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譲渡可能信用状について

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(1)

譲渡可能信用状について

その他のタイトル Transferable or Assignable Letter of Credit

著者 來住 哲二

雑誌名 關西大學商學論集

巻 5

号 1

ページ 22‑47

発行年 1960‑04‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/00021730

(2)

の信用状の考究を等閑視することは出来ない︒

我が国もやうやく貿易︒為替の自由化に踏み切ったわけであるが︑それだけ貿易人の活躍の範囲も広くなり︑貿 易取引に関する知識の必要性は言う迄もなく︑それに対する考究も益々必要となるであろう︒

D/P.D/A

などの信用状によらざる取引がかなり増加してきているとはいえ︑現行の国際貿易の殆ん

(L et te r

o f   Credit)なる制度の下に行われている︒従って︑国際貿易における決済手段として

信用状と一口にいっても︑その種類は多種多様であるが︑ここでは主として輸出金融という面に焦点をしぽり︑

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信用状は最近米国において盛んに利用されるようになり︑また我が国においても昭和二十五・六年には盛んに利用 されたものであるが︑その当時においては蘭商・英商が日本・インドネシヤ貿易にこれを用いて大いに活躍したも

譲 渡 可 能 信 用 状 に つ い て

(3)

譲渡可能信用状について (4)  (3)  (2) 

拙稿﹁確認信用状についての再検討﹂関西大学商学論集第三巻第一号註1を参照され度し︒また︑我が国輸出の伸張を目的

として︑貿易・為替管理制度の改正の方向にあり︑従来標準決済として取扱われた信用状ベースを廃止することが予定され

ている︒標準・標準外決済方法等については貿易弘報社﹁貿易手続全解﹂十版︑昭和一︱︱五年︑五八ー六四︑一=二八ー︱︱︱︱︱10

頁︒貿易実務講座刊行会編﹁貿易・為替管理法﹂昭和三十五年︱︱‑│︱二七頁を参照され度し︒

信用状という湯合は通常﹁商業信用状﹂

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︑就中︑﹁荷為替信用状﹂

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を指称する︒本稿の湯合も同様である︒

輸出金融面に主眼をおけば

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も挙げなければならないが︑これらについては別の機会に論

じてみたい︒ここにいう

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C 

~本来の意味のもので、我が国でバークーに用いられているものではない。

東京銀行輸出課﹁信用状の譲渡とその手続︵上︶︵下︶﹂日本貿易ニューズ

1 ‑

︱四・ニ︱七号︒これは実務に関しかなり詳細に

紹介している︒

岩根典夫﹁譲渡可能信用状実務の研究﹂日本商業英語学会研究年報一九五九年二八0ー︱︱100頁

H.O•Nash:

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73 

p. 15  

次の書物はその中において断片的に取上げているものである︒

伊沢孝平﹁商業信用状論﹂昭和三十年︱10│‑︱‑︑六五ニー六五六頁 東京銀行貿易課﹁三訂増補貿易と信用状﹂昭和三十二年一=ニー三七︑一四0ー一四一頁︒また︑譲渡可能信用状のフォ

ームと譲渡された信用状のフォームは一︱八

I

︱九︑一︱10ー︱ニ︱頁を参照され度し︒ ろうかという点につき若干の考察を進めてみたい︒ のである︒元来︑この信用状は物品調達のために利用されるもので︑

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  L/

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意味の︶よりももっと金融的に保護されたるものである︒而してこの信用状に関する研究は一︒二あるのみで︑殆

んど断片的にしか紹介されておらないため︑ここでは譲渡可能信用状とは如何なるものか︑また如何なる効用を有

するものであるか︑またそれはどのような方法で譲渡されているか︑更にこの信用状の問題点は何処に存するであ

(4)

津田昇﹁信用状の基礎知識﹂四版昭和三十年︱︱︱六ー︱︱︱八頁 貿易実務購座刊行会編﹁貿易決済と貿易金融﹂昭和三十四年一

0‑10

10

A.G•Davis:

"

Th e  L aw   Relat in g  t Co   om me rc ia l  L e tt e r s  o f   C r e d i t

" , 2  nd   ed ,   Re pr in te d  1 9 5 5 ,   p p. 28 3 0, 0  1 11 04   Ch ar le

s  N•Henning"

•International ^

Fi na nc e"

,  1 9 5 8 ,   p . 1 4 5 , 1 9   5 ,   20 72 08   26 72 69   H .C .   Gu tt er id ge

 

Ma ur ic e  M eg ra h"

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̀C om me rc ia l  C r e d i t ' ̀

19

55

̀p p. 12 21 28 C li v Me  

. Schmitthoff"••The

Ex po rt

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ed••1955,

p p .   19 6  1 99   Wi ll ia m  S

.   Shaterian"^•Export-Import

Ba nk in g,

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2  nd   ed . ,   1 9 5 5 ,   p p. 44 14 43   Wi lb er t  W ar d 

He nr y  H a rf i e ld "

B ^ ^

an k  C r ed i t  a nd   A cce pt an ce ,"

4   th   e d ,   1 9 5 8 ,   p p. 15 31 58   Ge or ge   Ma ra is :'

^D u  C r ed i t  D oc um en ta ir e  " ,   2n d  e d . ,   1 9 2 9 ,   p p. 28 52 89   Je an t o   S u f f l e t :  

"

Le   Cr e d it   Do cu me nt ai re   " ,   1 9 5 7 ,   p p. 73 7 6 

その他貿易実務関係の内外図書には一頁も満たないが︑殆んど記載されている︒併し信用状関係の古い書物にはこの信用状

についてほ殆んど記載されておらないようである︒

譲渡可能信用状の内容に立入る前に︑信用状の譲渡とは一体何を意味するのかを明らかにしておかなければなら

ない︒これには信用状の利益譲渡と譲渡に附随する権利と義務を有する信用状それ自体の譲渡という二種の意味が

あるけれども︑ここにいう譲渡可能信用状なるものは︑前者ではなく後者即ち信用状それ自体の譲渡が可能である

それでは譲渡可能信用状とは如何なるものか︒それは受益者以外の者が受益者よりその信用状の全額またはその ことを指称するものであることは論を侯たない︒ 譲渡可能信用状について︵来住︶

(5)

一部を譲り受け︑受益者と同様に自らこれを使用して手形を振出すことが出来る権限が与えられている信用状を言

う︒この信用状のフォームは普通の信用状のフォームと何ら変るところなく︑たゞ次のような文言が加えられてい

るに過ぎない︒即ち︑この信用状には普通︑受益者を﹁何某またはその譲受人﹂

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と規定

またはこれらの語辞が挿入されておりそれと共に振出手形に譲渡の事実を立証する資料として例えば譲渡指図書

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を添付すべき旨が規定されている︒また分割︵一部︶譲渡の意味を強調し︑

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と明記する場合もある︒但し信用状の内容に部分積

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が禁止されていない以

上 ︑

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と規定されてあれば

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即ち分割も含むと解せられる︒然しながら︑このことを英国

系にそのま4適用することは極めて危険なことである︒更にまた

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なる語辞が記載されていること

もあるが︑これも好ましいものではない︒この信用状には以上の如き語辞が用いられているけれども︑厳密にみれ

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なる語辞を使用する方が当を得ていると考える︒それはさておき︑この信用状では︑譲受人は信

用状の譲渡部分に関しては原受益者と同一の権利を有し︑原信用状の条件に基いて自己の名儀で手形を振出すこと

が出来︑そしてその条件に合致している限りにおいては発行銀行より代金の支払を受けることが可能となる︒併し

原受益者は譲受人が書類を提供すると雖も︑信用状における義務の不履行に対して責任を免れることは出来ない︒

併しこの信用状の譲渡の可否については古くより議論の存するところである︒これには︑信用状を発行する場

合︑信用状の受益者は特定されており︑そしてその受益者とその依頼人たる買主とは売買契約における売主と買主

という不離の関係を有し︑買主は信用状によって要求される書類のみならず︑書類の獲得及び提供に関するその人

或は信用状文言中に譲渡可能

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なる語辞が記載されているか︑ 

(6)

の行為をも欲するものである︒従って買主は取引せんとする人を選び︑その他の人を除外して信用状の発行を依頼

するのであるから譲渡を認めることは出来ないとする否定説があり︑また受益者は恰も指図受取人と同一の地位を

有し︑信用状が確認されたる後はその確認銀行に対し債権者の地位を有することになるのであるから︑確認前の指

図受取人としての地位または確認されたる後︑発行銀行に対して取得した権利を譲渡することは何ら差支えないと

する肯定説がある︒更に︑信用状は売買契約における売主の個人的信用︑資力等を基礎として発行されるものであ

って︑換言すれば信用状の本質よりみれば︑信用状はそこに明記された特定人だけが手形を振出す権限を与えられ

ているものであって︑その意味においては否定説の方が妥当であり︑判例もこれを支持するところであるけれども︑

売主が商品を在庫しておらず︑またその仕入れをなすのに必要な資金の調達をなすことが極めて困難である場合等

において︑信用状面に売主︵原受益者︶以外の第一二者が手形を振出すことを許容しているならばこの信用状の譲渡

を認めてもよいのではないかとする条件付肯定説がある︒要するに︑この見解が最も妥当であり︑後述の効用より

鑑みて信用状の譲渡は必要なことであり︑そして国際慣行上相当利用されるようになり且つ一般化されるに至ったのである︒また否定説をとる

Wa rd

氏もこれは譲渡性それ自体の問題ではなく実際問題よりの要請であるというこ

とを言っている︒而して信用状統一規則もこの点を認め︑次のように規定している︒即ち﹁信用状は発行銀行の明

示の授権あるときに限り譲渡することが出来︑しかもミ

f r a n s f e r a b l e

"

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A s s i g n a b l e

"

と特に明示ある場

合を条件とする︒か4る場合︑信用状は唯一回のみ譲渡することが出来る︵即ち原受益者によって指定された第三

者が︑それを再譲渡する権利を有していないことを意味する︶︒而してこの譲渡は原信用状の条件に基いて行われ

るが︑信用状金額︑信用状に記載の単価︑有効期限或は積出期限に関してはこの原則から除外される︒これら全部

(7)

またはそのうちいずれかについてはこれを減額若しくは短縮することが出来る︒金額または単価の減額の場合にお いては︑譲渡人は自己の送状をもって譲渡人の送状に換えることが出来る︒但しその金額または単価は譲受人の送 状の記載額以上で︑原信用状金額を限度とする︒またこのように送状を差換えた場合は︑その信用状に基き︑譲渡

︐ 

人は自己の送状と譲受人の送状との差額に対して︑手形を振出すことが出来る︒譲渡可能信用状の分割部分︵その 合計額が信用状金額を超えない︶は部分積出しが禁止されておらない限り︑個々に譲渡することが出来る︒そして このような譲渡の総計は信用状の一回限りの譲渡を構成するものと看倣される︒

信用状を譲渡する権限は同一国内であると否とを問わず︑他の場所の受益者にそれを譲渡する権限を含む︒但し 他に特記される場合はこの限りではない︒譲渡された信用状の有効期限内に︑その信用状が譲渡された場所におい

て支払または買取をなすことが出来る︒譲渡により生じた銀行諸費用は他に特記されておらなければ︑原受益者の 負担とする︒如何なる譲渡も︑銀行が明白に同意した限度と形式を除き︑譲渡に関する銀行諸費用が支払われるま

では︑譲渡を行うべき銀行に対して何ら拘束力をもつものではない︒﹂

以上で明らかな如く︑この信用状は貿易金融の円滑化という実際面の必要性から用いられるようになったと言え る︒而して四十九条の規定を梢査することによって︑この信用状の内容はより一層明確化され︑

るものと考える︒即ちこの信用状は原受益者の指図により第三者の一人若しくは数人に対し︑信用状の全額若しく はその一部を譲渡することが出来るものであるが︑それが一旦譲渡された場合には︑その譲渡された信用状は再び それを第三者に譲渡することは出来ない︒換言すれば一回しか譲渡出来ないのである︒而して譲渡は原信用状の条

件に従うことを必要とし︑ よりよく把握され

たゞ金額︑単価の減額乃至有効期限や船積期限の短縮は許されているが︑増額や延長は

(8)

(7)  (6) 

註固 な妨げとなっている︒一日も早く信用状の統一化せられんことを望むものである︒ 勿論許されていない︒併し金額または単価の減額の場合には譲渡人︵原受益者︶は譲受人の作成した送状よりも高い金額乃至は単価を記載した自己の送状を作成し︑これを以て譲受人の送状と差換えることが出来︑そしてその差額に対し自ら手形を振出すことが出来るのである︒この差額は譲渡人自身の利益または口銭と考えられる︒更にこの

22 A 

信用状は部分積が禁止されておらない限り︑一部譲渡が可能であり︵英国系には問題あり︶︑また譲受人が国内・国

22 B 

外に居住するを問わず譲渡することが出来るものである︒而して譲渡によって生じた銀行諸費用は特約なき限り原

受益者の負担であり︑そしてその銀行諸費用が原受益者から支払われない限り︑銀行はその譲渡により拘束を受け

るものではない︒換言すればその譲渡は未だ有効でないということが出来るのである︒然しながら︑英国はこの統

一規則を批准しておらないため︑これをそのま4適用することは危険である︒国際貿易において重要な地位を占め

る英国がこの信用状統一規則を採択せず︑旧来の独自の慣行乃至解釈を固守していることは信用状の統一化の大き

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pp

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96

1

97

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の下に包括し︑それは⑱為替手形の譲渡⑮信用状それ自体の譲渡@副次的信用状の発行という一1

れるとしている︒厳密にみた場合︑信用状それ自体の譲渡も究極するところは信用状の利益譲渡にあるであろうが︑それを

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頁 ︒

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I b i d

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p.

19

8 

Da

vi

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氏によれば﹁このような語辞がある場合においても部分積が許可されておらない場合にはロンドンの多くの銀行は••Divisible"なる表示を無意味なものとして無視する」といっている,(A.G•Davis"Ibid.,

p .3 0

)  

Pa

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( 

譲渡可能信用状について︵来住︶ニ八

(9)

uo) 

譲渡可能信用状について︵来住︶ (9)  (8) 

数回に分割して一定の時間的間隔において船積を履行する点からみて

nI st al me nt sh ip me nt

 (分割積︶と言われるが︑内

容は同じである︒実際界では

Pa rt ia l sh ip me nt

を分割積と訳して用いている︒

東京銀行貿易課﹁前掲書﹂一四0頁︒改訂商業荷為替信用状に関する統一規則及び慣例第四十九条の田及び③

例えばSchmitthoffは~「Transferable(譲渡可能︶と述べられている信用状は︑英法によれば︑自動的に

Di vi si bl e(

即ち

tr an sf er ab le in

  pt (一部譲渡可能︶ではない︒大陸において︑或る当局は︵全部ではないが︶ar

Tr an sf er ab le

なる語辞の

記載あれば数多の副受益者に対し信用状を分割する権利を有するという見解をとっている︒英法においてはこの見解に対す

る判例は存しない︒それで買主及び発行銀行がそれに同意するときにのみ

Tr an sf er ab le L/ C 

t ! 分割出来るという意見であ

る︒その場合には信用状は

Tr an sf er ab le an d  D iv is ib le

であると信用状に規定すべきである︒﹂と言っている︒

(C li ve

M .  

Sc hm it th of f:  I b i d. , p .   1 98 )  

更に

Da vi s

氏は﹁或る当局は

Di vi si bl

e(分割可能︶なる語辞は単に部分稲が許可されているということだと信じており︑

他の当局はこの語辞が

Tr an sf er ab le

なる語辞に加えて用いられるのでなければその信用状は全額でのみ譲渡される︑⁝と

信じている︒﹂と言っている︒

( A . G .

Da vi s:  I b i d. , p  p. 29

̀ 30 )

これに関連して︑﹁⁝⁝若干の銀行家は

Di vi si bl eなる語辞

は単に部分積許可を示すものと信んじているけれども︑現時においてはこの語辞の法律的意味は明確な決定を欠いている︒

勿論

Di vi si bl e

なる語辞は信用状の一部譲渡を許すのに必要な必然的結果であるように思われるであろうが︑特に部分稽を

禁止している

Di vi si bl e L/ C

が発行されることを知らないことはない︒このことが起る場合には︑大抵の銀行は概して顧

客から或る程度の説明を要求する︒﹂と言っている人もある︒

(P au 0 . l  P ro eh l:  I b i d. ,   p . 1 96 )  

この語辞については種々の見解があり︑また信用状統一規則においてもこの語辞を用いておらない︒例えば

Da vi

s氏は﹁或

る銀行は

Tr an sf er ab le

Tr an sm is si bl e

なる語辞を同義語と看倣している︒他の銀行は

Tr an sm is si bl e

と述ぺられてい

る信用状はそれによって原信用状発行銀行に原信用状に適用される場所よりも他の場所において譲渡された信用状を有効に

する権限が与えられていると信んじている﹂と言っている︒

( A . G

.

Da vi s:   Ib i d .,   p .3 0 )

また﹁ロンドンの諸銀行はそれは原

受益者の住所地よりも他の場所に信用状を譲渡する権限が与えられているものと信んじている︒然しながら︑大陸の銀行家

達は更に一歩進んで︑他の国に信用状を談渡することを許すものと看倣している︒他方︑信用状統一規則は全くこの語辞を

認めていない︒即ち

tr an sf er ab le

なる定義は信用状が原受益者の場所と異なれる場所において利用し得るところのあらゆ

(10)

08)  07)  06)  05)  (14)  03)  02)  (11) 

る状態を包含するものとされている︒﹂と言っている人もある︒

(P

au

0 . l  P

ro

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l:

  I b

i d . ,

  pp.196 

19 7)  

信用状統一規則においては譲渡可能として

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si

gn

ab

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r  T

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er

ab

le

なる語辞を用いており︑我が国においても

As

si

gn

ab

le

なる語辞の方が多く用いられているようであるけれども︑法律的解釈よりみて即ち売主の権利及び義務を第一1

一 者 に移転するという意味において︑信用状の利益譲渡という場合の

As

si

gn

me

nt

s!

Tr

an

sf

er

を用いる方がよく︑従って

Tr

an

sf

er

ab

le

という語辞を用いる方が信用状それ自体の譲渡が可能であることをよく表わしていると言える︒このことは

Sc

hm

it

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fの書物からも窺えるし︑

( Cl i

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f "

I bi d

. , 

pp.196 

19 7)

また﹁この

As

si

gn

ab

le

Tr

an

sf

er

ab

le

なる語辞の意味に関する混乱は主として信用状の利益譲渡と信用状それ自体の譲渡とを区別しないことから生ずる︒前者に おいては買主と売主との間の契約上の責任においては何ら変更をもたらしはしないが︑後者においては基本的な売買契約に 関する更改の典型的な状態に明らかに直面しているように思われる︒信用状統一規則

4 9 条は他の何よりも更改の状態を無視

しているように思われる⁝・:﹂と言っている人もあり︑

(P

au

0 . l   P r

o eh l

" I

b id .

,  p

.1 95

)更に︑﹁多くの銀行が次のような言葉

即ちc•Transmissible,

As

si

gn

ab

le

n  a

d  D

i vi s

i bl e

を使用していることに注意が向けられなければならない︒併し通常は︑

6•Transferable"という言葉だけが使用されるぺきである。これに関して、統一規則を採択している国々に、如何なる事情

のもとにおいても••Transferable

"という言葉以外の言葉を使用してはならぬということに留意させることは有益であろ

う︒﹂と言っている人もある︒︵荒井武雄﹃

IC

C

﹁商業信用状統一規則﹂に関するシャルル・ボンツウ氏のコメンクリをめぐ

って(‑︱‑︶﹄外国為替ニ︱七号二十一頁︶我が国においても伊沢博士は譲渡可能信用状を

Tr

an

sf

er

ab

le

L/

C

として述べて

As

si

gn

ab

le

なる語辞は使用されておられない︒

詳細は伊沢孝乎﹁前掲書﹂六五ニー六五四頁を参照され度し︒

Wi

lb

er

t  W

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He

nr

y  H

ar

fi

el

d"

Ib

id

.,

155 pp.154 

伊藤和雄﹁荷為替信用状論﹂大正十三年再版八五ー八九頁

Wi

lb

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d 

He

nr

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d"

Ib

id

.,

 p

.1 55  

H.

C.

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eg

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h:

 I b

i d . ,

  p

p.

122 123伊沢孝乎﹁前掲書﹂六五一1一 頁  

この信用状が大いに用いられたのは第二次大戦後である︒

Wi

lb

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t  W

ar

d 

He

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y  H

a rf i

e ld :

  I b

i d . ,

  p

.1 55  

改訂商業荷為替信用状に関する統一規則及び慣例第四十九条 譲渡可能信用状について︵来住︶

(11)

譲渡可能信用状について

⑲⑳前者の条項を後者のそれと関連してみた場合に多くの問題が生ずるのである︒それでこの点について︑フラソスの銀行の 中数行が前者即ち第二項の末尾の文章の変更を示唆している︒詳細は荒井鉄雄﹁前掲論文﹂二

0ーニニ貝を参照され度し︒

伽勿論︑現在においてはこれが原則であり︑当然であるけれども︑

G. W. Ed wa rd

氏は﹁大陸国においては同一信用状の再譲

Ch ai n C re d i t なる名称が生じた︒この方法は変則と投機に導いたので︑ヨーロッパの銀行は現在譲渡可能信

用状の利用を思い留まらせている︒﹂と言っている︒︵

Ge or ge W.   Ed wa rd s:

'

I n t e r n a t i o n a l   T ra de   Fi n a nc e

" ,

1 

92 5,  p .  32 5)  

四囚註⑨及び即を参照され度し︒四⑱国外に譲渡することを許さないのが英国の慣行であるとしている人もある。(H.O•Nash:

I b i d . ,  

p. 17 )

閾原則として原受益者負担であるが︑実際取引をつぶさにみると︑譲受人が負担している場合が相当ある︒

それでは︑何故このような信用状が利用されるようになったのであろうか︒換言すれば譲渡可能信用状の効用は

那辺に存するのであろうか︒

先ず第一に挙げられるものは︑輸出業者特に弱小の中間業者の製造業者やサプライヤーに対する仕入代金の支払保証の必要のためと考えられる︒輸出業者が製造業を兼ねているかまたは商品を所有しているならばこの信用状を

利用しても何ら効果を齋らしはしないであろうが︑通常輸出業者なるものはその輸出商品を製造業者若しくはサプ

ライヤー等から仕入調達するものである︒従って︑輸出業者が海外の買主から信用状を獲得することによってその

代金支払の保証を得ようとするのと同じく︑製造業者やサプライヤーが輸出業者よりその商品の代金の支払保証を

得たいと考えるのも当然の理である︒そのような意味において︑輸出業者が自己の獲得せる信用状を製造業者やサ

(12)

的のために用いられた場合も当然考え得る︒ 語るものである︒ プライヤーに譲渡することによって自己に与えられた信用状の保証機能を製造業者等にも拡大することになり︑製造業者等の要求に添うてやることも出来るのである︒更に︑製造業者等が金融の便宜を受けたいときには︑この譲渡された信用状を利用することによって希望を満たすことも出来るのである︒この点︑

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氏並びに諸氏も指摘

するところであるが︑特に我が国においてはこの信用状が利用された実例よりみて︑次のような効用をも併せて考

えることが出来る︒

即ち︑海外の買主が商品を購入するとき︑売主の数が多いかまた売主の規模並びにその取引金額が小さい場合に

は一々信用状を発行することは不便であり︑且つ手数や費用も嵩むため︑輸出地の自己の支店若しくは代理店に宛

て信用状を一括で発行し︑そしてそれを夫々製造業者やサプライヤーに譲渡するのである︒このようにして買主は

自己の手数や費用を軽減することが出来るのである︒これは他面よりみれば︑自己の支店や代理店の商権確保並び

に強化を行うものであり︑また彼等のために船積書類作成上の煩瑣の軽減をも行うものである︒昭和二十五・六年

に蘭商や英商が対インドネシヤ貿易において︑在日支店または代理店を用いて大いに活躍したのはこれを如実に物

最後に︑これと関連するが︑売買契約成立前に輸出地の自己の支店または代理店に宛てこの信用状を発行してお

き︑これに基いて製造業者やサプライヤーと有利に商談を進め︑売買契約を有利に且つ容易に成立せしめ︑契約成

立すれば漸次それを譲渡していくのである︒昭和二十七・八年頃に︑対︒^キスクン・マレー等の貿易において︑来

日の外商が行った例はこれを物語るものであり︑また前述の対インドネシヤ貿易においても︑この信用状がこの目 譲渡可能信用状について

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