前書き:OECD 既存化学物質初期評価シリーズ
化学生物総合管理 第 5 巻第 2 号 (2009.12) 192 頁 受理日:2009 年 12 月 28 日
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前書き: OECD 既存化学物質初期評価シリーズ
この特集シリーズでは主に経済協力開発機構 (OECD) が世界の高生産量 (HPV) 化学物質 について実施している人および環境の化学物質曝露の影響に関する包括的な初期リスク評価プ ログラムの概要や進捗状況を紹介している。
このプログラムは化学物質の包括的な初期リスク評価の代表事例であり、具体的にはOECD 加盟国政府と化学産業界が国際的な協働体制の下で、HPV化学物質について人および環境への 影響の評価に必要なスクリーニング情報データセット (SIDS) を整備し、定期的に開催する初 期評価会議 (SIAM) において審議し、追加対策の必要性を判定している。
この号では本シリーズの第8回目として次を収載した。
1) 高橋美加他 “OECD化学物質対策の動向(第15報)-第25回、第26回OECD高生産 量化学物質初期評価会議(2007年ヘルシンキ、2008年パリ)”
2) 松本真理子他“OECD高生産量化学物質点検プログラム:第27回初期評価会議概要”
OECDの既存化学物質評価プログラムでは2005年から2010年までの6年間に約1,000物質 の初期リスク評価を行うことを目標として取り組んできたが、2009年4月の時点で500物質程 度の評価にとどまり、残りの化学物質の中にはスポンサーが決まっていないものも多い。
しかし、このプログラムに参加している各国政府および化学産業界の評価能力は SIDS に基 づく初期リスク評価を通じて技術力を高め、最近では選択的評価や優先順位設定ツールの使用 など効率的な評価手法を導入したり、EU、カナダ、アメリカなどの国内評価プログラムの成果 を取り入れて協働作業を加速化する取組みも活発に論議されている。(H. Y.)