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(1)

(1)平成29年度羽衣の松周辺の土壌調査結果

静岡県経済産業部森林・林業局森林整備課 静岡市 観光交流文化局 文化財課

<議事1>

羽衣の松周辺の老齢大木の樹勢回復

(2)

背 景

平成27年3月に羽衣の松の樹勢の衰えが指摘され、“固結層”

の存在の影響が提起された。

(静岡県樹木医会による)

松の樹勢回復に向けた対策を実施するため、

“固結層”等の生成要因を究明する必要がある。

松の樹勢回復に向けた対策を実施するため、

“固結層”等の生成要因を究明する必要がある。

【固結層がマツの生育に与えている影響】 ・透水性が悪く、土中で水が滞留する。 ・水が滞留することで、土中の根の生育環境が悪化している。 ・空気の循環が悪く、根が酸欠になっている。 6地点、3分野、7項目を調査

(3)

現状の課題①

固結層の影響

羽衣の松周辺には、 ・“固結層”が存在しており、水や空気の流れを阻害している。 ・また、水が浸透しにくいことで、表面水が発生している。 このような環境は、マツの根の生育環境に 悪影響を与えていると考えられる。

(4)

表面流の発生 水・空気の流れが 阻害されている 根の生育環境が不良 固結層 クラスト

現状の課題①

固結層の影響

平成28年12月8日 第6回三保松原保全実行委員会資料より

(5)

羽衣の松周辺には、 ・細粒分が凝集したと思われるクラストが地面の表層に形成されている ところがある。(写真①) ・降雨時には表面水が発生し、水が集中するところでは、土壌浸食(ガ リー)を形成している箇所もある。(写真②、③) ・表面水が発生している状況下でも、クラストの下部は水が浸透してい ない。(写真④) クラストも、土中の水や空気の循環を悪化させていると考えられる。 また、クラストにより土中に水が浸透しないため表面水が発生し、これが土壌浸食 の発生を助長させていると考えられる。

現状の課題②

クラストの存在、練炭灰の影響

(6)

現状の課題②

クラストの存在、練炭灰の影響

①クラストの発生 ②表面水の発生

④降雨時の土壌の乾燥状況 ③ガリーの発生

(7)

羽衣の松周辺には、

外部から持ち込まれと思われる客土(写真①の茶色の土)や、埋設さ れたゴミ等が出てくる箇所(写真②、③)もある。

(8)

現状の課題③

ゴミ、客土の影響

①外部から持ち込まれた客土

(9)

マツの生育に与える固結層等への対策を検討するためには、なぜ、固結層が生成され たのかという原因の分析を行い、将来にわたって固結層等を生成を防ぐ対策を実施する ことが必要である。 固結層の生成原因を「練炭灰や外部からの土砂の持ち込み(外部物質)」と「人の立入り による踏圧」であると仮定し、それぞれの影響の程度を調べるため、調査地点を以下のと おり選定した。 A地点:外部物質の影響や踏圧の影響を強く受けている。(推測) B地点:外部物質の影響は受けているが、踏圧の影響は受けていない。(推測) C地点:外部物質、とりわけ練炭灰の影響は少ない。(推測) D地点:外部物質、とりわけ練炭灰の影響は少ないが、踏圧の影響を強く受けている。 (推測) E地点:(対照区)練炭灰の影響は少なく、踏圧の影響も少ない。 F地点:(対照区)練炭灰や踏圧の影響を受けてない。 以上の調査地点間のデータを比較することで、 外部物質や踏圧の影響を調べる 以上の調査地点間のデータを比較することで、 外部物質や踏圧の影響を調べる B地点は平成27~28年度に、水圧による固結層の破壊や、土壌改良材 の充填を行い、立ち入りを禁止する柵を設置している。

固結層等の生成要因調査

【調査位置】

(10)

水飲場 M 水飲場 井 広報塔 広報塔 ベンチ ベンチ ベンチ WC ベンチ 四 阿 案内板 案内板 情報版 情報版 案内板 案内板 11.55 12.58 12.98 12.63 13.04 13.88 13.11 13.46 13.75 13.44 12.50 11.96 12.28 12.12 12.25 12.94 10.81 10.42 12.32 12.05 5.93 8.10 5.85 10.22 10.45 10.80 13.14 13.43 13.65 13.14 12.73 12.12 13.07 14.31 13.99 11.61 12.57 8.88 7.03 6.60 11.53 12.54 13.13 10.97 11.74 12.45 11.55 13.15 13.91 14.38 14.69 14.52 13.26 14.30 14.22 9.58 9.56 10.96 10.87 25M38 25M39 25M11 25M12 25M13 25M14 25M15 25M16 10 10 10 調査位置平面図 KBM H=14.674m KBM H=13.636m :クラスト :水みち確認箇所 :土壌侵食箇所 :観光客メイン動線 :ロープ柵 A B D F ○ 茶色い土砂が出た箇所 神の道 海 【仮定】 踏圧の影響 外部物質の影響 強 弱 強 弱 A地点 B地点 D地点 F地点 売店 エレーヌの碑 羽車神社 新三景之碑 羽衣の松

A

B

D

F

固結層等の生成要因調査

【調査位置図】

(11)

①土壌断面調査 ②土壌硬度測定 : 固結層の有無 1.固結層の確認調査 1.固結層の確認調査 ①蛍光X線分析 : 含まれている元素を調査 ②X線回折分析 : 含まれている粘土鉱物の調査 ③土壌粒度分布測定 : 土壌粒子の粒径組成の調査 2.練炭灰の影響調査 2.練炭灰の影響調査 ①孔隙率 : 土壌粒子の間隙量の調査 ②飽和透水係数 : 土壌粒子間の水の移動のしやすさを示す係数の調査 3.踏圧の影響調査 3.踏圧の影響調査 AからFの6地点について、以下の3分野、7項目の調査を行い、 それぞれの差を調べる。

固結層等の生成要因調査

【調査方法】

(12)

【土壌断面調査】(土壌断面の状況を確認する) 深さ1m程度掘削し、固結層やクラストの深さ方向の分布と性質を確認するた め、土壌断面(深さ方向)を作成する。 【土壌硬度測定】(固結層を位置を確認する) 山中式土壌硬度計を用いて、土壌断面の硬度を測定し、固結層の有無を確認 する。 【蛍光X線分析】(土壌の成分分析により、他の地点との成分の特異・同一性を調査する。) クラストや土層ごとに採取した試料から、粘土画分のみを抽出し、含まれてい る元素を調査する。 【X線回折分析】(土壌の粘土鉱物分析により、他の地点との粘土鉱物の特異・同一性を調査する) クラストや土層ごとに採取した試料から、粘土画分のみを抽出し、含まれてい る粘土鉱物を調査する。 【土壌粒度分布測定】(他の地点との粒径組成の特異・同一性を調査する。) クラストや土層ごとに採取した試料の粒径組成を調査する。 【孔隙率】(踏圧の影響により、締固まっているか調べる) 土層ごとに採取した試料の、土壌粒子の間隙量(孔隙率)を測定する。 【飽和透水係数】(踏圧の影響により、水の浸透のしやすさを調べる) 土層ごとに採取した試料の、土壌粒子間の水の移動しやすさ(透水係数)を測 定する。

固結層等の生成要因調査

【調査方法】

(13)

・X線を照射すると、原子の内殻電子がはじき出され、外殻電子から電子が移動する。 ・その際に、蛍光X線としてエネルギーが放射される。 ・原子ごと固有のエネルギーを有しており、このことから含まれている元素がわかる。 蛍光X線分析 蛍光X線分析 ・練炭灰の成分元素と土壌の成 分元素を調べて比較する。 ・練炭灰が含まれていれば、同 様の傾向が土壌にも見られる。

X線 蛍光X線 :電子

蛍光X線分析について

本分析に使用する試料は、多くが砂であり、練炭灰 等の成分が含まれているとしても、それは粘土分の 中に僅かに存在するものと考えられる。 そのため、砂粒子を固着させるような微細な粘土画 分のみ抽出し、分析を行う。

(14)

・粘土鉱物等の規則正しい配列で原子が並んでいる物資にX線を照射すると、一定 の角度で攪乱・増幅される。(X線回折現象) ・この回折の角度と強度で、粘土鉱物の種類や含まれている量がわかる。 X線回折分析 X線回折分析 ・結晶の配列構造の違いで増幅 する角度が違う。 ・練炭灰に含まれているモンモリ ロナイトや鉱物と、土壌に含ま れている鉱物を比較する。 第1格子面 第2格子面 Θ 2 Θ d dsinΘ λ X線回折分析のイメージ X線検出器 Θ

X線回折分析について

・粘土鉱物は似たような配列構造を持つものも多いので特定 することが困難である。 ・抽出した試料を焼却・薬品処理し、配列構造を変化させるこ とで回折現象が変化するため、この変化から同定を行う。 増 幅

(15)

・水が土壌を間隙を移動する程度を表した定数のこと。 ・間隙が少なければ、飽和透水係数が低い。 ・水が土壌を間隙を移動する程度を表した定数のこと。 ・間隙が少なければ、飽和透水係数が低い。 飽和透水係数 飽和透水係数

:砂粒子

締固まっていると 飽和透水係数が低くなる。 ・土壌粒子間の空隙にある気相や液相のこと。 ・踏圧により締固まっている可能性がある。 ・土壌粒子間の空隙にある気相や液相のこと。 ・踏圧により締固まっている可能性がある。 孔隙率 孔隙率

孔隙率及び飽和透水係数について

踏圧を受けると、 土壌の孔隙率が低くな る。

(16)
(17)

【結果】 (土壌断面・硬度調査) ・土壌硬度の測定結果から、A地点とD地点で、一定の深さにおいて、土 壌硬度が高くなり、下層が低くなる“固結層”が確認された。 ・対照区のF地点は深さ方向全体で硬度が低く、固結層は存在しない。 ・B地点においては、F地点より硬度が高いものの、固結層は存在しない。 【考察】 ・固結層は全域に広がっているわけではない。 ・観光客の立ち入りがないE、F地点や、柵により立ち入りができない B地 点は、固結層が存在しない。

固結層の位置調査結果

(18)

0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 5.00 9.60 5.00 2.74 2.74 2.74 2.74 3.82 3.82 2.74 5.00 5.00 5.00 5.00 3.82 2.74 2.74 3.82 2.74 3.82 2.74 2.74 2.74 2.74 3.82 3.82 3.82 5.00 9.60 6.37 3.82 0.00 20.00 40.00 60.00 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 60 64 68 72 76 80 84 88 2.74 6.37 11.56 13.72 11.56 34.20 21.95 39.59 34.20 34.20 45.86 39.59 39.59 29.60 25.68 21.95 21.95 16.07 21.95 11.56 9.60 13.72 13.72 9.60 7.94 13.72 13.72 7.94 11.56 5.00 16.07 6.37 13.72 9.60 21.95 9.60 13.72 6.37 0.00 20.00 40.00 60.00 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 60 64 68 72 76 80 84 88 0.00 0.00 0.00 2.74 6.37 11.56 7.94 11.56 13.72 11.56 11.56 7.94 5.00 7.94 11.56 11.56 13.72 7.94 7.94 7.94 11.56 7.94 9.60 7.94 7.94 9.60 13.72 18.91 9.60 13.72 6.37 9.60 9.60 9.60 7.94 7.94 7.94 6.37 7.94 6.37 5.00 5.00 5.00 5.00 6.37 11.564 0.00 20.00 40.00 60.00 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 60 64 68 72 76 80 84 88 0.00 0.00 13.72 9.60 13.72 11.56 6.37 18.91 18.91 18.91 9.60 29.60 29.60 34.20 29.60 45.86 34.20 45.86 34.20 29.60 21.95 21.95 25.68 18.91 16.07 16.07 21.95 13.72 18.91 18.91 13.72 9.60 13.72 7.94 7.94 7.94 9.60 9.60 9.60 5.00 5.00 0.00 20.00 40.00 60.00 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 60 64 68 72 76 80 84 88 A地点 (売店前) A地点 (売店前) B地点 (羽衣の松周辺) B地点 (羽衣の松周辺) D地点 (羽車神社北側) D地点 (羽車神社北側) F地点 (対照区) F地点 (対照区) 固結層 固結層

1-①、②

土壌断面調査の結果

A地点とD地点で土壌硬度の高い“固結層”が確認された。 A地点とD地点で土壌硬度の高い“固結層”が確認された。 (土壌硬度の単位は 10‐2N/㎟)

(19)

【結果】 (蛍光X線分析) ・売店から入手した練炭灰と各地点の固結層やクラストを分析した結果、A 地点のクラストから、練炭灰に多く含まれているCaが若干多く検出された。 【考察】 ・A地点のクラストにおいては、練炭灰の成分の影響が考えられるが、他の 地点では顕著な影響は見られない。 ・ただし、A地点以外でも全く練炭灰の影響がなかったとは言いきれない。

2-①

蛍光X線分析の結果

(20)

F地点 クラスト (0~1㎝) 固結層 11~24㎝ 9~49㎝ クラスト (0~1㎝) 固結層 23~35㎝ 12~24㎝ Al2O3 18.14 15.29 12.75 12.10 13.20 14.11 13.71 BaO 3.89 - - - -CaO 29.96 1.81 0.72 1.13 1.00 0.83 0.97 CuO - - 0.01 - - 0.01 -Fe2O3 7.44 12.16 10.33 13.38 11.00 14.20 16.40 K2O 2.85 3.34 3.17 3.53 3.49 4.04 3.91 MnO 0.10 0.22 0.23 0.38 0.13 0.31 0.33 Rb2O - - - -P2O5 - - 0.06 - - - -Rh - - - -SiO2 35.06 65.75 71.41 68.06 69.90 65.15 63.11 SO3 0.72 - - - -SrO 0.25 - - - -TiO2 1.60 1.35 1.28 1.37 1.26 1.29 1.51 ZnO - 0.09 0.04 0.05 0.02 0.07 0.06 ZrO2 - - - -B地点 練炭灰 A地点 D地点 化学式 A地点(売店前)のクラストから、 練炭灰に多く含まれているカルシウムが、若干多く検出された。 A地点(売店前)のクラストから、 練炭灰に多く含まれているカルシウムが、若干多く検出された。

2-①

蛍光X線分析の結果

(単位:%)

(21)

【結果】 (X線回折分析) ・売店から入手した練炭灰とA地点とD地点のクラストや固結層を分析 した結果、A地点のクラストと固結層から、練炭灰に多く含まれるCaOや CaSO4が多く検出された。 ・2:1型粘土鉱物は練炭灰には含まれていなかったが、A地点のクラス トや固結層からのみ、多く検出された。 【考察】 ・A地点のクラストや固結層においては、練炭灰の成分の影響が考えら れるが、その影響が顕著に見られるのは、売店付近である。 ・A地点のみ粘土鉱物が見られたことから、ここに外部から粘土分の多 い物質が持ち込まれたことが推定できる。

2-②

X線回折分析結果

(22)

2-②

X線回折分析結果

練炭灰には、CaOや CaSO4が多く検出された。 この鉱物が他の地点で存 在するかで、練炭灰の影 響範囲が推定できる。 他の地点で見られない物 質が存在する場合は、外 部から土砂の持ち込みに よるものだと推定できる。 練炭灰には、CaOや CaSO4が多く検出された。 この鉱物が他の地点で存 在するかで、練炭灰の影 響範囲が推定できる。 他の地点で見られない物 質が存在する場合は、外 部から土砂の持ち込みに よるものだと推定できる。 CaO① CaSO4 CaO②

(23)

【結果】 (土壌粒度分布調査) ・A地点のクラストと固結層、D地点のクラストにおいて、シルト分+粘土 分の割合が高い。 ・また、A地点の固結層には細粒分が多かったのに対し、D地点では固 結層においても、B、F地点と比べ、粒径組成に差異がない。 【考察】 ・クラストは細粒分が凝集して形成されていると考えられる。 ・A地点の固結層は、細粒分との関係性があると考えられる。 ・D地点の固結層の生成要因に細粒分の比率が大きく関係していない と考えられる。

2-③

土壌粒度分布調査結果

(24)

a b c d a b c d c+d シルト分+粘土分 10.3 4.3 4.6 4.3 4.2 4.9 シルト分(0.005~0.075㎜ 3.2 0.3 0.4 0.1 0.2 0.7 粘土分(0.005㎜未満) 7.1 4.0 4.2 4.2 4.0 4.2 礫分(㎜) 0.0 2.0 2.0 1.4 1.5 0.9 砂分(0.075~2.000㎜) 89.7 93.7 93.6 94.3 94.3 94.2 c+d シルト分+粘土分 7.2 5.7 8.2 5.0 D地点 F地点 クラスト 0~13㎝層 13~23㎝層 固結層 22~34㎝層 0~11㎝層 11~24㎝層 シルト分(0.005~0.075㎜ 0.8 1.2 2.4 0.6 粘土分(0.005㎜未満) 6.4 4.5 5.8 4.4 礫分(㎜) 0.0 0.0 0.0 1.0 砂分(0.075~2.000㎜) 92.8 94.3 91.8 94.0 A地点 B地点 クラスト 0~11㎝層 固結層 10~24㎝層 0~9㎝層 A地点及びD地点のクラストで細粒分の割合が多い。 A地点及びD地点のクラストで細粒分の割合が多い。

2-③

土壌粒度分布調査結果

(25)

【結果】 (孔隙率) ・土壌の孔隙率測定の結果、踏圧の影響や固結層のない土壌の標準的な数値 は、46~48%である。(F地点) ・対照区F地点と比較して、A地点とD地点の土壌は全体的に締固まっている。 (飽和透水係数) ・土壌の飽和透水係数測定の結果、三保松原の標準的な数値は11~12×10‐4 ㎝/sである。 ・対照区F地点と比較して、A地点とD地点の土壌は全体的に透水性が悪い。 (その他) ・B地点は、孔隙率、飽和透水係数ともに対照区F地点と近い数値となっていた。 【考察】 ・A地点とD地点が比較的締固まっている原因は、他に外力が働いていないこと から、踏圧と考えられる。 ・B地点では過去の土壌改良により、孔隙率や飽和透水係数が改善されている と考えられる。

3-①、②

孔隙率・飽和透水係数の調査結果

(26)

 10~24㎝ 41% 土壌深度 土壌深度   0~ 9㎝ 土壌深度 孔隙率   0~11㎝  25~ 46% 41% 土壌深度 孔隙率 41% 45%  40~   A地点 B地点 D地点 F地点 飽和透水係数 飽和透水係数 飽和透水係数  49~ 41% 45% 飽和透水係数 孔隙率  24~40㎝ 45% 孔隙率   0~11㎝ 8.58 15.90 45% 4.67 8.51   9~49㎝ 13.23 2.77 48% 4.99 4.86 6.40 3.96 1.65 2.02  16~23㎝ 42%   0~16㎝ 42%  22~34㎝ 40%  34~  12.27 11.90  11~25㎝ 46% : 固結層位置 飽和透水係数の単位は【10‐4㎝/s】 A地点及びD地点で土壌が締っている。 A地点及びD地点で土壌が締っている。

3-①、②

孔隙率・飽和透水係数の調査結果

表:土壌の孔隙率・飽和透水係数の調査結果

(27)

今回の調査結果より、固結層は ①固結層は一定の深さ(深さ10~40cm程度)で形成されている。 ②固結層はA地点ではCaが多いが、D地点では自然状態と差がない。 ③固結層は、孔隙率が低く、締固まっている。 これらの結果から、固結層の生成メカニズムを検討すると以下の通りと 推察される。 地表面に外からの力が加わると、地表付近では砂の粒子が水平方向 に移動することにより圧力を逃がし、締固まらないが、一定の深さに達 すると粒子が水平方向に移動する自由度がなくなり、粒子間の隙間が 狭くなり、締固まった状態になる。 また、A地点では練炭灰成分の影響が見られたことや、客土されていた と思われることから、これら外部からの土砂の持ち込みが固結層の生 成に影響していると考えられる。 地表面に外からの力が加わると、地表付近では砂の粒子が水平方向 に移動することにより圧力を逃がし、締固まらないが、一定の深さに達 すると粒子が水平方向に移動する自由度がなくなり、粒子間の隙間が 狭くなり、締固まった状態になる。 また、A地点では練炭灰成分の影響が見られたことや、客土されていた と思われることから、これら外部からの土砂の持ち込みが固結層の生 成に影響していると考えられる。

固結層の生成メカニズム①

(28)

A地点及びD地点で踏圧が大きく影響していると考えられた。 A地点及びD地点で踏圧が大きく影響していると考えられた。 A地点では練炭灰や客土の成分も影響していると推定される。 A地点では練炭灰や客土の成分も影響していると推定される。

固結層の生成メカニズム①

・踏圧を受けると、砂の粒子が移 動することで圧力を逃がす。 ↓ ・一定の深さで逃げられなくなり、 締固まり、透水性が悪くなる。 ↓ ・透水性が悪くなったところへ、粘 着性のある細粒分が蓄積し、 さらに踏圧を受け、固着するこ とで“固結層が生成される。 ・踏圧を受けると、砂の粒子が移 動することで圧力を逃がす。 ↓ ・一定の深さで逃げられなくなり、 締固まり、透水性が悪くなる。 ↓ ・透水性が悪くなったところへ、粘 着性のある細粒分が蓄積し、 さらに踏圧を受け、固着するこ とで“固結層が生成される。 踏 圧 固 結 層

(29)

【細粒分等の影響について】 ・ただし、踏圧だけで固結層ができるとは限らない。 ・砂の粒子自体は、粘着性が弱く、砂だけでは締め固めても固結しにくい。 ・そのため、固結するためには粘土のような細粒分が影響していると考えられる。 ・土壌粒度分布の細粒分(シルト分+粘土分)は、A地点クラスト(7.2%)、A地点 0~10㎝層(5.7%)、 A地点固結層(8.2%)、D地点クラスト(10.3%)が高く、それ 以外のところは4.2~5.0%であり、大差がない。 ・A地点においては、練炭灰の影響が確認されていることから、練炭灰のような 細粒分が固結層の生成に影響していることが推定される。 ・「細粒分が多く、踏圧がない場所」で固結層が形成されるかについては、表層 のクラストは踏圧により形成されるとは考えにくいので、細粒分が多い場合は、踏 圧がなくても固結層が形成されやすいと考えられる。

固結層の生成メカニズム②

(30)

【細粒分等の供給について】 ・細粒分の供給については、海からの風により、松原内には常に新しい砂や細 粒分が供給されている。 ・その一方、降雨の際、土中の透水係数が高ければ、細粒分は比較的下部に流 されやすい。 ・よって松原内の土中には、一定程度の細粒分は常に存在する。

固結層の生成メカニズム②

(31)

・A地点は、浅い位置で固結層が形成されていることから、踏圧+細粒分によって 固結層が形成され、特に細粒分の影響が大きいと考えられる。 ・D地点の固結層の生成要因は以下と推定される。 ①深度の深いところでは、踏圧により砂が締まり、そこに細粒分が影響し、砂の 粒子間の固着力が高まり、透水性が少し悪くなる。 ②そこに、さらに細粒分が滞留しやすくなり、固結がより進む。 ③これにより、細粒分のわずかな増加であっても、踏圧により比較的深い位置 に固結層が生成される。

固結層の生成メカニズム③

(32)

固結層の生成メカニズム③

踏圧あり 踏圧なし 細粒分小 深度が深い場合は固結 する可能性大 (D地点の固結層) 固結しない (F地点など) 細粒分大 固結する (A地点の固結層) 固結する可能性大 (クラスト) 固結には細粒分が影響していると考えられる。 固結には細粒分が影響していると考えられる。 細粒分は、練炭灰や外部からの客土に含まれるほか、 海からの風等により供給されている。 細粒分は、練炭灰や外部からの客土に含まれるほか、 海からの風等により供給されている。

(33)

【考察】 ・クラストは、土中に固結層がある場合に、固結層上部に水が溜まり、 土中の細粒分が浮遊・懸濁し、乾燥時に表面に取り残されることで生成 されていると考えられる。 ・降雨によって表面水が生じ、水が流れ去った後、残された細粒分が 固まり、自然発生的に形成される。 ・固結層のある部分では雨水の土中への透水性が悪くなっているため、 少量の雨量でも表面水が生じやすくなっており、クラストが形成されや すい。

クラストの生成要因について

(34)

降雨により、表面水が発生 土壌中の細粒分が浮遊・懸 濁 乾燥・浸透する際に、表面に細 粒分が取り残され、それが乾き、 薄い板のようなものができる

クラストの生成要因について

地表に水が 溜まりやすい 透水性が悪い クラストの形成 固 結 層 固 結 層 固 結 層

(35)

【考察】 ・クラストは透水性が著しく悪く、土中の水と空気の循環を悪化されて いると考えられる。 ・このような状況は、マツの根への酸素の供給を妨げており、生育環 境が悪い。 ・しかし、クラストだけ除去しても、細粒分は風による砂の移動などに より、常に新たに供給される。 ・よって、透水性の悪い固結層がある場合は、降雨等の繰り返しによ り、またクラスト層が発生する。 ・このような状況は、マツの根の生育を妨げ、マツの樹勢に悪影響を 与えている。 【対策】 ・B地点で透水性が改善されていたように、固結層を穿孔・破壊するこ とで、水と空気の循環が回復し、マツの生育環境が改善されると考えら れる。

土壌調査結果のまとめ

(36)

クラスト 固 結 層 固 結 層 固 結 層 浸透せず、水 と空気の循環 が悪い ↓ マツの生育環 境が悪化 固結層で滞水 ↓ マツの生育環 境が悪化 降雨が表面水とな り、クラストが再度 生成されやすい クラストを除去した場 合 土壌改良の実施 三保松原の現状

土壌調査結果のまとめ

固結層を貫通・ 破壊することで、 水と空気が循環 が回復 ↓ マツの生育環境 が改善 細粒分

(37)

【A地点:売店前周辺における降雨時の水の動きについて】 ・売店前のA地点では、表面にクラストが形成されており、少量の雨量でも浸 透せずに表面水となり、流下していく。 ・水が浸透せず、空気の循環も悪く、マツの根の生育環境が悪い。 ・浅い位置に固結層があるため、土中の透水性も悪い。

羽衣の松周辺における降雨時の水の動き

(A地点:売店前)

以上の調査結果・考察を受け、羽衣の松周辺で起きている現象を

説明すると以下の通りとなる。

以上の調査結果・考察を受け、羽衣の松周辺で起きている現象を

説明すると以下の通りとなる。

(38)

羽衣の松周辺における降雨時の水の動き

(A地点:売店前) 表面水 表面水 売店から流入 売店から流入 クラスト : ほとんど浸透しない 降雨量50㎜/h程度の場合 降雨量10㎜/h程度の場合 固結層 : 硬く締っており、透水性が悪い 透水性が著しく悪いクラスト(細粒分の凝集)の形成 (練炭灰や外部からの客土の影響有り) クラスト : ほとんど浸透しない 固結層 : 硬く締っており、透水性が悪い 売店周辺からの水も加わり、表面水が増加し、流下する。 流下した水が土壌浸食にいたり、松の根が露出するような表面水となった場合、 マツの生育環境に悪影響がある。 浸透しないため、マツの根に水と空気の供給がされず、生育環境が悪い。

(39)

【B地点:羽衣の松西側周辺における降雨時の水の動きについて】 ・羽衣の松西側のB地点では、H27~H28の土壌改良の効果もあり、30㎜/h程 度の雨量までは浸透可能である。 ・少量の雨量の場合、A地点から流下する表面水も加わるが、途中で浸透する。 ・しかし、近年、50㎜/hを越える降雨がしばしば観測され、この場合は浸透しき れなくなった雨量が表面水となり、さらにA地点から流下する表面水も加わり、過 剰な流量となり、ガリー(土壌浸食)が発達する。 ・ガリーは、マツの根を露出させてしまうほどに発達すると、マツの生育に悪影 響がある。 (評価) ・雨水は十分浸透しており、マツの生育のため、水と空気の供給という点では 問題はない。 ・表面水の発生はやむを得ないが、マツの根をガリーについては、対策を講じ るべきである。

羽衣の松周辺における降雨時の水の動き

(B地点:羽衣の松西側)

(40)

羽衣の松周辺における降雨時の水の動き

(B地点:羽衣の松西側) 表面水 表面水 上流部から流入 上流部から流入 30㎜/h 程度 30㎜/h 程度 降雨量50㎜/h程度の場合 降雨量10㎜/h程度の場合 浸透する。 売店周辺からの水も加わり、 浸透しきれず、表面水として流下する。 H28土壌改良を施工透水係数が改善(30㎜/h程度まで) ガリーを発達する。 松の根が露出するような表面水は、 生育環境に悪影響がある。 ただし、一定の透水性 があり、水と空気の循 環は悪くない。

(41)

【D地点:羽車神社北側周辺における降雨時の水の動きについて】 ・羽車神社北側のD地点は、クラストが形成されており、少量の雨量でも浸透 せずに、表面水となり流下する。 ・水が浸透せず、空気の循環も悪く、マツの根の生育環境が悪い。 ・固結層もあるため、土中の透水性も悪い。 (評価) ・固結層の位置が少し深いため、上部のクラストを取れば、ある程度土中に 水と空気は供給される。 ・ただし、下流部にはマツもないため、表面水の発生は大きな影響がない。 ・表層のクラストを一度除去しても、再度クラストが形成される可能性が高い。

羽衣の松周辺における降雨時の水の動き

(D地点:羽車神社北側)

(42)

羽衣の松周辺における降雨時の水の動き

(D地点:羽車神社北側) 表面水 上流部から流入 上流部から流入 表面水 降雨量50㎜/h程度の場合 降雨量10㎜/h程度の場合 クラスト : ほとんど浸透しない 固結層 : 硬く締っており、透水性が悪い クラスト : ほとんど浸透しない 固結層 : 硬く締っており、透水性が悪い 透水性が著しく悪いクラスト(細粒分の凝集)の形成 (練炭灰の影響は少ないと推定される。) 売店周辺からの水も加わり、表面水が増加し、流下する。

(43)

【D地点:羽車神社北側周辺における降雨時の水の動きについて】 ・クラストだけを除去した場合、少量の雨量の場合、14㎜/h程度の雨量まで は浸透するが、固結層の透水性が悪いため、雨水が滞水してしまう。 ・多量の雨の場合、浸透しきれない雨量が表面水となるうえ、固結層で滞水 した水が溢れてしまう。 ・固結層により表面水が生じやすく、再度クラストが形成されることが推察さ れる。 ・また滞水することで、マツの根が生育に悪影響を与えていると考えられる。 (評価) ・クラストの再形成の可能性がある。 ・下流にマツは存在していないため、表面水は大きな影響を与えないが、周 辺のマツの生育環境を改善するため、クラストの再形成を防ぐ土壌改良をする ことが必要である。

羽衣の松周辺における降雨時の水の動き

(D地点:羽車神社北側)

(44)

羽衣の松周辺における降雨時の水の動き

(D地点:羽車神社北側) 上流部から流入 14㎜/h程度 表面水 14㎜/h程度 降雨量50㎜/h程度の場合 降雨量10㎜/h程度の場合 浸透する。 ↓ しかし、固結層の上部で滞水する。 硬く締り、透水性が悪い固結層がある。(5mm/h程度) クラストの再形成。 固結層 : 硬く締っており、透水性が悪い 固結層 : 硬く締っており、透 水性が悪い マツの根の生育環境に悪影響がある。 固結層の上部で滞水する。 ↓ 水が溢れて表面水が発生する。 クラストを除去した場合

(45)

【結果】 ・今回の調査結果から、各地点の飽和透水係数を時間雨量に換算し、平成 29年10月23日未明に県内に上陸した台風21号時の雨量に重ねた。 ・対照区のF地点では、42.8㎜/hの雨量まで浸透可能であった。 ・一番悪い所は、D地点の5.9㎜/hであった。 ・土壌改良を行ったB地点では、30.8㎜/hの雨量まで浸透可能であった。 【考察】 ・羽衣の松周辺の老齢大木エリアでは、B地点を除き、透水性が悪く、少量の 雨量で表面水が生じていると考えられる。 ・とくにA地点は、羽衣の松周辺エリアの上部に位置しており、ここの透水性 が悪いと、下流部へ流下し過剰な流量となる可能性がある。 ・一方でD地点は下流部にマツも存在しておらず、海岸となるため、表面水は 大きな問題とはならない。

(参考)飽和透水係数と降雨量の関係

(46)
(47)

【今後の対策について】 ① 三保松原の老齢大木エリアには、“固結層”や“クラスト”が生成されており、水と空 気の供給がされず、マツの根の生育に悪影響がある。

→そのため、まず第1に水と空気の循環が回復させるような土

壌改良が必要となる。

② 練炭灰等の外部要因の影響のあった売店周辺については、

外部要因を取り除き、マツの生育に適した砂に入れ替える必

要がある。

観光客による踏圧への対策が必要である。

対策案としては、以下のものが考えられる。

対策の実施にあたっては、経過観察や対策の実証実験を行い、

柔軟な対応・対策の見直しをしていく必要がある。

今後の対策について

ア.老齢大木エリアへの立入りを禁止し、生育環境の保全を図る。 イ.観光客の動線の集中を避けるため、ルートの変更や周遊ルートを設けるこ とで踏圧を分散させ、固結層の生成を防ぐ。 ウ.踏圧を防止する資材(踏圧分散マット等)を施工し、固結層の生成を防ぐ。

(48)

今後の対策について

“固結層”や“クラスト”の対策 “固結層”や“クラスト”の対策 “踏圧”への対策 “踏圧”への対策 練炭灰等“外部要因”への対策 練炭灰等“外部要因”への対策 固結層を貫通・破壊し、 水と空気の循環を回復させる。 練炭灰や客土などを除去し、 砂に入れ替え 固結層を再度生成させないため、 踏圧防止措置の実施 対策の実施にあたっては経過観察や実証実験を行い、 柔軟な対応・対策の見直しを行う

(49)

今後の対策例(動線の移動について)

【動線の移動について】 ・三保松原の観光客の動線は、羽衣の松の北側を通り、海岸に抜けて、富士 山を望むルートに集中している。(観光客は羽衣の松だけを目的に訪れていない) ・そのため一定の箇所に過剰な踏圧が掛かっていると考えられ、これを分散さ せる方法が有効である。 ・そこで、既存の歩道や名勝を利用し、観光客を周遊させることで、踏圧を分散 させることができ、有効である。

(50)

今後の対策例(動線の移動について)

駐車場 ビジターセンター 神の道 羽衣の松 富士山展望ポイント 周遊 御穂神社 名勝三保松原の石碑

(51)

踏圧対策の比較

【恒久的な対策の比較】 ・立ち入り禁止は、マツの保全に対する効果は優れているが、“羽衣の松が見 たい”という社会的要請に応じることができない。 ・動線の変更には、新たな経路の設置や道筋の検討が必要となるが、景観へ の影響はない。 ・踏圧防止材の設置は、固結層の生成も抑止され、観光客等の立入りを禁止 することはないが、経費が最も必要となる。また、結果については、検討が必要 である。

(52)

マツの保全に 対する効果 経費 観光客対応 施工性 景観への 配慮 立入禁止 ○ 本来の生育環境 に復元 ○ 柵や看板設置 経費のみ ▲ 観光客の 立入り不可 ○ 容易 ○ 林内に工作物 無し 動線変更 △ 林内を通行する 箇所には、踏圧 が発生する △ 新たな経路の 設置が必要 ○ 観光客の通行 を妨げない △ 砂浜への侵入経 路を設置する必 要がある ○ 林内に工作物 無し 踏圧防止資 材の設置 ○ 固結層の生成抑 止が可能 ▲ 設置経費が必要 ○ 観光客の通行 を妨げない ▲ マツへの影響を 減らすための施 工方法や時期に 配慮が必要 ○ 林内に工作物 無し

踏圧対策の比較

参照

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