広報とよおか
No.
251
2016
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特集
平成28年度豊岡市施政方針と予算(案) …
2市政ニュース………
8「植村直己冒険賞」受賞者決定………
10「とよおか歩
あ るキンピック」開幕 ………
12 写真:春節祭・水ギョーザ作り(詳細は23ページに掲載)広報とよおか 2016(平成28)年4月号
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広報とよおか 2016(平成28)年4月号2
平成28年度第1回豊岡市議会定例会(2月26日∼3月25日に開催)で、 中貝市長が表明した平成28年度施政方針の概要をお知らせします。 また、市議会に提案した平成28年度当初予算(案)を解説します。 ※市長総括説明の全文は市ホームページ 「こちら市長室」 に掲載しています。特集
平成28年度
豊岡市施政方針と予算(案)
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広報とよおか 2016(平成28)年4月号 豊 岡 は 貧 し く つ ま ら な い の か ? イ メ ー ジ は 一 面 の 真 実 で あ り 、 一 面 の 真 実 で し か あ り ま せ ん 。 私 た ち は 、 豊 岡 に は 大 都 市 と は 異 な る 価 値 観 に 基 づ く ﹁ 豊 か さ と 楽 し さ ﹂ ﹁ や り が い の あ る 仕 事 が あ る ﹂ と い う こ と を 若 者 や 自 ら に 訴 え 、 そ の 実 を 強 め て い く 必 要 が あ り ま す 。 ﹁ ロ ー カ ル &ア ン ド グ ロ ー バ ル ﹂ グ ロ ー バ ル 化 の 進 展 に 伴 い 、 世 界 が 急 速 に 同 じ 顔 に な り 、 文 化 的 に つ ま ら な い 世 界 が 広 が っ て い ま す 。 こ の よ う な 中 、 ロ ー カ ル で あ る こ と 、 地 域 固 有 で あ る こ と が 世 界 で 輝 く チ ャ ン ス に な り ま す 。 し か も 、 グ ロ ー バ ル 化 の 進 展 に よ っ て 世 界 は 急 速 に 小 さ く な り つ つ あ り ま す 。 豊 岡 で も 直 接 に 世 界 の 人 々 と 結 び 付 く こ と が 可 能 に な っ て き ま し た 。 そ こ で 、 豊 岡 の 地 域 固 有 な も の 、 意 識 し て ロ ー カ ル で あ る こ と を 基 礎 に し て ダ イ レ ク ト に 世 界 と 結 び 付 い て 世 界 の 中 で 輝 き 、 そ の こ と を 自 ら の 誇 り や ま ち づ く り の エ ネ ル ギ ー へ と つ な げ 、 同 時 に ﹁ 豊 最 大 の 課 題 ﹁ 地 方 創 生 ﹂ す な わ ち 人 口 減 少 対 策 本 市 の 人 口 減 少 の 要 因 は 、 ① 高 校 卒 業 後 の 就 職 ・ 進 学 期 に 大 き な 転 出 超 過 、 専 門 学 校 ・ 大 学 卒 業 後 の 就 職 期 に 転 入 超 過 。 ト ー タ ル と し て は 若 者 層 の 大 幅 な 転 出 超 過 ② そ の 結 果 、 未 婚 率 上 昇 と 相 ま っ て 出 産 適 齢 期 の 夫 婦 の 数 が 減 少 し 少 子 化 の 原 因 に ③ そ の 減 少 し た 子 ど も た ち が 成 長 し て 高 校 卒 業 後 に ま た 大 幅 な 転 出 超 過 と な る と い う こ と の 悪 循 環 ̶ に あ る と 分 析 し て い ま す 。 な ぜ 大 学 等 の 卒 業 後 帰 っ て こ な い の か ? 社 会 的 ・ 経 済 的 ・ 文 化 的 に 豊 か な 都 市 と 貧 し い 地 方 と い う 非 常 に 強 い イ メ ー ジ に あ る と 考 え て い ま す 。 ﹁ 豊 岡 に 帰 る の は 、 な ん と な く 都 落 ち す る よ う な 気 が す る ﹂ ﹁ 豊 岡 と 大 都 市 に は 大 き な 格 差 が あ り 、 豊 岡 は 劣 っ て い る ﹂ 豊 岡 に 住 む 多 く の 大 人 も 同 じ イ メ ー ジ の 中 に 閉 じ 込 め ら れ て い ま す 。 岡 の よ り 豊 か で 楽 し い 暮 ら し ﹂ ﹁ や り が い の あ る 仕 事 ﹂ の 創 出 や 発 見 に つ な げ る 作 戦 で す 。 そ れ は 結 局 、 こ れ ま で 進 め て き た ﹁ 小 さ な 世 界 都 市 ﹂ 戦 略 を 、 人 口 減 少 に 対 す る 単 な る 適 応 策 で な く 、 人 口 減 少 の 要 因 そ の も の に 手 を 付 け る 戦 略 と し て 明 確 に 編 集 し 直 す こ と で も あ り ま す 。 平 成 28 年 度 は 実 質 的 ス タ ー ト の 年 私 た ち は 、 既 に 方 向 が 強 く 固 ま っ た 人 口 減 少 ト レ ン ド を 相 手 に 、 圧 倒 的 に 不 利 な 闘 い に 挑 も う と し て い ま す 。 し か し 、 巧 み に 戦 略 を 立 て 、 巧 み に 戦 略 を 練 り 直 し な が ら 市 民 と 総 力 を 挙 げ て 進 め ば 、 チ ャ ン ス は あ る と 信 じ て い ま す 。 平 成 28 年 度 は 、 そ の 実 質 的 ス タ ー ト の 年 と し て 全 力 で 走 り ま す 。施
政
方
針
広報とよおか 2016(平成28)年4月号
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地方交付税(35.9%) 175億5,000万円 民生費(24.5%) 119億7,366万円 補助費等(18.1%) 88億6,493万円 人件費(16.6%) 81億554万円 普通建設事業費(14.9%) 72億8,399万円 公債費(13.8%) 67億6,172万円 扶助費(13.3%) 65億685万円 物件費(12.2%) 59億4,163万円 繰出金(5.2%) 25億5,115万円 総務費(14.0%) 68億4,496万円 公債費(13.8%) 67億6,305万円 衛生費(12.2%) 59億4,238万円 土木費(11.9%) 58億3,085万円 教育費(11.9%) 58億2,832万円 農林水産業費(3.4%) 16億8,020万円 市税(20.3%) 99億3,009万円 市債(11.9%) 58億2,150万円 国庫支出金(8.9%) 43億3,574万円 諸収入(6.3%) 30億8,035万円 県支出金(6.0%) 29億5,345万円 地方消費税交付金 (3.3%) 16億2,700万円 繰入金(1.9%) 9億3,125万円 使用料および手数料(1.8%) 8億6,395万円 分担金および負担金(1.0%) 4億8,718万円 その他(2.7%) 13億1,561万円歳 入
488億
9,612万円歳 出
488億
9,612万円 目的別歳 出
488億
9,612万円 性質別 消防費(3.3%) 16億2,415万円 積立金(4.1%) 20億104万円 商工費(3.1%) 14億9,673万円 その他(1.9%) 9億1,182万円 その他(1.8%) 8億7,927万円 会計 平成28年度(万円) 平成27年度(万円) (万円)増減額 増減率(%) 一般会計 4,889,612 4,955,792 △ 66,180 △ 1.3 特別会計 2,162,185 2,103,150 59,035 2.8 国民健康保険事業 (事業勘定) 1,111,176 1,065,294 45,882 4.3 国民健康保険事業 (直診勘定) 9,257 10,017 △ 760 △ 7.6 後期高齢者医療事業 117,662 107,210 10,452 9.7 介護保険事業 882,624 854,886 27,738 3.2 診療所事業 30,772 26,368 4,404 16.7 霊苑事業 821 32,679 △ 31,858 △ 97.5 太陽光発電事業 9,618 6,421 3,197 49.8 管理会財産区 255 275 △ 20 △ 7.5 企業会計 1,498,799 1,534,437 △ 35,638 △ 2.3 水道事業 433,643 487,574 △ 53,931 △ 11.1 下水道事業 1,048,278 1,030,689 17,589 1.7 農業共済事業 16,878 16,174 704 4.4 合計 8,550,596 8,593,379 △ 42,783 △ 0.5一般会計
歳入と歳出の内訳
各会計の予算と前年度との比較
( )内は構成比 会計別予算一覧 ※人口84,761人(平成28年1月末現在の住基人口)で算出 一般会計 621億1,262万円 特別会計 7,432万円 企業会計 632億2,728万円 総額 1,254億1,422万円 財政調整基金 107億6,720万円 特定目的基金 104億6,381万円 定額運用基金 4億8,905万円 特別会計分 3億9,442万円 総額 221億1,448万円市債の残高
(平成28年度末見込額) 市民一人当たり148万円基金の残高
(平成28年度末見込額) 市民一人当たり26万円借金
貯金
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広報とよおか 2016(平成28)年4月号予算の内訳
豊岡市の会計には、一般会計、特別会計、企 業会計があります。 一般会計は、教育や福祉、土木など、市の基 本的な行政運営経費を経理するものです。特別 会計、企業会計は特定の事業を行うために目的 別に設け、受益と負担の関係を明らかにするた めに個別に経理するものです。 平成28年度の予算は、一般会計、特別会計、 企業会計を合わせた12会計の総額が855億596万 円で4億2,783万円(0.5%)の減としました。 それぞれの会計における平成28年度予算は、 次のとおりです。一般会計
一般会計の予算額は488億9,612万円で6億6, 180万円(1.3%)の減としました。 歳入 歳入では、景気動向などを踏まえ、市税は 1億6,966万円(1.7%)の増、地方消費税交付金 は1億9,700万円(13.8%)の増としました。一 方、地方交付税は普通交付税で合併による優遇 措置の段階的な縮減が始まること、交付税に算 入する公債費の減少などにより、5億5,000万円 (3.0%)の減、市債は大型建設事業の減少で9億2, 230万円(13.7%)の減としました。 歳出 歳出では、民生費は、医療費助成の拡充など、 社会保障関係経費の増加で、6,371万円(0.5%) の増、総務費は、地方創生戦略事業費、財政調 整基金への積立金の増加などで14億9,971万円 (28.1%)の増、土木費は、橋りょうの補修工事、 耐震改修促進法の改正に伴う大規模建築物の耐 震改修工事に対する補助金の増加などで4億2, 873万円(7.9%)の増としました。一方、公債費 は、償還の終了などで4億3,516万円(6.0%)の 減、衛生費は、ごみ処理施設整備の進しん捗ちょくに伴い 北但行政事務組合への負担金の減額などで8億 9,665万円(13.1%)の減としました。 この歳出を性質別に見た場合、扶助費は、保 育所運営費の増加などで1億8,947万円(3.0%) の増、人件費は1億824万円(1.3%)の減とし、 扶助費に人件費、公債費を加えた義務的経費は 全体で、3億5,392万円(1.6%)の減としました。 また、普通建設事業費は、大型の建設事業の 減少などで、17億1,615万円(19.1%)の減としま した。特別会計・企業会計
特別会計の予算は8会計の総額が216億2,185 万円です。国民健康保険事業特別会計(事業勘 定)、介護保険事業特別会計の保険給付費の増加 などで、5億9,035万円(2.8%)の増としました。 企業会計の予算は3会計の総額が149億8,799 万円です。下水道事業会計で下水処理施設の統 廃合事業や施設の長寿命化事業などで建設改良 費が増加したものの、水道事業会計の施設更新 事業費などの減少で、3億5,638万円(2.3%)の 減としました。 豊岡市では、次の三つを基本姿勢に、平成28 年度の予算を編成しました。 《問合せ》財政課☎21−9014平成28年度
豊岡市予算(案)
地方創生・キックオフ
予算の内訳
予算の総額は
855億596万円
前年度比0.5%減 一般会計 488億9,612万円 前年度比1.3%減 特別会計 216億2,185万円 前年度比2.8%増 企業会計 149億8,799万円 前年度比2.3%減 1 市民の日々の暮らしを支えること を基本にする。 2 4つの危機(コミュニティ、災害、 経済、財政)の克服を目指す。 3 豊岡市地方創生総合戦略を本格的 に展開し、人口減少トレンドに果 敢に立ち向かう。広報とよおか 2016(平成28)年4月号
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内周遊ルートのパンフレットを作成し、外国人 観光客の回遊性を高めます。 2020年に外国人宿泊者数10万人の目標を達成 するため、受入体制の整備計画を策定します。 城崎国際アートセンターを拠点とする全国・ 世界のアーティストとの結び付きもさらに強め ます。 子どもたちのふるさとへの愛着が育まれている 〈次世代育成〉 ▼子どもたちが豊岡のことをよく知っている ▼子どもたちが豊岡で外国人とのコミュニケー ションを楽しんでいる ▼子どもたちの創造の翼、行動の翼が世界に羽 ばたいている 「ローカル&グローバル学習の時間」(ふるさ と教育・英語教育・コミュニケーション教育) の実践により、自分のまちに誇りを持ちなが ら、英語を使って、世界中の人々とコミュニケー ションができる子どもたちの育成を目指します。 ふるさと教育では「コウノトリ」「ジオパーク」 「産業・文化」を共通テーマに学びます。 英語教育では、幼児期から中学校まで一貫し た教育を進めます。保育園・幼稚園・認定こど も園では、英語遊び保育プログラムの完成を目 指します。小学校では、現在、市内全校の5・ 6年生で英語活動に取り組むとともに、小中一 貫教育モデル校に外国語指導助手を配置してい ます。このモデル校を拡大し、カリキュラムの 完成を目指すとともに、教員の英語の授業力向 上を図るため研修会を実施します。 コミュニケーション教育では、平成29年度か ら全ての小学校6年生と中学校1年生で、演劇 的手法のコミュニケーション教育を展開します。 引き続きモデル校で実践を行い、プログラムを 検討します。カナダ・ヴィクトリア大学の日本 語キャンプに合わせ、子どもたちと学生の交流 も始めます。 ▼子どもたちが様々なコミュニティの中で役割 を果たしている 但 東 中 学 校 が 修 学 旅 行 で 、 市 の ア ン テ ナ ショップのある東京交通会館で豊岡の魅力の発 信、豊岡産品の販売を行う計画を支援します。 若い夫婦の数が増えている ▼多種多様な出会いの機会が充実している 社会福祉協議会が実施する婚活応援プロジェ クト「はーとピー」事業の拡充を 支援します。また、企業間の交 流婚活イベントや民間団体の自 主的な婚活事業への支援等を行 います。 ▼交際・結婚に向けた独身者へ のきめ細かな支援体制が充実している 行政、民間団体等の協働でネットワークを構 築し、効果的な対策を展開します。結婚希望者 の魅力アップを図るセミナーの開催を支援しま す。 夫婦一組あたりの子どもの数が増えている ▼出産を支える仕組みが整っている 早産等を防ぐため、妊婦歯科健康診査を豊岡 市歯科医師会の協力で実施します。2回以上連 続して流産や死産がある不育症の治療を、県補 助制度を受け、かつ県の所得制限を緩和した上 で実施します。1年度10万円(上限)の特定不妊 治療助成金を、治療1回20万円(上限)に改正し ます。 ▼子育てを支える仕組みが整っている ファミリー・サポート・センター(仕事の都 合などで子どもの送迎や預かりの支援を受けた い保護者と、支援を行いたい人の会員組織)の設 立準備を行います。平成29年度にセンターを設 置し、サービスの提供を開始します。 ●中学生以下の子どもに対する医療費助成の拡充 中学生以下の子どもへの通院医療費の助成を 拡充します。 小学校3年生以下の乳幼児等医療費助成で、 医療機関ごとの通院1回当たりの自己負担限度 額を現行の800円から400円に減額します。小学 校4年生から中学校3年生までのこども医療費 助成事業は、現行の通院自己負担の3分の1助 成に加えて、医療機関ごとに1カ月当たり1,600 円の自己負担限度額を設けます。 ●旧ごみ処理施設等の解体撤去計画 業務を終了している旧出石・城崎・竹野町の ごみ処理施設と豊岡のし尿処理場を、平成28年 度から5年間で、順次、解体撤去する予定です。 ●暖冬対策 豊岡市中小企業融資制度を拡充するとともに、 兵庫県信用保証協会の信用保証の保証料の一部 を補助します。また、早い時期に観光客数を回 復させるため、神鍋高原の外国人観光客の誘客 対策を講じます。多くの子どもで
にぎやかな家庭を持つ若者が増えている
地方創生以外の主な事業
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広報とよおか 2016(平成28)年4月号 ①暮らすなら豊岡と考え、定住する若者が増 えている②多くの子どもでにぎやかな家庭を持 つ若者が増えている−を5年程度で達成したい 状態(戦略目的)に設定し、地方創生事業を推進 します。 豊岡の暮らしの「豊かさ」が内外に知られている 〈情報発信〉 ▼WEBやSNS等で豊岡の情報が共有されている 移住先として認知され選択肢に加えられるよ う、豊岡らしい地域の価値に重点を置き、動画、 WEBサイト等を作成し、情報発信します。 ▼移住に必要な情報が得られるワンストップ窓 口がある 移住意向者の総合窓口を設置します。 また、移住事業の企画立案などの学びの場「ト ヨオカム塾」を開催。移住者が空き家を購入、賃 借する場合、必要な改修費を助成します。先輩 移住者の体験談・豊岡の暮らしを知る会や相談 会「豊岡暮らしカフェ」(大阪)を開催します。 人々が豊岡の「豊かな暮らし」を楽しんでいる 〈高付加価値化・成熟化〉 ▼やりがいと安定した収入が得られる仕事が増 えている 豊岡で「外貨」を最も稼いでいる宿泊業とかば ん製造業を振興して地域経済の活性化を図り、 若者にとって魅力的な職場の創出と発見につな ぎます。 宿泊業では、特にインバウンドで閑散期を埋 め、通年雇用の創出につなげます。 かばん製造業は、平成26年工業統計で、出荷 額が平成22年と比べ47.1%増加。トヨオカ・カ バン・アルチザン・スクールや鞄かばん縫製者トレー ニングセンターには、全国から受講生が入校。 他方、企業は人手不足。そこで、働く可能性の 高い若者を調査し、情報発信やインターンシッ プ(交通費等の一部補助)を実施します。革製か ばん・革小物生産能力育成にも取り組み、産業 規模と魅力的な仕事の拡大に努めます。 農業では、イタリア、米国、シンガポールで、 コウノトリ育むお米のさらなる海外販路を開拓 します。コウノトリ育む農法の新品種試験栽培 として、市場価値が高く、良食味米として人気 の高い品種「いのちの壱いち」の試験栽培に取り組み ます。 ▼新たな事業や仕事にチャレンジする人が増え ている 新規就農者等に対し、独立自営就農に必要な 農業用機械等の導入補助、市内へ移住する新規 就農者や豊岡農業スクール生への家賃補助を実 施します。都市部の若者に豊岡農業を短期間体 験する機会を提供し、移住定住・就農につなげ ます。 但馬地域地場産業振興センター(じばさん TAJIMA)で、大規模改修工事を行い、新たにコ ワーキングとシェアオフィス機能を付加します。 ▼自分の時間を持ち、暮らしを楽しむ人が増え ている 芸術文化事業の連携等で、市民が暮らしの豊 かさを実感できるまちづくりを進めます。文化 芸術振興計画の策定作業を進めます(平成29年 度策定)。 豊岡で人々が世界と出会っている 〈ローカル&グローバル〉 ▼世界中から人々が来訪し、豊岡を楽しんでいる 官民共同で豊岡版の DMO(観光地全体のマー ケティングを行う組織) を設立します。マーケ ティング情報を収集・分 析し、マーケティング戦略の策定・推進を行い ます。外国人向け宿泊予約サイトの運営、着地 型ツアーの企画販売、外国人富裕層向けの小人 数グループ企画旅行などに取り組みます。今年 5月ごろ、一般社団法人として設立予定です。 スマートフォンユーザーの位置情報を取得し、 観光動態を「見える化」します。このデータを活 用し、来訪者の現状を把握し、ターゲットを絞っ た誘客、周遊促進などに生かします。 昨年の本市の外国人宿泊客数は3万4,318人 で、対前年比約2.3倍に増加。情報発信をさらに 強化するため、ターゲット市場である欧州・米 国・オーストラリアで、プロモーション活動を 行います。 豊岡市英語・フランス語版ホームページを活 用し、WEB上での販売促進を行うとともに、市平成28年度
主要事業(案)
地方創生を柱に
小さな世界都市を実現
地方創生事業
(主なもの)暮らすなら豊岡と考え、
定住する若者が増えている
広報とよおか 2016(平成28)年4月号
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指 し た 豊 岡 の 取 組 み を 聞 き ま し た 。 そ の 後 、 市 内 の 事 業 所 35 社 の 各 ブ ー ス で 、 経 営 者 や 担 当 者 な ど と 豊 岡 の 魅 力 あ る 仕 事 に つ い て 語 り 合 い ま し た 。 石 な ど が 見 つ か り 、 以 前 の 調 査 結 果 と 合 わ せ 幅 5 m 、 南 北 52 m に 及 ぶ 長 い 回 廊 と 確 認 さ れ ま し た 。 敷 地 の 端 で 回 廊 が 見 つ か っ た の は 、 全 国 で 68 カ 所 あ る 国 分 寺 で 初 め て で す 。 こ の 回 廊 の 内 側 に は 、 塔 や 金 堂 な ど に 相 当 す る 重 要 な 建 物 が 建 っ て い た 可 能 性 が あ り 、 但 馬 国 分 寺 が い か に 立 派 な 寺 だ っ た か を 偲し の ぶ こ と が で き る 貴 重 な 発 見 で 、 全 国 の 研 究 者 か ら 大 き な 注 目 を 集 め て い ま す 。 1 月 か ら 行 っ て い た 但 馬 国 分 寺 跡 第 34 次 調 査 で 、 寺 の 東 端 に 回 廊 と い う 渡 り 廊 下 が 見 つ か り ま し た 。 国 分 寺 と は 、 奈 良 時 代 に 聖 武 天 皇 の 命 令 で 各 国 に 1 カ 所 ず つ 建 て ら れ た 寺 院 で 、 但 馬 国 の 国 分 寺 は 、 日 高 町 国 分 寺 に 建 て ら れ ま し た 。 こ れ ま で の 調 査 で 、 伽が 藍ら ん ︵ 塔 や 金 堂 な ど 僧 侶 が 活 動 す る 建 物 ︶ な ど の 主 要 な 建 物 が 見 つ か り 、 1 辺 約 1 6 0 m の 敷 地 を も つ 大 寺 院 だ っ た こ と が 分 か っ て い ま す 。 今 回 の 調 査 で 、 伽 藍 以 外 の 場 所 に 、 建 物 の 基 礎 と な る 台∼
史
跡
但
馬
国
分
寺
跡
発
掘
調
査
︵
第
34
次
︶
の
調
査
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も
に
活
動
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﹁
地
域
お
こ
し
協
力
隊
活
動
報
告
会
﹂
開
催
2 月 13 日 、 大 阪 市 内 で ﹁ 豊 岡 U I J タ ー ン 企 業 研 究 会 ﹂ を 開 催 し 、 大 学 生 な ど 約 1 3 0 人 が 参 加 し ま し た 。 こ の 研 究 会 は 、 本 市 の 業 界 動 向 や 企 業 の 活 動 内 容 を 知 っ て も ら い 、 職 業 選 択 に 当 り 幅 広 い 視 野 を 養 う た め に 開 催 し ま し た 。 参 加 者 は 、 市 長 か ら 環 境 と 経 済 が 共 鳴 す る ま ち づ く り や 芸 術 文 化 の 創 造 発 信 な ど 、 世 界 の 人 々 か ら 尊 敬 さ れ 、 尊 重 さ れ る ﹁ 小 さ な 世 界 都 市 ﹂ を 目 3 月 1 日 、 本 庁 舎 で 、 竹 野 ・ 出 石 ・ 但 東 地 域 の 5 人 の ﹁ 地 域 お こ し 協 力 隊 ﹂ が 、 こ れ ま で 行 っ て き た 活 動 に つ い て 、 報 告 会 を 行 い ま し た 。 地 域 お こ し 協 力 隊 は 、 生 活 の 拠 点 を 都 市 か ら 本 市 に 移 し 、 地 域 資 源 を 活 用 し た 地 域 活 性 な ど の 活 動 を 行 い な が ら 、 地 域 へ の 定 住 ・ 定 着 を 図 る 取 組 み を 行 っ て い ま す 。∼
主
な
市
政
の
動
き
∼
︻ 2 月 ︼ 13 日 ・ 豊 岡 U I J タ ー ン 企 業 研 究 会 ︵ 大 阪 市 ︶ 16 日 ・ 豊 岡 市 公 営 企 業 審 議 会 19 日 ・ 豊 岡 エ キ シ ビ シ ョ ン 2 0 1 6 ︵ 千 代 田 区 ︶ 21 日 ・ と よ お か 地 域 づ く り 大 会 2 0 1 6 23 日 ・ 地 域 プ ロ デ ュ ー サ ー 活 動 報 告 会 ・ 豊 岡 市 図 書 館 未 来 プ ラ ン 検 討 会 議 24 日 ・ 豊 岡 市 地 域 公 共 交 通 会 議 26 日 ・ 市 議 会 定 例 会 開 会 ︵ ∼ 3 月 25 日 ︶ 29 日 ・ ﹁ 植 村 直 己 冒 険 賞 ﹂ 受 賞 者 発 表 30 日 ・ ﹁ ト ヨ オ カ ム 塾 ﹂ を 開 催 ︻ 3 月 ︼ 1 日 ・ 地 域 お こ し 協 力 隊 活 動 報 告 会 10 日 ・ 文 化 庁 文 化 芸 術 創 造 都 市 振 興 室 ﹁ 第 13 回 ク リ エ イ テ ィ ブCaf 'e ﹂ ︵ 城 崎 国 際 ア ー ト セ ン タ ー ︶ 12 日 ・ 竹 野 浜 地 区 町 並 み 調 査 報 告 会 ▲活動報告する地域おこし協力隊 ▲企業の説明を聞く参加者 但馬国分寺跡 ▲見つかった回廊9
広報とよおか 2016(平成28)年4月号 植 村 直 己 冒 険 賞 が 20 回 を 迎 え ま し た 。 今 回 の 受 賞 者 は 、 本 多 有 香 さ ん 。 犬 ゾ リ 使 い 、 と い う と 怪 し げ に 響 き ま す が 、 カ ナ ダ で 犬 ゾ リ レ ー ス に 挑 み 続 け て い る 方 で す 。 学 生 時 代 に 参 加 し た オ ー ロ ラ ツ ア ー で 、 そ り を 嬉 し そ う に 引 い て 走 る 犬 に 激 し く 感 動 し た の が き っ か け で し た 。 自 分 で 育 て た 犬 た ち と ど こ ま で も 走 っ て い け た ら ど ん な に 素 敵 だ ろ う 。 そ の 夢 を 捨 て き れ ず 、 仕 事 を 数 年 で 辞 め 、 単 身 カ ナ ダ へ 渡 っ て 17 年 。 犬 ゾ リ 使 い の 修 業 を 重 ね 、 森 を 自 力 で 切 り 拓 い て 家 と 犬 小 屋 を 建 て 、 27 頭 の 犬 と と も に 暮 ら し て お ら れ ま す 。 家 に は 電 気 も 水 道 も き て い ま せ ん 。 氷 点 下 50 度 以 下 の 猛 吹 雪 の 中 を 1 6 0 0 ㎞ 走 る 過 酷 な 犬 ゾ リ レ ー ス に 挑 戦 し 、 日 本 人 女 性 と し て 初 め て 完 走 。 犬 の え さ 代 や レ ー ス に 出 る お 金 を 稼 ぐ た め に 、 驚 く ほ ど 多 彩 に 仕 事 を し て こ ら れ ま し た 。 S L マ ニ ア の 監 視 、 か み そ り 販 売 、 ク リ ス マ ス 用 イ チ ゴ の 検 査 、 着 ぐ る み で 記 念 撮 影 、 カ ニ 売 り 。 コ ン パ ニ オ ン は 、 足 な ど 触 ら れ る の で す ぐ 辞 め た と か ︵ 笑 ︶ 歴 代 受 賞 者 の よ う に 、 高 い 山 々 の 登 頂 や 極 地 横 断 に 成 功 し た と か い う よ う な 冒 険 で は あ り ま せ ん 。 ど こ ま で も 犬 と 走 り た い 、 た だ そ れ だ け の た め に す べ て を 傾 注 す る 本 多 さ ん の 人 生 そ の も の が 大 冒 険 で す 。 そ の 姿 勢 に 打 た れ ま し た 。 子 ど も 思 い の 親 な ら 卒 倒 し そ う な 行 動 で す 。 当 然 、 周 囲 は 猛 反 対 だ っ た そ う で す 。 改 め て 20 回 ま で の 受 賞 者 の 足 跡 を 見 て み ま し た 。 冒 険 者 た ち は 、 決 し て 社 会 的 成 功 者 で は あ り ま せ ん 。 総 理 大 臣 や 大 会 社 の 社 長 に な っ た 冒 険 家 、 と い う 方 は い ま せ ん 。 た だ 、 悔 い の な い 人 生 を 全 う し た い 、 夢 を 実 現 し た い 、 と い う 強 い 思 い に 突 き 動 か さ れ て き た だ け 、 と 言 え る の か も し れ ま せ ん 。 そ の 姿 勢 の 中 か ら 、 ﹁ 世 の 中 に は 様 々 な 人 生 が あ る 。 あ っ て い い の だ ﹂ と い う 強 烈 な メ ッ セ ー ジ が 伝 わ っ て く る よ う な 気 が し ま す 。犬
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101 組 み で す 。 こ の 取 組 み に よ り 、 安 全 ・ 安 心 な 地 元 の 野 菜 を 年 間 を 通 し て 子 ど も た ち に 届 け ら れ ま す 。 本 市 は 、 こ の 取 組 み を 〝 豊 岡 ら し さ 〟 ︵ 共 存 共 栄 、 自 然 利 用 、 生 活 哲 学 ︶ を 生 か し た 豊 岡 ラ イ フ ス タ イ ル デ ザ イ ン プ ロ ジ ェ ク ト の モ デ ル 事 業 と し て 支 援 し て い ま す 。 計 画 ど お り に 進 め ば 、 豊 岡 学 校 給 食 セ ン タ ー の 地 産 地 消 の 割 合 が 、 平 成 26 年 度 の 15 % か ら 46 % に 上 昇 し ま す 。 中 筋 地 区 の 農 家 が 主 体 と な っ て 設 立 し た 未 来 の 種 ㈱ が 、 雪 を 利 用 し 食 材 を 保 存 で き る ﹁ 雪 室 ﹂ の 導 入 試 験 を 開 始 し ま し た 。 同 法 人 は 、 学 校 給 食 の 地 産 地 消 を 推 進 し て い ま す 。 2 月 27 日 、 中 筋 小 学 校 の 児 童 が 参 加 し て 、 ジ ャ ガ イ モ と タ マ ネ ギ を 運 び 入 れ ま し た 。 雪 室 は 、 高 さ と 幅 が 約 3 m で 、 奥 行 き は 約 13 m 。 コ ン テ ナ を 改 修 し 、 電 気 を 使 わ ず 、 固 く 締 ま っ た 雪 で 部 屋 を 冷 や し て 、 食 材 を 低 温 保 存 す る 仕 全 国 的 に 人 口 減 少 ・ 少 子 高 齢 化 が 進 む 中 、 地 域 経 済 を 振 興 し 、 地 域 の 人 が 地 域 で 職 を 得 て 、 豊 か に 暮 ら せ る 社 会 を 作 る に は ﹁ 観 光 ﹂ に よ る 地 域 づ く り が 効 果 的 で す 。 観 光 客 の 誘 客 を 促 進 す る に は 、 旅 行 者 ニ ー ズ な ど の 客 観 的 な デ ー タ 収 集 ・ 分 析 に 基 づ く 戦 略 策 定 や 、 地 域 と 地 域 の 観 光 資 源 を 結 び 付 け て の 売 り∼
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り た い ! ﹂ と い う 素 朴 な 夢 を 抱 き 、 た っ た 一 人 で カ ナ ダ に 渡 り ま し た 。 森 を 切 り 開 き 、 自 身 の 住 む 家 と 26 頭 の 犬 た ち の 小 屋 を 作 り 、 雪 の 季 節 に な る と 原 野 を 犬 た ち と 共 に 走 り ま す 。 国 際 的 な 犬 ゾ リ レ ー ス ﹁ ユ ー コ ン ク エ ス ト ﹂ と ﹁ ア イ デ ィ タ ロ ッ ド ﹂ で は 、 日 本 人 女 性 と し て 初 め て 完 走 し ま し た 。 東 京 で の 会 見 の 様 子 は 、 植 村 直 己 さ ん の 母 校 の 府 中 小 学 校 に も 中 継 さ れ 、 本 多 さ ん は ﹁ 植 村 さ ん の 賞 が も ら え て 素 直 に う れ し い で す 。 犬 た ち を 思 い っ き り 褒 め て や り た い し 、 こ れ か ら も 犬 た ち と 楽 し く 暮 ら し て い き た い で す ﹂ と 喜 び の 言 葉 を 述 べ ま し た 。 選 考 委 員 の 西 木 正 明 さ ん は ﹁ 生 活 そ の も の を 冒 険 に し て し ま っ た 方 で す 。 人 生 を か け て 、 続 け る こ と で 夢 を 実 現 す る 。 そ ん な 新 た な 冒 険 の あ り 方 を 示 さ れ た ﹂ と 受 賞 の 理 由 を 話 し ま し た 。 授 賞 式 は 、 6 月 11 日 ︵ 土 ︶ に 日 高 文 化 体 育 館 で 行 い ま す 。 冒 険 賞 の 授 与 の 他 、 本 多 さ ん の 講 演 も 行 い ま す 。 ︽ 問 合 せ ︾ 植 村 直 己 冒 険 館 ☎ 44 1 5 1 5 2 月 29 日 、 植 村 直 己 さ ん の 母 校 の 明 治 大 学 紫 紺 館 ︵ 東 京 都 千 代 田 区 ︶ で 、 2 0 1 5 ﹁ 植 村 直 己 冒 険 賞 ﹂ 受 賞 者 発 表 の 会 見 を 行 い ま し た 。 今 回 は 、 2 0 1 5 年 に 日 本 人 が 挑 ん だ 1 5 7 件 の 冒 険 行 の 中 か ら 、 知 己 の な い カ ナ ダ に た っ た 一 人 で 飛 び 込 み 、 17 年 間 犬 た ち と 暮 ら し 、 マ ッ シ ャ ー ︵ 犬 ゾ リ 使 い ︶ に な る 夢 を か な え た 本 多 有 香 さ ん ︵ 43 歳 、 カ ナ ダ 在 住 ︶ を 選 び ま し た 。 本 多 さ ん は 、 大 学 時 代 に 旅 行 し た カ ナ ダ で 犬 ゾ リ に 出 会 い ﹁ 自 分 が 育 て た 犬 た ち と 走2
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マッシャー(犬ゾリ使い) 1972年・新潟県生まれ カナダ・ホワイトホース在住 岩手大学農学部を卒業。 大学時代にカナダで犬ゾ リに出会い、その魅力の 虜 とりこ になる。日本でいった ん就職するが、1998年、 マッシャーになるため単 身カナダに渡る。2002年、 長距離マッシャーを目指 し、カナダからアラスカ まで自転車で走る。2006、 07、09年に犬ゾリレース 「ユーコンクエスト」に 挑戦するも完走ならず、 2012年に初めて完走する。 カナダ・ホワイトホース 郊外で、現在、27頭の犬 と共に暮らす。 ©佐藤日出夫 ▲アラスカの原野を犬たちと走る本多さん ©佐藤日出夫11
広報とよおか 2016(平成28)年4月号 ら っ た ベ テ ラ ン の マ ッ シ ャ ー ︵ 犬 ゾ リ 使 い ︶ に 弟 子 入 り し ま し た 。 そ こ か ら 犬 を 育 て 、 ソ リ を 扱 う す べ を 学 ぶ ハ ン ド ラ ー 修 行 ︵ マ ッ シ ャ ー の 見 習 い と し て 、 犬 の 世 話 全 般 を 行 う ︶ が 始 ま り ま し た 。 犬 た ち の 小 屋 と 自 分 の 家 を 手 作 り 2 0 0 9 年 8 月 、 ホ ワ イ ト ホ ー ス の 森 の 一 角 を 借 り 受 け 、 自 力 で 切 り 開 き 、 26 頭 の 犬 た ち の 小 屋 と 自 身 が 住 む 家 を 組 み 立 て ま し た 。 夢 だ っ た 自 前 の 家 は 、 そ ば に ず ら り と 並 ぶ 全 て の 犬 小 屋 の 入 口 と 向 か い 合 い 、 お 互 い の 顔 が す ぐ 見 え る よ う に な っ て い ま す 。 あ ら ゆ る 仕 事 を し て お 金 を た め ま し た 。 主 に 塾 講 師 を し な が ら 、 引 越 し 屋 、 花 火 打 上 げ 師 、 カ ニ 売 り 、 ひ げ そ り 売 り な ど 、 変 わ っ た ア ル バ イ ト も 多 数 経 験 し ま し た 。 2 0 1 0 年 に は カ ナ ダ 永 住 権 を 取 得 し 、 現 在 は ホ ワ イ ト ホ ー ス 近 く で ビ ル 管 理 の 仕 事 を し て い ま す 。 日 本 人 女 性 初 北 米 2 大 犬 ゾ リ レ ー ス 完 走 犬 の 訓 練 を 兼 ね て 、 ア ラ ス カ ・ カ ナ ダ を 舞 台 に 開 催 さ れ る 犬 ゾ リ レ ー ス に も 参 加 し ま す 。 2 0 1 2 年 2 月 、 最 も 過 酷 な 犬 ゾ リ レ ー ス と 呼 ば れ る ﹁ ユ ー コ ン ク エ ス ト ﹂1 6 0 0 ㎞ に 出 場 し 、 4 度 目 の 挑 戦 で 水 道 が 通 っ て い な い た め 、 水 は 車 を 使 っ て 近 く の 施 設 か ら 運 び ま す 。 電 気 は ソ ー ラ ー パ ネ ル で 発 電 し ま す が 、 冬 は 日 照 時 間 が 短 い た め ろ う そ く が 欠 か せ ま せ ん 。 不 自 由 な 暮 ら し も 犬 た ち と な ら 素 直 に 受 け 入 れ ら れ る と い い ま す 。 犬 ゾ リ が で き な い 夏 に 稼 ぐ 本 多 さ ん は ス ポ ン サ ー に 頼 ら ず 、 資 金 の 全 て を 自 身 で 稼 い で い ま す 。 そ の 資 金 は 犬 た ち の た め に 使 う の が 第 一 優 先 で す 。 元 気 な 犬 た ち へ の 食 事 に 大 金 を は た き 、 人 間 の 食 事 は お の ず と 倹 約 さ れ ま す 。 カ ナ ダ 永 住 権 が 取 れ る ま で は 、 夏 に 必 ず 日 本 に 帰 っ て 、 初 の 完 走 を 果 た し ま し た 。 ま た 、 2 0 1 5 年 3 月 に は 、 世 界 最 大 の 国 際 犬 ゾ リ レ ー ス ﹁ ア イ デ ィ タ ロ ッ ド ﹂ に 挑 戦 し 、 強 烈 な 寒 波 の 襲 来 で 、 氷 点 下 50 度 以 下 の 低 温 や 猛 吹 雪 の 中 、 完 走 を 果 た し ま し た 。 い ず れ も レ ー ス 完 走 は 日 本 人 女 性 と し て 初 め て の 快 挙 で す 。 厳 冬 期 の 山 道 や 凍 っ た 川 、 深 い 森 、 荒 涼 と し た ツ ン ド ラ 地 帯 、 風 が 吹 き 付 け る 氷 点 下 の 海 岸 沿 い を 通 る 過 酷 な コ ー ス を 、 自 身 が 育 て た 犬 た ち と 共 に 走 り 抜 き ま し た 。 と に か く が む し ゃ ら に 夢 を 追 う 大 好 き な 犬 た ち と 、 大 自 然 の 中 を 一 緒 に 冒 険 で き た ら ど ん な に 楽 し い だ ろ う 生 活 の 全 て を 夢 に 賭 け 、 笑 い な が ら 泣 き な が ら 、 前 へ 突 進 し て い く 犬 ゾ リ 一 色 の 人 生 。 そ れ こ そ が 本 多 さ ん の 冒 険 家 と し て の ラ イ フ ス タ イ ル で す 。 冬 の ア ラ ス カ は 氷 点 下 20 ∼ 30 度 の 世 界 。 鼻 水 で 両 頬 を 凍 傷 に し な が ら も 、 一 心 に 熱 き 魂 を マ ッ シ ャ ー に 賭 け る 青 春 は 、 多 く の 若 者 や 女 性 た ち に 勇 気 を 与 え て く れ ま す 。 カ ナ ダ で 犬 ゾ リ と 出 会 う 大 学 時 代 の 1 9 9 4 年 、 カ ナ ダ の イ エ ロ ー ナ イ フ に オ ー ロ ラ を 見 に 行 っ た 時 に 、 雪 原 を 駆 け る 犬 ゾ リ を 見 て 感 激 。 喜 ん で 走 っ て い る 犬 た ち を 見 て 心 を 奪 わ れ ま し た 。 こ れ が 本 多 さ ん の 人 生 を 変 え た 瞬 間 で し た 。 大 学 卒 業 後 に い っ た ん は 就 職 し た も の の 、 犬 ゾ リ へ の 思 い は 募 る ば か り 。 仕 事 を 辞 め 1 9 9 8 年 9 月 、 単 身 カ ナ ダ に 渡 り ま し た 。 カ ナ ダ 観 光 局 に 紹 介 し て も ▲受賞の喜びを語る本多さん(東京・明治大学) ▲東京会場の本多さんにお祝いメッセージを 贈る上杉真由さん(府中小学校) ▲犬たちと暮らす生活(カナダ・ホワイトホース) ▶ ア イ デ ィ タ ロ ッ ド ゴ ー ル ©佐藤日出夫 ©佐藤日出夫広報とよおか 2016(平成28)年4月号
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一 人 一 人 が 歩 い て い る ﹁ 歩 数 ﹂ を ま と め た ら 、 一 体 ど こ ま で 行 け る ん だ ろ う ? 市 民 み ん な で 、 大 き な 目 標 ・ 楽 し い 夢 に 向 か っ て 歩 い て み よ う ! 4 月 か ら 、 そ ん な 取 組 み が ス タ ー ト し ま す 。 オ リ ン ピ ッ ク の 年 に ち な ん で ﹁ と よ お か 歩 キ ン ピ ッ ク ﹂ と 名 付 け た こ の 企 画 。 10 月 ま で の 7 カ 月 間 で ﹁ 月 ﹂ ま で の 3 往 復 が 達 成 で き た ら 、 金 メ ダ ル と し て 市 民 共 有 の ﹁ 夢 ﹂ が 実 現 す る と い う 〝 歩 く オ リ ン ピ ッ ク 〟 で す 。 2 3 0 万 6 4 0 0 ㎞ 、 歩 数 に し て 33 億 歩 の 壮 大 な チ ャ レ ン ジ ! さ あ 、 み ん な で 歩 い て 夢 を か な え ま し ょ う 。 ◆ 実 施 期 間 4 月 1 日 ︵ 金 ︶ ∼ 10 月 31 日 ︵ 月 ︶ ︻ 7 カ 月 間 ︼ ◆ 参 加 対 象 市 民 、 市 内 に 在 勤 ・ 在 学 の 方 ◆ 歩 数 の 計 測 ○ 自 己 所 有 の 歩 数 計 、 ス マ ー ト フ ォ ン ︵ 歩 数 計 ア プ リ ︶ な ど を 使 用 ○ 歩 い た 時 間 や 距 離 か ら 歩 数 換 算 ︵ 10 分 で 千 歩 、 1 ㎞ で 1 5 0 0 歩 ︶ ◆ 歩 数 の 申 告 ○ 月 に 一 度 、 申 告 カ ー ド ︵ 任 意 様 式 で も 可 ︶ を 市 に メ ー ル 、 フ ァ ク ス 、 ま た は 持 参 ○ 市 のf フ ェ イ ス ace b ブ ッ ク ook ペ ー ジ や L ラ イ ン INE で 申 告 ※ 詳 細 は 、 今 号 と 一 緒 に 配 布 し て い る チ ラ シ を 参 照目指すのはどんな「夢」!?
3月1∼18日に、このプロ ジェクトにふさわしい“楽し い夢”を募集しました。3月 末には夢が決定し、4月1日 (金)に発表します。 ※夢実現予算(平成29年度)の 決定には議会の議決が必要どれも簡単で楽しいものばかり! あなたもこの輪に加わりませんか?
やれば良いのは分かっているけどできない こと…「健康づくり」はその一つです。 豊岡では、みんなで楽しみながら「健康づく り」を習慣化できる取組みが広がりつつありま す。玄さん元気教室や健康・環境ポイント制度、 この春には、新しいプロジェクト「とよおか歩ある キンピック」も動き出しますよ! 《問合せ》健康増進課☎24-1127 FAX24-9605 「 と よ お か 歩あ る キ ン ピ ッ ク」 開 幕 ︵ 4 月 ∼ ︶月
ま
で
歩
い
て
夢
を
か
な
え
よ
う
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健康・環境ポイント制度但馬牛ゲット!
「玄さん元気教室」拡大中会館に集まって筋トレ!
年間1万ポイント以上獲得した方の中から 抽選で300人に「但馬ビーフ」が当たる特典がス タート。A賞5千円相当の焼肉用の肉、B賞 2千円相当のすき焼き肉の当選者が決まりま した。 頑張って、自分へのご褒美においしいもの を食べて、さあ、また頑張ろう! 85カ所、参加者数約千人にまで広がった元 気教室。平成24年から継続する〝草分け的存 在″岩中区(日高地域)の教室の皆さんが、活動 報告のため市長室を訪問しました。 「体を動かすのが楽しい!」「同世代より若く 見られたい!(笑)」…ムード抜群です! ▲A賞を代表して加か悦や勝かつ代よさん(下陰)に授与式 ▲岩中区玄さん元気教室参加者の皆さん。 みんなと一緒なら楽しく続けられる。13
広報とよおか 2016(平成28)年4月号 市営住宅および県営住宅の入居申込みを受け 付けます。既に申込みをしている方は、5月9 日(月)で申込みの効力を失います。引き続き入 居を希望の方は、申込期間内に再度申込みをし てください。 申込時には、申込書のみの提出で、添付書類 は必要ありません。 入居審査時に必要書類をそろえていただきま すが、入居資格を満たさない方は入居できません。 ▽申込期間 4月5日(火)∼25日(月)午前8時 30分∼午後5時15分(土・日曜日を除く) ▽募集要項配布・申込場所 建築住宅課または 各振興局地域振興課 ▽提出書類 市営住宅入居申込書・県営住宅入 居申込書 ▽入居資格 次の要件を全て満たすこと ①現に同居し、または同居しようとする親族が いる方。ただし、60歳以上の方や障害者など、 条件により単身入居可 ②入居者および同居者の合計収入が基準内であ る方 ・一般世帯:収入月額158,000円以下 ・裁量階層世帯:収入月額214,000円以下 ※収入月額=(世帯全員の年間総所得金額−控 除合計金額)÷12カ月 ※裁量階層世帯とは、高齢者世帯、障害者がい る世帯、小学校就学前の子がいる世帯など ※轟、森本、久畑二ノ宮住宅では、裁量階層世 帯を拡充しています(中学校卒業までの子が いる世帯や夫婦の年齢の合計が70歳未満で婚 姻後2年以内の世帯)。 ※婚姻歴のない1人親の方は、申込時に申し出 てください。 ③現に住宅に困窮しているのが明らかな方 ④市町村税を滞納していない方 ⑤入居希望者が暴力団員などでない方 ⑥連帯保証人を準備できる方(要件あり) ※県営住宅の入居資格は、市営住宅の入居資格 と同様で、②の裁量階層の基準が一部異なり、 ④の要件は不要です。 ▽その他 一部募集停止 となっている住宅があ ります。 【長期待機者優先選考】 今回の募集までに連続して3年以上申込みを したが、入居できなかった方に対して、抽選を 2回受けることができる優先選考を行います。 なお、市営・県営住宅の入居資格を満たしてい ることが必要ですので、申込時に申し出てくだ さい。 公開抽選会 今回の申込みをした方を対象に、待機順番を 決定するため、次のとおり公開抽選を行います。 ▽公開抽選日 5月8日(日) 【市営住宅】午前10時∼ 【県営住宅】午前11時30分∼ ▽抽選会場 豊岡稽古堂 3階 ▽一時保育 一時保育(原則1歳半∼就学前)を 希望の方は、4月25日(月)までに申し込んで ください。 ▽その他 入居は6月以降になります。 《申込み・問合せ》建築住宅課☎21-9018市営住宅・県営住宅の入居者を募集します(定期募集)
申込期間 4月5日(火)∼25日(月)
ご
み
の
受
入
れ
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つ
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豊 岡 清 掃 セ ン タ ー ︵ 岩 井 ・ ☎ 24 5 4 7 7 ︶ は 、 3 月 31 日 ︵ 木 ︶ で 、 ご み の 受 入 れ を 終 了 し ま す 。 ク リ ー ン パ ー ク 北 但 ︵ 竹 野 町 坊 岡 9 4 3 ︶ が 4 月 1 日 ︵ 金 ︶ か ら ご み を 受 け 入 れ ま す 。 試 運 転 期 間 の 7 月 31 日 ︵ 日 ︶ ま で は 、 工 事 車 両 も 場 内 を 通 行 し ま す 。 安 全 確 保 の た め 、 で き る だ け 家 庭 ご み の 直 接 搬 入 は 避 け 、 ご み ス テ ー シ ョ ン で の 収 集 を 利 用 し て く だ さ い 。 ま た 、 事 業 系 一 般 廃 棄 物 の 持 込 み も 、 持 込 み 回 数 を 減 ら す よ う ご 協 力 を お 願 い し ま す 。 ︽ 問 合 せ ︾ 北 但 行 政 事 務 組 合 総 務 課 ☎ 24 5 5 0 4 ︹ 3 月 28 日 ︵ 月 ︶ か ら は ☎ 21 9 1 1 0 ︺ ごみ ごみ ごみ広報とよおか 2016(平成28)年4月号