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反実在論における証拠概念 山田竹志(

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反実在論における証拠概念

山田竹志(Takeshi Yamada)

東京大学大学院総合文化研究科

実在論‐反実在論論争についてのダメットの議論は有名である。ダメットはまず、

いくつかの主題についての実在論的立場の妥当性を巡る論争を、それぞれの主題に固 有な言明のクラス(係争クラス)についての二値原理の妥当性を巡る論争として特徴 づけた。その上で、「習得論証」および「表出論証」と呼ばれる、実在論批判のための 論証を定式化した。これらの論証は、言明の意味に関する非常に一般的な考察に基づ いたものであり、そのため様々な主題についての実在論を一挙に批判することを可能 にしているように見える。これらの論証はその点で、既存の実在論批判とは異なる独 自の論証として、一般には理解されている。

ダメットの議論のここまでの範囲に関しては、既に多くの批判的吟味が与えられて きた。しかし、ダメット本人の述べるところでは、彼の意図はむしろ、様々な主題に ついての実在論を一挙に批判する議論を提起することよりも、既存の様々な実在論‐

反実在論論争の共通点と相違点についての検討に基づく比較研究を行うことにあった。

ダメットの議論のこちらの側面に関しては、一般にはあまりよく理解されているとは 言えないし、ダメット本人の議論もまた、いくつかの理由から、あまり見通しのよい ものにはなっていないと思われる。本発表は、一般には取り上げられることの少ない こちらの側面に関わるものである。

ダメットは様々な実在論批判の本体を、係争クラスの言明の実効的決定不能性と、

それらの言明の意味についての一種の検証主義(ないし正当化主義)から、それらの 言明についての二値原理の拒否に至る議論として見定めている。実効的決定不能性と 意味に関する検証主義はいずれも、言明の証拠という概念に関わる。つまり、それぞ れの論争における係争クラスの言明の証拠がどのようなあり方をしているか、という 点が実効的決定不能性や検証主義の内実を決めることになるし、この点での相違が 様々な実在論批判の間の相違を生み出すことにもなる。本発表では、ダメットが取り 上げた実在論批判のいくつかについて、そこでどのような証拠概念が採用されている のか、また採用されうるのか、ということについて論じる。また時間が許せば、習得 論証や表出論証に現れる種々の主張の内実について、および、数学における実在論で あるプラトニズムへの批判としてダメットが提起した他のいくつかの論証について、

証拠概念のあり方という観点からコメントしたい。

参照

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