はじめに 方法
1 .
調査項目について2 .
調査対象について3 .
調査手続きについて総 合 都 市 研 究 第27号 1986
都 市 イ メ ー ジ の 分 析
一壱岐・鳥取の基礎データー
結果と考察 加 藤 義 明 *
(A) 2
地域の被験者の諸特性 (B)都市イメージの比較(C)
住民イメージの比較(D)
都市観・地元観l
とついて まとめ要 約
本論文は長期
7
年計画による都市イメージ研究の一連のまとめである。乙の長期研究計 画は,前回の長期研究計画の「大都市居住」からの発展として企画されたものである。す でに研究I‑m
が発表されているが,その結果によると大都市に対して地方都市住民は,「親しみにくい,忙しい,派手な,つめたい,文化程度が高い,空気が汚い,犯罪が多い
……Jなど地方の町とは正反対のイメージを持っている。内容的 lとは,肯定的なものは少 なく,否定的なイメージが多い。イメージに地方差,年令差もあり,大都市より遠くなる 程,大都市のイメージはよくなり,年令的 lとは,高校生が好イメージのピークを示してい る。また地方の小都市居住者のイメージはよく,中や大規模都市の居住者ほど大都市のイ メージは悪い。
乙れらの結果は,北海道から九州までの大,中,小都市,ならび
1
乙離島の住民の調査か ら明らかにされたのであるが,今回は,今までの結果を裏づける乙と(以前と同じような 条件の地域を調査すること),調査項目をよりよいものにする乙と(以前のものを改訂する乙と)を目的として企画された。
調査は,大分類で
2 2
項目(小学生)‑29
項目(成人)を使って行なわれた。中学生の調 査用紙が本論文の最後に付録として収録されている。調査対象は,鳥取の小,中学生とその両親,壱岐島(郷の浦)の小,中,高校生とその 両親である。
得られた結果は,前固までの結果とほぼ一致している。すなわち,大都市を地元と対比
*東京都立大学都市研究センター・人文学部
4
総合都市研究第27
号してみていること,その内容は,有意性のあるものが3
2
項目中25
項目におよんでいた(人 がつめたい,空気が汚い,家がせまい,よい働き口がある,犯罪が多いなど)。大都市の人に対しても前回の調査結果と同じイメージであった。すなわち,きらい,付 合いにくい,つまらない,センスがよい,つめたい,無関心な,信用できないというもの であった。
7
項目中6
項目は否定的なものであった。このように都会は,地方人にとって否定的な所であるが,憧れの対象にもなっていて,
特に憧れ感の強い高校生では71%もの生徒が憧れを感じている。
以上をまとめると,大都市とは地方人にとって否定的な場所であるが,魅力も感じさせ る所であるといえよう。
今後大都市居住者の大都市観を中心に研究を進める予定である。
はじめに
われわれは,
1 9 8 0
年以来大都市居住者と地方中 小都市居住者に関して,年齢別,性別 l乙大都市,ならびに居住地について,どのようなイメージを 持っているかを分析してきた(加藤・詫摩1
9 8 0 )
。調査した地区は,北から函館,白河,水戸,東 京,千葉,鳥取,壱岐,名瀬,喜界町,石垣市と なっている。本研究ならびに上の地区の研究は,
都市イメージに関する
7
年計画の研究である。す でに分析を終ったり,分析中のものをふまえて,今回は壱岐,鳥取のデータの分析を行なう。本研 究では乙の地区に関する基礎的データの分析を研 究
1
(加藤19 8 4 )
にあわせた形で行ない,林の論 文でやや細部にわたる分析を行なう。なお,この 地区ζ関する研究と分析の一部は研究 l
m(加藤ほか,
1 9 8 5 )
に発表しであるので参照されたい。一連の都市イメージの分析に関する研究を行な うようになった理由は,第ーに環境 lと関する興味 が高まり,大都市や自分の居住する環境に関する 心理学的研究がさかんに発表されるようになった こと,第二に東京という大都市の都市研究センタ ーの研究テーマとしてこれが適切であると思われ たからである。第一点に関しては,
H a l l ( 1 9 6 6 )
やL ynch
(19 6 0 )
,更にMilgram(
19 7 0 )
,Hart
(1
9 7 9 )
らの大都市や場所認識に関する有名な研 究が発表されており,わが国でも,ねれわれが大 都市,ならびに小都市の居住の問題の分析を行な ったり(加藤・詫摩1 9 8 0
,加藤19 8
1,加藤・島田1 9 8 0
,加藤他1980‑1982),岡村・駒崎0978
,1 9 7 9 )
,菅野・田中ら(19 8 1a
,b)
も都市に関す るイメージや居住場所の差によるイメージの違い を分析している。われわれは,以前の研究で大都 市から離れれば離れる程イメージがよくなり,人 口が少ない程,また年齢の低い程大都市のイメー ジはよくなるものと仮定して調査を行なったが,ほぼ仮説は検証された。
第二点に関しては,本テーマの前の
7
年計画の テーマが,集合住宅居住者の居住意識というもの で,乙の時も地方差や人口差の検討を行なった。都市研究を行なうに当って,地方人の大都市l
ζ対
する態度を分析することは一つの有効な手段と考 えるからである。現在までに明らかにされている大都市イメージ として共通に認められるのは,地方居住者は大都 市について文化程度が高い,こわい,人が冷たい,
生活しにくい,きたない,交通が便利,立派な人 が多いなどとしている。また上lとも述べたように 年齢差として若年時(特に高校生)には大都市へ のあ乙がれからであろうか,大都市居住の希望が 強く,成人するにつれて乙の比率は低下する。更 に居住地域の人口規模が大である程(大都市に近 い形態になる程)大都市イメージは悪くなり,大 都市から離れる程イメージはよくなっている。
大都市や地方l乙住んでいる人に対するイメージ では,都市住民は,都市の住民に対してセンスは 悪いがあたたかいと思っており,地方住民は,セ ンスはよいがつめたいと思っている。いなかの人 についても両者は逆のイメージを持ち,都市住民 は,きらい,つきあいにくい,センスが良い,つ
めたいとしているのに対して地方住民は,すき,
つきあいやすい,センスが悪い,あたたかいとし ている。
都市イメージの分析II(加藤・山本1
9 8 4 )
では,22
のアンケート項目の数量化E類による構造分析
を行なった。その結果 4つの軸を抽出する乙とが できた。乙の
4
つの軸を適当に組み合せて解釈すると,高校生は大都市に対して「生活しやすい
J
という イメージを抱いているのに対して,成人男性は反 対に「生活しにく Lリというイメージを抱いてい る。大都市lと対する好悪イメージには年齢的な差 より居住地域の特性の方が関係が強く,名瀬や喜 界など遠隔小都市では,マイナスのイメージがな く,水戸や画館など,近距離ないしは中都市にな るとマイナス・イメージが強くなる。都市の便利 さイメージに関しては高校生は便利とし,小学生 は不便なと乙ろとしている。また都市は成人男性 は他の年齢群に対してより便利なと乙ろととらえ ている。なお,乙の結果の詳細は,後出の山本の「大都市イメージの構造
J
で改めて検討されている。以上のような結果をふまえて,今回の研究では,
地方の小都市を対象として乙れと同じような結果 が得られるか,成人男性だけでなく成人女性につ いてもデータを取る乙となどを目的として調査を 行なった。具体的地域としては,九州の離島であ る壱岐,裏目本の中都市鳥取をとりあげた。本項 では,先
l
とも述べたように,研究I I
L:対応させて これら地域で得られたデータの基礎的分析を行な う乙とを目的とした。方法
1 .
調 査 項 目 に つ い て地方在住の小,中,高校生とその父,母を被験 者としてアンケート調査を行なったのであるが,
その内容は,付録に収録しである(全年齢共通項 目の多い中学生版)。主たる調査項目としては,
「大都市
J
と円、ま住んでいる所J
について,24
項目にわたるSD
法的イメージのチェック,r
大都 市の人」と「乙の町の人」についてのイメージ調査,親和欲求,生活満足度,習慣,居住地に対す る愛着度,価値観に関するものおよびフェースシ ートで22項目(子ども)‑
29
項目(父母)になっ た。なお,今回の調査と研究 Eの調査で用いた項 目では違いがある。乙れは前回のものに加除訂正 を行なったためである。2 .
調 査 対 象 に つ い て調査対象は,鳥取県鳥取市の小学校,中学校,
長崎県壱岐郡の小学校,中学校,高校の生徒,お よびその父親と母親である(鳥取市の高校生のデ ータは回収できなかった)。全体で1
5
のサブグルー プになるが,それぞれの有効サンプl
レ数が100
以 上になるようにした(鳥取の小学生の父親の有効 サンフ。ル数は,結果的lζ100
I乙達せず,87
であっ た)。また父母のデータに欠損のある場合にも欠損 以外のデータを用いたので親子のデータ数に違い がある。各群の有効サンプノレ数は表1,と示すとうりである。
表調査サンプルの数( )内は年令
子 供 父 親 母 親
壱岐 小学生
1 2 6
(小5) 1 0 9 ( 4 0 .
7)1 2 3 ( 3 3 . 0 )
中学生1 3 5
(中2) 1 2 4 (45.3) 1 3 7( 4
1. 1) 高校生1 4 9
(高2) 1 2 9 ( 4 7 . 7 ) 1 4 2 ( 4 5 . 2)
ーー・一・ ・一 晶 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . . . .a・ ・ 圃 園 、 ー ー ー ー..・...晶晶圃圃圃圃圃圃圃圃‑‑‑‑
鳥取 小学生
1 1 0
(小5) 8 7 ( 4 0 . 9) 1 0 1 ( 3 7 . 8 )
中学生1 3
1(中2) 1 0 6 ( 4 3 . 3) 119(40.5)
3 .
調 査 手 続 き に つ い て調査は,アンケートによったが,アンケート用 紙の配布と回収は各地の学校に依頼した。両親用 のアンケート用紙は,依頼状とともに生徒の持ち 帰りとし,回収は各学校にまかせた。
調査期日は鳥取調査が昭和59年11月,壱岐調査 が昭和59年1
2
月であった。結果と考察
(A) 2 地域の被験者の諸特性
鳥取と壱岐の住民に関する特性でアンケートよ
6
総 合 都 市 研 究 第2 7
号 り得られたデータは表1
,表2
,表3I ζ
示した。鳥取市は人口約
1 1
万人の城下町で,産業として は,農業,水産業,製材が主である。壱岐島は長 崎より北々西約20km I
とある離島で人口約3
万人である。昔は中国大陸との中継地として栄えたが,
今日では,農業と漁業を中心とした静かな島であ る。
表
2
:父親の職業協)(壱小学生岐) (壱中学生岐) (高壱校生岐) (鳥小学取生) (鳥中学取生) 全 体 1. 農業・林業・漁業
1 5 . 0 2 7 . 0 4 5 . 2
1.3 2 . 9 1 9 . 9 2
商工自営・サービス業2 8 . 0 1 5 . 3 1 3 . 9 1 2 . 8 1 6 . 7 1 7 . 4 3 .
個人営業3 . 0
1.0 2 . 6 。 。 0 . 0
1.4 4 .
会社・団体役員1
1.0 6 . 1 1 0 . 4 1 0 . 3 4 . 9 8 . 5 5 .
管理的職業0 . 0 3 . 1 0 . 9 2 . 6 2 . 9
1.8 6 .
専門・技術職7 . 0 6 . 1 5 . 2 1 0 . 3 9 . 8 7 . 5 7 .
上記以外の専門・技術職7 . 0 9 . 2 3 . 5 1 5 . 4 1 0 . 8 8 . 7 8 .
事務職の課長以上3 . 0 4 . 1 2 . 6 3 . 8 6 . 9 4 . 1 9 .
上記以外の事務職1 0 . 0 7 . 1 6 . 1 1 0 . 3 7 . 8 8 . 1 1 0 .
販以売上 ・サーヒース業の課長 1.0
1.0
1.7 5 . 1 4 . 9 2 . 6 1
1.上ス記業以外の販売・サービ2 . 0 4 . 1
1.7 1 0 . 3 7 . 8 4 . 9 1 2 .
製造工程・現場作業4 . 0 1 0 . 2 2 . 6 1 5 . 4 1 7 . 6 9 . 5 1 3 .
その他6 . 0 5 . 1 2 . 6
1.3 6 . 9 4 . 5 1 4 .
仕事は持っていない3 . 0 0 . 0 0 . 9
1.3 0 . 0
1.0
(N=100) (N =98) (N= 115): (N=78) (N = 1 0 2 ) (N = 4 9 3 )
表
3
・鳥取地区の父親の最終学歴(%)鳥 取 鳥 取 全 体 (小学生) (中学生)
1. 小学校
2 . 4 4 . 5 3 . 4 2 .
新制中学(旧制高等小学校)2 4 . 4 2 6 . 9 2 5 . 5 3 .
新制高校(旧制中学,高等女学校など)5 8 . 5 4 4 . 8 5 2 . 3 4 .
大学・短大・高専(旧制高等学校)1 4 . 6 2 3 . 9 1 8 . 8
(N =82) (N =67) (N= 1 4 9 )
'‑
(8)
都市イメージの比較 わたるイメージを5
段階評定で質問した。結果は 本研究では2
地域の1 5
の年齢別グループにJ
大 表4に示すとうりである。乙の表に従って1 5
のグ 都市」と「いま住んでいる所jについて32項目に ループの人たちの大都市イメージ,居住地イメージを検討する。
観一15492452427561453725472047195971
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8
総 合 都 市 研 究 第27号( 1 )
壱肢のデータの分析( a )
壱岐の小学生の「大都市J
についての イメージ「大都市
J
について壱岐の小学生が抱いてい るイメージで特に強いものをとり出すと次の とうりである(5
段階評定で3 . 5
以上,2 . 5
以下の項目。いずれも1%
以下の危険率で偏 よりを示す)。楽しい し ゃ れ た 親 し み に く い 深 み が な い 明 る い 忙 し い 派 手 な 柔 ら か く な い 安 定 し て い な い 複 雑 な 広 い 生 活 し に く い文化程度が高い よい働らき口が多い 人間関係がわずらわしい 安全でない 整然 としていない 人が暖たかくない 犯罪が多 い 公 害 が 多 い 買 い 物 が 便 利 空 気 が 汚 い 自然が美しくない 気候が厳しい
小学生の「大都市イメージ」は3
2
項目中24
項目にわたってかたよりがみられた。乙れら のイメージ内容は研究 Iにおける喜界町,水 戸市,函館市の小学生のデータとかなり類似している。
( b )
壱岐の小学生の九、ま住んでいる所」についてのイメージ
(5
段階評定の3 . 5
以上2 . 5
以下の項目)楽 し い 親 し み や す い 深 み が あ る 好 き 明 る い 忙 し く な い つ め た く な い 柔 ら か い 安 定 し て い る 複雑でない生活しやす い 文 化 程 度 が 低 い 遊 ぶ と こ ろ が 多 い 人 間関係がわずらわしくない 安 全 で あ る 整 然としている 人が暖たかい 犯罪が少ない 公 害 が 少 な い 空 気 が き れ い 家 が 広 い 孤 独な人が少ない 自然が美しい気候がおだ やか食べ物がまずい
小学生の I~ 、ま住んでいる所」のイメージ は3
2
項目市26
項目でかたよりがみられ,この うち1 6
の項目では大都市のイメージと逆にな っている。なお「楽しい」と「明るい」というイメージは,大都市と地元の両者に共通しても たれている。
( c )
壱岐の中学生の「大都市」についての イメージ(5
段階評定の3 . 5
以上,2 . 5
以 下の項目)楽しい し ゃ れ た 親 し み に く い 明 る い 忙 し い 派 手 な つ め た い 柔 ら か く な い 安定していない複雑である 生活しにくい 文化程度が高い よい働き口が多い人間関 係がわずらわしい安全でない整然として い な い 人 が つ め た い 犯 罪 が 多 い 公 害 が 多 い 買 い 物 が 便 利 空 気 が 汚 い 家 が せ ま い孤独な人が多い 自然が美しくない
中学生の「大都市
J
についてのイメージは3 2
項目中24
項目にかたよりがみられた。中学 生の抱くイメージは,小学生のものとかなり 類似しており,また研究上における3
地域の 中学生のイメージとも類似している。( d )
壱岐の中学生のi t
、ま住んでいる所」についてのイメージ
(5
段階評定の3 . 5
以上,2 . 5
以下の項目)楽 し い 親 し み や す い 深 み が あ る 好 き 明 る い 忙 し く な い 派 手 で な い 暖 か い 柔らかい安定している 複雑で、ない生活
しやすい よい働き口が少ない 安全である 整然としている 人が暖い犯罪が少ない 公 害 が 少 な い 空 気 が き れ い 家 が 広 い 孤 独な人が少ない 自然が美しい気候が厳し
くない 食べ物がおいしい
中学生の「し、ま住んでいる所
J
のイメージ は32
項目中24
項目でかたよりがみられ,乙の うち1 8
の項目で大都市と逆のイメージをもっ ている。なお, I楽しL、」と「明るい」は両所 に共通して認められた。中学生のイメージは今回,および、前回の小 学生,中学生の傾向とほぼ一致しており,大 都市,いま住んでいる所に共通して認められ
た二つのイメージも小学生の場合と同じであ った。
( e )
壱岐の高校生の「大都市」についての イメージ( 5
段階評定の3 . 5
以上,2 . 5
以 下の項目)楽しい し ゃ れ た 親 し み に く い 深 み の な い 明 る い 忙 し い 派 手 な つ め た い 柔 らかくない 複雑である 文化程度が高い よい働き口が多い 安全でない 整然として い な い 人 が つ め た い 犯 罪 が 多 い 公 害 が 多 い 交 通 が 便 利 買 い 物 が 便 利 街 並 が き れ い 空 気 が 汚 い 家 が せ ま い 孤 独 な 人 が 多い 自然が美しくない
( f )
壱岐の高校生の「いま住んでいる所」についてのイメージ
( 5
段階評定の3 . 5
以上,
2 . 5
以下の項目)しゃれてない 親しみやすい 深みのある 好き 忙 し く な い 派 手 で な い つ め た く な
い 柔 か い 複 雑 で な い 文 化 程 度 が 低 い 遊ぶと乙ろが少ない よい働き口が少ない 安全整然としている 人 が 暖 い 犯 罪 が 少 な い 公 害 が 少 な い 交 通 が 不 便 買 い 物 が 不 便 空 気 が き れ い 家 が 広 い 孤 独 な 人 が 少ない 自 然 が 美 し い 気 候 が よ い 食 べ 物 がおいしい
高校生の「いま住んでいる所jのイメージ は
3 2
項目中2 7
項目でかたよりが認められ,そ のうち2 1
項目で大都市イメージと逆の傾向を 示している(6
項目については逆の傾向が認 められなかったわけではなく大都市イメージ でかたよりが認められなかったものである)。なお,高校生にあっては,大都市といま住ん でいる所に共通のイメージはなかった。
( g )
壱肢の成人男女性の「大都市」につい てのイメージ表
4
の父親と母親の各イメージの得点を比 較してみると小,中,高校を通じて一目で明らかなように両者はほとんど同じ数値を示し ている(有意の差のあるものは一つもなし、)。
それで,こ乙では両者をまとめて成人群とし 一括して傾向をみる。
( 5
段階評定の3 . 5
以上,2 . 5
以下の項目) し ゃ れ た 親 し み に く い 忙 し い 派 手 な つ め た い 安 定 し て な い 複 雑 で あ る 文化 程度が高い遊ぶと乙ろが多い よい働き口 が 多 い 安 全 で な い 整 然 と し て い な い 人 が つ め た い 犯 罪 が 多 い 公 害 が 多 い 交 通 が 便 利 買 い 物 が 便 利 空 気 が 汚 い 家 が せ まい孤独な人が多い 自然が美しくない成人の「大都市jについてのイメージは
3 2
項目中
2 2
項目にかたよりがみられる。( 2 )
鳥取のデータの分析(a) 鳥取の小学生の「大都市」についての イメージ
( 5
段階評定の3 . 5
以上,2 . 5
以 下の項目)親 し み に く い 忙 し い 派 手 な つ め た い 柔 ら か く な い 安 定 し て い な い 複 雑 な 生 活しにくい文化程度が高い 遊ぶと乙ろが 少ない よい働き口が多い 人間関係がわず
らわしい安全でない 整然としていない 人 が つ め た い 犯 罪 が 多 い 公 害 が 多 い 買 い 物 が 便 利 空 気 が 汚 い 家 が せ ま い 孤 独 な人が多い 自然が美し〈ない
(b) 鳥取の小学生の円、ま住んでいる所
J
についてのイメージ
( 5
段階評定の3 . 5
以上,
2 . 5
以下の項目)楽 し い 親 し み や す い 深 み の あ る 好 き 明 る い 忙 し く な い 暖 い 柔 ら か い 安 定
し た 生 活 し や す い 遊 ぶ と こ ろ が 多 い 人 間関係がわずらわしくない 安 全 整 然 と し て い る 人 が 暖 い 犯 罪 が 少 な い 公 害 が 少 な い 買 い 物 が 便 利 街 並 が き れ い 空 気 が き れ い 家 が 広 い 孤 独 な 人 が 少 な い 自然 が 美 し い 気 候 が よ い 食 べ 物 が う ま い
1 0
総 合 都 市 研 究 第27号 鳥取の小学生の大都市,およびいま住んでいる所についてのイメージは.
1 7
項目で逆の 内容になっており.r買い物が便利J
におい て両者に共通している。( c )
鳥取の中学生の「大都市」についての イメージ( 5
段階評定の3 . 5
以上.2 . 5
以 下の項目)親 し み や す い 好 き 忙 し く な い 派 手 で な い 暖 い 柔 ら か い 安 定 し た 複 雑 で な い 生活しやすい 文化程度が低い 人間関係が わずらわしくない安全整然としている 人 が 暖 い 犯 罪 が 少 な い 公 害 が 少 い 空 気 がきれい 自然が美しい食べ物がおいしい
鳥取の中学生の「大都市」円、ま住んでい る所
J
のイメージは,壱岐の中学生のパター ンとかなり類似し,大都市と,いま住んで、い る所に関して逆のイメージは1 4
項目で認めら れた。( d l
鳥 取 の 成 人 男 女 性 の 「 大 都 市j につい てのイメージ( 5
段階評定の3 . 5
以上,2 . 5
以下の項目)し ゃ れ た 親 し み に く い 深 み の な い 忙 し い 派 手 な つ め た い 安 定 し て い な い 複 雑 な 生 活 し に く い 文 化 程 度 が 高 い 遊 ぶ 所が多い よい働き口が多い 安全でない 整然としてない 人がつめたい犯罪が多い 公 害 が 多 い 交 通 が 便 利 買 い 物 が 便 利 空 気 が 汚 い 家 が 狭 い 孤 独 な 人 が 多 い 自然 が美しくない
( e l
鳥取の成人男女性の日、ま住んでいる 所 」 に つ い て の イ メ ー ジ (5
段階評定の3 . 5
以上.2 . 5
以下の項目)親 し み や す い 好 き 忙 し く な い 派 手 で な
食べ物がうまい
鳥取の成人にあっては,大都市といま住ん でいる所のイメージを逆のものとしてとらえ ている項目は
1 5
であった。以上の結果を総合してみると,大都市のイメー ジとして子どもから大人まで共通して認められる ものは.r犯罪が多い
J
r公害が多いJ
rごみごみ しているJ
r危険(安全でない) J
r空気が汚いJ
「自然が美しくなLリ「生活しにくい」など否定的 なものと.r派手Jr明るいJr忙し刊の肯定的な ものに分けられる。肯定項目の得点は大人より子 どもの方が有意に高く,また,子どもの中では学 齢が上がるに従って得点が高くなっている。
いま住んでいる所についてのイメージは子ども から大人まで全体的に肯定的なものが多い。「空気 がきれLリ「自然が美しL、Jr気候がよいJr公害 が少ない」など自然にかかわる部分でも,また,
「犯罪が少ない
J
r安全J
r生活しやすL、J
r人 が 暖かいJ
r親しみやすいJ
r好き」などの人にかか わる項目でも都市のイメージを上まわっている。ただし,後にみるように,子どもの方が大人より 都会ζl憧れを感じるためであろうか,大人よりは 都会に好意的で,いま住んでいる所を否定的に見 ている。乙の傾向は子どものうち,高学年になる lど従って強くなっている。
なお,乙乙で得られた結果は,研究
1 . 1 1
で調 査を行なった喜界,水戸,函館のうち喜界の結果に非常に類似している。
( C )
住 民 イ メ ー ジ の 比 較今回の研究では,従来のものと同じように「大 都市の人Jr乙の町の人」についてのイメージを調 査している。調査内容が以前のものとやや異なり 今回は以前の項目に「無関心Jr信用できない」の
2
項目を加えて7
項目とした。小,中,高校生お い 暖 か い 生 活 し や す い 遊 ぶ 所 が 少 な い よびその両親(父親と母親の評価に有意差のある よい働き口が少ない 安全整然としている ものがなかったので図1‑
図7
では両者をまとめ 人 が 媛 か い 犯 罪 が 少 な い 公 害 が 少 な い て成人データとした)の調査結果は,表5
と図1
交通が便利空気がきれい 自然が美しい 図7
~と示した。表
5
:地区別にみた「大都市の人とこの町の人のイメージ」に関する3
者間(子供・父親・母親)比較 壱岐(小学生) i 壱岐(中学生 壱岐(高校生 鳥取(小学生) : 鳥取(中学生) 子 供 父 親 母 親 子 供 父 親 母 親 子 供 父 親 母 親 : 子 供 父 親 母 親 i子 供 父 親 母 親 嫌いだ3 . 2 4 3 . 2 0 3 . 1 3 : 3 . 0 8 3 . 0 8 3 . 1 2 : 2 . 9 4 3 . 0 4 3 . 0 4 : 3 . 3 3 3 . 1 4 3 . 0 4 : 2 . 9 3 3 . 0 1 3 . 0 4
大付き合いζ l
くL
、3 .6 2 3 . 4 7 3 . 4 7 : 3 . 4 0 3 . 3 6 3 . 2 9 : 3 . 0 9 3 . 3 2 3 . 2 3 : 3 . 7 1 3 . 2 4 3 . 3 1 : 3 . 0 2 3 . 0 6 3 . 0 1
都つまらない3 . 4 0 3 . 2 2 3 . 1 1 : 3 . 1 8 2 . 9 5 2 . 9 9 : 2 . 9 5 2 . 9 4 3 . 0 1 : 3 . 4 9 3 . 0 7 2 . 9 6 : 2 . 9 4 3 . 1 5 3 . 0 0
市センスの悪い2 .3 9 2 . 2 7 2 . 0 9 :
1.9 5 2 . 3 3 2 . 0 6 : 2 . 0 9 2 . 3 8
1.8 8 : 2 . 8 6 2 . 4 8 2 . 2 3 : 2 . 2 0 2 . 4 5 2 . 2 2
の つ め た い3 . 6 4 3 . 7 1 3 . 6 9 : 3 . 6 9 3 . 6 9 3 . 6 5 3 . 3 5 3 . 5 7 3 . 4 8 : 3 . 8 4 3 . 5 6 3 . 5 1 : 3 . 2 8 3 . 5 2 3 . 2 6
人 無 関 心3 . 0 7 3 . 8 9 4 . 0 4 : 3 . 5 5 4 . 0 9 4 . 1 1 : 3 . 5 8 3 . 8 7 3 . 9 0 : 2 . 9 6 3 . 6 5 3 . 8 5 : 3 . 4 8 3 . 6 1 3 . 6 5
信用できない3 . 9 0 3 . 8 3 3 . 9 2 : 3 . 8 1 3 . 8 6 3 . 8 9 : 3 . 5 2 3 . 7 1 3 . 8 2 : 3 . 6 4 3 . 5 3 3 . 6 6 : 3 . 4 4 3 . 5 3 3 . 5 3
嫌いだ 1.5 6 2 . 3 1 2 . 3 3 : 2 . 0 5 2 . 4 2 2 . 3 8 : 2 . 3 7 2 . 2 3 2 . 2 6 :
1.7 2 2 . 5 1 2 . 6 4 : 2 . 4 3 2 . 5 9 2 . 6 5
乙付き合いにくし、1.6 4 2 . 1 5 2 . 2 4 :
1.9 4 2 . 1 9 2 . 3 1 : 2 . 2 9 2 . 0 8 2 . 2 7 :
1.7 3 2 . 4 7 2 . 5 0 : 2 . 4 0 2 . 6 6 2 . 7 7
のつまらない 1.9 9 2 . 7 0 2 . 6 2 : 2 . 5 0 2 . 8 2 2 . 7 5 : 2 . 6 5 2 . 4 9 2 . 7 2 : 2 . 0 4 2 . 8 2 3 . 0 0 : 2 . 7 9 2 . 8 7 3 . 1 0
町センスの惑い2 . 7 1 32 6 3 . 1 4 : 2 . 9 0 3 . 2 2 3 . 1 8 : 3 . 2 3 3 . 2 8 3 . 1 7 : 2 . 3 6 3 . 2 5 3 . 1 7 : 3 . 2 3 3 . 3 2 3 . 2 9
の つ め た い 1.6 2 2 . 1 5 2 . 0 1 :
1.9 6 2 . 0 9 2 . 0 2 : 2 . 2 3
1.9 5
1.9 5 :
1.7 5 2 . 4 0 2 . 3 8 : 2 . 2 9 2 . 4 1 2 . 6 0
人 無 関 心2 . 8 1 2 . 2 9 2 . 2 1 : 2 . 5 8 2 . 2 2 2 . 0 3
~2 . 4 8 2 . 2 3 2 . 0 7 : 2 . 6 8 2 . 6 4 2 . 4 3
~2 . 7 8 2 . 7 2 2 . 7 6
信用できない 1.7 8 2 . 4 1 2 . 3 8 : 2 . 2 6 2 . 3 9 2 . 4 5 : 2 . 4 7 225 2 . 3 0 :
1.9 8 2 . 6 5 2 . 6 3 : 256 2 . 6 6 2 . 8 1
注:数字は各項目の平均値で,得点が高いほど項目に関するイメージが強い乙とを意味する。
好 き だ
1
き ら い だ 好 き だ き ら い だ付合いやすい 付 合 に く い 付合いやすい 付 合 に く い
す ば ら し い つ ま ら な い す ば ら し い つ ま ら な い
センスのよい センスの悪い センスのよい センスの悪い
あ た た か い
、 、
つ め た い あ た た か い¥
〆 つ め た い関 心 の あ る
、、
無 関 心 関 心 の あ る ¥ 無 関 心〆 〆 ノ
信 用 で き る
J
信用できない 信 用 で き る 〆 信用できない都会の人 一一都会の人
...地元の人 ...地元の人
図
1
壱岐の小学生の住民イメージ 図2
壱岐の中学生の住民イメージ 好 き だ付合いやすい す ば ら し い センスのよい あ た た か い 関 心 の あ る 信 用 で き る
き ら い だ 好 き だ 付 合 に く い 付合いやすい つ ま ら な い す ば ら し い センスの悪い センスのよい つ め た い あ た た か い 無 関 心 関 心 の あ る 信用できない 信 用 で き る 一一都会の人
、 、
き ら い だ 付 合 に く い つ ま ら な い センスの悪い つ め た い 無 関 心 信用できない
‑・・地元の人 図
3
壱岐の高校生の住民イメージ一一部会の人
・・・・・・地元の人 図
4
壱般の成人の住民イメージ1 2
総 合 都 市 研 究 第27号 好 き だ │付合いやすい すばらしい センスのよい あたたかい 関心のある 信用できる
一 │ き ら い だ 好 き だ き ら い だ 付合にくい つまらない センスの悪い つ め た い 付合にくい 付合いやすい
、
、
、 つまらない すばらしい センスの惑い センスのよいノ
/ 、
、
つ め た い あたたかい、
〆/ ノ
無 関 心 信用できない 一一都会の人
...地元の人 図
5
鳥取の小学生の住民イメージ好 き だ 付合いやすい すばらしい センスのよい あたたかい 関心のある 信用できる
、 、
き ら い だ 付合にくい つまらない センスの悪い つ め た い 無 関 心 信用できない 都会の人
‑…ー地元の人 図
7
鳥取の成人の住民イメージ乙れらの表と図をみると各地の住民が大都市と 地元の人をかなり対比的に見ている乙とがわか る。すなわち,大都市の人に対しては,きらい,
付合いにくい,つまらない,センスのよい,無関 心な,信用できないとしている(年齢,性別を間 わず同傾向であるため全体として集計すると
1%
以下の危険率で有意差を示す)。無関心と信用でき ないの二項目を除いて他は前回の調査結果と一致 している。従って,所をとわず,地方在住者は,
大都市の居住者を否定的に見ているといえよう。
ただしセンスがよいについてだけは逆の傾向を示 している。この点も以前の研究と全く同じである。
(D)
都市観,地方観について大都市といま住んでいる所について
6
つの観点 から質問した結果が表6
である。( a )
仕事をする場所としての大都市と地元 表 6Iとよれば成人は男女をとわず地元を選ん関心のある 信用できる
無 関 心 信用できない 一一都会の人
‑地元の人 図
6
鳥取の中学生の住民イメージでいる。また小学生も地元を選んでいる。それ に対して中学生,高校生は大都市を選択してい る(鳥取の中学生は有意差なし)。 この傾向は,
以前の研究にもみられ,特 Iと都会 lと憧れを強く 感じる高校生で高率となっている。成人は実際 の生活基盤が地元にあるために地元選択が多い のであろうが,女性にあっては男性よりも
5%‑
15%
低率となっている(有意差あり)。(b) 居住地としての大都会と地元
居住地として大都市を比較的好むのは高校生 であるが,それでも
22.5%
である。成人と小 学生では地元がよいとする者が70%を越えてい る。乙の傾向は,前回の喜界,水戸,函館の場 合と全く同じである。(c) 大都市に住んでみたいか
憧れとしての大都市居住を質問したのが,表
6
のQ4
である。大都市に住んでみたいと答え たのは,高校生がトップ(88.6%)
で成人と 小学生が最低となっている(26%‑6 2 . 4
%)。 住む場所として一番高率で大都市を指名した高 校生が,一度は大都市に住んでみたいというのは当然であろう。
(d) 地元は住みやすい所か
地元を単独で住みやすいかどうかをきいたの が,