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みかん農家を守っていくために

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Academic year: 2021

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(1)

みかん農家を守っていくために

〜3年3組r冬はこたっでみかんは、もう昔のこと?Jの実践におけるBさんの学び〜

青田 明生

(とらえ)

○毎日の日記や社会科の調査活動

子どもたちは、実際のところはどうなっているの だろうと、新開記事を切り抜いたり家族に開いたり

して、自分で事実を確かめることを大切にしてきた。

○社会科『浅間通り商店街にお客を取り戻すには』

浅間通り商店街にあるパン屋に客が集まる理由を 調査した子どもたちは、自ら質のよい材料を探し続 ける主人により生み出された「本物のパン」に、客 I潤を寄せているのだと意味づけた。

1

自ら本物(確かな事実や手応え)を求めていく子 どもたち

(貴い)

本物を自ら求めていこうとする気持ちを強めてほ

しい。

(教材化に込める願い)

(集材の魅力・儀儀)

○みかんの消費減少

消費の選択肢が多陸IbL、みかんの消費量は減少 した。みかんの消費が多かった時代の様子を知り驚 きを感じた子どもは、消費量が減少した理由を自分 の生活と照らし合わせて考える。

○生産者や行政の努力

糖度が高く多様な味のみかんを作ろうとする生産 者や行政の努力により、消費量は横I乳ヽ傾向にある。

子どもは、実際にみかんを食べ生産者の努力にふれ ることで、消費の減少がなぜ止まったのかについて 考える。

(教材の本責)

消費者として安全でおいしい物を求めながらも、

安くて手軽な物も求めていること

教材名 l冬は こたつでみかんは、もう曹の こと?J

・どうしてみかんの消費量は減ったのだろう

し・国産のみかんにはどんな種類があるのかな・どうしてみかんの消費量は減ったのだろう  」

(椚査1) Wさんのみかん農園と選果場を見学し、みかんの作り方や出荷の仕方を知る

「 ̄:寵妾盲でJこねillと育ちご主 ̄すテ哀痛ゐ右前扇●あミすぎ右左斉 ̄ ̄…… ̄ ̄ ̄ ̄……‖……… ̄

l

t▲ 1■  ヽ  __− JL 一−  ■  t▲1し −●  t   ヽ  JL JL▲_ t_ ■■ヽ .■L J■ J _ 一■ ⊥■_    JL  一一_ _」し._▲_

‥ ̄■ヽ

l l

し・どうして今の人はみかんを昔より食べなくなったのかな      」

(憫査2) みかんの消費量が減少した理由について、家族や街の人に開く

「こ高由あ東商奉養吏享病転富∴哀訴砧編三も盲Cこt摘嘉頓首を ̄…… ̄ ̄

‥‖…… ̄‥ ̄日日‥ ̄ ̄■ヽ

1 1

(2)

3年3線r冬はこたつでみかんは、もう昔のこと?j 追究のあらまし

【全体の追究】       【Bさんの追究】

<静岡産の極早生みかんを食べてみよう> −…‥一一一1【ノート】

▲ − ■ 一 一 一 ■■ 一 一 一 一 ● − ● −■ ■■ ● ● ● ■ ● ■ ■ ■■ ■ ● ● − ● −● − ■ − ■ ■ ■ − ■ ■ ■ 一 一 ■ 一 一 ■ − ■ ● ■ ● ● 一■ ● ■■ − ■ − −

;・皮が緑色で食べられないと思ったけどおいしかった :

!一・一一…−………−「………‥−…………」

●・みかんより他の果物を多く食べている

② <日本のみかんの生産量が昔より落ちたんだよ>

・一一一………」……蘭著稚㌻…了

:・みかんを昔より食べなくなった?

;・温暖化でみかんがとれなくなった?

・一・……‥−………丁一一一………一一………プ

③⑥  <どうしてみかんの生産が減ったのかな?> ′

川…‥−……‥……一一一一一」…‥一一…−…一一…「

;【Wさんのみかん農園と選果場の見学】

:・おいしいみかんを作るのはとても大変で有り難い  :

;・農家の仕事は大変なので若い人が避けてしまうんだ :

;・昔よりみかんを食べなくなったと言うけど、私はみかん:

:を食べているよ

l_●__■●■●■■一一一一一一一一

⑤⑥⑦ 本当に昔より みかんを食べなくなったのか?

;【家族や街の人に研査】

…・今は昔と比べてみかん以外にも外国の果物やお菓子があ:

;るので、みかんだけを食べてはいない     ;

:・みんながみかんを食べないと、みかんの生産はますます;

:落ちていってしまう

l●__●__________________●_____

l l

●●■ 一 一一 ■ ■● − ■ 一 一 _ __ _ ____ __ __ __ _ _ J

これからどうなっていくか?

(本時)

【減る】

− − − − − − − − − − − − − −      − ■− ■■ − − − − − − ■● − − − − − ●

:;【横ばい、増え

…霊芝芸妄よ諾芸孟き臣恵霊喜怒ごとみか…

:人がいなV

l■■●___●_●____

l l

ヽ      l l_______●_____J l____●●_______.

・・んは安心し て食二三を処垂

甘みが強く、普通の:

l

了*/みんなみかんを倉べたいと眉っ ているぼす1だ/と者点る炭ぼ、Irき ん虎ちみかん農家の伊るみかんぼお いしい食虜を求める多くの人の那符 に応点ていると孝虐虎のガと′厨っ 虎。忍ば、離増井者のみかん磨れ につい手許蒼することで、みかんを 守るために何ができるのれ 多摩御 身鹿超をあとに考慮をj努めていくこ

とができると孝雇え

  I

【ノ ー ト】昔 の 人 は 、 1 人 で 8 個 く らい 食 べ て い た こ と に 驚 い た 。

イ が 、 み  み か ん が  序 青 息 な _ な 2 て い る の で は な い か

*みかん慮れば草炭カで邑虐きてい

る去穿細ってちな叔 炭ぼ錐者 不:居や柳を腰にした。淵鼻声

のみかん磨れについで8号点をあっ ているぼす1だと考慮虎忍ば、その考 点を」好いてみたいせ′厨っ虎

l

、、耳みかんは絶対増える。新しい種類 を見つけたりすればいいんじゃな いのかな」

l l

_J    ′

<Wさんが作った早生みかんを食べて考えてみよう> ′′

…−………=…−」……‥一一………−………1

;・極早生みかんとは違った味でおいしい

Wさんが作ったみかんは安心して食べることができる:

試食したら、みんな買ってくれると思う     : みかんを食べることは、Wさんたちみかん農家を応壊す;

ることになる       : やっぱり手間暇かけて作られたものはおいしい。みかん:

l

:を守るためにも食べていきたい      :

●■■●●一 一 一一 一 一 一 一 一一 一一一一一一 一一 一 一一 一 一一一■一一■ ● ●● ● ■一 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ● 一 一 一 ■● ■ ■− ●一 ■ 一 一 ■−

 ̄▼▼HMH ̄ ̄ ̄… ̄ ̄ ̄…‖…1………‥ ̄ ̄ ̄………

⑳      <Wさんに手紙を書こう>・−____.

・安全でおい しいみかんを作るのは大変だ と思 うけ ど、み かんを待 ってい る私たちのためにがんばってほ しい

・農家の大変 さを知 ることで、みかんがよ りおい しく感 じ られ るようになった

・安全でおい しい 日本のみかんを守 るために、 日本のみか んを選 んで買っていきたい

  l

「 もう みかん の 値段はどう でも い いと 思う 。   か んは 、 いし い だ から ⊥ _

*みかんのおいしき細ってあら虐 ば 淵欝青ば紺に劇併せくみかん

紺ってくれるぼガだという局持ち メ凄く冴え二者言であると居った。そ こにぼ、Ⅳきんが伊った崖声量みか ん・早塵みかんを倉べ丁、その廉に 惹かれた身分β身やクタスの友者の 摩甚ガミ大きく彪蓼しているのガと 考えあ

1

− ̄ ̄ナ【手紙】ぼくはおいしいみかんが:

:大好物です。温州みかん以外のみ:

:かんを作ってみるのもおもしろい:

;かもね         :

*脚を慶肴ナ石炭のカでぼ、手

鼻を多摩静にとら点ること僻

を月つけていくことができるという

気持ちの励まクがあると孝点る。

(3)

1.Bさんへの願い

彼は、事実を多面的にとらえ解決策を見つけていこうとする。社会科『浅間通り商店街にお客を取り 戻すには?』の学習で彼は、安全な国産の材料にこだわる浅間通り商店街のパン屋の商品は本物の味と して魅力があるものの、商店街で買い物をする時の不便さから客足が遠のいてしまうことを問題にした。

彼は客足を伸ばすショッピングセンターのよさについて、「駐車場がたくさんある」「一度にさまざまな 商品を買い物できる」利便性、「商店街のように道路を渡ったり行き交う自転車を気にしたりすること

なく買い物できる」安全性があると考えた。

こうした利便性や安全性の向上を現状の商店街でやろうと思ってもすぐにはできないことから、彼は、

本物の味を他の場所でも売り出し味わってもらうという工夫を考えた。本物の味のファンが増えること で、不便さがともなう商店街に足を運ぶ人が増えるはずだと考えたのである。商店街にお客を取り戻す 解決策をノートに書き記した彼に私は、蓄えてきた事実を多面的にとらえたからこその手応えを感じて いるのだと思った。

そんな彼に私は、本教材『冬はこたっでみかんは、もう昔のこと?』を出会わせたいと思った。本教 材に出会った彼は、みかん農家Wさんの作るこだわりのみかんに信頼を寄せるものの、菓子や他の果物 など甘い物の選択肢が増えたことで、こだわりのみかんでさえも苦戦している事実に不安を覚える。こ のままこだわりのみかんをなくしてしまっていいのかと自身に問いかける彼は、品種改良の末に生み出 された「極早生」「早生」「清見」「ぽんかん」などの認知度が低いことを問題視し、消費者に知っても らう方法を考えていくだろう。そんな彼の心の中では、事実を多面的にとらえることで解決策を見っけ ていくことができるという気持ちの強まりがあるはずだと考えた。

2.みかんを作るのは大変だ

第1時、静岡市内のみかん農家Wさんが作った極早生みかんを食べたBさんは、そのおいしさに感 激し、「甘みが強く、普通のみかんよりおいしい」と感想を記した。感想を出し合う中で、彼は冬に食 べる温州みかんを「普通のみかん」と表現し、「みかんは冬に食べるよね」「青みかん(極早生みかん)

は普通のみかんよりも小さい」と、極早生みかんと普通のみかんとの違いを語った。「みかんは皮がオ レンジ色で冬に食べるもの」というこれまでのイメージを覆す極早生みかんと出会い、彼は「みかん」

に対して関心を高めていることを感じた。

日本のみかんの生産量は減少を続けてきたという事実に 出会った彼は、消費者のみかん離れを原因と考える友達が いる中で、「(地球温暖化で)みかんが育たなくなってきて いる」と考えた。こんなにおいしいみかんが売れないはず がないという気持ちから、彼は消費者の意識とは別のとこ ろに生産量が減少した要因があると考えていた。

みかんのおいしさに惹かれている彼は、Wさんのみかん 農園を見学すると「みかんを作るのに1年もかかるから、

みかんを作るのは大変だと思った」と感想を記した。Wさ

んの工夫や努力が、第1時に自分が食べた極早生みかんの 【みかん農園の見学】

おいしさにつながっていると彼は考えていた。そんな彼も、Wさんから聞いた話や資料から、国内産及

び輸入品を含めてみかん以外の果物が増えてきた事実に注目する。消費者の視点からみかん以外にも甘

いものの選択肢が増えたことを知った彼は、それでもなおみかんの生産量が減少した理由について意見

(4)

を出し合った時、生産者側に視点をあて次のように語っていった。

「み か ん を本 当 は食 べ たい けれ ど、作 られ る量 が 少 な い」

工夫や努力を重ねた先に生み出されたみかんは、おいしい食品を求める消費者の期待に応えていると 考える彼は、おいしいみかんを作ってくれるみかん農家が減少していることを問題にしていた。Wさん と出会い、みかん農家の仕事の大変さを実感した彼は、仕事の大変さから農家が減少しておいしいみか んが食べられなくなるかもしれないという不安を感じていると思った。

こうしたみかん農家の減少には、消費者のみかん離れに伴う収入の落ち込みが関係している。私は、

事実を多面的に分析していく彼ならば、みかんの生産量が落ちた事実について消費者と生産者の両面か ら複合的にとらえることができるはずだと考えた。私は、消費者のみかん離れについて彼が調査するこ とで、みかんを取り巻く現状への認識が深まり、みかん農家を守るために何ができるのかについて、多 面的な根拠をもとに考えを深めていくことができると考えた。

3.味の違うみかんを作っていけばいい

家庭での調査で彼は、「お父さんはみかんを手が黄色になるまで食べていた」「お母さんが小学生の時、

みかん景気と言って、人を雇ってまでみかん狩りをやっていた」などの事実をっか木だ。

調査したことを出し合うと、彼は「お父さんの家のまわりは住宅地なんだけど、昔はみかん畑だった。

それだけ、たくさんみかんを作っていたんだと思う」と発言した。友達からも、昔は甘い物と言えばみ かんしかなく、今よりもたくさんみかんを食べていたという事実が出される中で、彼は感想に次のよう なことを記した。

【ノ ー ト】 昔 の 人 は、 1 人 で 8 個 く らい 食 べ て い た こ と に 驚 い た 。 温 暖 化 が 進 み 、 み か ん が 順 序 よ く 育 た な くな っ て い る の で は な い か

「驚いた」という言葉には、昔と今とを比べた時の彼の素直な気持ちがある。彼は昔と比べ、今は消 費者のみかん離れが進んだことを知った上で、地球温暖化を問題にしていた。みかん農園の見学をした 時、Wさんは地球温暖化により、みかんの皮がぶかぶかうき始めていることと、今後さらに温暖化が 進めば、静岡はみかんの産地として適さない場所になる可能性があることをお話された。みかんの消費 を伸ばしていくことは、みんなでみかんを食べていけば可能となる。しかし、地球温暖化は簡単にはと められるものではない。彼は、温暖化により近年中においしいみかんが育たなくなるかもしれないこと がどうしても気になってしまうのだと思った。

ただ私は、彼が生産者を支える消費者のみかん離れの事実を知ったにもかかわらず、なぜ問題にしな いのだろうかと思っていた。私は、みかんが大好きな彼は、消費者としての自分がみかん離れしていな いことから、消費者の問題よりも生産者の減少や地球温暖化の問題の方を、より切実な問題としてとら えていたのではないかと思った。しかし、事実を多面的にとらえていく彼ならば、消費者のみかん離れ についても、何かしらの考えをもっているはずだと考えた私は、その点について聞いてみたいと思った。

彼は、「日本のみかんの生産量は、これからどうなっていくか?」について、次のように記した。

【ノー ト】  日本 の みか ん は多 分増 えて い くと思 う。 も っと作 ってみ ん なが 買 え る商 品 にす る。 み か ん の 味 を知 らせ て増 や して い く。 温 暖化 が とて も気 に な る

「みかんの味を知らせて増やしていく」というところに、私は消費者のみかん離れを食い止めるため

(5)

の対策がにじみ出ていると感じた。彼が絶対の信頼をよせるみかんを消費者に味わってもらえれば、きっ とみかんのファンになってくれるに遵いないという期待がそこに込められている。私は、「みかんの味 を知らせて増やしていく」というところに込めた彼の思いをじっくりと語らせたいと思った。

「日本のみかんの生産量はこれからどうなっていくか?」について意見を出し合うと、彼は次のよう に語った。

「み か ん は絶 対 増 え る。 今 は な ぜ こ ん な に 減 って い る か と い う と、 九 州 とか で み か ん 以 外 の 物 を 作 り 始 め て 、 み か ん よ りお い しい ん だ よ。 だ か ら新 しい 種 類 を 見 っ け た りす れ ば い い ん じ ゃ な い の か な 」

「九州とかでみかん以外の物を作り始めて」という所は、みかん農園の見学の時にWさんがお話しさ れた事実である。九州地方では「いよかん」など新しい品種のみかんの生産に力を入れ、消費者のニー ズに応えていることを思い返した彼は、静岡のみかん農家が生き残っていくための方策として「新しい 種類を見っける」ことを提案したのだと思った。私は「新しい種類」とは具体的に何を表すのかをはっ きりさせるため、「新しい種類というのは、今のみかんに加えて新しい種類を見っけていくということ?」

と聞き返した。彼は領いた。友達はさらに「それはネーブルオレンジとか?」と聞き返した。彼は、

「そう。でも俺は外国のみかんは食べられないんだよね。味が違う」と答えていった。

新しい種類を見っけるためには、みかん農家の工夫や努 力が必要となる。Wさんと出会いみかん農家の工夫や努 力にふれた彼には、Wさんならば新しい種類を作ること も可能なはずであると期待を寄せているのだと思った。

第1時で出会った極早生みかんは、彼を含めたクラスの ほとんどの子にとって初めて出会う「新しい種類」だった。

そして自分を含めたクラスのほとんどの子がそのおいしさ に感激した。彼はそのことを思い返し、極早生みかん以外 にも「新しい種類」を増やし知らせることでみかんのファ

ンは増え、みかん農家を守っていくことができると考えた のだと思った。

【意見を出し合う子どもたち】

「新しい種類」を見っけることを提案する彼に、私はWさんの作った早生みかんを食べる機会を設定 した。冬の青島温州みかん一辺倒ではなく、時期をずらし、さまざまな味のみかんを提供しようと工夫 や努力を重ねている農家の姿勢を改めて思い返させ、「新しい種類」を見っけることを提案する彼の思 いを後押ししたいという意図があった。早生みかんを食べた彼は、「僕は、やっぱり(みかんの生産量 は)増えると思う。出来たてのものはおいしいんだよ」と発言し、ノートに次のように感想を記した。

【ノー ト】  ぼ くはみ かん が これ か ら増 え て い くと思 い ます 。 な ぜ か とい う と、 極早 生 み かん と早生 みか ん の味 が 違 った し、 それ ぞ れ の味 を 商 店 な どに出 して、 み ん な に買 って ほ しい

極早生みかんとは味の異なる早生みかんを食べ、その味に感激した彼は、改めてWさんの工夫や努力の

成果を感じたのだろう。だからこそ、同じみかんの中でも味の選択肢を増やし、消費者に知らせること

で、みかんの消費が増えていくはずだという気持ちをより強めたのだと私は感じた。「味の選択肢」を

増やすという彼の提案は、消費の選択肢が増え、みかん離れが進んだ消費者と工夫や努力を重ねる生産

者という両面をとらえた上で、みかん農家を守っていくために彼が見出した解決策であるのだと私は考

えた。

(6)

4.値段ではなく味だ

早生みかんを食べ、その味は他の果物にも負けないおいしさがあることを感じた子どもたちであった が、お菓子など果物以外の消費の選択肢が増えた現実から、やはりみかんは苦戦をしていくのではない かと語る子もいた。「みかんは確かにおいしいけれど、やっぱりお菓子や他の食べ物も食べたい」と語 る友達に、彼は「工場で作っている食べ物は何となくうまくないね。みかんは外で作っているからこそ、

うまいんだ」と反論した。みかんのおいしさは、工場で作られる人工のものとは違い、自然環境が生み 出しているものであることを彼は訴えた。工場内の人工的に整えられた環境とは違い、自然を相手にし ているみかん農家は、大変な苦労を重ねており、だからこそ、農家の愛情がこもったおいしいみかんが できると彼は考えたのではないかと思った。

また、消費の選択基準の1つとなる値段について、「他の果物やお菓子に比べて値段が高かったら買っ てもらえない」という友達の意見に対しても、彼は次のように反論した。

「もうみか ん の値段 は ど うで もい い と思 う。 みか ん はお い しいん だ か ら」

みかんのおいしさを知ってもらえば、消費者は値段に関係なくみかんを買ってくれるはずだ。そんな 気持ちが強く出た発言であり、そこには、Wさんが作った極早生みかん・早生みかんを食べその味に 惹かれ、その奥にあるWさんの工夫や努力を感じた自分自身やクラスの友達の存在が大きく影響してい るのだと私は考えた。自分たちがこれだけ惹かれた味ならば、他の消費者もきっとみかんのファンになっ てくれるはずだと確信している彼を私は感じた。

最終時、Wさんへの手紙に彼は次のように記した。

【手紙 】  ぼ くはお い しいみ かん が 大好 物 で す。 他 の果 物 に負 け な い よ うにね。 温州 み か ん以 外 の み か ん を作 って み るの もお も しろいか もね。 生産 量 も高 くして 、 も っ と東北 、 北 海道 、 それ以 外 の外 国 に も輸 出 して 食べ て は しいで す

「温州みかん以外のみかんを作る」というところは、みかんを取り巻く現状について、生産者・消費

者・自然環境の変化という視点から多面的にとらえた上で、みかん農家を守るために彼が見出した解決

策であると思った。解決策を提案する彼の心の中では、事実を多面的にとらえることで解決策を見っけ

ていくことができるという気持ちの強まりがあると私は考えている。

参照

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