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科学と行政の間

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Academic year: 2021

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(1)

監 視  点 ヨ  

ギ・;:ご  

ヾケ カ∴.串√. ′カ 仰  

1月17日に発生した阪神大震災は、関東大震災以来の大きな地震災害となった。  

被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。   

このちょうど10日前の1月8日の日本経済新聞に、「琵琶湖〜大阪の断層 大  

地震を起こすエネルギー蓄積」との記事が載っていた。これは、立命館大学の見野  

和夫教授が、「琵琶湖西岸から大阪に至る花折。金剛断層系で300年以上も目立  

った活動がなく、マグニチュード7クラスの地震を起こすエネルギーを蓄えている   可能性が高い」として、「関西は地震に対する意識が薄く、防災体制が不十分」と  

警告していることを紹介したものである。   

議論の対象となっている活断層は、今回の地震の原因となった活断層とは別のも  

のと思われるが、同じ関西地方の話題であり、大震災の可能性を指摘し、その備え   を呼びかけたものとして、今思えば、実に貴重な記事であったと言うことができる。   

ただ、ちょっと残念に思ったのは、地震の起こる時期として、「21世紀半ばま  

でに」と漠然と表現されている点である。これでは読者に対するインパクトも弱い  

だろうし、また、行政が対応するにしても、数多い政策課題の中でどれ位のプライ   オリティをもって受け入れられるか、現実問題としては心許ないという感じが強か  

った。   

一方、阪神大震災発生直後のテレビ報道の中で、ある地震学者が「東海地震とい   えども、本当のところは予知は困難である。研究費や対策費を確保するために、敢   えて予知が可能であるとした経緯がある。」と話しているのを見かけた。にわかに   は信じ難い詣であるが、地震の予知という新しい分野の詣であるだけに、あるいは、  

と思った視聴者もいたに違いない。   

この二つのことから考えさせらたことは、科学の成果をいかにして適切に行政に  

反映させてゆくか、という問題である。科学は、科学者間の見解の対立や論争を経   て進歩してゆくものであり、最初から定説があるわけではない。他方、行政におい   ては、何らかの確固としたものに基礎を置かなければ、実務に耐えられないという  

面がある。その意味では、今回の地震は、活断層に起因する直下型の地震が、ある   程度の幅はあるにせよ、周期的に発生するということを現実に裏付けたものと考え  

られ、今後、南関東における直下型地震対策も含め、総合的な震災対策が強力に推   

(2)

進されなければならないと思う。   

科学者であり、随筆家でもあった寺田寅彦の「天災は、忘れた頃にやって来る。  

」という警鐘をあらためて実感させた今回の大震災であっ一た。  

(紳士地総合研究所 専務理事  

森   悠   

参照

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