• 検索結果がありません。

問題 20 フルオロデオキシグルコースと PET イメージング

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "問題 20 フルオロデオキシグルコースと PET イメージング "

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

問題 20 フルオロデオキシグルコースと PET イメージング

ポジトロン断層法(Positron Emission Tomography (PET))は放射壊変により放出される陽電子+) の存在分布を生体内で調べることができる核イメージング法である。β+放出種の中で、18F は特徴的 な性質(半減期t½ = 109.74 min; β+放出による壊変; 18Fの比放射能 = 6.336·1019 Bq mol‒1)を有して おり、数多くの用途に用いられている。18F は、水溶液中での 18Fによる求核過程を経ることにより有 機分子に導入することができる。

注意: Bqはベクレル単位を意味する。これは1秒あたり 1回の壊変に対応する放射能の単位であ る。

世界規模で流通する PET イメージング用の放射ラベル化分子は極めて少ないが、その中でも は 2-デオキシ-2-[18F]フルオログルコース([18F]-FDG)は最も広く使われている。この問題では有機化 合物と18Fから[18F]-FDGを合成することについて検討する。

O HO

HO

HO 18

F OH [18F]-FDG

1位での反応性と立体化学

[18F]-FDGの α体からβ体への異性化はプロトン性溶媒中で2つの異なる機構に従って起

こる。

O O

18F HOHO

HO

H H H O H

OH

18F HOHO

HO

H

O H

18F HOHO

HO

O H H

O H

18F HOHO

HO

OH O

O

18F HOHO

HO

H H

H H

H

H [18F]-α-FDG

[18F]-β-FDG cyclic intermediate

conformer 1 acyclic

conformer 2 acyclic H

H

H

H

訳注) cyclic intermediate:環状中間体 conformer:配座異性体 acyclic:非環式の

1. 環内結合開裂経路では、2つの非環式異性体間に平衡が存在し、それぞれが再度閉環 することにより、[18F]-α-FDG と[18F]-β-FDG 両方の化合物が得られる。[18F]-α-FDG と [18F]-β-FDGをそれぞれ生成する2つの非環式配座異性体(上図のconformer 1 acyclic, conformer 2 acyclic)の構造を描きなさい。

2. [18F]-α-FDG と[18F]-β-FDGの構造上の関係性として正しいものを選びなさい。

(2)

 [18F]-α-FDG と[18F]-β-FDGはエナンチオマーである。

 [18F]-α-FDG と[18F]-β-FDGはエピマーである。

 [18F]-α-FDG と[18F]-β-FDGはジアステレオマーである。

 [18F]-α-FDG と[18F]-β-FDGはアトロポイソマー(軸不斉体)である。

3. 空欄になっている環状中間体(cyclic intermediate)の構造を描きなさい。

18Fの変遷及び同位体分布と壊変の分子的顛末

18Fは陽電子10𝛽𝛽+の放出によって壊変する放射性同位体である。

4. 18Fの放射壊変の原子核反応式を書きなさい。

5. [18F]-FDGの壊変により生じるヘキソース(六炭糖)の分子構造式を描きなさい。

6. 時間の関数としての放射壊変反応の速度式を書き、壊変定数(λ, 放射壊変反応の速度 定数)の値を決定しなさい。

7. イメージングを目的とした人体への投与は 1 回あたり 370 MBq を必要とし、投与後イメ ージングを行うまで患者は 1 時間の休息が必要であるとする。(i)イメージング中、(ii)投 与してから4時間後の残存放射能をそれぞれ計算しなさい。

求核的放射性フッ素化による2-デオキシ-2-[18F]フルオロ-グルコースの合成

D-マンノースは求核的放射性フッ素化による 2-デオキシ-2-[18F]フルオログルコース合成

を行うのに必要な出発物質である。

8. 完全な立体制御を伴うマンノース類からグルコース類への変換に使用できる反応の種 類を以下より選びなさい。

 SN2 求核置換

 SN1 求核置換

 脱離-付加機構

D-glucose O HO HO

HO OH

OH

D-mannose O HO HO

HO OH

1 OH

3 2 5 6

4

訳注)glucose: グルコース mannose: マンノース

必要となる過アセチル化マンノーススルホン酸塩 E の合成を以下に示す。E は放射性フ ッ素化反応の前駆体である。

(3)

O HO HO

HO OH

OH

Ac2O NaOAc 110 °C

O AcO AcO

AcO OAc OAc

HBr AcOH CH2Cl2

O AcO AcO

AcO O O

OEt 1 M HCl

Acetone O

AcO AcO

AcO OH OAc (RSO2)2O

Pyridine CH2Cl2 O

AcO AcO

AcO OSO2R OAc

O AcO AcO

AcO OAc Br

A B

C D

E

N 2,4,6-collidine:

EtOH CH3CN 2,4,6-collidine D-Mannose

訳注)Ac:アセチル基 Et:エチル基Acetone:アセトン Pyridine: ピリジン collidine: コリジン

9. 最初の過程は D-マンノースの過アセチル化による Aの生成である。この反応条件下で のアルコールのアセチル化での四面体中間体を示しなさい。

10. A → Bの変換反応において、酢酸イオンの置換は、環内の酸素原子のα位で選択的に 起こる。この変換反応におけるカルボカチオン中間体を描き、この選択性に寄与する電 子的効果を示しなさい。

11. B から C への変換反応において、次のうちエタノールの役割として正しいものを選びな さい。

 求核剤

 求電子剤

 不活性な溶媒

12. 同じくB からCへの変換反応において、次のうち2,4,6-コリジンの役割として正しいもの を選びなさい。

 求核的触媒

 塩基

 共溶媒

C からDへの変換反応の中間体の一つがC’である。

O AcO

AcO

AcO O O

OH C’

13. CC’の間のイオン反応中間体の構造を描きなさい。

(4)

[18F]-FDG の生成は最終的に次のようにして達成される。上のスキームでは一般式 E で描 かれた化合物は次のスキームの枠内のF, G, Hのいずれかである。

OO AcAcOO AcAcOO

AcAcOO OSOSOO22CFCF33

OAOAcc

[[1 818FF]]--KKFF ccrryypptt--222222

CCHH33CCNN rreefflluuxx

OO AcAcOO AcAcOO

AcAcOO 1188FF OAOAcc

OO HOHO HOHO

HHOO 1818FF OHOH

JJ:: [[1818F]]--FF FDDGG 1// C1 C1188

sosolliidd pphhaassee eexxttrraaccttiioonn 22// 11MM HHCCll

rreefflluuxx

OO AcAcOO AcAcOO

AAccOO OSOSOO22MMee OOAAcc

OO AAccOO AAccOO

AcAcOO OSOSOO22CC66HH55

OAOAcc

FF

II OO

AcAcOO AcAcOO

AAccOO OSOSOO22RR OOAAcc

EE

EE =

= oorr orro

GG HH

訳注) crypt-222:クリプト-222 reflux:還流 solid phase extraction:固相抽出

14. Iを生成する求核置換反応において、3つの化合物F, G, Hのうち最も反応性が高いも のを決定しなさい。

クリプト-222は次のような構造をしている。

O N

O

O O

N O O

15. なぜクリプト-222を用いることでフッ化物イオンの求核性を上げることができるのか?正し いものを一つ選びなさい。

 クリプト-222 はカリウムイオンをキレートすることでフッ化物イオンの求核 性を上げる。

 クリプト-222はフッ化物イオンをキレートすることでフッ化物イオンの求核 性を上げている。

 クリプト-222 は選択的に 18Fをトラップすることで放射性フッ素化の収率 を上げている。

 クリプト-222 は E をキレートすることでフッ化物イオンによる置換を促進 している。

C18固相抽出は極性化合物と無極性化合物の分離を行う精製過程であり、混合物を担持さ せたカートリッジにまず水を通すと極性化合物が溶出し、無極性化合物はカートリッジ内に 担持されたままとなる。次に有機溶媒をカートリッジに通すと無極性化合物が溶出する。

16. [18F]-FDG 生成過程において、最初の洗浄(あるいは溶出)はわずかに酸性の水(pH3

程度)で行い、次いでアセトニトリルで洗浄する。次のうち正しい記述を選びなさい。(pKa

値のリストはこの問題の最後に記載してある)

(5)

 クリプト-222が最初に溶出し、次いで[18F]-FDGが溶出する。

 [18F]-FDGが最初に溶出し、次いでクリプト-222が溶出する。

 グルコース誘導体が溶出する一方で、クリプト-222はC18カラムに担持さ れたままである。

17. 18Fが制限物質であることを考慮すると、[18F]-FDGと単糖が酸加水分解の後に得られる ことになる。この単糖の構造を描きなさい。生体イメージングで投与する前に[18F]-FDG からこの単糖を分離除去する必要がないのはなぜか?

EからJが選択的に生成する過程には全体で30分を要し、Jが75%の収率で得られる。

18. イメージング目的で人体に 1 回投与するのに必要となる[18F]-FDG の量を知りたい。上 図スキームの最初の反応において最低必要な18Fの物質量を計算しなさい。

298 Kでのデータ:

AcOH/AcO

pKa 4.8

ROH/RO 15.5 – 17

N N H

ピリジニウム/ピリジン

5.23

NH N

2,4,6-コリジニウム/2,4,6-コリジン

7.43

O O

N

O O

O NH

O

O O

N

O O

O N

O

モノプロトン化 クリプト-222/クリプト-222

8.5

参照

関連したドキュメント

で手洗いを行った。ハンドソープを用いずに 10 秒間洗浄(条件 3)、ハンドソープを用いずに 30 秒間洗浄(条件 4)、ハンドソープを使用して 30 秒間洗浄(条件

Sheet No.: D2-A06501 FJP 溶剤浸漬洗浄:   溶剤温度: 45℃  浸漬時間:3min以内

無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を留去し少

次に,洗浄後の様子を図-4 に示す.洗浄前と洗浄後比 較した結果,マイクロバブル洗浄で汚れが落ちてきれい

洗浄条件 ● 水系洗浄

   我々は当 初本研 究の対象とした塵肺患者の腫瘍の評価には FDG よりも MET の方が優れると予測

温水ですすぎを行います。 SURESHOT インターフェース のクリーニング SURESHOT

洗浄の基礎 ⑴ 「洗浄」の定義