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Switch Mode Power Supply (SMPS) Topologies (Part II)

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(1)

AN1207

はじめに

本アプリケーションノートは、スイッチング電源

(SMPS)トポロジについての2部構成の第 2 部です。

このシリーズの最初のアプリケーション ノート、

『AN1114 - スイッチング電源(SMPS)トポロジ (パー ト1) 』では、異なるSMPSトポロジの基礎につい て説明し、与えられたアプリケーションに適切なト ポロジ選択のためのガイドラインを示しています。

パート2では、パート1における以前の題材を拡張 し、電源コンバータの回路設計に必要な基本ツール のについて解説します。パート1で紹介しましたす べてのトポロジが網羅されています。そして、それ ぞれの基本機能の概略を説明した後に、実際のシス テムを回路設計するための数式について説明し、解 析します。本書を読み進める前に、このシリーズの パート1をお読みになり、慣れていただくことをお 勧めします。

目次

本アプリケーションノートには、以下の主な項目が あります。

要件項目とルール ...1

降圧型コンバータ ...2

昇圧コンバータ ...14

順方向コンバータ ...18

2スイッチ順方向コンバータ ...30

ハーフブリッジ コンバータ ...39

プッシュプルコンバータ ...47

フルブリッジコンバータ ...57

フライバック コンバータ ...66

電圧と電流トポロジ ...76

結論 ...104

参考文献 ...104

ソース コード ...105

要件項目とルール

電源コンバータの回路設計に使用する様々な部品 の値は、以下の要件項目およびルールを用いて決定 されました。一般的な回路設計の要件項目は以下に なります。

• 標準入力電圧 (VDC)

• 最少入力電圧 (VDC, min)

• 最大入力電圧 (VDC, max)

• 出力電圧 (VOUT)

• 標準平均出力電流(IO, av, nom)

• 最少平均出力電流(IO, av, min)

• 最大リップル電圧 (VR, max)

さらに、部品の選定に使用するいくつかの共通ルー ルがあります。

• MOSFET (あるいはスイッチ) は、以下が可能で

ある必要があります。

- 最大電圧を許容可能であることこと - 最大電流に耐えられること

- PWMの周波数で効率良く、また正しく動作す

ること

- SOA (安全動作範囲)で動作可能なこと (損失 に依存)

• ダイオードは、以下が可能である必要があります。

- 最大逆電圧に耐えられること - 平均電流に耐えられること

電圧を表すために回路図中に矢印が使用されていま す。電圧の極性は、矢印そのものには直接反映され ていません (つまり、電圧が反転していても矢印の 方向は逆になっていませんが、電圧の値は負です)。

著者: Antonio Bersani

Microchip Technology Inc.

スイッチング電源 (SMPS) のトポロジ ( パート 2)

ご注意:この日本語版ドキュメントは、参考資料としてご使用の上、最新情報に つきましては、必ず英語版オリジナルをご参照いただきますようお願い します。

(2)

AN1207

降圧型コンバータ

降圧型コンバータは、高い入力電圧をそれより低い 出力電圧に変換します。このコンバータは高効率で あるために、リニアレギュレータよりも多く使用さ れます。

トポロジと数式

図1は降圧型コンバータの基本的なトポロジを示し ています。Q1スイッチは、固定周波数と可変デュー ティサイクル信号で動作しています。

1: 降圧型コンバータトポロジ

したがって、電圧 VI は矩形波 s(t) です。このよう な信号のフーリエ級数は、式1で表されます。

1:

これは、矩形波が直流成分と、増加する(複合)い くつかの異なる周波数における正弦波との合計で表 されることを意味します。この信号がローパスフィ ルタ(式2)で処理されると、出力(直流値のみ)を 受け取ることになります。

2:

LoCoローパスフィルタは、矩形波からその直流成 分を抽出し、基本部と高調波を要求されるレベルに 弱めます。

Q1 クローズ (TON期間)

この構成の回路は、図2 に示したようになります。

オープン回路にするために、このダイオードは逆バ イアスされています。

図 2: 降圧型コンバータ: TON期間

図2に基づくと、インダクタの電圧は式3で示した ようになります。

式 3:

Q1 オープン(TOFF 期間)

図3に示すように、スイッチQ1がオープンになる と、インダクタは、電流の流れを以前のように保と うとします。

3: 降圧型コンバータトポロジ: TOFF期間

結果的に、D1、LO、Q1の交点の電圧は、電流が同 じ方向となるようにするため、突然負になろうとし ます(図4を参照)。

CO Q1

LO

VOUT

VDC D1

VL VI

s t( ) Aτ T---+Σsin

=

τ = デューティ サイクル T = 周期

A = 矩形波の振幅

矩形波周波数の複合周波数の波形

sf( )t Aτ

T--- const

= =

CO Q1

LO

VOUT

VDC D1

VL

インダクタ電流(固定時間微分値を持つ)は、傾き:

TONにおいては:

TON はスイッチQ1がクローズ時の休止時間の長さです。

VL = VDCVQ on,VOUT

iL( )t iL( )0 (VDCVQ on,VOUT) LO

---t +

=

iL(TON) iL( )0 (VDCVQ on,VOUT) LO

---TON +

=

CO Q1

LO

VOUT

VDC D1

VL

(3)

AN1207

図 4: インダクタの動作

式4 の解はインダクタ電圧を表し、式5は電流を表

しています。

4:

式 5:

入出力とデューティ サイクルの関係

ここまで、連続モードについて説明してきました。

それが何であるかとその重要性を理解するには、イ ンダクタ電流を表す図 5 (G) を参照してください。

前述したように、TONの期間上昇し、TOFFの期間下 降します。

平均電流は、式6を用いて簡単に計算できます。

式 6:

平均インダクタ電流も出力に向かって流れる電流 です。したがって、出力平均電流は式7となります。

7:

VL

IL

VL

IL

TONの期間、インダクタは エネルギーをその磁場に蓄 積します(VL > 0)。

TOFFの期間、インダクタ は前に蓄えたエネルギーを 放出します(VL < 0)。

VL = –VOUTVD on,

iL( )t iL(TON) –VOUTVD on, LO ---t +

=

IL av, I2+I1 ---2

=

IO av, I2+I1 ---2

=

(4)

AN1207

図 5: 降圧型コンバータ波形

TOFF TON

B

IL I1 I2 -VOUT VL VDC - VOUT

A

t t t

t

t

t

t Q1 Command

VDC + VD, on

VQ1 I2

I1 IQ1

VD1 (-VDC + VQ, on) I2

I1 ID1

T

(A)

(B)

(C)

(D)

(E)

(F)

(G)

(A) = 命令信号とMOSFETゲート (B) = 電圧とMOSFET

(C) = MOSFETに流れる電流 (D) = D1ダイオードの電圧

(E) = D1ダイオードの電流 (F) = LOインダクタの電圧 (G) = LOインダクタの電流

(5)

AN1207

出力負荷RO (出力キャパシタCOに並列に接続)は 増加する方向に変化すると考えると、この変化によ り、平均出力電流が減少することになります。図6 に示すように、電流は標準負荷のラインAからより 大きな負荷のラインBに移動します。注意すべきこ とは、TONとTOFF期間の電流の傾きはVDC、VOUT

とLのみに依存し、これらが変化していないため、

2つの傾きは変化しないということです。結論とし て、負荷が増加すると RO が大きくなります。VO

は、定数と等しいので (既に説明した制御ループが これを処理)、ROが増加して電流は減少します。

図 6: 異なる負荷におけるインダクタ電流

連続モード

インダクタへの電流の流れが停止する(ゼロになる) ことがないので、この動作は連続モードと名付けら れました。

図 6に示したように、負荷が増加を続ける(IO、av が減少する)と、ある時点でインダクタ電流のグラ フの線が、X軸(ラインC)に交わります。これは、

インダクタにおける初期と最終(スイッチング期間 の最初と最後)の電流が0になることを意味します。

ここで、インダクタ電流はクリティカルモードと 考えられる状態に入ります。

負荷がさらに増加すると、下降傾斜中の電流は、T 期間(ラインD)が終わる前にゼロに到達します。

これは、非連続モードとして知られています。

1 つの重要な点として、TOFF期間の最後におけるイ ンダクタ電流は、TON期間の最初におけるインダク タ電流と同一の必要があります。つまり、1 つの期 間における最後の変化はゼロの必要があるという ことです。これは、すべての変化が完了し、回路の 動作が変化しない安定状態でこのようになってい

式3と式5から派生したIL (TON) の値を使用すると、

式8に示した関係が導かれます。

式 8:

VDのonとVQのonを無視して、式8をVOUTにつ いて解くと、式9に示したようになります。

9:

式10に示したように、入力電圧が最少になるとき に最大のデューティ サイクルが達成されます。

式 10:

TON TOFF

A

B

C

D T

t VL

TON 負荷が増加

(IO, avは減少)

: 非連続モードの場合、インダクタ電流をさ らに減少させる唯一の方法は、ON時間 (TON)を短縮することです。

IL

∆ ∝(VDCVQ on,VOUT)TON=(VOUT+VD on, )TOFF

D = Ton / T (デューティ サイクル)、あるいは D VOUT

VDC ---

=

VOUT = VDCD

Dmax VOUT VDC min, ---

=

(6)

AN1207

連続モード

連続モードにおいては、インダクタ電流は期間Tの 終了前にゼロとなります。

連続と非連続モード間の端を決定する (determines the edges)インダクタ(出力)平均電流(IO, av, min) は、図7に示したように簡単に求められます。

7: 非連続モード端におけるインダクタ電流

図 7 に基づくと、インダクタ電流の限界値は式 11 と等しくなります。

式 11:

この時点から、降圧コンバータの動作が急激に変化 します。

負荷が増加し続けると、システムが電流を減少させ る唯一の可能性は、デューティ サイクル(図6)を 減少させることです。しかし、このことは、入力と 出力の間に式9に示したような線形の関係が存在し なくなることを意味します。

VDCとVOUTと D の関係は、これまでのことを踏ま えると、式12に示したようになります。

式 12:

図8は、この関係を表しています。

TON TOFF

T

t IL

IO, limit

I1 IL, peak = I2

IO limit, 1

2---IL peak, 1

2---(I2I1) 1 2---I2

= = =

D VOUT VDC ---

IO IO limit, ---

1 VOUT

VDC --- – ---

=

(7)

AN1207

図 8: 連続と非連続領域におけるデューティ サイクル

図8に示したように、連続領域から開始してライン (A)に沿って移動すると、D = 0.5の場所で連続と非 連続の領域の境界線(点線)が 交差し、同じ出力電 圧(VDC/VOUT = 2)を維持するため、Dは式12の非 線形の関係に従って変化します。

設計方程式と部品の選定

この章では、連続モードの降圧コンバータの回路設 計を可能にする方程式を決定します。

インダクタ

平均最少電流 (IO, av, min) は、非連続モード(図7) の境界における平均出力電流として設定されます。

この方法では、電流がIO, av, min より大きい場合、

システムは連続モードで動作します。通常それは、

IO, av, nom の割合で、一般的な値は式13 に示した ように10%です。

13:

式13 をLOをに関して解くと、式14となります。

14:

インダクタにおける電力損失

インダクタにおける電力損失は、式15で表されます。

15:

D

VDC/VOUT = 1.25

VDC/VOUT = 2

VDC/VOUT = 5.0

IO/IO, limit Discontinuous region Continuous region

1

1

(A)

Io av min, , IO limit, 0.1= Io av nom, , 1

2---I2 (VDC nom,VOOUT)

2LO

---

= TON

= =

ここで FPWMは、PWM周波数(FPWM =1/T)です。

LO 5(VDC nom,VOUT)VOUT VDC nom, FPWMIO av nom, , ---

=

ここでESRはインダクタ抵抗と等しい値です。

PLOSS inductor, = (IO av nom, , )2ESR

(8)

AN1207

出力キャパシタ

電流リップルは、図9に示したように、2つの部品 を持つ出力電圧リップルを生成します。

図 9: 出力キャパシタCOのモデル

リップル電圧 (VR) の最初の部品は、出力キャパシ タのシリーズ抵抗効果(ESR)に起因します。この抵 抗は、図9にRESRとして示されています。

2 番目の部品、VR、CO はキャパシタに流れ込む電 流に起因する電圧降下からきていて、式 16 となり ます。

式 16:

2つの負荷は同相ではありません。しかし、ワース ト ケースの場合を考えると、それらが同相に合わ せられた場合は、式 17 に示したように、1 つのス イッチング期間となります。

17:

期間の調整により、規定された出力電圧リップルを 保証するために必要なキャパシタ値は、式18に示 す値となります。

式 18:

キャパシタにおける電力損失

キャパシタで浪費される電力損失は、式19 で表さ れます。

式 19:

ダイオード

図5 (E)を参照すると、TOFFの期間にダイオードに

流れる電流は、インダクタ電流です。平均ダイオー ド電流は式20を使用して簡単に計算できます。

式 20:

ダイオードがTONの期間許容する必要のある最大の 逆電圧(図5 (D)を参照)は、式21で表されます。

21:

ダイオードにおける電力損失の計算

ダイオードの電圧はゼロではない (VR) が、電流は ゼロであるため、TON の期間の損失は、式22と等 しくなります。

22:

TOFF期間の損失は、式23と等しくなります。

式 23:

MOSFET

TOFF期間のスイッチの最大電圧(図5 (B)を参照) は、式24で表されます。

式 24:

CO

LESL (ESL) RESR (ESR)

VR ESR, = RESR(I2I1) = RESRIL (I2 - I1)は、インダクタに流れ込み、出力される(非連続 モードの端で、∆IL = 2 IO, limit)リップル電流です。

そして、

VR C

, O 1

CO ---i

C( )t dt

=

VR total,

RESRIL 1

CO ---∆IL D

FPWM --- +

=

COILD

FPWM[∆VR total,RESRIL] ---

=

PLOSS capacitor, = ∆IL2RESR

ID av, = IO av nom, , (1–D)

VR max, = –VDC max, +VQ on,

PD T

, ON = 0

PD T

, OFF VfIO av nom, , TOFF

---T VfIO av nom, , (1–D)

= =

VQ max, = VDC max, +VD on,

(9)

AN1207

TON期間の平均電流(図5 (C)) は、式25で表され ます。

式 25:

MOSFET の電力損失の計算

スタティック損失

TONの期間、Q1へ流れる平均電流はIO, av、nom • D で、電圧は V = Vf スイッチ順方向電圧となるため、

スタティック損失は、式 26 のようになります。こ の値は、VFが相対的に小さいので小さくなります。

式 26:

この同じ損失が、MOSFETのRDS(ON)を用いて表さ れま す。期待 す るジ ャン ク ショ ン温 度 にお け る RDS(ON)値は部品のデータシートから決定するよう 注意してください (RDS(ON) は、温度により増加し

ます)。これは、式27で表されます。

式 27:

TOFFの期間、Q1の電圧は、VDC + VD, on (図5 (B)) です。しかし、式 28に示したように電流はゼロで す。したがって、電力損失に対して何も補償があり ません。

式 28:

スイッチング損失

図10はスイッチングの間に何が起きているかを説 明しています。考えるべき2つのイベントがありま す。オン (Q1 クローズ)とオフ (Q1 オープン)です。

両方の場合、電圧と電流は、急激には変化しませ ん。しかし、線形の動作をします。図10の表現は、

電圧VQ1をオンにしてそれをVDCに一定に維持し、

電流がゼロから最大の値まで急速に上昇する最悪 の可能性を表しています。この瞬間だけ、電圧はVF

の最少値に降下し始めます。現実には、なぜか2つ の傾斜はオーバーラップします。しかし、これは最 悪の場合なので、この描写された状況は、電流ス イッチングイベントと考えられます。したがって、

電源オンは、式29と等しくなります。

図 10: MOSFET スイッチング損失計算波形

式 29:

IQ av, = IO av nom, , D

PQ1static T

, ON

, VfIO av nom, , TON

---T DVfIO av nom, ,

= =

PQ1static T

, ON

, = D I( O av nom, , )2RDS ON( ) hightemp

PQ1 static T

, OFF

, = 0

VQ1

IQ1

TCR

TVR

TCF

Turn-off Turn-on

TON TOFF

T TVF

t

1 T---

=

VQ1IQ1dt 1T--- VDC

TCR

I---O av nom,TCR, tdt 1

T--- IO av nom, , VDC TVF ---

⎝ ⎠

⎛ ⎞t t VDCIO av nom, , ---2 TCR

---T VDCIO av nom, , ---2 TVF

---T +

d =

TVF

≅ + PQ1,switching turnon, =

(10)

AN1207

TCRが式30と等しい場合、式29は、式31に示し たように簡素化できます。

式 30:

31:

式32を使用して、スイッチング損失のオフが計算 できます。

式 32:

また、TVRが式33と等しい場合、この計算結果は、

式34のようになります。

33:

式 34:

MOSFETにおける損失の合計は、式35で表され

ます。

式 35:

TCR = TVF = TSW

PQ1,switching turnon, VDCIO av nom, , TSW ---T

=

PQ1,switching turn, off =

1

T---

VQ1IQ1dt 1T--- IO av nom, ,

0 TVR

V---tdtTDCVR 1

T--- VDC

0 TCF

I---O av nom,TCF, tdt

≅ + VDCIO av nom, ,

---2 TVR

---T VDCIO av nom, , ---2 TCF

---T +

=

=

TVR = TCF = TSW

PQ1,switching turn off, VDCIO av nom, , TSW ---T

=

PQ1,total PQ1 static T

, , ON PQ1,switching turn on, PQ1,switching turn off, DVfIO av nom, , 2VDCIO av nom, , TSW ---T +

=

+ +

=

(11)

AN1207

降圧コンバータ回路設計例

この章では、前述した方程式が降圧コンバータの回 路設計にどのように使用されるかについて示して います。さらに、標準的な回路設計の要件事項とそ れらが回路設計にどのように影響するかについて も議論しています。

回路設計の要求事項

回路設計の要求事項は、次のとおりです。

• 入力電圧: VDC = 12V +/- 30%

• 出力電圧: VOUT = 5V

• IO nominal = IO, av, nom = 2A

• IO limit = 0.1 IO, av, nom = 0.2A

• (I2 - I1) = ∆IL = 2 IO, limit = 0.4A

• スイッチング周波数 = 200 kHz

• 出力リップル電圧 = 50 mV

• 入力リップル電圧 = 200 mV

回路設計プロセス

デューティ サイクルの計算

コンバータは連続モードで動作すると考えますの で、式9が成り立ち、次のようになります。

• Dnominal = VOUT/VDC = 5/12 = 0.42.

さらに、使用可能な最大と最少入力電圧は、以下の ように計算できます。

• 最少入力電圧 = 8.5V

• 最大入力電圧 = 15.5V インダクタ

式14を適用すると、インダクタ(連続モード)の標 準値は、式36と等しくなります。

36:

インダクタは、システムが式37に示した最大入力 電圧で連続モードに置かれることを要求します。

37:

Lo 5(VDCVOUT) IO av nom, , ---VOUT

VDC --- 1

FPWM

--- 5⋅(12 5– ) --- 52

12--- 1

200K---=36µH

⋅ ⋅

= =

LO M, VDCVOUT 0.2IO av nom, , ---VOUT

VDC --- 1

FPWM

--- 15.5 5–

0.2 2⋅

--- 5 15.5--- 1

200K---=42µH

⋅ ⋅

=

=

(12)

AN1207

最少入力電圧で必要なインダクタは、式38 に示す ようになります。

式 38:

最少でも42 µHのインダクタにより、フルの入力電

圧を超えて非連続とならないようにします。

実際に、最少インダクタL = 26 µH が選択されると、

最大入力電圧(VDC = 15.5V)で、電流リップル I2 - I1

= 0.85Aとなります。逆にインダクタ L = 42 µH 、入 力電圧8.5Vであれば、電流リップルは0.17Aとな ります。これは、42 µH 以上のインダクタであれば 適していることを意味します。

出力キャパシタンス

式39では、キャパシタンスの選択のために、ESR

= 30 mΩ と仮定します。

式 39:

入力キャパシタ

出力キャパシタンスの計算と同じアプローチを用 い、式40 を使用して入力キャパシタンスが計算さ れます。

式 40:

フリーホイール ダイオード選択

式21 (図5 (D)を参照)に基づき、TON期間のダイ オードの最大逆電圧が式41 に示したように計算さ れます。

41:

式20によれば、ダイオードの平均電流は、式42に 示したように計算されます。

式 42:

LO m, VDCVOUT 0.2IO av nom, , ---VOUT

VDC --- 1

FPWM

--- 8.5 5–

0.2 2⋅

--- 5 8.5--- 1

200K---=26µH

⋅ ⋅

=

=

C ∆ILD

FPWM[VRIPPLERESR∆IL]

--- 0.4 0.42⋅

200K[50 10⋅ 3–30 10⋅ 3⋅0.4]

--- 22µF

= = =

C ∆ILD

FPWM[VRIPPLERESR∆IL]

--- 0.4 0.42⋅

200K[0.2 30 10– ⋅ 3⋅0.4]

--- 4.5µF

= = =

VR max, = –VDC max, +VQ on, ≈–15.5V

ID av, = IO av nom, , (1–D)=2⋅(1 0.42– )= 1.16A

(13)

AN1207

MOSFET の選択

MOSFET 選択の重要なパラメータは、平均電流と最

大電圧です(式24と式25を参照)。これらは式43 と式44で表されます。

式 43:

式 44:

MOSFETの電力損失は、式35で計算できます。結

果は、標準値VF = 1VとTSW = 100 nsを使用すると、

式45となります。

式 45:

VQ max, = VDC max, +VD≈15.5V

IQ av, = IO av nom, , D=2 0.42⋅ =0.84A

PLOSS max, DVfIO av nom, , 2VDCIO av nom, , TSW

---T 0.42 1V 2A+2 15.5V⋅ ⋅2A 100ns

---5µs =0.84 1.24+ =2.08W

⋅ ⋅

= +

=

(14)

AN1207

昇圧コンバータ

昇圧コンバータは、低い入力電圧をそれよりも高い 出力電圧に変換します。

トポロジ方程式

図11は、昇圧コンバータの基本的なトポロジを表 しています。

図 11: 昇圧コンバータ トポロジ

Q1 クローズ (TON期間)

この構成の回路は、図12に示すようになります。

12: 昇圧コンバータトポロジ: TON期間

インダクタに生じる電圧は、式46で表されます。

式 46:

インダクタ方程式 (式46) に基づくと、電流の結果 は、式47で表されます。

式 47:

Q1オープン (TOFF 期間)

スイッチがオープンのとき ( 図 13)、インダクタ電 流は急速には変化しないので、電圧を極性を変更す る必要があります。これにより、電流はダイオード を通して流れ始め、順方向バイアスとなります。

図 13: 昇圧コンバータ トポロジ: TOFF 期間

生じるインダクタ電圧は、式48で表されます。

式 48:

TOFF期間にインダクタに流れる電流は減少してい き、式49を使用して計算できます。

式 49:

動作モード

降圧コンバータと同様に、昇圧コンバータも連続 モードと非連続モードで動作できます。2つのモー ドの違いは、インダクタ電流にあります。連続モー ドでは、それはゼロにはなりません。一方非連続 モードにおいては、TOFF 期間に低下するインダク タ電流は、それに続くPWM周期の開始前にゼロに 到達します。

降圧コンバータのように、昇圧コンバータも両方の モードで使用できます。どちらの場合にも制御ルー プを考慮する必要があります。一方のモードのソ リューションが、必ずもう一方モードでも良好に動 作するわけではありません。

連続動作モード

通常は、TON とTOFF期間のインダクタ電圧未満に おける2 つの領域は同じ必要があります。これは、

PWM周期の初めと終わり(安定状態)における電 流が等しいことを意味します。式47と式49を使用 すると、その関係は式50に示したようになります。

CO Q1

L1

VOUT VDC

D1

VOUT

RO VL

CO Q1

VL

VOUT VDC

D1

VOUT

RO L1

VL = VDCVQ on,

IL( )t IL( )0 (VDCVQ on, ) L1 ---t +

=

CO Q1

L1

VOUT VDC

VD

RO D1

VL

VL = VDCVD on,VOUT<0

IL( )t I T( ON) VDCVD on,VOUT L1

---t +

=

(15)

AN1207

式 50:

これは、降圧変換機能とは異なり、非線形の関係で ある点に注意することが重要です(図14)。 損失のない回路であるとみなすと、PO= PDC、 VOIO= VDCIDCであるため、式51となります。

式 51:

非連続動作モード

I/O の関係を見つけるには、降圧コンバータの場合 とは異なるエネルギーを考慮した別のアプローチ を使用します。

負荷への全電力(PT) は、インダクタの磁場の寄与か らと、TOFF期間の入力電圧VDCから生じます。

インダクタから生じる電力(効率100%とみなす) は、式52で表されます。

式 52:

TOFF期間に入力によって負荷に生じる電力は、

式53で表されます。

53:

負荷に生じる全電力は、式52と式53の合計です。

全ピーク電流は、式47からは派生します。TON + TF

= kTの場合、結果は式54となります。

54:

図 14:

DPWM信号のデューティサイクルです。

VOUT VDC

1–D

---

=

IO IDC

--- = (1–D)

Ipはインダクタのピーク電流です。

PL L1I2P

---2T

=

PDC VDCIPTF ---2T

=

ここでTFは、図15 (G)に示したように、TONからインダク タ電流がゼロに到達するときのTOFF期間の割合です。

RO は出力負荷抵抗です。

VOUT VDC kROTON

2L1

---

=

0 20 40 60 80 100 120

1 5 9 13 17 21 25 29 33 37 41 45 49 53 57 61 65 69 73 77 81 85 89 93 97

Series1

D%

VO/VDC

(16)

AN1207

図 15: 昇圧コンバータ波形 (非連続モード)

t

t

t

t

t

t

t

(A)

(B)

(C)

(D)

(E)

(F)

(G) Q1 Command

VQ1

IQ1

VD1

ID1

VDC

VL

VDC - VOUT

IL

TF VD + VOUT

TON TOFF

-VOUT + VQ

(A) = 命令信号とQ1 MOSFETゲート (B) = Q1 MOSFETの電圧

(C) = Q1 MOSFETに流れる電流 (D) = D1ダイオードの電圧

(E) = D1ダイオードの電流 (F) = LOインダクタの電圧 (G) = LOインダクタの電流 (A)

(B)

(17)

AN1207

回路設計方程式と部品の選定

前述したように、連続モードの場合、入力/出力の 関係は式50と等しくなります。非連続モードにお けるこの関係は、式54 と等しくなります。最大の オン時間は、最少の入力電圧、VDCと符合します。

デューティ サイクルを式54、TON + TF = kT < T (0 <

k < 1) が成立するよう選択できます。

式47と式49を組み合わせ、前記のTON + TFの定 義を使用することで、TON, max の方程式が式55に 示したように与えられます。最大デューティ サイ クルの結果は、式56で表されます。

式 55:

式 56:

インダクタ

式 54 を使用すると、インダクタL1 が計算できま す。最大のTON、最少の VDC と最少のRO とする と、式57のようになります。

式 57:

出力キャパシタ

出力キャパシタは、TONの間、最大の許容出力リッ プルを超える電圧降下を生じることなく、出力電流 を供給できる必要があります。

キャパシタは大きいので、指数の放電を線形で近似 することも可能です。キャパシタからの電流は、平 均出力電流(IO, av, nom) でTONの間の充電の損失は、

式58と等しくなります。したがって、電圧降下は 式59と等しくなります。

式 58:

式 59:

これを簡略化したものが式60となります。

式 60:

ダイオード

TONの間、D1は、式61に示したように最大逆電圧 でオープンの状態です。

61:

TOFFの間におけるD1の平均電流は、式62で表さ れます。

式 62:

MOSFET

図13で示した平均電流は、式63で表されます。

63:

図12で示した最大電圧は、式64で表されます。

64:

TON max, kT V( OUTVDC min, ) VOUT ---

=

Dmax k V( OUTVDC min, ) VOUT ---

=

L1 kRO min, Dmax

2FPWM

--- VDC min, VOUT ---

⎝ ⎠

⎛ ⎞2

=

QON = IO av nom, , TON

VDROP on, IO av nom, , TON

---C <VRIPPLE

=

C IO av nom, , TON VRIPPLE ---

>

VR max, = –VOUT+VQ on,

ID av, IO av nom, , TF TT ---

=

IQ1,av IO av nom, , TON ---T

=

VQ max, = VOUT+VD

(18)

AN1207

順方向コンバータ

順方向コンバータのトポロジを図16 に示していま す。これは、スイッチの 1 つがダイオードで置き換 えられたプッシュプル コンバータの直接の派生で あると考えられます。結果としてコストが通常削減 されるため、このトポロジは非常に一般的になって います。

図 16: 順方向コンバータ トポロジ

トポロジ方程式

『AN1114』(「はじめに」を参照)の順方向コンバー

タの章を参照すると、システムの動作が簡潔に要約 されています。スイッチは、図 17 に示すように デューティサイクルが50%より小さい波形によっ て駆動されています。

図 17: Q1 MOSFET命令信号タイミング

CO D3

LO

VOUT NS

D2

RO VS

VA VB

A B

Q1 NP NR VR

VP D1

VDC

VL

Q1 Command

TOFF

TON

TR

(19)

AN1207

Q1 オン(INTERVAL 0 - TON)

この構成の回路は、図18に示すようになります。

18: 順方向コンバータトポロジ: INTERVAL 0 - TON

入力回路の動作

入力電圧は巻線NPに直接接続されているため、結 果的に巻線NPの点側の端が、点のない端に対して 正極になります。同様に、NR の点側の端が、ない 側よりも高電圧になります。ダイオードD1は、逆 バイアスで、巻線NRへ流れ込む電流はありません。

巻線NPの電圧は、式65で表されます。

65:

巻線NRの電圧は、式66で表されます。

式 66:

NPの巻線とスイッチQ1の回路に流れる磁化電流 (2次巻線がオープンの場合には、トランスに流れ込 む電流)は、式67と等しくなります。

67:

最大値がTON に到達する右上がりの傾斜は、式68 で表されます。

式 68:

NP へ流れる総電流は、磁化電流と主にトランスを 通して誘起される出力電流の合計になります。

出力回路の動作

1 次側巻線における電圧極性のため、2 次巻線は、

点側の端が、点のない端に対して正極になります。

結果的に、D2は順方向バイアスになり、D3は逆バ イアスになります。

2次側の巻線の電圧は、式69で表されます。

式 69:

整流ダイオードD2の右側の電圧は、式70で表され ます。

70:

出力インダクタの電圧は、式71で表されます。

71:

出力インダクタとD2に流れる電流は、式72で表さ れます。

CO D3

LO

VOUT NS

D2

RO VS

VA VB

A B

Q1 NP NR VR

VP D1

VDC

VL

VP on, = VDCVQ on,

VR NR NP

---VP on, NR

NP

---(VDCVQ on, )

=

=

IM( )t VP LM

---t VDCVQ on,

LM ---t

= =

IM(TON) VDCVQ on, LM

---TON

=

VS NS NP

---(VDCVQ on, )

=

VB VS VD on, NS NP

---(VDCVQ on, )–VD on,

= –

=

VL NS NP

---(VDCVQ on, )–VD on,VOUT

=

(20)

AN1207

式 72:

ここでは、1次側に流れる総電流が計算できます。

これには、磁化電流(式67を参照)と式73で表さ れる1次側に誘起される負荷電流の2つの負荷があ ります。

73:

Q1オフ [INTERVAL TON - (TON + TR)]

この構成を基準にすると、回路は、図19 に示すよ うになります。

19: 順方向コンバータトポロジ: INTERVAL TON - (TON + TR) IL( )t IL( )0

NS NP

---(VDCVQ on, )–VD on,VOUT

LO

---t +

=

IP total, IL( )0 VDCVQ on, LM

---t NS NP ---

NS NP

---(VDCVQ on, )–VD on,VOUT

LO

---t

+ +

=

CO D3

LO

VOUT NS

D2

RO VS

VA VB

A B

NP NR VR

VP D1

VDC

Q1

VL

(21)

AN1207

入力回路の動作

Q1がオープンとなる前に、磁化された電流がNPに 流れています。スイッチがオープンになると、全電 圧は、電流を流し続けるために反転します。NR の 点のある端は、点のない端に対して負極になりま す。そして、巻線NPでも同様の動作になります。

NRの極性のために、ダイオードD1は、順方向バイ アスになり、NR の点のある側の端の電圧を維持し ます。1つのダイオードがグランドより低下します。

図 19 に表したように、磁化電流がNRとダイオー ドD1を通して電源VDCに流れます。VRとNRの 電圧は、式74で表されます。

式 74:

NPの電圧は、式75で表されます。

式 75:

t = TONのとき、式76に示したように、リセット巻

線の電流は、磁化電流 IMと巻線量を乗算したもの と等しくなります。

76:

TRの間、この電流は下降し、 t = TON + TRのときに ゼロに到達します。

出力回路動作

前記のように、磁化電流は、スイッチQ1がオフし たときに全電圧を反転します。結果として、2次巻 線の点側の端は、点のない端よりも負極になり、ダ

イオードD2 は逆バイアスになります。

2次側の電圧は、式77で表されます。

77:

インダクタLOに電流を流し続けるために、電圧は 反転し、インダクタの左端は右端よりも負となっ て、減少し続けます。しかし、フリーホイールダ イオードD3は、順方向バイアスになり、ダイオー ド電圧へのVBをグランドより低く設定します。イ ンダクタの電圧は、式78と等しくなります。

式 78:

式79によると、インダクタ電流は減少を継続します。

79:

この電流は、フリーホイール ダイオードD3に流れ る電流と同一です。

VR = –(VDC+VD on, )<0

VP off, NP NR ---

– (VDC+VD on, )<0

=

IR NP NR ---IM

=

VS off, NS NR ---

– (VDC+VD on, )

=

VL = –VOUTVD on,

IL( )t I T( ON) VOUT+VD on, LO ---t

=

図 40 (I) の I O , av, nom で表される出力平均電流は、
図 68: 電圧モード制御 - 負荷調整 I L∆ ( )t = I L ( )T – I L ( )0 C A T ON T tHIO , av, finalIO , av, initialM∆IL(T)B

参照

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