• 検索結果がありません。

平成 29 年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査 ( 我が国の再生可能エネルギー産業の海外展開に関する調査 ) 報告書 2018 年 3 月 資源エネルギー庁省エネルギー 新エネルギー部新エネルギー課 ( 委託者 : デロイトトーマツコンサルティング合同会社 )

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "平成 29 年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査 ( 我が国の再生可能エネルギー産業の海外展開に関する調査 ) 報告書 2018 年 3 月 資源エネルギー庁省エネルギー 新エネルギー部新エネルギー課 ( 委託者 : デロイトトーマツコンサルティング合同会社 )"

Copied!
132
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成 29 年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査

(我が国の再生可能エネルギー産業の海外展開に関する調査)報告書

2018 年 3 月

資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー課

(委託者:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)

(2)

目次

1. 調査背景 3

2. 全体概要 7

3. 諸外国における再生可能エネルギーの事業環境

3.1 インド 13

3.2 タイ 49

3.3 ベトナム 68

3.4 インドネシア 94

3.5 台湾 114

4. 調査総括 131

本報告書に記載さている情報は、公開情報に踏まえ、本調査の分析に利用する承諾を得たうえで、ヒアリング等で第三者から提供を頂いたデータも含まれています。これらの情報自体の妥当性・正確性につい ては、弊社では責任を負いません。

為替レート(201835日付TTSレート)

• 台湾

• インド

• インドネシア

• タイ

• ベトナム

(出典:SBI証券)

:3.60台湾ドル/円

:1.62インドルピー/円

:0.0077インドネシアルピア/円

:3.36バーツ/円

:0.0046ベトナムドン/円

(3)

1. 調査背景

(4)

本調査の概要

調査背景

 我が国のエネルギー市場においては、電力・ガス制度改革 を通じた新規事業者の参入促進により、価格やサービスに おける競争環境が一層激化すると予想される。

 再生可能エネルギー(以下「再エネ」という。)に携わる事業 者も含めたエネルギー企業が、なお単に既存の事業に留 まり続けようとすれば、収益の低下などを招くことになりか ねない。

 再生可能エネルギー企業には、事業環境の変化に柔軟に 対応しつつ海外展開を行い、事業エリアを拡大していくこと 等が求められている。

 現地の政策動向、市場動向、需要動向等を正確に把握す ると同時に、欧米の海外進出事例を踏まえた戦略を構築し ていく必要がある。

調査内容

 本調査では、我が国の企業における今後の意思決定及び 政府における制度設計に活用することを目的に、以下の調 査を実施する。

 海外における再エネ関連の政策動向・市場動向・

需要動向の分析

 我が国の再エネに携わる事業者(*)の特性分析等

諸外国の再エネ市場の概況情報(政策動向・市場)を整理の行い、本邦再エネ事業 者の特性分析及び政府における制度設計支援案を取りまとめる調査である

• 本調査では、アジア諸国を中心に、再生可能エネルギー需要の伸びが大きいとされる国について、各国毎に市場環境(制度・政策動向)、

競争環境(競合企業の動向)につき整理を行い、日本企業が海外進出に向け取るべきアプローチを検討する調査である。

(5)

調査対象国の選定

調査対象国は、インド、タイ、ベトナム、インドネシア、台湾とする

主要8か国 再エネ市場の開発目標・ポテンシャル 振興策、外資規制 日本企業の積極度 評価

インド 2022年に風力60GW、太陽光100GW

と高い目標掲げる 入札だが、税制優

遇等あり ソフトバンク、オリックス

等積極的に進出 売電価格低いが今後成長大 きく、日本企業も積極的

タイ 2036年に2015年比で風力13倍、太

陽光4倍、バイオマス2.4倍 風力・太陽光の一

部でFIT制度あり 風力発電への投資、小

型バイオマスに商機 再エネ市場の伸びが期待。

(風力、小型バイオマス)

ベトナム 2030年に風力6GW、太陽光12GW

バイオマス3GWと高い目標掲げる 太陽光FIT2016

年創設 FIT新設により再エネ市

場が注目が集まる FIT創設で今後の市場成長 が期待

マレーシア 2030年までに太陽光を4GW

(2016比の約14倍) FITあり、設備の外

資規制あり パナソニックが積極的に

進出 太陽光で日本企業が積極的 インドネシア 太陽光発電の巨大ポテンシャルを有し

ている(現在は、地熱・水力がメイン) 外資規制はないが、

入札 地熱、パーム由来のバ

イオマス発電に注目 中長期を見据え、今から政 府の関係性強化の価値あり フィリピン 再エネ導入目標低い FITはあるも、現在

余剰枠が無い模様 現在FIT枠が埋まってい

ることから小康状態 × 再エネ目標は低く、FIT停止 中であり、優先順位は低い

中国 2020年に風力210GW、太陽光

110GWと成長が見込まれる FITはあるも、価格

は近年下落傾向 ×

大型案件は既に勝負が 決した様相。メーカーも

地場企業強い

大市場規模だが、場所取り 競争は終焉傾向で、日本企 業の競争優位性構築は困難

台湾 2025年に風力4.2GW(洋上が3GW)、

太陽光20GWと高い目標掲げる FITあり

洋上風力投資に注目。

日立製作所が風車受注 に向け積極的に活動

洋上風力の事業機会に世界 中が注目

• 初期仮説によって、調査対象5か国を選定した。(*)

*:本ページの情報は、詳細な調査を行う前の初期仮説ゆえ、情報は必ずしも正しくない可能性がある旨、留意

(6)

ベトナム

調査対象電源の選定

調査対象電源は、風力発電と太陽光発電とする

選定国 風力

タイ

台湾

インド • 2022年までに60GWの大

規模導入目標あり

インドネシア

• 2022年 までに100GW 大規模導入目標あり

日本企業も参入を進めて いる

案件が小規模で分散して おりまとまった市場が存在 し難い

デスクトップベースでも大 規 模 案 件 は 特 定 で き な かった

サプライチェーンコストが かさむとペイしないため、

地産池消が原則である

燃料調達も外資は手が出 しにくい

• 本調査では、今後加速が期待できる風力発電と太陽光発電を調査対象とする。(*)

• バイオマス発電については、まとまった市場がなく地産地消が原則であること、地熱発電は既に日本企業が海外進出を行っていることを鑑 み、本調査では対象から外している。

太陽光 バイオマス 地熱

• 2036年 までに3GWの導 入目標あり

日本企業では、事業者で の市場参入あり

• 2036年 までに6GWの大 規模導入目標あり

日 本 の 事 業 者 、 パ ネ ル メーカーが市場参入あり

• 2030年 までに6GWの導 入目標あり

今後の市場拡大が見込ま れている

• 2030年までに12GWの導 入目標あり

• 2016年の開発計画改定 時、重要電源として追加

• 2025年 ま で に1.9GW 導入目標あり

制度は十分に整備されて いないが、巨大なポテン シャル(532GW)を有して いる

• 2025年 ま で に4.2GW 導入目標あり

政府が特に洋上風力に注 力している

• 2025年までに20GWの導 入計画あり

大規模なフラッシュ発電用 発電設備では、我が国企 業は世界シェアの約7割を 占めており、既に国際協 力を持った再エネ電源で ある。

既にインドネシアやフィリ ピンの地熱有望国におい ては、日本事業者は進出 している

(7)

2. 全体概要

(8)

諸外国の風力発電開発目標と概況

インドやベトナムにて、今後も積極的に開発が進んでいくと想定される

(約6倍) (約25倍)

(約6倍) (約2倍)

(MW)

(約32倍)

(約3倍)

概況

インド

南部、西部が有望

入札移行の過渡期であり売電価格が下落中

(開発計画:国家電力計画(第13次五ヵ年計画

(原案))

タイ

北東部、タイランド湾沿岸の風況が良好である

今後山間地の風力発電が新たに進む見込み

(開発計画:代替エネルギー開発計画(AEDP)

2015-2036)

ベトナム

中南部でポテンシャルがある

• FITは導入されており、FIT価格を高くすべく政府 手続き中(2018年前半には承認見込み)

現在、合計で約5,000MWが登録済み

(開発計画:第7次電力マスタープラン(PDP))

インド ネシア

高い開発目標を掲げているものの、島嶼国、高 森林被覆率等の地理的要因から、登録案件は 未だ少ない

(開発計画:電力供給事業計画(RUPTL2016- 2025

台湾

台湾海峡(西部沿岸)の風況は良好

特有の気象条件(台風、地震)をもつ

洋上風力発電を積極的に推進している(最大 10GW相当の計画)

• FIT制度を有し、洋上風力は高値設定されている

(開発計画:経済部統計資料)

陸上中心

陸上中心 陸上中心 特にビジョンなし 陸上・洋上 陸上・洋上

3,390 75 682

459 187

10,000 4,200

1,900 6,000

3,002 60,000

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000 55,000 60,000

28,900

日本

(参考)

インド ネシア

台湾 タイ ベトナム

インド

将来計画(*2) 既設容量(*1)

(9)

39,100

1,210 80

2,753 10

64,000

20,000 6,400

12,000 6,000

100,000

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000

ベトナム 台湾 日本

(参考)

インド ネシア タイ

インド 12,200

諸外国の太陽光発電開発目標と概況

各国の太陽光市場に於いて、高い成長率が予期されている

概況

インド

ポテンシャルは、749GWと高い

日照条件が良好であり西部・南部導入量が多い

政府主導のメガソーラー案件では、少なくとも 20GWがサイト選定前である

(開発計画:国家電力計画(第13次五ヵ年計画

(原案)、国家太陽光発電導入計画(JNNSM))

タイ

東部の日照量が多い

屋根設置型太陽光事業や政府機関・農協向け 太陽光発電事業にはFITがある

(開発計画:代替エネルギー開発計画(AEDP 2015-2036

ベトナム

中南部でポテンシャルがある

• 2017年にFITが導入されており、急速に開発が 進んでいる。(現在200件の登録案件あり)

• 2019年7月より入札制度への移行を検討中

(開発計画:第7次電力マスタープラン(PDP))

インド ネシア

国全体で、ポテンシャル(約532GW)が大きい

東部島嶼地域にて、太陽光と蓄電池のパッケー ジ導入が期待されている

(開発計画:電力供給事業計画(RUPTL)2016- 2025)

台湾

経済部統計資料

野心的な導入目標(20GW)を掲げている

南西部が日射量が多く、導入済み案件も多い

(開発計画:経済部統計資料)

(約1.6倍)

(約17倍)

(約80倍) (約2倍) (約1,200倍)

*1:インド:2017、タイ:2017、ベトナム:2016、インドネシア:2016、台湾:2016、日本:2017

*2:インド:2022、タイ:2036、ベトナム:2030、インドネシア:2025、台湾:2025、日本:2030

(MW)

将来計画(*2)

既設容量(*1)

メガソーラー

屋根設置型 水上太陽光

メガソーラー

水上太陽光 水上太陽光 東部島嶼地域

メガソーラー

太陽光 (約8倍)

(10)

市場環境(振興策)の現状と今後( *

台湾、ベトナム以外の国々では、 FIT 制度から入札への移行が進んでいる

国 現行制度 今後の動き

インド

FIT/

入札

【風力】2017年より、一部州で入札制度を導入

【太陽光】FIT制度から入札制度へ移行済み

(売電価格2.44INR/kWh(3.95円/kWh)(2017年)

【 風 力 】 初 入 札 時 の 安 価 な 売 電 価 格 (2.64INR/kWh

4.28/kWh))を受け、入札制度へ移行見込み

【太陽光】売電価格は、2017年水準にて落ち着く見通し 振興策 再エネ買取義務(RPO)

輸入関税免税、加速減価償却制度

【太陽光】輸入太陽光製品への関税措置の可能性

(2018年、現地政府機関が意向を表明)

タイ

FIT/

入札

【風力】6.6TB/kWh(22.18円/kWh) (2013年)

【太陽光】5.66-6.85TB/kWh19.02-23.02/kWh) (2013年)

【風力】10MW未満はFIT適用、以上は入札移行見込み

【太陽光】メガソーラーはFIT未適用、入札移行見込み、

屋根設置型、政府機関・農協向け事業はFIT継続 振興策 輸入関税、法人税免除、ESCOファンド(出資、保証)設置

ネットメータリング制度(太陽光)

継続の見込み

ベトナム

FIT 【風力】1,614VND/kWh(7.42円/kWh) (~2021年6月)

【太陽光】2,086VND/kWh(9.60円/kWh) (~2019年6月)

【風力】現在FITの価格を上げる政府内手続き中

【太陽光】2019年7月から入札制度に移行予定 振興策 輸入関税、法人税、土地使用料の免除、減免

用地取得支援

継続見込み

インド ネシア

入札

• 2017年より、入札制度を導入

地域別の売電上限価格の設定あり(一番高い東部地域は、17.52米ド ルセント/kWh(18.48円kWh))

事業者からは、売電上限価格が低いと意見されているが、

インドネシア政府は変更の意思なし

振興策 なし 税制優遇、用地取得支援などの振興策を整備中(2018

年中には制定の見込み)

台湾 FIT

【洋上風力】7.1085台湾ドル/kWh(25.59円/kWh)(2017年)

【太陽光】4.410-6.103台湾ドル/kWh (15.88-21.97円/kWh)(2017 年)水上太陽光、高効率発電パネルには上乗せ価格あり

継続見込み(価格は半年毎に見直される)

振興策 輸入関税免税、外銀融資規制撤廃(洋上風力)、補助金(太陽光) 継続見込み

(11)

競争環境の概要(風力)

インド、タイでは日系企業の進出が比較的見られる

国 現状

インド

米国企業ゴールドマンサックスによる地場事業者リニューパワーへの出資他、外資事業者が地場企業への出資・買収による市 場参入を進めている。リニューパワーへは、2017年に日本事業者のJERAも出資を行っている。

日本事業者オリックスは2016年に地場企業IL&FSへ増資を行い、約1GWの風力案件実績を獲得している。

地場風車産業が発達しており、地場の風車メーカーが複数社(スズロン、リジェン他)存在する。

欧米の主要風車メーカー(シーメンスガメサ(ドイツ)、エネルコン(ドイツ)、GEエナジー(米国)等)は、現地製造拠点を有する。

タイ

日系事業者複数社(中部電力、日本風力開発)による案件開発実績がある。

メーカーは欧米各社(シーメンスガメサ、べスタス、GEエナジー)がO&M含め積極的に参入している。

ベトナム

商工省(MOIT)に登録されている約200案件の半数は、地場企業のみでの事業開発である。

残り半数では海外事業者・投資家が関与しているが、海外企業ではドイツ企業(発電事業者や投資家)が中心である。その他で は、米国、カナダ、シンガポール、香港企業による案件である。

参入意欲のある日系企業もあるが、現時点で事業参画は確認されていない。

インドネシア

地場企業のPT UPC Renewable Energyが、インドネシア唯一の風力発電所を(75MW)をスラウェシ島にて建設している。

(近々運転開始。)

その他では、アジア最大規模の発電事業者であるシンガポールのエクイスエナジーによる新規案件(840MW)が一件承認され ており、開発が始まる見込みである。

その他の具体的な案件は見えておらず、風力発電市場は初期段階であり、成熟するまでには時間を要する。

台湾

陸上風力では、地場事業者(台湾電力公司他)に加え、ドイツ企業(WPD、エネルコン)が実績を有している。

洋上風力の案件開発において、欧州民間団体および企業が、台湾政府へのアプローチを積極推進している。

事業者であるオーステッド(デンマーク)、マッコーリー(オーストラリア)は2GW以上の大型洋上風力案件の開発を進めている。

風車メーカーのシーメンスガメサは台湾政府機関と提携し、洋上風力設備の現地生産拠点設立を進めている。

日立製作所が台湾電力公司の洋上風力案件へのビジネスを進めている。

(12)

競争環境の概要(太陽光)

インド、タイでは日系企業の進出が比較的見られる

国 現状

インド

地場事業者(グリーンコ、リニューパワー他)が市場を牽引する中、日系事業者(ソフトバンク、JERA)も市場参入を果たしている。

屋根設置型太陽光では日立ハイテクノロジーズ、分散型電源では三井物産が、地場企業(クリーンマックスソーラー、OMCパ ワー)と提携し案件開発を進めている。

パネル供給の大半を占める中国メーカーは、急激な売電価格の下落へも対応可能な価格競争力を持つ。

日系パネルメーカー(パナソニック、ソーラーフロンティア)の進出も見られる。

タイ

地場事業者が他業種から市場参入しており、日系企業も複数社(中部電力、三菱商事、日鉄住金物産)の案件開発実績がある。

中国、台湾メーカーは現地製造拠点を設立しシェアを得ており、日系メーカー各社(パナソニック、京セラ他)も進出している。

ベトナム

• 2017年にFITが整備されて以降、1,000件を超える案件申請があり、現在約200件が登録されている。(30MW以上の案件は、

約約20件である。)

地場企業が中心であり、大型案件は、地場大手商社であるタン・タン・コン・グループ(TTC)やティエン・タン・グループ(TTG)によ るものである。一方で、海外企業の中では、韓国企業(ソーラーパーク等)が積極的に案件開発を進めている。

日本では唯一株式会社フジワラが案件登録(64MW)まで至っている。

インドネシア

地場企業が中心の市場であるが、シンガポール企業であるエクイスエナジーや、フランスのエンジ―も入札案件を落札している。

入札にて240MWが決定しているが、現時点でファイナンシャルクローズまで至っている案件はない。

その他では、GE(米国)、エネル(イタリア)、マスダール(UAE)などが、インドネシア政府を巻き込んだ実現可能性調査(FS)を実 施中である。

台湾

地場事業者が案件開発の主体であり、台湾電力公司、台湾水泥(大手セメント会社)による案件開発が行われている。

地場太陽光パネル産業が発達(太陽光発電設備出荷額世界第2位(2015年))しており、外資パネルメーカーの市場参入障壁が 高い。

日本企業は、三井住友建設が水上太陽光発電用浮体式架台の事業拡大を目指している。

(13)

3. 諸外国の再エネ事業環境

3.1 インド

3.1.1. 市場環境 3.1.2. 競争環境 3.1.3. サマリー 3.2 タイ

3.3 ベトナム

3.4 インドネシア

3.5 台湾

(14)

3.1.1. 市場環境(電力セクター概観図:中央政府)

国家規模の電力全般に係る政策立案、開発計画の作成・管理、州間連系系統の 運用・管理を中央政府が担っている

発電

送電

国営電力公社

(NTPC他)

行政

インド送電公社

(PGCIL)

 電力省(Ministry of Power: MOP)

 電力セクター主務官庁(原子力・再エネ除く)

 電力政策・供給計画策定、電力セクター全体管理監督

 中央電力庁(Central Energy Authority: CEA)

 MOPに対する電力行政全般に係る助言

 中 央 電 力 規 制 委 員 会 ( Central Electricity Regulatory Commission: CERC)

 中央政府保有発電事業者への卸料金規制

 再エネ固定価格買取制度の策定(2009年発令、2012年改訂)

 国営発電会社(National Thermal Power Company: NTPC)

 火力、水力発電案件を運営(政府出資75%)

 インド送電公社(Power Grid Corporation of India Ltd: PGCIL)

 州を跨ぐ送電線の計画・管理

中央電力規制委員会(CERC)

配電

小売

配電、小売りは州営配電公社他が実施

(次頁参照)

民間 ライセ

ンス 業者 (*) IPP

(*) 中央電力庁(CEA

電力省(MOP)

(15)

3.1.1. 市場環境(電力セクター概観図:州政府、民間業者)

州政府は州内での政策立案および発送配電事業を一括して行っている

発電

送電 行政

 州電力規制委員会(State Electricity Regulatory Commissions:

SERC)

 1998年「電力規制委員会法」に基づき設立された規制機関

 州内卸料金、託送料金、小売り料金等の規制

 送配電事業者へのライセンス付与

 州営電力局(State Electricity Boards: SEB)

 1948年「電気(供給)法」に基づき州内での電気事業実施のため 各州政府が設立

 州営電力公社、送電公社、配電公社

 州域内の発電、送電、配電事業を夫々の機関が実施(*)

 民間事業者

 民間ライセンス事業者

• 1910年電気法により、発電から小売りを手掛ける事業者

• タタパワー、リライアンスエナジー、トレントパワー等の独 立以前から電力事業を営んでいた事業者が含まれる

 独立系事業者(Independent Power Producer: IPP)

• 1991年電気(供給)法改正により参入が認められる

州政府

州電力規制委員会(SERC)

配電

小売

州電力局

SEB

州営電力公社

州営送電公社

州営配電公社

*: 州電力局(SEB)が垂直統合し、事業を行う州や、発送電事業が分離された州など、州の供給体制は州毎に異なる 民間

ライセ ンス 業者 IPP

州毎に異なる体制(*)

(16)

3.1.1. 市場環境(電力セクター概観図:再生可能エネルギー(*)事業者)

再生可能エネルギー発電では、中央政府の計画の下、中央政府機関および州政 府が民間発電事業者からの調達を進めている

発電 行政

 新エネルギー ・再生可能エネルギー省 (Ministry of New and Renewable Energy: MNRE)

 再生可能エネルギー発電の電力政策・供給計画策定、開発案 件監督・監視

 イ ン ド 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 開 発 庁 ( Indian Renewable Development Agency: IREDA)

 MNRE傘下にて再生可能エネルギー案件への財政支援を実施

 NTPC子会社(NTPC Vidyut Vapyar Nigam Ltd.: NVVNL)

 2002年設立、電力公社(NTPC)の100%子会社

 国家太陽光発電導入計画(後述)にて太陽光発電(メガソー ラー)案件の調達を所掌

 インド太陽エネルギー公社(Solar Energy Corporation of India:

SECI)

 2011年設立、MNRE傘下の太陽光発電調達の実施機関

 国家太陽光発電導入計画(後述)の実施および目標達成のため に設立

 2017年より風力発電の調達も所掌

州政府機関

(州営電力公社)

新エネルギー・再エネルギー省

(MNRE)

IPP 再エネ開発庁

(IREDA)

国営電力公社

NTPC

配電

小売

前頁参照 太陽エネルギー

公社(SECI)

NTPC子会社

(NVVNL)

(17)

3.1.1. 市場環境(電力需要)

経済成長率に併せて発電量成長率も変動が見られるものの、発電量は今後も堅 調に伸びていく見通しである

(TWh)

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 ・・・ 2020 ・・・ 2025 ・・・ 2030 発電量(TWh) 537 593 641 674 729 790 871 916 972 1,054 1,127 1,788 2,294 2,877 発電量成長率(%) 5.1 7.3 6.3 2.7 6.6 5.1 8.1 4.0 6.0 8.4 5.6

経済成長率(%) 9.3 9.3 9.8 3.9 8.5 10.3 6.6 5.5 6.4 7.5 8.0

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

発電量・経済成長率の実績と見通し

発電量(TWh) 発電量成長率(%) 経済成長率(%)

N/A N/A 実績 見通し

年平均6.4%の伸び

出典:IEA (2015) 、CEA (2016)、IMF (2017)を基に作成

N/A

(18)

3.1.1. 市場環境(電源開発計画)

再生可能エネルギーの急増と、石炭火力発電開発の停滞に伴い、 2030 年以降は 再生可能エネルギー源が電源構成の中心となる

2014 2020 2030 2040

原子力 6 10 24 39

石油 7 9 13 15

ガス 23 41 76 122

再エネ(*1 79 147 304 462

石炭 174 230 329 438

0 200 400 600 800 1000

1200

電源開発計画(~2040)

(GW)

289

437

746

1076

(42.9%)

(40.8%) (33.6%)

(52.6%)

(40.7%) (44.1%)

【石炭火力】

建 設 予 定 の 石 炭 火 力 発 電 案 件 ( 総 量 13.7GW) が 建 設 中 止 と な る (20175 月)(*2

(60.2%) (27.3%)

*1: 風力、太陽光、水力、バイオマス

(19)

3.1.1. 市場環境(再生可能エネルギー開発計画)

風力発電と太陽光発電が再生可能エネルギー発電の中心であり、特に太陽光発 電では野心的な導入目標を掲げている

2016/17(*1) 2017/18 2018/19 2019/20 2020/2021 2021/2022

小水力 4.5 4.6 4.7 4.8 4.9 5.0

バイオマス 5.4 6.2 7.0 8.0 9.0 10.0

風力 31.0 35.7 41.0 47.0 53.7 60.0

太陽光 18.8 33.8 49.8 66.8 84.3 100.0

18.8 33.8 49.8 66.8 84.3 100.0

31.0

35.7

41.0

47.0

53.7

60.0

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

200

再生可能エネルギー種別設備容量(~2022)

(GW)

【再生可能エネルギー】

2015年2月、新・再生可能エネルギー省

MNRE)大臣は、2022年までに175GW の再生可能エネルギー(風力、太陽光発 電含む)を導入する計画を公表(*2

風力発電導入計画では、毎年5GW強が 堅調に増加し、2022年までに累積設備 導入量60GWを目指す

太陽光発電導入計画では、毎年15GW 強を増加させ、2022年までに累積設備 導入量100GWを目指す計画がある(次 頁参照)

⋆1: 2016-17年はCEA(2016)記載想定値

*2: India Infoline News Service, 2015年2月28日付報道 出典: CEA (2016)を基に作成

(20)

 2010年のJNNSM策定時の導入目標は、2022年までに0.1GWだったが、2015年の JNNSM改訂時に40GWへ上方修正された

 現地政府機関へのヒアリングによれば、屋根設置型案件の導入遅延を受け(*2)、目標 が20GWへ下方修正される可能性がある

3.1.1. 市場環境(国家太陽光発電導入計画)

2022 年までに 100G Wの太陽光発電の導入を目指している

• インド政府によって、2010年に同国初の国家太陽光発電導入計画(Jawaharlal Nehru National Solar Mission: JNNSM)が発表された。

• 策定当時の太陽光発電導入目標は、2022年までに22GWだったが、2015年の改訂によって、100GW(メガソーラー(Utility-scale)60GW、 屋根設置型40GW)に上方修正された。

• 現在もJNNSMのフェーズ毎の開発計画も継続していると想定されるが、2014年以降は、ソーラーパーク計画によるメガソーラー案件調達 が主流である。

 JNNSMの達成促進への実施手段の一つとして、新エネルギー・再生可能エネルギー

省(MNRE)は、2014年にソーラーパーク計画を追加策定

 インド太陽エネルギー公社(SECI)が州政府と連携し、入札制度で調達を実施している

 事業者の負担軽減を目的に、中央政府が用地取得や系統接続等を支援している

 2014年策定時に合計20GWの案件が計画され(21州34案件)、2016年時点で7.4GW が着工済み

 現地政府機関へのヒアリングによれば、屋根設置型案件の導入遅延分20GWが今後 メガソーラー分として追加される可能性がある

ソーラー パーク

計画

屋根設置型

(40GW) フェーズ

Ⅰ~Ⅲ

2010年

メガ ソーラー

(60GW)

(*1)

 JNNSM策定時に2010-22年を3つのフェーズに分け、入札制度にてメガソーラー案件 を約22GWの調達を計画

 2010年2月の試験的導入による約1GWの調達を経て、同年8月よりフェーズⅠの調達 を開始した

 現地ヒアリングでは、政府機関よりフェーズ毎開発の最新案件情報は入手できず、従 来のフェーズ毎開発への関心は、現在はあまり高くない模様である

2014年

国家太陽光発電導 入計画(JNNSM)

 2010年 の 策 定 時に太陽光発電 の 導 入 目 標 と し て22GWを設定

 2015年 の 改 定 時に導入目標を 100GW に 上 方 修正

 メガソーラー:

60GW

 屋根設置 型:

40GW

(21)

3.1.1. 市場環境(風力発電に係る全国概要)

60GW まで陸上風力発電導入量を増やす計画が動いており、洋上風力発電計画 も現在策定されている

【基本概況】

 開発ポテンシャルは、302GW(高さ100m地点)

 有望地である南部のタミルナドゥ州では、秒速4.47-7.32m(50m 地点)

 国内の風力産業が成熟しており、国内生産能力は10-15GW

 風車は大型風車(高さ120m級)が主流(*1)

【陸上風力開発状況・目標】

 政府導入目標は2022年までに60GWの導入、毎年5GW強を増 加計画

 2016年時点の導入済み設備容量は、30GW弱(*2)

 稼働中の風車台数は約30,000台

 支援策(後述)終了等の駆け込み需要のため、2016年に世界4位 の新設導入数を記録

 2017年の国内初入札での売電価格(2.64-3.46INR/kWh)が安価 になったことを受け、各州は固定価格取引制度(FIT)から入札制 度への移行を検討中

 インド太陽エネルギー公社(SECI)は、太陽光発電に加え、風力 発電の入札(総容量約6GW)の実施を始めている(*1)

【洋上風力開発状況・目標】

 2015年10月に政府は、初の洋上風力発電を計画する政策を発

表し、風況調査を実施中

 2018-19年頃に初の洋上風力発電入札実施が予定されている

(1-2GW)

*1: 2018年2月現地ヒアリングによる

*2: IRENA (2017)では、28.9GW、GWEC(2016)では、29.3GWである 出典:CEA(2016)、GWEC (2012、2016)等を元に作成

302

60 30

0 50 100 150 200 250 300 350

+100%

開発ポテ ンシャル 導入量

(2016年)

将来計画

(2022年)

図:風力発電設備容量推移(現在、将来)

GW

(22)

西部、南部が有望地域であり、なかでも南部のタミルナドゥ州が風力発電事業の 中心地である

既存設備容量

2016年)(GW

新規導入設備容量

2022年) (GW

信用力

*

①タミルナドゥ 7.6 11.9 B

②グジャラート 4.0 8.8 A+

③ラジャスタン 4.0 8.6 B-C+

④アンドラプラデシュ 1.4 8.1 A-B+

⑤マハラシュトラ 4.7 7.6 A

表:州別風力発電導入量(現在、将来)

3.1.1. 市場環境(風力発電に係る地域概要)

• 陸上風力発電に係る開発有望地地域は、沿岸に接している西部、南部、東部地域であり、特にタミルナドゥ州および西部のグジャラート 州は、導入済み設備容量および将来計画共に有望である。

• 洋上風力に関しても、タミルナドゥ州及びグジャラート州沿岸置きが有望である。

• 州を跨ぐ送電線託送料免除措置および送電線整備は中央政府により進められており、今後州間での電力融通が進んでいく見込みであ る。(現地ヒアリングより)

②グジャラート州

③ラジャスタン州

⑤マハラシュトラ州

④アンドラプラデシュ州

①タミルナドゥ州

図:風力発電における有望地

洋上風力 候補地区

(23)

3.1.1. 市場環境(太陽光発電に係る全国概要)

2022 年までに太陽光発電の導入設備容量を 100GW2017 年比約 8 倍)に到達さ せる急進的な目標が掲げられている

【基本概況】

 開発ポテンシャルは749GWと極めて高い

 政府導入目標は100GW(2022年まで)、毎年15GW超が増加

 100GWの 内 訳 は 、 メ ガ ソ ー ラ ー が60GW、 屋 根 設 置 型 が 40GW

 2017年末時点の導入済み設備容量は12.2GW

 インドの多くの地域にて一日あたり5-7kWh/m2の日射量がある

【メガソーラー開発状況・目標】

 国 家 太 陽 光 発 電 導 入 計 画 (JNNSM) に て 、2022年 ま で に 60GWの開発目標が掲げられている

 2014年のソーラーパーク計画時に、まず20GWの入札が実施 され、順調に開発が進んでいる(2016年時点で7.4GWが着工 済み)

【屋根設置型開発状況・目標】

 屋根設置型の開発ポテンシャルは124GW

 JNNSMにて、2022年までに40GWの開発目標が掲げられてい る

 2017年3月時点の導入済み設備容量は1,396MW

 屋根設置型太陽光発電に特化した事業者が存在し、主に産業 分野の大口需要家を対象に、系統からの購入価格より20-30%

安価な電力を供給している(*) 80

11 20 70

50 90 100

40 60

30 20 750

80

10 0

将来計画

(2022年)

100

0.04 1

導入量

(2010年)

+720% 749

導入量

(2017年)

開発ポテ ンシャル 12

図:太陽光発電設備容量推移(現在、将来)

GW

屋根設置型 メガソーラー

2010年 、国 家太陽光発 電導入計画

JNNSM 策定

*:2018年2月現地ヒアリングによる

出典:MNRE(2017)、Bridge to India (2017c)、Science Direct (2016)、Deutsche Bank (2015)、海外電力調査会(2014)より作成

(24)

3.1.1. 市場環境(太陽光発電に係る地域概要)

気象条件の良い西部、南部を中心にメガソーラー案件の導入が進んできたが、北 部、東部でも 10GW 級の開発計画がある

表:州別太陽光発電導入量(現在、将来)

*1: エネルギー省(Ministry of Power)が毎年各州の配電公社の信用力、運営力等を総合した順位を公表(本表は、2017年のもの)

• 西部グジャラート州は年間日射時間が3,000時間を超えており、有望である。

• 南部タミルナドゥ州・西部グジャラート州が、導入済み設備容量が多い一方で、ウッタラプラデシュ州(北部)やアンドラプラデシュ州(東部)

における予定開発設備容量が多い。

図:全天日射量と太陽光発電における開発有望地域

④タミルナドゥ州

⑤グジャラート州

①マハラシュトラ州

③アンドラプラデシュ 州

②ウッタラプラデシュ 州

既存設備容量

(2016年)(GW)

新規導入設備容量

(2022年)(GW)

信用力

(*1)

①マハラシュトラ 0.4 11.9 A

②ウッタラプラデシュ 0.1 10.7 C+-C

③アンドラプラデシュ 0.6 9.8 A-B+

④タミルナドゥ 1.0 8.9 B

⑤グジャラート 1.1 8.0 A+

各州政府は、JNNSMに沿った独自の太陽光発電導入 計 画 目 標 を 掲 げ て お り 、各 州 目 標 の 積 算 総 容 量 は 55GWにのぼる(*2)

(25)

 現在、風力発電では一部の州にてFITが継続されており、太陽光発電ではFITは活用されていない

 FIT制度の概要は、以下のとおりである

 買い取り期間は、風力発電が13年間、太陽光・太陽熱は25年間

 買取価格設定の原則は、一定の株主資本利益率を確保できるよう保証するものである (運転開始か ら10年間は税引き前20%、それ以降は税引き前24%)

 2013年時点の売電価格は、風力発電が5.96INR/kWh、太陽光発電が10.39INR/kWhである(*2) 固定価格取引制度

(FIT)

(現在は風力発電 のみ適用)

ネットメータリング 制度(NMS)

RPOFIT 等の再生可能エネルギー振興策が整備されている

 所属税法に基づき、一定割合の加速減価償却(Accelerated Depreciation)を設置初年度に行うことができる 制度(現行の80%より、2017年に40%へ減額された模様)

加速減価償却 インセンティブ

3.1.1. 市場環境(制度・振興策)

 再生可能エネルギー分野への外資による投資許可

 関税減免措置(但し、2018年に政府機関は輸入太陽光製品への関税措置の意向を表明(*3))

税制優遇・

その他支援策

 2010年に一定割合の再生可能エネルギー調達を各州政府に義務付ける制度(RPO)を導入

 2017年時点の目標値は7%、2020年時点の目標値は15%

 2011年には太陽光に限定したRPOを開始し、目標値を3%(2022年時点)とした(2015年に8%へ上方修正)

(導入状況は次頁参照)

再生可能エネルギー 調達義務制度

(RPO)(*1)

共 通

太 陽 光 風 力

*1: 日本における再生可能エネルギー利用割合基準(RPS)制度と同等の規定であるが、再生可能エネルギー調達の義務は州にある

*2: 現在は入札制度へ移行し売電価格は下落傾向である

*3: Bridge to India (2017c)

 屋根設置型太陽光発電を対象とし、屋根設置型太陽光発電の設置者が余剰電力を売電可能とする制度

 NMSの運営主体は州政府(導入状況は次頁参照)

 2010年策定の国家太陽光発電導入計画(JNNSM)にて、太陽光発電案件への入札制度を導入

 太陽光発電案件では、新・再生可能エネルギー省傘下の中央政府機関(NTPC子会社(NVVNL)および(イン ド太陽エネルギー公社(SECI))が入札を実施

 風力発電案件への入札制度も、2017年よりSECIが一部開始(太陽光での入札制度導入の成功のため ) 入札制度

(26)

州政府が制度・振興策を主導しているが、取り組み方針や政策実行力は、州毎の 差が顕著である

3.1.1. 市場環境(州レベルでの振興策の取組)

• 太陽光発電に特化した再生可能エネルギー調達義務制度(RPO)への取り組み方針(*1)は4つに分類され、西部が最も積極的である。

• 自家発電における余剰電力を販売可能なネットメータリング制度(NMS)は、西部・中南部の一部の州にて導入状況が進んでいる。

• RPOやNMS以外にも、州毎で独自の制度・振興策を有している。

州別のネットメータリング制度(NMS)導入状況

 西部グジャラート州、東部アンドラプラデシュ州、南部カルナタカ 州の3州でのNMSの導入状況は良好である

 一方で、東部および中部の州を中心に、大半の州ではNMSの導 入が遅延している

州別の太陽光発電向けRPO取組方針

西部(ラジャスタン州、グジャラート州他)

 方針:8%、背景:積極推進(中央政府支援が期待できる)

南部(アンドラプラデシュ州、カルナタカ州他)

 方針:3%超、背景:通常火力・水力発電コスト高のため再生可能 エネルギー積極活用方針

中部・北部(一部)(マディヤプラデシュ州、ウッタープラデシュ州他)

 方針:3%(努力目標)

北東部(ウエストベンガル州、ビハール州、他)

 方針:なし、背景:太陽光発電は優先政策課題に入らず

付加価値税還付

タミルナドゥ州 タックスホリデ―

(一定期間の減免措置)

アンドラプラデシュ州 マハラシュトラ州 ファイナンス支援

電力税免税 グジャラート州、ラジャスタン州、マハ ラシュトラ州、アンドラプラデシュ州

導入州の例(*2)

*1: 2011年制定の目標値3%および2015年改訂の目標値8%への取り組み方針

(27)

3.1.1. 市場環境(制度課題・留意点)

州政府の厳しい財務事情、系統整備の不足等の課題が問題視されている

 入札制度へ移行済みの太陽光発電に加え、風力発電でも固定価格取引制度(FIT)から入札制度への移行が開始 され、風力・太陽光発電共に売電価格が大幅に下落

 国家太陽光発電導入計画(JNNSM)では、短期間での売電価格の大幅な下落により、州政府と事業者間で入札 時に合意済みの売電価格での売電契約締結が拒否される例が出ており、事業リスクが高まっている(*)

売電価格の下落

 太陽光発電設備の国内産業業育成方針を打ち出しており、現地化要求が強まる見込みである

(太陽光製品への輸入関税の適用措置、入札実施時の国産品規定、他)

制度・振興策の 方針変更

 政府開発計画では2022年までに風力発電60GW、太陽光発電100GWとの大規模な再生可能エネルギーの導入 が計画されており、再生可能エネルギー導入による系統への影響(不安定化)が予測される

 各州では系統の安定化に向けた対策が実施されているが(次頁参照)、インド全土での送電網構築、中央政府によ る系統管理システム、蓄電池の導入には至っていない

 送電ロスが多く(約30%)、配電会社の財務を圧迫している 系統整備不足

 州政府の財政事情が厳しい状況の中、他のエネルギーと比してコストが高い再生可能エネルギー発電の導入が進 み難い

 州により、州政府機関の信用力の差が大きい 州政府機関の

財務体質

 ネットメータリング制度(NMS)の普及遅延、州配電会社の消極的対応等を背景に、屋根設置型太陽光発電の普及 が遅延している(金銭面での明確なインセンティブが求められている)

 屋根設置型太陽光発電は案件規模が小さく、大規模な導入の実現が困難である(地場銀行へのヒアリングによる)

屋根設置型太陽光 発電の普及遅延

*: Bridge to India (2017c)

 配電側は技術的な課題が多く、特に地方州では変電所整備および配電オペレーター技術が不足している

 変動幅の大きい再生可能エネルギー導入により、今後更に高いオペレーター技術が求められる 配電側の

技術的課題

(28)

3.1.1. 市場環境(課題への対応:系統安定化)

中央政府及び一部の州政府は、大規模な再生可能エネルギー導入を見据えた系 統への影響軽減策を検討・実施している

• 一部の州政府では、大規模な再生可能エネルギー導入を前提とした系統への影響軽減策を実施している。

• 州間の連系系統については、中央政府が対策を実施している。

• 再生可能エネルギーが既に大量導入されている一部州(タミルナドゥ州他)では実際に系統への影響が出ている。(*1)

• スマートグリッドおよび蓄電池による実証案件の開発が始まっている。

 州を跨ぐ送電線の託送料免除(2019年2月 までに運転開始の案件対象)

 中央政府による州を跨いだコントロールセン ターの整備(2019年までに導入見込み)

州間送電 託送料免除・

コントロール センター設置

 独立系事業者(IPP)含む発電事業者へ、15 分毎の発電計画の政府機関への事前提出 の義務付け

 計画外運転へ高額なペナルティーを設定

 事業者のEMS、発電量予測の発電事業へ の積極導入のインセンティブとして機能 発電計画

 気象条件による再生可能エネルギーの発電 量を予測するシステムの導入

発電量予測

(Forecasting)

 自動制御を行い最適な状態での運転を行う システムであるエネルギーマネージメントシ ステム(EMS)の発電所への導入

 5MW以上の案件にEMS導入を義務付け

エネルギー マネジメント システム

(EMS)

グジャラート州・-エネルギーパーク事業(*2)

 グジャラート州において、太陽光(約5MW)・蓄電池等を組み合 わせたエネルギーパークを開発する実証案件(通称、モデラ案件

(Modera)と呼ばれる)

 州政府・州政府機関が主導し、中央政府(MNRE他)とも連携し ている

 2018年中の入札が見込まれている

新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)-スマートグリッド案件

 ハリヤーナ州で実施されている実証案件

 期間は2015~2018年度の3年間

 2015年12月に覚書(MoU)締結、2016年11月より実証開始

 富士電機、住友電工、THEパワーグリッドソリューションが参画

 スマートグリッド関連技術の実証事業(スマートメータ設置、監視 制御システムでのデータ収集監視・制御によるピークロード低減 技術等の実証)、配電システム運用のキャパシティビルディング を実施

 スマートメーターはインド現地生産を行う

(29)

3.1.1. 市場環境(インドにおける対外協力関係例)

インド政府は、国際機関や各国政府支援を受け、再生可能エネルギー分野の拡 大を進めている

2009年

• 米 国 貿 易 開 発 庁

(USAID) に よ る 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギー分野への融資

2016年

• 米国政府との間 に 、 米 国 イ ン ド クリ ーンエネル ギ ー フ ァ イ ナ ン ス機関の設立

• 中国政府と太陽 光 製 品 の 現 地 生産および屋根 設 置 型 太 陽 光 発 電 導 入 へ の 協力を合意

2013年

• ドイツ政府とのグリーンコリドー 計画による国家送電網整備の 推進

• 欧州政府による洋上風力案件 開発への支援

2007年

• アジア開発銀行(ADB)による国 内初の風力発電案件への融資

2011年

• 国際協力機構(JICA)によるイ ンド政府機関(インド再エネ開 発庁(IREDA))への再エネ分 野での円借款供与

 2014年に第二回目円借款 供与を実施

日 本 政 府

国 際 機 関

・ 他 国 政 府

(*)

2012年

• 経済産業省による デリ ーム ン バイ間 産業大動構想策定

(*)

2014年

• 新 エ ネ ル ギ ー ・ 産 業技術総合開発機 構 (NEDO ) と ス マート コ ミ ュニテ ィ 分野等の協力合意

2015年

• JICAによるチェンナイ・

バンガロール間産業回 廊構想策定(*)

• NEDOによるスマートグ リッド関連技術実証事業 に関する合意

*: 国際機関・他国政府については、新エネルギー・再エネルギー省(MNRE)が窓口の事例 出典:各種報道、各企業ホームページ掲載情報を基に作成

(30)

1.事業概要

欧州政府からの無償資金供与(4百万ユーロ)を基に、インド政府機関・企業および在欧州風力事業者団体(GWEC)によってインド洋上風力機構

(Facilitating Offshore Wind in India:FOWIND)が設立された。

地場の研究機関(CSTEP、WISE、NIWE*)、グジャラート州電力公社(GPCL)、事業者であるリニューパワーがFOWINDに参加している。また、インド中央政 府(新エネルギー・再エネルギー省(MNRE))や州政府(グジャラート州)とも連携が取られている。

FOWINDは、 2013年からの約4年間(2013年12月~2018年3月)で、インド初の洋上風力開発を目指した幅広い取り組みを進めている。主な取り組みは、① 洋上風力発電のポテンシャル確認のための基礎環境整備(風況マッピング、政策ガイドライン、人材育成)、②技術・ファイナンス課題の軽減策の検討、③ 2032年までの洋上風力開発計画(Wind Outlook)である。

2015年には、MNREによってインドの洋上風力計画が公表され、FOWINDへ参画しているNIWEが計画の実施機関に認定されるなど、FOWINDの活動がイ ンド政府による洋上風力案件開発への具体的取り組みに繋がっている。

具体的な洋上風力案件候補地として、西部グジャラート州および南部タミルナドゥ州沖合が設定され、初期調査が実施されている。

2.事業経緯

再生可能エネルギーに関するインド・欧州政府協議間に経て、FOWINDが欧州政府の資金支援によって設立されている。

欧州政府は、1990年代からの豊富な洋上風力発電の開発経験を元に、(FOWINDを介して、)洋上風力案件開発にかかる基礎環境整備から開発計画の策 定までの幅広い支援を行うことで、インドでの洋上風力分野での欧州のプレゼンス向上を目指している。

3.成功要因

欧州での豊富な実績・知見を基に、インド側関係者(中央政府、州政府、地場事業者)を広範に巻き込んだ組織化を行ったことで、海外技術のトップダウン(押 し売り)ではなく、現地の状況を反映させたボトムアップ方式で、インドによる具体的かつ円滑な取り組みに繋がったと考えらえる。

実際に欧州が豊富な経験を有する洋上風力分野としたことで、インド政府との共同開発合意に至ったと想定される。

3.1.1. 市場環境(洋上風力案件開発計画への欧州の関与例)

欧州政府は、 2013 年よりインドでの洋上風力開発への支援を進めている

*: 科学技術政策機関(Center for Study of Science, Technology and Policy)、世界サステナブルエナジー研究所(World Institute of Sustainable Energy)、

(31)

1.事業概要

グリーンコリドー計画とは、既存の送電網への新たな再生可能エネルギー導入のため に、インド政府がドイツ政府と連携し、州と州を結ぶインド全土での包括的な送電網を 整備する計画である。本計画により、再生可能エネルギー発電量の多い州から少な い州へ効率的に送電を行うことが可能となる。

計画の実行は、インド送電公社(PGCIL)が主導し、ドイツ復興金融公庫(KfW)および アジア開発銀行(ADB)が資金面での支援を行っている。公表情報によると、インド政 18億米ドル、ADB10億米ドル、KfW10億ユーロが拠出されている模様である。

また、ドイツ国際協力公社(GIZ)による技術的支援(発電量予測、系統管理等)も実施 されている。

2.事業経緯・進捗

20127月には、PGCILにより、再生可能エネルギー導入を想定した送電網整備計 画が公表され、インド全土での送電網整備案が提案されている。(右図)

その後、2013年にインド・ドイツ両国政府によりグリーンコリドー計画に関する共同宣 言が行われた。

グリーンコリドー計画は、新たにドイツ政府によって作成されたものでなく、既存の送電 網整備計画を土台し、実際の整備を進めていくために開始されたものと考えられる。

進捗としては、再生可能エネルギーに注力している州におけるソーラーパークの電力 を国内の基幹送電網へ接続する計画が進行中である。

3.1.1. 市場環境(グリーンコリドー計画にかかるドイツ支援例)

インド全土での送電網整備を目的に、 2013 年よりグリーンコリドー計画が開始して いる

出典:PGCIL (2012)

図:インド送電公社による送電網開発計画(2030年)

参照

関連したドキュメント

エネルギー状況報告書 1 特定エネルギー供給事業者の概要 (1) 特定エネルギー供給事業者の氏名等

再生可能エネルギー発電設備からの

同一事業者が都内に設置している事業所等(前年度の原油換算エネルギー使用量が 30kl 以上

再エネ電力100%の普及・活用 に率先的に取り組むRE100宣言

出典:総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会

2 省エネルギーの推進 東京工場のエネルギー総使用量を 2005 年までに 105kL(原油換 算:99 年比 99%)削減する。.

*一般社団法人新エネルギー導入促進協議会が公募した 2014 年度次世代エネルギー技術実証事

*一般社団法人新エネルギー導入促進協議会が公募した平成 26 年度次世代エネルギー技術実証