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(1)

Title 執刀医目線での撮影による立体視映像がもたらす医学教育への効果に関する研究

Sub Title A research on effect on medical pedagogy by videos taken from surgeon's viewpoint using stereo binocular vision system

Author 生熊, 顕(Ikuma, Ken) 当麻, 哲哉(Toma, Tetsuya)

Publisher 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科

Publication year 2012 Jtitle

JaLC DOI Abstract

Notes 修士学位論文. 2012年度システムエンジニアリング学 第93号 Genre Thesis or Dissertation

URL https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=KO40002001-0000201 2-0008

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(2)

修士論文 2012 年度

執刀医目線での撮影による 立体視映像がもたらす

医学教育への効果に関する研究

生熊 顕

(学籍番号:81133025)

指導教員 准教授 当麻 哲哉

2013 年 3 月

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科

システムデザイン・マネジメント専攻

(3)

論 文 要 旨

学籍番号 81133025 氏 名 生熊 顕 論 文 題 目:

執刀医目線での撮影による立体視映像がもたらす医学教育への効果に関する研究

(内容の要旨)現在、医学教育において、開腹手術時に用いられる外科の手技を習得する ためには、臨床実習や映像から学ぶことが多い。臨床実習は、医学生が実際の手術現場に 足を運び、執刀医が行っている生の手技を直接目で見て、学ぶ方法である。一方、映像は、

講義内の場を通して、教材として用いることがある。映像には、開腹手術の手技が行われ ている様子が撮影されており、その画面を見て、学ぶ方法である。ここで用いられている 映像の多くは、手術室に設置されている無影灯やクレーンから撮影したものであり、いず れも2D映像によるものである。

外科の手技を習得するためには、これらの方法から学ぶのだが、問題点がある。まず、

臨床実習には、期間が定められている、また、手術室に入れる人数には限りがある、とい った制約から、実際に手術現場を見学できる医学生の人数には限りがでてしまう。また、

手術現場を見学する場合、まれな症例に当たる執刀医と当らない執刀医があって、教育機 会の不均等が生じてしまう。それに加え、実際に手術を行っている最中に、執刀医に近づ いて手技を覗き込むということは困難であるため、ほとんど現場からでは学ぶことができ ないのが現状である。次に、映像から学ぶときの問題点としては、複雑な構造をしている 臓器や血管、神経などの位置関係の把握がしづらいといった欠点がある。つまり、正確な 情報として捉えることができない。また、無影灯やクレーンといった上部からの撮影とな るため、どうしても執刀医や手術スタッフの頭や手によって、肝心な手技の部分が隠れて しまう。

そこで本研究では、「執刀医目線」から手技の撮影、「立体視映像(3D)」による手技の撮 影を行うことで、医学生に、効率的に手技を習得させることができないか検証を行った。

執刀医目線から撮影した映像は、従来の無影灯やクレーンから撮影した「固定映像」、3D で撮影した映像は、「2D映像」と、それぞれ比較を行うことで、映像の質による効果の違 いを確かめた。その結果、有意的な差は見られなかったものの、傾向としては、執刀医目 線、3D、による効果があることがわかった。

今後は、本研究で検証した、執刀医目線、3Dにより、医学生の手技習得において、確 かな効果が得られるように、実験設計をより明確に立てていく必要があると考える。また、

これからの医学教育において、執刀医目線、3Dから撮影した映像を用いることで、医学 生が効率的に手技を習得することができるようになり、将来的には、優秀な外科医が増え ていくことが望まれる。

キーワード(5語)

医学教育、執刀医目線、立体視、撮影、手技

(4)

SUMMARY OF MASTER’S DISSERTATION

Student Identification

Number 81133025 Name Ken Ikuma

Title

A Research on Effect on Medical Pedagogy by Videos Taken from Surgeon's Viewpoint Using Stereo Binocular Vision System

Abstract

Currently in medical education, surgical procedures for abdominal operation are learnt by clinical training and videos. Clinical training is where medical students actually attend the surgical operation and watch the surgeon's procedure in person, while videos are used as teaching materials among lectures. In videos, abdominal operation procedures are filmed, and students learn through the screen. Many of the videos used are 2-dimensional images, filmed from surgical lightings and cranes set in ORs. There are some problems in these methods of acquiring surgical techniques. First of all, the number of students able to observe the procedure in the OR is limited due to restrictions of duration of clinical training being set, and the number of person able to fit in the OR. Even if one is able to see operations in person, unevenness of educational opportunity derives from cases the surgeon operates;

the surgeon may encounter rare cases or common cases. In addition, one cannot learn much from live operation since it is difficult to take a good look of the procedure. Secondly, the weakness of video based learning is that it is difficult to understand the positional relations among organs, blood veins, and nerves, which have complex structures. That is, one cannot grasp accurate information. Furthermore, filming from above from surgical lightings and cranes enables one to observe essential parts, with body parts of the surgeon or other operating staffs overlying. Therefore, we examined whether it is possible to have medical students acquire surgical techniques, efficiently, by stereovision filming the operational procedure as 'surgeon's eye level'. We verified the difference in quality of the videos by comparing videos from the surgeon's eye level with traditional 'fixed images' filmed from surgical lightings and cranes, and 3-dimensional images with '2-dimensional images', respectively. The result has shown no significant differences, though there tends to be some effect of surgical eye leveled and 3-dimensional filming. Hereafter, we believe there is a need of a more definitive designing of this experiment to see the clear effects of the surgical eye leveled and 3-dimensional filming on medical students' surgical technique acquirement. We hope the number of skillful surgeons increase, in the future, with medical students efficiently acquiring surgical techniques via surgical eye leveled and 3-dimensionally filmed videos.

Key Word(5 words)

Medical Pedagogy、Surgeon's Viewpoint、Stereo 3D、Videos Taken、procedures

(5)

目次

1

章 序論

1.1

本研究の背景………6

1.1.1 手術における映像記録の必要性……….6

1.1.2 医学教育の背景……….9

1.2

問題提起………10

1.2.1 映像を用いた教育の現状………10

1.2.2 医学教育改革の必要性………12

1.3

本研究の目的………...14

1.4

論文の構成………...16

2

章 医学教育の現状と分析……….17

2.1

医学部の教育課程の現状と課題………...17

2.1.1 医学教育の背景と改革………17

2.1.2 臨床実習の在り方………22

2.1.3 外科における教育………24

2.2

外科手術の現状と必要性………...26

2.2.1 開腹手術と内視鏡外科手術の現状………26

2.2.2 開腹手術と腹腔鏡手術における手技の教育方法の違い...31

2.3

手術映像撮影システム...33

3

章 本研究の提案...40

3.1

医学教育における本研究の立ち位置...40

3.2

映像の質...41

3.2.1 撮影における映像の質の重要性………41

(6)

3.2.2 映像の質の比較………...42

4

章 実験内容...44

4.1

映像の撮影実験……….44

4.2

医学生による実験...50

4.2.1 実験概要………..50

4.2.2 実験の検証………..51

4.3

手技の評価方法……….52

5

章 分析結果と考察………...53

5.1 「視点の違い」の分析 ……….. 53

5.1.1 アルベルトレンベルト吻合……….53

5.1.2 アルベルト吻合……….58

5.1.3 レンベルト吻合……….62

5.2

「次元の違い」の分析...68

6

章 結論...72

参考文献...73

謝辞………...75

(7)

1 章 序論

1.1 本研究の背景

1.1.1 手術における映像記録の必要性

現在、総合病院や大学病院などの医療機関において、手術を行う際、手術のシーンを撮 影する機会がある。この手術のシーンとは、執刀医が実際に手術器具を用いながら、患者 の患部に侵襲を加えている様子、また手術現場自体のことを指す。このような手術のシー ンを映像コンテンツとして、記録に残しておくのである。撮影を行い手術映像として記録 に残す目的には、多岐に渡っており、それぞれの状況に応じたニーズに合わせ、使途目的 が異なっている。(図1)

1 映像記録の必要性(出典:aeroscape)[1]

(8)

手術映像を記録として残す目的は、大きく分けて、4つのカテゴリーに分類される。

1 つ目が、術技、治療の研究に用いられる。これは、手術に必要とされる技術や手術方 法、治療法を医学分野の学会等の場を通して、伝達することを目的としている。また、国 内外問わず、医療の最新技術や治療法、各症例に対する研究のために用いられたりする場 合もある。

2 つ目が、教育用として用いられる。これは、主に医学生、研修医といったこれから医 師を目指そうとしているものを対象としており、手術に必要とされる知識や技術を実際の 手術現場の映像から学ぶことができる。また、視聴することにより、教科書や講義からで は学ぶことができない臨場感や雰囲気、空気感といったものを感覚として掴むことができ る。これは、学生自身が医学生、研修医の段階から手術室の中で手術を行う感覚を味わう ことができるというメリットである。実際に医師になったとき、手術に立ち会う際に、事 前に手術に対する想定が頭の中でイメージできているので、それが手助けとなると考えら れる。

また、この教育用の手術映像は、医学生や研修医といった対象者以外に、既に医師、看 護師になったものに対しても、技術の確認、習得用として用いられることがある。

これらの用途の他にも、手術の際に扱う最新の医療機器といった、まだ誰も触れたこと のない機器の取り扱い方や、注意事項に関しての解説にも用いられることがある。

3 つ目は、情報公開である。これは主に、手術を受ける患者及び家族に対しての考慮で あり、手術映像を公開、提供することを指している。この患者及び家族に対しての映像に よる情報公開の目的には、大きく分けて 2 通りのパターンがある。1 つ目は、患者が手術 を受けている様子を撮影し、映像として記録に残すことで、どのようなことが実際に行わ れていたのかを患者本人と家族が知ることが可能となる。それによって、患者及び家族に は安心感を与えられる。また、院内で行われた手術映像として、ライブラリーに保存して おくため、病院や医師との信頼関係がより良好になることにも繋がる。2 つ目は、患者が 検査や手術を受ける前に、病院側から手術等に関する詳細を情報提供してもらう際、映像 を材料として公開するときに用いられる。これは、インフォームド・コンセント[2]と呼ば れ、患者が十分理解した上で、手術を受けてもらうためには必要である。また、セカンド・

オピニオン[3]時にも用いることがある。これは、患者側がよりよい決断をするために、当 事者以外の専門的な知識を持った第三者に意見を求める際に、参考資料として公開、提供 することがある。

(9)

また、これらの他には、院内の手術室の情報を公開するときに、映像を用いられること がある。これは、優良病院としての付加価値のサービスであるが、公開することで患者に 対して、信用や安心感を与えられることにも繋がる。

4 つ目は、記録すること自体を目的としている。これは、手術の映像を記録しておくこ とで、手術におけるリスクマネジメント及び医療事故を防止するために用いられる。これ から起こり得る危険事態や過ちを回避、もしくは低減するために、記録してある映像をも とに対策を立てることが可能となる。

以上、述べてきたように、手術の映像を記録として残す目的には、様々なニーズや用途 が存在し、多様化が進んでいるのである。

その中で本研究では、教育の分野において、医学生の技術習得を対象とし、本研究を進 めていく。また、ここでの「技術」を、開腹手術における外科の手技、と特定し、これら を研究対象とする。また、手技とは手を用いた療法の意である。

詳細については、後節(1.3)で述べる。

(10)

1.1.2 医学教育の

背景

疾病構造の変化、患者のニーズの多様化、生命科学や医療技術の急速な進歩などを背景 として、新しい世代の医学生の育成が求められている。医学教育を取り巻く環境も変化を 続けている。日本の医学部教育は、多方面の努力に支えられて多くの改革を進めていると ころである。しかし、現行の制度は硬直化しており、国民の期待に十分に応えることが難 しい状況である。

また、医学生に求められるものが大きく変わっている一方、戦後医学教育の枠組みは基 本的に変わっていないのが現状である。従来型の医学教育の問題として、画一的で硬直化 したプログラムでの医学生の養成、臨床実技教育の軽視がある。また、知識重視の教育内 容は、増加し続ける医学知識に対応し切れていない。限られた教育年数の中で、知識伝授 型の教育から脱却し、新しい時代に対応しうる医学生の育成プログラムへの転換が求めら れている。臨床医学教育においては、患者中心の全人的医療を展開する医師を育成するた めの教育体制を確立することが急務である。

このような背景から、医学教育という課程を改めて見直し、今後に向けた、新たな教育 方法を提案する必要性が高まっている現状である。

(11)

1.2 問題提起

1.2.1 映像を用いた教育の現状

前節(1.1.1)で、撮影した手術映像を医学教育の分野にも活用されていると述べたが、

これは医学教育の課程において、講義内の教材として用いられている場合が多い。目的と しては、医学生がより講義内容を理解しやすくするためである。また、臨床実習等の場で、

実際の手術室内での教育があるが、これは一度に受けられる医学生の人数が限られてしま う。しかし、映像を用いることで、大人数の医学生に対し、指導することが可能となる。

本来、ここで用いられている映像の多くは、手術室に設置されている無影灯やクレーンか ら撮影したものであり、いずれも2D映像によるものである。(図2,3)

2 無影灯からの撮影 図3 クレーンからの撮影

筆者は、これら無影灯やクレーンから撮影した手術映像に関して、現在、これらの撮影 方法による手術映像を用いながら、医学生に対して講義を行っている、慶應義塾大学医学 部の外科専門医兼専任講師である和田則仁先生にお話しを伺ったところ、以下の問題点が 挙げられた。

無影灯から撮影した映像の問題点

・遠くからの撮影となるため、外科の手技において重要となる患部の詳細な部分まで撮 れていない。

クレーンから撮影した映像の問題点

・手術中に術者の頭、背中等が写り込み、肝心なところが隠れて見えなくなってしまう。

映像自体が2Dであることに対する問題点

・外科の手術の場合、臓器を扱うことが多く、人の臓器は、非常に複雑な構造となって

(12)

いる。しかし、2Dの映像では、奥行き感に欠けるため、映像内の情報で、臓器そのも のを正確に捉えることが困難である。

つまり、これらの問題点から、従来の撮影方法及び映像では、医学生に対して、正確な手 技の技術を伝えることができていないのである。

(13)

1.2.2 医学教育の改革の必要性

医学教育改革の原点は、1996年に作成された「21世紀医学・医療懇談会」(文部省)[4]

の一次報告にまとめられている。なぜ、医学教育改革が必要であるのか。そこに提起され ていることを以下に記す。

・医療の現場において、患者中心または患者本位の立場に立った医療が十分提供されて いるのであろうか。

・先端医療の進歩と生命の尊厳との調和をどのようにとっていくのか。

・受験学力が高いという理由で医学部に進学することへの疑義。

・知識の伝授のみで態度・技能の習得が不十分である。

・人間性のある豊かな医療従事者を世に送り出しているのか。

これらは17年前の指摘にもかかわらず、現在もその通りにあてはまるのである。医学教 育に対する社会の批判は、ここに集約されている。

これらの問題の中で、本研究では、「知識の伝授のみで態度・技能の習得が不十分である。」 といった問題提起の「技能の習得が不十分」に着目した。

医学生や研修医といったこれから本格的な医療従事者を目指すものにとって、医学教育 のカリキュラムにおいて、「臨床実習」という授業は、非常に重要な役割を果たしており、

近年、その重要性が増している傾向にある。この臨床実習では、医学生や研修医が実際に 患者と対面し、診察や実際の技能や治療方法、カルテの書き方、コミュニケーションのと り方などを目の当たりにすることで、臨床での患者とのやり取りを勉強することを目的と している。

つまり、この臨床実習の授業から、上記の問題である、患者と接するときの態度はもち ろん、手術、治療に必要とする技能の多くを学ぶことができ、習得もしくは、習得するた めの手助けとなっているのである。

ここでの「臨床」は、医学、歯学、看護学等の医療分野において、医療、教育、カウン セリング等の介入を行う「現場」、あるいは「現場を重視する立場」と定義する。この「現 場」を通すことで、教科書や講義からでは、学ぶことのできない雰囲気や感覚的なものを 自身の身体を持って体感し、勉強することができるのである。

臨床実習は、多くの場合、養成施設の最終学年を対象として行わせており、医学部、歯

(14)

学部、獣医学部においては、5年生から行っている。

ここで問題視されるのが、臨床実習を十分な期間行われているかということである。医 学部の場合、修了するまでの全課程である6年間のうち、5、6年生の2年間を臨床実習が 受けられる期間として設けられているが、実際には、医学生は、医師国家試験の対策も同 時にしていかなくてはならない。そのため、大学側もそれを考慮し、2 年間、十分に臨床 実習を実施することは難しく、できていないというのが現状である。また、大学によって は、医学部6年生の1年間は、臨床実習がほとんど行われず、国家試験対策の予備校化、

受験生化しているという指摘も挙げられている[5]。

また、臨床実習のカリキュラムでは、医学生は様々な診療科を回ることが決められてお り、それぞれの診療科に必要とする基本スキルを身につけなくてはならないので、本研究 で着目した、手術や治療に必要とする技能、にだけ時間をかけることは難しいのである。

医学生は、このような状況下にあるため、限られた時間の中からでしか学ぶことができ ないのである。

臨床実習の問題点は、上記の「時間の制限」以外にも、臨床実習そのものの「質」が指 摘されている。詳細は、第2章(2.1.2)で述べる。

これらの背景から、医学部において、医学生が低学年のときから受講する、講義の「質」

を向上させることにより、手術や治療に必要とする技能の習得の手助けとなるのではない かと考える。

(15)

1.3 本研究の目的

本研究では、外科の執刀医が行う手技の様子を、執刀医の目線からと、従来の固定した 一定の位置から撮影を行い、その映像を視聴した医学生が、映像内の手技に関する技術を どれだけ身につけることができたのかを分析することを目的としている。また、執刀医の 目線から撮影した映像を従来の2Dと、3Dの次元の異なる条件で、視聴してもらい、同様 に、手技に関する技術をどれだけ身につけることができたのかを明らかにすることを目的 とする。

つまり、医学生には、視野の違いによる映像と、次元の違いによる映像を視聴してもら うことで、外科における手技を習得する上で、どれほど学習の効果として、違いが現われ るのかを分析していく。(図4)

本論文では、2眼による立体視映像のことを「3D映像」と呼ぶことにする。

4 本研究の目的

(16)

1.4 論文の構成

本論文は、全6章から構成される。

第1章は、本研究の背景、そこから見出す問題提起、本研究の目的を述べる。

第2章は、あらゆる視点から医学教育の在り方について、現状分析する。

第3章では、現状の問題点に対する本研究の提案をする。

第4章では、実際に提案したことを実験にて検証を行う。

第5章では、実験データから導き出した結果を分析する。

第6章では、本研究の結論、及び、今後の展開について述べる。

(17)

2 章 医学教育の現状と分析

2.1 医学部の教育課程の現状と課題

2.1.1

医学教育の背景と改革

近年の生命科学と科学技術など関連領域の著しい進歩によって医学の知識と技術の量は 膨大となり、細分化されると同時に、新たな視点に立った学問領域や診療分野も生まれつ つある。また、今後、医学、医療に対する社会のニーズは多様化し、学際的な生命科学研 究に携わる人材、地域医療、福祉や介護、国際医療協力、製薬等の様々な分野において医 科大学における医学部出身者の一層の活躍が求められている。このため、医科大学、医学 部における医学教育の質をより一層高め、一定水準の質を確保すると同時に、教育内容を 再編成して多様化を図る必要がある。しかし、膨大となった学習内容の全てを従来の教育 手法を用いて履修させることは不可能になりつつある。また、これまで各大学や科目担当 教員の裁量に委ねられていた教育内容については、講座単位の授業区分や教養教育、基礎 医学、社会医学教育、臨床医学教育といった区分に縛られてしまい、その見直しが十分行 われにくい状況も見受けられる。

このような状況から、「21 世紀医学・医療懇談会第1次及び第4次報告)[4]においても、

医学教育の内容については、精選された基本的内容を重点的に履修させるコア・カリキュ ラムを確立するとともに、学生が主体的に選択履修できる科目を拡充することが必要であ る、と提言されている。また、平成 10年度及び11 年度に「医学における教育プログラム 研究開発事業委員会」が実施した全国アンケート調査においても、70%以上の医科大学の 医学部から、コアとなる医学教育の内容をガイドラインとして提示することが望ましいと の結果が出されている。

これらを背景として、医学教育全体の視点からこれまでの教育内容を見直し、科学技術 の進歩と時代の要請に合わせて再編成するために、まず、すべての医学生が履修すべき必 須の学習内容を精選する必要がある。また、社会から求められている患者とのコミュニケ ーションや安全性の確保などの学習内容を付加することも急務である。さらに、知識を詰 め込むことを中心に行われてきたこれまでの教育方法から、生涯にわたり自ら課題を探求 し、問題を解決していく能力を身につけられるような、学生主体の学習方法に積極的に転 換することも必要である。同時に、学生の将来の進路や社会的需要の多様化に合わせて、

学習内容も学生が自由に選択できるように多様化する必要もあり、このためには選択制カ

(18)

リキュラムの導入が不可欠であると考えられる。

医学教育における基本事項とは、医師としての素養に関わる教育内容であり、教養教育、

臨床前教育、臨床実習にわたる 6 年間のすべての医学教育課程を通じて確実に身につけ、

また、生涯にわたってその向上に努めなければならないものである。すなわち、医師の素 養、資質と能力として必要な、患者中心の医療の実践、安全性への配慮、信頼される人間 関係、自ら問題を発見する姿勢や研究への動機づけなどを含む課題探求・問題解決能力の 育成などが提示されている。これらは、単なる知識の獲得よりも、今日の医学・医療の現 場と一般社会から強く求められている教育内容である。したがって、医学教育とは、単に 授業科目を設定して一定期間の履修で済ませる、形ばかりの教育であってはならない。学 生は、講義にとどまらず、実際に患者と触れあう、あらゆる形式の実習などを通じて学ん でいくとともに、単に医学教育の現場のみならず、学生生活のすべての場面でその向上に 努める必要がある。

これまでの医学教育は、基礎医学、社会医学、臨床医学に区分され、講座単位による縦 割りによる学問領域の閉鎖性に起因して、これらの有機的連携という観点が不十分であっ た。このため、教育内容のガイドラインにおいては、教育内容を整理して全体をまとめて 表示することとし、従来の基礎医学、社会医学、臨床医学といった区分を用いず、基礎医 学と臨床医学を関連づけて学べるような統合的なカリキュラムを編成することが重要であ る。

これまでの医学教育では、教育に携わる者が、教えこまなければならないという使命感 から知識伝授の講義形式が用いられることが多かった。一斉講義は知識の伝授には効率的 であるが、医学生は受身の学習を強いられることが多く、課題探求・問題解決能力は育成 されにくいのである。これらの背景から、今後は、授業方法に十分な工夫をするとともに、

自己学習への指示や問題解決に取り組む機会と時間を与えなければならないと考えられる。

このためには、少人数の演習やチュートリアル教育なども取り入れることが有効である。

つまり、医学を学ぶためには、知識だけでなく、実習を通じて確認する学習が重要であ る。したがって、臨床前医学教育における実習を充実するとともに、適正な評価も行わな ければならない。なお、臨床前医学教育における実習の実施時期については、講義、演習、

チュートリアル等の授業内容と緊密に連携させるように設定すべきである。

学生自身または実験動物を用いた実習に際しては、医の倫理や生命倫理的な配慮のもと に、予測される危険を回避し、常に安全を確認しながら手技や操作を行う習慣が身につく

(19)

ように指導することが必要である。また、高度な内容や応用的な内容の実習や、探究心の 旺盛な学生を対象とする実験、実習については、選択制のカリキュラム等に振り分けるこ といった配慮が必要である。

このような現状の医学教育に対し、日本学術会議では、「我が国の医学教育はいかにある べきか」[6]において提言している。その提言内容の1つに「医学部基礎、臨床教育の充実 に向けた新しい方策」がある。詳細を以下に記す。

① 臨床前準備教育:教養教育に割かれる時間はますます減少する傾向にある。患者中心の 医療を体現しうる医療人育成をめざして効率のよい教養教育が求められる。そのために、

必要な方策として低学年向け教育の充実、高学年向け「仕上げ教育」の導入、学際的な科 目編成の工夫、双方向授業、大学間教養教育ネットワークの構築、インタープロフェッシ ョン教育など、柔軟な開講形態を提案する。

② 基礎医学教育:現行の医学教育システムの中で人材不足と質の低下が懸念されており、

危機的な状況に直面している。IT 教育の活用、大学院制度の改革、キャリアパスの確立、

定年後教員の活用などの方策により抜本的な変革が急務である。

③ 臨床教育:知識伝授型から問題解決型、知識重視型から技能・態度重 視型の教育へ転 換を図るべきである。そのため、臨床実習開始前の共用試験制度をさらに改良し、充実し た診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)を実現することが求められる。さら に、医師国家試験を改善し、客観的臨床技能試験(Advanced OSCE=objective structured clinical

examination)を導入すべきである。

臨床教育を充実させるためには、臨床前準備教育と基礎医学教育の向上が欠かせないので ある。

平成3年に大学設置基準大綱化以降[7]、科目区分や必修教科の見直しが急速に進められ る中で、基礎教育や教養教育については、履修単位が減少する傾向にある。専門的職業人 養成を目的とした医学部では、専門教育の早期化や高度化が行われてきていることもあり、

学部3、4年段階に向けての共通教育や基礎教育はあまり普及していない現状である。教育 基本法の新たな条文では「高い教養と専門的能力を培う」(第7条)ことが大学の基本的役

(20)

割として規定されている。こうした流れを踏まえて、今後、医学部における教養教育は次 の取り組みが求められる。[6]

①「低学年向け臨床前準備教育」を、学部を超えて設置

医療系(医歯薬看護系)の専門的職業人養成には、従前に増して充実したリベラルアー ツに加え、医の倫理、医療統計、医療経済など医療系に特化した準備教育の新設、拡充が 望まれる。これら教育を通じて、医療系職業の本質とそれによって成立する社会の仕組み を学び、自らの職業を適確に選択する能力の獲得を促すことが重要である。またこれらカ リキュラムの整備には、人員や施設などの基盤整備が必須である。

② 学部高学年段階での「仕上げの人間教育」の実施

これまで基礎教育や共通教育は専門教育に入る前段階で履修されるという傾向が強かっ た。しかし、医学系のように専門的職業人養成に関わる学部では、ある程度の専門的知見 を学ぶことと並行して、その専門的知見を広い観点から深く理解していくための教養教育 も必要である。また、将来、患者や医療従事者との円滑なコミュニケーションにおいて必 要とされる豊かな人間理解の技能・能力も求められるところである。そこで、大学の3、4 年段階での、高学年向けの「仕上げの人間教育」を実施することが重要である。

③ 学際的な科目編成の工夫

現代では、諸外国も含め、大学教育は、「何を教えるか」という観点から、むしろ「学生 に何ができるようになるか」という観点へとカリキュラム編成の原理が移行しつつある状 況である。医学部学生に必要とされる技能や能力について、とりわけ医師・医学者として 求められる人間へのまなざしや、専門的職業人としての資質といった観点から、柔軟なカ リキュラム編成をしていく必要がある。具体的には、専門領域それぞれに対応した科目編 成だけでなく、例えば、「人間」、「死生」、「生命」といった独自の観点からの学際的な科目 編成を工夫することも重要である。

④ 少人数による双方向型授業、体験学習の実施ときめ細かい学生の資質把握

豊かな人間理解とコミュニケーション能力、瞬時の専門的判断力の養成が必要とされる 医学系の学生に対しては、特に、少人数による双方向型の学習形態や、体験活動などを含

(21)

む多様な教育方法を採用していくことも重要である。こうした授業を通して学生の資質や 能力、適性などを具体的に把握することも可能であると同時に、学生自身も自らの資質や 適性について早い段階から省みることが可能となる。

⑤ 授業実施形態の柔軟化

科目の授業実施形態についても、週1回開講による 2単位科目の履修という固定的な形 から、週複数回開講や、2コマ続きでの開講による3単位、4単位科目も教育効果の観点か ら開講する形も今後必要となってくるだろう。特に、高学年で専門科目と併せて受講する ことが必要となる「仕上げの人間教育」においては、こうした柔軟な開講形態をとること も妥当となってくる。

⑥ 大学を越えた臨床前準備教育ネットワークの形成

医学教育にコース制を導入していくためには、何が学士課程教育として学生に求められ ているのかを明確に規定し、また学生に提示していく必要がある。大学を越えた学生向け の準備教育について討議し、実施していくためのネットワークの形成が重要となってくる だろう。こうしたネットワークを土台とした準備教育での連携を深めることは、単に、大 学相互の単位互換だけではなく、医学教育のコース制実施に際しての、基本的なコア・カ リキュラムの共有や、コース間の相互理解、コース変更に際しての学生向けの対応など、

制度の柔軟な運用においても重要となってくると考えられる。

⑦ 臨床前準備教育の達成度評価の導入

医師・医学者としての必要最低限の準備教育として必要不可欠な核となる教育内容をガ イドラインとして提示すること、また、そのガイドラインに従って、個々の学生の達成度 について学生自身が評価・点検できるシステムを導入する必要がある。医学系の学生に対 して、早い段階からの進路アドバイスをするために、個々の学生の興味・関心、専門教育 の進展具合などを鑑みながら、準備教育に関わる教員と医学系の専門教員とが連携して相 談にのるようなメンター制度の導入も併せて行うことも吟味する必要がある。

医学教育の中の基礎医学教育の位置づけにおいて、低学年で行われることが多いが、臨 床医学を学び、実践する際の知識として重要であるという認識が教員、学生の双方に必要

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となってくる。すでに、導入されて久しいモデル・コア・カリキュラムでは、「基礎医学と 臨床医学を関連付けて学べる統合的プログラムの編成」を目指しており、個々の「…学」

が明確でなく、現象、疾患別など、横断的に学習することを目的としている。しかし、過 去に刊行された「全国医学部長病院長会議 我が国の大学医学部(医科大学)白書」平成 21 年 (2009 年) 5 月版に記載されている基礎医学担当教員に対するアンケートで、基礎医学 教育がモデル・コア・カリキュラム導入によって 「良くなった」5 件、「良い点と悪い点 がある」 43 件、「悪くなった」4 件、「変わらない」 21 件であった。このアンケートの 結果からも見て取れるように、現在の基礎教育の問題点、課題を抽出し、改善につなげる 対策が必要である。

近年、情報技術(IT)が医学教育に導入され、多方面で応用が試みられている。特に、良質 な画像、実習内容などを複数の大学で共有する、臨床教育への連携など、その可能性には 大いに期待が寄せられている。IT の特性を十分に生かして、教育資材の作製、共有、評価 などに応用されることの検討も我が国での基礎医学教育の現状を鑑みて急務なものと考え られる。また、基礎医学教育の国際化への展開も視野に入れ、検討を進めるべきであると 考えられる。

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2.1.2 臨床実習の在り方

医学生が、実際の医療に触れる初めての機会となる「臨床実習」となるが、医師として 必要な技能、態度の修得に不可欠なその教育課程が今、改革を急務とされている現状にあ る。

臨床実習の問題点は、大きく分けて、以下の2つを挙げることができる。

・医学生にとって、臨床実習を十分な期間行われていない。

・臨床実習の「質」の向上

まず、現在の医学教育において、臨床実習を、十分な期間、行われていないという問題 がある。図5は、慶應義塾大学医学部の 6年間のカリキュラムであるが、座学や講義の時 間に比べ、臨床実習に設けている時間が決して十分であるとは言えない。(図5)

5 慶應義塾大学医学部 6年間のカリキュラム概要[9]

このように臨床実習は、医学部5、6年生の2年間に行われるが、実際には医師国家試験 の対策をしなければならず、2 年間十分に臨床実習を実施している大学は決して多いとは いえない。また、医学部6年生の 1年間は、臨床実習がほとんど行われず、国家試験対策 の予備校化、受験生化しているという傾向もある[5]。

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もう1つの問題として、臨床実習の「質」が挙げられる。これは、「参加型」実習が不足 している傾向にあるということである。教育よりも診療現場を優先すれば,どうしても「学 生は後ろで見る」という「見学型」の実習となるが、それでは応用力は身につかない。単 なる知識にとどまらず、実践的なスキルや臨床現場での問題解決能力を身につけるには、

手間がかかりリスクにも繋がるが、臨床実習の「質」を向上させ、「参加型」にシフトして いくことが必要となる。

これは、すでに実際の教育現場において、「見学型」実習が中心で、十分に「参加型」実 習ができていないという指摘を多く挙げられており、認識されている[5]。

この背景には、いくつかの要因がある。たとえば、法的根拠の未整備、患者の理解不足、

医療事故に対する責任の在り方、指導医不足、医学生の精神的未成熟さなどである。臨床 実習を行わせるのに適格な医学生を選別する機会がないという指摘もあった。

教育現場では、将来的に医行為を行わせるのにふさわしくない医学生を排除する仕組み がないことを疑問視する声も少なからず存在したのである。

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2.1.3 外科における教育

臨床実習や低学年時に受ける講義を通し、外科の分野である、手術における技術の習得 に向けても指導が行われている。しかし、医学教育において、外科に求められる手術技術 習得には時間がかかることに加え、非常に高度な技術が医学生には問われる。また、正式 に外科医師として外科専門医取得までには、卒後 6 年間必要とし、その後、各専門分野の 修練となるため、膨大な努力と時間がかかるのが外科の分野である。そのため近年では、

外科の分野特有の背景として、医学生が外科医を目指さなくなってしまうという傾向にあ る。つまり、医師不足に直結するため、深刻な問題である。図 6 は、診療科別医師数の推 移を示したものである。(図6)

6 診療科別医師数の推移[11]

医学生に対する調査では、元々、外科の分野を目指す医学生は、少なくないという結果 が出ているのだが[10]、技術の習得に自信が持てず不安を抱き、進路変更する場合が多い のである。これらの外科の分野を目指す学生に対し、その魅力を十分に伝えることができ ずにいるのは、現在の医学教育、カリキュラムに問題があると考えられる。また、外科の 分野に進路を決めた医学生に、よりよい教育をしていくためにも、改善が必要となる。

そのためには、医学部初年度より外科の技術の「参加型」実習を中心としたカリキュラ ムを提供し、外科医をめざすモチベーションを強く維持させつつ、専門的職業人として外 科系医療に貢献できる人材を養成するための環境作りが不可欠となる。さらに、基礎医学

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学習中から臨床に接することによって、その学習が実践の手術にどう生かされるか理解、

実感してもらい、効果的学習を目指すことが大切である。

秋田大学医学部では、医学生に、外科の分野を正しく理解してもらうために、初年度か ら、外科診療のなりたちとして、歴史、周術期管理、手術室内チーム医療、インフォーム ド・コンセントを体験させ、職人的技術として、結紮、縫合トレーニングを行うといった カリキュラム内容が導入されている。さらに、学年を追って、手術に関わる臨床解剖やバ ーチャルシミュレーターによる手術体験、修練、実験動物を用いた修練、手術画像による 術式の理解などを予定している。[10]

医学部の早い段階で、外科の分野を正しく理解してもらい、「参加型」実習により、早期 から外科の技術を身につけてもらうことにより、より優秀な外科医を多く育成していくこ とに繋がると考えられる。

(27)

2.2 外科手術の現状と必要性

2.2.1 開腹手術と内視鏡外科手術の現状

これまでの外科手術では、腹部を大きく切開して、直接目で見て、手で触って手術する 方法である、「開腹手術」が行われてきた。

この開腹手術に対して、近年、「内視鏡外科手術(腹腔鏡手術)」が発達している。これ は、お腹の壁(腹壁)に 5mm から 1cm の穴をいくつか開けて、お腹の中を炭酸ガスで膨 らまして作業空間を作る。穴から腹腔鏡と呼ばれる内視鏡(カメラ)を通し、細径内視鏡 の映像をテレビモニターで観察しながら、長くて細い特殊な器具(はさみやピンセットの 働きをする鉗子や電気メスなど)を使って、手術を行う[12]。(図7)

7 腹腔鏡手術の模式図[13]

この手術の大きな利点は、従来の方法と比べて、患者の体への負担が極めて低く、傷跡 が小さい、術後の痛みが少ない、回復が早いという点である。それに伴い、日帰りを含め 入院期間も短くなるため、早期社会復帰が見込めるといったことにも繋がる。また、図8,9 を比較するとわかるように美容的観点からも著しく優れている。(図8,9)

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8 腹腔鏡手術 術後[14] 図9 開腹手術 術後[14]

この内視鏡外科手術は、当初、複雑な手術操作の比較的少ない腹腔鏡下胆嚢摘出術とし て開発され、本邦に導入された。ここ数十年で急速に普及し、1990 年には、10%程であっ た内視鏡下の胆嚢摘出術は、2001 年には 80%を超えている[15]。現在では、機器や技術 の進歩に伴い、がんに対する根治術をはじめ、多くの術式で標準的な治療として広く行わ れるようになった。また、その適用範囲としては、腹部外科領域の胃、大腸、脾臓などに 加え、呼吸器外科、乳腺・甲状腺外科、心臓血管外科、産婦人科、泌尿器科、整形外科、

形成外科等にも及んでいる。このように、内視鏡外科手術は、今後、ますます普及し、活 用する場が増加していくものと考えられる。

しかし、内視鏡外科手術には、従来の開腹手術と比べ、手術時において、「間接視下」、

「遠隔操作」、「限定された操作空間」、といった克服すべき重大な問題点があり、それらの 制約に起因する内視鏡外科手術に特異な合併症や死亡例が発生し、社会問題とすらなって いる。ここ 10 年、上記の問題点も順次着実に改善をみてはいるが、未だ十分とはいえな い状況である。

これらの問題点や患者の安全性への配慮から、内視鏡外科手術が多くの特長を有してい ても、いまひとつ踏み切れていないというのが現状である。

また現段階においては、内視鏡外科手術は、全ての症例に対応しているわけではない。

今後、内視鏡外科手術で治療できる症例数は、年々増加していく傾向にはなると考えるが、

現状、開腹手術での治療法も必要とされており、手術実施率も非常に高い。

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図10は、慶應義塾大学医学部の一般・消化器外科専門医である和田則仁先生にお伺いし た、「大学病院」と「一般病院」の消化器外科における「腹腔鏡手術」と「開腹手術」の実 施比率である。(図10)

10 消化器外科における手術実施比率

大学病院においては、腹腔鏡手術と開腹手術の実施比率は、同じであるが、一般病院に 限っては、開腹手術のほうが、実施している回数が圧倒的に多い。これは、大学病院が病 院であると同時に研究をする場でもあるため、医療における研究で得た知見や成果を、最 先端技術として、臨床を行い、いち早く取り入れることができるためと考えられる。また、

それに伴い、施設や設備の充実といった医療環境の違いにより、大学病院と一般病院では、

比率に差が生じたのだと考えらえる。

また、図11は、東京女子医科大学病院の消化器外科で行われた大腸癌外科切除の「開腹 手術」と「腹腔鏡手術」の症例数を年次推移で表したものである。(図11)

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11 大腸癌外科切除症例数(年次推移)[12]

2006年時には、開腹手術が腹腔鏡手術に比べ、圧倒的に症例数が多かったのだが、翌年 の2007年では、腹腔鏡手術を取り入れる機会が増加し、開腹手術とほぼ同等の症例数にな った。しかし、翌年の2008年では、また開腹手術の症例数が増している。それ以降の年を 見ても、どちら側に大きく偏るということはない。つまり、腹腔鏡手術の分野の技術がこ こ数年で飛躍的に成長し、実際の手術にも取り入れられてきてはいるものの、現在に至っ ても、開腹手術でしか治療することができない症例があるということを図11のデータが証 明している。したがって、近年においても、開腹手術は必要とされているのである。

次に、2009年に日本消化器外科学会が報告した、術式別に区分した腹腔鏡手術の比率を 表しているデータを記す。(図12)

また、ここでの「術式」を、消化器外科における外科手術の方式、手段、方法と定義す る。

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12 術式別に区分した腹腔鏡手術の比率[16]

胆嚢摘出術は大学病院、一般病院、関連施設いずれも 76%以上で、施設間による差はな いが、その他の術式においては、大学病院が一般病院、関連施設と比べ、腹腔鏡手術がよ り多く取り入れられていることがわかる。その差が特に現われているのが、食道唄門形成 術で、一般病院が49%、関連施設が58%に対して、大学病院は90%以上にも及んでいる。

しかし、大学病院を含む全医療施設の腹腔鏡手術の比率において、術式の種類によって、

差が生じているのが明確である。また、開腹手術から腹腔鏡手術に完全に移行した術式も まだ存在していない。

年々、各術式の分野に腹腔鏡手術が取り入れられてきている傾向ではあるが、まだ十分 に実施できていないのが現状であり、同時に全ての術式において、開腹手術が実施されて いる、必要とされているのもまた事実である。

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2.2.2 開腹手術と腹腔鏡手術における手技の教育方法の違い

外科手術には、前項で述べたように、「開腹手術」と「腹腔鏡手術」の2種類がある。腹 腔鏡手術は、開腹手術とは異なる技術を要するため、特別な修練が必要とされる。また、

開腹手術と比べ、術野が狭いため、高度な技術が問われ、正式に習得するまでには非常に 敷居の高いものとなっている。

これは、近年において、腹腔鏡手術の医療事故が増加していることに起因する[17]。医 療事故とは、具体的に手術偶発症や合併症のことを指し、原因として、不十分な準備や術 者の未熟などで起こる。発見の遅れや発生後の対応が悪かったために、患者に、術前では 予測できないほどの重大な健康被害を与えてしまっているのである。日本内視鏡外科学会 アンケート調査では、胆嚢摘出術では胆管損傷(0.68%)、開腹を要した出血(0.58%)、他臓器 損傷(0.29%)、胃癌手術では術中偶発症(0.84%)、術中合併症(3.8%)、小腸大腸切除では、術 中術後合併症6.74などが集計された。これらの修復のために術中あるいは、術後に開腹を 必要とした例も多く、死亡例も49例あった[17]。

腹腔鏡手術の偶発症の特徴は、解剖の誤認、視野外操作、電気メス熱傷、鉗子操作によ る損傷がみられることである。また、出血も開腹止血を必要とするようなら偶発症とされ る。腹腔鏡手術の偶発症、合併症は、事故とされやすいのである。さらに、手術時はカメ ラで撮影し、映像収録されているため、未熟な操作は誰の目にも明らかになる。

これら偶発症、合併症を減少させるためには、腹腔鏡手術における教育システムの充実 が必要であり、これはすでに多くの病院で認識し、取り組みが行われている。

まず、腹腔鏡手術を始める前に、腹腔鏡に関する教科書を読ませ、セミナーを受講させ、

腹腔鏡の特徴や合併症、基本の術式を習得させる。さらに、IT技術を応用させたトレーニ ングボックスやシミュレーター[18]を使用し、技術訓練として受けさせ、技術を修練させ る。また、動物を用いた手術を行い、実際に臨床で手術を行う前のトレーニングとして、

効率的に腹腔鏡手術に要する手技や知識を習得していく。(動物実験施設のない施設では、

企業の動物実験施設を利用する。)

このように、腹腔鏡手術の施設、教育システムというのは、非常に充実しており、これ らの環境の中で、学んでいくことができる。また、高い水準の腹腔鏡手術の技術を磨くと ともに、若手の育成も精力的に行っている。

それに加え、腹腔鏡手術の技術も日々進化している。少しでも、良い手術方法を患者に

(33)

つまり、腹腔鏡手術の技術向上、また教育のための施設、環境システムの充実というよ うに、現在において、腹腔鏡手術の分野は、研究、開発に力を入れており、医療事故再発 防止とともに教育の充実、技術の発展に向け、日々取り組みが行われている。

一方、開腹手術は、腹腔鏡手術と比べると、従来型の手術方法となるため、年々、開腹 手術から腹腔鏡手術に移行しつつある現代医療においては、開腹手術の分野に力を入れて 取り組まれているとは、言い難い状態である。したがって、開腹手術における手技習得の ための教育手段においても、現状として、充実している状況とはいえない。開腹手術にお ける手技を習得するための従来の教育手段には、臨床実習の場を通し、実際の手術現場か ら学ぶ方法、講義等で用いられる写真やビデオなどの教材から学ぶ方法、の2通りがある。

しかし、これらには、問題点があり、以下の3点が指摘されている[19]。

① 実際の手術現場を供覧する場合、まれな症例に当たる医師と当たらない医師があって、

教育機会の不均等が生じること。

② 写真やビデオなどの教材を用いた場合、臓器や神経、血管の微妙な位置関係が把握しに くいこと。

③ 供覧、教材のいずれもが、執刀医目線と異なること。

上記の問題は、提示されたメディアの立体感や臨場感を高めることによって、改善され ると考えられる。換言すれば、高臨場感な立体映像教材によって、教育効果の向上が期待 できるといえる。

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2.3 手術映像撮影システム

近年において、映像の高精細化や立体視ディスプレイの実現など、映像技術は急速に向 上しており、医療の分野にも応用され、積極的に導入されている。こうした映像技術は、

開腹手術の分野においても用いられており、主に医学生に向けた教育用として活用されて いる。高品質の映像を通すことにより、必要な生体情報を、高い臨場感を持って、捉える ことが可能である。

本節では、現在どのような映像の撮影技術が取り組まれているのかを述べていく。

映像の撮影は、実際の手術現場を対象としているため、撮影に必要な機材、環境は手術 室に備える必要がある。

また、手術を撮影するにあたり、あらゆる機能を配慮して、撮影システムの構築を行う 必要がある。配慮する機能を以下に記す。

①安全性

・撮影機材の安全性(転倒、落下、破損、消毒、衛星)

・術者の妨げにならない構造

②簡便性

・短時間で可能なセットアップ・撤収

・わかりやすい使用法

・導入しやすい価格

③汎用性

・様々なフォーマットに対応(ハイビジョン、DVCAM、DVD、HDR)

・LAN/Network Systemに対応

・手術室外での映像出力が可能

・一手術室に固定ではなく、移動可能な撮影システム

④多目的性

・専門科の術技、部位を選ばず撮影が可能

・術野の範囲に対応したレンズズーム精度

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これらの中でも、特に、「安全性」の機能を十分配慮した上で、撮影システムを構築して いく必要がある。

Aeroscape[1]では、クレーン型の撮影システムが開発された。(図13,14)

13 MD-100 MDクレーン[1] 図14 使用実例[1]

この撮影システムの特徴として、簡単に手術撮影が出来る装置であることが挙げられて いる。手術の撮影をしようとする際に、費用的にも時間的にも様々な問題により、プロの 撮影技術者に依頼するのは難しい。しかし、MD クレーンの場合、撮影知識の少ない病院 のスタッフが操作をしても、質の高い高画質な映像が撮影することが可能となっている。

また、業務用小型 HDV カメラの優れた性能に着目することにより、新しい俯瞰撮影シ ステムを構築させた。業務用小型 HDV カメラは比較的安価でありながら、各種の自動設 定と手振れ防止装置が大きなメリットである。最高画質の放送業務機器ではカメラが大き い、レンズが重い、ということが懸念され、俯瞰撮影用のカメラには不向きとなってしま う。コストパフォーマンスを考慮した場合、小型 HDV カメラは、手術撮影には最適と考 えられている。

また、手術を妨げることなく、無理なく俯瞰撮影を可能としている。これは、真俯瞰だ けではなく、手術に応じたさまざまな位置から、安定した撮影ができるように、カメラの 高さの変更が可能な回転式アームと静止後の揺れを抑えた構造となっている。一見大きな ボディは、転倒しないように考慮された造りになっている。

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操作方法は、リモコンによる遠隔操作方式をとっており、基本的なパン、チルト操作に 回転軸を加え、どのような位置に配置しても手術部位の水平・垂直、更にズームやフォー カスまで、自由に調整を行うことが可能である。天井からの吊り下げ式カメラや無影灯の センターカメラで難しかった位置調整を、このMDクレーンでは、容易に行うことができ る。

問題点としては、この MD クレーンは、小型 HDV カメラ対応であるため、取り付ける カメラの重量、規格によっては、制限されてしまうということである。映像に臨場感をも たらすためには、3D 映像であることが必要条件と考えるが、3D ビデオカメラの場合、ズ ーム機能に加え、左右の映像の同期、コンバージェンス機能が備わり、より高性能となる ため、どうしても重量や規格が大きくなりがちになってしまう。それらの 3D ビデオカメ ラを、このMDクレーンでは正常に取り付けることは難しい、懸念される要素だと考える。

また、手術をより術者の近い場所から撮影は行えているが、術者の視野を完全に捉えた 撮影までには至っていない。そのため、高臨場感の映像としては、物足りないものとなっ てしまう。それに加え、どうしても術者の頭や手が写り込み、肝心なところが隠れてしま っている。

FASE[20]では、天吊り型(専用プラケット付き)が開発された。(図15)

15 3D-CliniCam[20] 16 専用コマンダー[20]

この撮影システムの特徴は、3D映像撮影が可能であるということである。2 台のハイビ ジョン・カメラ・ユニットを、コンパクトに組み込んだ一体型二眼式 2D カメラである。

これまでの 3D 撮影では、大がかりなカメラセットを必要としたが、この撮影システムで は、その必要がなくなり、容易に 3D 撮影を行うことができる。また、小型設計であるた

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め、狭い手術室への設置も可能である。

機能面では、予めコンバージェンスポイント(光軸の収束点)が調整されているため、

これまでのように専門的な調整技術を必要とせず、即、3D 撮影を行うことができる。ま た、図16の専用コマンダーを用いることで、ズーム撮影が可能となる。3D 映像を撮影し ながら、左右の同期を保ったままズーム操作できるのである。(図16)

その他の機能として、左右同時のフォーカス操作、ホワイトバランス、3 ポイントまで のプリセット機能を備えており、本格的な撮影が可能である。

この3D-CliniCAmの出力シグナルには、 HD-SDI を採用しており、左右の映像の完全な

同期と、コンバージェンスポイントの調整により、人に優しい 3D 映像をフルハイビジョ ンにて撮影することができる。また、FASEの「3D Side By Side Encoder」に接続すれば、

リアルタイムに高画質 Side By Side 映像に変換し、Xpol 方式の3D モニタで映し出すこ とができる。 加えて、Side By Side 変換された信号は、通常のハイビジョン映像信号と同 一であるため、既存のハイビジョン用録画機、伝送装置などと組み合わせてのシステム化 が可能となる。

この撮影システムの問題点となるのが、術者の視野からは、撮影できないことである。

天吊り型の撮影システムとなるため、真上から、固定した場所からの撮影であり、カメラ を任意に移動させることができない。また、ズームが行えても、角度を自由に変えること はできないので、教育効果の見込める適切なアングルからの撮影は不可能となる。つまり、

手技や臓器によっては複雑な構造をしたものがあるため、一定の視野角映像からでは、正 確に情報を捉えることが困難である。

また、この撮影システムにおいても、頭上からの撮影となるため、術者の頭や手が写り 込み、肝心なところが隠れてしまうと考えられる。

KARL STORZ Endoscopy Japan [21]では、体外術野撮影用のフルハイビジョンカメラでの 撮影システムを開発した。(図17)

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17 VITOM 25テレスコープ、

ライトケーブル[21]

この撮影システムの特徴として、エルゴノミカルな操作と高品質画像を保ちながら、術 野を撮影することができることである。また、内視鏡の器具に近い形状をしている。

VITOM25は、内視鏡のように体内に挿入せず、術野から25-60cmほど離れた場所から撮影

するため、術者のワーキングスペースを損ねることはない。

また、無影灯のカメラやルーペ、顕微鏡にとってかわるような様々な有益な特性を持ち 合わせている。様々な分野で広く実証されたKARLSTORZのロッドレンズシステムの卓越 した光学特性を採用し、フル HD での撮影、録画に必要不可欠な条件である焦点深度、画 像拡大率、コントラスト、色再現率が最高レベルで備わっている。

図18のように、HDワイドスクリーンモニターと併用することで、最高品質の拡大画像 を術者、助手をはじめ、すべての手術スタッフが共有することが可能である。イルミネー ターを接続することにより、さらに高解像度画像を得ることができる。(図18)

また、スリムでコンパクトなデザインにより、大きなスペースを必要とせず、術野を妨 げることもない。

それに加え、術者の頭や手が妨げになることはないため、肝心なところが隠れてしまう といった心配もない。

VITOM25 の問題点としては、3D 映像ではないため、立体感および、臨場感に欠けた映

像になってしまうことである。ハイビジョン仕様ではあるため、高精細であり色彩やコン トラストにおいては、より本物に近い映像として、撮影することが可能であるが、映像に 図 18 VITOM 25HD ワイド スクリーンモニターによる高解 像度画像の共有[21]

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奥行感がないため、どうしても全てを正確に捉えることは難しくなってしまう。そのため、

教育用の映像としては、相応しくないものであると考える。

ソリッドレイ研究所[22]では、ヘッド・マウント・ディスプレイ型(HMD)の撮影システ ムが開発された。(図19)

19 オペアイ3D[22] 20 オペアイ3Dの仕組み[22]

この撮影システムの特徴は、HMD型により、術者の視野から正確に撮影することができ、

また、3Dカメラにより、立体感のある映像を撮影することができる。

図20のように、術者は搭載されている小型 HMDにより、実際に撮影されている3D映 像を確認しながら、作業を行うことができるのである。これにより、教育効果として高い 映像を意図的に撮影することができるのである。

また、準備と操作も容易で手間を取らず、移動性にも長けている。このように、オペア イ3Dは、機能面において、非常に優れている。

問題としては、歯学の分野に特化した撮影システムとなっているため、医学の分野にお いては、適用させることができるのか不明確な点である。このオペアイ 3D は、開発元と 歯科医師が、歯科教育のために共同開発したものだからである。医学と歯学とでは、撮影 する対象となるものが異なる点や教育効果向上として求められる映像の質や情報量も違う ため、これらの歯学の分野の要求に沿って、開発、機能設計され作られたオペアイ 3D と いう撮影システムが、医学の教育効果向上のための要求に合わせた機能まで補完されてい るわけではないのである。開発元に実際インタビューしたところ、現状では、歯学の分野 でしか活用されていない、また、教育効果としての検証も行われていないため、実際有効

参照

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