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街角の環境学 -パ リの路上に見る環境問題 -

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(1)

長崎大学総合環 境研 究 7 1 pp.1‑12 2005 1

街角の環境学 ‑パ リの路上に見る環境問題 ‑

正本

Sc i e nc e se nv i r o nne me nt a l e sdel ar ue: Apr o posdeque l que spr o bl 主 me s e nv i r onne me nt a uxr e nc o nt r 6 sda nsl e sr ue spa r is i e nne s

Shi no buMASAMOTO

R6sum6

NousavonsenvisageicideuxproblgmesenvironnementauxurbainsqulSOntPrOChesdelaviedesParisiens:les d6jectionscaninesetlesd6chetsabandonnessurlavoiepublique.

Parisestconnupourlabeaut6desonpatrimoinehistorlque,maisausslpourlasalet6desesrues.Bienquelamairiede ParisfassedeseffortspourrendrelacapitalepropreetquelaplupartdesParisiensconsid6rentlescrottesdechiencomme unedesraisonslespluss6rieuesesqulmenaCentlaqualit6deleurvie,lestrottoirsparisienssontcouvertsded6jections caninesetdedetritus,Corrmeparexempledesmegotsdecigarette.Aprsavoirexamine1ar6alit6delapoHutiondelavoie publiquecaus6eparleschiensetleshommesaumoyendequelquesdonn6esetdemosexpenencesetobservationspropres, nousavonsanalyse1esraisonsdelapollutiondupointdevuedumodedeviefraneais,delanotiondelaproprete,etc.Ilen d6couleque1insensibilitedesFran9al

Sa

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6a

cescausesetqu'ilestdeplusenplusquestiondelapollutiondesespaces publicsauJapon.

は じめ に

うま

パ リは美 しい街 で あ る。 「美 し国 フ ランス」 の首 都 はそ こを訪れ る多 くの旅人 の心 をつかみ、 またひ とたびそ こに住 めば、 人はそ の魅 力の呪縛か ら容 易 には逃 れ られ な い (1)。 そ の美 しさを賞賛 した芸術 家 は数限 りな い。

確 か に、視線 を高 く保 ちつつ街 を歩 けば、 この街 のシル エ ッ トは素晴 らしく美 しい。歴史 の積 み重ね、

す なわ ち人 々の生 の営 みの積 み重ね こそ が街 の顔 を 作 ることを、この街は散策者 に思い出させて くれる(2)

受付年 月 日 2004(平成16) 630 受理年 月 日 2004(平成16)10 8

‑1‑

街並 みの景観 を台無 しにす る電柱や電線 はな く、夜 の散策者 の 目を射 る派手 なネオ ンライ トも 日本 の大 都市 に比 して極 めて少な い。

しか し、 ひ とたび視線 を落 とす と、パ リは恐 ろ し く汚 い街 で もある。街 中 ゴミだ らけだ し、今やパ リ の代 名詞 ともな って しまった犬 の糞で、舗道 は汚 さ れて いる。消す 人 を持 た ない多 くの壁 が落書 きで 冒 されて いる。喫煙者が多 く、車が あふれ る この街 の 路上では、新緑 の時期 にな って さえ、我 々の鼻腔 を 刺激す るのは、木 々のす がす が しい香 りで も花 々の 香 りで もな く、タバ コの煙 で あ り、排気 ガス であ り, そ して何 よ り犬や 人の糞尿 の臭 いなのだ。

パ リで は毎 日3000トン (住 民一 人 あ た り14キ

総合環境研究 7 1

(2)

ロに相 当)の家庭ゴミが排出される。子 どもの背丈 ほどの緑色のゴミ容器225000個 を介 して出され るこれ らのゴミは、 メ‑デ丁を除 く毎 日、370台の ゴミ回収車 によって収集 されている。舗道 には短い 間隔で18000のゴミ袋が設置 され、頻繁に取 り替え られている (毎 日1‑ 6回)(3)。 また、後 に見 るよ うに、パ リの住民のおよそ 9割は犬の糞 を都市生活 の質 を脅かす重要な要因と考えている。それにもか かわ らず、パ リは犬 の糞 とゴミであふれている。な ぜだろうか。

筆者は2002年秋か ら2003年夏 にかけて10ケ月 間パ リに暮 らす機会 を得た。 この間、フランスのメ ディアを騒がせた環境関連のニュース といえば、タ ンカーの難破 ・沈没による海洋汚染 (20031月)、

雪害 (同年1月)、 日照 り、干魅、山火事 (同年7 8月)、猛暑 とそれ による大量死 (同年8月)(4)な どがあった。しか し、我々の周 りにはその他 にも様々 な環境問題が ころがっている。確かに、それ らは し ば しば、メディアが取 り上げるような環境問題よ り も些細なものであるか もしれない。だが、市民の生 活によ り密着 した環境問題 も、国家規模あるいは世 界規模の環境問題 に劣 らず重要である。なぜな ら、

日常的で身近であるがゆえに、我々はそのような環 境問題の被害を直接的に受け得るし、そのような問 題 を自ら引き起 こし得るし、 また個人の努力によっ てそのような問題 にす ぐに対処することが可能だか らである。そ して何 よ り、身近な生活環境の諸問題 に対す る感受性 こそが各人の環境意識、環境観 の ベース となるか らである(5)0

本稿は、 このような考えか ら、パ リの街 を路上観 察者 として歩き、少 し注意すれば誰 もが気付 くよう な、 とりわけパ リの市民生活 に密着 した 2つの環境 問題、すなわちパ リの舗道 を汚す犬 の糞 とゴミに関 する覚書である。

1 犬 による舗道の汚染

フランスには犬が多い。2000年の調査 によれば、

フランスには810万匹の犬がお り、28%の家庭で飼 われているという(6)。厚生労働省の統計資料 による 2001年度の 日本の犬の登録数は約594万匹だが、

フランスの人口が 日本のおよそ2分の 1であること を考 えると、その多 さが理解できよう(7)。実際、犬 はフランス人の生活 に完全に溶け込んでいて、犬の いる風景は全 く普通である。 日本 とは異な り、地下 鉄や国鉄の車両で犬の姿 を見るのは珍 しいことでは

ないし、レス トランでその姿を見かけることさえある。

さて、環境の面か ら犬 について問題 になるのは、

とりわけその糞尿の害である (8)。パ リには人 も多 く 住んでいるが (国立統計経済研究所(INSEE)による 1999年で約2125千人)、犬 も多 く住んでいる。

その数およそ20万匹。彼 らが毎 日10トンの糞を路 上に排出する (9)0

フランスの犬は飼 い主 と一緒 に家の中に住む。筆 者はフランスで未だかつて犬小屋を見たことがない(10).

人々は犬 に限 らず多 くのペ ッ トを一戸建て住宅 と同 様 に集合住宅で も飼 っている。天候 にかかわ らず彼 らは非常 によく犬 を散歩に連れ出すが、実は この時 が犬の トイ レ ・タイムである。犬はところ構わず糞 をし、マーキ ングの尿 をまき散 らす (ll)0

筆者は これまでのフランス滞在 中 (合わせて4 間ほ ど)、野良犬 を1度 も見た ことがないので(12) 殆 どの犬は飼 い主同伴だ と考え られる。つまり、飼 い主が どこで も犬の好 きなまま糞尿 をさせるのであ る。犬の散歩を注意深 く観察 していると、犬が糞尿 をする場所に飼 い主が何 らかの制限をしているとは とても思えない。実際、車道や歩道の別な く、アパー ト、店舗、幼稚園や小学校の出入 り口の前でも、公 園の芝生の中にも、植え込みの中にも、ひ どい時に は国際空港 の通路 にさえ、糞 をさせて いる。 また、

日本で見 られるように、飼 い主が糞の回収用の袋や スコップを手にして犬 を散歩 させる姿 も未だかつて 見た ことがない。その結果、パ リの街路 を彩 る街路 樹の根元は犬の糞やタバ コの吸い殻を中心 としたゴ

ミでいっぱいである。

糞 とともに悪臭のもとになるのが尿 によるマーキ ングで、建物の角、道路標識、ポス ト、車のタイヤ など、そ してそれ らに続 く路面は犬の尿でシミがで きている。犬 の数が多 いだけに、2400キ ロを超 え るパ リの舗道は毎 日、清掃夫 に掃かれているといっ て も、そのシミはその都度更新 されて、舗道のあち らこち らに不思議な模様 を作っている。公衆 トイ レ が極めて少ないフランスにおいてはさ らに、路上の 死角になる空間、例えば、奥 まった狭 い通 り、袋小 路、植え込みなどは人間の尿でも汚染されるので (13) パ リの路上は犬 と人の大きな便器 ともいえる悲惨な 状態にある。

勿論、人々は このような路上の 「糞害」 に対 して 無関心なわけではない。 1999年 3月、パ リの 日刊 紙 「パ リジャン」は、過半数の人が大気汚染、治安 の悪 さ、犬の糞、騒音、車の多 さをパ リの生活の質 を悪化 させる 「非常に重要な」要因と見な している

(3)

街角の環境学 ‑パ リ路上にみる環境問題 ‑

ことを明 らかにした (1参照)。舗道及び公的な 場所での犬の糞の害を58%の人が 「非常 に重要」と、

さらに29%が 「かな り重要」な要因と見な している。

ここで挙げた他の4つの要因と同様、 8割 を超える 人々が重要な要因と感 じているのである。

1 パ リの生活を悪化 させる要因

回答非常 に かな り 殆 ど重要 全 く重要

要因 要. ではな い ではない 大 気 汚 染 63% 27% 7% 3%

治安の悪さ 58% ̲24% 14% 3%

犬 の 糞 58% 、 29% 10% 3%

. 普 55% 30% 12% 3%

出典 :LeParisien,mars1999 (Sansdateprecise),citepar http://www.leputz.com/images/parisienO31299g.jpg(2003* 2Jn

もうーっ、最新のデ∵夕を挙げよう。パ リ市は通 りの清潔 さにつ いてパ リの住 民4000人 (各区200 名ずつ) を対象 に200348日か ら57日に かけて電話調査 を実施 した。その結果は市のホーム ペー ジに公表 されて いて (14)、 ここではその中か ら パ リの公道の汚染原因に関する住民の意識を見てみ よう(2参照)。項 目が同じではないので上述の「 リジャン」紙の調査 とそのまま比較することはでき ないが、パ リの道 を汚す原因として他 を大きく引き 離 して挙 げ られているのが犬 の糞で (70%)、犬 の 飼 い主 にとってさえ最 も問題視 されている (55%)

ことがわかる。

2 パ リの公道の汚染原因

2003 2002 の 糞 ( 全 . ) 70% 75%

糞 ( 飼 い 主 ) 55% 49%

16% 18%

地面 に散 らか って いる物全て 10% 11%

9% 14%

出典 :http://www.paris.fr/fr/environnement/proprete/barometre.asp (20046月)

この同 じ調査では犬の糞の放置者に対 して科せ ら れ る183ユー ロ (20046月末 の為替 レー トで約 24400円) の罰金に対する評価 も聞いていて、全体 85%が容認 してお り (2002年では83%)、犬 の 飼い主でも67% (2002年では58%)が肯定 している。

このよ うに、パ リの住民は 「糞害」 に対 して決 して 無関心なわけではな く、飼い主の意識 も改善されつ つあるようである。

また、行政側 も手をこまねいているわけではない。

‑3‑

パ リではモ トクロッ ト(motocrotte)と呼ばれ る糞回 収バイクが犬の落 とし物 を回収 している。バイクに 乗 り、吸引機 を背中に背負って、掃除機のような筒 を持 って ブンブンと舗道 を行 き来する様は、大きな ミツバチ を見 るよ うで面 白い。 しか し、 20016 月時点で約100台あったモ トクロッ トで も舗道 に落 とされ る糞 の40%しか回収できなかった というの 、20024月の駐車場火災以降時 25台のモ トク ロッ トしか稼働せず、回収可能な糞の20%しか回 収 して いな い とい う。 このため、パ リ市 は、 2004 年のモ トクロッ トの使用契約の終了を機 に新型機械 の導入を検討 している (15)0

その他、糞を入れる袋の無料配布や、舗道脇に犬 用 トイ レ(canisette,caninet)の設置 も試み られたが、

さ ほ ど効 果 は得 られ な か っ た よ うだ(16)。 また、

1999年には市内の映画館で30秒間のキ ャンペー ン 映画が上映されて話題 となった。テ レビのニュース で も紹介 されたその映像は、 目の不 自由な人が散歩 か ら帰宅 し白い杖を洋服掛けに掛けると、杖の先に は犬の糞がまるでソーセージのように串刺 しになっ ている とい うもので、 かな りシ ョッキ ングな もの だった。 しか し、筆者は 当時パ リに住 んでいたが、

筆者の目には この啓発映画の効果があった とは感 じ られなかった。

20013月に就任 したパ リ市長ベル トラン ・ド ラノエ(BertrandDELANO白)は糞の害を重要課題の 1つ として挙げた。 この社会党の市長は、都市の美 化 を担 当す る緑 の党 所 属 の助 役 イ ヴ ・コ ンタ ソ (Yvescontassot)とともに、汚染者負担 の原則 を掲 げて積極 的 に対策 に取 り組んだ。 20024月、市 長は 「公道 における犬の糞の回収義務 を制定する条 」 (Arr占t昌instituantuneobligationderamassagedes dejectionscaninesabandonnとessurlavoiepublique)を 発 し、 「犬 を連れている者すべてi.こ対 して、公道 および公園 ・緑地 に犬の糞 を放置することを改めて 禁 じた(17)

その後 の10ケ月間をパ リで生活 した者の感想 と しては、事態が好転 しているとはとても思えなかっ たが、データはパ リ市の政策 の効果 を示 している。

すなわち、前出の2003年の市の調査 によれば、犬 の飼 い主 の83%は飼 い犬 の糞 を回収す る といって いて、48%は以前よ り回収するようになった と答え ている。 さらに、 69%のパ リ住民は犬の飼 い主が糞 を回収す る ところを見 た ことがある と証言 して い る。犬の飼 い主の意識は改善されつつあるようであ (18)0

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また、パ リ市は違反者の摘発 も積極的に行 ってい る。2000年の2234件か ら摘発は年 々増加 し、2001 年 には3116件、2002年 には4328件、2003年 には 6056件 と右肩上が りに増えている(19)

2 人 による舗道の汚染

パ リの街路を覆 うゴミの種類 を観察すると、人は、

犬の糞の他に、タバ コの吸い殻が非常に多いことに 気 づ くだ ろう。地下鉄やRER (首都圏高速交通 (ReseauExpressRegional)の略。 パ リ中心部 で は地下 を走 り、郊外では地上を走る鉄道)の駅やバ ス停の周辺ではそれ らの乗 り物のチケ ッ トが多 く捨 て られ、定期市が立つ ところでは食べ物な どの商品 が多 く捨て られるといういわば局地的な汚染 もある が、タバ コの吸い殻 による汚染は全般的である。

フランスでは喫煙者が非常 に多 いよ うに感 じる。

しか し、データによれば、実は成人男性の喫煙率は 日本の方が圧倒的に高い(20)。それ にもかかわ らず、

フランスに喫煙者が多いように感 じるのは、第一 に 日本 に比 して女性や未成年者の喫煙が 目立つか らで あろう。実際、フランス女性の喫煙率 (27.0%)は、

日本女性 のそれ (13.4%) に比べてかな り高い(21)0 また、未成年者がタバ コを吸っている姿 も珍 しいも のではない。 1999年 の調査 によれ ば、 フランス人 の若者 (12‑ 25才) の36.7%が喫煙者 (時々喫煙 する者 も含む。少な くとも1日に 1本以上数吸 う常 時喫煙者は29.9%)で、性別で見 る と男性36.8%、

女性36.5%である。年齢層別の喫煙率をよ り細か く 見 る と、12‑ 14才 の8.5% (男 性5.3%、 女 性 ll.6%)、15‑ 19才 の40.9% (男 性38.2%、 女 性 44.0%)、20‑ 25才では47.6% (男性51.6%、女性 43.3%)がタバ コを吸っている。 日本 の未成年者 の 喫煙率調査 (2000年) は学年 ごとに行われて いて 上述のフランスの調査 とそのまま比較することはで きないが、例 えば、 日本 の高校1 (15‑ 16才) の喫煙率は男性24.2%、女性10.9%で、高校 3年 (17

‑ 18才)では男性36.9%、女性15.8%であるか ら、

10代 の若者 にあって も日仏 の喫煙 の差 を際立たせ て いるのは女性 の喫煙率の高 さといえる(22)。父親 に限 らず、幼い子 どもを連れた母親の喫煙 も多 く(23) 子 どもは幼い頃か ら紫煙 に親 しむ環境 にある。 さら に、フランスにあっては、他人の ことに干渉 しない、

他人の目を気 にしないという国民性や女性 ・子 ども に対する社会的規制の少なさが、女性や未成年者の 喫煙を日本以上に人目に触れやす くするのであろう。

第二 に、 フランスでは 日本はど喫煙者が冷遇 され ていない、あるいは時に優遇 されていることも喫煙 者が多 いというイメー ジにつながっている。 フラン スは、その他の南欧のラテン系の国と同様、喫煙者 に非常 に寛大 な国である (24)。 この寛大 さが端的 に 見 られるのは レス トランで、多 くのレス トランでは、

室内が狭いという理 由があるものの、禁煙席はない。

禁煙席がある レス トランで も、地下や店 の奥な ど、

外気 に触れる、よ り明るいテーブル を好むかの国で は人々によ り避け られ る場所 に設定 されていること が殆 どで、喫煙者の方 によ り良い席が割 り当て られ ている。 しかも、 しば しばテーブル間の間隔が狭い ので、人は周囲か ら押 し寄せ る紫煙 と絶え間ないお しゃべ りとに囲まれなが らお茶 をし、食事 をするこ とになる。実際、 ドアや窓が閉め切 られタバコの煙 が充満する冬のカフェの空気は最悪で、かな り広 い カフェでなければ、非喫煙者にはとて も耐え られな い。美食 とワイ ンで鳴る国のレス トランで、それ ら を台無 しにする紫煙が野放 しにされているのは不思 議な ことである (25)0

さらに、喫煙者のマナーの悪 さも考慮 に入れねば な らない。確かに,公共交通機関やデパー ト ・店舗 の中で の喫煙 は稀ではある。 しか し、 19911 制 定 の 「喫 煙 と飲 酒 対 策 法(LoiNo9132dulO JanVier199lrelative

a

laluttecontreletabagismeet Ialcoolisme)」 (時の保健大 臣の名を取 ってエヴァン 法 とも呼ばれる。同年11月か ら施行)(26)によって 公共空 間での喫煙 が禁止 された後で も、地下鉄や RERのホームや駅での喫煙は普通 に見 られる し、

警備員や警察官 も喫煙者に注意することはない。

市場や祭、繁華街の人混みの中で も、喫煙者はいっ こうに気 にす る様子 はな い (27)。 人混 みの中での紫 煙はただでさえ煙 いのに、なお悪 いことに、 フラン ス人はタバコを持つ位置が低 く、腰のところ、つま り手 を下 げた位置 にタバ コを持つ ことが少な くな い。 この位置は大人の歩行者にとっては視界か ら隠 れる位置であ り、子 どもにとっては しば しば 目の位 置にあるので、極めて危険である。

さて、路上の汚染 という点か ら問題 になるのは、

タバ コの投げ捨てである。 ゴミを捨て るのと同様, ところ構わず火 をつけたままタバ コを捨てる。駅や バス停で待 っていて乗車する直前に最後 に大きく一 口吸い込んで線路や道路 に投げ捨てる姿は、喫煙者 に一般的な ものである。先に述べたよ うに、喫煙の 習慣は低年齢 に及んでいるので、例えば、筆者が し ば しば訪れているルアン (ノルマンディー地方の主

(5)

街角の環境学 ‑パ リ路上にみる環境問題 ‑

要都市)の路上で投げ捨て られたタバ コが最 も散乱 しているのは、 リセの校門の前である(28)0

以上のように、 フランスにあってタバコの投げ捨 ては 日常茶飯事であるが、その他のゴミを安易に捨 てる姿 も全 く珍 しいものではない。

例 えば、2003年 のある冬 の午前、パ リのバスの 中で次 のよ うな光景 を見た ことがある。80才 を越 えているだろう上品な身な りの老婆がハ ン ドバ ック か らティッシュを取 り出して指先を拭 き始めた。筆 者はそのティッシュをどうするか後方か ら観察 して いたが、予想 していた通 り、彼女は何のため らいも な くそれ をバスの床 に落 としたのである。その他、

殻 を地下鉄 の床 に落 としなが ら落花 生 を食べ る若 者、手 にした紙 くずを車の窓か ら投げ捨てる初老の 大学教師、図書館や公文書館で紙屑を自分の席に残 したまま帰る閲覧者たち・‑。筆者が 目撃 しただけで も、例 を挙げれば、枚挙にいとまがない。老若男女 を問わず、 ゴミをよく捨てる。他の場所か らパ リに 戻ると、その人の多さとごみの多さで帰ってきた こ とを実感す る。 この感覚は1990年代前半か ら今 ま でずっと変わ らない。

3 フランス人の生活習慣、清潔観 に見る汚染原因 以上、犬及び人による街路の汚染について見てき た。勿論、犬 による街路の汚染に関 して犬 に責任は な く、 いずれの場合 も汚染の主体は人である。それ ではパ リの住民の環境 に対する関心が低いか といえ ば、必ず しもそ うではない。先に挙げた 「パ リジャ ン」紙 の調査では舗道 のゴミによる汚染 自体 につい ては触れ られていないが、環境問題に対するパ リ住 民の危機意識 は全般的 に高 いよ うである (29)。それ なのになぜ彼 らは犬の糞や ゴミで安易に街路を汚す のであろうか。確かに、国内外か ら年中多 くの観光 客が訪れ、多 くの外国人が住む この国際都市の住民 (パ リの住民の7人に1人は外国人)(30)に路上汚染 の全ての責任 を負わせるのは公平ではない。 しか し なが ら、 ドイツやスイス、オランダといった近隣の 環境先進国と比べた時、 フランスの街路の衛生状態 は明 らかに劣ってお り、環境政策だけではな くフラ ンス人の生活習慣、国民性、メンタ リティーなどに その原因を求めることも可能か と思われる。 ここで はフランスで生活 して気付いた 日仏の違いをいくつ か指摘 してみたい(31)

‑5‑

1)清潔 さに関する感覚のおおらかさ

まず、挙げ られるのは、清潔 さに関す る感覚の違 いである。 フランス人は、汚れに対 して実 におお ら かである。悪 く言えば、清潔さに対する感覚が鈍い。

例 えば、 日本人はフランスで生活する とす ぐに、

土足 に対するフランス人 との感覚の違 いに気付 くこ とになる。 フランス人は地下鉄や列車、バスの座席 に土足で上がることに頓着 しない。 フランスの公共 交通は向かい合って座る席が多い。空いた向かいの 席に土足のまま足 を投げ出した り、足をかけた りす るのは 日常茶飯事である。部屋の中に靴のまま入る 習慣 に加え、人前で靴を脱 ぐことが下品 とされてい ること、そ して特にパ リの地下鉄の座席の窮屈さを 考えると、一方的にフランス人一般の公共道徳の欠 如 を指摘することはできない。 とはいえ、 日本人に とっては 「品がない」、 「行儀が悪い」 と映るこの振 る舞いによって、公共交通の座席は確実 に汚れてい く。座席 に土足 を投 げ出すのは、年齢別 に見 ると、

圧倒的に若者 に多い。若 い間の一過性の行動であれ ばいいが、彼 らが年をとってもこの振る舞 いを保持 し、 これが次の世代に引き継がれるとすれば どうな るのだろうと、見るたびに心配になって くる。

また、カフェや レス トランの閉店後の室内を見 る のも興味深い。テーブルの上に椅子がそのまま、つ ま り裏返 さずに床に置 くように置かれている。床に 直接触れていた椅子の脚 をそのままテー ブル に載せ ることに抵抗感はない らしい。ギャルソンが椅子の 上に土足であがるのも決 して珍 しいことではない。

さらに、清潔 さが高い価値 を持つ 日本 との違 いは デパー トによく現れている。パ リの有名デパー トを 観察 してみよう。デパー トの顔の 1つであるはずの 入 り口、エ レベーター付近はどこも薄汚 い。店舗の 清潔 さの指標 として重要 だ と思われ る トイ レもま た、日本のデパー トの トイ レに比 してみすぼ らしく、

場所 もわか りに くい (32)。 デパー ト、 レス トラン、

空港な どの トイ レを見る限 り、 トイ レの清潔さ、豪 華さで全体 をアピール しようという発想は、 フラン

)

スにはないようである。 どこの トイ レを見ても、 ト イ レは建物の中で虐 げ られている空間 という印象 を 受ける。

最後 に、落書きの多さにも驚かされる。国鉄沿線 沿いやセーヌ河畔の堤防の壁面、電話ボ ックスある いはパ リの歴史環境を形作る歴史的建造物 さえ落書 きの被害か ら免れることはできない。 とりわけパ リ 市民の足である地下鉄やRERの内外には落書きが 多い。窓ガラスや座席、車内の壁が落書 きされナイ

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フで傷 をつけ られて いる車両は少な くない。地下鉄 沿線 の壁 も、地下 トンネルの奥底 までよ く入 り込ん だ ものだ とあきれるほど落書きされている。地下鉄 RERの車内には紙屑や飲み物の缶や瓶が頻繁に 残 され、ホーム脇の線路上 もごみが多 く捨て られて いる(33)。庶 民の足が ここまで汚れ て いる と、彼 ら に とって汚れ の環境 は非 日常 ではな く日常 であろ う。 当然、子 どもたちはゴミ、落書 きな どで汚 され た空間を 日常的に見て育つので、それ に違和感 を持 たな い世代 が再 生産 され る ことにな るだ ろ う(34)0

2)「ゴミを捨てる人」 と 「掃除する人」の分離 次 に、 フランス社会 における 「ゴミを捨てる人」・

汚す 人」 と 「ゴミを回収す る人」・「掃除す る人」

の分離が指摘 され る。

フランスでは、職場で も学校 で も掃除 を しない。

全ての職場、学校でそ うだ とは断言できないが、筆 者が見 る限 り、そ して フランス人の知人たちに聞 く 限 り、 「働 くひ と」・「学ぶ人」は職場や学校 を清掃 す る ことはな く、彼 らとは別 に 「掃除をす る人」が 存在 している。つま り、 フランス人は職場や学校で 日常的に掃除をする機会 を持たないよ うである。 し か も、筆者の主要な仕事場の1つであったル アンの 県古 文書館 で見 る限 り、清掃 は午後5時 に職員が 帰 った後 に行われ るので、職員 と 「掃除 をす る人」

が接することは殆 どな く、職員は常 に掃除された職 場で働 くことになる。 これでは清掃 されている こと が 自明の こととなって しまうし、そ もそ も掃除を意 識す る ことす らないであろう。

パ リの街 を歩 くと、緑色 のつなぎ服 を着たパ リ市 清掃局の清掃員の姿 をしば しば 目にす る。 日本 とは 比べ ものにな らないほど目立っている。現在、パ リ で はお よそ7000人 が清掃業務 に携 わ って いるが、

彼 らの姿 を日常的に目にすると、パ リ市民には 自分 たち とは別 に 「掃除 をする人」がいるという意識が 植 え付け られるであろう。 これでは、 自分たちで掃 除を して身の周 りをきれいにしよ うという意識は育 ちに くい。

また、街 を歩 いて いて興味深 いのはカフェの掃除 の仕方である.カフェのテー ブル席 には灰皿が置か れているが、カウンター には基本的 に灰皿は置かれ ない。カフェの常連 は昼食前や夕食前のひ とときを カウンターでのお しゃべ りで過 ごすが、カウンター での喫煙の作法は灰 と吸い殻 を床 に落 とす というも のである。 当然、床 には灰や吸い殻が散乱する こと になるが、カフェの主人やギ ャル ソンはそのゴミを

しば しば店 の外 の舗道 に掃 き出 して終わ りにす る。

自分の店のゴミがな くなればそれでいいということ だろうか。好意的に考 えると、店の外 の舗道 には彼 らとは別 に掃除す る人がいるのでその人たちに任せ よ う、 ということであろうが、夜遅 くのカフェの閉 店後 には舗道の清掃はない。そのため、パ リの街路 は朝か ら夜へ時間がたつに従 って どん どん汚 されて い く。特 に、夕方は家路 を急 ぐ通勤者 と散歩す る犬 によって舗道が急速 に汚 される時間帯で もある。

かつて早朝のカルチエ ・ラタンを通 った ことがあ る。前 日か らのゴミにまみれた通 りを大勢の清掃員 が一斉 に清掃 し、店舗では窓ふきの職人が窓の汚れ を洗 い流 していた。早朝 に美 しく生まれ変わ る。 こ れは、筆者が暮 らしたいくつかの学生寮のフランス 人の多 くが夜ではな く朝 にシャワーを浴びることに も似て、印象深かった。人々が路上をいくらゴミだ らけにして も翌朝 には魔法のよ うに清掃 されている のであれば、路上のゴミ問題 に対 して人々の関心が 向かいにくいのは当然であろう (35)

3)学校掃除の欠如

かつて フランスで生 まれ育 った 日本人の若者 と話 している時、 日本の学校教育の長所 として学校掃除 を指摘 された ことがあった。 フランスのゴミ問題 を 考 える上で重要な点の一つ として学校教育 に掃除が 組み込 まれていないことが挙 げ られ るのではなかろ

うか。

日本 においては、小学校か ら高校 まで掃除は学校 の時 間割 に組 み込 まれ、多 くの 日本 人は12年 間、

掃除を社会生活の一部とする環境のもとに置かれる (36) 一方、 フランスの子 どもの場合、その経験 を持たな い。徴兵制が2002年 まで実施 されて いた フランス では、恐 らく集団で行 う最初の掃除体験が軍隊 とい うことになると思われ る。社会性 を身につける成長 期 に 日々掃除 をす る経験 を持つか持たないかは、そ の後の生活態度 に大 き く影響す るであろう。

地球環境問題の中で ゴミ問題は主要なテーマであ るが、掃除 については環境学の領域では殆 ど語 られ ていないよ うである。実際、学校掃除 に関す る研究 も少な く、本稿では もう四半世紀 も前 に行われた学 校 掃 除 の調 査 を参 考 に しな けれ ば な らな い (37) 1975年 に広 島 大 学 の 沖 原 豊 教 授 が 行 っ た 世 界 105ヶ国の学校掃除の調査 によれば、世界 の学校掃 除は専門の清掃員 に任せ る 「清掃員型」(61カ国)と、

清掃員 を雇 うが、子供 にもある程度 させ る 「清掃員 ・ 生徒型」(8カ国)、それ に子供 にさせ る 「生徒型」(36

(7)

街角 の環境学 ‑パ リ路上 にみ る環 境 問題 ‑

カ国) に分類 され る とい う (3参 照)。 大雑 把 に 言 うと、 「清掃 員型は欧米諸 国 に多 く、 「清掃員 ・ 生徒型」は ソ連 ・東欧諸 国な ど当時 の社会主義国、「 徒型」 はア ジアの仏教 国 に多 い。 フランスは、イギ リス、 当時 の西 ドイ ツ、イ タ リア、 アメ リカ、 カナ ダな ど西欧諸 国 と同様、 「清掃 夫型」 に属す る。 日 本 は、 韓 国、 中国、 タイ、 ビル マ (現 ミャ ンマー) な どとともに 「生徒型に分類 されて いる。沖原教 授 は1990年 の朝 日新 聞 (330日) で この状況 に 変化 はな い として いる (38)

興味深 いのは、学校 掃除 を生徒 にさせず清掃夫 に 任 せ る理 由の分 析 で、 論 者 はそ の理 由 を、 ① ギ リ シャ ・ローマ文化 に基 づ く、掃除 を卑 しい仕事 と見 なす伝 統 的な掃除観、②知育 を重視す る欧米 の学校 観、③ 清掃夫 によ る掃 除 の方 が生徒 による掃除 よ り 効率的で ある とす る合理的考 え方、④ 生徒 の学校掃 除 によ り雇 用 機 会 が奪 わ れ る とい う労働 組 合 の反 発、 を挙 げて いる。

表3 世界の学校掃除(類型別地域別国名一覧)(1975年)

清掃夫.生徒型

州 フ ラ ン ス イ ギ リ ス ソ 西 ド イ ツ アイルラン ド チェコスロバキア イ タ リ ア デ ン マ ‑ ク ハ ン ガ リー ベ ル ギ ‑ フィンランド ポ ー ラ ン ド オ ラ ン ダ ノ ル ウ ェ ー ル ー マ ニ ア ポ ル トガ ル スウェーデン ユーゴスラビア ス ペ イ ン

ギ リ シ ア スオース トリア ブ ル ガ リ ア

ジ アフガニスタン パ キ ス タ ン 本 イン ドネシア ン カ タ ー ル 湾 マ レ ー シ ア ク サウジアラビア 国 バ ー レー ン イ ス ラ エ ル ネ パ ー ル イ イ ヨ ル ダ ン シンガポール マ モ ン ゴ ル ア ク ウ エ ‑ ト フ ィ リ ピ ン ア アルジェリア チ ュ ニ ジ ア 力 メ ル ‑ ン タ ンザ ニ ア フ モ ロ ッ コ エ ジ プ ト ド セ ネ ガ ル

カ 南 ア フ リカ ロ ー デ シ ア ナ ザ イ ー ル

州 ア メ リ カ メ キ シ コアルゼンチンブ ラ ジ ル パ ベ ネ ズ エ ラウ ル グ ア イ キ ュ ー バ コ ロ ン ビ アド ミ ニ カ

オ ‑ ス ト ラ リ ア 西

(沖原、前掲編著書、 136貢 の一覧表 よ り抜粋 して作成。)

学 校 教育 に掃 除 が組 み込 まれ ず、 徴 兵 制 もな く な った今、多 くの フランス人は集 団で掃除 をす る経 験 を持 たず に一 生 を終 える ことにな るだ ろ う。 しか も、 フ ランス にお いて労働 は必ず しも肯定的な価値 観 を も って見 られ て いな い (39)。 掃 除 に否 定 的 なイ メー ジを持 ち、集 団で の掃除 の経験 を持 たな いフラ ンス人 に、掃除 ・清掃 の面 か ら環境 問題 を考 える こ とは難 しいか もしれな い。

一7‑

おわ Uに

以上、パ リ市 民の生活 によ り密着 した 2つ の環境 問題 につ いて見 て きた。 路上 の犬 の糞、 ゴミ、 タバ コに限 らず、他 の大都市 同様 に大気汚染、騒音、悪 臭 な どに苦 しむパ リは、環境 に関心 を持 つ者 に とっ ては と りわ け住 み易 い都市で はな い。最近、 フラン ス の 『エ クス プ レス』誌 は全国56の人 口10万人以 上 の大都 市 圏の環境 に関 して、 自然環境 (陽光、海 な ど)、災 害 ・危 険 (洪 水、 原 発 な ど)、 公共 交通、

自転車専 用 レー ンな ど24の基 準 を設定 して調査 を 行 ったが、 この調査 によ る環境 の良 さの ランク付 け によれ ば、パ リ ・イル ‑ ドニフランス圏は48位 で、

パ リは環 境 とい う面で見 る と決 して住 みやす い都市 ではな い(40)

朝 日新 聞の記事(2001628日)ではパ リの 「 害」 の原 因 として犬 自体 の多 さ とともに、パ リ市 民 の 「公徳心 の欠如」 が指摘 されて いる。 日本人旅行 者な ら誰 で も驚 か され るであろ う地下鉄、バス、 国 鉄 とい った公 共 交 通 機 関 で の た だ乗 りの多 さ もま た、 「公 徳 心 の欠如 」 の典 型 的 な事 例 とい え よ う。

犬 の糞や ゴミな どの路上 の汚染、そ の他 の都市 の公 害 問題 の最大 の原 因は恐 らく 「公徳心 の欠如で あ ろ うが、 それ を論証す るのは残念 なが ら我 々の能 力 を超 え て い る(41)。 あれ だ け の歴 史 的 遺 産 を持 ち、

あれ だ け の文 化 の香 りをた た えた この街 は、21 紀 も犬 の糞 とゴミで汚 され続 けるのだ ろ うか。

しか し、希望 もな いわ けではな い。 隣接す る ドイ ツやスイ ス に比べて環境後進 国で あった フランスで も、環境 に対 す る市 民の意識 は高 ま りつつ あ る(42) 長期休暇 (ヴ ァカ ンス) を古都や歴史 的建造物 と同 様 に山や海 の 自然で楽 しむ フランス人 の、環境へ の 関心 は決 して低 くはな いはず で ある。 また、 ゴミの 分別 収集 な ど行 政側 の対 応 も確実 に進 んで きた (43) さ らに、 西洋 に根付 くボ ランテ ィア精神 も、環境汚 染 へ の戦 いの1つ の有 効 な手 段 とな るか も しれ な 。1999年 と2002年 の冬、 フランス の大 西洋沿岸 はタ ンカー の難破 による原油流 出の被害 を相次 いで 受 けた。 そ の際、多 くのボ ランテ ィアが海岸 に駆 け つ け、原油 の除去作業 に従事 したのは記憶 に新 しい。

パ リを苦 しめる上述 の2つの環境 問題 は、決 して 日本 に住 む我 々 と無関係 なわ けではな い。我 が国で も近年、飼 い犬 の急増 によ り犬 の糞 によ る被害が急 増 して いる。猫 を放 し飼 いに しな いフランス とは異 な り、日本 の場合 は さ らに猫 の糞 による被害 もある。

路上の ゴ ミ汚染 に して も、パ リほ ど目立 たな い とは いえ、気持 ちよ く街路 を散歩で きる とい うほ どでは

総合環境研 究 7 第 1号

参照

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