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全国沿岸 にお ける長周期波の周波数別年 内変動特性

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文集,第55巻(2008) 土 木 学 会,196‑200. 全国沿岸 にお ける長周期波の周波数別年 内変動特性 Characteristics. of Short-term. Changes. of Infragravity. Wave Components. Observed. along Japanese. Coasts. 仲 井 圭 二1・ 橋 本 典 明2. Keiji NAKAI and Noriaki HASHIMOTO The characteristicsof infragravitywaves are different depending on the frequencies and the sea areas. We analyzed wave height data of four components (30-60s, 60-300s, 300-600s and 600s-) of infragravitywaves compiled by the NOWPHAS system. The spectral characteristics of the changes of the longest component (600s-) with the time lapse are very different from those of shorter components. The wave height longevities of the longer components are smaller than those of the shorter components. The wave height longevities in the southern areas are larger than those in the northern areas. When only the longest component develops and the shorter components do not, the significant wave height does not increase.. 1.. は じ め に. 長 周 期 波 は周 期30s以 上 の 海 面 変 動 成 分 と して 解 析 さ れ る こ とが 多 いが,そ の 周 波 数 帯 は広 い た め,特 性 も均 一 で は な い .青 木(2002)は,長 周 期 波 の周 波 数 成 分 の う ち,港 内 の船 体 動 揺 に影 響 す る30〜300sの 成 分 波 高 は 波 浪 の 波 高 と周 期 の 積 に 比 例 す る が,200sな. い し300s以. 上 の周 期 の 長 い成 分 は 波 浪 と の関 連 が 薄 い場 合 が あ る こ と を指 摘 し,仲 井 ・橋 本(2008)も い る.ま. そ の こ と を確 認 して. た,青 木(2002)は,200sな. い し300s以 上 の 成. 分 を,「 気 象 性 長 周 期 波 」 と呼 び,30〜300sの. 成分 とは. 異 な った 成 因 に よ る もの で あ る と推 定 して い る. 仲 井 ・橋 本(2008)は,全. 国 港 湾 海 洋 波 浪 情 報 網(ナ. ウ フ ァス)の 観 測 資 料 を 用 い て,東. 日本 沿 岸 域 に お け る. 長 周 期 波 の 周 波 数 成 分 別 特 性 の違 い に つ いて 検 討 し,周 期30s〜300sの 成 分 と,周. 期 が600sを 超 す 成 分 と は,か. な り異 な った 特 性 を持 っ こ と,太 平 洋 側 と 日本 海 側 とで は特 性 が異 な る こ と を 明 らか に した.. 図‑1. 対 象観 測地 点. 表‑1. 用 いたデ ー タ. 本 研 究 で は解 析 対 象 海 域 を 日本 全 国 に拡 張 し,長 周 期 波 の周 波 数 成 分 の これ らの 特 性 を再 検 討 す る と と も に, 周 期 が600sを 超 す 成 分 が ど の よ う な時 に 発 達 す る か に つ いて 考 察 を 行 っ た. 2. 用 い た デ ー タ 本 研 究 で は,全 国 の ナ ウ フ ァス観 測 点(沖 縄 を 除 く) で 観 測 さ れ た デ ー タ を 用 い た.対 象 とな る観 測 点 を 図‑1 に示 す.ま. た,用. い た デ ー タ を表‑2に 示 す.. 3. 長 周 期 波 の変 動 特 性 長 周期波高 の変 動特性 を明 らか にす る 目的で,2005年 1正 会 員 2フ ェロー. 理修 工博. 株式会社 エコー 防災 ・水工部 九州大学大学院 工学研究院 環境都市部門. 1年 間 の長 周期波高 の時系 列を用 いてス ペク トル解析 を 行 った.波 高 の出現頻度分布 は大 まか には対 数正規分布 で近 似で きる ことか ら,波 高 の値を対数変 換 して用 いた.

(2) 全 国沿岸 に おけ る長 周期 波 の周波 数別 年内 変動特 性 (橋 本 ら,2002).ま. た,波 高 の 変 動 に は1年 や 半 年 の周. 期 が 見 られ る が,こ. れ ら の長 周 期 変 動 成 分 を,7日. 197. 結 果 を 図‑3に 示 す.. 間の. 移 動 平 均 を元 の デ ー タか ら差 し引 くこ と に よ って 除 去 し た.移 動 平 均 の 期 間 を7日 間 と した の は,本 研 究 で は数 日 まで の周 期 変 動 に注 目 して い る た め で あ る. この2時 間 毎 の 時 系 列 の うち,4時 用 い た の で,デ. 間 毎 の2048デ ー タを. ー タ長 は約341日 で あ る.結 果 を 図‑2に. 示 す.波 高 は対 数 を 取 って用 い て い る の で,縦 軸 は無 次 元 で 表 示 して あ る.. 図‑3. 長 周期 波高(30〜60s)の. 自己相 関係 数(2005年). (太線 は平 均値 を示 す). こ の図 に は,太 平 洋 側,日. 本 海 側 の全 地 点 の 分 を重 ね. て 描 い て あ る が,太 平 洋 側 の 方 が 地 点 間 の 変 動 が 大 きい こ とが 分 か る.他 の 成 分 波 高 につ い て も解 析 を 行 った. 全 地 点 の平 均 値 と標 準 偏 差 を 図‑4に 示 す. 平 均 値 は 日本 海 側 の方 が や や 早 め に減 衰 す るが,概 同 じで あ る.標 準 偏 差 は,600s以 の 方 が大 きい が,600s以. ね. 下 の成 分 で は太 平 洋 側. 上 の成 分 で は,両 海 域 と もほ ぼ. 同 じで あ る. いず れ の 成 分 波 高 で も,ラ グ(時 間)の 経 過 と と も に 相 関 係 数 は1か ら小 さ くな り,約30時 こ こで は,仲 井 ・橋 本(2008)に. 間 後 に は0と な る.. 倣 って,相. 関 係 数 を0. 時 間 か ら30時 間 ま で積 分 し,そ れ を長 周 期 波 の平 均 継 続 時 間 と し た.平 均 継 続 時 間 は,積 分 した 面 積 を 高 さ1の 図‑2. 長 周期 波高 の変 化特 性(2005年). 長 方 形 に 置 き換 え た場 合 の 横 の長 さ に 相 当 す る もの で, 長 周 期 波 高 が 高 い場 合 も低 い場 合 も含 め て,波 高 が そ の. 3地 点 と も100〜300時 れ るが,600s以. 間 程 度 の 周 期 を持 っ 変 動 が 見 ら. 上 の成 分 と他 の成 分 と は ピー クの 出現 特. 何 時 間 後 まで の波 高 と関 係 して い るか を 示 す 指 標 で あ る. 長 周 期 波 の 各 成 分 別,海 域 別,地. 点 別 に平 均 継 続 時 間. 性 に違 いが あ る.即 ち,他 の 成 分 で 見 られ る ピ ー ク の 中. を計 算 した 結 果 を 図‑5に 示 す.こ. に は,600s以. は細 島 か ら各 観 測 地 点 まで の距 離,日. 上 の成 分 で は必 ず し も明 瞭 で な い も の が あ. る. 次 に,同. の 図 で は,太 平 洋 側 で 本 海 側 で は,玄 界. 灘 か ら各 観 測 地 点 まで の 距 離 を横 軸 に取 って あ る. じ2時 間 毎 の1年 分 の デ ー タを 用 い て,長. 期 波 高 の 自 己 相 関 解 析 を行 っ た.30〜60sの. 周. 成分波 高の. 周 期 が 長 い成 分 ほ ど平 均 継 続 時 間 が 短 い.ま た,い ず れ の 成 分 も,東(北)に. 行 くほ ど平 均 継 続 時 間 が 短 くな.

(3) 198. 海. 図‑4. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 太 平洋側 と日本海 側 にお ける長周 期波 高 の 自己相関 係数 の平均 値 と標準 偏差.

(4) 全 国沿 岸 にお け る長 周期波 の周 波数 別年 内変動 特性. 図‑5. 太 平洋 側 と 日本海 側 にお け る長 周期 波 の平 均継 続 時間(い ずれ の図 で も,横 軸 の右 は 東(北)に. 位置 す る地 点 で ある.). 199.

(5) 200. 海. って い るが,そ. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). の 傾 向 は太 平 洋 側 の方 が顕 著 で あ る.仲. 井 ・橋 本(2008)は. 東 日本 の 観測 地 点 の デー タのみ を 使 っ. て解 析 し,同 様 の 結 果 を得 て い る. 4. 600s以 上 の 成 分 波 高 が 発 達 した 例 他 の 成 分 と特 性 が 異 な る600s以 上 の 長 周 期 波 高 が 発 達 した 事 例 の解 析 を 行 っ た.2004年11月17日. 〜19日 の期 間. を対 象 に して,波 浮 と十 勝 に お け る30〜60s,600s以. 上. の成 分 波 高 と そ の 比,有 義 波 高 と有 義 波 周 期 の 時 系 列 を 図‑6に 示 す.図. 中 で,H(30‑60),H(600‑)は. れ,30〜60s,600s以. それ ぞ. 図‑7. 地 上天気 図(2004年11月18日,19日9時). 上 の成 分 波 高 を示 す. あ る. 5. 結 論 本 研 究 の主 要 な結 論 は 以 下 の 通 りで あ る.. a). 長 周 期 成 分 波 高 に は,100〜300時. 間 程 度 の周 期 を 持. っ 変 動 が 見 られ る.他 の 成 分 で 見 られ る ピー ク の 中 に は,600s以. 上 の 成 分 で は必 ず し も明 瞭 で な い もの. が あ る. b). 長 周 期 波 高 の 自 己相 関 係 数 の地 点 平 均 値 は,日 本 海 側 の方 が 太 平 洋 側 よ り もや や 早 め に 減 衰 す る が,概 ね 同 じで あ る.標 準 偏 差 は,600s以 平 洋 側 の 方 が 大 きい が,600s以. 下 の成分で は太. 上 の成 分 で は,両 海. 域 と もほ ぼ 同 じで あ る. c). 自 己相 関 係 数 か ら求 め た 平 均 継 続 時 間 は,周 期 が長 い 成 分 ほ ど短 い.ま た,太 平 洋 側,日 れ で も,東(北)に. 本海側 のいず. 行 く ほ ど短 くな る.そ の 傾 向 は. 太 平 洋 側 の方 が 顕 著 で あ る. d). 2004年11月17〜19日. の擾 乱 で は,地 点 に よ って,長. 周 期 波 の 全 成 分 が 発 達 す る場 合 と,600s以. 上の成分. の み が 発 達 す る場 合 が あ る.前 者 の場 合,有. 義波高. も発 達 して い る.. 謝 辞:本 図‑6. 長 周期 波 と波浪 の経 時変 化(2004年11月17日. 〜. 19日;波 浮,十 勝). で は,有 義 波 高 の 発 達 と 時 期 を 同 じ く して 長 周 期 波 の全 成 分 が 増 大 して い る.し か し,低 気 圧 か ら遠 く離 れ た十 周 期 波 で もH(600‑)の み. が増 大 して い る.ま た 日本 海 側 の 多 くの地 点 で も十 勝 と 同様 の 傾 向 を 示 す(図. 省 略).こ. れ は,波. 浪 と関 係 しな. い600s以 上 の長 周 期 波 発 生 の 事 例 で あ り,気 象 変 動 が 原 因 で あ る可 能 性 が あ る.今 後,600s以 上 の 成 分 波 高 と気 象 要 素(風,気. 圧 等)の. こ. に感 謝 す る次 第 で あ る.. この 期 間 に は,本 州 南 岸 を低 気 圧 が 通 過 し(図‑7),波 浮. 勝 で は有 義 波 高 は変 化 せ ず,長. 研 究 を実 施 す る に 際 して は,独 立 行 政 法 人 港 湾. 空 港 技 術 研 究 所 か ら波 浪 観 測 資 料 を ご提 供 頂 い た.こ. 変 動 の対 応 を 詳 し く調 べ る必 要 が. 参. 考. 文. 献. 青 木伸 一 (2002): 沿 岸長 周 期 波 の発 生 と伝 播特 性 に関 す る 研究, 海 洋 開発論 文集, 第18巻, pp.155‑160. 石原弘一・ 岩 渕哲治 ・仲井圭 二 ・坂井紀之 ・灘岡和夫 (2002): 東 日本 沿岸 域 にお け る長 周 期波 の広 域 的 出現特 性, 海 岸 工学 論文 集, 第49巻, pp.236‑240. 橋本典 明 ・川 口浩二 ・永井紀 彦 ・柴木秀之 ・鈴 山勝之 (2002): 気象 ・波 浪 相関 図 に基 づ く我が 国沿 岸波 浪 の 出現特 性解 析, 海岸 工学論 文集, 第49巻, pp.221‑225. 仲井 圭 二 ・橋 本 典 明 (2008):長 周 期 波 の周 波 数成 分 別 特性 の違 い (東 日本 沿岸域), 海洋 開発論 文集, 第24巻, pp.423‑ 428..

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参照

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