肺 結 核 に お け る 肺 切 除 術 の 臨 床 的 研 究 第4編
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(2) 1658. 壺. 井. 富. 士. 男. 第4表. の 虚 脱 療 法 不 適 例 は38例 あ り,こ の 内 巨 大 空 洞 例 は9例. あ り,レ 線 上 空 洞 経5cm以. 上の. もの を こ の 分 類 に 入 れ た.上 葉 炎 は4例 結 核 腫 は1例. 術前に於け る血沈値. あ り. が 右下 葉 に認 め られ他 はす べ て. 第3表. 肺切除の適応別分類. 第5表. 上 葉 に あ りそ の 径 は2〜3cmで 化 性 空 洞 は9例. 術前に於 け る対側肺の状況. 野 に 病 変 を 認 め な か つ た 例 は44例(88%)で. あ つ た.硬. あ る.肺 切 除 の 適 応 と し て 対 側 肺 野 の 病 変 の. で か な り多 く,多 発 性 空 洞3. 例 中1例 は 左 全 葉 に 互 り空 洞 を 認 め 左 側 の 全. な い もの が 望 ま し い が,化. 剔 除 を 施 行 し た 例 で あ る.肺 門 部 近 接 空 洞 は. 今 日で は も し病 変 が 軽 度 の 場 合 に は 施 行 し 得. 何 れ も上 葉 に これ を 認 め た.下. る と思 わ れ る.術 前 対 側 に 空 洞 を 認 め た もの. 葉 空 洞 中1例. は 前 述 の ご と く,右 中 下 葉 を 切 除 し た.気. 管. 支 拡 張 の1例 は 右 上 葉 枝 に 明 らか に 拡 張 を 認 め た.気 管 支 狭 窄 の2例. は共 に 上葉 が かな り. (3) 術 前 の 状 態 に つ い て. (ハ) 結 核 菌 の 推 移 術 前 喀 痰 中 に お け る結 核 菌 の 状 態 に つ い て. 第6表. 術 前検 査 と し て は 身 長,体 吸 機 能,肝. もな か つ た.. 述 べ れ ば 第6表. 萎 縮 を 示 し て い た.. 血 液 諸 性 状,呼. は1例. 重,胸. 囲,体. 機 能,血 圧,結. 学 療法 の発 達 した. に 示 す ご と くで あ る.術 前 に. 術前に於け る結核菌. 温, 核. 菌 等 に つ き 検 査 し,こ の 内 血 液 諸 性 状,肝 機 能,呼. 吸 機 能 等 に つ い て は す で に 第1,. 2,. 3. 編 に お い て 詳 述 し た の で こ こで は 省 略 す る. (イ) 血 沈 値 とそ の 予 後 術 前 に お け る 血 沈 値 と現 在 に お け る状 態 を 表 示 す れ ば 第4表. の 通 りで あ る.. (ロ) 対 側 肺 の 状 況 術 前 に お け る対 側 肺 の 状 況 に つ い て み れ ば 第5表. に 示 す 通 りで あ る.術 前 レ線 検 査 上 軽. 度 の 病 変 を 認 め た も の5例(10%)あ 等 度 の 病 変 を 認 め た もの1例(2%)で た.こ. り,中 あつ. れ ら病 変 を 認 め た も の で は 術 前 術 後 に. わ た り化 学 療 法 を 強 力 に 施 行 し た.術. 前他 肺. おける喀痰 中の結核菌の検索については,塗 沫検査 で連統陰性の者には集菌法に よ り検査 し,こ れでなお連続陰性の者においては培養.
(3) 肺 結 核 に お け る肺 切 除 術 の 臨 床 的 研 究 を 施 行 した.硬 化 性 空 洞9例. 中3例 が 培 養 に. よつ て の み 陽 性 を 認 め た が これ は 空 洞 内 が 比. 1659. 例 に つ い て ス トマ イ40gを る.. 較 的 浄 化 され て い た もの と思 わ れ る.以 上 の. (4) 手 術 に つ い て. ご と く結 核 菌 は 全 例 に お い て陽 性 を 示 した.. 基 礎 麻 酔 は4%パ. (ニ) 気 管 支 鏡 所 見. ン ス コ0.9〜1.2ccを. 前3回 分 割 注 射 を 施 行 し, 0.5%プ. 術 前 に お け る気 管 支 鏡 所 見 は 第7表. に 示す. 通 りで あ る.術 前 の 気 管 支 鏡 は 全 例 の 約 半 数. 第7表. 使 用 した のみ で あ. 術前気 管支鏡. 局 所 麻 酔 を行 つ た.初 作 を 防 ぐ 意 味 で5%コ. 術. ロカ イ ン. 期 の数例 は 術前 咳嗽 発 カ イ ン約2ccを. 気 管. 内 注 射 を 行 つ た.な. お術 中気 管支切 断 に あ. た り気 管 支 内 に5%コ. カイ ン1cc注. 入 を行 つ. た. 体位 は 上葉 切 除の場 合 は大 部 分は 背臥 位 で 行 つ た が8例. に つ い て は 後 方 経 路 に よつ て 実. 施 し た.現 在 は 主 と し て こ の 方 法 に よ つ て い る.下 葉 切 除 の 場 合 は 側 臥 位 で 行 い 全 葉 切 除 例 で は 背 臥 位 で 施 行 し た.右 上 中 葉 切 除 例 は 術 前 上葉 切 除 の予定 で あつ た ので背 臥 位 で施 の26例 に 施 行 した.施 行 し な か つ た 例 は 初 期. 行 し,右 中 下 葉 切 除 例 で は 術 前 下 葉 切 除 の 予. の 手 術 例 で あ り最 近 は 全 例 に お い て 施 行 して. 定 で あ つ た の で 側 臥 位 を とつ た.上 葉 切 除 の. い る.施 行 例 中 変 化 を 認 め た もの は 明 らか に. 場 合 は 特 に 患 者 の 状 態 に 支 障 な い 限 り追 加 胸. 気 管 支 結 核 と考 え ら れ る もの で は な く,何 れ. 成 術 は 肺 切 後1ヶ. も主 病 巣 葉 の 気 管 支 に 発 赤 腫 張 を 認 め た もの. 除 の場 合は 肺 切除時 同時 に横 隔膜 神 経切 断 を. で あ る.病 変 を 認 め な か つ た もの は 施 行 例 中. 行 つ た.全. 18例(69%)で. 断 を 行 い 追 加 胸 成 術 は 肺 切 後1ヶ. (20%)で. あ り変 化 を 認 め た もの は8例. 剔 の場合 は 肺切 時 に横 隔 膜 神経 切 月以 内 に こ. 肺 剥 離 は 本 手 術 の 難 易 を 左 右 す る最 大 の 要 点 で あ る.術 前 人 工 気 胸 施 行 可 能 な 例 で は 剥. 及び施行期間 これ に つ い て 表 示 す れ ば 第8表. の 通 りで あ. 中 術 前 気 胸 を 施 行 した もの の 内1. 離 が 容 易 で あ る が,長. 年 月に わ た り人 工 気 胸. を 施 行 し肋 膜 肥 厚 著 明 な もの で は 肋 膜 剥 皮 術 を 施 行 し剥 離 を 進 め た.空. 第8表. 葉切. れ を 実 施 し た.. あ つ た.. (ホ) 術前において施行 された虚脱療法の種類. る.第8表. 月 以 内 に 施 行 した.下. 術前施行 した虚脱療法. 洞 の壁 在性 の場 合. は 充 分 注 意 し て 体 壁 肋 膜 も共 に 切 除 す る よ う に し た.空. 洞 壁 を 破 る と術 後 に 合 併 症 を 惹 き. 起 す 大 き な 原 因 とな る.葉 間 の 剥 離 困難 な 場 合(実. 際 吾 々 は 術 中 し ば しば こ の 様 な 例 に 遭. 遇 した)は. 他 葉の健 康 部 にむ か い鋭 的 に切 り. こ み 可 及 的 病 巣 部 の 破 か い を 防 ぐ と共 に 病 巣 ヶ 月以 内 の8例 は 気 胸 失 敗 例 を 示 す もの で は. 部 を 充 分 切 除 す る様 に 注 意 した.鋭. な く肺 切 除 術 施 行 の た め 術 前 処 置 と し て気 胸. し た健 康 部 は 肺 肋 膜 で 縫 合 被 覆 を 実 施 し た.. 可 能 の も の に 施 行 した 例 を 示 す もの で あ る.. 手 術所 要 時 間並 に 出血 量. 術 前 の 化 学 療 法 と し て は,術 前P. A. S.又 は. 全 剔 除 の2例. 中1例 は6時. 的 に切 断. 間 を 要 した .こ. ス トマ イ な ど を散 発 的 に 少 量 使 用 した 例 は あ. れ は 多 発 性 空 洞 例 で 癒 着 が 著 明 で あ つ た .又. るが 大 量 使 用 した もの は な く,た. 他 の1例 は3時. 行 に 際 し て,術 前1週. ゞ肺 切 除 施. 間 よ り術 後 に わ た り全. 間30分 で あ り この 例 は 長 年 月. 気 胸 を 実施 した気 胸失 敗例 で肋 膜 が著 明 に 肥.
(4) 1660. 壼. 井. 厚 し肋 膜 剥 皮 を 施 行 した.肺 葉 切 除 で は 最 長 6時 間10分 最 短2時. 間35分 で あ り3時 間 を 要. 富. 士. 男. は そ れ を 上 廻 る輸 血 を 行 つ た の で 特 に 著 明 な 血 圧 下 降 を み た も の は な か つ た.. し た例 が 最 も多 くつ い で4時 間 台 の 例 で あ る.. (5) 術 後 合 併 症. 手 術 時 出 血 量 は 全 剔 除 で6時. 肺 切 除 の 術 後 合 併 症 と して は 膿 胸 と気 管 支. は1750gで. 間 を 要 し た例 で. あ り他 の1例 は2300gで. 肺 葉 切 除 の 例 で は,最 小393g最 そ の 平 均 値 は916.4gで. あ つ た.. 大1827gで. 私 は50例 中,初 期 の 手 術 例 に 早 期 膿 胸,気. あ る.手 術 所 要 時 間. と出 血 量 の 関 係 に つ い て は,個. 瘻 及 び 残 存 肺 の 増 悪 が そ の 主 な る もの で あ る.. 々の例 にお い. 支 瘻 形 成 を み た.. 4例 中2例. 管. は 膿 胸 と気 管 支. 瘻 が ほ ぼ 同 時 に 発 生 し,他 の2例 で は 膿 胸 が. て は 必 ら ず し も平 行 しな い.全 例 を 通 じ て手. 先 行 した.気. 術 所 要 時 間 と出 血 量 との 関 係 を 表 示 す れ ば 第. 発 熱,咳 嗽 及 び 喀 痰 の 増 加 な どが あ げ ら れ る.. 9表 の 通 りで あ る.即 ち,本 表 の 示 す ご と く. 第9表. 管 支瘻 発 生 の場 合 の 臨 床 症 状 は. 喀 痰 中 膿 汁 又 は 穿 剌 液 と同 様 の 喀 痰 を 認 め る 場 合 が 多 い.膿 胸,気. 手術所要時間 と出血量. 管 支瘻 の左 右別 発 生頻. 度 を 表 示 す れ ば 第10表 の 通 りで あ る. 左 右 別 発 生 頻 度 で は 第10表 の 通 り右 側 に 多 い.諸. 家 の 報 告 を み て も何 れ も右 側 に 多 く発. 第10表. 膿胸気管支瘻 歩反応. 所 要 時 間 と 出 血 量 とは 必 ず し も平 行 しな い. 所 要 時 間 を 考 慮 せ ず に 手 術 開 始 期 よ り充 分 止. 生 し て い る.そ の 理 由 と し て左 側 気 管 支 の 根. 血 に 注 意 す る場 合 は 比 較的 出 血 は 少 く くい と. 部 は 大 動 脉 弓 の 下 に 被 覆 され,縦. め 得 る も の と思 わ れ る.出 血 量393gの. 埋 歿 さ れ や す い た め か と思 わ れ る.膿 胸 気 管. 例は. 隔 内に陥 入. 4時 間 を 要 した が 特 に 止 血 を 厳 重 に 行 つ た例. 支 瘻 発 生4例. で あ る.出 血 量 の 測 定 は1時. 表 示 す れ ば 第11表 の 通 りで あ る.膿 胸,気. 間 毎 に 重 賦法 で. 測 定 し術 中 術 後 を 通 じ 全 出 血 量 に 等 し い か 又. 第11表. 管支 断 端 の. 法 に 従 い,そ. 管. の上 を. 合 併 症 併 発 の 時 期 よ り次 第 に 全 身 衰 弱 を き た し,咳 嗽,喀. 痰 は 次第 に 増加 し高度 の発 熱 を. 伴 い,術. 症 例 に よつ て は 被 覆 不 能 の 例 も あ つ た.膿. 死 亡 し た.第3例. 中 第1例. 除葉 別 を. 支 瘻 発 生 の 時 期 は 全例 早 期 に これ を み て お り,. 更 に 縦 隔 肋 膜 で 厳 密 に 被 覆 す る様 に し た が,. 気 管 支 瘻 発 生 の4例. 生 期,切. 術 後 膿 胸 気 管 支 瘻 発 生 例. 晩 期 に 発 生 した 例 は な か つ た.気 処 理 法 は 全 例Sweet2)氏. の 適 応 別,発. 胸,. は,肺 切 後6ヶ. 後6ヶ. 月 目に 遂 に 全 身 衰 弱 の 状 態 で は 肺 切 後6ヶ. 月 目に 気 管 支. 造 影 に よ り膿 胸 腔 の 大 き さが 約 鶏 卵 大 な るを. 月 目に 患 者 の 全 身 状 態 の 恢 復 を まつ て 気 管 支. 認 め,膿. 断 端 内有 茎 筋 肉 弁 挿 入 に よ り気 管 支 閉 鎖 に 成. 挿 入 を 施 行 し,更 に 肋 骨 切 除 に よ り膿 胸 腔 を. 功 し現 在 順 調 な 経 過 を とつ て を り,第2例. 閉 鎖 し,現 在 安 定 状 態 に あ る.第4例. は. 胸 腔 掻 爬,気. 管 支 断端 内 有茎 筋 肉弁. は 気管.
(5) 肺結核における肺切除術の臨床的研究 支 断 端 閉 鎖 術 を 施 行 す る もな お 治 癒 せ ず 不 安. した 例 は3例(6%)に. 定 の 状 態 で あ る.. 1661 す ぎ な い.. (6) 死 亡 例. 術 後 に お け る 残 存肺 の 状 態 は,残. 存肺 が 術. 肺 切 除50例 中 死 亡 例 は4例(8%)で. あつ. 前 に 比 べ て増 悪 した 例 は7例 あ り,こ の 内 の. た.そ. 4例 は 膿 胸,気 管 支 瘻 を 併 発 した 例 で あ り,. 通 りで あ る.死 亡 例 中 の 第1例 は 術 後3週. 術 後 これ の ら の合 併 症 な く残 存 肺 の 増 悪 を 示 第12表. の 後 次 第 に 咳 嗽,喀. 亡. 第13表. 例. 肺 切 除 後6ヶ. 月 以 上 経 過 せ る成 績. 食 慾 不 振 著 明 で 全 身 状 態 の 悪 化 を来 た し術 後 6ヶ 月 目に 全 身衰 弱 の 状 態 で 死 亡 し た.第2 例 は 術 直 後 は 比 較 的 安 静 で あ つ た が 術 後4日 目 に 突 然 呼 吸 困 難 を 訴 え 間 も な く死 亡 した. 第3例. は 術 直 後 は 大 し た 障 碍 な く順 調 な経 過. を た ど る と思 わ れ た が 術 後2日. 目O型 血 液 の. 患 者 にA型 血 液 を 注 射 し,突 然 頭 痛,胸. 内苦. 悶 を 訴 え 遂 に 死 亡 せ しめ た 不 幸 な例 で あ る. 第4例 は 肺 切 除 術 後 経 過 順 調 で あ つ た が 肺 切 除 後1ヶ. 月 目に 追 加 胸 成 術 を 行 つ た 当 日 シ ヨ. ッ ク状 態 を 起 し て 死 亡 し た.以 上 の 中 注 意 す れ ば 当然 防 止 出 来 う る異 型 血 輸 血 例 を 除 け ば 肺 切 除 術 に よ る死 亡 は3例(6%)と Ⅱ. 成. な る.. 績. 肺 切 除50例 の 患 者 に つ き 適 応 別 に よ り術 後 6ヶ 月 以 上 を 経 過 せ る患 者 に つ き 検 討 す れ ば 第13表 の 通 りで あ る.本 表 に 示 した 退 院 例 は13例(26%)で. あ り これ らは 全 例 現 在 就 職. も し くは 家 事 に 従 事 して い る.現 在 入 院 中 の もの は33名 で あ り この 内 膿 胸,気 生 した も の3例,残 の は3例. 管支瘻 を発. 存 肺 の 増 悪 を き た した も. で あ る.現 在 入 院 中 で 経 過 良 好 な も. の は27例 で あ る.従 つ て 退 院 患 者 と入 院 中 で 経過 良 好 の ものを あわ せ て肺切 後経 過 良好 と 思 わ れ る もの は40名(80%)で. あ る.肺 切 後. の 喀 痰 中 結 核 菌 陽 性 老 に つ い て適 応 別 に 分 類 す れ ば 第14表 の 通 りで あ る.本 表 の 内 術 後1. 間. 頃 よ り膿 胸 を 併 発 し更 に 気 管 支 瘻 を 形 成 しそ 死. 痰 が 増 加 し発 熱 を 来 し,. の死 因 及 び 時 期 を 表 示 す れ ば 第12表 の. 第14表. 喀 痰 中結 核 菌 の 消 長.
(6) 1662. 壺. 井. ヶ 月 で 陽 性 を 示 した もの は 術 後 膿 胸,気. 管支. 富. 士. 男. 死 角 内 に 入 りや す い 空 洞 等 が あ り,肺 門 部 近. 瘻 を 発 生 し た 巨 大 空 洞 の1例 で あ り,他 の1. 接 空 洞,中 葉 又 は 下 葉 空 洞 等 も この 範 囲 に 入. 例 は 術 後1ヶ. る. X線 上,上. 月 目に 追 加 胸 成 後 シ ヨ ッ クで 死. 亡 し た 例 で あ る.術 後3ヶ た も の は 全 部 で8例. 月で 菌 陽 性 を 示 し. で あ り こ の 内4例. は何 れ. 葉 炎 と称 さ れ る もの で 葉 内. に 多 くの 空 洞 を 認 め た 場 合 や 空 洞 周 囲 が 無 気 肺 状 の もの は 肺 葉 切 除 を 施 行 す べ きで あ る.. も膿 胸,気 管 支 瘻 発 生 例 で あ り, 3例 は 術 後. 結核 腫 の場 合は 部 分切 除 又は 区 域切 除 を施行. 残 存 肺 の 増 悪 を 示 した 例 で あ り,胸 成 失 敗 例. し うる場 合 が 多 い が,私. が 一 過 性 に 菌 陽 性 を 示 し た もの で あ る.術 後. に 結 核 腫 とみ られ る 症 例 の 切 除 肺 の 病 理 組 織. 6ヶ 月 で 陽 性 例 は8例 あ り これ ら陽 性 者 は 術. 検 査 に よ り結 核 腫 の 周 囲 及 び 肺 門 部 に 近 く レ. 後3ヶ. 線 上 あ ら わ れ な い 多 くの 撤 布 性 の 結 節 状 病 巣. 月 と同 様 で あ り, 6ヶ 月後 で は 陽 性6. 例 て,こ. の 内 膿 胸 気 管 支 瘻3例,他. は対 側肺. 増 悪 例 で あ る.. を み とめ た.以. は 術 前 レ線 上 明 ら か. 上 の 見 解 よ りや は り肺 葉 切 除. を 施 行 す べ きで あ つ た と思 う例 を 認 め て い る. 緊 張 性 空 洞 も 又 この 範 囲 に 入 れ るべ き もの と. Ⅲ. 線括 並び に考 按. 思 わ れ る.症 状 の 著 明 な る気 管 支 拡 張 症 及 び. 肺切 除は 米国 に おい てす でに 多数 の症例 の. 気 管 支 狭 窄 症 も肺 葉 切 除 の 範 囲 に 入 れ る事 に. 遠 隔 成 績 が 発表 され,手 術 手 技 の 向 上,適 応 症. 異 論 は な い 様 で あ る.一 側 全 体 に わ た る 多 発. の 確 立 が み られ,術. 性 空 洞,硬. 後 の 適 切 な る処 置 も著 明. に 向 上 し て い る.本 邦 に お い て も近 年 諸 家 に よ り本 手 術 が 施 行 され,そ な が ら 報 告 され,肺 行 され,特. 化性 空 洞等 は 全剔 除 をす べ きで あ. る.. の遠 隔 成 績 も少 数. 以 上 は 肺 葉 切 除,肺. 全 剔 除 の適応 に つ いて. 切 除術 も比較的 安 全 に施. 述 べ た の で あ るが,実. 際問 題 としては 全 身状. に 化 学 療 法 の 適 切 な る実 施 に よ り. 態,気. 管 支 の 状 況,他 肺 野 の 状 態 を 考 慮 に 入. そ の 成 績 も次 第 に 好 転 しつ つ あ るが,胸 廓 成. れ る べ き で あ る.近 時 一 部 の 本 邦 諸 家 は か な. 形 術 の 如 く本 手 術 が 広 く普 辺 化 した とは 現 在. り広 い 適 応 範 囲 を とつ て 従 来 胸 成 術 の 適 応 と. な お い え な い.ま た 真 の遠 隔 成 績 も今 後 の 研. 考 え られ た 症 例 に 対 して も積 極 的 に 本 法 を 実. 究 に ま た ね ば な ら な い.肺 切 除 術 に つ い て も. 施 し つ つ あ るが,こ. そ の 術 式 は 一 側 肺 全 剔 除,肺 葉 切 除 術,肺 区 域. 今 後 の 研 究 に ま た ね ば な ら な い.麻. 切 除 術,部. 例 基 礎 麻 酔 と プ ロカ イ ン局 所 麻 酔 の 下 に 危 険. が,こ. 分 的 切 除 術 等 の 多 くの術 式 が あ る. れ ら の 術 式 の 何 れ を 取 るか は 患 者 の 全. な く実 施 し え た.全. の 問 題 の可 否 につ い ては 酔 法は 全. 身麻酔 が発 達 した状態 で. 身 状 態 や 肺 病 変 の 如 何 に よ り術 者 が 決 定 す べ. は 当 然 全 身麻 酔 を 採 用 す べ き で あ るが,施. き.もの で あ る.又 肺 切 除 を 施 行 す べ き か,胸 成. の 関 係 で 遺 憾 な が ら実 施 し え な か つ た.. 術 を 施 行 す べ き か の 判 断 を 要 す る場 合 も少 く な い.如. 何 な る場 合 に 肺 切 除 術 を 施 行 す べ き. か に つ い て の 諸 家 の 一 致 した 見 解 は,大. 設. 肺 切 除 後 長 期 に わ た る死 腔 の 残 存 は 膿 胸, 気 管 支 瘻 の 発 生 原 因 とな る た め 術 後 可 及 的 早. 別し. 期 に 死 腔 の 閉 鎖 を行 うべ きで あ る.こ の た め. て 虚 脱 療 法 の 失 敗 例 と術 前 虚 脱 療 法 が 明 ら か. 術 後 胸 腔 内 排 液 管 を 挿 入 し て,潴 溜 液 を 充 分. に 不 成 功 に 終 る と予 想 され る場 合 とで あ る.. 吸 引 し,胸 腔 内 圧 を‑10cm水. 前者 に は胸 成術 失 敗例 又 は合 成 樹脂 充填 失敗. 残 存 肺 の 再 膨 張 を 促 す 事 が 必 要 で あ る.下 葉. 例 等 が あ り,人 工 気 胸 に よ り非 膨 張 性 の 肺 内. 切 除 の 場 合 と一 側 全 剔 除 の場 合 は 肺 切 除 時 ま. に 開 放 性 空 洞 を 有 して い る場 合,又. は 気管 支. た は 術 後 早 期 に 横 隔 膜 神 経 捻 除 を 行 うの が よ. に 結 核 性 病 変 を 発 生 し気 管 支 狭 窄 の た め 空 洞. く,上 葉 切 除 及 び 全 剔 除 の 場 合 術 後 早 期 に 胸. 病 変 を 有 す る肺 が 無 気 肺 状 に な つ た 場 合 な ど. 柱 内 外 と して. 成 術 を 追 加 す べ き で あ る.. が 含 ま れ る.後 者 は 上 葉 に よ くみ ら れ る 硬 化. 肺 切 除 の成 績 の良 否 は 手 術 に よる 直 接 死. 性 空 洞,一 葉 に 限 局 した 多 発 性 空 洞,胸 成 術 の. と術 後 の 合 併 症 並 に死 亡 とが 関 係 す る.前 者.
(7) 肺 結 核 に お け る肺 切 除 術 の 臨 床 的 研 究. 1663. の 直 接 死 は 手 術 手 技 の 向 上 と細 心 な る操 作 に. 6ヶ 月迄 め ん み つ に 検 査 す べ き で,. よつ て 好 転 せ し め うる.合 併 症 と して は 膿 胸,. 後 で 大 体 好 転 す る か 否 か の 傾 向 を 知 り う る.. 気管 支. 及 び 残 存 肺 の 増 悪 の3つ が 考 え ら れ. るが,近. 時 抗 生 物 質 特 に ス トレプ トマ イ シ ン. の 適 切 な る使 用 に よ り これ ら の 合 併 症 は 著 明. 結 1). 6ヶ 月以. 語. 我 々 は 国 立 岩 国 病 院 に お い て 昭 和26年. に 減 少 し つ つ あ る.我 々 の 症 例 に お い て も膿. 4月 以 来 施 行 した 肺 切 除 患 者50例 の 術 後6ヶ. 胸,気. 管 支瘻 が8%に. 月 以 上 を 経 過 した 症 例 の 臨 床 経 過 に つ い て 報. は3例. に しか 認 め え な か つ た の は 抗 生 物 質 の. み られ,残. 存肺 の増 悪. 使 用 に 原 因 す る所 大 で あ る と思 わ れ る.米 国. 告 し た. 2). 50例 中 男41例 女9例,年. 令別 で は最 高. に お い て も又 本 邦 に お い て も ス トレ プ トマ イ. 43才,最. 低17才 で あ る.切 除 葉 別 で は 右 上 葉. シ ン 非 使 用 例 で は か な り悪 い 成 績 を 示 して い. 30例,左. 上 葉13例,右. る.我. 々 は 術 前1週. 例,右. 1g連. 日使 用 し計40gを. た.し. か しな が ら 諸 家 の 報 告 及 び 我 々 の 経 験. よ り術 後 に わ た り1日 全 例に つ いて使 用 し. 下 葉3例,右. 上 中 葉1例,全. 剔 除2例. 中 下 葉1. で あ る.適 応. 別 で は 虚 脱 療 法 失 敗 例12例,虚. 脱 療法 不適 例. 38例 で あ る. 3). か ら も これ だ け で 合 併 症 を な くす る こ とは 不. 術 前 対 側 肺 の 状 況 は 所 見 の な い もの44. 可 能 で 膿 胸,気 管 支瘻 発 生 を 防 ぐに は 手 術 そ. 例,軽 度 病 巣 を み とめ た もの5例,中. の も の を 慎 重 に 行 うべ きで あ り,日 的 とす る. 巣 を み とめ た もの1例 4). 肺 葉 を 完 全 に 残 す と ころ な く切 除 し,気 管 支. 等度 病. で あ る.. 術前 の喀 痰 中結 核 菌は 全 例に 培 養陽 性. 断 端 を 完 全 に 縫 合 し さ ら に これ を 縦 隔 肋 膜 で. で あ つ た.術. 前 気 管 支 鏡 施 行26例 中 所 見 な き. 厳 重 に 被 覆 し術 中 の 汚 染 特 に 空 洞 壁 の 破 壊 を. もの18例,変. 化 を 認 め た も の8例. 極 力 さけ る事 が 必 要 で,さ. 5). らに前 述 の ご と く. 術 後 可 及 的 早 期 に 死 腔 を 閉 鎖 す る事 が 必 要 で. 手 術 所 要 時 間 は 最 短2時. 長. 6時 間10分 で3時 間 台 が 最 も多 く出 血 量 と手. 6). 肺 葉 切 除 の 場 合 に は,病 巣 葉 以 外 は 全 く病. 術 後 合 併 症 と して は,膿. 巣 を 認 め な い 事 が 望 ま しい け れ ど も,も し他. 瘻4例(8%)で. 肺 野 に 病 巣 が 存 在 す る場 合 で もそ れ が 軽 度 の. あ る.残 存 肺 増 悪 例 は3例(2%)で 7). 場 合 に は 強 力 な 抗 生 物 質 に よ る化 学 療 法 の 併 用 に よつ て 今 日あ る 程 度 ま で 実 施 し う る に い た つ て い る.術 後 合 併 症 と して の 膿 胸,気. 8). 胸 と気 管 支 瘻 は 殆 ん ど両 者 が 相 前後 し て 発 生. 9). 1) R. H. Overholt:. 考. J. of Thorac. Surg. 15, J. of Thorac. Surg. 15,. 373 (1946) 3) R. H. Overholt: 198 (1947). Am. Rev. Tuberc. 55,. 文. 月以 後 で6例. 術 後6ヶ. 月以 上 で 経 過 良 好 な る もの40. の 内 就 業 例13名(26%)で. あ る.. 献. 636 (1947) 6) J. A. Moore.:. J. of Thorac. Surg . 18, 45. (1949) 7) J. Alexander:. Am. Rev. Tuberc. 53, 189. (1946) 8) R. H. Sweet: J . of Thorac. Surg. 19, 298 (1950) 9). Disiese of Chest. 13,. は異. 陽 性 で あ る.. 名(80%)こ. J. of Thorac. Surg. 16, 328. (1947) 5) Duncan, Carpenter:. あ つ た.. 術 後 の 排 菌 状 態 は6ヶ. (12%)が. 參. あ り,何 れ も早 期 の も の で. 型 血 輸 血 の 不 幸 な 例 で あ る.. 管. す る.術 後 の 菌 陰 転 率 の 問 題 に つ い て は 術 後. 胸 及 び気 管 支. 死 亡 例 は4例(8%)で,内1例. 支 瘻 は 早 期 に 発 生 す る場 合 が 多 く,し か も膿. 4) C. P. Bailey:. 間35分,最. 術 所 要 時 間 は 必 らず し も平 行 しな い.. あ る.. 384 (1946) 2) R. H. Sweet.:. で あ る.. 10). 宮 本:胸. 部 外 科.. Vol. .. 沢 崎:胸. 部 外 科.. Vol. . 6,. 1,. No. No.. 2,. 145. (昭23). 2,. 180. (昭26).
(8) 1664. 壼. 11). 針 木:胸. 部 外 科.. Vol.. 12). 赤 倉:胸. 部 外 科.. Vol.. 13). 吉 永:胸. 部 外 科.. Vol.. 6, 5, 5,. No. No. No.. 2, 1, 2,. 井. 富. 士. 180. (昭26). 14). 28. (昭27). 15). 135. (昭27). 16). 男. 西:胸. 部 外 科.. Vol.. 6,. 長 石:胸. 部 外 科.. Vol.. 5,. 赤 倉:日. 臨 結 核.. Vol.. 12,. No. No. No.. 3,. 286. (昭28). 4,. 340. (昭28). 1,. 22. (昭28).
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