Investigation and training of key points in the handover process at a psychological clinic
石田, 哲也
九州大学大学院人間環境学研究院九州大学心理教育相談室
佐々木, 玲仁
九州大学大学院人間環境学研究院九州大学心理教育相談室
https://doi.org/10.15017/1448970
出版情報:九州大学総合臨床心理研究. 5, pp.25-35, 2014-03-27. Center for Clinical Psychology and Human Development, Kyushu University
バージョン:
権利関係:
Bulletin of Center for Clinical Psychology and Human Develoβment, Kyushu Universi
か
Vol. 5, P.ρ . 25‑35.
大学院附属相談室におけるケース引き継ぎの留意点に関する 調査と研修の報告
石田哲也九州大学大学院人間環境学研究院,九州大学心理教育相談室 佐 々 木 玲 仁 九 州 大 学 大 学 院 人 間 環 境 学 研 究 院 九 州 大 学 心 理 教 育 相 談 室
要約
本研究の目的は,心理面接における個別ケース引き継ぎの留意点を整理し引き継ぎに伴うクライエント およびセラピストの心理を検討するための指針を得ることである。まず,九州大学心理相談室において実際 に相談員が経験した,セラピストの都合によるケース引き継ぎの実態を質問紙によって調査し,配慮したこ とや難しさ,今後引き継ぎを行うに当たっての不安を整理した。相談員2年目以上になると,ほとんどの相 談員が引き継ぎを受ける経験をしていたが,ケースを引き継いで渡す経験はほぼ無いことが示された。自由 記述の結果から,ケース引き継ぎにおける「情報の引き継ぎ」,「後任者の決め方・出会い方」,「面接内容J
が大枠の検討点となった。その後の研修によって,相談員にとっては,引き継ぎへの意識づけが高まり,具 体的な引き継ぎの留意点を考えると同時に,それぞれの担当ケースとの向き合い方を見直す機会となった。
今回の調査・研修を通して,ケース引き継ぎは難しいものであるという認識が強まり,具体的な引き継ぎの 留意点が見えてきた。
キーワード:ケース引き継ぎ,大学院附属心理相談室,初学者
I 問題と目的
本稿は,大学院附属の心理相談室におけるケー ス引き継ぎの実態調査と相談員研修について報告 するものである。
1.ケース引き継ぎとは
河合(1970)がまとめたところによると,心理 面接の終結とは,自己実現の観点からみてクライ エントの人格に望ましい変化が生じ,訴えていた 症状や悩みなど外的な問題が解決され,それらの 関連性がよく了解され この点についてセラピス トとクライエントが十分に話し合って確認できて いることがめやすとされている。そういった意味 では本来は望ましくないのだが,担当セラピスト の退職や転勤などの都合により,心理面接が終結
したり,担当者が交代したりすることが実際には 多い。担当者の退職以外にも,広い意味での担当 者の交代は,例えば,セラビストや機関の限界,
医療等の援助が必要という判断,転居等の物理的 理由などにより他機関に紹介することも含まれる。
深く考えるとそれぞれ一言では表せない特徴を 持っているが,本稿では,大学院附属の相談機関 という当相談室の特性を考慮して,セラピストの 退職等の都合により同一機関のまま心理面接の担 当者が交代することを,ケース引き継ぎとして取
り上げる。
このようなケース引き継ぎは多くの臨床現場で も生じていることが容易に推測されるものの,心 理面接のケース引き継ぎに関する先行研究は多く はない。そこで本稿では,当相談室におけるセラ ピストの都合によるケース引き継ぎの現状につい て明らかにし初学者のケース引き継ぎに関する 具体的な留意点の検討を行う。また「ケース引き 継ぎ」という言葉はセラビスト側の事情であるが,
主体が前任者なのか後任者なのかが暖味であり,
ここに語りにくさと取りこぼしがちな問題がある ように思われるため,ケースを「渡す
J
,ケース を「受け取る」という表現で立場を極力明確にし なカ宝らf食言すする。2.ケース引き継ぎの難しさ
ケース引き継ぎは,クライエントにとっては,
セラピストの一方的な都合により,前任者との別 れと後任者との出会いを同時に体験させられる出 来事である。引き継ぎに際してクライエントは,
怒り,無力感,見捨てられた感じなどの感情に加 えて,新たな関係をつくる負担や未知への不安を 体験する(加藤, 1995)。このような引き継ぎに 伴う悲哀の作業につきあうことは,クライエント の心理療法に取り組むことであり,逆に別れの痛 みを回避することは問題解決の機会を奪ってしま
うことになる(仲亀, 2008)。
しかしながら引き継ぎは,セラピストにとって も大変な作業である。ケースを渡すセラピストは,
自分の都合により別れを体験させなければならな い罪悪感や抑うつ ケースを引き渡すことへの嫉 妬心や安堵を感じることもある(仲亀, 2008;
Wittenberg, 1970)。セラピストがそれを避けよう とすると,クライエントに伝えるのが遅くなった り,さらりと言うだけになったりする傾向が生じ ることも指摘されている(仲亀, 2008)。別れに 伴うクライエントや自分自身の痛みに向き合うこ とに加えて,現実的にはどのようなセラピストに 渡すのかというケースマネジメントも求められる。
ケースを受け取るセラピストにとっては,前任者 との人間関係や,引き継ぎ後の協力のあり方など も様々な形でケースに影響し(加藤, 1995),引 き継ぎの状況によっては 後任者は前任者への戸 惑いや陰性感情を抱くこともあることが指摘され ている(仲亀, 2008)。
以上のようにケース引き継ぎは,クライエント にとっても,ケースを渡す/受け取るセラピスト にとってもかなりのエネルギーを要するものであ り,普段の面接にまして細心の注意と配慮が必要 となる(加藤, 1995。)
3.本稿の目的
大学院附属の相談室では大学院生が相談員とし て勤務しているため 担当者の大学院修了に伴う
退職というセラピスト側の一方的な都合で心理面 接が終結することが避けられない。相談員の退職 を機会として終結となることもあるが,担当者が 交代し継続される場合も多い。例えば九州大学心 理教育相談室では毎年数十名の相談員が退職する が, 20日年度末に次年度も継続となったケース 84 件のうち, 30件のケースで担当者が交代している。
このように,大学院附属の相談室ではケース引 き継ぎは年度末に必ず生じる事態であり,その作 業はクライエントにとってもセラピストにとって も困難を伴うものであることが指摘されている。
当相談室ではケース引き継ぎに当たって,スー パーバイザーや指導教員 相談室主任,周りの相 談員等に相談することを推奨しているが,面接を 実施するのは担当している相談員であり,担当者 の臨床的判断に委ねて対応せざるを得ない。実際 のところ,ケース引き継ぎに伴う様々な問題点が 検討事項として挙がっているものの,それをまと めたものはなく,具体的な対策は得られて来な かった。
とりわけ大学院附属相談室においては,心理面 接の初学者である大学院生が相談員をしている都 合上,ケースを引き継ぐという作業自体が担当者 にとって初めてであり また引き継がれるケース は修士課程・専門職学位課程l年生のイニシャル ケースとなることも珍しくない。引き継ぎに伴う クライエントやセラビストの心理についてケース ごとにしっかりと考える機会を持つためにも,渡 す側も受け取る側も初学者であることを考慮した,
ケースヲ|き継ぎ時の具体的な留意点をまとめるこ とが必要であると考えられる。
今回,ケース引き継ぎに関して実際に相談員が経 験した状況を調査し,配慮したことや出会った困難 を整理し,その結果を用いて相談員研修を行う機会 を得た。このような形で研修を行ったことは初めて であり課題も多いが,今後のケース引き継ぎのあり 方を考えていくためにもここに報告する。
石田・佐々木 大学院附属相談室におけるケース引き継ぎの留意点に関する調査と研修の報告
27II 調査 1.目的
まず,ケース引き継ぎに関して相談員が実際に 体験した出来事や,難しいと感じている点今後 ケースを引き継ぐに当たって考えていることを明 らかにするため,質問紙調査を行った。
2.方法
2012年10月16日に 当相談室相談員に対しケー ス引き継ぎについての質問紙調査を実施し, 66名
(相談員1年目25名, 2年目28名, 3年目 4名, 4年目 2名, 5年目7名)の回答を得た。
調査は授業時間(45分)を利用して行われた。
引き継ぎの体験について想起しやすくし,イメー ジアップを図るため,まず相談室主任から当相談 室における引き継ぎのシステムについて説明を 行った後,教員から引き継ぎに関する一般的な留 意事項について講義を行い デイスカッションを 行った。
講義終了後,①引き継ぎ経験の有無,②過去に 経験した引き継ぎに関して,配慮を感じた点,③ 難しかった点,④今後引き継ぎを行うに当たって 不安に感じる点や留意しようと考えている点を,
自由記述にて尋ねた。
3.結果と考察
1 )引き継ぎ体験の有無
相談員年数別に,引き継ぎ経験の有無を表1に まとめた。相談員 1年目でまだほとんどケース担 当をしていない修士1年生は,ほぼケース引き継
ぎの経験はなかった。 2年目以上になると,なん らかの形でほとんどの相談員が引き継ぎを経験し ていた。学年が上がると引き継ぎ経験も増え,相 談員 2年目の半数近くおよび 3年目以上のほぼ全 員が引き継ぎとしてケースを受け取って担当して いた。また3年目以上の相談員のほぼ全員が学外 機関でも引き継ぎを受けてケースを担当している
ことがわかった。
逆に引き継ぎとしてケースを渡した経験につい ては,学内のケースについてはどの学年でもまっ たくおらず,学外機関において数名いる程度で あった。相談員の多くは学外での非常勤勤務でも 臨床活動を行っており,その仕事を退職する際に ケースを渡している者もいるが,多くは,同じ職 場を継続しているか個別ケースを担当しない形態 での勤務であり,個別ケースを後任者に渡すとい
う引き継ぎ経験は少なかった。
このことから,当相談室においては,ケースを 受け取る経験をした者は多いものの,ケースを渡 す経験をした者はほとんどいないことが明らかと なった。ほぼすべての相談員は,大学院修了時に 初めてケースを後任者に渡す経験をするようであ る。このことはおそらく大学院附属の相談室では 当然の結果であろう。個別ケースの引き継ぎは心 理臨床の初学者にとって大きな仕事であると思わ れるが,引き継ぎに焦点を当てた報告やテキスト は多くは見受けられず,引き継ぎの仕方やケース を渡す側,受け取る側の留意点についてまとまっ 表1 相談員年数別の引き継ぎ経験の有無
相談員年数
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目 計
・・ーーーーーーー・ーーー『時,−−N司虐・・・ーーーー・ー・−−−−−ーーーーーーーーーーーーーーー圃・ー・・ーーーーー・・E・E・−−−−ーーーーーーーー・ー.,..,.ー『 F『−−ーーー・E・−−−ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・
N 25 28 4 2 7
6 6 心理教育相談部門でケースを受け取った 。 13 4 7 25
心理教育相談部門でケースを渡した 。 。 。 。 。 。
同センター他部門でケースを受け取った
21 2 2 27同センター他部門でケースを渡した 。 。 。 。 。 。
学外機関でケースを受け取った 。 3 4 2 6
15
学外機関でケースを渡した 。 2 。 。
4 6
ケースヲ
iき継ぎの経験はない
24 3。 。 。
27たものは見当たらない。
2)引き継ぎ時の配慮について
自由記述の回答について文章の意味で区切って カード化し,過去に経験した引き継ぎに関する配 慮を感じた点75項目,難しかった点60項目,今後 引き継ぎを行うに当たって不安に感じる点や留意 しようと考えている点85項目それぞれについて,
臨床心理学の研究員1名と臨床心理学を専攻する 大学院生l名でKJ法による分類を行った。その 結果,〔記録〕,〔話し合い〕,ー〔前Th.との連絡〕,〔新 Th.の不安〕といったカテゴリーが含まれる【情 報の引き継ぎ},〔後任の探し方〕,〔顔合わせの仕 方〕,〔ヲ!き継ぎの準備〕といったカテゴリーが含 まれる【後任者の決め方・出会い方
I
,〔CLとの 話し合い〕,〔前Th.との比較〕,〔初心者としての 不安〕,〔ケース状況〕,〔面接構造〕といったカテ ゴリーが含まれる【面接の内容】に分類された。それぞれの結果について,配慮を感じた点,難し かった点,今後の留意点それぞれの分類が対応す るように図lにまとめた。
この結果は当相談室のケース引き継ぎの現状を 表していると考えられる。この結果をもとに,ク ライエントに資するために 改善できる点を考え ていく必要があるだろう。
( 1 ) [情報の引き継ぎ}
〔記録〕のカテゴリーを見ると,ケースを受け 取った後に因る点として,必要不可欠な記録の不 足が多く挙げられた。面接経過を記録に残すこと は当然必須として,詳細な面接記録とは別に,簡 潔にまとめた資料や 来談日時と概要のみの記録
も参考になるという意見もあった。
〔話し合い〕では,後任者としては,前任者と 直接話し合ったことが良かったと思い,引き継ぎ が口頭で行われる方が助かることが窺えた。口頭 なので思いついたことをその場で質問しやすく,
記録には書かれていないことも聞くことができる。
また,その場でのやりとりをメモしておくと,後々 役立つこともあるようである。
〔前Th.との連絡〕にあるように,引き継ぎが 行われた後に前任者と再び連絡をとりたい,わか らないことを教えてほしいという希望がある一方 で,〔新Th.の不安〕のように,自分の担当ケー スとして責任を持って,前任者の方針等に引きず られないようにしたいという方針もある。客観的 な情報を知りたいという思いと,情報をどこまで 頭に入れておくかについて 悩みながらケースを 担当していることが窺えた。引き継ぎ後の前 Th.との連絡については ケースの理解と合わせ て考える必要があるだろう。
( 2)【後任者の決め方・出会い方}
〔後任の探し方〕をみると「クライエントとの 相性」を考慮する相談員が多いようであるが,合 うか合わないかを予測できるのかを考える必要も あるだろう。当相談室では後任希望者を募集する 形はとっておらず他の相談員や相談室主任/副 主任に相談し,後任候補者の性別や所属する研究 室, 日程の都合,その人のもつ雰囲気などをあれ これ話し合って決定している。単純に決められる ものではないが,実際どういった点を考慮しどの ように決めているのかは今回の結果からは不明で あった。また,〔引き継ぎの準備〕にあるように,
急に担当者交代が決定した場合には,十分な事前 f食言すが持てないまま ばたばたとヲ|き継ぎが行わ れ,後任者もクライエントも困る事態が生じるこ
ともある。
引き継ぎ日当日のクライエントとの〔顔合わせ の仕方〕については 特に困った経験は記述され なかった。前任者に紹介してもらう形が,後任者 にとってはやりやすいようであるが,クライエン トとの最初の出会い方は様々な形式があり,ケー スの特徴を考慮して行われる必要があるだろう。
後任者はケース担当自体が初めてのことも多く,
よくわからないまま前任者に任せる可能性もある。
前任者自身もケースを引き継ぐ経験は初めてのこ とがほとんどであり 実際に配慮が行き届いてい るのかは不明である。
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今後の留意点
具体例
〔記(8録)〕 ケース記録、力ンファ書類を必ず全て入れておく。
[話し(1合4)い〕 ケースについて話し合える時間を確保すること。
〔前Th.との連絡〕 思引に連きい継ま絡しぎをた後取。もりや前す任い者環、後境任作者りはとがしてもおしき困たっいたなときと (6)
〔新T~.1の3)不安〕 背否決引景きか定継す、、ねねぐる際ららよいいにうをはにこ頭意れ何に識まか入でし背よのれ景うケてにとー、つ思同スいい様のてまの方もす方考針。針慮にをつしとたいる上てかで、 カテゴリー
難しかった点
具体例
資料、データがない。PCの中にあってもパスが掛 かっている。紙にして残すのを徹底してほしい。
〔新Th.の不安〕
(13)
E大抵卒業されての引き継ぎだと思うので、引き継
〔前Th.との連絡〕(4)
l l
I ぎ直後に不明な点があっても連絡が取りづらいこ・とが少し困りました。
引き継いで、どの程度情報を知っている感じで始 めたらいいのかとか悩みました。
カテゴリー
〔記録〕
(19)
配慮を感じた点
具体例
〔記(1録6)) ケことー。スの記録を適切な形できちんと残してあった
〔話し(2合5)い〕 個別に会って話をしてもらった。
〔前Th.との連絡](5) 前Th.と連絡がとれる体制にあった。
〔新Th.(の不安〕5) 「」し、あとな言たっとての下ケさーっスただのかでら安心思でっきたた通。りやるとい カテゴリー
【情報の引き継ぎ】
〔後任の探し方〕
l
自分とCl.の関係を娠り返ってCl.と合いそうな後任 (10)l
を探すこと。ICIと新Thが出会うまでの段取りは前Th.がとり仕
〔顔合わせの仕方〕(4)
I i I i
切ってもらった方がよいと思う(新きかわからないことが多いので)。Th.はどう動くべ〔引き継ぎの準備〕
l
引継ぎ前の話し合い、段取りなどの打ち合わせを (7)l
少し前の時期から余裕を持って始めていくこと。〔後任の探し方〕 lei.と引き継ぎ者の相性。
(5) I
l
最初のCl.さんとの顔合わせのやり方は、ケース〔顔合わせの仕方〕(11)
l
II 目の都度変えました。Iこよって適切と思われる方法を前Th.と考えてそ【後任者の決め方・
出会い方】
〔引き継ぎの準備〕
l
急に決まったので電話での引き継ぎや前Th.から (4)l
直接紹介して頂けないときは正直困りました。〔Cl.との(話11)し合い〕 まずCl.さんにどう配慮したらよいか。
〔前Th.との比較〕 で(8) こりのと方へれ1知hなまのらベでEな修ヨ.のJい抗習こセ面でとれラ不が祭まピ安き多でーょをすのの感げぎ資涜じるて料まれ盛者がすやたじあ.セが空るラあ聞臼ピりにスまま入いトすっのえ.てかこい自れかく分まわ
ι
〔初の心不者安と〕し(4て) イいニけシばャいルいケかー。スとなるので、どのように対応して 担当児が前Th.の話題を出しできたり、前Th.の方
[前Th.との比較〕
l
を良〈言ったりするときにはどう反応するか困りま (9)l
した。前Th.の方がうまくやっているのではないかと思い不安になるときがあります。
〔Cl.との話し合い〕
l
ニ子どもにTh.の交代について早めに話してもらえ (4)I
たこと。【面接の内容】
状況が難しいまま引き継いだので来てもらうこと に苦労した。
独特な面接構造になっていてそれが引き継ぎ時 も残っていたこと。
〔ケース状況〕
(5)
〔面接構造〕
(6)
「平守一一の頻…仇 |
図1 ケース引き継ぎの配慮、困難、留意点に関するKJ法分類結果
( 3)【面接の内容】
引き継ぎ時には,担当者が交代することについ て,〔Cl.との話し合い〕にあるように前任者とク ライエントとの間でしっかり話し合いがなされて いることが重要である。その際,引き継ぎありき で話を進めるのではなく,面接が終結となる可能 性や,他機関を紹介する可能性も考慮する必要が あるだろう。まずは担当者の都合で面接を継続で きなくなったことがもたらす動揺について, しっ かりと話し合いを持つ必要がある。その際の動揺 はクライエントの心理的課題を反映している場合 もあるという視点も重要であろう。
前任者とクライエントとの関係は,後任者との 面接にも大きく影響する。〔前Th.との比較〕と して,クライエントから前任者と直接比較される こともあれば,間接的に前任者との関係を匂わせ る話題が出ることもあるだろうが,どちらもクラ イエントの心理的課題を反映している可能性もあ るだろう。
また,後任者の〔初心者としての不安〕の現れ として,クライエントにどう思われているのかが 気になる面もあるようである。引き継ぎの多くは 先輩相談員から後輩相談員に向けて行われるため,
後任者は先輩のようにやれるだろうかという思い も持ちやすいと思われる。
引き継ぎのタイミングはセラピストの都合であ るため,〔ケースj犬況〕としてクライエント自身 や環境が変動している最中であることもある。す べてのケースであり得ることだが,そのような場 合は特に,前任者の情報から得た印象と実際に出 会った印象が異なることは十分考えられる。後任 者には,前任者からの引き継ぎをしっかりと受け ると同時に,情報に必要以上に振り回されず,ク ライエントとの最初の出会いを大切にすることが 求められるだろう。
ケースを引き継ぐに当たって,〔面接構造〕に ついて再考することも重要である。今回の結果か らは,引き継ぎ時にケースの内容について話し合
うことは多いようだが面接構造の話をすること は少ないことが窺えた。引き継ぎ後に因った点と して〔面接構造〕が挙げられているが,配慮して もらうことは少なく 今後配慮しようという意見 も見られなかった。面接頻度や時間,面接室,遊 具といった現実の枠組みのみならず,それらがク
ライエントにとってどのように機能していたかに ついても踏み込んだ見立てを考えることが大切で あろう。
m
研修 I.目的調査結果から,ケース引き継ぎに関して十分な 検討が行われているとは言えない現状が窺えた。
そこで,相談員に引き継ぎについて事前に考える 機会を持ってもらうため,調査結果をフィード
ノ f
ックし引き継ぎに関する石汗修を行った。2.方法
2012年12月11日に授業時間(90分)を利用して 行われた。当相談室相談員に対し調査結果の フィードパックを行い,相談員同士での小グルー プでの話し合いの時間を設け,途中でランダムに グループを変更した。更に全体でのデイスカツ ションを行った。
研修終了後,研修の感想や意見について, 42名
(相談員1年目18名, 2年目14名, 3年目3名, 4年目 2名, 5年目 5名)の自由記述による回答 を得た。
3.結果と考察
感想、や意見は,文章の意味で、区切ってカード化 された71項目について 臨床心理学の研究員1名 と臨床心理学を専攻する大学院生1名でKJ法に よる分類を行った。その結果,【特別企画の感想
1
13項目,[ケースへの向き合い方
l
37項目,{具体 的な引き継ぎイメージl
21項目に分類された(図2。)
1 ) [特別企画の感想}
当相談室では,これまで引き継ぎに関する研修
石田・佐々木 大学院附属相談室におけるケース引き継ぎの留意点に関する調査と研修の報告
31カテゴリー
具体例l
今ちょうど引き継ぎについて考えていたので、自分の考えを整理|今日のような機会があると、それまで なんとなく とか 当たり前〔考えるきっかけ〕(6)
I l
II
したり、考える材料になったりしました。いろいろ意見を聞けて良|のように進んでいたことについて改めて考える場となり、よいなーかったです。I
I |と思いました。【特別企画の感想】 i
自分が引き継いだ経験がないので、引き継ぎをした同級生や違う| ー
〔学年を超えた議論〕
m 1 l I
目今後引き継ぎを考えることの参考にしたいと患いました。学年の人と話し合えたのはよかったです。いろいろ聞けたので、 | 1|を口頭で聞くとができ、引き継ぎのイメージアップができました。I 他の学年の方と話すとができ、ケースを引き継がれた時の悩みー』 」〔Cl.へ(の10)配慮〕 ま引しきた継。ぎは前任者との終結だと考えるというのがとてもしっくりき イそなンれとテ,思以ーい上クまにカし「ンたわフ。かァれなるどとでき「出」の会おうはときな」しの(やはりなとしりは)をよもく聞っきときまきすたがい、
【ケースへの 向き合い方】
〔ケースごとの理解〕
(18) い「配う慮ことしをた感いじこると結」を果どだうすったる。のかということも面接の一部であると 結局、ケースごとに考えるだろうとし汚意識が強まった。
〔ヨ|き継ぎ(9)心構え〕の ア後ま目ンでが任ケいい者ーろろのいトい三のろろ者結な出聞面果てのもをき相考見て互えて、やな関、自はけ係分れりや引がば記き考い録継えけ、ぎた面なにこい接と関と構の思し造なてい、Cかま前lっ側す任た、。者前方と任面の者や連項、絡た互引けとたきいえ継りが、、ぐ意急引但識にきjlはを継決しもがまっっっれかてたるり臨り側資むし料もてべ情やもき報記、も引を録のもきなをら継準のさぐ備かな、なしい引たとよき思りう継話質いがし問まれ合しをるうたし機かた。会らりにを、おは設、
〔ケのー不ス安を〕渡(す5)側 聞引きい継てもぐ側い(い渡かすも側。)行の動不化安なもどあ客る観か的もな。受情け報取はる欲側しがい話か半も。分に 強引きい継ようがにれ思たいこまとすを自。分が引き継ぐ際にしようとする意識はとても
【具体的な引き継ぎ イメージ】
〔後任(1者1)探し〕 待先聞断の材輩っい持てて料てい自るにこ分る人しう人、やにい同にす声う級引風いを生きにかの継のケかけ様ごなたうス子企〈となをを思しりす見いてまるるまいすのにしる固たかな
E
どと後倒感いは的じう媛まにこす点すと。がでがケにあわケっかスて発るスと釘表を判惑を 程先あしいる輩度との方コ感ミでのュじは話たニなを。ケい聴先ーかき輩シとな方ョ感がンにじがらとた、成っ後。てり任立はにた「こふなのさけ人われはしばいこ、うか判いど断うう人しかづ」のとらい判いう断部あ分はる難も〔引き継ぎ(の5)道しるべ〕 相継れこと談ぎるがとの室でいこできいれのるとだ引の思けきでいは継よまチぎかすェはっ。ッ、たこク初のでし心てすよ者うお。な同くこ機士と会が、がスやあタるンるζダととー、が丁ド多寧ない形にた考式めえが、直知引すき デ参いィま考スすにカがすッ、シるそョかれン次をを第踏引だきまな継えあぎてと者、思あがいるどま程うし度そたフれ。ォをー活マ用ッすトるがかで、きどることまはで思
図 2 引き継ぎに関する研修の感想
を開催することがあまりなかったが,「それまで なんとなくとか当たり前のように進んでいたこと について改めて考える場となってよかった」とい うように,相談員にとって今回の企画が引き継ぎ について〔考えるきっかけ〕となった感想が見ら れた。またアンケートのフィードパックを行った 時期が12月で実際に担当しているケースの引き継 ぎ等を意識し始めたタイミングであったというこ ともあり,「ちょうど引き継ぎについて考えてい たので,自分の考えを整理したり,考える材料に なったりした」と,より現実感を持って引き継ぎ について考える機会となったようである。
調査と研修を同時に行った今回の企画の形式に 関しては,「ヲ|き継ぎをした同級生や違う学年の 人と話し合えたのはよかった」 「他の学年の方と 話すことができ,ケースを引き継がれた時の悩み を口頭で聞くことができ,引き継ぎのイメージ アップができた」といった〔学年を超えた議論〕
が良かったという感想があった。当相談室では学 年や研究室の枠を超えた縦割りグループとして
「曜日チーム」と呼ばれる研修単位がある(村山,
1988)。曜日チームでは電話応対等相談室運営に 携わる業務を行うが,それだけでなく,様々な自 主研修を通して交流を深めるという特徴もある。
普段あまり話す機会のない相談員とも,心理面接 への考え方を議論することは お互いに刺激を受 けることが多く,今回の企画もそのーっとなった ようである。
2) [ケースへの向き合い方】
〔ヲ|き継ぎの心寸蕃え〕として,「ヲ|き継ぐ,引き 継がれるからには 引き継ぐ側はしっかり資料や 記録を準備したり話し合う機会を設けたり,引き 継がれる側も情報をもらさないよう質問をしたり,
お互いが意識をもって臨むべきものなのかなと 思った
J
,「アンケートの結果を見て,自分が考え たことのなかった方面や項目がいろいろ出てきて,やはり引き継ぎに関してCl.側,前任者,後任者 の三者間の相互関係や記録,面接構造,前任者と の連絡までいろいろな面も考えなければいけない と思う」というように 引き継ぎという出来事に 対する意識づけが高まったようである。
現在担当しているケースを今後引き継ぐ場合の
向き合い方に関する「ヲ
l
き継ぎは前任者との終結 だと考えるというのがとてもしっくりきた」とい う感想や,カンファレンス等への連想として「出 会うときのことはよく聞くが それ以上に別れるときのやりとりをもっと聞きたいと思った」とい う感想にあるように セラピストの都合で別れを 体験する〔CLへの配慮〕に関するものが見られた。
確かに当相談室のカンファレンスではインテーク や導入期の報告が多く 終結ケースや引き継ぎ ケースの検討はあまり多くない。ケースの終結・
引き継ぎにしっかりと向き合うためには,今後の カンファレンスのあり方も重要になってくるだろ
つ
。
また,「「配慮したいこと」をどうするのかとい うことも面接の一部であるということを感じる結 果だった
J
,「結局,ケースごとに考えるだろうと いう意識が強まった」というように,引き継ぎを 面接の一部として考える〔ケースごとの理解〕と いう視点を持ち,クライエントの特徴やケースの 状況を考慮して最善と思われる方法を選択してい くという感想が見られた。仲亀(2008)は,転移 や逆転移を検討せずに引き継ぎを行うことは別れ の痛みを回避することになるとし引き継ぎを行 うかどうかは別れを十分に味わってから考える必 要がある,と述べている。別れの作業においては,セラピスト自身が ケースを後任者に渡すことに 関する自分自身の寂しさや安堵,嫉妬,罪悪感と いった痛みから目をそらさないことが必要である。
また藤山(2001) は,心理療法の営みにおいて引 き継ぎは原理的本質的に不可能であることを指摘 し,引き継ぎとはひとつの終結とひとつのはじま りであることを意識することの重要性を強調して いる。先に引き継ぎありきではなく,別れの作業 を行った上で,十分な話し合いの結果引き継ぎが 選択され,生産的な可能性を帯びて実施される,
ということがより望ましいと考えられるだろう。
3) [具体的な引き継ぎイメージ】
これまでのケース引き継ぎでは,「先輩から引
き継がれたことを自分が引き継ぐ際にしようとす る意識はとても強い」という感想に現れているよ うに,上級生の形をそのまま踏襲することが多く,
その是非についてはあまり議論されていなかった ように思われる。そこには「ヲ!き継ぐ側(渡す側)
の不安もあるかもしれない」というように〔ケー スを渡す側の不安〕がある。その不安に気づき,
向き合って,自ら考える姿勢が重要であろう。
〔ヲ|き継ぎの道しるべ〕として,「これだけは チェックしておくことなど,スタンダードな形式 が知れるといいと思う」という意見のように,検 討すべき事柄が意識に浮かびゃすくなるような引 き継ぎの書類・様式の工夫が必要であることが窺 えた。もちろん,その書式を利用すれば良いとい うわけではなく,「(受け取る側が)どう活用する か,どこまで参考にするか次第だと思う」という ように,ケースを渡す相談員,ケースを受け取る 相談員の双方が,引き継ぎの留意点についてしっ かりと意識し自覚と責任を持って考えるための 補助として,書式を活用していくという姿勢が重 要であろう。
〔後任者探し〕に関しては 立候補形式という 提案もデイスカッションの中で、上がった。一方,
「先輩方の話を聴きながら 後任にふさわしいか どうかの判断は難しいと感じた。ある程度コミュ ニケーションが成り立たなければ、判断しづらい 部分もあるのではないかと感じた」という意見も 見られた。ケースを引き継ぐことは書類を引き継
ぐだけではないので,この人に任せようと思える ような人間関係が活きてくる。しかし現実的には
「先輩,自分,同級生の様子を見るに,圧倒的に すでにケースを持っている人に引き継ごうとして いる。ケース発表を聞いて,こういう風にケース をするのかということがわかると判断材料にしや すい」という意見にもあるように,例年,引き継 ぎ依頼が集中する相談員がいる一方,声がかから ない相談員がいるのも事実である。より良い引き 継ぎを目指すためには 日常業務のうちから先輩
石田−佐々木 大学院附属相談室におけるケース引き継ぎの留意点に関する調査と研修の報告
33や後輩との信頼関係を築き,相互理解を深めてお くことが必要だと思われる。そのために,相談室 の臨床業務ではカンファレンスに出席・発表し積 極的に発言することはもちろん相談室運営業務 にも積極的にコミットし相談員同士での良い関係 性を形成していくことが,より良い引き継ぎのポ イントでもあると思われる。このような取り組み は,最終的には来談されるクライエントに還元さ れることになるだろう。
N 総合考察
ケースヲ
I
き継ぎはこれまではあまり意識される ことがなく行われてきた現状があったが,今回の 調査・研修を通して ケース引き継ぎは難しいも のであるという認識が強まり 具体的な引き継ぎ の留意点が見えてきた。情報の引き継ぎ,後任者 の決め方・出会い方 面接内容が大枠の検討点と なり,調査・研修を踏まえた結果,引き継ぎへの 意識づけが高まり,具体的な引き継ぎの行い方を 考えると同時に,相談員にとってはそれぞれの担 当ケースとの向き合い方を見直すきっかけとなっ たようである。今回の調査・研修のアンケート結果およびデイ スカッション内容をもとに 引き継ぎがしっかり とスムーズに行えるよう 図3のような引き継ぎ 検討用の書式を作成した。このシートを活用する ことで引き継ぎの際に少なくとも最小限考慮しな ければならないことを考える機会になるだろう。
もちろん,この書式は万全のものではなく,当相 談室で行われているケース引き継ぎの現状に合わ せたものである。重要なことは ケース担当者が クライエントのことを一生懸命考え,深く理解し ようとする姿勢であり,そうすることで個々の ケースにおいて適切と思われる引き継ぎの方法は 見えてくると思われる。
本稿執筆時点で実際に運用が始まっているが,
ケースの理解,引き継ぎの検討に有用との声も上 がっている。また引き継ぎだけではなく,相談員
の退職を巡って終結が話題になった際にも,状況 の整理として有用なようである。今後運用してい く段階で,改善点が見つかれば随時改訂していく 予定である。
2 0 1 2
年度心理教育相談部門担当終了検討シート
(処遇決定後は主任とカルテに1部ずつ保存)
【ケース概要]
カルテ
No年齢性別・面接頻度・回数 主訴
最近の状況
担当者
【見立てと方針/共同
Th.との話し合い]
[相談員の異動について]
伝えた日時
伝えた内容・状況・様子
[担当終了後の処遇]
継 続 / 引 継 / 終 結 / 中 断 ( ど れ か にQ) 理由
口記録の整理
口処遇報告書の提出(主任とカルテ l 部ずつ)
日i
き継ぎの場合]
口主任/副主任に相談・・・候補者
口後任者と話し合い・・・・・日時
口顔合わせの仕方について検討 口面接構造について検討
口引き継ぎ後の前
Thとの連絡について検討 口引き継ぎ後、カンファ/個別検討に提出
図
3引き継ぎ検討シート
v
今後の課題今回の調査結果は当相談室におけるケース引き 継ぎの現状を把握するためのものであり,その結 果に合わせた引き継ぎ書式が作成された。もちろ ん,この書式が最良の方法というわけではない。
調査は質問紙法を用いたため ケース引き継ぎの 留意点に関しては初学者の相談員が意識できてい ることに限定されている。そのため,うまくいっ ていないが調査時点では言語化が困難であった事
柄はもちろん,無自覚であるがうまくいっている 点や,より深い水準でのクライエント理解,様々 な臨床技法特有の問題等については,今回の結果 からは明らかにはならなかった。
今回,質問紙調査をもとに相談員研修を行う形 式をとったが,調査対象となった相談員は学内に おいてケースを渡す経験はまったくなかったため,
ケースを受け取った経験や想像に依って回答・
デイスカッションを行っている。今後引き継ぎに 関する困難や諸問題がより明らかになれば,また 違った形での調査・研修もあり得るだろう。例え ば,ケースを渡した経験のある者への調査や,引 き継ぎケースの縦断研究なども有用であろう。ま た,実際に引き継ぎが行われたケースは,そのケー ス特有の配慮が当然なされている。引き継ぎの在 り方に焦点を当てた事例研究を重ねることも有用 だと思われる。
文献
藤山直樹(2001).不可能な仕事.臨床心理事例 研究, 28, 6‑7.
加藤尚子(1995).カウンセラーの都合による終結・
引き継ぎについて一一心理機制と関係の在り方 をめぐって立教大学教育学科研究年報, 39, 73‑85.
河合隼雄(1970).カウンセリングの実際問題.
誠信書房
村山正治(1988).心理教育相談室運営の新しい システムの提案とその実際一一相談室長ノート.
九州大学心理臨床研究, 7, 147‑151.
仲亀秀実(2008).心理療法における引き継ぎに ついて一一セラビストの交代がもたらすもの.
帝京大学心理学紀要, 12, 71・75.
Wittenberg, I. S. (1970). Psycho−α仰 lytic insight αnd Reliαtionship : A Kleini,αn approach. Routledg.平井正三(監訳) (2007). 臨床現場に生かすクライン派精神分析.岩崎学 術出版.
Investigation and training of key points in the handover process at a psychological clinic
Tetsuya ISHIDA, Reiji SASAKI
Faculty of Human-Environment Studies, Kyushu University Psychological Clinic, Kyushu University
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The purpose of this survey was to investigate the process of taking over cases at the Psychological Clinic in Kyushu University, and to provide information on the psychology of the client and therapist in the handover process. First, the staff answered a questionnaire containing items on experience, the point of solicitude, difficulty, and anxiety about the handover process. The results revealed that almost all staff had no experience in taking over cases to a successor, although most of the staff who had attended work here for over two years had to take over cases from a predecessor. Through free description, "handover information," "how to match replacements with their predecessors," and "content of therapy" were found as key points of discussion. This survey seemed like an opportunity for the staff to rethink the process of taking over cases, in addition to raising their awareness of and fostering thought about the essential points to remember regarding the handover process in the training that followed. Through this survey and the subsequent training, staff members' cognizance of the difficulty involved in the handover process and its key points to remember seemed to have been increased.
Keywords: handover process, psychological clinic in university, beginner