られる補償貢献額の

(9)

単品種製品の大量生産企業と変動原価計算の適用による価格下限

1 0 9  

取りのぞかれる固定資 Xo

CPo‑P

r)をこえる額より大きい場合には,企 業は生産を中止しなければならない。

というのは生産を中止する場合は,取りのぞかれうる固定資

F

tはなくな り,在庫の精算による補償貢献額は,その全部が取りのぞかれない固定資の 補償に貢献するからである。

完全競争の場合は,在庫の在高は生産の続行か中止かの決定には考慮され ない。一定の価格 (f

e s t eP r i s e )

で在庫を売却することにより得られる補償 貢献額は,一般に生産の続行か決定かには依存しないから,今迄述べてきた ように取りのぞかれる固定資の補償のために売却されねばならない数量(中 期的な販売数量の下限)より生産能力が小さい場合や市場価格が取りのぞか れるべき期間固定資と最大の期間あたりの産出量の商(中期的な価格下限) より低い場合は,生産は中止されるO

つぎに計画期間において新しい在庫の投資が明確に予見されうる場合を考 案してみようO

企業が近い将来,これからの需要を十分に満足させうるだけの大きな生産 能力を保有している場合は,企業は短期的に在庫を計画して投資する理由は ない。これは厳密に解釈すると,とくに右下りの価格・売上関数の場合に妥 当するo というのは,完全な自由競争の場合は,一定の市価の時には個々の 提供者にとって需要は無限に大きいのに対し,供給者の生産能力には常に│註 路があるからである。したがって完全な自由競争における供給者は,市価が 短期的に比例費のみによる製品単位原価を下まわる時は,製品の売却を中止

しなければならない。

(11) 

しかしながら,市価が再び比例賀のみによる製品単位原価以上に上がる時 には,企業は自己の生産を中止すべきではなく,生産能力を十分に稼動させ て製品を生産し,企業が後に継続的な生産量をもとにして売却できるような できるだけ高い在庫を計図的に投資しなければならない。したがって供給者 は,生産中止の場合よりも山

i

い水準で回定資の補償を達成することになるo

これは,供給者が

I I J

坊に影初を与えずなお完全競争が維持されることを前提 とすることはいうまでもないD

(10)

1 1 0  

経 営 と 経 済 以上の考察からわかるように製品の在庫の計四的な投資は,原価志向の中 期の価格下限に影響を及ぼす。さていま企業が市場調査によって計画期間

t

において図・表?に示すような価格・売上関数が予見されると決定したと仮 定しよう。

P

j/ 

Pv 

Xo 

(図・表 7)

乙の場合,生産が

t

期聞に中止された時に,達成されうる最大の補償貢献 額 D=x

o

CPo‑Pv)

は取りのぞがれうる固定資を補償するのに十分であ O しかしこの補償貢献額は製品の在庫がない時にのみ,補償貢献額の下限 を示す。これに対し,企業が製品在庫の増加・除去を自由に決定できる時に は,一定の事情のもとでは期間損失は減少する。

たとえば企業が計画期間の前半で,必要販売量の

2 倍 C 2  xo)

を 生 産 す るけれども,そのうちの

x

。だけを

P

。の価格で売却すれば, 取りのぞかれ る固定資

F ¥

Xo. CPo‑Pv)

となる

o

計画期間の後半

t

'では,生産された製品のうち残りの部分の

x

。だけが 在庫になり,同じ後半の期聞に

P

。の価格で売却されるO この期間

t

'では生 産は中止されるので,二・三の固定資は取りのぞかれるo生産の中止によっ

(11)

単品種製品の大量生産企業と変動原価計算の適用による価格下限

1 1 1  

て取りのぞかれる固定賀 F

t

' は X

o

(P 

' ‑

)になるO したがって節約額 は,全期間の生産の中止の場合より X

o

(P ‑Pf つ だ け 少 な く な るO

しかしながら他方,生産の中止期間中に在庫の売却によって

X

o

( P

‑PV) 

の補償貢献額が得られるO それは, 在庫期間

t

'に追加的な利子費用が発生

しない時には, X

o

(P r ' ‑Pv)

だけ失われる節約額を上まわる,すなわち期 間成果は Ft'だけ良好となる。そこで上にあげたような行動が有利かどう かを決定するには,取りのぞかれる固定費Ft'と在庫期間中に帰属する在庫 の利子費用とを比較することで十分であるo

以上の考察の前提は,十分な生産能力の存在である。生産能力は在庫の範 囲したがってまた生産中止の期間,取りのぞかれる固定費の高さを規定す o生産能力が必要な最適の販売数量x。より小さいと,在庫を計画的にも つことは志味がない。というのは固定資はその全額を負担しなければならな いのに,補償貢献額は十分な額を達成されないからであるO

完全な自由競争の場合は,上の決定は違ってくるo市価が比例賀のみによ る製品単位原価以下に下ると市価が近い将来に比例賀と取りのぞかれるべき 固定費と在唐期間に帰属する利子費用の補償を可能にするような高さを再び 回復することが期待される時には,その供給者は,製品の売却を止めるが,

生産は維持するであろう。

5 .   財務志向の中・短期の価格下限

今までは利益最適の原価志向的な観点から価格下限を考察してきたが,ま た価格下限は財務的な均衡の維持の観点からも考察されるO たとえばハイネ

ンはこれについて次のように述べているD

「原価が部分的にのみ補償されるような不足操業の場合,企業の存在は流 劫性欠之によって危険にさらされるのではない口この怠味するところは,生 産・販売期間内に貨幣支出となるような原価が売上によって補償されねばな らないということである。このことによってのみ流動性すなわち企業の支払

( 1

2 )  

能力は維持されるo

J

したがって

I

企業が一般にその補償をあきらめ得な ( 13)  い部分原価は,変~fiJJ Y~ とその期間内に支出となる回定資部分である o

(12)

1 1 2  

経 也 ' と 経 済 ベッカーも同じように,このことについてつぎのように述べている。

r

動賀のみを補償するような低い売上価格は,それによって流動性がそこなわ れる時にのみ,受け入れられるものであるO 財務点な観点からは短期の原価 志向の価格下限は,直ちに支出される原価が,乙の低い売上価格によって 補償される時,また補償されない固定資が過去や未来の支出からのもので ある時,あるいは補償されない固定資が一般に文出に結ひ、つかない時にのみ

(14)  妥当するo

コッホは「長期的な展望の企業政策において給付が価格下落によって売上 による損失を一時的に被れば,乙の政策は,全部原価補償を一時的にあきら めて,支払準備を維持するところに限界を設定すればよい。この問題では,

U   l 5

原価と期間単位の生産数量の関数関係は;立味がない」乙とを述べ,価格下限 を財務経済的な問題として原価的な観点から完全に排除しているo

さて,その下まわりによって企業がその継続的な支払義務をもはや履行で きないような経営給付の販売価格を,財務志向の価格下限と呼んでいる。長 期にはすべての原価は,二,三の計算的な付加原価をのぞき支出され,その 結果,長期的な考察では原価志向の価格下限と財務志向の価格下限はほとん

ど一致するから,それは非長期的な価格下限として特徴づけられるO

U S l  

財務志向の価格下限は,比例賀に短期的な支出作用の固定資を加えること によってきまるO 乙の価格下限の決定は,多数の前提のもとにおいて可能で あるO つぎにこの前提を考察してみようD

まず第

1

に,計画期間において販売される製品は同時にその期間の収入と なることを考えねばならない。したがってこのモデルでは期末の掛売上

( Z i e l v e r k a u f e )

と前払は考慮されないし,販売価格,販売数量,顧客の支 払習慣は一定であることを前提とするD この時は企業の顧客に対する債権の 残高は変わらず,期間中において顧客の支払は,その総金額が売上収益と完 全に一致する。

2

の前提は在庫維持に関係するD 製造される数量はまた同じ期間に全部 売却されるということを前提とするD しかしながらこの前提にしたがうと,

市場生産の場合は,例外なく必要不可欠な製品の在庫維持が無視されるのみ

(13)

単品程製品の大量生産企業と変動原価計算の適用による価格下限

113 

でなく,半製品の在庫形成を妨げるところの生産の変動が無限に大きくなる 乙とが考えられる

o

第 3 の前提は,すべての比例賀は維持期間において支出に結ひ、つくという 乙とであり,これはさらに 3 つのものに分かれる

D

lつは,すべての投下財がその消費の期間に調達されることすなわち投下 財の在唐維持が生じないことである

o

2 つには投下財と調達財の一致への要求は,原価の数量面 l こ関係するもの であって,価値評価に関係しないということである

O

そこで時価とか平均原 価,固定価格などによる評価は排除される。したがって,これは標準原価計 算を採用している企業には欠点となる

D

最後は調達される投下財の支払が直ちになされることである。

第 4 は,計算的に多くの期聞に分割されるような支出は生じないというこ とである

O

生産数量に関して回定的とみなされる期間減価償却は,短期的に 支出に作用するとはされない。乙れはその設備が取替えられない長さの期間 にのみ妥当する。同様に前期間において発生した債権が,計四期間に返済の 要求がないことも考えねばならない。

第 5 には,原価と一般に結びつかない支払を企業がしない乙と,また支払 が計画期聞において他の財務的な影響要因を相殺しないことを考えねばなら

( 1 百 ない。

第 6 の前提として,財務的な剰余金もなければ,何らかの財務調達の可能 性もないことを考えねばならない。

以上,財務志向の価格下限を決定する場合の 6 つの前提を考察してきたの であるが,この前提がなければ,財務志向の価格下限の芯味ある決定はでき ない。このことはつぎの計江例から明らかであろう。

3 下 例

1. 

原材料のJli I I

( 2 , 800X16DM) 2 .  

上記時入先への支払

3 .   原材料?百貨 ( 2 , 500X18DM) 4 .   比例的な賃金 ( 2 , 500X9DM)

D M  

4 4 , 8 0 0  

4 7

000 

4 5

0 0 0  

2 2 , 5 0 0  

(14)

1 1 4   経 営 と 経 済

5 .   賃金支払 2 0 , 0 0 o   6 .   比例的な減価償却 ( 2 , 500X1DM) 2 , 5 0 0   7 .   短期的に支出されるその他の比例賀 ( 2 , 500X2DM) 5 , 0 0 0   8 .   生産数量に対する比例賀 ( 2 , 500X30DM) 7 5 , 0 0 0   9 .   売上数量に対する比例賀 ( 2 , 000X30DM) 6 0 , 0 0 0   1 0 .   売上高 ( 2 , 000X50DM) 1 0 0 , 0 0 0   1 1 .   買手の支払 1 1 4 , 0 0 0   1 2 .   給料(短期に支出される〉 2 8 , 0 0 0   1 3 .   固定的な減価償却 1 6 , 0 0 0   1 4 .   短期に支出されるその他の固定資 1 2 , 0 0 0   1 5 .   短期に支出されないその他の固定資 2 4 , 0 0 0   1 6 .   大修繕のための支出 2 0 , 0 0 0   1 7 .   中性賀用(短期に支出される) 1 3 , 0 0 0   1 8 .   中性収益(短期に収入となる〉 7 , 0 0 0   1 9 .   借入金返済 5 , 0 0 0   2 0 .   支払手段の期首有高 7 , 0 0 0  

一 一 一 一 一 一 一 一 一 一

(図・表 8)

先にあけ。た前提がすべて揃うと,財務志向の価格下限は,比例買に短期的 に支出される固定資を加えることにより決定される。計算例では,比例貨が 6 0 , 000D M (図・表 8 の 9 ,以下同じ) , 短 期 に 支 出 さ れ る 固 定 資 は 給 料 2 8 , 000DM  ( 1 2 ),その他の固定資 1 2 , 000DM 凶であるから,合計 1 0 0 , 000DM が短期的に必要な資金である

D

販売数量が 2 , 0 0 0 個であるから,価格下限は 50DM  になる

O

したがって企業は 50DM で 2 , 0 0 0 個販売すれば,他の条件が 等しとすると,支払準備を確保できることになる

O

そ こ で , 先 に あ げ た 前 提 を は ず せ ば 企 業 の 支 払 準 備 が 影 響 を 受 け る こ と を,計算例にしたがって考察してみよう。

1 )   まず,買手の支払額 1 1 4 , 0 0 0D  M( l1)がその売子の売上額 1 0 0 , 0 0 0D  M ( l

O) 

を 1 4 , 000DM だけ上まわる乙とにより, 財務的に改善される

D

乙 の 乙 と か

ら企業の財務需要は 8 6 , 0 0 0D  M  ( 8 6 , 0 0 0 ‑ : ‑2 , 0 0 0 個 =43DM 単 価 ) に 縮 小 す る

D

2 ) 以下は概略だけを示す

Q

2 )   生 産 さ れ る 製 品 の 在 庫 が 5 0 0 佃 増 加

(15)

単品種製品の大量生産企業と変動原価計算の適用による価格下限

1 1 5   (生産数量 2

5 0 0 個‑売上数量 2

0 0 0 個)

5 0 0 >

30DM=15

000DM (+)  (+)  8 6

0 0 0  

資金必要額 ……… 

1 0 1

0 0 0

ー →

1 0 1

O O O ‑ = ‑2

000= 5 0 .  50D M

単価 供 給 価 格 … … ( ー )

1 0 0

0 0 0  

資金不足額 …・・・(+)

1 , 0 0 0   3 )  

原材料在高が

3 0 0

単位増加

3 0 0 >

18DM=5

400DM (+)  減 価 償 却 ( 6 )

2 , 5 0 0

( + )   1 0 1

0 0 0  

資金必要額 …… 

1 0 3

9 0 0

ー→

1 0 3

9 0 0 ‑ = ‑ 2

0 0 0 = 5 1 .95D M 

供 給 価 格 … … ( ー )

1 0 0 , 0 0 0  

資金不足額 ……(+) 

3

9 0 0  

4 )  

原価計算において材料消費は固定価格

18DM

で評価

( 3 )

調達価格は

16DM ( 1 )   ( 1 8‑16)  X2

, 

800=5

, 

6 0 0   (‑) 

(+)  1 0 3

9 0 0  

資金必要額 …… 

9 8

3 0 0 → 9 8

3 0 0 ‑ ' ; ‑ ‑2

, 

0 0 0  =49.15 

供 給 価 格 … … ( ー )

1 0 0

0 0 0  

資金余剰額 ……(ー

1

7 0 0

5 )  

調達材料金額

( 1 )   4 4

800DM 

同仕入先に対する支払金額

( 2 ) 4 7

0 0 0  

ノ s : ( 4 )   2 2

5 0 0  

賃金の支払

( 5 i   2 0

0 0 0  

( 2 ) ' " ' ‑ ' ( 1 )   (+)  2

200DM  ( 4 ) ' " ' ‑ ' ( 5 )  

(ー)

2

5 0 0  

(+)  9 8

3 0 0  

資金必要額 .........H .

9 8

0 0 0 → 9 8  0 0 0 ‑ . ; ‑ ‑2

0 0 0  =  4 9  

供 給 価 格 … ( ー )

1 0 0

0 0 0  

資金余剰額 …(ー)

2

0 0 0  

(16)

1 1 6   経 営 と 経 済 6 )   修給資支払

(10) 

(+)  20 , 000DM 

(+)  98 , 000 

資 金 必 要 額 …… ・ 118 , 000

118 , 00072 , 000=59  供 給 価 格 … ( ー ) 100 , 000 

資 金 不 足 額 …(+)  18 , 000  7 )   中性賀用 ( 1 百 (+)  1 3 , 000DM 

借入金返済 1 ( 9 )   (十) 5 , 000  中性収益 ( 1 8 )   (ー) 7 , 000 

(+)  118

000 

資 金 必 要 額 129 , 000

129 , 00072 ,  0 0 L J = 6 4 .  50  供 給 価 格 … ( ー ) 100 , 000 

資 金 不 足 額 …(+)  29 , 000  8 ) 支払手段の期首有高 側 (ー) 7 , 000 

(+)  129 , 000  資 金 必 要 額

供 給 価 格

122 , 000

122 , 00072 , 000 =  6 1 .  0 。

資 金 不 足 額

(ー)

100

000 

(+)  22 , 000 

以上の計算例から,そこにはもはや財務志向の価格下限61DM と原価計算 による価格下限50DM との問には関係はない乙とがわかる

D

そこでこの場合 の価格下限は,つぎに示されるように,財務計画から直接展開される

D

財 務 計 画

収 入 支

期首有高

7 , 0 0 0   仕入先 4 7 , 0 0 0  

得意先からの受入 1 1 4 , 0 0 0   賃 金 2 0 , 0 0 0  

中性収益 7 , 0 0 0   その他の比例賀 5 , 0 0 0  

1 2 8 , 0 0 0  

給 料

2 8 , 0 0 0  

不足額

2 2 , 0 0 0   その他の固定資 1 2 , 0 0 0  

1 5 0 , 0 0 0   イ彦結賀 2 0 , 0 0 0  

中性賀用 1 3 , 0 0 0  

借入金返済 5 , 0 0 0  

1 5 0 , 0 0 0  

(図・表 9) 

(17)

] t 1

1日和製品の大:吊:生産企業と変動原価計算の適用による価格下限

1 1 7  

すなわち,資金の不足額は

2 2

000DM

であり,それを販売数量

2

0 0 0

個で 割った

llDM

をさきの

50DM

に加えて,財務志向の価格下限

61DM

が算出さ れるo

しかしながらこのような財務計画による算出法では,財務志向の価格下限 の決定によって追求される目的は達成されない。そこで企業の支払準備がそ れによって確実にされるような製品の価格を原価計算の助けをかりてその財 務作用性にもとづいて原価を適当に分割することにより決定することが,こ の形式の価格下限の任務とみなされるo

しかしながら,財務計画は一義的に時間と関連し,財務不足額の販売数量 への分割は企業の志思決定の基礎を自ら提供しない静的な大きさを示すか ら,財務不足額の販売数量への分割は,かなり高いあいまいな平均伯計算と なるo

他方,さきに原価計算によって算定された価格下限

(50DM)

によって企 業が危険にさらされるかどうかということは,財務は多くの要求が影響しあ

った結果でありマイナスの財務要因はプラスの反作用により相殺されるか

ら,単品種製品生産の企業では判断されにくい。

しかしながら,このようなプラスとマイナスの財務要因がその企業の期間 の財務にどのように作用を及ぼすかは,やはり財務計画のみが示すと乙ろで あり,原価計算は明らかにしえない。

最後に財務志向の価格下限を下まわることは,どういう志味になるかをつ ぎの簡単な例により考えてみようO

収益最適の販売数日:

売上

比例町

比例賀のうち短期に支出されるもの

同定百

固定

1

1

1

のうち短

j W

に支出されるもの

2 , 0 0 0 仙

9 0

000DM (45DM/st)  6 0

000 

11 

( 3 0  

11 

4 8

000 

11 

( 2 4  

11 

70

000 

11 

4 4

000 

11 

乙の場合,つぎの

3

つの仮定をおくロすなわち,収益は全部,収入をとも ない,他の吏・因が流動性に 1~~'巧を及ぼさず,財務的な余京IJ 金,財務調述の可

(18)

1 1 8   ?王位と主主凶

能性はないとするo このような条件のもとでは,企業の支払可能性は,原価 計算から判断されるO 収入が

9 0

0 0 0D M

,支出は

9 2

000D M

であるから,

2

000DM

支払手段が不足するD

収益最適の提供価格は

45DM

と仮定されるが,これでは財務均衡が得られ ないので,

42DM

の価格で

2

4 0 0

個販売する方法がとられ, 最適の提供価格 は42DMとなるO

売上額

(42X2

400=100

, 

800D M)

から短期に支出される比例賀

(24X 2

400=57

, 

600D M)

を引くと

4 3

200DM

となるD この場合800DMの支払手 段の不足になり

( 4 4

000‑43

0 0 0 )

, 

, 1 200D M だけ ( 2

000‑800)

財務的 に改善されるD

この場合,最適の提供価格

4 2D M

は 財 務 志 向 の 価 格 下 限

4 2 . 3 3D M

(1

0 0

8 0 0 " ' ; ' ‑ 2

4 0 0 )やや下まわる

O

さて企業は,財務志向の価格下限を下まわることから,どういう結論を引 出すであろうか。

まず短期的に生産を中止すると,比例費は節約されるが,固定買は節約さ れないD したがって販売価格が財務志向の価格下限を下まわると,生産の一 時的な中止はその維持よりも有利ではないが,支払能力の回復は生産の一時 的な中止の方が生産維持の場合よりも早い。したがって,財務最適の供給価 格が財務志向の価格下限を下まわり財務不足がプラスの財務影響要因によっ て調整され得ない時は,直ちに生産を中止し財務の改善をはからねばならな い。生産の一時的な中止は,中止の期間にすべての支出される固定資が取り のぞかれない場合やプラスの要因もマイナスの要因も財務に影響を及ぼさな い場合(他の事情を等しいとする)などの二・三の場合,問題となるO 取り のぞかれない固定資の一部が短期的に支出される他のすべての場合には,支 払能力が必要となり,打開策として企業の清算が考えられる口

財務志向の価格下限により,それが企業の支払準備を保証することを要求 せず,またそれがその獲得により生産の中止が生産の維持と同じ作用を財務 に及ぼすような価格として定義される時には,全く別の結果になるO ここで はまた計画された生産中止の期聞にしたがって,財務志向の短期的な価格下

(19)

単品開製品の大 iíVI~Î主企業と変動原価計算の適用による価格下限

1 1 9  

限と中期的なそれとが区別される。

生産中止の場合,短期的には比例費のみが減少する

O

すなわち,このよう に定義された財務志向の短期的な価格下限は短期的に支出される比例費であ る。財務志向の短期的な価格下限はこの意味において,決して短期的な原価 志向の価格下限をとまわることはない。すべての比例費が短期的に支出され

る限界の場合は 2つの価格下限は一致する

D

(19) 

財務志向の短期的な価格下限は,先に定義されたように,一定の販売価格 の場合に,生産の維持がその一時的な中止の場合より有利になるかどうかに ついてだけ知らせるものである。財務志向の価格下限の期聞は,この関係、に

白0)

おいて原価志向の価格下限の場合と全く同様に定義される。また財務志向の 価格下限の決定は,原価志向の価格下限と同じ条件で同じ方法で行なわれる ので,ここでは省略する。

財務志向の価格下限の表現価値については,財務的な規準により生産の維 持と一時的な中止のいつ、れかの意思決定を合理的に基礎づけることにその目 的があるような価格下限の場合にのみ問題となる

o

しかしながら,その目的 設 定 が 支 払 準 備 の 確 保 に あ る 限 り , 表 現 価 値 は 問 題 と な ら な い 。 と い う の は,この場合の価格下限は実際から遊離するような前提に結びつくからであ る

o

文献において,通常,この形式の価格下限の任務とみなされる流動性の 確 保 は , 財 務 剰 余 金 と 資 金 の 流 出 ・ 流 入 の プ ラ ス の 差 額 に よ っ て 保 証 さ れ

1)

o

( 1 )  

松山商大論集.~~22巻第 3 号.

1 2 5 ‑ 1 4 6 頁.

( 2 )   Di e t e r   Moews ,  Zur A u s s a g e f a h i g k e i t   n e u e r e r   Kostenrechnungs

v e r f a h r e n

, 

1 9 6 9  Dunsker  &  Humblot. 

( 3 )  

拙前掲稿.

1 2 5

頁.

( 4 )

拙前掲稿.

1 3 8 頁.

( 5 )  

拙前掲稿.

1 2 6 頁.

( 6 )   1 m

前掲稿.

1 3 2 " ‑ ' 1 3 3 頁.

モェーヴズは,生産の維持の場合と休止の場合が同じ期間成果になるような経

営給付の価格を価格下限 C P r e i s u n t e r g r e n z e ) と呼んでいる。市場価格が価格

(20)

1 2 0  

経 営 と 約 済

下限と呼ばれる原価価格以下に下がると,売手の休止の場合の期間成果は生産の 維持より大きくなるので,それから以降の生産の中止がなされる。

(7) 

売上と一定の原価との差額をリーベノレは補償貢献額 (Deckungsbeitrag)と 呼んだ。 ( R i e b e l , Paul ,  Das Rcchnen mit Einzelkosten  und Deckungs

b e i t r a g e n .   I n ;   Z e i t s c h r i f t   f u r   handelswisssenschaftliche  Forsch‑

ung ,  N. F . ,  l l J g .   1 9 5 9 ,  S .   2 2 5 )  

(8) 

S e i c h t ,  Gerhard ,  Die stufenweise Grenzkostenrechnung. Ein B e i t ‑ rag  zur  Weitercntwicklung  der  Dcckungsbcitragsrechnung.  I n ;   Z e i t s c h r i f t  f u r  B e t r i e b s w i r t s c h a f t ,  3 3 .   J g .   1963 ,  S .   7 0 6 " ' 7 0 9 .   ( 9 )   乙れについては拙前掲稿, 1 4 1 " " " " 1 4 5 頁.

日目長期の価格下限についてモェーヴズはつぎのようにのべている(拙前掲稿,

1 3 2 " ' 1 3 3 頁参照〉。

その獲得によってすべての原価が長期的に丁度補償されるような価格が,原価 志向の長期的な価格下限である。市場価格が長期的な価格下限を下まわっても,

価格下落が一時的なものであることに高い確率があれば,企業は直ちに生産を中 止しないであろう。たとえ一時的に生産を中止しても,市価の回復とともに生産 を再開すれば,固定資の大部分は減少しないであろうから生産の一時的な中止が 意味が薄いことは明らかである。

(11) 

この製品単位原価には在庫期間の利子賞用も合む。

¥

1

2) 

Heinen

, 

Edmund

, 

B e t r i e b s w i r t s c h a f t l i c h e   Kostenlehre.  Bd 1 ;   Grundlagen ,  1 9 5 9 ,  S .   3 3 2 .  

(

13) 

Derselbe ,  a.a.O. ,  S .   3 3 2 .   (

凶 Becker ,Hans  D i e t r i c h ,  D i e  Anforderungen  der  P r e i s p o l i t i k   an  d i e  Gestaltung  der Kostenrechnung. D i s s .   Frankfurt /  Main  1 9 6 2 .   S .   9 6 .  

(15) 

Koch ,  Helmut ,  D i e Ermittlung  der  Durchschnittskosten  a l s   Grundprinzip der Kostenrechnung. I n ;  Z e i t s c h r i f t  f u r  handelswissen

s h a f t l i c h e  Forschung ,  N. F . ,  5  J  g .   1953 ,  S .   3 1 5 .  

(16) 

ある期間に支出される賀用で, リーベノレによって短期の支出と結びつく原価,

ハックスによって補償の必要な原価,アクテによって支出作用原価と呼ばれてい

るものである。

(21)

単品種製品の大量生産企業と変動原価計算の適用による価格下限 1 2 1   ( a )   R i e b e l ,  Paul ,  a .   a .   0 ,  S . 2 1 8 .  

(b) 

Hax ,  Herbert ,  Preisuntergrenzen im Ein

undMehrproduktbet‑

r i e  b .   Ein  An  wendungsf  a l l   der  l i n e a r e n   Planungsrechrung.  I n ;   Z e i t s c h r i f t  f u r   handelswissenschaftliche Forschung ,  N. F .  ,  1 3  J g .   1 9 6 1 ,  S .   4 2 7 .  

( c )   Agthe

, 

Klaus

, 

Stufenweise  Fixkostendekung  im  System  des  D i r e c t   C o s t i n g .   I n ;   Z e i t s c h r i f t   f u r   B e t r i e b s w i r t s c h a f t ,  2 9   J  g .   1 9 5 9

, 

S .  

410~412.

(

1

司ハックスは流劫性志向の価格下限を決めるにあたっては、この前提を考えな い,すなわち他の財務要因を導入する。 ( a .a .   0 . ,  S .  

428~429)

(

1

8 )   R a f f '   e e

, 

Hans

, 

K u r z f r i s t i g e   Preisuntergrenzen a l s   b e t r i e b s w i r t ‑ s c h a f t 1 i c h e s  Problem. 

P r i n z i p i e l l e   Bestimmungsmδglichkeiten  von  Kostenertrags und  f i n a n z w i r t s c h a f t l i c h e n  Preisuntergrenzen

, 

1 9 6 1

, 

S .   1 7 4 .  

(19) 

財務志向の短期的な伺格下限の定義は他にもみられるが,ととにおける定義が 一般的なものである。その他の定義はたとえば R a f f ' e e ,  Hans ,  a .   a .   0 . , 

S .  

180~188. にみられる

Raff'ee , Hans ,  a . a .   0 . ,  S .   1 8 2 .  

1)

Seicht ,  Gerhard ,  a .   a .   0. ,  S 6 9 9 .  

Wi 1 1 e  F r i e d r i c h ,  Direktkostenrechnung mit stufenweiser F i x k o s t ‑ endeckung.  Ein  k r i t i s c h e   Stellungsnahme.  I n   Z e i t s c h r i f t   f u r   B e t r i e b s w i r t s ‑ c h a f t ,  2 9  

Jg. 

1 9 5 9 ,  S .  

740~741.

お わ り に

以上,単品種製品の大量生産企業において変動原価計算を利用した価格下 限はどのように考えられるかについてモェーヴズの見解を考察してきた。

確 に 従 来 も 変 動 原 価 計 算 の 目 的 の 一 つ に そ の 価 格 政 策 一 価 格 下 限 へ の 適

用 が い わ れ て き た の で あ る が , 従 来 は そ の 中 の 一 つ し か 問 題 に さ れ な か っ

た。すなわち価格下限は比例賀であった。これに対しモェーヴズは価格下限

がいろいろの場合において兵なることを示した。

(22)

1 2 2  

経???と経済 すなわちまず価格下限は企業形態により異なる乙と, つぎに原価志向の 場合と財務志向の場合,さらに原価志向も長・中・短期の場合,利益最適の 場合,製品在庫がある場合,財務志向の場合も中・短期の場合

l

こは価格下限 は異なるととを示した。また完全競争の場合と寡占の場合にも価格下限は異 なることを示しているoこれらは従来ほとんどふれられなかったことであ

り,モェーヴズの見解の一つの特徴を示しているといってよい。

とくに財務志向の価格下限およびその原価志向の価格下限に対する関係に ついてふれていることは注目に値いするo

企業において,その流動性は最も重要視されるものの一つであることは事 実であるD しかしながら財務志向の短期的な価格下限が一定の販売価格の場 合に生産の維持がその一時的な中止の場合より有利になるかどうかについて だけ知らせるものであるとしても,流動性はいろいろのしかも多数の不測の 要因が影響しあった結果であるから,この流動性にもとづく価格下限は非常 にあいまいとなり,それを適用した価格下限がどれほど実際に志味をもつか について疑問となる場合が考えられる。とくに流動性は上のような理由か ら,ある程度確実に予測される場合が少なし1から,価格下限という限界の場 合を考えることはなお困難となるであろう。他方,流動性がある程度確実に 予測できる場合は,モェーヴズの財務志向の価格下限の考え方は意味をもっ てくるO

以上,これまで変動原価計算の利用による価格下限が単純に一つの場合し か考えられていなかったのに対し,モェーヴズの見解は実際に即していろい ろの場合について展開され,実務面への適用をより高めたととにその特徴が あるといってよいであろうD

次稿においては,技術的に結合しない多品種製品の大量生産の場合の変動 原価計算の表現についてモェーヴズの見解を考察する乙とにするO

(  S.  4 7 .  

1. 

20  ) 

参照

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