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肝癌検討会51回表紙

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Academic year: 2021

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プログラム

抄 録 集

DIC502 BK 日 時 平成27年4月11日(土) 14:00∼17:50 会 場 秋葉原コンベンションホール 当番幹事 山梨大学医学部 第一外科 松田 政徳

51

回 肝癌症例検討会

共催

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肝癌症例検討会運営委員

東京大学医科学研究所附属病院放射線科 赤井 宏行 虎の門病院肝臓センター 池田 健次 武蔵野赤十字病院消化器科 泉 並木 慶應義塾大学医学部外科学(一般・消化器) 板野 理 いたのクリニック 板野 哲 山梨大学医学部放射線医学講座 市川 智章 三井記念病院放射線診断科 衣袋 健司 東京医科大学八王子医療センター消化器内科 今井 康晴 静岡県立静岡がんセンター肝胆膵外科 上坂 克彦 聖マリアンナ医科大学消化器・一般外科 大坪 毅人 静岡県立総合病院肝胆膵外科 大場 範行 北里大学医療衛生学部病理学 大部 誠 慶應義塾大学医学部病理学教室 尾島 英知 群馬県立がんセンター放射線科 女屋 博昭 杏雲堂病院消化器・肝臓内科 小尾俊太郎 東京医科大学病院消化器内科 小林 功幸 獨協医科大学第二外科 窪田 敬一 東京大学医学部附属病院肝胆膵外科・人工臓器移植外科 國土 典宏 新百合ヶ丘総合病院肝疾患低侵襲治療センター 國分 茂博 帝京大学医学部病理学講座 近藤 福雄 日本赤十字社医療センター消化器内科 斎藤 明子 国立がん研究センター東病院放射線診断科 佐竹 光夫 医療法人社団三思会 くすの木病院 高木 均 帝京大学ちば総合医療センター外科 田中 邦哉 東京医科歯科大学肝胆膵外科 田邉 稔 湘南藤沢徳洲会病院病理診断科 中野 雅行 帝京大学医学部病理学講座 福里 利夫 帝京大学医学部放射線科学教室 古井 滋 日本赤十字社医療センター 幕内 雅敏 山梨大学医学部第一外科 松田 政徳 杏林大学医学部病理学教室 望月 眞 東京女子医科大学消化器病センター消化器外科 山本 雅一

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i

51 回 肝癌症例検討会

当番幹事:山梨大学医学部 第一外科 松田 政徳

日 時:2015 年 4 月 11 日(土)14:00~

会 場:秋葉原コンベンションホール

東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル 2F TEL 03-5297-0230

共催:肝 癌 症 例 検 討 会

会 場 周 辺 地 区

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ii

検討会運営についてのお願い

1) 発表機材は、PC (Windows)のみと致します。

会場では、Windows 7 の PC をご用意しております。

発表データは、Windows 版 Power Point 2007・2010・2013 で、発表時間内に 終了するようご作成ください。

※Power Point 2003 以前はサポート外となりますので、ご注意ください。 ※ 動画をご使用の際は、Windows OS に標準搭載されている Windows

Media Player で再生可能なファイル形式で作成し Power Point に挿入し てください。 (動画のファイルは、Power Point のファイルと同一のフォルダー内に保存 してください。) PowerPoint2010 以降で動画ファイルを埋め込み処理された場合でも、 バックアップとして動画の元ファイルのご用意をお勧め致します。 動画再生に不安がある場合は、PC のお持ち込みをお願い致します。 ※ Power Point の「発表者ツール」機能の使用や PC を演台に載せての発表は 出来ませんので、ご注意ください。 ※ Windows 8 で固有のタップ操作等の機能の使用は出来ませんので、ご注意 ください。 ※ Mac をご使用の際は、PC のお持ち込みをお願い致します。 (尚、iPad 等での発表は出来ません。) 2) 発表データは、USB メモリーに保存の上、発表開始の 40 分前迄に、会場入口 のデータ受付にて試写をお済ませください。 ※ PC をお持ち込みの際は、AC アダプタをお忘れ無くご持参ください。 又、外部映像出力端子がDsub15p 以外の出力端子の場合は、専用の変換 アダプタもお忘れ無くご持参ください。 3) ご提出頂いた病理標本は、データ受付にてご返却致しますので、速やかに お受け取りください。

(5)

iii 4) 発表時間は、質疑・討論の時間を含まず 3 分です。 ※ 発表時間の厳守をお願い致します。 (特に動画をご使用の際はご注意ください。) 演者・座長には発表終了 1 分前に黄ランプ、終了時に赤ランプでお知らせ 致します。 5) スライドショーのページ送りは、演台にご用意するキーボード・マウスにて、 ご自身の操作でお願い致します。 6) 質疑・討論の際は、所属・氏名を述べてからご発言ください。 肝癌症例検討会のサイトが開設されました。

http://kangan.web.fc2.com/

「TOP」には最新の検討会の情報, 「肝癌症例検討会について」には検討会の紹介・会則・役員名簿, 「過去の検討会」には全50 回の検討会のテーマ一覧が記されている他, 各回のプログラムをダウンロードできます。 また,「関連雑誌」では本検討会の記録集「Liver Cancer」の特集一覧を閲覧できます。 内容は順次,拡充される予定でございます。ご活用下さい。

52 回肝癌症例検討会のお知らせ

次回、第52 回肝癌症例検討会は下記の要領で行います。 日 時: 平成 27 年 11 月 7 日(土)14:00~ 会 場:秋葉原コンベンションホール 東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル 2F TEL. 03-5297-0230 当番幹事:慶應義塾大学医学部 病理学教室 尾島英知

(6)

iv

ロ グ ラ ム

はじめに

第51 回肝癌症例検討会の主題テーマは「発生、進展、再発病態の示唆に富む 肝癌症例」とさせていただきました。原発性肝癌はその発生原因として肝細胞癌 ではウイルス性肝炎、アルコール、NAFLD などの脂肪肝などが、肝内胆管癌で は、C 型ウイルス肝炎や有機溶剤、寄生虫などが報告されていますが、発癌因子 の違いによる発癌機序や特徴は明らかでなく、癌細胞の由来も不明です。原発性 肝癌のほとんどを占める肝細胞癌でも、発生病態として多段階発癌といわゆる de novo 発癌の存在が指摘され、また、進展病態としては、他の消化器癌と比較 して、早期にはリンパ節転移などの肝外進展は低頻度ですが、肝内進展は高頻度 かつ多彩で、脈管への直接進展、経門脈性の肝内転移、あるいは全身的に散布さ れた肝癌細胞の肝臓への再着床などが推定されています。再発様式も、治療病変 の遺残や転移による、“真の再発”に、多中心性発癌が加わり複雑です。このよ うな多彩な臨床像を呈する肝細胞癌の治療は本来、その発生、進展、再発病態を 基に治療法を選択すべきであると考えられますが、いまだその域には達していま せん。 今回、発生、進展、再発病態の示唆に富む肝癌症例を提示していただき、その 多彩な病態を解析し、今後の治療に対する示唆を与えるような検討会にしたいと 考えました。近年、ややもすれば1 例報告は軽視される傾向にありますが、その 1 症例にはその 1 症例のエビデンスがあってそのような病態を呈しているのであ り、多数例の解析は、その1 症例のエビデンスが現時点では解明困難であるため、 平均的な要素を多数例から抽出しているとも考えられます。このような観点から、 1 例 1 例の症例検討は、決して軽視されるべきものではないと考えます。 今回は主題である、発生、進展、再発病態の示唆に富む多数の貴重な肝癌症例 のみならず、多くの興味のある肝癌症例についての演題を頂戴いたしました。当 番幹事として、演者をはじめ座長および病理コメンテーターの方々、討論に参加 していただくすべての方々、準備をお手伝いいただいた皆様方に深謝いたします。 第 51 回肝癌症例検討会 当番幹事 山梨大学医学部 第一外科学教室 松田 政徳

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v

51 回肝癌症例検討会プログラム

開会の辞 山梨大学医学部 第一外科 松 田 政 徳

SESSION I

14:00-15:00

興味ある症例

座長 東京女子医科大学 斎 藤 明 子 慶應義塾大学医学部 板 野 理 山梨大学医学部 市 川 智 章 病理コメンテーター 湘南藤沢徳洲会病院 中 野 雅 行 Ⅰ-1 『肝細胞癌との鑑別が困難であった肝血管筋脂肪腫の1 例』 ··· 2 市立甲府病院 消化器内科 辰 巳 明 久 他 Ⅰ-2 『肝細胞癌を疑い切除されたFNH-like lesion の 1 例』 ··· 3 北里大学医学部 外科 海 津 貴 史 他 Ⅰ-3 『肝腺腫の1 例』 ··· 4 聖マリアンナ医科大学 消化器・一般外科 瀬 上 航 平 他 Ⅰ-4 『腹腔鏡下切除を施行した肝細胞腺腫の1 例』 ··· 5 東京医科歯科大学医学部附属病院 肝胆膵外科 水 野 裕 貴 他 Ⅰ-5 『リンパ節転移をともなった肝原発神経内分泌腫瘍の一切除例』 ··· 7 東京女子医科大学 消化器外科 伊 藤 俊 一 他 Ⅰ-6 『前立腺癌術後14 年目の肝単独再発に対し,肝切除を施行した 1 例』 ··· 8 東京慈恵会医科大学外科学講座 消化器外科 兼 平 卓 他

(8)

vi

SESSION Ⅱ 15:00~15:50

基調講演

座長 東京女子医科大学 山 本 雅 一 講演Ⅰ 『肝細胞癌の発生、進展、再発に関する病理所見』 慶應義塾大学医学部 尾 島 英 知 講演Ⅱ 『肝細胞癌の発生,進展,再発病態と臨床像』 山梨大学 第一外科 松 田 政 徳

休 憩 15:50~16:00

SESSION Ⅲ 16:00~16:40

発生病態の示唆に富む肝癌症例

座長 虎の門病院 肝臓センター 池 田 健 次 聖マリアンナ医科大学 大 坪 毅 人 病理コメンテーター 帝京大学医学部 高 橋 芳 久 Ⅲ-1 『自然退縮を示した肝細胞癌の1 切除例』 ··· 12 東京大学医学部附属病院 肝胆膵外科・人工臓器移植外科 山 本 雅 樹 他 Ⅲ-2 『肝悪性腫瘍が疑われるも自然消褪した炎症性偽腫瘍と別部位に, 異時性に肝細胞癌が出現したアルコール性肝硬変の一例』 ··· 13 山梨大学 第一内科 鈴木 雄一朗 他 Ⅲ-3 『診断に苦慮した,門脈腫瘍塞栓を来した肝腫瘍の一例』 ··· 14 三井記念病院 消化器内科 伊 藤 大 策 他 Ⅲ-4 『治療歴のない肉腫様肝癌の1 例』 ··· 15 山梨大学医学部 第一外科 雨 宮 秀 武 他

(9)

vii

SESSION Ⅳ 16:40~17:00

進展病態の示唆に富む肝癌症例

座長 獨協医科大学 窪 田 敬 一 病理コメンテーター 慶應義塾大学医学部 尾 島 英 知 Ⅳ-1 『胆嚢転移を伴った広範な門脈腫瘍栓を主体とした肝細胞癌の1 例』 ···· 18 慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科 皆 川 卓 也 他 Ⅳ-2 『肝癌の発生と進展について考えさせられた一例』 ··· 19 公益財団佐々木研究所附属 杏雲堂病院 消化器・肝臓内科 小尾 俊太郎 他

SESSION Ⅴ 17:00~17:50

再発病態の示唆に富む肝癌症例

座長 東京医科歯科大学 田 邉 稔 杏雲堂病院 小尾 俊太郎 病理コメンテーター 杏林大学医学部 望 月 眞 Ⅴ-1 『腹腔鏡補助下肝切除後早期に肝内転移様に多数の多中心性 発生を生じた肝細胞癌の1 例』 ··· 22 静岡県立総合病院 外科 大 場 範 行 他 Ⅴ-2 『混合型小肝癌切除後に多発リンパ節転移を来した一例』 ··· 23 東京都立墨東病院 外科 鹿 股 宏 之 他 Ⅴ-3 『高度静脈浸潤を認め,腫瘍組織内に合胞体様の多核巨細胞を 多数認めた再発肝細胞癌の一例』 ··· 24 帝京大学ちば総合医療センター 外科 廣 島 幸 彦 他 Ⅴ-4 『肝細胞癌初回切除後6 年目に胆管,門脈腫瘍栓にて再発した 1 切除例』 ·· 25 獨協医科大学病院 第二外科 多 胡 和 馬 他 Ⅴ-5 『肝切除後12 年目に再発した,非 B 非 C 型肝細胞癌の一例』 ··· 26 東京逓信病院 外科 下里 あゆ子 他 閉会の辞 山梨大学医学部 第一外科 松 田 政 徳

(10)
(11)

抄 録 集

S E S S I O N

(14:00~15:00)

興味ある症例

座 長

東京女子医科大学

斎藤 明子

慶應義塾大学医学部

板野 理

山梨大学医学部

市川 智章

病理コメンテーター

湘南藤沢徳洲会病院

中野 雅行

(12)

-2- Ⅰ-1 肝細胞癌との鑑別が困難であった肝血管筋脂肪腫の1 例 市立甲府病院 消化器内科1),同 消化器外科2),同 病理科3) 辰巳明久1),加藤 亮1),石田泰章1),早川 宏1),門倉 信1),雨宮史武1),樫本健太郎2) 巾 芳昭2),宮田和幸3) 症例は50 代女性。2002 年に検診の腹部エコー検査で S8 の 18m の肝腫瘤を指摘され当 院を受診し,エコー所見から血管腫と診断されていた。2006 年までは定期検査通院をして いたがその後は通院を中断していた。2012 年 11 月に 3 年ぶりに受けた検診のエコーで S7 に新たに肝腫瘍を指摘されたため当科を紹介受診した。腹部エコーではS7 に 20mm の低 エコー結節とS8 に 22mm の高エコー結節を認めた。腹部造影 dynamic CT では S7,8 とも 動脈相で濃染し,遅延相では肝実質と同程度~やや低濃度な結節として描出された。 EOB-MRI では S7, 8 ともに T1 で低信号,T2 ではやや高信号になり,造影早期に濃染し 肝細胞相では明瞭な低信号を呈した。T2 での高信号の程度が典型的な血管腫とは異なり, 診断目的で肝腫瘍生検を実施したが,組織学的にはS7,8 ともに淡明な細胞質を有し異形を 認めない細胞が主体の組織であった。確定診断できなかったが少なくとも悪性腫瘍ではな いと判断し経過観察となった。しかし2014 年 8 月の CT で S8 は 25mm,S7 は 34mm と 肝腫瘍は増大した。画像的には遅延相での染まりが強くなく,肝細胞腺腫を疑ったが増大 傾向であり肝細胞癌を否定できず肝切除術を行った。組織学的にはS7 は淡明な細胞質を伴 う肝細胞とは異なる上皮様細胞からなり血管が多数みられ一部出血も伴っていた。S8 も腫 瘍内の出血は少なかったものほぼ同様な所見であった。免疫染色では両者ともHMB45(+), 抗hepatocyte 抗体陰性であり血管筋脂肪腫と診断した。血管筋脂肪腫は腎で好発するが肝 ではまれな腫瘍であり,画像診断では多彩な像を呈し鑑別困難な場合があり,今回若干の 文献的考察を加えて報告する。

(13)

-3- Ⅰ-2 肝細胞癌を疑い切除されたFNH-like lesion の 1 例 北里大学医学部 外科1),同 病理部2),同 消化器内科3) 海津貴史1),大部 誠2),隈元雄介1),久保任史1),田島 弘1),西山 亮1),渡邊昌彦1) 田中賢明3) 肝細胞癌(以下,HCC)との鑑別が困難であった FNH-like lesion(以下,FNHLL)の 1 例 を経験したので報告する。 【症例】 71 歳女性。前医にて無症候性原発性胆汁性肝硬変の診断で定期通院中に,腹部超音波検 査で肝腫瘤を指摘されたため当院を紹介受診した。飲酒歴や経口避妊薬の内服歴はなかっ た。造影CT にて肝 S4 に 16mm 大の早期濃染する腫瘍を認め,遅延相で等吸収域を呈し た。EOB-MRI の動脈相で高信号,平衡相で等信号,肝細胞相で低信号を示した。肝炎ウ イルスマーカーは陰性で,腫瘍マーカーは AFP,PIVKA-Ⅱともに基準値内であった。画 像所見よりHCC と診断され,腫瘍は左グリソン本幹近傍に局在し,RFA 困難であったた め肝切除の方針となった。Liver Damage A (ビリルビン 0.8,アルブミン 4.0,ICG R15 12%,

PT 100%)であり,完全腹腔鏡下肝左葉切除を行った。手術時間は 10 時間 40 分,術中出 血は270 ml であり,術後 9 日目に合併症なく退院した。肉眼的に腫瘍は確認できなかった が,病理組織学的検査で極めて不明瞭な18×14mm 大の被膜を伴わない結節性病変が確認 された。周囲肝実質に比して核がやや腫大した肝細胞集団からなり,一部に間質浸潤が疑 われEarly HCC や Hepatocellular adenoma(以下,HCA)が鑑別に上がったが,Early HCC マーカー(GPC-3,HSP70,GS)や HCA マーカー(L-FABP,β-catenin,SAA,CRP) の発現パターンから否定的であり,FNHLL と診断された。 【考察】 画像診断の進歩とともに良性肝細胞性結節が発見される機会も増えてきた。慢性肝炎や 肝硬変が背景にあり,多血性結節がみられた場合には HCC との鑑別が問題になるが, FNHLL の可能性も念頭において診断,治療にあたることが肝要である。

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-4- Ⅰ-3 肝腺腫の1 例 聖マリアンナ医科大学 消化器・一般外科1),同 診断病理学2) 湘南藤沢徳洲会病院 病理診断科3) 瀬上航平1),小林慎二郎1),佐々木奈津子1),井田圭亮1),真船太一1),星野博之1) 片山真史1),小泉 哲1),中野 浩1),藤野 節2),高木正之2),中野雅行3),大坪毅人1) 【症例】 65 歳,女性。 【現病歴】 心窩部不快感出現し,近医で上部消化管内視鏡施行。胃壁外性圧迫所見を認め,当科紹 介となった。精査の結果肝外側区域に腫瘤を認め,手術目的に入院となった。 【既往歴】 特記事項なし。 【血液生化学所見】

特記異常所見認めず,HBV(-),HCV(-),liver damage A,Child-pugh A,ICG15R 9%と肝機能は正常であった。CA19-9 14.3U/ml,CEA 2.7ng/ml と腫瘍マーカーは正常 であった。 【画像所見】 腹部超音波で肝S2 に 7cm×4cm 大の腫瘤を認め,腫瘤内部は高エコー域と低エコー域 が混在しており,ドップラーで血流信号を認めた。腹部造影CT,腹部造影 MRI で肝外側 区域に動脈早期相で濃染し,門脈相,平衡相でiso density を呈していた。以上より肝細胞 癌cT2N0M0‐cStageⅡと診断し,肝外側区域切除を施行した。 【病理学的診断】 肉眼所見は被膜に覆われた境界明瞭な 7×4cm の充実性腫瘍を認めた。腫瘍内部に出血 壊死を伴っていた。組織学的には,腫瘍は索状構造を呈する異型が軽度な細胞で構成され, 脂肪化の領域が認められた。腫瘍中心部は腫瘍血管を認めたがグリソン鞘の成分は認めら れなかった。非腫瘍部は正常肝であった。以上の病理組織学的所見より肝腺腫と診断した。 術後経過は良好で術後10 日目で退院となった。 【まとめ】 肝腺腫は比較的稀な良性肝腫瘍であるが,画像診断上肝細胞癌などの悪性疾患との鑑別 診断が困難であることが多い。今回我々は,術前肝細胞癌との鑑別が困難であった肝腺腫 の1 例を経験したので報告する。

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-5- Ⅰ-4 腹腔鏡下切除を施行した肝細胞腺腫の1 例 東京医科歯科大学医学部附属病院 肝胆膵外科1),同 病理科2) 水野裕貴1),伊藤浩光1),伴 大輔1),劉 博1),千代延記道1),大庭篤志1),佐藤 拓1) 大畠慶映1),上田浩樹1),赤星径一1),中尾圭介1),古山貴基1),勝田絵里子1),松村 聡1) 光法雄介1),藍原有弘1),落合高徳1),工藤 篤1),田中真二1),田邉 稔1),行森 茜2) 山本浩平2),明石 巧2) 【はじめに】 肝細胞腺腫は欧米では10 万人あたり 3-4 人の発症頻度と報告されるが,日本ではさらに少 ないとされる稀な疾患である。欧米では症例の85%が若年女性であり,そのうち 80%が経 口避妊薬の服用歴があるとされているが,アジアでは男性症例や経口避妊薬非内服症例も 多いと報告されている。 【症例】37 歳女性 【既往歴】気管支喘息 【生活歴】経口避妊薬摂取歴なし。アレルギー:ハウスダスト。機会飲酒。喫煙癧なし。 【現病歴】2014 年 5 月気管支喘息のフォロー目的に行った胸部単純 CT で肝 S5 に扁平な 4cm の腫瘍を指摘された。2014 年 6 月前医で肝生検施行され,Hepatocellular adenoma,strongly suspected の診断。2014 年 7 月当科紹介受診となった。 【経過】血液検査上,腫瘍マーカーの上昇は認めなかった。単純 CT で肝 S5 の腹側に 50×20mm の楕円形 LDA を認め,造影早期相で濃染し後期相で周囲より低濃度化。周囲 脈管は圧排され内部に大きな血管は認めず,肝表に広く接するが輪郭に凹凸不整は見られ ず,被膜濃染も認めなかった。MRI では同部位に 43×14mm の EOB 取り込み低下域を認 め,造影では早期相でやや肝実質よりも強く増強され,後期相で wash-out されるが辺縁 は不明瞭で被膜様濃染ははっきりしない。T2WI,DWI で淡い高信号を示し,T1WI(GRE) では若干の脂肪含有を認めた。肝細胞腺腫の診断で,2014 年 12 月腹腔鏡下肝 S8 部分切 除術を施行した。術中迅速組織診では肝細胞腺腫の他,FNH や異型結節,早期 HCC など も鑑別に挙がったが,永久標本で肝細胞腺腫の診断となった。 【病理】4.3×3.3×1.5cm 大の黄褐色充実性の結節が見られ,周囲との境界はやや不明瞭で あった。病変部で細索状構造を主体とした肝細胞の増生を認め,肝細胞索はやや小型で, 細胞密度の上昇あり。肝細胞の胞体は淡好酸性~好酸性を示し,核は小型均質でN/C 比は 低い。部分的に類洞の拡張が目立つ部位があり,隔壁は明らかではなく,中心性の瘢痕や

(16)

-6- 太い動脈・胆管は見られなかった。胆汁鬱滞なく,脂肪や褐色色素の沈着を散見する。病 変周囲に被膜なく,正常肝組織と病変の境界は不明瞭だった。肝細胞腺腫を第一に考える 所見であった。現在,免疫染色について解析中である。 【考察とまとめ】肝細胞腺腫は比較的稀な疾患だが,診断された場合,5cm 以上や男性症例 では出血やHCC 合併例が多く,肝切除が望ましいとされる。今回,我々は術前画像検査, 肝生検にて診断し得た肝細胞腺腫の一例を経験したので,文献的考察を含めて報告する。

(17)

-7- Ⅰ-5 リンパ節転移をともなった肝原発神経内分泌腫瘍の一切除例 東京女子医科大学 消化器外科1),同 消化器内科2),湘南藤沢徳洲会病院 病理診断科3) 伊藤俊一1),高橋 豊1),有泉俊一1),山下信吾1),小寺由人1),大森亜紀子1),尾形 哲1) 土井愛美1),片桐 聡1),江川裕人1),山本雅一1),斎藤明子2),中野雅行3) 肝腫瘍の中で,肝原発神経内分泌腫瘍(肝NET)は極めてまれである。今回,リンパ節転 移をともなった肝NET の一切除例を経験した。 症例は,50 歳代男性。健診にて肝腫瘤を指摘された。前医での画像検査により肝内胆管 癌,リンパ節転移と診断,精査加療目的に当院紹介受診となった。飲酒歴は機会飲酒程度 で,既往歴は高血圧症,高血圧性心疾患,左中大脳動脈狭窄症である。血液検査では,HBs 抗原陰性,HBs 抗体陰性,HCV 抗体陰性,Plt 27.4 万/μL,Alb 4.2g/dL,AST26U/L, ALT 27U/L,T-bil 0.5mg/dL,ChE 394U/L,PT%>100,ICGR15 7%,CEA 2.5ng/mL, CA19-9 11U/mL,AFP 6ng/mL,NSE 20.2ng/mL,セロトニン 168ng/mL,インスリン 8.2 μL/mL,グルカゴン 161,ガストリン 74pg/mL,VIP 46pg/mL,インタクト PTH 63pg/mL, カルシトニン 38pg/mL,C-ペプチド 2.91ng/mL,5-HIAA 5.7ng/mL であった。造影 CT 検査では,肝 S7 に直径 40mm,動脈相で高吸収域,門脈相,静脈相でも淡く造影効果を 認めた。境界は比較的明瞭であった。腹部大動脈周囲リンパ節,肝十二指腸間膜リンパ節 がそれぞれ21mm,20mm と腫大していた。PET-CT 検査では,肝腫瘤,リンパ節共にそ れぞれ高集積を認めた(SUV MAX:21.6,9.9,12.7)。前医の腫瘍生検結果より肝 NET と診断し,手術適応と判断した。2015 年 1 月,手術施行。腹水や腹膜播種はなく,肝は正 常肝であった。肝右肝切除術を施行した。転移リンパ節は,血管が発達し易出血性であり, 周囲組織と強固に癒着していたが,明らかな浸潤は認めなかった。No.8 および 16 リンパ 節摘出術施行した。 切除標本では42×15mm の白色の腫瘍であった。免疫染色では原発巣,リンパ節共にク ロモグラニンA 陽性,シナトフィジン陽性,インスリン陰性,ガストリン陰性,グルカゴ ン陰性,ソマトスタチン陰性,Ki-67<2%であり,原発巣,リンパ節共に NET(G1)と診断 した。経過良好で術後11 日目に退院した。 リンパ節転移をともなう肝NET の一切除例を経験した。文献的考察とともに報告する。

(18)

-8- Ⅰ-6 前立腺癌術後14 年目の肝単独再発に対し,肝切除を施行した 1 例 東京慈恵会医科大学外科学講座 消化器外科1),同 病院病理部2) 兼平 卓1),阿部恭平1),古川賢英1),恩田真二1),坂本太郎1),柴 浩明1),二川康郎1) 石田祐一1),遠山洋一1),野村浩一2),矢永勝彦1) 【症例】 70 歳男性。前立腺癌に対する前立腺全摘術後 14 年目に PSA 上昇と肝腫瘤を指摘され当 院紹介となった。PSA:13.77 ng/mL と高値で,画像検査では肝 S4 に一部嚢胞成分を含む 54mm 大の腫瘤性病変を認めた。前立腺癌肝転移あるいは肝内胆管癌の診断で,全身精査 で他臓器に再発所見を認めなかったことから,2014 年 12 月に肝内側区域切除を施行した。 中心部に出血・壊死を伴う白色充実性腫瘍であり,核小体の明瞭な卵円形核と,弱好酸性 胞体を有する異型細胞の増殖を認めた。免疫組織化学的にはprostate‐specific antigen 陽 性,prostatic acid phosphatase 陽性であり,前立腺癌の肝転移と診断された。術後 6 日目 に門脈左枝に血栓を認めたが抗凝固薬療法にて血栓の縮小を認め,術後15 日目に軽快退院 となった。術後25 日目に血栓は消失した。また PSA は術後 14 日目に正常化した。 【考察】

前立腺癌の肝単独再発に対する肝切除の報告は,我々が医学中央雑誌およびPub Med に て検索する限り皆無であり,非常に稀である。若干の文献的考察を加え報告する。

(19)

S E S S I O N

(15:00~15:50)

基 調 講 演

座 長

東京女子医科大学

山本 雅一

講演Ⅰ:

「肝細胞癌の発生、進展、再発に関する病理所見」

演 者

慶應義塾大学医学部

尾島 英知

講演Ⅱ:「肝細胞癌の発生、進展、再発病態と臨床像」

演 者

山梨大学 第一外科

松田 政徳

(20)

-10- MEMO

(21)

S E S S I O N

(16:00~16:40)

発生病態の示唆に富む肝癌症例

座 長

虎の門病院 肝臓センター

池田 健次

聖マリアンナ医科大学

大坪 毅人

病理コメンテーター

帝京大学医学部

高橋 芳久

(22)

-12- Ⅲ-1 自然退縮を示した肝細胞癌の1 切除例 東京大学医学部附属病院 肝胆膵外科・人工臓器移植外科1),同 病理部2) 山本雅樹1),山本訓史1),西岡裕次郎1),山下 俊1),有田淳一1),赤松延久1),金子順一1) 阪本良弘1),長谷川 潔1),國土典宏1),牛久哲男2), 柴原純二2),深山正久2) 【はじめに】悪性腫瘍の自然退縮は稀な現象で,癌罹患患者60000~100000 人に 1 人と, 報告例も限られている。また自然退縮が起きる機序についても明確には解明されていない。 今回,診断後に著明な腫瘍縮小と腫瘍マーカーの低下を認めた肝細胞癌の1 切除例を経験 したため報告する。 【症例】72 歳男性。アルコール性肝障害, 高血圧, 糖尿病のため 30 年程前から前医でフォ ローされていた。AFP/PIVKA-Ⅱの著明な上昇を認め,2014 年 7 月の造影 CT で S2 に 18mm 大の早期濃染及び後期相で washout を伴う腫瘤を認め,肝細胞癌疑いで当科紹介と なった。当院でのウィルス検査ではHBs-Ag(-)/HCV-Ab(-)を示し,背景肝は非 B 非 C 型 肝硬変であり,ICGR-15:11.5%と肝予備能の低下を認めた。当院にて 2014 年 8 月に施行 したCT では S2 腫瘍は後期相の wash out は認められるものの早期濃染は減弱し径 10mm に縮小し,AFP/PIVKA-Ⅱも低下していた。自然退縮の可能性は考えられたが手術直前の エコーで腫瘍の存在が確認できたため,total biopsy の意味を含めて腹腔鏡下肝 S2 部分切 除術を施行した。病理組織診断は腫瘍周辺の血管に閉塞所見を認め,腫瘍自体は壊死組織 のみでviable な部分を認めなかった。改めて問診を行ったが,術前変化したことは,揚げ 物を食べない,お酒を控える等の生活習慣改善のみであった。 【考察】肝細胞癌の自然退縮はまれであり,本邦では医中誌Web にて検索したところ,13 例の報告があるのみである。その機序については幾つかの考察がなされており①免疫応答 の関与,②腫瘍への血流供給の低下,③肝細胞障害作用が認められているアンドロゲン, アルコール多飲などの中止,④漢方薬の使用などが原因として考えられているが,いまだ 原因は不明である。特に,液性免疫や細胞性免疫の免疫機能の低下が認められる糖尿病患 者では,この改善により自然退縮を来たした症例が報告されている。本症例では,腫瘍の 栄養血管が閉塞することによる血流障害と生活習慣改善による免疫機能の賦活化のいずれ かが自然退縮の原因となった可能性がある。 【結語】自然退縮を示した肝細胞癌の1 切除例を経験した。

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-13- Ⅲ-2 肝悪性腫瘍が疑われるも自然消褪した炎症性偽腫瘍と別部位に,異時性に肝細 胞癌が出現したアルコール性肝硬変の一例 山梨大学 第一内科1),同 放射線科2),同 人体病理科3),同 第一外科4) 鈴木雄一朗1),中山康弘1),村岡 優1),佐藤光明1),小松信俊1),井上泰輔1),前川伸哉1) 坂本 穣1),佐野勝廣2),大石直輝3),松田政徳4),榎本信幸1) 症例は61 歳男性で焼酎 3 合を 42 年間続ける大酒家。会社の検診で耐糖能異常と肝障害 を指摘され近医を受診。糖尿病とアルコール性肝硬変の診断で加療目的に当院紹介入院。 入院中に行ったCT で肝 S6/7 に遅延性濃染を伴った 64mm 大の多血性腫瘍を認め,肝内 胆管癌もしくは混合型肝癌が疑われ手術目的に外科に転科。しかし直前に50mm 大に縮小 していることが判明し手術は延期され,当科で腫瘍生検を行ったところいわゆる炎症性偽 腫瘍(fibrohistiocytic type)として矛盾しない組織であった。その後同病変は年単位で縮小 し瘢痕を残し消失したが,3 年後の CT で新たに肝 S4 に 18mm 大の濃染結節が新出した。 EOB-MRI の肝細胞相で腫瘍内に取り込みがあること,CTAP で造影欠損として描出され るもCTHA の後期動脈相においても辺縁が明瞭な濃染像を呈しコロナ様にはならなかった ことから炎症性偽腫瘍の再発を考え肝腫瘍生検を施行した。が,生検結果は高分化型肝細 胞癌の診断であり,後日RFA を施行し完治した。炎症性偽腫瘍は肝細胞癌との鑑別が問題 となるが,異時性に二つが同一患者に出現することは稀であり文献的考察を含め報告する。

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-14- Ⅲ-3 診断に苦慮した,門脈腫瘍塞栓を来した肝腫瘍の一例 三井記念病院 消化器内科1),同 放射線診断科2),同 病理診断学3) 伊藤大策1),大木隆正1),奥野泰史1),佐藤公紀1),戸田信夫1),田川一海1),衣袋健司2) 森 正也3) 症例は特に基礎疾患なく,飲酒歴もない60 歳代男性。他院でたまたま施行された腹部エ コーにて門脈に充実性腫瘤を指摘され,その後非B 非 C 肝細胞癌門脈腫瘍塞栓 Vp4 の診 断となった。ソラフェニブの内服,シスプラチン動注療法,5-FU 動注療法を施行したが PD であった。経過中門脈腫瘍塞栓部位より腫瘍生検したが,典型的な肝細胞癌の所見では なく,原発か転移病変かも不明な所見で,Undifferentiated Carcinoma が疑われた。黄疸, 多量の腹水貯留がみられ,利尿剤でコントロールを試みるも効果は不十分,肝性脳症と思 われる意識障害が生じ死去した。剖検では肝臓外に原発腫瘍はなく,肝腫瘍は胆管細胞癌 と肝細胞癌マーカー陽性の肉腫様癌からなっており,通常の形態の肝細胞癌は認められな かった。門脈本幹,肝内門脈に高度の腫瘍栓を形成していた。背景肝には肝硬変とはいえ ないまでも,F2,一部 F3 相当の線維化があった。小葉中心部に pericellular fibrosis がみ られ,アルコール多飲が関与している可能性はあった。

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-15- Ⅲ-4 治療歴のない肉腫様肝癌の1 例 山梨大学医学部 第一外科1),同 第一内科2),同 放射線科3) 雨宮秀武1),松田政徳1),渡邉光章1),川井田博充1),河野 寛1),藤井秀樹1),進藤邦明2) 中山康弘2),井上泰輔2),坂本 穣2),榎本信幸2),佐野勝廣3),市川智章3),大西 洋3) 【はじめに】 肝細胞癌の肉腫様変化は,TACE,RFA などの抗癌治療の関与が指摘されているが,前 治療歴のない肉腫様肝癌は稀である。肝前区域に約4cm の乏血性肝腫瘍があり,腫瘍内を グリソンが貫通しており,細胆管細胞癌を疑った。経回結腸静脈的門脈塞栓術施行後に右 肝切除を施行し,病理診断で肉腫様肝癌と診断された1 例を経験したので報告する。 【症例】 82 歳,男性。2012 年 6 月,高血圧の診断で近医加療中,健診で肝腫瘤を指摘された。 8 月,近医で超音波検査と CT 検査を行い,肝前区域に 4cm 大の乏血性腫瘤指摘された。 9 月,当院第一内科紹介受診し,10 月精査入院した。造影 CT 検査では,動脈相,門脈相, 遅延相で,右肝静脈に接する造影不良な腫瘤として描出された。腫瘍内を前区域グリソンが 貫通していた。MRI 検査の T2 強調画像と拡散強調画像で高信号に描出された。アルコール は嗜好せず。HCV 抗体陰性,HBs 抗原陰性,HBs 抗体陽性,HBe 抗体陽性,腫瘍マーカー はAFP,PIVKA-II,CEA,CA19-9 のいずれも上昇を認めなかった。以上から,細胆管細 胞癌と診断した。ICG-R15 は 6.9%と肝予備能が良好であったが,右肝切除による残肝容積 率が35%になることから,経回結腸静脈的門脈塞栓術を施行した。11 月,CT 検査を再度施 行すると,右肝切除による残肝容積率は46%となった。しかし,前区域腫瘍も 7.5cm と急速 に増大し,また,後区域に8mm の肝内転移が出現した。門脈塞栓から 25 日後に,右肝切除 を施行した。病理学的に,大部分の腫瘍細胞は紡錘形で,一部に胞巣状パターンが認められ た。免疫組織染色で,AE1/AE3 が部分的に陽性,Vimentin が陽性,HepPar1 がわずかに陽 性,CK19 陰性だった。肉腫様肝癌と診断された。12 月,CT 検査で多発肺転移,多発リン パ節転移を指摘された。S-1 により化学療法施行したが,術後 4 か月で死亡した。 【考察】 肉腫様肝癌の術前診断は難しいとされ,自験例では特徴的と考えられる疼痛,発熱,CRP 高値はなく,診断に非常に難渋した。9 月と 11 月の CT から腫瘍倍増速度は 21 日と増殖 能の強い腫瘍であった。発育が急速な肝乏血性腫瘍を見た場合,肉腫様肝癌を念頭に入れ 迅速な治療を行う必要があると考えられた。

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(27)

S E S S I O N

(16:40~17:00)

進展病態の示唆に富む肝癌症例

座 長

獨協医科大学

窪田 敬一

病理コメンテーター

慶應義塾大学医学部

尾島 英知

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-18- Ⅳ-1 胆嚢転移を伴った広範な門脈腫瘍栓を主体とした肝細胞癌の 1 例 慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科1),同 病理学教室2),同 放射線診断科3) 皆川卓也,板野 理,篠田昌宏,北郷 実,八木 洋,阿部雄太,日比泰造1),紅林 泰, 尾島英知,坂元亨宇2),松坂陽至,陣崎雅弘3),北川雄光1) 【症例】 70 歳代,男性。胃癌術後および中咽頭異型上皮にて外来通院中に CA19-9 257 U/ml と高値を認めた。CT では,S4 に区域性の早期濃染を認め,門脈臍部末梢から P3/P4 脈管 内に認める低吸収域の一部に淡い造影効果を伴っていることから,門脈腫瘍栓を伴う肝腫 瘍の存在が示唆された。翌月に施行したEOB-MRI の動脈相・門脈相では,門脈臍部起始 部からP3/P4 に連続する鋳型状の造影不良域を認めたことから門脈腫瘍栓の進展と判断し, 肝細胞癌や混合型肝癌,胆管細胞癌を疑い,肝左葉切除術を予定した。術直前のCT では, 門脈腫瘍栓は肝左葉全域の門脈末梢,そして門脈左枝起始部にまで広範な進展を示し,加 えて胆嚢床から胆嚢内に突出する造影効果を伴う隆起性腫瘤の存在が指摘された。術中所 見よりMHV および S8 グリソン末梢に腫瘤浸潤の所見を認め,同部を含めた拡大左葉およ び尾状葉切除,胆嚢摘出術を施行した。術中迅速病理診断の結果,胆嚢腫瘤は肝細胞癌の 胆嚢転移の可能性が示唆された。門脈切離は腫瘍栓の存在を確認後,門脈左枝起始部で施 行。胆管切離は前後区域胆管分岐部で行い,胆道再建を追加した。術後,肝切離面に液体 貯留を認めたものの,経過良好にて術後第18 病日で退院となった。 病理診断では,門脈左枝から肝左葉全域の門脈末梢枝にまで広範な腫瘍栓を認め,肝円 索に向かう静脈内や MHV 本幹をはじめ末梢肝静脈内にも腫瘍浸潤を認めた。明瞭な原発 巣の指摘はできないものの,S4 から胆嚢床にかけて脈管内腫瘍栓および周囲肝細胞の脱落, 線維化を伴った領域性病変を認めたことから,同部が原発巣の可能性が考えられた。胆嚢 腫瘍は,胆嚢床静脈内に腫瘍栓を認め,静脈を介した経脈管性転移と判断した。 【考察】 本症例は,広範な門脈腫瘍栓を主体とした特異な進展形式を辿った肝細胞癌であったこ とに加えて,経脈管性の胆嚢転移を伴った興味深い1 例である。文献的考察を加えて報告 する。

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-19- Ⅳ-2 肝癌の発生と進展について考えさせられた一例 公益財団佐々木研究所附属 杏雲堂病院 消化器・肝臓内科 小尾俊太郎,佐藤新平,佐藤隆久,河井敏宏,杉本貴史,八島陽子,菅田美保 【はじめに】 肝細胞癌の主因であるC 型肝炎撲滅が目前となった現在,原因不明の肝細胞癌がクロー ズアップされてきた。今回,F1, A1 の正常肝に発生した進行肝細胞癌を経験した。さらに 動注化学療法の早期レジメン変更にて PR が得られ,腫瘍の進展と退縮についても考えさ せられたので報告したい。 【症例】 55 歳 男性 歯科医 172cm, 64kg, BMI 21.6, PS=0 2010/09/14 健診にて AST23, ALT33, gummer-GTP 33. 2011/09/01 健診にて AST25, ALT33, gummer-GTP 68. 2012/09/01 健診にて AST23, ALT33, gummer-GTP 149. 2013/09/12 健診にて AST28, ALT34, gummer-GTP 460.

2013/10/24 地元の中核病院受診,多発する肝腫瘍を認めた。大学病院の肝胆膵外科を紹 介受診した。画像所見と腫瘍マーカー(AFP 106ng/mL, AFP-L3 15%, DCP14500mAU/mL)より肝細胞癌と診断されたが切除適応なし。移植外科 を受診するも移植適応なし。 東京の癌専門病院を受診。動注は evidence がないから勧められないと言わ れた。 2013/11/20 地元の中核病院腫瘍内科にて Sorafenib 800mg/day にて導入。

2013/11/29 薬疹出現。DLST (drug-induced lymphocyte stimulation test)陽性で, Sorafenib 中止。以後,以後積極的治療はなく緩和ケアと言われた。 2014/01/10 当院受診。 2014/01/16 動注カテーテル埋設,同日より動注化学療法 (IFN+5FU) 施行。 2014/01/28 IFN+5FU 1kur 終了時の腫瘍マーカーさらに上昇,レジメン変更。 2014/02/13 Low-dose FP 1kur 腫瘍マーカー低下に転じる。 2014/03/02 Low-dose FP 2kur 2014/04/18 Low-dose FP 3kur 画像上も PR を確認。 2014/05/26 肝右葉切除施行していただいた(病理は発表時供覧予定)。

(30)

-20-

2015/02/26 現在,術後経過良好。無再発生存中。復職している。 【結語】

(31)

S E S S I O N

(17:00~17:50)

再発病態の示唆に富む肝癌症例

座 長

東京医科歯科大学

田邉 稔

杏雲堂病院

小尾俊太郎

病理コメンテーター

杏林大学医学部

望月 眞

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-22- Ⅴ-1 腹腔鏡補助下肝切除後早期に肝内転移様に多数の多中心性発生を生じた 肝細胞癌の1 例 静岡県立総合病院 外科1),同 病理検査科2) 大場範行1),金本秀行1),京田有介1),高橋道郎1),高木正和1),新井一守2) 【症例】80 歳代男性, 【既往歴】高血圧,多発脳梗塞。 【家族歴】特記すべき事なし。 【現病歴】体重減少あり近医にて施行された腹部超音波検査にて肝腫瘤あり当院紹介となった。 【身体所見】身長169cm,体重 69Kg,BMI 23.9。その他特記すべきこと無し。 【初診時血液検査成績】WBC 6500/μl, Hb 13.1g/dl, Plts 14.2 /μl, PT 81%, Alb 3.8 g/dl, T-Bil 0.5 mg/dl, AST /ALT 25/17 IU/ml, AFP 6 ng/ml, PIVKA ⅡmAU/ml, ICGR15 16.3 %, HBsAg (-), HCVAb (-)

【初回手術と病理】肝S5,6 の約 5cm の肝細胞癌の診断にて腹腔鏡補助下肝切除を施行した。 病理所見は中分化肝細胞癌,St-AP, 4.8cm, ig, fc(+), fc-inf(+), S0, vp0, vv0, b0, im0, SM(-), LC(A2,F4)であった。 【経過】術後経過良好であったが,術後7 ヶ月頃より PIVKAⅡの上昇を認めた。術後 13 ヶ 月後の画像検査にて多発する病変を認め肝内転移再発と診断した。肝右葉に病変が限局す るため初回手術1 年 3 ヶ月後に肝右葉切除施行した。病理の結果では 2 個の早期肝細胞癌 を含む計7 個の多中心性の病変であった。非早期癌のうち 2 個は病変の近傍に肝内転移病 変を伴っていた。初回手術後3 年 10 ヶ月の現在残肝に再発病変あり BSC 中である。 【考察】初回病変は脈管侵襲陰性であったが,術後約1 年で多数の病変を切除領域近傍に認 めたため肝内転移再発と診断した。腹腔鏡補助下肝切除では小さな創で肝を操作するため もみだしなど手術との関連も疑われたが,再切除により肝内転移ではなく多中心性の病変 であることが判明した。しかし,急速に多数の病変が進行した理由は不明である。本例以 外にも肝内転移再発と診断された中にこのような症例がが存在する可能性があり興味深い 症例であるので報告する。

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-23-

Ⅴ-2 混合型小肝癌切除後に多発リンパ節転移を来した一例

東京都立墨東病院 外科1),同 検査科2),同 消化器内科3),同 放射線科4)

鹿股宏之1),脊山泰治1),谷澤徹2),間野真也3),谷 圭吾1),岡田 聡1),米永晃子1)

蕨 雅大2),高橋正道4),松岡勇二郎4),宮本幸雄1),梅北信孝1)

【はじめに】混合型肝癌は2010 年の WHO 分類で,classical type と subtypes with stem-cell features に分類されたが,その臨床像は明らかになっていない。今回我々は,慢性 C 型肝 炎の経過中に生じた混合型肝癌術後の多発リンパ節転移症例を経験し,診断,治療方針決 定が困難であったため報告する。 【症例】79 歳,男性。2002 年に C 型慢性肝炎を指摘され,ウィルス治療は希望せず外来通 院していた。2005 年 12 月に肝 S7, 4.5cm の肝細胞癌に対し TACE を施行。残存病変に対 し,2006 年 4 月,再度 TACE 施行。2008 年,同部位に再燃し肝 S7 切除(3.0cm, T2, Stage2, 中分化型肝細胞癌),同時に見つかった盲腸癌に対し,回盲部切除を同時施行(sm, pN0, Stage1)。2011 年,S6 肝細胞癌再発に対し S6 亜区域切除施行(1.5cm, T1, Stage1, 中分化 型肝細胞癌)。2013 年,S8 肝癌再発に対し,S8 部分切除施行(1.5cm, T1, Stage1)。この 時の病理診断が混合型肝癌with stem-cell features, intermediate type であった。2014 年, 2 月,CT では傍大動脈,膵頭部背側,胃の小湾など,複数のリンパ節の腫脹を認め最大径 は3.0cm であった。FDG-PET でも傍大動脈リンパ節に陽性所見があり,結腸癌,もしく は肝癌の転移が疑われた。治療方針決定のためキャンサーボードで検討の結果,開腹生検 の方針となった。 【結果】2014 年 4 月,開腹リンパ節生検を施行した。Kocher の授動後に,膵頭部背側の腫 脹したリンパ節を摘出生検した。組織学的には,好酸性~淡明な細胞質を持つ異型細胞が 不規則な胞巣を形成しつつ浸潤増殖しており,豊富な間質を伴っていた。免疫染色では, AFP(-), CK20(-), CK7(-), GPC3(-), EMA(+), CD10 は一部で陽性,という結果であり, 未分化癌の転移,原発不明癌と診断した。6 年前の結腸癌転移とは考えにくいため,総合 的に混合型肝癌の転移と判断した。その後,ソラフェニブを導入したが,全身状態が徐々 に悪化し,2014 年 7 月永眠された。 【結語】混合型肝癌切除後の多発リンパ節腫脹の診断に生検が必要であり,予後は不良で あった。

(34)

-24- Ⅴ-3 高度静脈浸潤を認め,腫瘍組織内に合胞体様の多核巨細胞を多数認めた再発肝 細胞癌の一例 帝京大学ちば総合医療センター 外科1),同 病理部2) 廣島幸彦1),山崎一人2),川口大輔1),平野敦史1),森 幹人1),小杉千弘1),松尾憲一1) 首藤潔彦1),幸田圭司1),田中邦哉1) 症例は84 歳男性,HCV 陽性。2011 年 4 月 検診腹部エコーにて S5/8 に 6cm 大の SOL を指摘され当院受診。S5/8 中心の HCC 単純結節型 6.5cm の診断で 2011 年 5 月 肝前区域切除+胆嚢摘出術施行し,術後合併症なく 10 病日で退院した。病理 結果は,HCC, mod, St-A (S5/8) 6.5cm, simple nodular with mild extraglandular growth, fc(+), fc-inf(+), sf(+), s0, vp0, vv1, va0, b0, im0, sm(-), ch with lf (f1-2)であった。本人 の希望もあり,以降近医で経過観察された。2014 年 4 月 腹部エコーにて肝後区域に高エ コー領域が認められ,再度当科紹介受診した。精査の結果,造影MRI(EOB)にて肝後区域 に7.5cm 大の早期濃染,肝細胞相で低信号の単発病変を認め,さらにそこから右肝静脈内 にIVC にまで達する腫瘍栓を認めた。HCC rec, H1, St-P, 7.5cm,多結節癒合型, Eg, Fc+, Fc-inf+, Sf+, S1, N0, Vp1, Vv3, Va0, B0, P0, T3N0M0:cStageIII と診断した。肝予備能 が低かったため,門脈塞栓術施行後,2014 年 8 月肝後区域部分切除術,右肝静脈内腫瘍栓 摘出術を施行した。腫瘍栓はIVC まで達しており,右肝静脈流入部を血管鉗子で Side clamp するように把持し,右肝静脈を切開して腫瘍栓とともに切除肝を摘出した。切除検 体では,線維性被膜を持つ中小の多結節が癒合する腫瘤が形成され,そこから肝門に向かっ て腫瘍塞栓が認められた。中分化を主体とする肝細胞癌で脈管侵襲が著しく認められ,特 に肝静脈内に大型の腫瘍栓が発達し先端は肝静脈断端近傍まで達していた。門脈にも末梢 を中心に腫瘍栓が認められたが,肝動脈,胆管への侵入は認められなかった。腫瘍細胞は クロマチンの増量した高度に腫大した核を持ち,部分的に合胞体様の多核巨細胞を多数認 めた。

肝蔵に発生するgiant cell tumor (GCT)は非常に稀であり,また浸潤能が非常に高く, 悪性度の高い腫瘍と報告されている。本症例では,後区域末梢に主座を持つ腫瘍がIVC に まで達する腫瘍栓を肝静脈内に形成しており,非常に浸潤能の高い性質を持っていると考 えられる。このような悪性度の高い性質と腫瘍組織内に認められた合胞体様の多核巨細胞 との関連についてご教示頂きたい。

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Ⅴ-4 肝細胞癌初回切除後6 年目に胆管,門脈腫瘍栓にて再発した 1 切除例

獨協医科大学病院 第二外科

多胡和馬,青木 琢,松本尊嗣,礒 幸博,窪田敬一

症例は74 歳男性。2006 年 4 月に前区域の 6.5cm の肝細胞癌(HCC:HCV+)に対し, 肝前区域切除術施行(patho:H1, St-A, 6.5cm, eg, fc+/-, sf+/-, s1, vp1, vv0, va0 ,b0, im0, sm-, 2mm, ch)。翌年 2007 年 3 月に尾状葉の 3.5cm の再発肝細胞癌に対し肝尾状葉 切除術施行(patho:H1, 多結節癒合型, eg, fc+/-, inf(+), sf(+), s0, vp0, vv0, b0, im0, sm-, ch )。 さらに,2008 年 1 月に転移性頭蓋骨腫瘍に対し開頭腫瘍摘出術施行(patho:HCC)。そ の後,5 年以上再発所見はみられなかった。2014 年 7 月の血液生化学検査にて PIVKA-Ⅱ 59 と上昇を認め,腹部 CT を施行すると肝 B2, B3 の拡張を認めるも,肝内に明らかな mass は見られなかった。9/12 の血管造影検査では肝内の mass と同時に,肝膿瘍の所見があっ た。10/1 の MRCP では B2, B3 での胆管の defect を認め,B2, B3 根部の腫瘍増大と胆管 腫瘍栓の所見を認めた。肝膿瘍治療のため胆道ドレナージ施行し,門脈塞栓後の肝左葉切 除の方針となった。10/24 に経回腸静脈的門脈塞栓術目的に血管造影を施行したところ,以 前の画像ではみられなかった左門脈腫瘍栓を認めた。胆管腫瘍栓,門脈腫瘍栓を伴う再発 肝細胞癌の診断で再再肝切除術を施行。手術は腫瘍栓を取りきったことを確認し肝左葉切 除術を行った(patho:単純結節周囲増殖型, 2.0cm, vp2, vv0, va0, B2,im(-))。現在術後 4 か月経過しているが再発所見は認めていない。

本症例は一年ごとに再発を繰り返す進行性のHCC で,切除後は 6 年以上安定した経過 であった。しかし,その後胆管腫瘍栓からの胆管炎,肝膿瘍を発症し,さらには門脈腫瘍 栓も形成する比較的急激な腫瘍の進行を認めた。以前の病理検体を含め,検討をお願いし たく症例を提示した。

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-26- Ⅴ-5 肝切除後12 年目に再発した,非 B 非 C 型肝細胞癌の一例 東京逓信病院 外科1),同 消化器科2),同 病理科3),同 放射線科4) 下里あゆ子1),奥田純一1),寺島裕夫1),光井 洋2),橋本直明2),岸田由起子3) 鈴木丈夫4) 症例は85 歳,男性。72 歳時(2002 年),糖尿病で内科通院中に γGTP の上昇を認め, CT にて肝左葉に 7.5cm 大の腫瘤性病変を指摘された。Dynamic 造影 CT にて動脈相で濃 染と平衡相でwash out を,腹部血管造影検査では腫瘍の濃染を認めた。AFP321, PIVKA Ⅱ96100(ワーファリン内服中)と高値を示した。HBs 抗原,HBc 抗体,HCV 抗体はいず れも陰性であり,アルコール18.5g/日,糖尿病(+),肥満(-)(BMI22),軽度の脂質異常症, 抗核抗体80 倍(IgG 正常)。Child-pughA,肝障害度 A.腫瘍からの生検で肝細胞癌の診断 で,拡大肝左葉切除術を施行した。切除標本の割面は白色充実性で多結節癒合型,病理組 織診断では中分化肝細胞癌,ig,fc(-), sf(-), S0, vp1, vv0, b0, im0, sm(-),ni.背景肝は,脂 肪化や肝細胞の風船様膨化などを一部に認めた。炎症細胞浸潤,線維化は軽度であった。 癌部および非癌部組織からの検査で,HBV はいずれも陰性,HCV-RNA は 1.5×102 1.4×103コピー数認められた。術後,AFP・PIVKA の測定と年に一度腹部 MRI 検査を施 行しており再発は認めていなかった。また血小板 16 万→12 万,ヒアルロン酸は 50 前後 →130 前後と軽度の線維化の進行が示唆された。術後 12 年目に肝 S7 に 3.5cm 大の腫瘤性 病変を指摘。AFP3 と正常範囲で CEA8.6 と軽度上昇していたことから,転移性肝腫瘍も 念頭において全身精査したが他に病変は認めなかった。Dynamic 造影 CT で動脈相で淡く 造影,平衡相でのwashout し,また CTHA で濃染を認めたことから肝細胞癌と考えられ た。高齢で糖尿病や心疾患のリスクを持つことと,拡大左葉切除後で比較的侵襲の大きな 手術となることから,TACE+RFA を行うことした。後区域枝からファルモルビシン 20mg とリピオドールを注入した。8 日後に RFA を施行,癌部および非癌部から針生検も行い, 癌部はRFA の影響か凝固壊死に陥っており,背景肝は門脈域に軽度のリンパ球浸潤と僅か な限界板の破壊等を認め,小葉内には大滴性に脂肪変性を僅かに認めた。炎症の程度およ び線維化は針生検のため詳細は不明だが,2002 年時と著変はなかった。非 B 非 C 型肝硬 変で,アルコール20g 以下,自己免疫性肝炎や PBC,他の代謝性肝疾患は否定的と考えら れた。軽度の脂質異常症,糖尿病があり,病理組織で脂肪化や風船様膨化を認めることか ら,NASH の可能性は残る。初回肝切除時の肝組織で HCV-RNA が弱陽性であり,その 後もずっとHCV 抗体・HCV-RNA ともに陰性であるが,HCV ウィルスが発癌に関与して

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いるかも興味深い。また初回肝切除後12 年と再発までの期間が長いが,もともと肝線維化 が進んでおらず,B 型・C 型肝炎ウィルスによる慢性炎症がないため,C 型肝癌などに比 べると再発が少ないあるいは期間が長いことが考えられる。今回初回切除後12 年目に再発 した非B 非 C 型肝細胞癌の一例を経験したため報告する。

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プログラム

抄 録 集

DIC502 BK 日 時 平成27年4月11日(土) 14:00∼17:50 会 場 秋葉原コンベンションホール 当番幹事 山梨大学医学部 第一外科 松田 政徳

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回 肝癌症例検討会

共催

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