四 三 二 一一
ブ ラ ッ ク ・ ア フ リ カ 諸 国 に お け る
文 書 館 と ア 1 号 ヴ ィ ス ト 養 成 課 程
安揮秀一
日H吹はじめに「記録・文事管理促進企画
R A M p
Lケニヤ国立文事餅の運営ダカール大学アIキヴィスト養成課程
ガーナ大学7‑キヴィスト喪成耽程 五
R A M p
における記録管理・文姦淫営視程教科目編成の 指 導 要
領六
おわりに‑日本の史料保存利用施設付録‑欧米の文寄付学教科番目次仮訳
‑
主要参考文献リストはじめに
昭和56年
6
月のある夕べ'タンザニアのダルエスサラ
ー
ム大学準教授カイジャー
ゲ博士を私宅に招いて'そ(1)
の日の研究会での彼の報告をねぎらい乍らの忽談を交していた際'ふと前年の9月に出席したロンドンでの文書 (2)館国際会議における報告集のうちから'・ケニヤ国立文吉(3)館カゴンベ博士の「口東歴史と文雷館」を、カイジャ
ー
ゲ氏に示した。イギリス・ウォ
ー
リッグ大学で学位を得たカイジャ
ー
ゲ氏はおだやかにクイーンズイングリッシプラ,ク・アフリカ諸国における文昏虎と7‑キヴィスト養成課程(安浮)
史料館研究紀要第一五号
ユで語る人であったがtとたんに他のアフリカ諸国から
の報告はあったか'タンザニア国立文書館から出席して
いたか、とかな‑改まった調子で問い返してきた。ア7
リか諸罫の政治事情にうとい私は‑,それでも,プラヴ(4)グ・アフリカからの出席者がかなりいたことを答えた。
それにしてもカイジャーゲ氏がタンザニアの文書館がケ
ニヤのそれに劣らないことを力説したことが思い出され
る。彼の口調の中に'隣国ケニヤのア‑キヴィスtに国
際会議でスポッ‑アイJ・が当てられたことに対する1種
の愛国的弁護を感じたものである。
その同じ国際会議でザンビアのビジネスア‑キヴィス
Itムーア氏の「文書館とは文化的記倍の源泉であ‑〜 二(5)地域社会や国家の自己認識の形態なのである」という意
味付けを聞いたが'■また昭和57年8月のハンガリーにお(6)ける「経済史国際会議ア夕べス‑」において、「歴史研(‑)究における地方史の役割」というセッションでの討論の
際'ブタ'(ス・1大学アーキヴィス‑養成課程の教授の'
戦後における地方文書館の設立と地方史研究の相互補強
関係の中で'地域社会にかんする歴史研究が盛んに行わ
れているという重言をうけて、別のハンガリーの歴史家
が、地域社会の歴史研究こそ民族と国家の独立への願い
を育てていくのだと述べ、地方文書館の役割を強調し七
ことを考えあわせると'そこに存在証明への強い意識が
共通して浮び上ってくるように思えてくるのである。
文書館国際評議会(ntem
ati on al C o um cit m A rc h iv
esICAが'その特別総会を一九六六年ワシン‑ンで開催した時・多くの議題の中で第三世界における文書讐向上発展を促進させることについて,決議が行われ矩)この決議
に応じて企画が練られることにな‑'その中で一九六七
‑
七〇
年にかけて'アフリカでの状況について調査研究が行われた。その結果'使用言語地域に応じて'それまでの部内研修による養成にかえ'近代的な高い質のア‑キヴィス
Iを養成するための'地域教育センターを設置する方針が立てられた。
まず7九七1年に'フランス語圏での国々のためのア‑キヴィス‑養成課程がセネガルのダカール大学に設置され(9)ることとなった。また一九七二年五月にケニヤの首都ナイロビで開かれた
I C A
の東部・中央アフリカ地域支部会議において'ガーナ国立文書館の協力を得て'英語圏の国々のためにガーナの首都アグラにあるダカール大学にア‑キ
ヴTス‑養成課程を設置することとし、1九七五年に発足した。
右の二つの地域センターについてはそれぞれ節を改めて紹介することとするが'何れの場合にもその企画が実現す
るについては、ユネスコからの財政援助による所が大きかったようである。ちなみにガーナ大学の場合は沢迫専門家
人傭費も含めて'六七万ドルを超える額となっている。これはほじ391有半で完成する予定が'六年九ケ月に延びた
ことにもよる。
ユネスコからの援助は、バリ本部の1部門「情報総合計画G
en& al Info m at
ionPzD g r am me P G I
」の活動によるものである。「情報総合計画」はその事業、特に発展途上国に
お
けるそれ
を発展させる た め の
特別委員会を一九七九年に設置した。これが「記録・文書管理促進企画theDevetopmentofa
Rec ord
sandAmhiv es
Mznagem en
t(10 ) P ro gT m e R A M p
」であ‑'委員会メンバーの指名にはI C
Aとの連携によるところが大きい。この委員会には非
政
府機 関
のオブザーバーも加わっている。以下'節をわけて'発展途上国における文書館活動に貢献しようとしている「記録・文苔管理促進企画
R A M p
」の基本的な考え方や'ア‑キヴィス‑養成課程の運営についてt
R A M p
の報告告に即して、出来るだけ忠実に紹介することとしよう。
此の論稿を起草するに当っては'文畜館国際会議ロンドン1九八
〇
年において知遇を得、その後tp G I
とR A
ブラック・アフリカ諸国における文召館と7‑キヴィスト養成課程(安浮)三
史料館研究紀要第一五号四
Mp関係の文献をつぎつぎと送ってくれる、ユネスコ本部pGI企画専門官71アングB土ヴァンズ博士の御好意
によるものであることを記して'謝意を表するものである。RAMpの事業が、ユネスコ加盟国に'また各国文
書館関係者に'ほとんど知られていないことを嘆‑ユダァンズ氏に'ー少しでも酬いることができれば幸いであ
る。なおエヴァンズ氏は昭和58年7月17‑31日の二週間'日本における文書館活動の状況視察のために来日され
ることになっている。(視察の成果については、安浮秀1rftネスコ本部文喜館専門官ユダ丁ソズ博士を案内して」史料館報39号
昭和58年9月をみられたい)
汰(1)社会経済史学会関東部会研究会昭和56年6月好日′.「タンザニア農民の貸労働者化に対すろ抵抗1九三〇‑一九五六年」(2)宍thtntematio
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(3)" O ral H i st0 6, an d A rch iv es" by D r. M .K ag on be
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(4)第 九 回
文書 館 国 際 会 議 I C
Aロ ン
ド・) 1
九八〇
参加者の国別勤務先別分布については、安津秀1r二
つの国際会議に出席して」史料館報34号昭和56年3月をみられたい。(LL,)fLTheEco no mi c
Exptoit atio n o
fArch iv es" by J. W .
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Ltd.N do ta. rZ am bia (
前ロー デ シ ア 国 立 文
毒ア‑キヴィス上 、 な お 安 浮
秀一「第九回文書館国際会議での諸報告し史料館報35号昭和56年9月(6)18thZntehutionalEconomicHistoryCongressいBUDAPEST.)982(7)"TheRoteofPOQIHistoryinHistoricalResearch"
orgniNer:R.A.damson(St針khbLrh,sweden)。九人の
報 告 が あ っ た
。な お イ ギ リ ス .の 地
方史研究については'ジ'‑ン・サースク(安薄秀丁みね訳)「英国における地方史研究」地方史研究27‑3昭和52'ジェイムズ・サースク(安浮秀1・みね訳)「公共図番館と郷土資料童」‑地方史研究28Il昭和53㌧安津秀1・みねrイギリスの 地 方 史 研 究 手 引 書 」 地 方 史 研 究 26 ‑
5昭和51、安滞秀 一 ・ み ね 「地 方 の 市 場 町 I 南 イ ン グ ラ
ンド」地方史.I研 究 26 1 6 昭 和 51 ' 安 滞 秀 1 「イ ギ リ ス の 地
方文事館:,と ア
ーキヴィスト養成制度」地方史研究301 2
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,1982FinalReport" PG T8 2[R j
MPJltl一1記録・文書管理促進企画RAMpJ
「記録・文書管理促進企画RAMp」設置の目的は発展途上国だけを対象とするのではな‑'広く基本的情報資源
としての記録・文書の価値と利用について,他の情報資源とも関連させながら・関心と理解を作り出すことを奨励
し・かつ援助するLと・またユネスコの加盟国における基本的情報資源の効率的な静用のため忙・記録管理および文(ll)書保存のシステムと利用サ
ー
ヴィスを組織Lt向上させようとすることにある。、これに応じて'たとえば「文書館運営と記録管理へのUNISIST指導要領とISO国際標準の適用可能性にか(1).IんするRAMP研究」という報告が
あ る ・
jNI.SIS→とはIntelgOlemmentalPIOgrarnmefor富軒ationintheFitetdofScientincSdTechnotogiCal(nfor
m
ation「科学・技術情報分野における共同作菜のための政府間企画」の略語である。1SOとはlnttmationalOT
gan i za
tionfor'sta
nderdizatim「標準化国際機構」の略語である。いわゆる.IIS規格はISOとの整合性を求めら
れ
ているのであか
・'此の報告はlLjAの協力のもとにRAMpからの委嘱町もとづいて,アメリカ合衆国メリィ.ランド州ランナムにあるローズ国際協会々長ローズ氏が執蟹している。ローズ氏
はかなり6面で標準化の適用が可能であるこ.とを述べながら'しかも適用しかねるところのあることを具体的に指摘
し、文書館特有の課題のあることを論じている。この報告については'これ以上'ここで言及しないが、相似たよう
プラ.ツタ・アフリカ諸国における文昏虎とア‑キグィスト養成課程(安浮)五
史料館研究紀要第一五号
六
に見える分野との関係についてへその異同を明示した文献として重要である。
RAMpを統括するPGIは情報センター・文書館・図書館を包括的に扱っているもののtRAMpという特別委
員会を設定したことによって、情報センター・図書館と切離して文書館問題を議論する必要を認めたことになる。・lんL}AlきてRAMpはその発足に際し、
Rec or
ds記録とRR 6R
JdsMan ag
em en t
記録管理tArchives文書とAmhives・・̲んz>上Administratio
n 文
書館運営i)いう言葉の定義を行っている。ー
定義を行
った1九七九年五月のRAMp専門家会合についての報告書そのものを入手していないあで一定義の文章は1九八二年六月の第二回専門家会合報告書に附録とされ
て
いる要約に依拠するが'細かい所でM・クックの引用と若干違いがみられる。後者で補いながら、つぎに掲げてみ(13)よ^つ。.Recqds記録とは、法的義務忙従って'もしくは業務執行に際して'政府機関・公共施設・組絞あるいは個人に
よってへ形状や媒体の如何を問わず、作成され、受領され、もし‑は保管される全ての記銀きれた情報のこと
Re
cw
dsManagement記録管理とは、記録の作成・保管と利用・預託について、総合的な管理運営のために節約と
効率に貢献することにかかわる領域のこと一ん]>AIArch ive s
文書とは'公共施設や組織において(現行業務の遂行に際Ltもはや必要でなくなった‑、利用されること
が
なくなったけれども)'その恒久的価値の故に保存される全ての非現行記録のことdん♭.̲文
書とは'選択もしくは選択抜きで'それらの作成に責任を持つ者により、あるいは職務上それを利用した後任一んJ).̲lん2>A]者により'またはそれ自身の文書価値の故に'適切な文書館当局者によって'恒久的に保存されることとなった非現行記録のこと